海未「ふふっ、冗談ですよ。遅れて来た分の罰です」

穂乃果「ふむ....それならいいや。さぁ、いざゆかん........はっ！」

海未「どうしました？」

穂乃果「お、お財布忘れた....どうしよ....」

海未「そんなことですか。どうせ私が全部奢るつもりでしたし大丈夫ですよ」

穂乃果「えっ！？悪いよ」

海未「いいんです。お金は好きな人に使えれば本望です」

穂乃果「彼氏さんみたい」

海未「私は女の子ですよ」

穂乃果「じゃあ、穂乃果が彼氏さん」

海未「穂乃果が男の人だなんて考えたくありません」


なんてやりとりが日常茶判事。

穂乃果と海未ちゃんは、恋人同士だけど、友達のような恋人っていう、穂乃果達の理想のお付き合いをしてるんだ。

これが、穂乃果の『今』。もちろん最高だっ！




ｶﾗﾝｶﾗﾝ

???「いらっしゃいませー♪」

穂乃果「やっほ〜花陽ちゃん」

花陽「あっ、穂乃果ちゃん！と、海未ちゃん！」

海未「こんにちは。バイトどうですか？」ｶﾞﾀｯ....ｽﾄﾝ

花陽「慣れてきたよ。やっぱり王手チェーン店より、街の喫茶店の方が好きだなぁ。こうやってお客様とお話できるし」

マスター「花陽ちゃん？お友達なら休憩入れてもいいよ？」

花陽「あ、大丈夫です！....ほら、マスターも優しい方だし」

海未「いいところを見つけたみたいですね」


この優しい雰囲気の女の子が、小泉花陽ちゃん。
私達の一個下で大学１年生なんだ。
生粋のお米好きで、ちょっと食いしん坊さん。
真面目でいい子なんだよ〜

言い忘れてたけど、一応みんな大学進学してるよ。
こうやって会えるんだから、高校の卒業式で泣いて抱き合わなくても良かったと思うけど、それも、その時の『今』が最高だったからなんだよね。


穂乃果「それじゃ、ホットコーヒーひとつ。お砂糖はいらないぜぇ」ｷﾘｯ

海未「馬鹿なことを言わないでください」ﾍﾟｼｯ

穂乃果「いてっ」

花陽「あはは、穂乃果ちゃんはブラックで飲めないでしょう？しかもお砂糖とミルクはお好みでいれてくださいな」

海未「....では、私はアイスコーヒーで。結局穂乃果はどうするんです？」

穂乃果「ホットココアください」ｼｭﾝ

花陽「はいはーい。少し待っててね〜」

穂乃果「....うぅ、もう大人なのにコーヒー飲めないなんて....」

海未「いいじゃないですか。ココアを飲む貴女は可愛らしいです」

穂乃果「も〜！いつもそうやって可愛い可愛いって！穂乃果は綺麗で素敵なお姉さんになるのに！」

海未「はぁ....無理ですよ。貴女は可愛くて優しいお姉さんです」

穂乃果「ぐぅ....海未ちゃんがそう言うならいいけどさ」

海未「私の穂乃果です。可愛くて当然なんですよ」ｽｯ

穂乃果「あ、本読むの？」

海未「ええ」

穂乃果「今どんな本を読んでるの？」

海未「えっと、推理小説です。密室殺人事件をいくつも解決していくシリーズものの小説ですね」

穂乃果「ほう、密室ねぇ」

海未「興味持ちました？」

穂乃果「うん、なんか密室事件ってだけで面白そうだなぁって。やっぱり人って変わるんだね」

海未「どういうことです？」

穂乃果「いやぁ、穂乃果なんてお勉強できない漫画読んでぐぅたらしてる駄目駄目な女の子だったでしょ？」

海未「....誰もそこまで酷くは思ってないと思いますが」

穂乃果「自分に厳しくだよ！それで、今じゃお勉強もするし、小説とかの本も読むでしょう？今はこれが普通になってるけど、過去の自分が見たらびっくりするだろうね」

海未「まぁ、いい方向に変わりましたが、穂乃果らしいところは流石に変わってませんよね」

穂乃果「そりゃ穂乃果らしいところが変わっちゃったら穂乃果じゃなくなっちゃうし。お姉さん面白いこと言うねぇ」ﾆﾔﾆﾔ

海未「そういうところです」

穂乃果「ぬぁっ....」

海未「そこも含めて穂乃果が好きなんですけどね。」

テケテケテンテンテケテンテン♪

穂乃果「ん？」

海未「あっ、お母様から電話です」

穂乃果「浮気相手かい？」

海未「お母様ですって！証拠にここで出ます。....はい？」

「〜〜〜〜」

海未「そうですか、良かったですね。....はい。ふふっ、楽しんでいますよ。はい、それではまた。」

ﾌﾟﾂｯ

穂乃果「よし、どうやら本当にお母さんからだったみたいだね」

海未「だから浮気なんてしませんって。」

穂乃果「でもこの間絵里ちゃんと会ってたんでしょう？」

海未「用事があったんですよ」

穂乃果「....まぁいいや。お母さんなんて？」

海未「なにやらいちご狩りの無料券が当たったらしく、自慢したかったみたいです」

穂乃果「へぇ、いちご狩りいいなぁ」

海未「生粋のいちご好きですもんね」

花陽「....お待たせしました〜。アイスコーヒーとホットココアとマスター自慢の自家製パンです」

穂乃果「おお！パン！」ｷﾗｷﾗ

海未「頼んでませんが....？」

花陽「花陽ちゃんのお友達なら喜んで。って、マスターからおまけだって」

穂乃果「太っ腹....！」

マスター「‥‥」ﾆｺｯ

海未「あっ....」ﾆｺｯ

花陽「でね、やっぱり休憩だって。気、使わなくてもいいのに」

穂乃果「いいじゃんいいじゃん！そういうのは素直に喜んであげるべきだよ」

海未「そうですね。さ、花陽も一緒にどうぞ」

花陽「うん！」

穂乃果「....ふぅ、ふぅ....」ﾁｭﾋﾟｯ

花陽「あれ？猫舌だっけ？」

穂乃果「まぁね....でもココア美味しい〜」

海未「コーヒーも美味しいです」

花陽「よかった。あ、そうだ！穂乃果ちゃん、久しぶりにあれやってよ」

穂乃果「あれって？」

花陽「パン食べてさ」

穂乃果「あー、あれか！」

海未「そういえば私も最近見てませんでした」

穂乃果「はむっ....今日もパンがうまいっ！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

花陽「懐かしいなぁ」ｸｽｸｽ

穂乃果「なんか今じゃ恥ずかしいかも....」

海未「前は毎日のように言ってましたけどね」

穂乃果「昔の自分の馬鹿〜」

‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥

海未「ご馳走様でした」

穂乃果「また来るね〜」

花陽「うん、またね〜」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

穂乃果「....んんっ！ふぅ....美味しかったぁ」

海未「はい、暇な時に来て読書するのもいいかもです」


穂乃果すぐ忘れちゃうんだけど、それくらい当たり前のように海未ちゃんは奢ってくれるから、少し悪いなぁって思ってるんだよねぇ。

まぁ、本人がいいって言ってるからいいんだろうけど。


穂乃果「そんじゃ、これからどうしよっか？」

海未「今、夏ですよね」

穂乃果「え？そうだけど」

海未「暑いですよね」

穂乃果「うん」

海未「....水族館、行きません？」ｽｯ

穂乃果「えっ！？それ、どうしたの！？」

海未「事前に買っておきました。すぐ入れるはずです」

穂乃果「おぉ〜！いいねぇいいねぇ！」ﾆﾊﾟｯ

海未「ふふふっ、穂乃果の嬉しそうな顔を見ていると、私も幸せになります」ﾆｺﾆｺ

穂乃果「穂乃果といったら笑顔だもんね〜」ﾆｯｺﾆｯｺﾆｰ

海未「あ、それはにこのですよ」

穂乃果「えへへ〜」

こうやって2人で笑いあってると、すっごく温かい気持ちになるんだ。穂乃果の笑顔で幸せになってくれるなら、沢山笑わないとね。

それに、笑顔は人を集めるみたいだ。


ことり「あ、穂乃果ちゃんと海未ちゃんだぁ！」

真姫「あら、ほんとね」

穂乃果「奇遇だねぇ。Smiling珈琲？」

ことり「うん、2人でぶらぶらしてたから少し休憩するの」

海未「へぇ、ことりと真姫だなんて珍しい組み合わせですね」

穂乃果「確かに！」

真姫「そんなことないわよね？」

ことり「うんうん、結構会うよ〜？」


このおっとりした女の子が南ことりちゃん。
穂乃果のもうひとりの幼馴染み！
手先が器用でお洋服作ったりするのが上手で、そういう関係のお仕事に就くのを目指してるみたい。
最近は会う機会が少なくなってるけど、大切なお友達だよ？
昔は、ことりいるところに穂乃果と海未ありだったんだから。
もちろんことりを穂乃果と海未に置き換えてもいいんだ。

そして、もうひとりの綺麗な子が西木野真姫ちゃん。
ピアノも歌も上手で頭もいいから、天才ってやつかな....あと、昔よりは素直になったんじゃないかな。
本当に絵に書いたようなツンデレさんで、昔はそんなところが可愛かったなぁ。



ことり「あれぇ？穂乃果ちゃん、少しお肉付いたんじゃない？」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

穂乃果「うげっ....摘まないでぇ....」

真姫「海未が甘やかしすぎなんじゃないの？」

海未「そんなことないですよ。私は穂乃果のしたいこと、やりたいことをさせて、食べたいものを食べさせているだけです。喜ぶ姿がとても愛らしくて」ﾎﾝﾜｶ

真姫「親ばかだったか....んで、2人はデート？」

海未「もちろんです」

ことり「ラブラブ〜」

穂乃果「海未ちゃん取ったらダメだよ？」ｷﾞﾛｯ

ことり「取らないよ....？」

真姫「良かったわね海未、愛されてるじゃない」

海未「私はそれ以上に愛してますから」

穂乃果「むっ、穂乃果の方が愛してるもん！」

海未「いいえ、私の方がもっともっと愛してます！」

穂乃果「なにおぅ！」

ことり「2人は変わらないねぇ」ｸｽｸｽ

真姫「ほんと、お似合いカップルよ。喧嘩なんてしなそうだし」

穂乃果「喧嘩してるもん！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

海未「はい、大喧嘩の予感です！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

ことり「でもぉ、その喧嘩の理由って、どっちの方が愛してるか、でしょう？もはや喧嘩じゃない気が....」

真姫「少なくとも私から見たらただのじゃれ合いね」

穂乃果「なんでよー！」

ことり「だって、手繋いでぶんぶんしてるだけだもん....どちらかというと可愛いだけっていうか....」

海未「私達が....可愛い....？」

穂乃果「うおぉ........海未ちゃんっ！」ｷﾞｭ

海未「穂乃果っ！」ｷﾞｭｯ

真姫「なんなの？これ....」

ことり「ま、まぁ、可愛いからいいんじゃないかな。さ、私達はそろそろ行こう」

真姫「うん。それじゃ穂乃果、海未、またね」

穂乃果「今日は沢山甘えちゃうからね〜♡」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

海未「はい、気が済むまで甘えてください♡」

真姫「聞こえてないわね....」


穂乃果達は喧嘩が可愛いんだって！
うーん、こんなにプンプンなのに....って、いつの間にか仲直りしてるんだよねぇ。

今日は沢山甘えちゃうんだもんね〜
海未ちゃん覚悟〜♡


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「ほぇ〜....おっきいねぇ」

海未「タカアシガニですね」

穂乃果「脚折れないのかなぁ....ところで海未ちゃん、この子達って美味しいのかな？」

海未「美味しいらしいですよ。知り合いに聞いた話だと伊勢海老に近い味だと言ってましたね。特に蒸しガニが美味しいみたいです」

穂乃果「へぇ、久しぶりに蟹食べたいかも....」

海未「それなら今日―

穂乃果「わわっ、蟹はいいよ！」

海未「そうですか....遠慮しないでいいのに」

穂乃果「....海未ちゃん、どこからそんなにぽんぽんお金が出てくるの？」

海未「あらゆるものを我慢して、穂乃果のためだけに貯めたお金です。バイトだって頑張ってますし」

穂乃果「うそっ、バイトしてたの！？」

海未「あら？言ってませんでしたっけ？」

穂乃果「うんうん、初耳！どこでバイトしてるの？」

海未「バイトっていうか、援助交―

穂乃果「嘘だよね！？」

海未「冗談です。私達もよく行ってたファストフード店です」

穂乃果「そうだったんだねぇ....今度行こうかな」

海未「ダメです」

穂乃果「えっ、どうして？？」

海未「....恥ずかしいので....」

穂乃果「ふふん、遊びに行っちゃうもんね〜」

海未「....バイト辞めます」

穂乃果「....むぅ....仕方ないなぁ」

海未「わかればいいです」ﾎｯ

穂乃果「じゃあ穂乃果のバイト先のパン屋さんにも来ないでね」

海未「えっ？嫌です！嫌です嫌です嫌です！！」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ

穂乃果「びっくりした....いきなり大きな声出さないでよ」

海未「うぅ....すみません」

穂乃果「冗談だったのに。海未ちゃんが嫌なら別に行かないし、パン屋さんにはいつも来てくれてる大切なお客さんだもん。実は店長さんも喜んでるんだよ」

海未「....あ、ありがとうございます」

穂乃果「よしっ........はっ！！」

海未「どうしました？」

穂乃果「海未ちゃん、鮫さんだよ！」ｼｭﾋﾟｯ

海未「鮫ですか。って、わわっ！」

穂乃果「早く行こっ♪」ｸﾞｲｯ


鮫さん、大きいなぁ。早く近くで見たい！
そうだ、今度海未ちゃんに穂乃果が考えたパンをご馳走してあげよう。


海未「穂乃果っ！そこ段差が....」

穂乃果「ふぇ？―うぁっ！！」

ﾍﾟｯﾀｰﾝ

海未「....すごい音が....」

係員「....お、お客様....大丈夫ですか....？」ﾃｯﾃｯﾃｰ

穂乃果「........」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

係員「あのぉ....」

穂乃果「....！」ﾊﾞｯ

係員「！？」

穂乃果「〜〜〜」ﾓｷﾞｭｩ

海未「おっと....」

穂乃果「....ぐす....」ｷﾞｭｩｩ

係員「あら....♡」

海未「はぁ、全く貴女って人は....すみません、ご迷惑をかけました」

係員「いえ、楽しんでくださいね」

海未「ほら、行きますよ」

穂乃果「....ぅっ....ぅん」ﾓｷﾞｭｩ


うぅ....恥ずかしいよぅ....痛いよぅ....
おまけに海未ちゃんに抱きついてすすり泣き。
もう大人なのに....


海未「もう、人の洋服を涙で汚して....」

穂乃果「なっ、泣かなかったもん！」

海未「嘘はいけないよ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「....ん？」

海未「君が嘘をついてしまったら、僕は瞬時に駆けつけることができなくなるだろう？」ｷﾘｯ

穂乃果「えっと....穂乃果そういうのちょっと嫌かな....いつもの海未ちゃんに戻ってよ」

海未「面白くないですねぇ....それより、走り回って転んで挙句に私に抱きついて泣いてしまうなんて、貴女はいつ大人になるのでしょうか」

穂乃果「だから泣いてないもん！」

海未「はぁ....肘にもアザができてますが、骨に異常はありませんか？」

穂乃果「うん」

海未「それならよかったです」

やっぱり穂乃果は子供っぽいのかな。
でも、海未ちゃんは穂乃果のことを心配してくれてるし、なんだか嬉しいなぁ

海未ちゃんが同じように転んだらどうするかな....案外穂乃果以上だったりしてね


海未「いいですか？よく転ぶドジっ子が可愛いと言われる年齢じゃないですからね？」

穂乃果「むっ、意地悪言ったね！」

海未「なら穂乃果も言えばいいじゃないですか。胸が小さいとか。........うぅっ」

穂乃果「....なんで自爆したの....」

海未「世界は不平等なんですよ！中学と高校のうちに大きくならなかったのは仕方ありません....けど！」

穂乃果「けど？」

海未「私の胸の大きさは並なのに、偶然周りの人が私よりも大きいから貧乳扱いされるんです！」ﾑｷｰ

穂乃果「女の子はおっぱいだけじゃないよ」

海未「わかってますよ！だから肌や髪、服や言動に気を使ってるんです！」

穂乃果「穂乃果もだけど....まぁ、偉い偉い」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

海未「こ、子供扱いしな....い....で................もっと撫でてください」

穂乃果「大人じゃないのはどっちなんだろうね〜」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


そう、海未ちゃんはたまにスイッチが甘えモードに切り替わる時があるんだ。しかも1度スイッチが入るとなかなかオフにならないんだ。

この時の海未ちゃんはいつもの100倍可愛いんだよ。


穂乃果「そうだ。海未ちゃん、今日お家に行ってもいい？」

海未「お持ち帰りしていいのですか？もちろんひとり暮らしは寂しいので嬉しいです」

穂乃果「お泊り会しようよ！」

海未「わかりました。....でも、私の家から穂乃果の家まで徒歩で10分かからないですし、いつも遊びに来てるではありませんか」

穂乃果「今日は泊まるんだよ〜！」

海未「なら、今日は寝かしませんよ〜」

穂乃果「ほう、それはどういうことかな」ﾆﾔﾆﾔ

海未「そこだけは大人ですか」


あ、そうそう。穂乃果と海未ちゃんはひとり暮らしだよ！μ’sで実家暮らしなのは、凛ちゃんと真姫ちゃんとにこちゃんだけかな。

今じゃ、何でも揃ってる実家暮らしが羨ましく感じちゃうけど。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「ぷはぁ....うめぇ〜！お風呂上りの牛乳！」

海未「そうですよね、お子様な穂乃果はお酒飲めないですよね」

穂乃果「20歳になったからって、急にお酒が飲めるようになるわけじゃないんだよー！」

海未「....そういえば穂乃果の方が少しお姉さんなんですね」

穂乃果「みんなのお姉さん穂乃―

海未「妹みたいですが」

穂乃果「う゛っ....穂乃果の方がお姉さんなのっ！おっぱいも穂乃果の方が大きいし、お料理もできるし、車の免許だって持ってるもん！....ペーパードライバーだけど....」

海未「胸のことは聞かなかったことにして、貴女車の免許なんていつとったんですか？教えてもらってないんですけど」

穂乃果「いやぁ、海未ちゃんのことだから乗りたいって言い出すと思って。去年の今頃だよ。19になって少し経ったくらいだったから」

海未「よし、明日ドライブしましょう」

穂乃果「ほらぁ、だから言わなかったんだよ」

海未「持ってても運転しないと更に自信がなくなって運転できなくなりますよ？」

穂乃果「それもそうだけど....大切な人を乗せて事故起こしちゃったら....とか思うと怖くなっちゃって」

海未「あら、初耳です。事故を起こすような人に免許を与えるんですね」

穂乃果「あぅ....そういうことでもないけど....」

海未「ドライブしましょうよ〜」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

穂乃果「や、山登りにしない....？」

海未「それよりドライブがいいです〜」ｳｷﾞｬｰ

穂乃果「....わかったよぅ....明日お父さんに借りにいかないと」

海未「うひっ....」ﾆﾔﾘ

穂乃果「あー！ニヤッとした！おねだりが通ったからってニヤッとした！」ﾌﾟﾝｽｶ

海未「穂乃果ならいいって言ってくれます」

穂乃果「....海未ちゃんだからだよ」

海未「海とか行きたいですね」

穂乃果「なら、明日は天気良いみたいだし、泳ぎに行っちゃう？」

海未「海水浴、２年ぶりです」

穂乃果「うん、高３の時にμ’sのみんなと雪穂たちで行ったきりだね」

海未「明日は2人きりですよっ♪」

穂乃果「なんか話が急すぎて....急いで準備しなくちゃ！」

海未「んー、明日早起きすればよくないですか？」

穂乃果「いいけど、どうして？」

海未「せっかく、2人きりなんですから....ね？」ｷｭ

穂乃果「....ふふ、甘えん坊さん」

海未「先に寝かせないって言ってたのは穂乃果でしょう。さあ、ベットに行きましょう。」

穂乃果「海未ちゃんが先に言ってたと思うな。....動けなくなるまで終わらせないからね〜」ｶﾞｵｰ


海未ちゃんったら....もし同居してたら穂乃果毎日襲われちゃうんじゃ....なぁんて、それは穂乃果の欲望なのかもしれないね。

明日は海かぁ、楽しみだなぁ。


穂乃果「....んみゅぅ....zzz」ｽﾔｽﾔ

海未「....ん....朝....」

ﾁｭﾝﾁｭﾝ....ﾁｭﾋﾟｰ

海未「穂乃果ぁ....」ﾓｷﾞｭｩ

穂乃果「ふぇ....？」ﾊﾟﾁｸﾘ

海未「朝です....」

穂乃果「そうだね....よし、穂乃果シャワー浴びてくるから、海未ちゃんは先に用意してて」

海未「....その前にキスしてください。元気が出ません」

穂乃果「もう、本当に甘えん坊さんなんだから。ちゅっ....」

海未「へへ♡....私は朝ご飯を作っておきますよ」

穂乃果「うん、ありがとう」ﾆｺｯ

海未「目玉焼きと―

穂乃果「待って、海未ちゃんは服着て」

おはようのちゅうって憧れてたけど、その相手が海未ちゃんになるなんて、昔は思ってなかっただろうなぁ。
でも、最近甘えられるばかりで....穂乃果もたくさん甘えたいのに。

それにしても、昔は破廉恥ですっ！って言ってたのに、海未ちゃんったら今じゃ....


ｼｬｰ....ﾊﾞｼｬｯ

海未「....ゴクリ....」

ｶﾞﾁｬｯ

穂乃果「ふんふんふーん♪」

海未「....はぁ....はぁ....じゃなくて....穂乃果、この間来た時に置いていった下着があったのでここに置いておきますよ」

穂乃果「あー、うん、ありがとう！....一応言っておくけど、下着は置いていった覚えないや」

海未「........」

穂乃果「....こ、細かいことは聞かないけど、変なことはしないでね？」

海未「........」

ｶﾞﾁｬｯ....ﾊﾞﾀﾝ

穂乃果「えっ、ちゃんと聞いてた！？........穂乃果下着盗まれてたの....？」ｿﾞｸｿﾞｸ

‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥

海未「........」ｼｭﾝ

穂乃果「....えと....お、美味しそうだな〜」ｱｾｱｾ

海未「....そ、そうですか？」ﾊﾟｧｧ

穂乃果「じゃあ、いただきます。....はむ....」

海未「....」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

穂乃果「むぐぅ....（このお肉すごくしょっぱい....）」

海未「うぅ....やっぱり美味しくないんですね....」

穂乃果「い、いやぁ....でも、こっちの目玉焼きはちょっとぐちゃっとしてるけど、普通に美味しいよ」ｱｾｱｾ

海未「....どうせ私は目玉焼きすらまともに作れない出来損ないですよ....」

穂乃果「でも、前よりは上手になったと思うよ〜」

海未「どうせ私なんか....」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

穂乃果「まぁ、確かに普段コンビニ弁当だけの生活はまずいよね....お料理、簡単なものから教えていってあげるよ」

海未「本当ですか....？」

穂乃果「うんうん、穂乃果だってお母さんに教えてもらってたんだから」

海未「....それなら....心強いです」ｷｭﾝ

穂乃果「それでも目玉焼きぐらいはさすがに....」

海未「うぁぁぁっ！やっぱり私は不器用なんですぅ！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

穂乃果「わわっ、泣かないでぇ！ごめんね、穂乃果が余計なこと言ったよ」

海未「....ひっく....じゃあ、毎日朝ごはんを作りに来てください」

穂乃果「え....あ、うん、いいよ。寝坊しなくなりそうだし」

海未「いっそのこと、一緒に暮らしましょう」

穂乃果「一緒に！？....うーむ....なら、曜日でどっちがどっちの家に泊まるか決めない？」

海未「嫌です」

穂乃果「えっ！？」

海未「今決めました。今度貴女の部屋に引っ越します」

穂乃果「急すぎるよ！？しかもそんな広くないし！」

海未「穂乃果と一緒がいいです〜」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

穂乃果「でも....」

海未「一緒が〜いい〜ですぅ〜」

穂乃果「あぁもう！わかったよ！！！」ｷｯ

海未「ぅっ....」ﾋﾞｸｯ

穂乃果「あ....ごめんね、つい大きい声出しちゃって....」

海未「い、いえ、私も調子に乗りすぎました....」

穂乃果「ううん、海未ちゃんは悪くないんだけど....えっと....その....」

海未「....？」

穂乃果「穂乃果も海未ちゃんに甘えたいの！」

海未「....ほぅ」

穂乃果「昨日から全然甘えられないんだもん。そりゃ、大好きな海未ちゃんが甘えてくれるのは嬉しいんだけどさ、穂乃果のことを構ってほしいの。ワガママ聞いてもらいたいの！///」

海未「はぅっ....可愛いですぅ....わかりました。何でも言ってください」

穂乃果「やったぁ♡」

ﾁｭｩｯ

海未「んっ....！？」

穂乃果「ぅはぁ....穂乃果は昨日の夜の続きがしたいなぁ」

海未「でも海に行く準備をしなければ....」

穂乃果「海も行く！大丈夫だよ、まだ朝早いし。ね？おねがぁい♪」ｷﾗｷﾗ

海未「....まったく、穂乃果はずるいです」ｸｽｸｽ


えへへっ、やっと甘えられる！....なんてね。
自分で言うのも変だけど、こんな事が3日に１回くらいはあるの。....だ、だって大好きなんだもん！


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「夏だっ！」

海未「海だっ！」

花陽「園田っ！」

凛「海未だっ！」

ほのりんぱな「いえーい♪」ﾊｲﾀｧｯﾁ!!

海未「........」

穂乃果「あれ？海未ちゃん？」

海未「どうして2人がいるのですか....」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

穂乃果「さっき偶然会ったじゃん」

花陽「いや〜、それにしてもこんなところで会えるとは思わなかったよね」

凛「うん、奇跡だよね！でも、海未ちゃんは嫌そう....？」


この元気で可愛らしい子が星空凛ちゃん。
μ’sの中では女の子らしいって言われてたんだよ。
そういえば、昔は髪短かったけど、今は結構伸ばしてるなぁ。
あ、そうそう、実は穂乃果の妹分なんだぜっ☆


海未「....い、嫌っていうか....2人きりのデートのつもりだったので....」ｼｭﾝ....

凛「おぉ、相変わらず2人はお熱いにゃ〜」

花陽「あ、猫語になってるよ」

凛「おっと....2人をからかったバチが当たっちゃった」

穂乃果「猫語可愛いのに」

凛「さすがにもう恥ずかしいよ〜」

花陽「花陽は良いと思うけどなぁ」

凛「え？かよちんがそう言うなら....じゃなくて！綺麗な大人の女性なるって決めたんだから。猫語なんて子供っぽいのやめないと」

穂乃果「お！穂乃果もそうだったけど、海未ちゃんが子供っぽいのがいいって言うから、それでいいやって諦めたよ？」

花陽「なら花陽も....」

凛「嫌だね。もう決めちゃったもんね〜」

花陽「そういうところ、子供っぽいよ」ｸｽｸｽ

穂乃果「ははっ―

ｸﾞｲｸﾞｲ

穂乃果「うん？」

海未「むぅ....」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

穂乃果「ああ、ごめんね、つい話し込んじゃってた」

凛「お、凛たちお邪魔のようだね」

花陽「うん、それじゃ、花陽たちはあっちに行こうか」

穂乃果「そっか、じゃあまた後で会おうよ。そうだ、2人は電車なら帰り車で―

ｸﾞｲｯ

穂乃果「いってて....」

花陽「あー、遠慮するよ」

凛「そうだね、本当に邪魔になっちゃうからね」

穂乃果「あはは、ごめんね....」

花陽「いいよいいよ。それじゃ、凛ちゃん行こう」

凛「はーい。またね、穂乃果ちゃん！」

穂乃果「うん、ばいばーい」

海未「........」

穂乃果「少しくらいお話したっていいじゃんケチ」

海未「....昨日2人っきりだって話しましたもん」ｷﾞｭ

穂乃果「はぁ、わかったよ、穂乃果が悪かった」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

海未「わ、わかればいいんです///ほら、日焼け止め塗りますよ」

穂乃果「はーい」


海未ちゃんったら、せっかく凛ちゃん達と会えたのに黙り込んじゃうんだもん。
でもまぁ、穂乃果も2人きりのデートの時に海未ちゃんが他の人と楽しくお話してるのは嫌かなぁ。


穂乃果「ひゃぁ〜冷たぁい♪」ｷｬｯｷｬｯ

海未「ふふっ、気持ち―

ﾊﾟｼｬｯ

海未「きゃっ！....やりましたねぇ〜」ｳｶﾞｰ

穂乃果「わ〜！あははっ！」ﾊﾟｼｬｯﾊﾟｼｬｯ

海未「えいっ！」ﾊﾟｼｬｯ

穂乃果「うわっ....仕返しされたぁ〜」

海未「....ふぅ....なんだか少し懐かしい気分になりました」

穂乃果「そう？」

海未「ちょうど３年前ですかね？合宿に行った時もこうやって遊びました」

穂乃果「そうだねぇ....夏色笑顔で1,2,Jump!のPV撮影や、ユニット曲とかMermaid Festaのジャケ写撮ったりもしたよね」

海未「ほんと、懐かしいです」

穂乃果「って、こんな話いつでもできるよー！泳ごっ♪」

海未「はいっ！」

穂乃果「行くぞ〜」

海未「あっ、待って―きゃぁっ！」

ｼｭﾙｯ....ﾊﾞｼｬﾝ

穂乃果「え........ちょちょっ、海未ちゃん！こここ、こんなところでえっちはしないよ！？///」

海未「転んでしまいました....で、穂乃果は何馬鹿なことを....って、ええっ！？水着は！？」

穂乃果「何言ってんの！海未ちゃんが剥ぎ取ったんじゃん！その手に持ってるのが一番の証拠！」ｳﾙｳﾙ

海未「なっ！？私....ええっ！？ととっ、とにかく、腕で隠すなんて....見えそうで見えない感じが破廉恥なっ！」

ｷﾞｭｯ

海未「私が隠します！」

穂乃果「な、何でそうなるの！？こっちの方が恥ずかしいよ///」

海未「大事な人の大事なところは私が守るんです」

穂乃果「待って、大丈夫、きっと誰にも見られてないから。ほら、水着着けるから海未ちゃん離れて」

海未「着替える時に見えたらどうするんですか！」ｷﾞｭ

穂乃果「着替えてるところを隠してくれればいいんだよ！今日の海未ちゃん賢くないよ？」

海未「....はっ....私は賢くなかった....すみません」

穂乃果「まぁ、穂乃果だってよく転ぶし、気にしてないよ。元気だして」

海未「迷惑をかけてしまったので腹を切ります」ｽﾞｰﾝ

穂乃果「もう、やめてよそういうの。気にしてないよって言ってるじゃん」

海未「ですが....」

穂乃果「じゃあ、穂乃果が海未ちゃんに何かしてもらえばいいの？」

海未「は、はい！何でも言ってください！」ﾊﾟｧｧ

穂乃果「ならこっち見て」

海未「はい」

ﾁｭｯ

穂乃果「はい、これでおしまい！楽しいはずのデートなんだから、こういうのは気にしないで遊ぼうよ」

海未「うぅ....穂乃果は優しすぎますぅ....」 ｳﾙｳﾙ

穂乃果「だって海未ちゃんのことが大好きなんだもん」

海未「うぇぅ....穂乃果ぁ」ｳﾙｳﾙ

穂乃果「さぁ、行こっ♪」

海未「ごめんなさい....」

穂乃果「だからいいって」

海未「いえ、それとは別で....お手洗いに行きたくなりました」

穂乃果「あ....そ、そっか。じゃあついて行くよ」

海未「ひとりで行けますよ」

穂乃果「だってナンパされたりしたら大変だ」

海未「大丈夫ですよ。待っててくださいね〜」ﾃｯﾃｯﾃｰ

穂乃果「あぁ、行っちゃった」

‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥

モブ男「へへっ、いーじゃん」

穂乃果「私は....」

モブ太郎「すげー可愛いじゃん！彼氏とかいないの？」

穂乃果「えっと....その....」

モブ助「おいおい、怖がってんじゃねーか。....ごめんな、連れが―

モブ男「そうやって自分のモノにしようとしてんじゃねぇの？」

モブ助「あ、バレた？あっははっ」ｹﾗｹﾗ


海未「穂乃果〜........ん？」


モブ助「なぁなぁ、俺達と遊ぼうぜ？」ﾄﾝﾄﾝ

穂乃果「ひっ....」

モブ助「お、めっちゃ髪綺麗じゃん」ｻﾗｯ

穂乃果「え、嫌っ、触らな―

海未「うぁぁぁぁぁぁぁ！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

モブ太郎「うおぉ......なんか来たぞ？」

モブ男「あ、この子の友達じゃね？」

海未「友達なんかじゃありません！恋人ですっ！」

モブ助「は？」ﾎﾟｶｰﾝ

海未「むっ！あなた、先程は肩をぽんぽんしたり髪を触ったり....好き勝手してくれてましたね....」ｷﾞﾛｯ

モブ助「ははっ、俺は気の強い子も好きだぜ」

海未「私をそこら辺の女の子と一緒にしないでください。私は強いん....ですっ！」ﾃﾘｬｧ

ﾁｰﾝ!!

モブ助「う゛っ！？」

モブ太郎「だっ、大丈夫か！？」

モブ男「......あれは痛いぞ....」

モブ助「うぅ....」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

海未「ほらっ、穂乃果、今です！」ｸﾞｲｯ

穂乃果「わっ........うん」ﾃｯﾃｯﾃｰ


ナンパなんて初めてだったよ。
怖かった....海未ちゃんが来てくれなかったら･･･


海未「はぁ、はぁ、ここまで来れば大丈夫でしょう」

穂乃果「....ありがとう、海未ちゃん」

海未「もう、本当にびっくりしたんですから！」

穂乃果「いやぁ、ごめんごめん」

海未「何が『ナンパされたりしたら大変だ』ですか！自分がされてるじゃないですか！」

穂乃果「うっ....はい....」

海未「でも、早いうちにお手洗いから戻れてよかったです」

穂乃果「うん、海未ちゃんがいなかったら....穂乃果脚も震えちゃってて....力も適わなそうだし、確実にまずかったよ。それにしても海未ちゃん凄いね！1発で倒しちゃった」

海未「いえいえ、大したことはしてません。男の方は股間を蹴れば倒せると、お父様に聞いたことがあるので試してみただけです」

穂乃果「へぇ、そんなに痛いのかな？」

海未「私達には一生わからない痛みですね」

穂乃果「必殺技なんだね！」

海未「はい。それでは、もう少し遊んで、またドライブしに行きましょう」

穂乃果「そうだね、お昼ご飯も食べたいし」


今日は朝からいろんなことが起こるなぁ。
だから楽しいのかもしれないけどね！

やっぱり海未ちゃんがいなかったら穂乃果はダメだね。海未ちゃん、大好きだっ！


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「海沿いに建つ古く趣のあるお店」

花陽「艶やかな白米の上で泳ぐお魚達」

凛「まるで海に来た凛達を祝福してるみたい」

海未「潮風に誘われて....じゃなくて、だからどうして2人がいるんですか！」

花陽「わぁ〜海未ちゃんが怒るよ〜」ﾀﾞｷｯ

凛「こわいよ〜」ｷﾞｭｯ

穂乃果「おっと....あはは、海未ちゃん、ご飯ぐらいは一緒に食べてもいいんじゃないかな？」

海未「ぐぬぬ....」ﾁﾗｯ

花陽「うふふ」ﾆﾔﾆﾔ

凛「うしし」ﾆﾔﾆﾔ

海未「....！！！やっぱり嫌です！」

穂乃果「そ、そんなストレートに....」

海未「だって、この２人は私のことをからかってます！私を面白がってるんですよぅ！」ｳﾙｳﾙ

穂乃果「えっ....そうなの？２人とも」ｷﾞﾛｯ

花陽「....あー、えっと....」ｱｾｯ

凛「ほ、穂乃果ちゃんも鈍感だなぁ、みたいな....」ｱｾｯ

穂乃果「........」ﾋﾟｷｯ

海未「（はっ、穂乃果が珍しく怒ります！）」

穂乃果「....穂乃果のことを子供っぽいとか鈍感とか言うのはいいけどさぁ、大切な海未ちゃんの嫌がることをするのはやめてくれないかなぁ！？」ｷｯ

花陽「ぴゃ、ぴゃいっ！」ﾋﾞｸｯ

凛「こわいよ....」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

穂乃果「大体さ、今穂乃果達は２人きりのはずのデートなんだよ？いくら友達だからって合流しようとは思わないよ、普通。可哀想だからご飯くらいは、と思ってたけど―

凛「（長い....！）」

花陽「（穂乃果ちゃんって怒るとこんななの！？っていうか、穂乃果ちゃんが怒ってるの初めて見た....）」

穂乃果「ねぇ、今2人とも話聞いてなかったよね？」

花陽「ききっ、きっ、聞いてたよ！！」

穂乃果「じゃあ、言ってみてよ」

花陽「えっ....えっと、あー....」ｱｾｱｾ

凛「....かよちんをいじめないで！」

穂乃果「嫌なことされてたのはこっちなんだけどぉ！？どの口が言ってるの！」

凛「....ご、ごめんなさい....」ｿﾞｸｯ

穂乃果「....はぁ、次何かしたら･･･覚悟しておいてよね....！」

りんぱな「はい....誠に申し訳ありませんでした」

穂乃果「んじゃ、食べよ食べよ〜♪」ﾆｶｯ

りんぱな「....！？」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

凛「（本当にこわい....）」

花陽「（普段怒らない人ほど怒った時がすごいっていうのは本当なんだね....）」

海未「ありがとうございます」

穂乃果「気にしないで〜」

海未「....って、手汗凄いですね」

穂乃果「あはは....友達を怒るなんて初めてだったから....」

りんぱな「....恐ろしい....」ｺﾞｸﾘ

穂乃果「今、なんて？」

花陽「花陽は何も言ってませんよ」ｽｯﾄﾎﾞｹ

凛「り、凛も....」ｽｯﾄﾎﾞｹ

穂乃果「もういいや............海未ちゃん、沢山食べようね！....サーモンと〆さばください」

店主「....」ｺｸﾝ....ﾆｷﾞﾆｷﾞ

海未「では、私はウニとホタテを」

店主「....」ｺｸﾝ

花陽「な、なんだか穂乃果ちゃんのお父さんを思い浮かべるね」

穂乃果「ウニ....穂乃果も！」

店主「....」ｺｸﾝ

花陽「ぴゃ....えっと....」

凛「....ほ、穂乃果ちゃん、凛お魚食べれるようになったんだよ〜」

店主「....」ｺﾄｯ

穂乃果「おぉ、美味しそう〜」

凛「あぁ.....」

りんぱな「（完全に無視されてる！！！）」


はぁ、思わず２人のこと怒っちゃったよ。
反省してくれてればいいんだけど....

それにしても、お寿司美味しい！
おじさんが無口だからお父さんを連想しちゃうけど。
こういうところって少しお高めだから、普段はぐら寿司とかスシラーとかでたべるけど、たまに来るとすごく美味しいんだよね〜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ﾌﾞｫｰﾝ

穂乃果「へっくち」

海未「可愛いくしゃみですね」

穂乃果「くしゃみを可愛いって言われてもなぁ....」

海未「....穂乃果、窓から入ってくる潮風が気持ちいいです」

穂乃果「そうだねぇ、海だぞ〜！って感じがするよ」

海未「はい....あの、実はですね、うしろに大きな荷物を積んでいるんですよ。気付いてましたか？」

穂乃果「え？初耳だよ！何を積んでるの？」

海未「旅行セットです」

穂乃果「........」

海未「旅行セットです」

穂乃果「........ええっ！？今日お泊まりするの！？」ﾋﾞｸｯ

海未「せっかくの長期休暇なんですからいいじゃないですか。ホテルも予約済みです」

穂乃果「穂乃果の物とかはいつの間に....まぁ、でも楽しそう！」

海未「はい！せっかく神奈川に来たのですから、明日はみなとみらいで１日遊びたいです」

穂乃果「うん、行こ行こ〜」

海未「明後日は猿島という所にも行ってみたいです！フェリーで楽に行けるみたいですし」

穂乃果「ん？何泊するつもりなの？」

海未「2泊です」

穂乃果「....急に決まった旅行にしては期間が長いね....お金のこともあるのに」

海未「安心してください。私が責任もって―

穂乃果「わわわっ、ダメだよっ！海未ちゃんは自分の分のお金だけ出して！」

海未「むぅ....なら、ガソリン代やご飯のお金は私に払わせてください」

穂乃果「ガソリンも！？....まぁ、海未ちゃんがそういうならお願いしちゃおうかなぁ」

海未「うふふっ、まるで夫婦みたいです〜」

穂乃果「穂乃果達は結婚できないよ」

海未「大丈夫です。私達の愛は本物ですから結婚なんてしなくても、同じ家で同じ物を食べて暮らせればいいんですよ」

穂乃果「わかってるよ。ただし、浮気したらただじゃおかないからね」

海未「私はよぼよぼになっても穂乃果と一緒にいたいんですよ」

穂乃果「なぁに？プロポーズ？」ｸｽｸｽ

海未「何言ってるんですか、私達はとっくに恋人同士ですし、今日から夫婦（仮）ですよ」

穂乃果「あははっ、よし、海未ちゃん早く穂乃果の部屋に引っ越して来てよね？」

海未「言われなくてもそのつもりです」


今日は1段と愛が深まった気がするよ。
唐突なお泊まり発言にはびっくりしたけど、海未ちゃんのワガママはとても嬉しい。
ラブライブ優勝した時と同じくらい良い思い出になればいいな。


‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥


海未「チェックインが終わりました〜」

穂乃果「ありがとう〜」

海未「それでは部屋に―

絵里「あら？穂乃果と海未じゃない！」

穂乃果「ん？え、絵里ちゃん！？」

希「ウチもいるで〜」

穂乃果「希ちゃんまで！」

海未「な、なんで凛と花陽といい、今日は偶然知り合いに会うのですか....しかも他県で！」

絵里「あら？凛と花陽なら、さっきここで会ったわよ？」

海未「はい！？」

穂乃果「凄い偶然だね....」

希「きっとウチのスピリチュアルパワーが集めたんよ」


最初に声をかけてきた金髪の女の子は絢瀬絵里ちゃん。μ’s時代も海未ちゃんと並んでお姉さんキャラだったんだよ？
でも、結構可愛いところがあるの。
ちなみに、昔ロシアにいたクォーターなんだ。
だから綺麗な金髪は地毛！羨ましいよね！

それで、一緒にいる聖母オーラが出てる女の子が東條希ちゃん。
天然で優しい女の子！
女の子の穂乃果ですら惚れちゃうおっぱいの持ち主なんだ！
占いもよく当たるし、運もいいみたい。
でも、わしわしは少し嫌かも....


絵里「改めて思ったけど、μ’sはカップルばかりね」

希「まぁね。....穂乃果ちゃんと海未ちゃんのラブラブを邪魔したくないし、行こ、えりち」

海未「お気遣いありがとうございます」

希「海未ちゃんがそういう子なのは知ってるからねぇ」ｸｽｸｽ

絵里「ダブルデートも面白そうチカ」ﾊﾞｯ

穂乃果「ダブルデートねぇ....」

絵里「私達明日はみなとみらいに行くのよ。もしよかったら一緒にと思ったけど、あなた達はあなた達の予定があるものね」

海未「え？私達も行く予定ですよ？」

希「おぉ！今日はスピリチュアルパワーが冴えてるなぁ」ｷｬｯｷｬｯ

絵里「それならダブルデートしましょうよ！してみたいのよ！」

穂乃果「でもそれってお友達と遊ぶのと同じじゃない？」

絵里「いいのよ、道端でいきなりキスしたりしても？」

海未「それは....流石に破廉恥です....」

希「えりちのワガママなんやし、嫌なら別にいいんよ？」

穂乃果「穂乃果は別にいいんだけど....」

海未「....ま、まぁ、絵里達なら別に―

凛「海未ちゃん、それは聞き捨てならないよ」

海未「ぅひゃぁっ！？凛！？」

花陽「あはは....花陽達の時とは大違いだね」

穂乃果「あ、穂乃果はね、海未ちゃんの嫌がることをしたから怒ったんだよ？」

希「え、穂乃果ちゃんが怒ったん！？珍しいなぁ」

海未「....なんだか人が増えて話がまとまりませんね。温泉に浸かりながらゆっくりお話しませんか？」

花陽「花陽達もいていいの？」

絵里「いいわよ、みんなでの方が楽しいわ」

凛「多分かよちんは海未ちゃんに聞いたんだと思うけど....」

穂乃果「でもどちらにせよ、穂乃果達は一旦お部屋に行かないとだから、後でまたここで会おう」

希「そうやね」


いやぁ、本当に今日は凄いなぁ。
これだけの知り合いが、同じ日に他県のホテルで会えたんだもん。
温泉かぁ....温泉ねぇ....はぁ....希ちゃんという強敵がいるんだよねぇ....


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ｶﾎﾟﾝ

穂乃果「はひゃぁ....気持ちいいねぇ....」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

花陽「そうだねぇ....あそこの2人が少し気になるけど」

絵里「ああ、凛と海未ね。そっとしといてあげましょう」


海未「凛、本当は私はあなたのことを敵だと思っていません」

凛「いいんだよ、例え今だけだとしても仲間だよ」

海未「ええ、女として悔しいですからね。本当、恵まれていますよあの人達は」

凛「その通りだよね。凛は全然成長してくれないんだよ？もしかしたらかよちんに吸い取られてるんじゃ....」

海未「あぁ、それ私もたまに思います。穂乃果の方が大きいですから」

凛「あのさ、小さい方が敏感っていうよね？」

海未「いいますね。でも、相手が上手いだけですよ」

凛「そうなんだよ！海未ちゃんとは美味しい酒が飲めそうだよ。まだ飲めないけど」

うみりん「はぁ....」ﾌﾞｸﾌﾞｸ


穂乃果「あはは....」

希「なんか申し訳なくなってくるなぁ....」

絵里「胸の大きさなんてどうでもいいと思うけど」

穂乃果「ま、まぁ、穂乃果は小さい方がいいと思うんだよね。海未ちゃんは。」

海未「....！」ﾋﾟｸｯ

穂乃果「海未ちゃんが大きいなんて想像できないや。今のままが一番」

海未「....凛、ごめんなさい」

凛「え？」

海未「胸の大きさなんてどうでも良くなりました」

凛「そ、そんな....どうして！」

海未「本当にごめんなさい」

凛「穂乃果ちゃんがああ言ったから？」

海未「私は穂乃果が全てです」

花陽「花陽は凛ちゃんは大きいほうがいいな」

大きいほうがいいな....いいな....な....

凛「うわぁぁぁぁぁぁっっ！！！」ｼﾞｬﾊﾞｯ

希「うわぁ....花陽ちゃん、今のはダメだよ....」

花陽「え？花陽何かした？」

凛「かよちんのばかぁぁぁぁっ！！！」ﾃｯﾃｯﾃｰ

花陽「えっ、凛ちゃん！？」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ....ﾋﾟｼｬﾝ

希「後で謝っておいたほうがいいかもなぁ」

花陽「え？？う、うん....？」

絵里「なんで自覚ないのよ....」

海未「穂乃果ぁ♪」ｸｯﾂｷ

穂乃果「おぉ....いつの間に」

海未「じゃんじゃん私から吸い取っちゃってくださいね」

穂乃果「え、いや....吸い取るって....」

海未「今日の夜吸い取っちゃってください。そりゃもうたっぷりと」

穂乃果「....う、うん....」

絵里「海未ったら相変わらずね」

希「....こんなん見てても仕方ないし、明日の予定立てようよ」

海未「明日みんなで仲良く行けばいいでしょう」

希「そう？（海未ちゃんに気を使ったつもりだったんやけどなぁ....）」

絵里「そうよ。当日になんとなくでいいのよ」

穂乃果「それじゃ決まり！だけど....なんか花陽ちゃんが静かな気がする」

海未「姿がありませんよ？凛を追いかけて先に上がったのでは？」

穂乃果「そうかなぁ....」

希「うーん........ああっ！！！」ﾋﾞｸｯ

絵里「どうしたの！？」

希「花陽ちゃんのぼせてる！」

花陽「....」ﾌﾞｸﾌﾞｸ

穂乃果「わわっ、溺れちゃうよ！なんとかしなくちゃ！」ｱｾｱｾ

絵里「穂乃果が気付かなかったらやばかったかもしれないわね」

海未「そんなことどうでもいいから絵里も手伝ってください！」

絵里「はっ、はいぃっ！」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「ふひぃ....」ｽﾄﾝ

海未「今日は流石に疲れましたね」

穂乃果「うん、ヘトヘトだよ〜........それにしても大きめのお部屋なんだね」

海未「ええ、私がお金を出すつもりだったので」

穂乃果「もう、そんなに奢られてたら穂乃果が悪い人みたいだよ。いくら仕送りがあるからって、バイト代を無駄遣いするのはダメだよ？」

海未「....無駄遣いなんかじゃありません....！」

穂乃果「あぅ....前言撤回！穂乃果も、好きな人にお金を使うのが無駄遣いなんて言われるのは嫌だもん。ごめんなさい」ﾍﾟｺﾘ

海未「むぅ....激おこプンプン丸です」

穂乃果「な、なにそれ」

海未「いいからキスしてください！じゃないと怒りが収まりません！」

ｶﾞﾁｬｯ....

穂乃果「ちゅうなんて、穂乃果もしたいに決まってるじゃん。もっと近づいて」

海未「....ん....」

ﾁｭｯ

穂乃果「....ぅはぁ....海未ちゃん、大好きだよ」

海未「私も大好きですぅ」ﾑﾁｭｩ

ﾊﾟｼｬｯ

ほのうみ「！？」ﾋﾞｸｯ

希「いいの撮れちゃった♪」

穂乃果「なっ、なんで希ちゃんがいるの！？」

希「もう....鍵開けたままじゃダメよ？」

穂乃果「あぁ....」

海未「人のキスシーンを写真に収めるなんて趣味が悪いですよ。いつからいたんですか？」

希「えっと、お菓子パーティーのお誘いに来たら鍵が開いてて、入ったら今にもキスしそうなムードだったからつい撮っちゃった」

穂乃果「お菓子パーティー....！？」

海未「まったく....罰として、後でその写真を印刷して私にください」

希「りょーかい！んじゃ、ウチは行くね」

穂乃果「えっ、お菓子パーティーのお誘いに来てくれたんじゃないの？」

希「ん？だって穂乃果ちゃん達、今日の夜は忙しいんちゃう？ウチは人のラブラブを邪魔するのを嫌やし」

海未「やっぱり希はちゃんと考えてくれてますね。そうです、今日はチュッチュラビュ―

穂乃果「穂乃果もお菓子パーティーしたいよ！」

海未「ぅえっ！？穂乃果ぁ....」

穂乃果「誰の部屋でやるの？今すぐ行くよ？あ、穂乃果もお菓子持ってきてるの。全部持っていくね」

希「お、いいの？」

穂乃果「うんうん！お菓子大好き穂乃果ちゃん抜きでお菓子パーティーするなんて、あってはならないことだよ！」

希「そかそか、よかった。海未ちゃんは？」

海未「........」ｷﾞﾛｯ

希「ひぃっ....」ｿﾞﾜｧ

穂乃果「うん？急に可愛い声出してどうしたの？まさか....？」

希「ち、違うよ〜....海未ちゃんが....」

穂乃果「海未ちゃんがどうしたの？行くよね、海未ちゃん？」

海未「はい、もちろんです」ﾆｺｯ

希「....穂乃果ちゃんが海未ちゃんの制御装置なんやな」

海未「今日の夜はいつも以上にラブラブするつもりだったのに」ﾎﾞｿｯ

希「う....えっと....海未ちゃん、嫌なら別にいいんよ？」

海未「はい？別に嫌だなんて言ってませんが」ｷﾞﾛｯ

希「（ウチ、殺されたりしないよね？大丈夫だよね？）」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

穂乃果「....希ちゃん顔色悪いよ？大丈夫？」

希「う、うん、なんとか....さ、ウチらの部屋でやるから行こう」

穂乃果「はーい」


お菓子だよ！昔だったら夜にお菓子パーティーなんて許されなかったよ....
なんだか大人だ！

希ちゃんの様子がおかしかったけどどうしたんだろう....やけに海未ちゃんの声に変な力が入ってたのと関係があるのかな。


ｶﾞﾁｬｯ....

穂乃果「やっほ〜みんな♪」

絵里「あぁ、穂乃果達♪」

凛「みんな揃ったね」

穂乃果「....絵里ちゃんは既に顔が赤い気がするけど」

絵里「穂乃果も20になったんでしょ？飲みましょうよ」

穂乃果「穂乃果は飲まないよ」

絵里「そう....希も飲まないから少しつまらないわね」

凛「なら凛が付き合ってあげるよ」

絵里「本当？未成年なのにイカスわね」

希「待って待って！未成年にお酒飲ませるのはダメよ！」ｱｾｱｾ

絵里「むぅ....わかってるわよ....」ﾌﾟｸｰ


お酒飲めるお姉さんってかっこいいなぁ。
穂乃果なんて、見た目だけ大人みたいなものだもんなぁ。


海未「おぉ！こ、これは！！」

希「ん、海未ちゃん気になった？」

海未「私、このモンブラン大好きなんです！....いいなぁ....」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

希「あはは....よかったらあげようか？」

海未「えっ！いいのですか！？遠慮なく貰っちゃいますよ！？」

希「う、うん、あげる」

海未「やったぁ！希、ありがとうございます！はぁ〜私は幸せ者です〜♪」

希「（よかった、ご機嫌とれたみたいやね）」ﾌｩ

穂乃果「海未ちゃん楽しそう♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

凛「....穂乃果ちゃんの食べてるやつ、さっき言ってた季節限定のポッキィーだよね？美味しい？」

穂乃果「うーん....ポッキィーはやっぱりチョコがいいかな....ハズレだね」

花陽「何味なの？」

穂乃果「夏みかん」

凛「え？」

穂乃果「夏みかん」

花陽「凄い味だね....」

穂乃果「花陽ちゃんの食べてるやつだってなかなか面白い味だよ？白米でしょう？」

花陽「美味しければいいんだよ〜。意外と―

絵里「ねぇ、穂乃果ぁ」

穂乃果「んぅ、なぁに？」

絵里「海未とはいつもどんなプレイするの？」

穂乃果「ちょ、そういうことは聞かないでよ....酔ってるでしょ？」

凛「うん、お酒臭い」

絵里「私はそんなに弱くないわよ〜....ね、穂乃果も飲んでみなさいよ」ｸｲｯ

穂乃果「いやぁ、穂乃果は....」

希「えりち、無理矢理はダメよ〜？」

絵里「いいじゃない。ほらほら〜」ｸﾞｲｯ

穂乃果「ん....」ｺﾞｸｯ

花陽「未成年の人にも飲ませそうだね....」

絵里「そんなことはしないわよ」

穂乃果「んぅ....やっぱり苦手かなぁ....」

絵里「慣れれば美味しく感じるって！さ、もっともっと〜」ｸﾞｲｯ

穂乃果「え、ちょっとぉ....」

‥‥

‥‥

穂乃果「....うぅ....海未ちゃぁん....」ﾓｷﾞｭｰ

海未「あらあら....お酒弱いのに飲んじゃったんですか？」

穂乃果「ぅ絵里ちゃんがぁ....ひっく....穂乃果は飲まされたんだよぅ....」

希「はぁ、えりちったら....」ﾁﾗｯ

絵里「くかぁ....zzz」

希「寝ちゃってるし....」

凛「穂乃果ちゃん可哀想だなぁ....お菓子大好きなのに」

花陽「絵里ちゃんは悪い先輩だなぁ」

穂乃果「....うぅ....zzz」

希「あれ？穂乃果ちゃんも寝ちゃったんちゃう？」

海未「ああ、ほんとですね。私が後で連れて帰りますよ」

凛「ふぅ....それにしても、なんだかんだでこんなに集まったのって久しぶりだよねぇ」

花陽「うんうん、ゴールデンウィークにみんなでカラオケに行ったとき以来だよね」

希「あ、あの時か。ふふっ、久しぶりにμ’sの曲歌って盛り上がったよね」

海未「そうでしたね。ぷわぷわーお歌って恥ずかしがってる穂乃果がとても可愛かったです」

花陽「へへ、たしかに私もちょっと恥ずかしかったなぁ」

凛「でも、Printempsは変わらず可愛かったから大丈夫だよ」

海未「そうですね........あ、私お手洗いに行ってきますね」ﾖｲｼｮ

穂乃果「海未ちゃん行っちゃやだぁ....zzz」ｷﾞｭｩｩ

海未「あらら....」

希「可愛いやん。えりちとはえらく違うなぁ」

絵里「ぐかー....ムニャムニャ....zzz」

凛「普通にしてれば綺麗で素敵な女の子なんだけどね」

希「あ、そうそう、えりちのポンコツキャラって、作ってるわけじゃないみたいなんよ」

凛「え！？天然物だったんだ....」

花陽「あはは........ふあぁ....」ｺﾞｼｺﾞｼ

凛「あれ？かよちん眠いの？」

花陽「あ、うん、少し眠くなってきちゃった」

希「そっか、たしかにもう0時過ぎたし....今日はお開きにしちゃう？」

海未「そうですね、それがいいかもしれません」

凛「ちょっと寂しいけど、明日も遊べるし....わかったよ」

希「んじゃ、解散！....明日寝坊したらわしわしするからね〜？」

海未「はっきりいってセクハラ宣言ですよ？それ」

希「う....冗談よ....」

‥‥

‥‥

穂乃果「頭痛い....気持ち悪い....あぅ....」

海未「大丈夫ですか？辛いなら吐いてください。その後果汁100%のジュースを飲むのがいいらしいですね」

穂乃果「んぅ....今何時？」

海未「１時30分です」

穂乃果「うぇっぷ....ちょ、ちょっと吐いてくる....」

ｶﾞﾁｬｯ....ﾊﾞﾀﾝ

ｵｴｪｰ

海未「はぁ、後で絵里にきつく言っておかなければ。悪酔いしてるじゃないですか....」


やっぱり穂乃果はお酒ダメだなぁ....絵里ちゃんが少し怖くなっちゃった。
でも、吐いてこころなしか楽になった気がしないでもないよ。


ｼﾞｬｰ

ｶﾞﾁｬｯ

穂乃果「ごめんね海未ちゃん....汚かったよね....」

海未「そんなことないですよ。吐くものは吐くべきです。好きだって気持ちも言えないとムズムズしません？」

穂乃果「な、なんか違う気がするけど....穂乃果は海未ちゃんにいつでも好きって言えるもん。好き好き〜大好き〜」

海未「ん、じゃあもっと言ってください」

穂乃果「好きっ！好きっ！好き好き好き好きだぁい好き！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

海未「ああ、そんなに動いたら....」

穂乃果「あ....気持ち悪かったの思い出しちゃった....」ｽﾞｰﾝ

海未「....今日は早く寝た方がいいかもしれませんね」

穂乃果「うぇぅ...でもえっちしたいなぁ」

海未「が、我慢です。最中に吐かれても困りますから」

穂乃果「....そうだよね、今日は大人しく寝るよ」

海未「では、私も寝るとしますか。おやすみなさい、穂乃果」

穂乃果「....やっぱり....なんかもどかしいよ....そうだ！一緒に寝ようよ」

海未「うん？別にいいですよ？」

穂乃果「やった！もぎゅ〜ってしながら寝るんだからね！離れちゃ嫌だよ？」

海未「ふふっ、穂乃果を置いてどこかに行ったりしませんよ」

ﾓｿﾞﾓｿﾞ

穂乃果「えへへ〜、あったかぁい」ﾓｷﾞｭｩ


穂乃果、海未ちゃんにぎゅってするの大好き！
穂乃果が辛い時も、嬉しい時も、どんな時だって心がぽかぽかするんだもん！幸せだなぁ〜。

今日も遅いし、早く寝ないとね。
おやすみなさい、海未ちゃん。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


海未「カップヌードルミュージアムに行くべきです！」

花陽「えー、花陽は中華街で食べ歩きしたいなぁ」

希「なら夜ご飯を中華街で済ませようよ」

花陽「おぉ！そうだね、そうしよう！」

希「んで、なんで海未ちゃんはそんなにカップヌードルミュージアムに行きたいん？」

海未「お世話になっているからです！料理ができない私にとっては、お湯を入れるだけという簡単な作業で完成するというのは神に匹敵するレベルなんですよ！」

絵里「....穂乃果、海未はカップ麺しか食べないの？」

穂乃果「ううん、そういうわけでもないみたいだけど、やっぱり栄養偏っちゃうよね。だから穂乃果がお料理教えてあげることになったんだよ」

絵里「へぇ、そうなの」

凛「穂乃果ちゃんが教えてくれるなんて謎の安心感があるね」

海未―なにやら自分だけのカップヌードルを作れるとか。それに、私にはカップヌードルの歴史を知る義務があると思います！今まで私の命を繋いでくれた大切な―

希「（すごい情熱や....けど、行きたいのは海未ちゃん1人だけみたいだし....）穂乃果ちゃん、ちょっとちょっと」ｸｲｸｲ

穂乃果「ん？なぁに？」

希「あのさ、穂乃果ちゃんは何したい？」

穂乃果「えっとね....赤レンガ倉庫に行きたい」

希「よし、じゃあそれを海未ちゃんに言ってみて」

穂乃果「うん....ところでなんでコソコソするの？」

希「いいからいいから」

穂乃果「うん....？....ねぇ海未ちゃん」

海未「はい？」

穂乃果「穂乃果赤レンガ倉庫見に行きたいなぁ」

海未「はっ....よ、よぉし、では行きましょう！なっ、何がカップヌードルミュージアムですか！あはっ、あははっ、馬鹿げてますね。ほのっ、ほっ、穂乃果が行きたいところならっ、どどどっ、どこでもいいですよ！」ｱｾｱｾ

希、絵里、りんぱな「（穂乃果ちゃんすげぇ！）」

希「穂乃果ちゃん、よくやったよ」

穂乃果「え？特に何もしてないけど....？」

凛「ある意味海未ちゃんに甘やかされてるよね。でさ、凛、夜はコスモクロック21からの夜景が見たいんだけど」

絵里「あの大きな観覧車よね？もちろん行くに決まってるわよ」

花陽「なら夜の予定は決まったね」

希「さぁ、ここでグダグダしてても仕方ないし、出発しよか」

一同「おー！」


いやぁ、なんとなくわかってたけど....みんなカップヌードルミュージアムに行きたくなかったんだろうなぁ。みんな穂乃果を使って....まるで海未ちゃんが穂乃果のペットみたいじゃん。

ま、でも時間は沢山あるし、自由時間作って2人で行くのもいいかも。


絵里「へぇ、すごく歴史的な建物ね」

花陽「うんうん、横浜のシンボルって言われてるみたいだね」

穂乃果「でもね、中はお店とかも沢山入ってるんだよー♪」

海未「一号館の方はホールもあるのでイベント等もやるみたいですね」

凛「ふぅん....あ、ベイブリッジが見えるよ！この公園ものどかで良いねぇ」

希「そうやね〜、ぼーっと海見てるのもいいなぁ」

海未「はっ、破廉恥ですぅ///」

希「えっ！？いや、違っ―

穂乃果「希ちゃん....海未ちゃん取ったら嫌だよぅ」ｳﾙｳﾙ

希「穂乃果ちゃん....な、なぁ海未ちゃん、流石にボケやろ？」

海未「....へ？」

希「だから、seaの方よ！」

海未「あぅ....勘違いしました....///」

希「嘘やろ！？」ｵﾄﾞﾛｷﾔ!

穂乃果「むきー！！海未ちゃん照れてた！希ちゃんの方が好きなんだぁ！」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

海未「違いますよ！ぼーっと見られたら誰でも恥ずかしいです！」

穂乃果「うがぁ〜」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

海未「....ご、ごめんなさぁい〜」ｱｾｱｾ

希「ほんまに仲良しやなぁ....」

穂乃果「喧嘩してるもん！穂乃果以外の女の子にキュンとしちゃうなんて犯罪だよぉ！」ｸﾞﾙﾙ

海未「はぁ....はわぁ....私は....犯罪者....」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

希「ちょっ、海未ちゃん！しっかり！」

海未「はぁ....はぁ....はぁ....ぅぐっ....はぁ....穂乃果ぁ....穂乃果ぁ....」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

希「ほんまにしっかりして！過呼吸になってるやん！穂乃果ちゃんも程々に！」

穂乃果「....わかったよぅ....ごめんね、海未ちゃん」

海未「ほぅっ....！....ええ！仲直りです！」ﾆｺｯ

穂乃果「わぁい！海未ちゃん大好きぃ〜」ﾓｷﾞｭ

海未「ふふっ」ﾓﾌﾓﾌ

希「....コイツら普通じゃない....特に海未ちゃん」

凛「かよちん、なんか穂乃果ちゃん達楽しそうだね」

花陽「うん....あれ？絵里ちゃんは？」

凛「確かにさっきから........って、いるじゃん....あそこに....」


絵里「東京チカ」

モブ子「都会ですね！しかもお姉さんすごく綺麗！」

モブ子2「どうしたらこんなに綺麗になれるんですか？」

絵里「えへ、綺麗だなんて....えへへっ」ﾆﾔﾆﾔ


花陽「うわぁ....」

凛「....放っておこう」

花陽「あんな破廉恥なお姉さんは置いていってもいいんじゃない？昨日穂乃果ちゃんにもお酒飲ませたし」

凛「うん、言われなくてもそうするつもり」

絵里「ちょっとぉ！そこの2人....今なんて言ったぁ！！」ｽﾞｶｽﾞｶ

凛「聞こえてたの？」

花陽「でもさ、そんな言動でそんな怖い顔で大丈夫？後ろの人達が....」

モブ子「....うわぁ、呆れた」

モブ子2「やっぱあれだよ、綺麗な人とか可愛い人にかぎって性格悪いんだよ」

モブ子「それな！マジウケる」ｷｬﾊﾊ

絵里「あ゛....」ｼｭﾝ

凛「あははっ、面白いものを見せてもらったよ〜」

絵里「....」ﾑｶｯ

花陽「綺麗なのに破廉恥で口が悪くて怒りっぽいなんて....」

絵里「....」ｺﾞｿｺﾞｿ

凛「うん？急に何をだそうとしてるの？」

絵里「....2人とも、これ知ってる？」

花陽「あ、ひよ子っていうお菓子だよね？お婆ちゃんの家に行く時に持って行ったりするよ？」

凛「ああ、凛も食べたことあるよ」

絵里「そうよね、有名なお菓子だもの」

凛「んで、それがどうしたの？」

絵里「実はね、箱に書いてある通り、限定品なのよ」

花陽「ほんとだ、チョコたっぷりって書いてある」

凛「絵里ちゃんらしいね」

絵里「そんなことはどうでもいいのよ。....これ、食べない？」

花陽「んー、くれるなら遠慮なく貰っちゃおうかな」

凛「でも怪しいよ？」

花陽「......確かに２つしか残ってないもんね....」

絵里「い、いいから食べなさいよ」

花陽「じゃ、じゃぁ....」ｽｯ

凛「なら凛も」ｽｯ

絵里「（よしっ、早く食べなさい！）」

りんぱな「はむっ....」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

絵里「ふふーん、実は中に―

りんぱな「美味しいぃ〜♪」

花陽「絵里ちゃん、さっきは酷い事言ってごめんなさい！」

凛「り、凛も悪かったよ。ごめんなさい！」

絵里「え........あ゛あ゛っ！？わさび入りのと間違えて渡しちゃった！！！最後の２つは希と仲良く食べようと思ってたのに....」

花陽「え？わさび入り？？」

凛「....やっぱり酷いやこのお姉さん」

絵里「ぅぅぅぅ........」ﾌﾟｲｯ

花陽「あれ？どこ行くの？」

凛「....返事なしだね....やりすぎたかな」


テケテン！

希「ん、メッセージが着た。....ん？えりちからや」

穂乃果「なんで？絵里ちゃんさっきまで花陽ちゃん達とお話してたのに」

海未「まさかひとりでどこかに行って迷子になったのでは？」

希「うぅむ....どれどれ？....エリチカ、おうちに帰る........は？」

ほのうみ「え？？？」

希「なんでやぁ！？ちょっとウチ追いかけてくる！まったく、１人じゃ何もできないくせに」ﾃｯﾃｯﾃｰ

穂乃果「えぇ....どういうこと？？？」

海未「まぁ、希にわざわざメッセージを送ったんですし、本気ではないと思いますからそのうち戻ってくるでしょう」


やれやれ、絵里ちゃんったら....
何があったのかはわからないけど、あまりみんなに迷惑かけないでほしいなぁ....

それで、夜まで自由時間になったんだ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

希「もうあたりも暗くなってきたね。みんな、自由時間どうだった？」

穂乃果「穂乃果達はカップヌードルミュージアムに行ったよ〜」

海未「やはり素晴らしいものでした！穂乃果が行きたいと言ってくれて、それだけでも嬉しかったのに....はぁ、今日はもう満足ですぅ」ﾎﾜﾎﾜ

希「あはは....結局行ったんやね。凛ちゃんたちは？」

凛「特には....お散歩したり、お買い物したり、のんびり過ごしてたよ」

花陽「うん、あとはただおしゃべりしてただけ。希ちゃん達はどうなの？」

希「あぁ、ウチらはね....」ﾁﾗｯ

絵里「うぅっ....ぐすっ....」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

希「....ご想像におまかせってことでいいかな？」

穂乃果「気になるけど....聞かないことにしておくよ」

りんぱな「（私たちのせいだ）」

希「んじゃ、ご飯食べようか」

海未「そうですね、実は私ワクワクしてるんですよ。ここに来るのは久しぶりなので」

穂乃果「あぁ、春に来たよね。沢山食べて動けなくなっちゃったの覚えてるよ〜」ｸｽｸｽ


あの時は熱々の小龍包をひと口で食べちゃって、おもわず海未ちゃんに向かって吐き出しちゃったこともあったなぁ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


凛「ほぇ〜....改めて近くで見ると凄く大きいねぇ」

希「確か、世界最大の時計型観覧車やった気がするよ」

穂乃果「....いい？海未ちゃん、穂乃果の手を離しちゃダメだからね？」

海未ちゃん「当たり前ですよ」

花陽「お、穂乃果ちゃんはもしかして高いところダメだったりするの？」

穂乃果「違う違う！その逆だよぉ」

絵里「えっ！？」

海未「お、お恥ずかしながら....///」

希「別に恥ずかしがることはないと思うけど....意外だなぁ」

凛「でも、どうして穂乃果ちゃんがそんなに一生懸命なの？」

穂乃果「いやぁ....海未ちゃんって観覧車とか乗ると大変なんだよ....」

希「えー、なんか気になるなぁ」

穂乃果「えっとね、前に乗った観覧車ではね、落ちてしまいますっ！こんな拷問受けるくらいなら舌を噛みきって自害します！とか言うんだもん」

海未「....///」ﾎﾟﾌｯ

絵里「自殺って....」

穂乃果「おまけにね、てっぺんに来たら余計に怖がってじたばたしちゃってさぁ、なんでこんなに揺れてるのですかぁっ！って今にもおしっこ漏らしそうな感じで言うから笑っちゃったよ」ｸｽｸｽ

花陽「....揺らしてるの自分だからねぇ....」

海未「も、もうやめてくださぁい！穂乃果に捕まってれば大丈夫です！///」ｶｧｧ

凛「ほんとかなぁ....じゃ、3組に分かれて乗ろうか」

希「密室で2人ねぇ....なんだか面白くなりそうやん」ｸｽｸｽ


もう、海未ちゃんったら怖がりだからねぇ。

でも....ライトアップされて綺麗だなぁ....なんだか、切ないような....楽しいような....不思議な気持ち。


‥‥

‥‥


海未「....」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

穂乃果「ふふっ♪」ｷﾞｭｯ


何なんだろう、この気持ちは。
みんなといるから？楽しい日がもう少しで終わっちゃうから？

それって、「μ’s」だったから？

まだ、どこかでμ’sを握りしめてる穂乃果がいるんだ....いくら「今」という短い期間にこだわってたとしても、穂乃果はもっとみんなで歌い踊りたかった。
3年前の話なのに、未だに引きずっちゃってる。

もちろん、穂乃果は今幸せだ。
大好きな人と一緒にいれる。大好きなパンを作るバイトをしてる。楽しいキャンパスライフを過ごせてる。
こうしてみんなで会えること。
それは言葉にできないくらい素敵なこと。

だからこそ....切ない。
1度経験してるこの「楽しい一瞬」が、とても切ない。

大学を出たら、また会えなくなるんじゃないかって思っちゃう....また、この「今」を失うんじゃないか？ってね。

ふぅ....ロマンティックな雰囲気で、少しナーバスになってるのかも。


海未「か、考え事ですか？」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

穂乃果「う、うん....まぁ....」

海未「....？」

穂乃果「....海未ちゃんはさ、もしも穂乃果が急に姿を消したとしたらどうする？」

海未「姿を....まさか自殺でも考え―

穂乃果「まってまって！違うよ！例えばの話だよ！」ｱｾｱｾ

海未「そうですか....びっくりしましたよ。....なら、私だったら追いかけますね」

穂乃果「....そこが、手を伸ばしても届かないような、暗くて遠いところでも？」

海未「諦めません。自分が空間に引き裂かれることになっても追い続けます」

穂乃果「穂乃果じゃなくて、μ’sの他のメンバーでも？」

海未「何言ってるのですか？μ’sは、誰か1人でも欠けたらμ’sじゃないでしょう？追いかけるに決まってます。私や、他のメンバーが穂乃果の後を追い続けてきたのと同じように。....きっと、みんなもそう思っているはずです」

穂乃果「そっか....」ﾎﾟﾛｯ

海未「貴女泣いて....」

穂乃果「ぐすっ....ううん、何でもないよ。ほら、景色が綺麗」

海未「そう....ですね」

穂乃果「あ、海未ちゃん普通に外見れたじゃん」

海未「し、下を見なければ....なんとか....」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

穂乃果「やっぱり怖いものは怖いかぁ....なら、怖くなくなる魔法をかけてあげたいなぁ」

海未「魔法、とは？」

穂乃果「もう....わからないの？....ちゅう、したいの」

海未「....可愛い魔女ですね」ｸｽｸｽ

穂乃果「....海未ちゃん！」ﾀﾞｷｯ

海未「....ん....」

穂乃果「....ぅはぁ....はぁ....」ﾋﾟﾁｭｯ

海未「んぅ....はぁ....」ﾁｭﾋﾟｯ

穂乃果「はぁ....はぁ....海未ちゃんは....穂乃果からずっと離れないでね....」

海未「前にも....んっ....言ったでしょう？....穂乃果を置いてどこかに行ったりなんてしませんと」

穂乃果「....約束、だからね」

海未「何を今更....当たり前ですよ」

穂乃果『ありがとう』ｳﾙｯ

海未『....どういたしまして』

穂乃果「....うぅっ....海未ちゃぁん！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「わぁっ........穂乃果....？」

穂乃果「ふうぅ....ぇぐっ....うぅぅ....」ｷﾞｭｩｩ

穂乃果「....わけは聞きませんが........今だけはうんと泣いてください....貴女が泣いていると、私も悲しくなってしまいますから」


約束....だからね....


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛「満足にゃ〜！」

花陽「凛ちゃん、猫語！」

凛「あ、しまった」ｱｾｱｾ

絵里「ん？猫語卒業するの？」

凛「うん！綺麗な大人のお姉さんを目指してるからね！」

絵里「なら私み―

凛「絵里ちゃんみたいなのにはなりたくないけどねー」

絵里「....うわぁぁぁ！凛がいじめるぅ〜！」ｷﾞｭｰ

希「ちょっとえりち、離れて」

絵里「うぁぁぁん！のじょみまでぇ！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

希「違うよ！苦しかったんや！」

絵里「ふぇ....？....なら私のこと好き？」

希「もちろん好きよ」

絵里「ふぁあ....私も大好き〜」ﾓｷﾞｭｰ

希「ちょっ....だから苦しいって....」

海未「みなさん、お待たせしました」

花陽「あ、海未ちゃんたちも降りてきたね」

凛「....あれ？穂乃果ちゃん泣いた？」

穂乃果「うっ....わかっちゃう？」

凛「うん、普通にわかるね」

花陽「どうしたの？」

海未「はいはーい、探るのはやめましょ〜」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

凛「わっ....そ、そうだよね、聞かないことにするよ」

花陽「でも、何か辛いことがあるなら花陽達にも相談してね？」

穂乃果「....うん....ありがとう、2人とも」ﾎﾟｯ

絵里「ちょっとぉ！？私との扱いの差が違いすぎやしない！？」ｷﾞｭｩｩ

希「ゔっ！？と、とばっちり....あっ....ああ....かはっ....」ｸﾞﾃﾞｰﾝ

一同「うわぁ....」

希「....」ﾄﾞｻｯ....ﾋﾟｸﾋﾟｸ

絵里「えっ？希？ねぇ、どうしたの！？」

凛「かよちん、ホテルに戻ろう」

花陽「うん」

海未「私達も行きましょう」

穂乃果「そうだね」

絵里「待ってよ！えぇ？希....えぇ？？」

希「ポン....コツ....や....」ﾋﾟｸﾋﾟｸ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


海未「それでは....」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

穂乃果「うん....海未ちゃんから....きてぇ」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ほのうみ「....っ！！」ﾑｶｯ

絵里「絵里よー！開けてー！」ｺﾝｺﾝｺﾝ

穂乃果「せっかくこれからって時なのに....」ｲﾗｲﾗ

海未「....はぁ、私が出てきます」ﾑｶﾑｶ

絵里「おーい！寝ちゃっ―

ｶﾞﾁｬｯ

海未「何なんですか！？」ｷｯ

絵里「ひぃっ....」

海未「ん....失礼、つい怒鳴ってしまいました。で、本当に何の用ですか？」

絵里「き、今日も私達の部屋でワイワイするんだけど....来る？」

海未「嫌ですね！貴女穂乃果にお酒を飲ませるでしょう！」

絵里「あの時は....ごめんなさい....だから、これを持ってきたの。それに、今日も迷惑かけたし穂乃果と2人で食べてもらいたいわ」ｽｯ

海未「のわぁっ！？」

絵里「このモンブラン、好きって言ってたわよね？」

海未「はい！とっても大好きです！本当にくれるんですか！？」ｷﾗｷﾗ

絵里「ええ、ぜひ受け取って♪けど、今までのこと全部許して？」

海未「はい、もちろんですよ！....あはぁ〜♪2日連続で食べられるなんて幸せ者ですぅ〜」

絵里「ありがとう（ふっ、海未に許してもらえば完璧よ）」ﾆﾀｧ

海未「穂乃果と仲良く食べますね」

絵里「ええ。....んじゃ、私は部屋に戻るわ。おやすみなさい」

海未「おやすみなさい〜」

ﾊﾞﾀﾝ

海未「モンブラン♪モンブラン♪」ﾙﾝﾙﾝ

穂乃果「........」

海未「穂乃果、やりましたね！」

穂乃果「うん、食べるけどさ....何か絵里ちゃんに騙されてない？」

海未「....あっ....」

穂乃果「どうせ、海未ちゃんに許してもらいたくて物で釣ったんだよ。絵里ちゃんからあんなに謝ることないから」

海未「....ぐぬぅ....絵里ぃ....私を騙しましたね....」ｺﾞｫｫｫ

穂乃果「ま、まぁ、怒っても仕方ないよ」

海未「それもそうですね。こうなったらヤケ食いです！本当はこんな時間に食べるのはいけませんが、今日は特別です！」ﾌﾟﾝｽｶ

穂乃果「......」

海未「はむっ....」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

穂乃果「....むぅ....」

海未「はぁ〜....やっぱり格別ですね！....ってあれ？穂乃果は食べないのですか？」

穂乃果「....まだえっちの途中だったのに」

海未「へ？........ぬぉぉ！またしても絵里の策略にまんまとハマってしまいました！！！」

穂乃果「いやぁ....海未ちゃんだよね」

海未「絵里が私の、穂むらまんじゅうの次に大好きなものを渡すからです！私は悪くありません！」

穂乃果「じゃあ続きしようよ」

海未「んぁぅ....モンブラン....」ｳﾙｳﾙ

穂乃果「....食べたいの？」

海未「う....」ｺｸﾝ

穂乃果「はぁ....わかったよぅ....食べてからにしようか」

海未「はっ、はいっ！」ﾊﾟｧｧ

穂乃果「でも！」

海未「ん？」

穂乃果「罰として、このお薬の入った飲み物を飲んでもらうよ！」

海未「....お薬とは？」

穂乃果「とってもえっちな気分になっちゃうの」

海未「えっと....媚薬ってやつでしょうか？」

穂乃果「そう。ほら、飲んで」ﾆﾔﾆﾔ

海未「うぅ....（仕方ありません....これは罰です。）」ｺﾞｸｺﾞｸ

穂乃果「へへっ、今日は小悪魔さんになっちゃうからね〜」


‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥


海未「はひぃ....ひぃ....もぅ....動けましぇん....」ﾋﾞｸｯﾋﾞｸｯ

穂乃果「はぁ....はぁ....穂乃果はモンブランの栗よりも....海未ちゃんの栗の方が美味しいなぁ♪」ﾍﾟﾛｯ

海未「んんぅっ....///」ﾋﾞｸｯ

穂乃果「可愛いよ、海未ちゃん///」

海未「いやぁ....もぅダメぇ....許してくださいぃ///」ｶﾞｸｶﾞｸ


今日は寝かせないんだから！
穂乃果だって、小悪魔さんになれるんだもん！


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


海未「私達、昨日旅行から帰ってきたわけですが、元からあった予定をすっぽかして何をしていましたっけ？」

穂乃果「うぅ....だって海未ちゃんが可愛いから....///」

海未「私に媚薬を飲ませたうえ、深夜までずっとです。そりゃお昼すぎまで寝過ごすに決まっていますよね」

穂乃果「....ご、ごめんなさい」

海未「わかりました。....ただ、貴女欲求不満なんですか？」

穂乃果「それは....も、もう！変態だって罵ればいいじゃん！」

海未「....いえ、私がいながら、貴女に我慢をさせていたのでは？と思いまして」

穂乃果「うぅ....なんでそんなに優しいの！馬鹿ぁっ！」ﾓｷﾞｭｩ

海未「こ、言葉と行動がごっちゃになってしまっていますよ！？」

テケテケテンテンテテンテン♪

海未「あ、穂乃果、電話です」

穂乃果「....うん....ん？知らない電話番号だ。....はい？」

海未「....」

穂乃果「はい、そうですけど？....はい、それで？........えっ？今なんて？」

海未「....？」

穂乃果「う....そ........はい、はい、今すぐ向かいます！」ﾋﾟｯ

海未「どうしたんですか？」

穂乃果「穂乃果のバイト先の店長さんが....倒れたらしくて....それで病院から電話が来たの」

海未「倒れた？....でも、なぜ穂乃果に電話が？」

穂乃果「....店長さんね、もうすぐ70歳くらいなんだけどね、家族がいないんだよ」

海未「そうだったのですか....」

穂乃果「って、ごめん！穂乃果急がないと！....行ってくるね！」

海未「それなら私も....」

ｶﾞﾁｬｯ....ﾊﾞﾀﾝ

海未「あぁ....帰ってくるまで待ちますか....」

‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥

ｶﾞﾁｬｯ

海未「ん？」

穂乃果「....」

海未「おかえりなさい、穂乃果」

穂乃果「うん....」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

海未「（元気がありませんね....）」

穂乃果「海未ちゃん....」ｷﾞｭｯ

海未「....どうだったのですか？」

穂乃果「....」

海未「....？」

穂乃果「........癌....だって....」

海未「が、癌！？状態はどうなんですか！？」

穂乃果「最悪みたい。....実は前から癌って診断されててね、余命宣告までされてたみたいなの....」

海未「....余命....宣告....？」

穂乃果「穂乃果何も知らなかった！いつも通り笑顔で優しい人だった！パン作りの修行だって丁寧に教えてくれて....一緒に新作のパン考えたり、2人で頑張ってきたのに....何も知らなかった....」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「っ....」

穂乃果「ぅぐっ....どう....すればいいの....？」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「....それは辛いですね....病院で会ったとき、どんな感じでしたか？」

穂乃果「いつも通りだったよ。穂乃果が病室に入ると、『おう、穂乃果ちゃん！』って元気に挨拶してくれたし....これからのこともお話した」

海未「これからのこと？」

穂乃果「........」ｷｭ

海未「話したくなければ話さなくてもいいですよ」

穂乃果「ううん、話すよ。これはね、海未ちゃんにも相談したいことなんだ」

海未「私に？」

穂乃果「うん....店長さんに家族がいないっていうのは話したよね？」

海未「はい」

穂乃果「....お店が、お客様が大好きだから、余命宣告にも抗ってたんだって。当然、親族の方がいなければ、止める人はいないし、歳も歳だからお医者様も店長さんに任せたらしいの」

海未「....でも、えっと....あまり言いたくはないですが、店長さんがお亡くなりになられたら、お店はどうなるんですか？」

穂乃果「そのことをね、お話されたんだ」

海未「そうでしたか....それで、なんて言われたのですか？」

穂乃果「穂乃果は大学生だから、あくまでもアルバイトとして働いてたでしょう？本当は、アルバイトも取らないつもりだったらしいんだけど、穂乃果だけ特別に雇ってくれたみたい」

穂乃果「もちろん、大学を出たらちゃんとした店員として働きたいと思ってた。だから、パン作りも習った。いつも美味しいパンを作るために頑張った....」

穂乃果「っと....ごめん、話がそれちゃってたね」

海未「いえ、続けてください」

穂乃果「ありがとう。....今年の5月くらいからかな？穂乃果の作ったパンが売られるようになったの。一応ここらじゃ有名なパン屋さんだから、心配だったけど、ちゃんと売れた時はすごく嬉しかった」

穂乃果「自分で言うのもおかしいけど、パン職人として認められてたのかな。そこで、今日のこのお話」

海未「....まさか....」

穂乃果「そのまさか。....お店をね、穂乃果ちゃんに任せたいって言われたの」

海未「で、でも大学が」

穂乃果「わかってるよ....パン屋さんはね、月木祝日が定休日だから、無理なんだよね....」

穂乃果「けど、それはわかってたから、長期休暇をとってもいいし、休日だけお店を開けてもいいって言われたんだ」

海未「そうですか....」

穂乃果「....どう....したらいいと思う？」

海未「そう言われても....」

穂乃果「お店の詳しいことは明日とかに教えてくれるって言ってた」

海未「確かに、学業と両立できる方法があるので、美味しいお話のはずです。ただ、穂乃果は迷ってるんですよね？」

穂乃果「....うん....だって、穂乃果が人気のお店を持つんだよ？不安だらけだし、大学も、やりたいことを見つけるために行ってるわけだから....」

海未「そのやりたいことは見つかりましたか？」

穂乃果「....パン....穂乃果は大好きなパンを作りたいと思ってた。だから修行した。いずれパン屋さんで働くために」

海未「なら、なぜ迷っているのですか？」

穂乃果「それは....こんなに早く夢が叶うチャンスが来るとは思ってなかったから....不安が一番かなぁ」

海未「不安....確かにそうですよね....御両親には相談したのですか？」

穂乃果「もちろんしたよ....あなた自身が決めるべきだって言ってた」

海未「....なら、選択肢を絞ればいいんですよ」

穂乃果「どういうこと？」

海未「今感じている不安感などは一度無視してしまいましょう。このお話に、のるかのらないかの二択にすればいいんです。なんて、こんなことしたら、もう決まっちゃいましたよね？」

穂乃果「....当然任されたいよ」

海未「ほら。いくら迷っていたとしても、それは自分の本当の気持ちに鍵をかけていたのと同じなんですから、こういうのは一度リセットして考えるのが一番なのです」

穂乃果「穂乃果の本当の気持ち....でも、任された後は？上手くやっていく自信が無いよ」

海未「初歩的なことですよ？初めから不安を感じずに何かに挑戦する人なんていないんです。しかも、私がいるじゃないですか。私ならあなたを支えられる、絶対的な自信があります。この自信も、貴女とお付き合いし始めた時は不安でしたから」

穂乃果「みんな、始まりは平等ってことか....」

海未「そうです。今のこの不安は、必ず後で絶対的な自信になるんです。それがどんな形であろうと、些細なことであろうと。不安は消えるんです....それなのに挑戦しないなんて、チャンスを無駄にしてるだけです」

穂乃果「....そっか....ちゃんとお客様に受け入れてもらえるかな？」

海未「そんなの、受け入れてもらえるように少し努力すればいいことです。それに、今までの店長さんの軌跡....よく来てくれるお客様や、信頼などがある限り、大丈夫だと思います」

穂乃果「.......やっぱり海未ちゃんはすごいや」

海未「頼り頼られるのが恋人です」

穂乃果「ありがとう....何だか心のモヤモヤが晴れた気がするよ。穂乃果、決めました。うまくいかなかったらその時の穂乃果に任せる！パン屋さん、頑張ってみるよ！」ﾒﾗｯ

海未「穂乃果ならきっと大丈夫です。穂むらでお手伝いしていた時も、うまくやっていたではないですか。持ち前の笑顔と優しさ、そして認められたパン作りの腕で、必ず失敗はしません。私には、素敵な未来しか見えません」

穂乃果「よぉし！やると決めたからには、店長さんにいろいろ教えてもらわないと！それに....」

海未「それに？」

穂乃果「お店に引越しすることになるんだよね」

海未「そうなんですか？」

穂乃果「うん、店長さんのお家でもあるし、せっかくだから代わりに住んでくれって言われてるんだ。ローンも払い終わってるみたいだし、何より一戸建てだから、穂乃果たちが暮らしてるアパートの一部屋とは比べ物にならないくらい広いんだよ」

海未「あっ、あなたは馬鹿ですか！？」

穂乃果「えぇっ！？」ﾋﾞｸｯ

海未「呆れました！迷ってたのが馬鹿らしいですよ？無償でお家とお店をもらえるチャンスを、無視する人なんていませんよ！？それに、血のつながりのない赤の他人に、大切なお家とお店を遺贈するということは、貴女しか候補がいないってことでしょう？」

穂乃果「うぅ....えっと、じゃあ....ラッキーガールなのかな？」

海未「そうです....あなたは大学に通いながらも、立派な職と住処を手に入れたんですから。まぁ、その裏には努力があるのでしょうがね」

穂乃果「そ、そうだよ、修行頑張ったんだから！」

海未「あぁもう、この話は終わりにしましょう。貴女は今、こんなことを話し合うべきじゃないはずです」

穂乃果「と、言いますと？」

海未「穂乃果は、店長さんにとって大切な人の一人なのでしょう。だから、貴女は最期まで店長さんのそばにいるべきです。例えば、残された時間に何をしてあげるか、などを考えるべきです」

穂乃果「....そうか....何やってるんだろ穂乃果。....もって３週間って言われてるんだ、店長さん」

海未「それしかないのですか....ここからは私は口出しはしません。貴女に任せます」

穂乃果「うん」

海未「....で、引っ越す時は私も一緒ですからね？」

穂乃果「この話は終わりにするんじゃなかったの？でも、もちろん！夫婦（仮）なんだから！」

海未「いいですねぇ....家では穂乃果がパン屋さんを営み、私は私でお仕事へ。子供は出来ませんが、幸せに暮らせそうですね」

穂乃果「ペットとかいいんじゃない？」

海未「猫ちゃんですね」

穂乃果「わんちゃんだよ！」

海未「って、まだ先のことじゃないですか」ｸｽｸｽ

穂乃果「けど、本当にありがとう。残された店長さんとの時間、大切にするよ」


穂乃果って人生の勝ち組ってやつなのかな？
恋人、好きなものがお仕事、立派なお家、全部揃ってるもん。自慢できることなのかも！

....そして、3日が過ぎて、宣告された時間よりも遥かに早く、その時は来た。

店長の柊さんは....



柊さん「ありが....とう....」ﾆｺｯ

ﾋﾟｰ

穂乃果「そんな....店長....！」ﾕｻﾕｻ

海未「......っ！」ﾎﾟﾛﾘ

穂乃果「そんな幸せそうな顔して....本当は寝てるだけなんじゃないの？」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

穂乃果「目を....開けてよ....」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


初めて、目の前で人が亡くなった。
柊さんの最後の言葉は、『ありがとう』だった。

柊さんの大切な人になれてたらいいなぁ。
けど、それは表情を見てわかった。
だって、とても優しい笑顔だから。


昨日、一昨日も来て、お店の細かい事やお家の事については聞いていた。
こんなことがあって、お家兼お店を譲り受け、パン屋さん『あぽろん』で働くことになったんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


海未「引越し終わりましたね....それにしても、お家の事、お母様に言ったらビックリしていました」

穂乃果「穂乃果もだよ。そりゃ、娘が急に自分達と同じ環境で生活を送れるようになったらビックリするよね」

海未「....そうだ、お店の開店時間や定休日はどうするんですか？大学に合わせて決めていいと言われたのでしょう？」

穂乃果「うん....とりあえず、土日だけお店を開くことにするよ。夕方だけ開いても仕方ないし、予習とかする時間もなくなっちゃうからね」

海未「昔だったら穂乃果が勉強、ましては予習なんて絶対しませんでしたよね」

穂乃果「む、昔は昔、今は今だよ！」

海未「ふふ、冗談ですよ。勉強するのはいいことです」

穂乃果「もぅ....あ、現に今はお休みしてるわけだし、外のボードにお知らせとして書いておこうかな。休日開店のこととか」

海未「それがいいですね。困ったことがあったら言ってくださいね？力になります」

穂乃果「ありがとうね〜....これからは仕入れとかも自分でやらなきゃだから、その時は少し手伝ってもらおうかな」

海未「ええ、もちろんです。それにしても....遺贈....私だったら大切な人にしますから、こう考えると穂乃果は凄いですね。まぁ、親族の方がいないなら仕方ないと思いますが」

穂乃果「も〜！海未ちゃんはそういうことばっか言う！住むところを貰ったんじゃないよ....これからのパン屋さんを任されたの！いい？店長さんは、本当に穂乃果になら任せられるって思ってくれたの」

海未「そ、そうですね、すみませんでした....」

穂乃果「わかればよろしい！....で、今日は....火曜日かぁ、なんだか暇になっちゃったねぇ」

海未「どこかにでかけますか？」

穂乃果「どこか？....どこに？」

海未「うーん....そうだ！Smiling珈琲にでも行きましょう。たまにはゆっくりするのもいいでしょう」

穂乃果「そうだね、花陽ちゃんもいるかもしれないし」


結局、今はまだいつもと変わらないなぁ。
お店のことはワクワクしてるけど、暇なものは暇！

花陽ちゃん、いればいいなぁ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ｶﾗﾝｶﾗﾝ

花陽「いらっしゃいませ〜」

穂乃果「あ、花陽ちゃんいた！」ｷｬｯｷｬｯ

海未「もう、今はたまたま他のお客様がいなかったからよかったけれど、そんなにはしゃいじゃダメですよ」ﾍﾟｼｯ

穂乃果「いてっ....なんかデジャヴ....」

花陽「あはは....花陽は穂乃果ちゃんらしくていいと思うけど。ま、好きな席に座って」

海未「はい」ｶﾞﾀｯ....ｽﾄﾝ

花陽「ご注文が決まりましたらお呼びください」

穂乃果「おお！店員さんっぽい！素敵！」

花陽「え〜、そんなことないよぉ〜」

海未「うふふ....では、私はアイスコーヒーで」

穂乃果「では、私もアイスコーヒーで」

海未「ま、真似しないでください！///」

花陽「うん、わかった。少し待っててね」

穂乃果「あ〜ん！待ってぇ！」

花陽「うん？」

穂乃果「穂乃果珈琲飲めないからさっきのは冗談だよ....チョコレートパフェくださいな」

花陽「えっと....アイスコーヒー１つと、チョコレートパフェ１つだね」

海未「あまりおふざけはしないでくださいね」

穂乃果「ごめんなちゃい....」ｼｭﾝ

花陽「マスター、アイス(ry」

マスター「うん、了解。お友達でしょ？今落ち着いてるから一緒に休んできていいよ？」

花陽「あ、ありがとうございます！」

マスター「いつも頑張ってくれてるからね」ﾆｺｯ

花陽「えへへ....///」

穂乃果「マスター優しいよね」

海未「はい、私達の周りのご年配の方々は優しくて素敵な人ばかりです」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

花陽「あ、いらっしゃいませ〜....わぁ！？」

にこ「久しぶり、花陽」

花陽「にこちゃん！」

穂乃果「えっ！？」ｸﾙｯ

海未「おお、久しぶりですね....！」

にこ「あら、穂乃果たちも来てたのね。ごめんね、最近会えてなくて。あ、隣いいかしら？」

穂乃果「うん、いいよ〜」

にこ「ありがと。花陽、珈琲」

花陽「ホットでいいのかな？」

にこ「ええ」


この黒髪ロングの小柄な女の子が、矢澤にこちゃん。
見た目は確かに少し小柄だけど、面倒見が良くて、お姉さん？お母さん？みたいな感じなんだ。
ちなみに、前はツインテールがチャームポイントだったんだよ。

これでこの長期休暇でμ’sのみんなと会えたね。
にこちゃんは妹と弟がいるから大変みたいで、最近会えてなかったんだよねぇ....


にこ「んで、あんた達この間旅行に行ったでしょ？」

穂乃果「うん、聞いたの？」

にこ「希からね。なによ、誘ってくれれば行けたのに」

海未「いえ、偶然だったんですよ。もともと私達も2人きりのつもりでしたし」

にこ「偶然！？あの人数が集まるなんてさすがスピリチュアルパワーね....」

穂乃果「希ちゃんと同じこと言ってる....」

海未「そうだ、にこは恋人はできましたか？」

にこ「....いきなりくるわね....まぁ....気になる人はいるけど」

穂乃果「ほんとっ！？どんな人！？」

にこ「背が高くて、優しくて、よく笑う穏やかな人よ。1年先輩なんだけど、最近仲良くしてくれて」

海未「なんだか普通ですね」

にこ「あんたが聞いてきたんでしょうが！....にしても、やっぱりおかしいわよね」

穂乃果「何が？」

にこ「μ’sにはレズカップル？が多すぎよ。私は、素敵な男性と出会って、子供を産んで、幸せな家庭を築くべきだと思うのよね....」

穂乃果「........ん」ｷｭ

にこ「女の子同士っていうのはおかしいのよ。まともなのはことりと真姫と私だけじゃない。伝説のスクールアイドルの名がすたるわ....大体―

海未「ちょっと黙りませんか？」ｶﾞﾀｯ

にこ「....っ....！？」ﾋﾞｸｯ

海未「確かに世間一般ではおかしいかもしれません....けど、それは偏見にすぎません！異性か同性かでの違いは子供ができるかできないかだけでしょう？恋愛に、お互いの好きの気持ち以外に何がいるんですか！？私達の愛は本物です。私は穂乃果を離しませんし、私も穂乃果に離されない絶対的な自信があります。恋愛のあり方は人それぞれなのに、それを馬鹿にするあなたのような人が大嫌いです！それともアレですか？男性と性行為がしたいだけですか？....自分の中の理想や普通を人に押し付けないでください！」ｷｯ

にこ「....うぅ....」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

海未「はぁ....はぁ....」ｷﾞﾛｯ

にこ「....ごごっ、ごめんなさい....」

海未「次このような―

穂乃果「ちょっと、海未ちゃん落ち着いてよ」ｱｾｱｾ

海未「穂乃果....わ....わかりました....」ｽﾄﾝ

穂乃果「気持ちはわかるけど、仕方ないよ....」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

海未「ぷぅ....もっと撫でてください」

穂乃果「はいはい」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ「....なんなの....この子達....」ｿﾞﾜｧ

花陽「....お待たせしました〜アイスコーヒーとチョコレートパフェです。にこちゃんのも今持ってくるね」

にこ「う、うん」

花陽「一応言っておくけど喧嘩はしないでね？」

海未「う....すみませんでした」ｼｭﾝ

にこ「....私も悪かったわ。ごめんなさい」ｽﾞｰﾝ

花陽「うん、仲直りだね♪」ﾌﾟﾜﾌﾟﾜ

穂乃果「やったぁ！パフェ〜パフェ〜♪」ﾙﾝﾙﾝ


マスター「（なんだろうあの温度差は....面白い子達だなぁ）」


‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥


穂乃果「ん〜♪」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

海未「........」ﾍﾟﾗｯ

にこ「....そうだ、あんた達ってバイトやってるの？」

海未「ん....ええ、いつも行ってたファストフード店で働いてますよ」

にこ「あ、この間海未っぽい人いたなぁって思ってたけど、本当に海未だったのね！ってことは、穂乃果も？」

穂乃果「ううん、穂乃果はパン屋さんを営んでます」ｷﾘｯ

にこ「何言ってんのよ、バイトでしょ？」

海未「いえ、それが本当なんですよ。一戸建ての家だって持っています」

にこ「....はぁっ！？あんたどこからそんなお金出てくんのよ！？」

穂乃果「いやいや、ちょっと説明不足だったよ。実はね、かくかくしかじか....」

にこ「....ん？血のつながりのないただのバイト先の店長さんに遺贈されたってこと？」

穂乃果「うん」

にこ「....それ大丈夫なの？実は借金を抱えていたとかさ」

穂乃果「あはは....穂乃果でもその可能性は考えたよ。大丈夫、安心できるよ」

にこ「へぇ....なら凄いじゃない！そんなにへらっとしてるけど、これは人生を変える出来事だったのかもしれないわ！」

海未「そうですね。私もバイトをしてるので今のうちはお金に困りません」

にこ「....私応援するわ。パン、昔から大好きだったでしょう？頑張って！」ﾆｺｯ

穂乃果「っ....ありがとう....」ﾎｶﾎｶ


にこちゃんは昔からこう。
自分では大きな夢を追いかけて、周りに馬鹿にされちゃうこともあるけど、それ以上に人の幸せに優しい笑顔を見せてくれるんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「よいしょ....物置の整理が終わった....」

穂乃果「これで完璧！あ、そういえば店長さんのお部屋は手つけてなかったけど....そのままにしておいてあげるのがいいよね」

海未「穂乃果ー！下に降りてきてくださーい！」

穂乃果「あ、うん！今行くよー！」

ﾃｯﾃｯﾃｰ

海未「ストップ！」

穂乃果「おぅっ....！？」

海未「穂乃果、今は何時ですか？」

穂乃果「今は....12時30分だね。お腹空いてくる時間だ」

海未「そうです！なので....」ｸﾙｯ

穂乃果「おっ？」

海未「じゃーん！オムライスを作ってみました〜」

ｸﾞﾁｬｧ

穂乃果「....へ、へぇ....」

海未「頑張って練習もしました！さ、冷めないうちに食べましょう」ﾆｺﾆｺ

穂乃果「あぁ....うん、そうだね」ｶﾞﾀｯ....ｽﾄﾝ

海未「はい、スプーンです」

穂乃果「ありがとう....じゃあ、食べるね。食べるからね？.....いただきます」ｵｿﾙｵｿﾙ

海未「....」ﾜｸﾜｸ

穂乃果「あ〜むっ....ぶぇっほっ！？何これ！？」ｹﾞﾎｯ

海未「えっ....」

穂乃果「あ....ご、ごめん....」ｱｾｯ

海未「美味しく....ないのですね」ｷﾞﾘｯ

穂乃果「えっと....想像以上....じゃなくて！えっとぉ〜」ｱｾｱｾ

海未「はぁ、頑張って練習したつもりだったのですが.....不味いものを食べさせてしまってすみませんでした」ｳﾙｯ

穂乃果「あぅ....」

海未「うぅ....どうしていつも私はこうなのですかぁ....ぅぐっ....」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

穂乃果「し、仕方ないよ！最近は穂乃果が作っちゃって、ちゃんと教えてあげられなかったから」

海未「でも自分であんなに頑張ったのに、オムライス程度のものを上手く作れないんですよ？」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

穂乃果「....才能？」

海未「こんな才能要らないですよぅ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

穂乃果「なら、今から一緒に作ってみる？」

海未「きっと穂乃果のふわふわで美味しいオムライスを汚してしまいます....」

穂乃果「大丈夫だよ！練習あるのみだよっ！」

海未「ほんとに大丈夫でしょうか....」

穂乃果「ま、とりあえずやってみよ」


穂乃果も初めはこんなだったなぁ....卵の殻は入っちゃうし、ご飯はベチョベチョだし、お母さんにちゃんと教えてもらうまである意味すごい出来だったよ。

こうして穂乃果が教えてあげる立場になれたのも嬉しいなぁ。
だって、昔は怒られたりしてたけど、まさかお料理ができないとは思わなかったからね。


海未「先生、エプロンを装着しました！」

穂乃果「お、穂乃果がプレゼントしたやつだぁ！」ｷｭﾝ

海未「貰ったからには使わないと損をしてしまいます。宝物ですから」

穂乃果「へへ、嬉しいなぁ」ｴﾍﾍ

海未「さぁ、私は気合十分です！どんな辛い試験でも真っ向から挑みます！」

穂乃果「だ、大丈夫だよ。穂乃果はそんな鬼教官じゃないから....」

海未「先生、早く指導を！」

穂乃果「（海未ちゃん本気だぁ....よぉし！）じゃあ、まずはチキンライスを作るよ。具材は切っておいたから安心してね」

海未「はい！」

穂乃果「今回は、海未ちゃんが作るところに、穂乃果が修正を加える感じでいくね。あと、こうした方が美味しくなるよ！っていう裏技も教えてあげるからね」

海未「わかりました。では....まずは油ですね」

穂乃果「あ、炒め油はバターにするとコクが広がって美味しくなるんだ」

海未「なるほど....バター投下っ！」ｼﾞｭｰ

穂乃果「さすがにここまでは順調か」

海未「....えっと、次はご飯を....」

穂乃果「あ、待って待って！ご飯は後入れだよ！」

海未「ゔぇえ....いきなり否定された....最初から間違えていたなんて....」ｶﾞｸｯ

穂乃果「ダメッ！そこでしゃがんだら前髪が燃えちゃうよ！？」

海未「ひゃいっ！？」ﾋﾞｸｩｯ

穂乃果「....危なっかしいなぁ.....」

海未「うぐぅ....もうダメです....できません....」ｳﾙｳﾙ

穂乃果「なに弱気になってるの？昔の海未ちゃんはこんなじゃなかったよ？」

海未「料理ばかりは無理です....調理以前に身の危険が....」

穂乃果「それはね、穂乃果も同じだったよ」

海未「穂乃果も？」

穂乃果「うん。穂乃果っておっちょこちょいだし、気抜いて服燃やしちゃった事もあったよ。包丁を足の上に落としたり、多分今の海未ちゃんよりも酷いかな」

海未「でも、今じゃ全然....」

穂乃果「これは言うまでもなく、海未ちゃんも知ってることなんだよなぁ....箏や弓道って、最初から上手くできた？」

海未「....いえ、初めは難しくて心が折れそうになったこともあります」

穂乃果「でも、上達したよね？なんでかわかる？」

海未「好きだったから、ですかね」

穂乃果「だよね。お料理はどう？」

海未「思うようにいかなくて....好きではありません」

穂乃果「うん....まぁ、そのことは今はいいや。後でわかるから。....諦めちゃうとね、可能性も無くなっちゃうの。μ’sだって可能性を感じたから頑張れて、大きくなった。とりあえず、今だけでも頑張ってみよう？」

海未「....はい....」

穂乃果「よし、じゃ、さっきの続きからだね」

海未「えっと....ご飯は後入れとなると....鶏肉ですか？」

穂乃果「そそ、中火で火が通るまで炒めてね〜」

海未「了解です！」

ーー

穂乃果「そろそろ、後から入れた玉ねぎも透き通ってきたから、塩、コショウで馴染ませましょう」

海未「うぇっと....どのくらいでしょうか....」ｱｾｱｾ

穂乃果「そのくらいでいいよ〜。じゃ、ケチャップを入れていこう。オイスターソースも少し入れるともっと美味しくなるよ」

海未「ここで入れるんですか？私はご飯に加える感じでした」

穂乃果「海未ちゃんのはベチャッとしてたでしょう？こうすれば馴染みも良くなってベチャッとしなくなるの」

海未「へぇ、やっぱり経験の違いですね....」

穂乃果「ううん、穂乃果も最初はそうだったから」

海未「....これで混ぜたらご飯を加えていいんですか？」

穂乃果「うん！木ベラで切るようにして炒めて、全体に馴染んだら一旦器に入れるよ」

ーー

海未「ふぅ....疲れてしまいました....」

穂乃果「ふふ、初めは失敗しないようにって気を使っちゃうから疲れちゃうよね。でも、ここからが本番だよ！海未ちゃん、ふわふわのが作りたいんだよね？」

海未「ええ、穂乃果が作ってくれるようなふわふわのを」

穂乃果「....知ってる？薄皮のを作るなら弱火~中火で焦がさずに。ふわとろのは強火で一気にかき混ぜながら。途中でマヨネーズを入れるとふわっとして美味しいよ☆」

海未「そんな....火の調節が必要なんですか....」

穂乃果「最初だから穂乃果がやってみようか？」

海未「....いえ！自分で頑張ります！」ｸﾞｯ

穂乃果「よし、なら先に卵と牛乳を混ぜておくよ」

海未「牛乳ですか。ど、どのくらい....？」ﾁｮﾛﾛ

穂乃果「あ、そのくらいでいいよ。大さじ２杯くらいだけど、感覚で大丈夫」

海未「感覚と言われましても....」

穂乃果「穂乃果も完璧にやってたけど、適当が一番だよ」

海未「慣れ....ですかね。次は何を？油ですか？」

穂乃果「うん。少し多めの油とバターを入れて、弱火~中火で温めるの」

海未「わかりました」

ﾁﾁﾁﾁ....ﾎﾞｯ

穂乃果「ふぅ....ここからだね....温めすぎても半熟にならないし、お皿に移す時に形が崩れるかもしれないし、気持ちを強くね！ファイトだよっ！」ｶﾞｼｯ

海未「難しそうな作業ですね」

穂乃果「....実は海未ちゃんが火傷とかしないか心配なんだよね」

海未「あはは、そんな心配しなくても」ｼﾞｭｯ

穂乃果「あ....」

海未「ぅあ゛っつ゛っ！？」ﾋﾞｯｸｩｯ

穂乃果「もう、言ったそばから〜....ほら、早く冷やして」ｱｾｱｾ

海未「うぅっ....痛いですぅ....」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

穂乃果「あわわ....よしよし、大丈夫だよ〜」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

海未「ぐすっ....フライパンに手をつけるなんて....これからは気をつけます....」

穂乃果「う、うん、本当に気をつけてほしいよ」

海未「ぐすっ....こんなことをしているうちにバターも溶けてフライパンも温まりました」

穂乃果「そうだけど、手大丈夫？」

海未「はい、少しびっくりしただけで、問題ありません」

穂乃果「（強がってる....）それじゃ、卵入れて」

海未「はい....えっと、かき混ぜるんですよね？」

穂乃果「うん。半熟状になったら、火から下ろすんだよ」

海未「えっ？火から下ろすってなんですか！？」ｱｾｯ

穂乃果「あぁ、火から遠ざけることだよ。ごめんね」

海未「い、いえ。私が無知なのが悪いんです///」ｶｧｧ

穂乃果「って、そろそろいいかな」

海未「....はい」ｽｯ

穂乃果「ふん、良い感じじゃん。そしたらね、中央に楕円形になるようにチキンライスをおいて、手前側の卵を被せるの」

海未「....こうですか？」

穂乃果「うん。フライパンの対岸に全体を寄せて、お皿とフライパンをV字に当てて、ひっくり返すようにお皿に乗せるんだ」

海未「ふぇ？？えっと、まず寄せて....どうするんです？」

穂乃果「お皿をね、こういう風に当てて、あとはひっくり返すだけ。慎重にね」

海未「おぉ....遂に完成ですね。緊張しますが、頑張ったので....せーのっ！」

ﾎﾟﾌｯ

海未「ふぁあぁぁっ！」ｷﾗｷﾗ

穂乃果「お！完璧じゃん♪」

海未「こんなに綺麗に....まるで私が作ったものじゃないみたいです！」

穂乃果「ふふっ、ケチャップかけてあげるよ」

海未「あ、はい」

穂乃果「ナ....イ....ス....だ....よ....っ....♪っと」

海未「穂乃果ぁ....」ｳﾙｳﾙ

穂乃果「えへへ、大事なのは味だよ。食べてみて」

海未「はい、では一口失礼して....」ﾊﾟｸｯ

穂乃果「....」ﾆｺﾆｺ

海未「....美味しい....こ、これを本当に私が？」

穂乃果「そう。穂乃果は教えてあげただけだよ」

海未「....できたんだ....私にも料理ができました！」ﾓｷﾞｭｯ

穂乃果「ぅおっとと....」

海未「やりました！頑張りました！褒めてください！」ﾓｷﾞﾕｩｩ

穂乃果「うん、頑張ったね....お料理、どう？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

海未「作ってみて、上手くできたらこんなにも嬉しいものだなんて思ってもみませんでした」

穂乃果「穂乃果もね、お料理が好きだから頑張れたんだ。これは、海未ちゃんが弓道や箏、そして書道とかが大好きで頑張ってたのと同じ」

海未「はい....私、もっといろんな料理に挑戦したくなりました。まだ、包丁もまともに扱えませんが、頑張りたいと思います！」

穂乃果「穂乃果はお料理の先生になるんだね」

海未「好きな人にこうして教えてもらえるなんて幸せ者ですね」

穂乃果「お料理を少しでも好きになってくれるならいくらでも教えちゃうよ」

海未「ありがとうございます」

穂乃果「じゃ、穂乃果も食べてみようかな」

海未「え、は、はい！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

穂乃果「はむっ....」

海未「....」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

穂乃果「....うん....とっても美味しいよ♪」ﾆｶｯ

海未「....えへへ....///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「あぁ....」

海未「大丈夫ですか？」

穂乃果「だるい....頭痛い....」

海未「夏バテでしょうか....明後日からお店なのに大丈夫ですかね....夏バテの原因には寝不足やストレスが挙げられますが、心当たりはありますか？」

穂乃果「わかんないよそんなの....」ｲﾗｲﾗ

海未「....お腹、空いてませんか？」

穂乃果「ごめん、食欲ないや」

海未「貴女が好きなパンありますよ？」

穂乃果「ごめん」

海未「....そうですか、なら今日は安静にしていた方がいいかもしれませんね。何かあったら言ってください。クーラーばかり付けるのはいけませんからね？」

穂乃果「はぁい....」ｸﾞｯﾀﾘ


‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥


穂乃果「....んぅ....」


スピリチュアルやね！

アキバに似てるんだにゃ

ふわふわしたもの可愛いな〜


穂乃果「何？これ....」


やり遂げたよ、最後まで

にっこにっこぬぅい〜

イミワカンナイ！


穂乃果「昔の......みんな？」


次こそは勝ちます！

合宿よぉ！

ﾀ゛ﾚ゛ｶ゛ﾀ゛ｽ゛ｹ゛ﾃ゛ｪ～!!


穂乃果「何なんだろ....これ....」


ははっ、ちょっと希〜

かよちん、真姫ちゃん、ここのラーメンや美味しいんだよ

ことり、今度の衣装のことなんだけど....


穂乃果「みんな....」

あははっ

うふふっ....


穂乃果「嫌だよぅ！行かないでぇ！？」


あははっ....


‥‥


穂乃果「行かないでぇ！」ｶﾞﾊﾞｯ

海未「ふふ、どこにも行きませんよ。夢でも見てたんですか？」

穂乃果「はぁ、はぁ....夢？....あれ、どんな夢だったっけ....」

海未「あぁ、夢ってすぐ忘れてしまいますよね」

穂乃果「....うん....」

海未「もう、体調は良くなりましたか？」

穂乃果「うん、まぁ....なんか寂しい気持ちなんだ。海未ちゃん、ちゅうして」

海未「はいはい....」ﾁｭｯ

穂乃果「ん........ありがとう」

海未「さっき、貴女のお部屋に入ったんですけど、パンの事ばかりだったじゃないですか。」

穂乃果「....まだまだお勉強することがあるからね....」

海未「貴女が倒れてしまっては意味無いのです。昔苦い経験もしたでしょう？」

穂乃果「そうだったね....あの時はみんなに迷惑かけた」

海未「まぁ、μ’sのみんなは必ず帰ってきてくれると信じていましたけど」

穂乃果「....μ’s....ごめん、少しひとりにさせて？」

海未「ん？ええ、わかりました」


μ’s。
さっき見た夢は、昔のみんながいた気がする。
みんなが笑って、はしゃいで、幸せそうだった気がする。

穂乃果はμ’sが好きだから、今も思い出を忘れられない。

けど、乗り越えないとね！みんな好きなことで頑張ってる！きっと大丈夫....μ’sは離れ離れになんかならないんだ。

どこにいたって僕たちはひとつの光、なんだよね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「いらっしゃいませ♪」

おばちゃん「あら、バイトの穂乃果ちゃん！あれ？今は店長さんかな？」

穂乃果「はい、実感がありませんけど....」

おばちゃん「店長さんのことは残念だけど、あなたならきっと大丈夫よ。あなたの笑顔を見てるとおばちゃん幸せになっちゃう」

穂乃果「そんな大袈裟なぁ」ﾆｺﾆｺ

おばちゃん「休日開店でも、おばちゃん毎週来ちゃうからね！応援してるよ、穂乃果ちゃん」ﾆｶｯ

穂乃果「はい！ありがとうございます！」ﾆﾊﾟｧ

おばちゃん「うっふふ....じゃ、これ貰おうかしら」

穂乃果「あ、それできたてなんですよ〜」

おばちゃん「お、ほんと？でも、冷めても美味しいから関係ないんだけどねぇ」

穂乃果「ふむ....そんな褒めても、値下げはしませんよ？」

おばちゃん「あらら、バレてた」

穂乃果「なぁんてね！おばちゃんは常連さんだから１個おまけしちゃう♪」

おばちゃん「あら、本当！？」

穂乃果「うんうん！ただし、これからも来てくださいね〜？」

おばちゃん「もちろんよ〜、ありがとう」ﾆｺﾆｺ


海未「（あの調子なら大丈夫そうですね）」ﾎｯ

テケテケテンテケテケテンテン〜♪

海未「おっと....電話です。....はい？」

ことり「あ、ことりです。久しぶり〜」

海未「はい、お久しぶりです」

ことり「あ、そうそう。にこちゃんから聞いたんだけど、パン屋さん今日から開店なんでしょう？どう？」

海未「えっと....」ﾁﾗｯ


穂乃果「ありがとうございました〜」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

おじちゃん「おーう、可愛いバイトちゃん」

穂乃果「またまたぁ〜。今は店長ですよ」ｷﾘｯ

おじちゃん「あれま！大きくなったもんだなぁ！」

穂乃果「ふふ、冗談がうまいですね」ｸｽｸｽ

おじちゃん「ありゃ？見破られちまった！....柊さんのことは残念だったけど、穂乃果ちゃんがいれば大丈夫だ。んじゃ、いつものやつ貰おうかな」

穂乃果「メロンパンですね」

おじちゃん「しー、しー！こんなおじさんがメロンパン食べてるなんて知られたら恥ずかしいだろ！？」

穂乃果「でも、買ってくれてます。好きなんでしょう？」

おじちゃん「そりゃ、ここのメロンパンは絶品だからな」

穂乃果「素直でよろしい！」ﾆｶｯ

おじちゃん「あ....ははっ、穂乃果ちゃんにはかなわねぇな。よし....はい1000円。お釣りはいらないよ」

穂乃果「え？メロンパンは170円ですよ？」

おじちゃん「これからも頑張ってほしいから、おじさんからお小遣いだよ」ﾆﾋﾋ

穂乃果「おじちゃん....」ｳﾙｯ


ことり「おーい？」

海未「....」ｸｽｸｽ

ことり「海未ちゃーん？」

海未「ひゃあっ....ご、ごめんなさい。....えっと、パン屋さんなら上手くいっていますよ」

ことり「うーん....おおかた接客してる穂乃果ちゃんにみとれちゃってたとかかな？」

海未「う....こ、ことりの用件は何なんですか？」

ことり「ああ、えっとね、明日の夜なんだけど、時間ある？もちろん穂乃果ちゃんも」

海未「....お店を閉めるのが18時頃なので、それ以降なら大丈夫です。」

ことり「お、十分だよ。明日の夜花火大会があるでしょう？それで、みんなで集まることになってるんだ。ちなみに他のみんなは来れるみたい」

海未「お祭りがあるのは知っていましたが、明日だったんですね。時間とかは決まってるんですか？」

ことり「19時に、会場の〜に集合だよ。打ち上げ開始時刻が遅めの20時半だから、少し屋台回ったりもするみたい」

海未「19時ですね、了解です。お誘い感謝します」

ことり「いいのいいの、みんな揃っての方が楽しいでしょう？」

海未「ふふ、そうですね。穂乃果にも知らせておきますので、また明日会いましょう」

ことり「うん、また明日。ばいばい」

海未「はい、では失礼します」ﾌﾟﾂｯ


穂乃果「ありがとうございました〜....んっ！」ﾉﾋﾞｯ

海未「穂乃果、お疲れ様です」

穂乃果「あ、海未ちゃん、ありがとう。やっぱりお客様沢山くるねぇ....」

海未「一応人気のお店ですからね。....あの、先程ことりから花火大会のお誘いがありました」

穂乃果「あー、そういえばお祭り明日だっけ？」

海未「みんなも来るみたいです。19時に、〜に集合みたいなんですけど、いいですよね？」

穂乃果「うん、もちろん。楽しみだなぁ」ﾌﾟﾜﾌﾟﾜ

海未「浴衣着ますか？確か私2着持ってるので穂乃果も着れますよ」

穂乃果「うん、着る着る〜」

海未「それでは―

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

穂乃果「あ、いらっしゃいませ〜」

お姉さん「穂乃果ちゃんだぁ♪」

海未「（また後でにしますか....）穂乃果、何か手伝えることがあったら言ってくださいね」

穂乃果「うん、ありがとう」


いやぁ、やっぱりお客様沢山くるよ！
これが店長さんの軌跡。
沢山のお客様と信頼。
穂乃果、ファイトだよっ！


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


園児のママ「ふふ、浴衣可愛いわね」

穂乃果「そ、そんなことないですよぅ///」

園児「おねーたんは、あそぱそまそのぱん作ってるの？」

穂乃果「....ううん、あれはね、ジャムジャムおじさんが持ってきくれるんだよ〜」

園児「ほんとっ？おねーたん、ジャムジャムおじさんとお友達なのっ？」ｷﾗｷﾗ

穂乃果「そうだよ♪」

園児「わぁ〜！すごいぃ〜！」ｷｬｯｷｬｯ

園児のママ「もう、気使わなくてもいいのに」ｸｽｸｽ

穂乃果「子供の夢は大切に、ですよ」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

おじいさん「んおっ！こりゃたまげた！浴衣のべっぴんさんがいるぞ！」

穂乃果「あ！お豆腐屋さんのおじさん！いらっしゃいませ〜」

おじいさん「はっはっ、浴衣、ワシの嫁さんの次くらいに似合ってるぞぃ」

穂乃果「またまた〜お上手なんですから///」

おじいさん「ありゃ？落ちてくれないのかい」

穂乃果「穂乃果にはもう大切な人がいるんだよ」

おじいさん「ありゃまぁ、これは失礼」ｱｾｱｾ

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

たける君「っしゃあ！俺の勝ちぃ！」

みずき君「はぁ、はぁ、速いよ....中学校からここまで走ってよく息切れしないね....」

穂乃果「わ、今日は凄いなぁ....お祭りがあるからかな？....たける君、みずき君、いらっしゃい」

たける君「ん、姉ちゃん名前覚えてくれたの？」

穂乃果「うん、いつも来てくれるからね。ほかの皆さんもだよ〜」

おじいさん「ワシらもかい？」

穂乃果「そう。お豆腐屋さんのおじさんは立川さん」

立川さん「かぁ〜、こんなべっぴんさんに名前覚えてもらったぞ....」

穂乃果「アソパソマソが大好きなあなたは、かえでちゃん」

かえでちゃん「はーい！」ﾆｶｯ

穂乃果「で、そのお母さんが、桜子さん！」

桜子さん「あらまぁ、私まで.....もしかしてみんな覚えてるの？」

穂乃果「大事なお客様ですから！」ﾆﾊﾟｯ

みずき君「....お姉ちゃん、前の店長さんに似てます」

立川さん「あぁ、そうだな。柊さんもこういう方だった。きっとこのお店はまだまだみんなに愛され続けるよ」ﾆｺﾆｺ

穂乃果「店長さんと、似てる？」

桜子さん「ええ。あの人も、来るお客さんのお名前を覚えて、優しい笑顔でおもてなししてくれたのよ。まるで今のあなたと同じ」

穂乃果「へぇ....」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

たける君「んじゃ、俺チョココロネ！」

穂乃果「あ、うん、待っててね〜」

みずき君「ぇあっ、僕も！」

穂乃果「ふふ、焦らなくてもなくならないよ〜」

ﾊﾟｻｯ....ｶｻｶｻ

穂乃果「はい、先に桜子さん。３つで440円です」

桜子さん「はいはーい....あ、500円からでもいい？」

穂乃果「うん、大丈夫です」

桜子さん「あ、お釣りの分もらっていいわよ」

穂乃果「え〜、悪いですよ」

桜子さん「いいから♪....かえで、行くわよ」

かえでちゃん「はーい！....おねーたん、ばいはい！」

穂乃果「う、うん、またね〜」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

たける君「姉ちゃん、早くしてくれよー」

穂乃果「あぁ、ごめんね。２つで300円だよ」

たける君「はい、150円」ｼﾞｬﾘｯ
みずき君「僕も....」ｼﾞｬﾘｯ

穂乃果「はい、ぴったりだね」

たける君「よっし....また来るね！」

みずき君「またね、お姉ちゃん」

穂乃果「うん、風邪ひかないでね〜」

たける君「わかってるよー」ｶﾞﾁｬｯ

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

穂乃果「ふぅ....楽しいなぁ」

立川さん「はっはっはっ、その言葉を聞けて嬉しいよ」

穂乃果「わわっ、お客様の前でごめんなさい！」

立川さん「いいのいいの、本当に楽しいと思ってくれてるんだろう？天国の柊さんも喜んでるよ」

穂乃果「....だと、いいですね」ﾆｺｯ

立川さん「あ、そうだ、ワシの嫁さんが、クロワッサンを食べたいって。5個くれるかい？」

穂乃果「沢山買ってくれるねぇ」


海未「（穂乃果....やはりあなたは凄いです....頑張りすぎて体調を崩さなければいいのですが....）」ﾁﾗｯ


立川さん「また来るぞぃ」

穂乃果「うん！ありがとうございました〜」

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

穂乃果「よーし、そろそろお店閉めないと」

海未「....お疲れ様です」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

穂乃果「えへへ、ありがと」ｷｭﾝ

海未「今日はお祭りだからか、繁盛しましたね」

穂乃果「売上凄いよ」

海未「この中には、パンへの代金以外のお金も入ってますよね？やはり凄い。いくつになっても貴女は愛される」

穂乃果「大袈裟だよ。穂乃果は自分のしたいようにしてるだけ」

海未「そうですか」ｸｽｸｽ

穂乃果「ほら、そろそろ待ち合わせ場所に行く準備しないと」

海未「はい」


‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥


穂乃果「みんな〜！」ﾃｯﾃｯﾃｰ

ことり「あ、来た！」

穂乃果「ごめんね、少し遅れちゃったかな」

真姫「ううん、時間ぴったりよ」

海未「それならよかったです」ﾎｯ

希「うひひ....わしわしMAX〜」ﾜｼﾜｼ

穂乃果「ぅひゃぁあっ！？もうっ、やめてよぉ！」ﾌﾟﾝｽｶ

海未「希....」ｷﾞﾘﾘ

希「ひっ....ご、ごめんなさい許してくださいもうやりません」

穂乃果「え....あ、うん、許してあげる....？」

にこ「あんた達は相変わらずね。穂乃果、パン屋さんはどう？」

穂乃果「頑張ってるよ！お客様も優しいんだぁ〜....たまにお小遣いくれたりするんだよ？」

にこ「お小遣いってあんた....大丈夫？卑猥な見返りとか求められない？穂乃果は可愛いからお姉さん心配になるわ」

穂乃果「大丈夫だって！そんなこと絶対ないから」

海未「そうですね、近くで私が見てる限りでも問題なさそうな感じでした。本当に、穂乃果が愛されているんだなぁと実感しました」

にこ「そう....海未、これからも穂乃果のこと守ってあげるのよ？」

海未「....少し前までは同性愛に対してえらく反対的ではありませんでした？」

にこ「私だってあの時の言葉で考え直したのよ。好きな物を、人を、素直に好きだって言えることの素敵さを改めて考えられたわ」

海未「にこ....あなたも同性愛に目覚め―

にこ「それは違う！」

花陽「....あの、そろそろ行かない？」

絵里「そうよ、お腹空いたわ」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

凛「既に何か食べてるけど？」

絵里「チョコボァルっていうのよ」

一同「いや、知ってる！超有名なお菓子！」

絵里「っ！？」ﾋﾞｸｯ

ｺﾄｯ....ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

絵里「あぁ！落としちゃった....」ﾎﾟﾛｯ

希「ん、また何か落ちたよ？」

絵里「いやぁ！コアラのモァーチまで！袋開けてたからこぼれてる....」ﾎﾟﾛｯ....ﾎﾟﾛｯ

絵里「あああ！アホロとマブールチョコまでぇ！」ｳﾙｳﾙ

真姫「....絵里、なんでそんなにお菓子持ってきてるの？」

絵里「チョコが好きなのよぉ！」ｳﾙｳﾙ

希「まったく、お菓子は持って行ったらダメよってあれだけ言ったのに....」

りんぱな「やっぱりダメだこのお姉さん」

ことり「久しぶりに全員が揃ったのに....大丈夫かなぁ、これ」

穂乃果「絵里ちゃんはいつもああだから仕方ないよ....」

海未「まぁ、せっかくのお祭りなんですから、楽しんでいきましょう」

ことり「うん、そうだね」


いきなり怪しい感じになってるけど、楽しければいいよね。
それにしてもお祭りかぁ....お面とか、綿菓子とか....って、少し子供っぽいかな？


ﾎﾟﾝｯ

穂乃果「うぁ....全部外れちゃった」

ﾎﾟﾝｯ....ｸﾞﾗｯ

凛「穂乃果ちゃんはまず当てようよ....でも、これ当たっても全然倒れない！おじちゃん、これインチキしてるでしょ？」

おじちゃん「そんなことないさ....ほら、そこの姉ちゃん見てみな」

ほのりん「うん？」ﾁﾗｯ

ﾎﾟﾎﾟﾎﾟﾝｯ....ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀｯ

にこ「ふっ」

おじちゃん「さっきから全部取りやがって....」

穂乃果「穂乃果なんて当たってすらいないんだよ！？」

凛「凛だって当たっても全然倒れなかったんだよ！？」

ほのりん「どういうことぉ！？」ﾊﾞｯ

おじちゃん「う....お、おじちゃんだってわからねぇよ....」

にこ「（帰ったら虎太郎にでもあげようかしら）」


真姫「穂乃果達は元気ねぇ....」

海未「3バカトリオは健在です」

希「そこにえりちが入らないのがスピリチュアルやなぁ....」

海未「何言ってるんですか？」

希「え？」

真姫「3バカ、バカは可愛いのよ。アホはまた違うものでしょう？」

海未「穂乃果をアホと一緒にしないでほしいです」

希「う....（恋人がバカにされてるけど、こればかりは不思議と怒りがこみ上がらない）」

海未「さぁ、金魚すくいをしましょう」

真姫「ん、いいわね、勝負よ！」

海未「いえ、今回はペットが欲しくて....」

真姫「そうなの？ならお手伝いするわ」

希「ウチもお手伝いするよ」

海未「ありがとうございます！」


花陽「はふはふ....」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ことり「ふぅ、ふぅ」ﾊﾟｸｯ

花陽「たこ焼き美味しいねぇ」

ことり「お祭りで食べると不思議と美味しく感じるよね」

花陽「あ、次はチョコバナナ食べたいな」

ことり「ふふ、今日はたくさん食べちゃうぞ！」

ことぱな「いぇーい！」ｷｬｯｷｬｯ


絵里「....」

絵里「どうせ私は一人ぼっちチカ....」

ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

絵里「ふぇ？」

希「なぁに一人でしゃがみこんでるん？」

絵里「金魚すくいしてたんじゃないの？....みんな仲良し。楽しそう....」ｷｭｯ

希「えりちが見当たらないから気になって来たんよ。えりちも仲良しの内の一人やろ？」

絵里「昔の話よ....私はポンコツでみんなに迷惑かけちゃうし....」

希「本当に嫌だったら一緒に遊ばないよ........ほら、綿菓子食べる？好きよね？」

絵里「....食べるわ」

希「どうぞ」ｽｯ

絵里「ありがとう....もっと近くに来るチカ....///」

希「ふふ、甘えんぼさんやね」ｷﾞｭ


‥‥

‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥


凛「何か取れるまで止め―

ﾋｭｩｩｩｩ....ﾊﾟﾊﾟｧﾝ....ﾊﾟﾝ

凛「ってあれ？花火？」

にこ「あらら、もうこんな時間だわ」

ことり「みんな〜」ﾃｯﾃｯﾃｰ

花陽「はぁ、はぁ、花火始まっちゃいました....」

海未「....ごめんなさい、私達も夢中になってしまってて」ﾃｯﾃｯﾃｰ

真姫「あれ？希たちは？」

希「みんな〜！こっち〜！」

真姫「あ、あっちにいたのね。絵里もいるわ」

花陽「じゃあ、早くよく見えるところに行こっ」

‥‥

今穂乃果には、３つの花火が見えました。

ひとつは、オレンジと白と青の仲良し花火。

もうひとつは、緑と黄色と赤の小さな花火。

最後に、水色とピンクと紫の大きな花火。

どれも綺麗で、どこか穂乃果達、私達みたいだった。


あの花火達は、年に数回しか同じ空で一緒に輝くことができません。

本当は仲良しなのに、全然会えなくて....それでも、毎年の少ない期間だけでも会っています。

それはきっと、みんなのことが本当に大好きだからだと思う。


そこも含めて私達みたいです。


あの花火達の好きな事は、お客様を幸せにする事。

私達も好きな事、物、人がいて、それぞれが頑張って新しいゴールを目指している....


違う場所を目指していても一緒にいれるのは、ひとつの光だから。


一緒に居ると決めた出会いからだいぶ遠いところまで来た。

あの場所で待ってるよって、約束はないけれど....

笑顔で駆けてきてくれる。

毎日があっという間に過ぎるから、戻らない今を大事にしたいそんな気持ち。

きっとみんなも同じ気持ち。


そう、私達は伝説のスクールアイドルグループ....『μ’s』だ。

今は、胸を張って言える。


希「早く早く〜！」

絵里「終わっちゃうわ〜！」

にこ「....まだ始まったばかりじゃない」ｸｽｸｽ

凛「真姫ちゃん、行こう」
真姫「ええ」ﾆｺｯ

花陽「あ、待って〜」ﾃﾁﾃﾁ

海未「さて、私達も向かいましょうか」

ことり「うん！」

穂乃果「....」

みんな『穂乃果（ちゃん）！早く行こう（行きましょう）！』

穂乃果「....うんっ！」ﾀｯ

終わってしまった物語、そして終わりを知らない青春。

これが私達、『今が最高な私達』。


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海未「穂乃果、お手紙が来ています」

穂乃果「え？なんだろう」

海未「差出人を見てみてください」

穂乃果「....ラブライブ！実行委員会....？」

海未「どうして住所を知っているのかわかりませんが....恐らくは....」

穂乃果「とにかく開けてみるね」

ﾋﾞﾘｯ

穂乃果「....なになに？....」

『伝説のスクールアイドルグループμ’sのリーダー、高坂穂乃果様へ。
第〜回ラブライブ！決勝大会にて、一夜限りの再結成をお願いしたく、お手紙を出させていただきました。
急な話ではありますが、気になりましたらコチラまでご連絡をください。080-×××-×××』

穂乃果「これって....」

海未「いずれ来るかもしれないとは思っていましたが....」

ほのうみ「....」

海未「あなた宛に来た手紙です。あなたが決めるべきでしょう。....どうしますか？」


穂乃果「 」ﾆｺｯ

海未「あなたらしいです」


おしまい。

くだらないものにお付き合いいただきありがとうございました！

※最後の穂乃果の台詞、あえて空白にしました。

※説明不足でごめんなさい。空白にはしましたが、一応台詞は言っている設定です。

乙やで

乙乙

乙〜

>>57
自演かな？