猫「殺さずして人を殺すなんて、できるわけないだろう?」(371)

前作:猫「あーあ、どうすんの。死んじゃったじゃんその人」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1439728827/l30)
 この作品と繋がっています。猫以外のキャラクターは名前は同じでも一新された別人ですので、前作を読まなくても全く問題はありませんが、良かったらどうぞ。


◆学校・教室◆

??「あー、親ウザいわマジで。死んでくれって感じ」

男(大声でそんなことを叫んでるお前こそ、俺からすれば死んでくれって感じだ)

??「あー、もうツラ。死にてえ」

男(前も言ってたよな、もう口癖の域だろ。いい加減もう死んだら?)

??「ほんとキモいあいつ、生きる価値ないわ」

??「わかる、うぜーよな」

男(一緒に死んでこいよ。お前らにだって生きる価値ないから)



男(はあ……皆死んじまえよ)

??「おい、起きろよ!」バンッ

男「いてっ」

男子「寝てんじゃねえよ……ほら回せ」ペラ

男「…………ん」

男子「ちっ……」

男(……お前だっていつも偉そうに寝てる癖に)

女子「ほとんど無反応……クール気取ってんのかね」ボソッ

女子「キモッ」ボソッ

女子「顔伏せてたのもそういうキャラ作りじゃね?」ボソッ

女子「はははっ、ありそう。ちょっとワルい俺みたいな? 中二病かよ!」

男(聞こえてんだよビッチどもが……)

【男子】や【女子】はモブです。
特定のキャラではありません。
いっぱい居ます。

読んでいただければ幸いです。
よろしくお願いします。

(。-ω-)zzz

猫の新たなターゲットか…

>>4
 今度の猫は男に一体何をするのか……(笑)

◆放課後・帰路◆

男(……早く帰って寝なきゃ)

猫「……学校でも寝てたのにかい?」

男「…………?」

猫「ここだよ、君の隣。塀の上」

男「……猫?」

猫「そう、初めまして」

男「……手の込んだ悪戯だな」

猫「……悪戯?」

男「だってそうだろ? 猫が喋るなんて有り得ない。小型スピーカーかなんかで繋いでるんだろ?」

猫「何でわざわざそんなことをする必要があるんだい?」

男「何でって……」

男「俺を嘲笑う為にじゃあないのか?」

猫「……悲観的だね。喋る猫を受け入れて、少しファンタジーな世界に迷いこんだ気分になろうとか、そんな考えは君にはないのかい?」

男「……何がファンタジーだ。ここは現実世界なんだよ。現実はいつも残酷なんだ」

猫「ところで、君は誰と話しているんだい?」

男「はあ? 何だよ急に。スピーカーの向こうで笑ってるお前に決まってるだろ」

猫「君はさ、人間に対してそんなに強気になれないだろう? スピーカー越しであろうが何だろうが、いつも恨みながら人と関わらないようにしている」

男「…………」

猫「君、ちょっと信じてるだろう」

男「……馬鹿馬鹿しい。いくらでも笑うがいいさ。俺はもう帰る」スタスタ

猫「第一おかしいと思うだろう? スピーカーで操られた猫なら、こんな風に君に着いていったりしない。それに、私の声がスピーカーからの声に聞こえるのかい?」テクテク

男「あーもう、何なんだよ。じゃあお前は何者なんだ。ただの喋る猫だってのかよ」

猫「まさか、君の願いを叶えに来たんだよ」

男「願い? なんも願った覚えはねえよ。願うも無駄なこんな世界で何を願うってんだ」

猫「願っただろう? 皆死んじまえよ、ってさ」

男「…………!」

猫「さあどうだい? 叶えたくはないかい?」

男「マジで何なんだお前は……」

猫「私かい? ……悪魔さ」

猫、早々に登場(笑)

(。-ω-)zzz

猫のタイプっぽい感じだなあ

>>10
今度の男は暗いですからねぇ。
というよりは、ひねくれてる?

◆男の家◆

男「確かに……スピーカーなんて無さそうだ」

猫「まだ疑っているのか。いくら調べても無駄だ」

男「……お前が悪戯でも何でもなく、喋る猫だってのは信じる。だが何だ、悪魔とか言ってたよな」

猫「言ったな。間違いなく私は悪魔だ」

男「有り得ないな」

猫「喋る猫がいるのにか?」

男「良く分からないが、喋れるんじゃないのか。猫だって。同じ生物だ」

猫「……お前、妹居るよな?」

男「何かお前さっきから話す事話す事が唐突すぎて……」

 ガチャッ

妹「ただいまー」

男「……丁度帰って来ましたよ」

 ドタドタ

猫「おや、二階に行ってしまう」

男「俺と顔を会わせたくないんだろ。仲悪いんだ」

猫「どうやらそのようだな」

男「……?」

猫「まあ良い。私を連れてその妹の部屋に行け」

男「はあ? 嫌だよ絶対」

猫「私が悪魔だと言う証拠を見せてやると言ってもか?」

男「嫌だね。もう信じるよそれだったら。ほとんど信じてたようなもんだし」

 ドタドタ

猫「降りてくるな、丁度良い」

男「……はあ」

 ガチャッ

妹「男、飯作って」

男「はあ? なんでこんな早くに」

妹「友達とカラオケ行ってくる。口臭くならない奴ね……って」

猫「にゃあ」

妹「何で猫居んの?」

男「ああ、何か。しつこく着いてきて」

猫「しつこいとは失礼なものだな」

妹「可愛い……、にゃあー」

猫「男の前で普通にしているようだし、お前ら、それほど仲が悪いわけでもないんじゃないのか?」テクテク

妹「凄い人馴れしてる……にゃあ~、ふふっ」

男「…………聞こえてない?」ボソッ

妹「……え?」

男「いや、何でもない……」

猫「悪魔の声は、とり憑かれた人間にしか聞こえないのだよ。少しショボいが、これが私が悪魔である証拠だ」

男(悪魔…………)

妹か……
家の家系周り全員男なんだよなぁ……
親戚一同集まるとむさ苦しい(笑)

(。-ω-)zzz

周り全員女でも辛いんではないかとw

猫かぶりに定評のある悪魔

>>16
 身内ハーレムとかそれはそれできつそう(笑)
 まずあんまり話せないかもしれませんね

妹「つか、早く飯作ってよ」

男「そんなもんカラオケで食って来りゃいいだろ」

妹「高いし」

男「じゃあ金やるから適当にコンビニで買って食えよ」

妹「めんど……。みんな食べてから来るって言うから仕方ないじゃん」

男「マックとか、行く前にどっか寄れば?」

妹「昨日録画したドラマ見たいの」

男「……あーもう分かったよ。作りゃ良いんだろ」

妹「よろしく~」スタスタ

男「……ったく、自分で作れよ」

妹「不器用だし」

男「関係ねえよ、大人になって苦労すんのはお前だぞ」

妹「大人になってから考えるよそんなの」ガチャッ

男「…………」

男「……これのどこが仲が悪そうじゃないって言うんだ?」

猫「仲が悪そうじゃないというのは、必ずしも仲が悪い事の対極ではないぞ? 男が一方的に苦手意識を持ってるだけに思える」

男「嘘つけ、あいつも俺の事嫌いだろ」

猫「……嫌い、とは違うのだがな」

男「もういいよ良くわかんねえ」

猫「好き、というわけでもない」

男「あいつに好かれてたまるか」

猫「……人間と言うものは本当に理解に苦しむ」

男「悪魔なんかじゃ理解出来ないんじゃないのか」

猫「そうかもしれないな」

男「まあ、お前が悪魔かどうかなんてわかんねえけどな」

猫「……悪魔は嘘をつかない、これは保証する」

男「だから、お前が悪魔じゃなかったらその保証だって何の意味も成さないだろ?」

男「さて……、飯作んなきゃ」

猫「お前、意外と色々出来るのか?」

男「何だよ意外とって」

猫「いや、随分と世界に絶望していた様だったから、何に関しても無気力なのではと思ってな」

男「……世界は大嫌いだけど、そんな世界に産まれちまったんだから仕方ないだろ」

猫「……面白いな」

男「何が面白いんだよ。お前も俺を中二病とか言って笑うのか?」

猫「いいや? そんなつもりは全くない」

男「……」

猫「むしろ、大歓迎だ。お前の中二病とやらが世界を変えるかも知れないな」

男「……中二病じゃねえよ」

板チョコ二日に一枚ペースで食べてる……
運動しなきゃ……
(。-ω-)zzz

チョコの旨い季節だ

嘘はつかないけど本当のことも言わないっていうねw

聞かれたこと以外には答えないよね
相手の意図を汲み取らない
だから人間味がない
Google先生に質問してるようなもん

>>22
>>23
 悪魔の『嘘は絶対に言わない』ルール
 検索エンジンとしては超優秀そうですね(笑)

猫「……妹は恋愛ドラマを見ている様だ」

男「二階でか? 何でそんな事分かるんだよ」

猫「私は人の心が読めるんだよ」

男「……はっ、また馬鹿げた事を」

猫「だから私には筒抜けなのだよ。お前がクラスメイトの女子を襲うという妄想にふけっている事とか……」

男「ああはいはい、分かった分かった!」

猫「そうか、それは良かった」

男(くっそ考えてみればこいつ最初だって俺の心を読んだ上で願い事とか言って来たんだった……)

男「出来た」

猫「……随分とまあ適当な料理だな」

男「悪魔にそんなのが分かんのかよ」

猫「二つ前にとり憑いてた人間が、母親の代わりに料理をしているような奴だったのでな。何となくは分かるのだ」

男「……ふうん、どんな奴?」

猫「お前と同じ高校生だったよ。まあ、お前の性格とは全然違ったがな……。何と言うのか……リア充?」

男「悪魔がそんな充実した奴に憑くもんなのかよ」

猫「死んだけどな」

男「……っ、死んだ?」

猫「まあ、話すと長くなるから、もうこの辺にしておこう」

男「じゃあ、ひとつ前の奴は」

猫「犯罪者だったよ。逃走の手助けをしてやった」

男「それで、どうだったんだ」

猫「能力を上手く活用できずに捕まった」

男「……ちなみに、生きてるのか?」

猫「いいや? 死んでいる」

男(……大丈夫なのか俺……、まさか命無くすなんて事ないよな)

猫「まあ、お前が上手く能力を使えれば、大丈夫なんじゃないのか」

男「……能力って?」

猫「私がお前に与える、特殊な力。……と言ったところか。願いに沿った力を与えるのだ」

男(願い……って、皆死んじまえ……?)

前作の願いが「皆が生きる」
今作の願いは「皆が死ぬ」
こう見ると中々正反対なの書いてるなぁ……

(。-ω-)zzz

しかしどっちも難易度は高そうである

猫さん、わりと情報の大盤振る舞いねw

>>29
 あんまり良くは無いのですが、前作を踏まえて書いていると、こういった情報説明は早いうちに済ませておきたい心理が……(笑)

猫「そう、私はその願いを叶えることができる」

男「皆が……死ぬのか?」

猫「君の使い方次第ではね」

男「…………飯、持ってかなきゃ」

猫「……返事はいつでも構わない。いくらでも待つさ」

男「……」

◆妹の部屋◆

 コンコン

男「持ってきたぞ」

妹「……ん」ガチャッ

男「食ったら流しに食器置いとけよ」

妹「分かってるってうるさいなあ」

男「……礼も言わずに口答えばっかしやがって」

妹「はいはい、ありがと」ガチャッ

男「……ったく」

◆男の部屋◆

男「ふー……」ガチャッ

猫「随分とお疲れのようだな」

男「うわっ!」

猫「どうした」

男「何でここに居るんだよ……一階に居たはずじゃ……」

猫「まあ、細かい事は気にするな。悪魔だからとでも思っていろ」

男「細かい事って……」

猫「私にとっては細かい事だ」

男「…………」

猫「何か言いたそうだな。まあ、分かっているが」

男「……俺がさ」

男「話を戻しちまうけど……俺が死ねって思えば、本当に人が死んじまうのか?」

猫「私が能力を与えればな」

男「代償は……? 取引なんだろ?」

猫「心だ」

男「……心?」

猫「人を一人殺すと、お前からひとつ心が失われる。思い出だとか、知識だとか。お前を造り上げる心が無くなるのだ」

男「……」

猫「決断を急ぐことはない。私はひとつの取引のために五年間も一人の人間にとり憑いていたことがある」

男「いや…………」

猫「……いや?」ニヤリ

男「しよう、取引」

猫「良いだろう、取引成立だ」

猫「やはり、お前みたいな奴は助かる」

男「何がだ」

猫「即決してくれるからだ。さっきも言ったが、五年待った事もある。……待った甲斐はあったが、如何せんそれまでが退屈でな」

男「俺みたいな奴って何だよ」

猫「普通じゃない奴だ」

男「……俺は普通だ」

猫「普通な奴が、対価を払ってまで人を殺す能力を得たいと思うか?」

男「……意外と皆、思ってるんじゃないのか」

猫「皆嫌いが皆を語るなよ」

男「……っ!」

猫「まあいい、能力の説明をしよう」

男「それから考え直しとか、出来るのか?」

猫「もう与えたから無理だ」

男「……いつの間に…………」

猫「与えた能力は対象を殺す能力」

男「……どうやって死なせるんだ?」

猫「さっき自分で言ったろう? 思うだけで殺せるんだよ」

男「…………死んで欲しい人を思い浮かべるだけでか?」

猫「いいや、流石に制限はつく。殺したい相手に触れて、そのまま死ねと願うんだ」

男「つまり、触ったまま思えと」

猫「そう。そうすればそいつはその日のうちに死んでいる」

男「願ったその場で死ぬことは?」

猫「人目についている限りは有り得ない。目立つからな」

男「……」

猫「まあ、試してみれば良いさ。嫌いな奴でも何でも。失うのは心だ」

◆???◆

鳥「まためんどくさいことやってる」

猫「邪魔するつもりか?」

鳥「場合によるかな」

猫「前は鳥せいで色々拗れたからな。余計な事はしてくれるなよ」

鳥「……何が余計な事だ、命で遊びやがって」

猫「遊んでなんかいないさ。ただ、見ているだけだ」

鳥「自分で直接人をぶん殴った事もある癖に」

猫「まあ、そういうのもたまには悪くないだろう?」

鳥「……帰る。お前と話してるとどうかしちまいそうだ」

猫「そうかい」

鳥も前作からのキャラですね
まぁ、こいつはこれからも出すか未定ですが

(。-ω-)zzz

鳥さんは真っ当すぎて大変ですね

>>38
 猫とは対照的なキャラですね
 絶対悪魔に向いてないですコイツは

◆二月三日・水曜日◆

父「おはよう、朝飯冷めてるぞ」

妹「寒すぎて起きれない……」

父「カラオケで歌いすぎて疲れたんじゃないのか?」

妹「あーそれもあるかも」

母「ねー、この子何食べさせれば良いと思う?」

父「ツナ缶無かったか? 多分食べると思うんだけど」

母「……餌も買ってこなきゃね。男ー、帰り買ってきなさいよー」

男「……はーい」

猫「いやー、悪いな男」

男(思ってねえ癖に……。悪魔に餌とか必要なのかよ)

猫「まあ、私を悪魔と知っているのは男だけだからな。他の人間からすればただの猫だ」

父「おっと、もうこんな時間か」

母「あ、本当。行かなきゃ」

父「じゃあ、父さん逹は会社行くから、戸締まりよろしく」

妹「いってらっしゃーい」

男「……らっしゃーい」

 ガチャッ

妹「……」

男「……」

妹「ごちそうさま」スタッ

男「……食器片せよ」

妹「やっといて」ガチャッ

男「…………」

猫「……やるのか?」

男(言い争うよりは楽)カチャカチャ

◆学校◆

女子「あ、おはよー!」

男(俺の後ろの席の奴……。間にいる俺の気持ちを考えてくれよ)

女子「おはよ、昨日のドラマ見た?」

女子「えっと六チャンの奴?」

女子「そうそれ」

女子「あー録画してまだ見てないんだ」

男(録画ねえ……本当は見るつもりもないんじゃないのか? 話を合わせるために嘘をついてんじゃないのか?)

男子「昨日のサッカー途中で寝ちゃったんだけどどうなった!?」

男(これも)

女子「あー、ほんとそれ分かる。私も昔あってさ」

男(これも、皆嘘なんじゃないのか? ……何も信用できない……。生きにくい世界だ)

男(……さて、誰を殺そう……)

男子「男、また寝てるよ」ボソッ

男(俺の悪口を言ってる奴にするか?)

男子「あ、良いじゃん」

女子「でしょー、可愛くない?」

男(大声で喧しいリア充共にするか?)

男子「…………」

男(それとも、俺と同じような奴に……)

男子「…………」

男子「おはよ」

男子「……あ、おはよ」

男(何だよ……話相手いんのか。結局皆俺よりは高校楽しんでるってか。……うぜえ)

◆昼休み◆

男(飯……どうするかな)

男子「男、お前の席借りていい?」

男「あ……ん」

男子「サンキュー」

男(……試しに、こいつ殺すか?)

男子「よく座れんな」ボソッ

男子「別に座るくらいならどこでも良くね? 床よりは綺麗」ボソッ

男(……よくもまあこの距離で……)スタスタ

女子「え、それ手作り!?」

女子「うん。朝早起きしてる」

女子「偉いねー。うちなんかコンビニで済ませちゃうもん」

男(……)チラッ

女子「コンビニ美味しくて楽で良いじゃん」

男(……俺の方が上手く作れるな……)スタスタ

◆男の家◆

猫「お前、そんな人を嫌ってて疲れないのか?」

男「悪魔に心配されるようなことじゃねえよ。つか、どっかで見てたのか」

猫「そんなところだ」

男「趣味悪いなあ……」

猫「……まあそれより、誰も殺してこなかったんだな」

男「…………誰を殺すかに悩んで」

猫「皆じゃなかったのか?」

男「流石にこの能力じゃあ、皆いっぺんは無理そうだし」

猫「……餌、買ってきたのか?」

男「何だよ突然……。忘れたけど」

猫「…………」

男「しゃあねえなあ……買ってくるか……。母さんに何か言われんのも嫌だし」

◆ペットショップ◆

男(あー寒っ……)

 ウィーン

店員「いらっしゃいませー」

男(あったけ……。猫の飯って、適当なのでいいのか? つか、あいつ悪魔だし)

 ドサドサドサ

男(うおっ、商品が……。あの店員か)

店員「やっちまった……」ボソッ

男(見てないふり見てないふり……)

店員「めんどくせえなあ……。……って、あれ? 男じゃね?」

男「……えっ?」

店員「ほらやっぱ、男じゃん! 久し振り!」

男「お前……」

旧友「再会のところ悪いんだけどさ、ちょっち手伝ってくんね?」

今日昼間に起きて、休日じゃないんじゃないかと不安になった……。

明日が平日……(。-ω-)zzz

難儀な性格だな男

モブの名前、女子と男子だけだと会話なのか同一人物なのか分かりづらい…
つどリセットするとして場面によってA、Bとか、1、2とか付けられんかな

>>48
 やっぱり気になりますか
 私自身も書いててちょっと気になってたので、ここから先は、同じ性別の学生モブが複数出るときに、AやBという風に分けるようにします。ですが、同じ場面で複数のモブが出ないときはAとかは付けません。
 男子Aと書いたからといって、他の場面でまた男子Aが出てきた時に、それが同一人物だとは限りません。

 長々と書きましたが、つまりモブ単独なら今まで通り、何人か出るときはAとか付けますってことです。
 失礼しました……。



旧友「いやー、悪いな」ガサガサ

男「そう思うなら帰らせて……」ガサガサ

旧友「つか、お前ペットでも飼い始めたのか?」

男「……まあ、そんなとこ」

旧友「ふうん……犬? 猫?」

男「…………メキシコサラマンダー」

旧友「何それ」

男「ウーパールーパーの別名みたいな? つか、確かウーパールーパーってのが別名だったような……」

旧友「あー、それなら熱帯コーナーに……」

男「ごめん飼ってるのは猫だ」

旧友「何だよ普通だなー」

男「普通で悪いか」

旧友「男は普通じゃないからな」

男「……普通って何なんだよ」

旧友「……さて、積み終わった」

男「……客に手伝わせるって、正気じゃねえな」

旧友「まーまー、お前が買いたかったもん安くしてやるから」

男「良いのか? そんなことして」

旧友「まあ、勿論俺のポケットマネーから出るわけだが」

女子「げっ」

旧友「……? どうしたの?」

女子「いや……何でも」

男「あ……」

旧友「何だよ、知り合い?」

男(クラスメイトか……喋ったことねえよな……)

女子「……品出し行ってくる」

旧友「ほーい、行ってら」

男「…………」

旧友「……あんま仲良くないのか?」

男「それ以前だ。喋ったことさえない」

旧友「相変わらず……人と関わろうとしないのな」

男「……別に良いだろ」

旧友「ま、男らしいけどさ」

男(何が俺らしいだ……。……このペットショップ来づらいな……)

旧友「ところで、何買いに来たんだ?」

男「あ、そうだ。猫の餌を買いに来たんだよ」

旧友「ほう、どういうのがいい? 缶みたいなタイプ?」

男「それって高い奴じゃん」

旧友「まあ、乾燥系の餌でいいんじゃないのか?」

男「……じゃその一番安い奴で」

旧友「いや……少しくらいいい餌買ってってやれよ……」

男「良いんだよあいつには安いので」

旧友「ペットは家族だぞ?」

男「……」

旧友「じゃあ、一番高いの買うか」

男「いやそうはなんねえよ。第一、お前買い物安くしてくれるとか言ってなかったっけ?」

旧友「……さあ? 言ったっけ?」

男「…………うわあ」

今日むっちゃ寒かった……((( ;゚Д゚)))

(。-ω-)zzz

もうすぐ12月ですし

案外ちゃんと友だちだったのね

>>54
 普通に喋ってますからね……
 ツッコミ的な事さえする勢いです

◆男の家◆

男「買ってきた」

妹「……お帰り。何それ餌?」

男「うん」

妹「そういえば猫ちゃんいないよ? 何かどっかに隠れてるみたい」

猫「隠れてなんかいない」

妹「あれ……出てきた。餌に釣られたか」

猫「男、お前話せる人間が居たんだな」

男(……なるほど、見てたのか)

妹「餌欲しがってんじゃない? まともなもん食べさせてないし」

男「……」ガサッ

猫「……」ガツガツ

妹「おー、よく食べるなあ」チョンチョン

猫「にゃー」

男「邪魔してやんなよ」

妹「もう食べ終わってるよ?」

男「はっや……じゃあ、休憩させてやれ」

妹「はーい……」

猫「カリカリばかり……もう少し良いものは無いのか?」

男(あん……? 文句言うなよ。大体悪魔なら自分で餌取りに行ったりできないのか?)

猫「面倒臭いだろう? 与えてくれる人間がいるというのに、自ら取りに行くなんて」

男(ニートかよ)

猫「悪魔だ」

何もない土曜日は、何にもやる気が起きない……

(。-ω-)zzz

いいご身分だw
そういう点では猫という生き物は最適なチョイス

>>59
 うちの猫なんかほんと野生を完全に忘れたポーズで寝てます。
 頼ることに馴れてますねあいつは(笑)

猫「ニート、などと言うがな」

男(なんだよ)

猫「ニートなんてのは、ニート本人よりも、ニートにさせる保護者が問題だと思うのだ」

男(一理あるとは思うけど、いよいよ本格的にニートみたいなこと言い出したなお前)

猫「ニートは、棄てれば良い」

男(簡単に言うがな、そうはいかないのが人間社会ってもんなんだよ)

猫「学校という人間社会の枠組みの輪から一歩身を引いているお前に言われてもいまいちピンと来ないな」

男(…………)

猫「人間なんてな、殺したって構わないだろ」

男(……どうして)

猫「おや、そこでどうしてと聞くのかい」

男(…………)

猫「人間を殺しても、ばれなきゃなにもやってない。人間のルールなんて、ちょろいものだ」

なかなか書けない……
試験勉強で書く暇が……

(。-ω-)zzz

自殺するほど就職難で自殺するほど過労な日本の就労環境も大概だと思うの
足して二で割ればニートも減るだろうにね

しかしなんにしても猫には言われたくないというw

>>63
 日本は決して善き国では無いでしょう。
 労働環境にせよなんにせよ、日本人の悪い所は沢山あります。
 まぁ、人間誰しも悪い所があるものでしょうが(笑)

男(確かにそうかもしれないが、若干言ってることがぶれてるぞ。親が悪いって主張なのに、何でニート処分の話になるんだよ。その語り口じゃあ、処分すべきは親なんじゃないのか?)

猫「何を言ってるんだお前は。私は何もぶれたことなんて言っていないぞ? ニートを処分しない親が悪い、早くごみはゴミ箱に捨てるべきだ。そう言ったのだ私は」

男(じゃあ、俺はお前を処分すべきなんだろうな)

猫「私はペットだ」

男(悪魔じゃねえのかよ)

妹「どうしたの黙りこくって」

男「え……? ああいや、こいつにあと必要なものって何かなあって」

妹「……あ、トイレじゃない?」

男(あー……トイレか。お前トイレとかいる?)

猫「別にないならないで構わない」

男「どっちでもいいって」

妹「は?」

男「あっ……ちがっ……」

妹「なに、猫ちゃんにでも聞いたの?」クスクス

男(くっそ、やっちまった……)

妹「まあ何でもいいけど、早く買ってきなさいよ。うんち駄々漏れとか嫌だし」

男「分かったよ……って、また俺が行くのか……」

妹「いってらっしゃーい」

男「はいはい……」

◆ペットショップ◆

旧友「いらっしゃ……って、また来たのか」

男「トイレ買い忘れた」

旧友「あー、俺も買わせ忘れたなとは思った」

男「正直そんなガッチリしたやつじゃなくて良いんだけど……」

旧友「じゃ、これなんかどうだ」

男(あいつ絶対猫用トイレとか必要ないよな……)

旧友「おい?」

男「ああ……良いな。安いし」

◆男の家◆

男「ただいまー」

猫「帰ったか……妹は寝かしておいた」

男「は? 寝かした?」

猫「睡眠をとらせたんだ。簡単なことだ。私にとってはね」

男「またなんでそんなことを……」

猫「いや……お前がいなくなった瞬間、いきなり私を全力で愛で始めてな……」

男「俺いないと何か外れんのかあいつは……」

猫「五分くらい我慢してたんだが、ちょっと辛かった……」

男「悪魔でもそんな気分になるんだな……」

猫「まあ、生きているからな」

寒すぎる……

(。-ω-)zzz

もう年末ですもの

猫の仕事は愛でられることかねw

>>69
 ペット猫の宿命ですかね(笑)

◆二月四日・木曜日◆

男(はあ……めんどいなあ……。学校なんて何の意味が……)ガラララッ

女子「……」

男(昨日の女子……何だよこっち見んな)

女子「……」ガタッ

男(……)

女子「ねえ」

男「えっ? は?」

女子「あんたさ、よく来るの? うちの店」

男「いや……昨日が初めて」

女子「ふーん……旧友君とは仲いいの?」

男「まぁ、中学が同じだったくらいで、大して仲がいいってほどじゃあ……」

女子「……そう」

男(……何なんだよ)

男「つか、良いのか? 俺に話しかけて」

女子「はぁ?」

男「いや、だって嫌だろ?」

女子「……そういうのが嫌われる理由なんじゃない?」

男「……どういうことだよ」

女子「何か、そんな自分の評価なんて気にして生きてて、うざいなってなる」

男「……」

女子「普通にしてればいいんじゃないの? 誰があんたを嫌おうと、あんたはあんたなんだから。少なくとも、私は興味ないね」

男「昨日、俺見てげっ、て言ったくせに」

女子「クラスメイトとはあんまり学校の外で会いたくないのよ。何となく分かるでしょ?」

男(学校でも会いたくないんだよ分かれ)

女子「ま、あんたが嫌いな奴もいるだろうけど、そんな気にする事ないよ」

男「そうかい」

女子「嫌いな奴より、興味なしの奴の方が多いから」

男(……そうかい)

女子「てか、二月にもなってクラスメイトと話してないとか、嫌われんのも当然じゃない?」

男「……名前さえ覚えてない」

女子「私の名前は?」

男「…………」

女「女……なんだけど、マジで分かんなかった?」

男「悪い…………」

女「興味なしの度を越えてるね……。まぁ、覚えといて。じゃ」

男(何なんだよ……。つか、何で話し掛けて来たんだ。周りに見られてる気がする……、話し掛けんなよマジで……)

(。-ω-)zzz

まあ、うん……これは嫌われるなあw

過去にいじめられたとかあればこう拗れるのはわかる。

>>75
>>76
 男の人間性……(笑)

 ◆◇◆◇

男(人が人を嫌うというのは当然の心理である。俺はその対象が全人類というだけで)

先生「男、ここわかるか?」

男「え……、はい?」

先生「括弧三番、簡単だろ?」

男「えと……分かんないっす」

先生「じゃあ男子」

男子「4ルート3」

先生「はい、正解」

男(嫌いだ。先生も男子共も女子共も俺の気持ちなんて何も分かっちゃいない)

男子「えと……分かんないっす、くくっ。超小声でどもってやんの」ボソッ

男(お前らの声がでかいんだよ……)

◆帰路◆

男(あー……人と関わりたくねえ)

鳥「救いようがないな」

男「えっ? え……?」

鳥「君の横の、鳥だ。悪魔だよ」

男(なんだ、悪魔か。いやなんだって言うのもおかしいんだけどさ)

鳥「猫が新しい人間に憑いた何て言うから、どんな奴かと思えば。……あいつ好みじゃなさそうな奴だな」

男(あいつ好み?)

鳥「君、ねじまがってるよ。思考が」

男(……どういう事だよ)

鳥「猫は普通な奴が崩れるのを見るのとか、初めから圧倒的に異常なやつを見るのが好きなもんだと思っていたが、どうやらそうでもないらしい」

男(……何なんだよお前は…………)

鳥「君が思ってることは歪んでる……まあ悪魔の僕が一概に言えた事じゃないんだけど」

男(俺は普通だ……)

鳥「本当は君を助けたいんだけど、何かいまいち乗らない」

男(さっきから脈絡のないことをぺらぺらと……。助けるって何だよ)

猫「なんだい、結局接触したのかい」

男(……っ!)

鳥「なんか、意外だよ。こんな人間にお前が憑くなんて」

猫「そうか? そいつは人を殺したいと言っている。面白い素材じゃないか」

鳥「結果が見えてるんだよ。この男の末路が」

猫「おや、じゃあここで言えば良いじゃないか。その末路ってのを」

鳥「……やめとくよ。ただ、他の人間が巻き込まれるのは心外だ」

猫「と言うと?」

男(おい……何なんだよお前らさっきから。大体猫は何でこんなところに)

鳥「殺すな」

男(……はあ?)

鳥「……絶対に人を殺すな」

猫「……妨害は終わりかい?」

鳥「何が起こってもこいつの自業自得だと僕は思うし、第一、こう言う以外にどうしろってんだ」

猫「賢くなったじゃないか」

鳥「……死ね」バサッ

男(口悪っ……)

◆男の家◆

男「何なんだ、あいつ」

猫「悪魔さ。私の取り憑いた人間を助けるとか言っていつも掻き乱すんだよ」

男「俺の見方なのか? 第一、俺は何か今助けてもらわなきゃいけないような状況なのか?」

猫「……今回はお前と関わるのを面倒臭そうにしてたな」

男「なんで」

猫「お前の目的が殺人だからだろうな。あいつはそういうのが嫌いなやつなんだ」

男「……悪魔なのに?」

猫「悪魔にも色々居るんだ」

男(絶対殺すなって言ってたのは、あいつが殺人を嫌ってるから……ってことか?)

スレタイ回収までが長そう……
多分回収したらこの作品の半分は行ってそうですね(笑)

(。-ω-)zzz

鳥さんは驚きの白さだけど、だいたい裏目に出る印象w

>>84
 今回鳥はあんまり乗り気じゃないようです(笑)

男「俺は、この能力を使わない方がいいのか?」

猫「使ってくれないと困るよ。せっかく与えたのだから」

男「人が死んじまうんだろ? やっぱ……」

猫「でも、素晴らしいだろう? 他の人間に出来ないことが君に出来るということだ」

男「…………」

猫「悪魔は契約第一だ。契約に妙なものはない。最初に言った通り、君は代償を払って楽に人を殺せるんだ」

男「…………例えば、俺が自分の胸に手を当てて、死ねって思ったら、死ねるのか?」

猫「ああ、殺せるよ?」

男「……えっ?」

猫「能力の範囲は平等さ。まあ、自分に能力を掛けるには、本気で死にたいと思わなきゃダメだから、精神面では平等じゃあないけどね」

男(気持ち次第では、自分も殺せる……?)

猫「何も不思議なことじゃあないだろう? 至極当然の事だ」

男「じゃあ、不意に本気で死にたいなんて思っちゃったら、即アウトってことか?」

猫「まあ、そうなるけど。お前ら人間は本気で死にたいなんて思えないだろう?」

男「……」

猫「死んだほうがマシ、そう思ってる人間はいっぱいいるだろう。でもあいつらって、本気でそう思ってるのかね」

男「……本気で思ってる奴が、自殺するんじゃないのか?」

猫「ある女の子が居てね、私はその女の子の恋人に取り憑いてた」

男「…………?」

猫「その恋人は最終的に、女の子の父親に殺され、その女の子は、父親や他の男に玩具の如く扱われたんだ」

男「玩具……」

猫「大人の玩具さ。まだ未成年だったのにね。まあ、成人しててもまずいんだけど」

男「それで……その女の子はどうなった?」

猫「話の流れからして分からないかい? 自殺したんだよ」

男「……なあ、それって……」

猫「その女の子は死ぬときに、死にたくないって思いながら逝った……」

男「なぁ」

猫「本当は、死にたくなんてなかったんだよ」

男「おい聞けよ。まさかとは思うが……」

猫「……」

男「それ……お前のせいじゃないのか……?」

猫「……さあ? 私は私のせいじゃないと思っているけどね」

(。-ω-)zzz

能力使えば猫の勝ち、使わなければ男の勝ちだよな、このシリーズ

うまい話に裏があるのを見抜いて欲しいもんだ

猫は相変わらず嘘つかないなー(棒

>>90
>>91
コメントありがたいです。
猫の心理は如何に(笑)

猫「私がそう思っていても、お前はそう思っていないのだろうな。世界なんて、見方でいくらでも変わる」

男「……だから?」

猫「考えてみろ、お前は力を手に入れたのだ」

男「殺す力か」

猫「お前は与えられたんだよ。人を殺める権利を」

男「……代償ありでか?」

猫「大した代償じゃあないだろ。お前が多く持っている物の一つを頂戴しようというだけさ」

男「アバウトなんだよ……心って。そんな良くわからない物を代償にするなんて」

猫「可笑しな話じゃないか。お前ら人間は心を重んじる生物なのに、心が分からないのか」

男「いや……分からないとかじゃなくて、何て言うのか、代償の範囲がアバウトすぎるって言いたいんだよ」

猫「ならば、心とはなんだ?」

男「は?」

猫「お前は今、心が分からないとかじゃないと言った。ならば、心とはなんだ?」

男「……大切なものだ。人間であるために……」

猫「人間……ねえ。まあ、せいぜい大切にするが良いさ」

 ガチャッ

妹「ただいまーって、何、あんた猫と遊んでたの?」

男「いや……そういう……。おかえり……」

妹「まあいいや。お風呂沸いてる?」

男「まだ沸かしてないけど」

妹「じゃあ沸かしといて」

男「お前なあ……」

猫「この女だって、簡単に殺せる」

男「……っ!?」

妹「…………? どうしたの?」

男「いや……なんでも」

妹「……?」

男(止めろよ、マジでそういうこと言うなって……)

(。-ω-)zzz

この男は能力使わないで猫の思惑から外れてほしいって真面目に思う。
使った代償でかすぎるもん

本気で覚悟を持って使うならまだしも、流されて使ったら終わりだろうなあ

 ◆◇◆◇

妹「あがったよ」

男「ん」

妹「入んないの?」

男「……入る」

猫「一緒に入ろうよとか言ってみてはどうだ?」

男(お前なあ……何なんだよさっきから)

猫「妹はお前の事が好きだぞ」

男(は?)

猫「恐らく、了承してくれるんじゃないのか?」

妹「どうしたの?」

男「一緒に入らないか?」

妹「きも」

男「……ごめん」

妹「なに、ヤバいやつじゃんあんた。キモすぎるわ……。これはツイッターね」

男「悪かった! 本当ごめん! ツイッターとかマジでやめてくれ」

妹「じゃあ、ひとつお願い聞いて」

男「はあ?」

妹「何、文句あんの変態」

男「……ありません」

妹「行列の出来るケーキやさんが駅前にあるんだけどさ、並ぶのめんどいから買ってきて」

男「……ケーキ屋って、俺がそんなとこ行っても」

妹「別にそんなとこ行かなくても浮いてるしな」

男「……あーもう、分かったよ……。買ってくりゃ良いのな」

妹「朝7時から並ばないと買えないと思うよ」

男「限定百個とかか。そういう系か」

妹「まあそんなとこ。よろしく」ガチャッ

男(……ふざけんなよ)

猫「まさか本当に言うとはなあ。たまげたものだ」

男(何なんだよまじで。第一考えりゃ分かることだ。あいつが俺を好きなわけがねえ)

猫「ああいや……まあいいか」

男(くっそ、めんどい事になったし……。お前ってそういうキャラなの?)

猫「まあ、面白ければ良いというか」

男(第一、悪魔は嘘つかねえとか言って、嘘ついてんじゃねえか)

猫「……」

男(お前と話しすぎたのか、何か人間としての感覚がおかしくなってそうだよ)

猫「元々ある程度おかしかったとは思うがな」

男(前の俺なら絶対妹にあんなこと言わない)

猫「どうだかな」

男(調子に乗らないように気を付けないと……)

◆二月六日土曜日・駅前ケーキ屋◆

男(うわ……十時オープンだろこの店……。八時半なのにもう二十人くらいいるよ……)

男(まあでも、思ったよりは行列感無いな。ラッキーラッキー)

男(毎週土曜日に限定百個販売のロールケーキ……。何で女子はこんなしょうもないものを食べたがるのか)

男(コンビニに売ってるロールケーキじゃ駄目なのかよ)

男(あ、一人だけおっさんが並んでる。ってか、俺も並ばんと……)

??「ん……」ドスッ

男(あっ、やべ、ぶつかった)

??「先どうぞ……」

男「あ、並……。いえ、ぶつかっちゃったんで、先に……」

?? 「え……あ、って」

男(やべえ……上手く喋れねえ……。こういうときにコミュ障発揮しちまって……)

女「……男?」

男「え? あ、女……」

(。-ω-)zzz

男の流されやすさが異常w
これには猫もビックリだ

>>103
 軸ぶれてる系男子(笑)

女「えっと……あんたってこういう店好きなの?」

男「ま……まあ、嫌いではないけど」

女「ふーん……」

男(トークスキルねえよ俺……。正直話さなくて良いならそれで良いんだけどさ、何か気不味い……。会話を……このメスと会話を……。……いや待て、むしろ迷惑じゃないか? 俺みたいな根暗コミュ障が安易に話し掛けること自体間違ってるんじゃないのか? そうだよどうせ話し掛けたところで会話が続く事なんて無いんだから……)

女「……男?」

男「はいっ!?」

女「……あんたコミュ障極めてそうね」

男(黙っとけビッチ……)

女「……まさかこんなところでクラスメイトと会うなんて……。しかも男子」

男「……妹のお使いなんだ」

女「へー、仲良いんだ」

男「いや……まあ」

男(……駄目だなあ俺。折角話し掛けてくれてんのに……。前より話が弾まない)

女「しっかし寒いね……」

男(あれだ、寒いから口が上手く動かないんだ。それしかない)

女「……クラス、どう?」

男「え? クラス……?」

女「全然馴染んでないじゃん。楽しいのかなーって」

男(なにこいつ、良いやつなのか? 馴染んでないとかさりげなく傷抉って来るけど良いやつなのか? ……全く、迷惑だな)

女「……」

男「まあ……普通じゃないか?」

女「……ケーキさ」

男「……?」

女「店開いたらさ、中でケーキ食べてかない?」

◆ケーキ屋・店内◆

男「……良いのかよ、俺なんかと居て」

女「へーきへーき。私男のこと好きだし」

男「……っ!」

女「……やっぱ耐性ないよね」

男(マジで死ね……)

女「別に見られても良いけどね。どーせ私彼氏いるし。あんたなんかと付き合ってるなんて誰も思わないでしょ」

男(……言いたい放題だな。……あれ、待てよ。もし俺がこいつに触りながら死ねって言ったら、死ぬのか?)

女「あんたももう少し明るく生きりゃいいのにねー」

男(…………能力……試すか?)

(。-ω-)zzz

この思考……やべえな男

>>109
 お試し殺人(笑)

 笑えねぇ……

男(…………死ね……死ね……)

女「……どうしたの?」

男(駄目だ……、心で思うだけならまだしも、触ったら死ぬんだぞ? 出来ねえよ……)

女「……ケーキ、苦手だった?」

男「え? あ、いや全然」

女「何か顔色悪いから」

男「き、昨日夜更かししちゃってさ」

女「へー、何してたの?」

男「べつに……何でも良いだろ」

女「……」

男「……?」

女「それって、オンナノコに言いにくいコト?」

男「……っ!」

男「違う……そんなのじゃない……」

女「そんなのって?」

男「いや……」

女「あー、何かエロい事でも考えてた?」

男(やっぱこいつ苦手だ……)

女「まあ、私の言い方のせいってのもあるかな?」

男(それしかねえよ……)

女「……また黙る」

男「……何でお前、急に俺に接するようになったんだ」

女「えっ……まあそりゃ、クラスメイトだし?」

男「一学期からクラスメイトだ」

女「捻くれてるなあ……」

女「まあ、私結構いろんな人と話したいタイプだから」

男「……外で男子とケーキ食うって、話すの内か?」

女「喋ると思えばそういうことしか言わないね……」

男「あ……悪い……」

女「……やめて欲しい?」

男「まあ、慣れないから恥ずかしいし……」

女「そ、じゃあ程々にしときますよー」

男「……悪いな」

女「……はあ」

男「何だよ……」

女「あんたがぼっちなの何か分かるわ」

男「……ああそう」

そういやレス100越えてる……
進行遅いなぁ……今回
まあでも500までには終わりますかね

(。-ω-)zzz

見事なコミュ障ですなー

>>115
 こんな男なら前作みたく、途中で恋愛ものに寄り道したりしないでしょう(笑)
 いやでも何かこういうキャラだからこそやりたくなってくる……

◆男の家◆

妹「んーっ! おいしい!」

男「そりゃあ良かった……」

猫「卑しい顔で糖分の塊を貪って……」

男(……お前やっぱねじ曲がってんな、思考が)

猫「お前ほどじゃないさ。そんなんだから根暗になるんだよ」

男(そんなんって……お前、見てたのか)

猫「第一、折角殺そうと思えたのに、何故踏みとどまった」

男(だって……)

猫「惚れたのか?」

男「はあ!? ちが……っ」

妹「……はあ?」

男「いや……ごめ……な、何でもない」

妹「……キモッ、自分の部屋で食べるわ」

 ガチャッ

男(お前、マジでさ……)

猫「動揺してたなあ……」

男(何で俺があんなビッチの事を好きになるんだよ)

猫「少し話せただけで浮き足立つ。お前みたいな奴に多い」

男(勝手に決めんな。俺はそんなことねえ)

猫「大体ビッチだから何だ。お前、そんなことばっか言ってると一生モテないぞ」

男(悪魔がモテるとかモテないとか語んなよ……。俺は別に一生独り身でも構わねえしな)

猫「……お前には人を殺す能力じゃなくて、モテる能力を与えた方が面白かったかもな……」

男(どこのエロゲだよそれ)

(。-ω-)zzz

そっちの能力だったら大惨事だったろうなあw

>>120
 でしょうねぇ
 書いてて楽しそうですが(笑)

猫「人を殺すというのは重労働だ」

男(……だろうな)

猫「特に、精神面。……そして社会的にもリスクが高い」

男(分かてるよそんなこと)

猫「でも、お前はそれができる」

男(……)

猫「最小限のリスクで」

男(……だからといって、ホイホイ使えるもんじゃないだろ)

猫「そうだろうか?」

男(人が死ぬのには変わりないんだし、俺の心が奪われる)

猫「心が奪われるとは、なんともロマンチックな表現だな」

男(別にそういう意味でいってねえよ)

◆二月八日月曜日・学校◆

女子A「チョコどうする?」

女子B「クラスの男子全員分作ってくる?」

女子A「あー、良いかもね」

女子B「でもさ……」チラッ

男(……こっちみんな)

女子A「良いよべつに、あげたって。どうせ義理だし」

女子B「まあそうだよね、流石にあいつも察すっしょ」

男(……いえーい、チョコいっこ確定)

男(ったく、バレンタインデーとか正気の沙汰じゃねえ。アルフォートがコンビニとかで買うのをためらわれる上に、残念男と言う称号まで与えられる百害あって一理なしのイベントだ)

男子「おい、男」

男「ん?」

男子「お前、去年何個だった?」

男「……何が?」

男子「チョコだよ、バレンタインの」

男「……0」

男子「……仲間だ、良かった。0勢居たか」

男(お前確信した上で聞いてきたろ)

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1450699065/l30

書き始めました
(。-ω-)zzz

何気なくボッチライフ満喫してやがるな、この男
バレンタインチョコゲットで喜んでるし

話しかけられるとは真のぼっちではないな……!

>>126
>>127
 ぼっち感は何となく薄いなぁとは思ってます(笑)

◆書店◆

旧友「よう」

男「あれ……何でここに……」

旧友「俺が本屋に来たら悪いか」

男「いや……別にそういう訳じゃないんだけどさ」

旧友「公務員試験の過去問買いに来たんだ」

男「あー、勉強。大変だな」

旧友「正直今からやるんじゃ遅いんだけどな……。お前は大学とかどうするんだ?」

男「まあ、低レベルの大学にでも行ってヌルヌルやってますよ」

旧友「ヌルヌルってなんだ」

男「……」

旧友「どうした?」

男「……お前、死にたい?」

旧友「はあ? どうしたお前ぶっ壊れたか」

男「……いや、ごめん」

旧友「たまにわかんねえよなお前って……」

男「なんか、人って、簡単に死にたいって思えるのかなって」

旧友「……まあ、死にたいって思うのは、簡単なんじゃないのか?」

男(なんだろ……言いたいことが纏まらないな……)

男「……もしさ、得た能力を一生使わない人間が居たらどう思う?」

旧友「……お前は戦争の話をしたいのか?」

男「……は?」

旧友「いや……何かそんな気がして」

男「お前も大概、良くわかんねえよ」

旧友「兵器って言う能力を手に入れて、それを使わなければ良いのに、どうにも使ってしまう人間の心理を語りたいのかと……」

男「意味わかんね……」

旧友「死にたいって思える人間は居ない、だが、自分まで危険にさらす兵器を使う。誰も使わなければ平和な世界であるはずなのに」

男「いや、そんなだいそれた話はしてないから」

旧友「……なんだよ、つまんないなあ」

男「お前普段なに考えて生きてるんだよ……」

(。-ω-)zzz

いやいや、旧友の話まんま今の男の話だろ!?

どうか旧友が止めてくれますように

必殺の能力がありながら不殺をつらぬいたらカッコいいけど
この男にそれは期待しないw

>>133
>>134
 男が信頼されてない(笑)

◆二月十一日・木曜日◆

猫「おや、休みかい?」

男「建国記念日、国民の休日だ」

猫「ああ……なるほど」

男(結局、あれ以来は今まで通り、女に話し掛けられることもなく、一週間が平穏に終わろうとしていた)

猫「他の家族は居ないじゃないか」

男「父さん母さんは三月末に休みを回すとか言ってたな……。妹は部活」

猫「だらけているのはお前だけか」

男「だらけているとか言うなよ。与えられた休日を有意義に過ごしているだけなんだからさ」

猫「朝起きてから何をした?」

男「……まあ有意義とは言いがたいかもしれないけどさ」

男「……暇だなー」

猫「外に出たらどうだ」

男「嫌だよ、最近外出たってろくなことがない。旧友とか、女とか」

猫「それをろくなことがないと言うか」

 ピーンポーン

男「……なんだ、郵便かな? って、うわ。旧友の顔が映ってる……」

猫「出ないのか?」

男「居留守しようかなあ……」

猫「どうせ暇なら出たらどうだ?」

男「…………」

男「はーい」

旧友『あ、どうも。旧友と申します。男さんはいらっしゃい……』

男「あー、おれおれ」

旧友『飯食いにいこうぜ』

男「昼飯?」

旧友『いや……夕飯』

男「あ……もう三時か……」

旧友『お前一日何してたんだよ……』

男「てか、夕飯にしては早くね?」

旧友『まあ、どっか行こう』

男「……」

 ◆◇◆◇

 ガチャッ

男「お待たせー……」

女「やっほー」

男「……!?」

旧友「バイト帰りなんだ。最近よく話してるらしいし、良いだろ?」

男(マジか……俺はいつの間にリア充になったんだ。平然と女子と飯を食べに行ける環境になるとは……胸くそ悪いぜ)

女「男……?」

男「ああ……構わないよ」

旧友「じゃあ行こうか」

イエスキリストは結婚していませんし、イエスの母であるマリアは処女のままイエスわ産んだそうです。
そんなキリスト誕生日にリア充がイチャイチャするのはどうなんですか。

(。-ω-)zzz

あれ、イエスって結婚してたっけ……何か最近そういう説もあるとか聞いた気がする……

どうでも良いか
(。-ω-)zzz

生めよ増やせよ地に満ちよー
まあ少子化時代だから、多少はね?

聖書公認で神様に奥さんNTRれたヨセフさんには同情する

>>142
 少子化が洒落になんなくなったら外国行こうかな……

旧友「さて、どこ行こうか」

男「我が家に戻りたい」

旧友「糞ニート」

男「アクティブに行こうか」

女「じゃあ体育館でバドミントンしない?」

男「インドアにして」

旧友「バドミントンはインドアだ」

男「動いたら何でもアウトドアだよ」

女「……んー、バドミントン楽しいと思うんだけどなー」

旧友「俺も良いと思うけど」

男「……分かったよ」

◆体育館◆

旧友「てか思った。女確かバド部じゃん」

女「ふっふっふ」

男「へー……」

旧友「へーって……知らなかったのか」

男「知らなかった」

女「男は何か部活やらないの?」

男「帰宅部に所属しております」

女「うん……ごめん」

男「何で……」

女「さて、気を取り直して。バド部の私に勝てるかな?」

男「無理じゃね?」

旧友「無理だよな」

女「あんたら……」

女「じゃあ勝ったら、何でも命令していいよ!」

男(ん? 今何でもって言ったよね? ……まぁ、変な命令出来るような関係じゃ無いので無理っすね)

旧友「何でもね……」

女「でも、私が勝ったら、今日のご飯奢ってね」

旧友「男、お金ある?」

男「一応」

旧友「女の分は割り勘な」

男「了解」

女「だから……あんたらは……。つか、割り勘って事は、ダブルスでやるの?」

旧友「勿論」

女「まぁ、いっか」

男(……ダブルスでも現役に勝てるとは思えねぇな……)

>>125
 このときに書き始めたss、既に完結しました(笑)
 最近ss用の新しい話が思い付かない……
 しばらくこっちに集中して、新しいのが思い付くまで待ちますかね

 (。-ω-)zzz

あれ……おかしいな、リア充っぽいぞ?

>>148
 どっかで見たことあるレスだなぁって思ったら……
 
 多分旧友がいるからそう見えるのでしょう(笑)

 ◆◇◆◇

男「お前はバイト勢だから良いだろうけどさぁ……」

旧友「まぁ、払っといてやるよ」

男「悪いな。いつか返す」

女「なにボソボソ言ってるの負け犬たち」

旧友「いやなんでも」

女「さーて、なに食べようかなー。動いてお腹も空いたし」

旧友「おい待てよ、何で飯の決定権まで明け渡さなきゃならないんだ」

女「そりゃあ、ねぇ」

旧友「飯は俺達で決める!」

女「……ま、そのくらいは譲ってあげるかね」

旧友「よし、男」

男「ん?」

旧友「財布に優しい所に行こうか」

◆牛丼屋◆

男「いややっぱ流石に無いって」

女「女子連れて牛丼……」

旧友「俺と男で決めたことだ文句言うな」

男「お前の独断だろ俺を巻き込むなよ」

女「他行こう、他」

旧友「いや待てよ、中の店員さんが入ってこねえなあいつらみたいな目で見てるぞ。いいのか?」

女「いいよ別に……」

男(俺はああいう視線いつも受けてるし)

旧友「……分かったよ、じゃあどこ行く?」

◆回転寿司屋◆

旧友「結局、庶民系かよ……」

女「さっきよりは良いでしょ」

旧友「牛丼が悪いみたいに言うな」

女「男は何皿くらい食べれる?」

男「10……くらいかな」

女「うわー、ほんともやしね」

男(やかましいわ)

女「旧友は?」

旧友「20くらい」

女「んー、まあそんなもんか」

男「そういう女は?」

女「あんたと同じ」

男(マジかよ……)

男(しかしまあ……何で俺はせっかくの休日にこいつらと遊んでんだ……)

男(大体、いつも学校で話さない女と、今日普通に話して、明日どんな顔で学校行きゃ良いんだ)

男(せめて女が違うクラスなら良いのに……)

男(あーでも)




男(こいつが死ねば良いんじゃね?)

年内最後の投下……のつもりです

良いお年を
 (。-ω-)zzz

考え破綻しとるわ…てか旧友と3人でいるんだからいいだろうがよ……

こいつはホンマにもうw
猫、最初は外したと思ったけど、いいチョイスだったな

>>155
>>156
 明けましておめでとうございますm(._.)m

 ◆◇◆◇

男「ただいまー……」

猫「結局、殺さずか」

男「……妹は?」

猫「風呂だ」

男「父さん母さんはまだ仕事か……」

猫「殺そうと思ったなら殺せば良かったじゃないか」

男「そう簡単に人を殺そうなんて思えるかよ」

猫「お前は願ったはずだ。死んで欲しいと」

男「死んで欲しいからって、殺せるか。人間は繊細な生き物なんだ」

猫「お前は殺すという感覚もなく、殺せるんだ。人を殺す権利を持っているんだよ」

男「…正直、貰ったのを後悔してるよ」

男「人との距離感が分かんなくなってきた」

猫「元から分からないから、そんな現状に至ったのだろう?」

男「そうかもしれないけど、そうじゃなくてさ」

猫「なんだ」

男「ここ数日で、旧友と女。この二人との距離が一気に縮まってさ……なんか、変な感じがする」

猫「悪いことなのか?」

男「分かんねえよ。俺はこれから……特に女と、どう接すればいいのか」

猫「普通にしてればいいじゃないか」

男「普通ってなんだよ。悪魔に普通を説かれる筋合いもねえし……」

猫「……」

男「殺す殺さないってことより、今はこの気持ちをどうにかしなきゃな……」

 ガチャッ

妹「……帰ってたんだ」

男「ああ……ただいま」

妹「風呂、入る?」

男「そうだな。丁度良いし、入ろうかな」

妹「……じゃあ、私部屋戻ってるから」

男「おー」

 ガチャッ

男「いつも通り、冷たい妹ですよ」

猫「あれを冷たいと言うか。学校での対応よりは幾分マシなんじゃないのか?」

男「どうだろうな。人の暖かさを忘れちまったよ俺は」

猫「殺せば思い出すんじゃないか?」

男「馬鹿じゃねーの……。風呂入ってくる」

猫「……」

 ◆◇◆◇

鳥「焦ってんじゃないのか?」

猫「焦ってはないさ。人選ミスとも思っていない」

鳥「正直、俺は安心してるよ。今の男は、人を殺すかどうかで悩みつつも、他の悩みの方が大きくなっている」

猫「……男はいずれ殺すさ。私はそれまで気長に待つ。待つのは得意なんだ」

鳥「……死ぬまで殺さなかったら?」

猫「あり得ないね」

鳥「どうしてそう言いきれる」

猫「お前は常に動くチェーンソーをもった人間が、一生人を殺さずに社会で生活できると思うか?」

鳥「……例えが大袈裟だ」

猫「そのくらい、危険な力なんだよ」

2016年ですって
今年もほどほどに頑張りますかね
(。-ω-)zzz

まだ慌てるような時間じゃないw
しかし鳥はなんだかんだお悪魔好しですな

>>163
 鳥は良い奴です(笑)

◆二月十二日・金曜日・学校◆

男(初めて、まともにクラスを見渡した気がする)

男(女は俺の三つ前の席で、特に話し掛けてくる様子もない)

男(昨日、一気に距離が縮まったような気がするが、こっちから話し掛けようとは思わない)

男(勘違い野郎と思われたら、立ち直る自信なんてないからな)

 ◆◇◆◇

男(それでも、少し意識はしてしまうもので)

男(何度も女の方に目をやってしまう)

男(休み時間も、授業中も)

男(今まで、こんなに目を動かしたことがあっただろうか)

男(黒板と手元だけを見て過ごしていた高校生活に、少し明かりが灯った気分だ)

 キーンコーンカーンコーン

先生「うおっ、もう終わりか……じゃあ号令省略。昼休みいっていいぞー」

男(はあ……何か午前が長く感じた……)

男(あれ……)

男(今まで気にしたことなかったけど)

男(……女って、友達と飯食わないのかな)

男(俺が言えたことじゃないけどな)

男(そういえば、女が旧友以外と話してるの見たことないな……)

男(いや、元から大して何も見て無いんだけど)

男(まさか女って)

男(……ぼっち?)

男(……)

男(まさかな……)

◆放課後・教室◆

女「男、起きて」

男「……ん」

女「よーくそんなに寝てられるね」

男「えっ、あ……。俺寝てたのか……」

女「だーれにも起こされないという……」

男「起こす意味なんて無いんだろ」

女「友達いないもんね」

男「うるせー。大体お前は誇れるほど友達居んのか」

女「さーね」

男「……」

女「でも男さ、前よりフツーに話してくれるよね」

男「……お前が必要以上に話し掛けてくるからな」

女「感謝しなさい」

男「過度な気遣い誠にありがとうございます」

女「よろしい」

男「いいんだ……」

女「じゃあ帰ろうか」

男「おー、じゃあな」

女「いや、あんたも一緒に帰ろうよ」

男「…………は?」

(。-ω-)zzz

男ー、リア充化=死亡フラグだぞー

>>171
 そんなジンクスが(笑)

 ◆◇◆◇

男(何なんだよ……何でこいつと帰んなきゃなんないんだ)

女「男の家って、結構家から近いんだよね」

男「何で俺の家を知ってるんだ」

女「昨日行ったじゃん……」

男(あ……そうだった)

女「……」

男「あー、何でお前は俺と帰ろうなんて思ったんだ。彼氏居るんだろ?」

女「……そういや言ったなそんなこと……」

男「……?」

女「っと……あれ嘘なんだ」

男「嘘ぉ?」

男「見栄でも張ったのか」

女「そんなところ……かな」

男「何でまた……。てか、お前なら普通に彼氏居そうなもんだけどな」

女「え……?」

男「ああ、いや……」

女「……まー、何て言うの。あの時は何か軽い感じだったじゃん? あんたのことぼっちだとかイジって」

男「今も軽いけどな」

女「今よりだよ。苛めたくなっちゃってさ」

男「そりゃ酷いな。苛められた」

女「……ごめん」

男(普通に謝られた……)

女「あたしさ……友達少ないんだよね。まあ見てりゃわかるかもしれないけど」

男(ああ……やっぱそうだったのか)

女「何か、男って話しやすくてさ。同じ仲間って感じで。最初は見栄張って接してたけど」

男「友達少ない奴を見下してたのか」

女「あ……ごめん、そんなつもりじゃ……」

男「いや別に怒ってはない……」

女「……」

男「……女はさ、結構コミュ力あんじゃん。なんで一人なんだ」

女「あー、知らないのか……」

男「…………?」

女「何かさ、親友の彼氏寝取った事になったんだよね。一年生の時に」

男(あー、そういうことか。ぼっちになった説明がちゃんとあるっていいな……)

女「その親友が私のこと仲間はずれにして、結局ハブられたまま」

男「……それでぼっちか」

女「……そう」

男「もったいねーなお前」

女「……え?」

男「だって、つまりあれだろ。人が信用できなくなって現状ぼっちですって事だろ」

女「まあ……そう」

男「羨ましいわ。人を信用できなくなった理由とか、ぼっちである理由がしっかりあって。俺は気付いたらそうなってたからな」

女「……羨ましいって……」

男「お前が人を恐れなければ、簡単にぼっち脱出できるだろそれ。自分より下のぼっちに声掛けて心休めるなんてしなくても」

女「……」

男「ぼっち仲間とかいらないし、友達もいらない。旧友とも縁が切れたらそこまでだと思ってるし」

女「いらないって……」

男「お前はいるんだろ? 友達とか、そういうのが」

女「なんで……、何でそんな」

男「……?」

女「何でそんな説教みたいなことすんの……。うっ……ぐすっ」

男(……やっちまった、説教じみてたか……。あんまり自分の思考を押し付けても意味ないのに……)

女「私は……」

男(女が俺みたいな奴の意見で納得するわけない。……こんなことしちまうなんて、漫画の読みすぎかな。やっぱり俺は人との距離感を掴むのが苦手みたいだ……)

男(……でも、泣くか? 正直鬱陶しかったかもとは思うけど、泣くほどとは……)

女「私は……もう」

男「……何」

女「……こんなに短い期間でも、なっちゃったんだもん」

男(……あ、嫌な予感する)



女「……好きに、なっちゃったんだもん……」



男(……うわー…………)

◆男の家◆

男「イミガワカラナイ」

旧友『で、お前は何て答えたんだ』

男「とりあえず保留した……。あとライン教えた」

旧友『良かったじゃん。ぼっちライフに華が添えられるぜ』

男「いや……だって初めて話したのがついこの間だぜ? 今のコってこんなに進んでんの?」

旧友『お前だって今のコだろうよ。聞きゃいいじゃん。なんで好きになったのか』

男「いや……罠かもしんねえだろ……」

旧友『なんだよ罠って』

男「美人局てきな」

旧友『マジでそうだったら今のコ怖すぎんだろ』

リア充になる=死亡フラグとまで言われたのでどうしようかなーと考え中
前作のこの猫悪魔の話は最初からある程度最後まで決めてたけど、今回は結構行き当たりばったりです
一応大まかな流れは決まってますが

最初の構想では200くらいで佳境に入る予定だったのに

(。-ω-)zzz

>>180
死亡フラグやめてください(懇願)
あなたの書くハッピーエンドがどんなのか気になるんだよ俺は

もう予想はよそう(真顔)
いやリア充=はネタっていうか
今回の能力だと、むしろ何もかもが死亡フラグに見えるっていうかw

今のコ怖え

>>182
 別にバットエンドばっかな訳じゃとか思ったけど見返したらバットエンドしかなかった……

>>183
 でもまあリア充化死亡フラグ説は案外的を射てると思います(笑)

男「なにか理由があるはずだ……。こんな短期間で俺の事を好きになるなんて、あり得ない……」

旧友『別にそんな深読みしなくても良いんじゃないのかねー』

男「あいつが心の拠り所を探して、結果俺だっていうなら、お前でも良いはずだろ」

旧友『どうかねー……俺は結構他の女の子とも話してるし』

男「……簡単に落とせそうだから狙われた……?」

旧友『お前……』

男「だっておかしいだろ……まだ出会ってから一週間くらいなのに」

旧友『いや、少なくとも二年の始めのはもう出会ってるからな? ……あれじゃないの? 何かお前が助けたとか言ってたぞ、一昨日のバイトで』

男「は……?」

旧友『いや、絡まれた所を助けてくれたって。お前フツーにしてりゃあそこそこカッコいいんだから、そういうので株でも上がったんじゃないのか?』

旧友『つーか、あんま言わない方が良いんだろうけど……。昨日のも、女がお前に会いたいって言うから遊びに行ったんだぜ?』

男「……へ、へえ」

旧友『……どうした?』

男「え? 何が?」

旧友『……いや、何か変な感じして』

男「気のせいじゃないか……?」

旧友『そうか。……っと、そろそろバイト行かなきゃ。気になるんなら、今日それとなく聞いておくけど?』

男「……え、何を?」

旧友『お前の事どう思ってるかって』

男「あ、ああ……。悪い、助かる」

旧友『おー……じゃあな』

 プツッ

男「…………」

猫「……どうしたんだい?」

男「……おかしい」

猫「何が」

男「ふざけんなよ……お前何したんだ! 俺に何した!」

猫「力を与えた。その程度じゃないか?」

男「普段は偉そうに心読んでくるくせに……」

猫「偉そうにとは、そんなつもりはないんだがな」

男「無いんだよ! 記憶が!」

猫「……いつの」

男「火曜日と水曜日! 二日分の記憶が!」

猫「……おや、それは大変だ」

 ◆◇◆◇

鳥「お前、何が目的だったんだ猫の邪魔をしたって訳でもなさそうだが」

犬「俺の関与のお陰で、面白くなったろ?」

鳥「……おかしいだろ、お前が与えた能力は。男が悪魔の存在を知っているという条件の上であんなことをしたとしか思えない」

犬「さあ、どうだろうね。第一、俺が操ったのは女であって、男が能力を使ったのは嬉しい誤算だよ」

鳥「何が嬉しい誤算だ……。あの通り魔も、お前が仕向けたんじゃないのか?」

犬「まさか。そんなに器用じゃないぞ俺は」

鳥「……まだ何かするつもりか?」

犬「いいや、手を引くよ。また呼ばれない限りはね」

鳥「呼ばれな……お前まさか、猫に頼まれたのか!?」

犬「おっと、それは言えないな」

鳥「……っ!」

鳥(もし、犬が猫に頼まれてたとすれば、通り魔も他の悪魔である可能性が高い……。犬も猫に近い遊び感覚で人を使う悪魔だ……他にそういう奴がいたか……?)

犬「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ」

鳥(いや……いる! とんでもない奴が……。まさかあいつと組んでんのか猫は……!)

 ◆◇◆◇

ヒト「さて……通り間の処理は終わり、と」

ヒト「全く、僕に裏方をさせるなんて。あいつも人使いが荒くなったな……」

ヒト「いや、悪魔使いか。でも僕の場合はヒトで良いのかな」

ヒト「……つまんないなー。直接男に接触したいものだ」

ヒト「……どれだけ面白いものを見せてくれるんだい……猫」

さて、新キャラです。
大丈夫かな……これ上手く収集出来るかな……。

不安だ (。-ω-)zzz

猫の野郎……汚い、流石悪魔汚い

おうおう、猫の念の入れようw
なかなか錯綜してきましたな

>>191
>>192
 猫の性格がどんどん悪くなってる気がします(笑)

 ◆◇◆◇

男「何だよこれ……何で思い出せないんだ……」

猫「お前から失われたのは、二日間の記憶。これでわかるだろう?」

男「まさか……でも、心じゃないのか……?」

猫「思い出や知識、とも言った。今回は初回サービスで二日分の記憶だけだ。能力を使ったこともスッパリ忘れさせてやった」

男「……誰を、殺したんだ」

猫「通り魔さ」

男「…………」

猫「どうした?」

男「…………良かった……」

猫「良かった、ねぇ」

男「能力で殺せば、俺が殺したなんてバレないだろ?」

猫「ほとんどな」

男「だったら最高じゃないか。社会悪を殺したんだ。称賛されるべき所為だよ」

男「正直そんな程度の人間で安心した。それに俺は自己防衛で殺したんだろ? それなら記憶が無くなってなくとも、俺は仕方なかったって言えるだろうし」

猫「……そうか」

男「……まあそんなことより、その二日間に女と何があったのか……。それが気になる……」

猫「言っておくが、教える気はないぞ」

男「はー、だよな……」

 バサッ

鳥「人を殺しといて、そんなことより、か。随分と人の命を軽く見ているんだな。……まあ、あれは仕方ないと言えば仕方ないか……」

猫「……ちっ」

男「鳥……!」

鳥「記憶がなくなる前のお前のしたことだから、今のお前に言うべきではないだろうが……。よっぽどの事が無い限りはもう能力を使うな」

猫「……余計なことを吹き込むなよ」

鳥「……余計な事ってのは、二日間の事か」

猫「そうだ。必要ない情報だろ?」

鳥「ふざけんな。他の悪魔まで使っておいて」

猫「……」

鳥「特にお前……ヒトを使ってんだろ?」

猫「……答える義理はないな」

鳥「あいつは止めろ! 関係ない人間にも……」

猫「うるせえんだよ鳥類風情が。いい加減にしろよ……いつまでもお前と俺が対等なんて思うな」

鳥「……っ!」

猫「言っておくが、お前のやってるのは妨害でしかないんだ。最悪しょっぴかれるのはお前なんだぞ? 他の悪魔の妨害、人間の救済なんて、ふざけたことやってんじゃねえよ。今すぐ帰んねえとお前の行為、審議に提出する」

鳥「……ちっ、分かったよ。邪魔したな」

 バサッ

男「……審議って?」

猫「悪魔界の裁判みたいなものだ」

男「……何なんだよ。あの二日間、何かヤバイことでもあったのか?」

猫「答えるつもりは微塵もない」

男「どうして」

猫「必要ないからだ」

男「俺は知りたい」

猫「……あの二日間の結果、女はお前を好きになり、お前は人を殺した。それが全てだ」

男「何で好きになられたかが知りたいんだよ」

猫「……知っても意味無いぞ」

男「どうして」

猫「…………じきに分かる」

この空白の二日間……
長いしだれるから書かずに謎のままにしておくか悩む……

(。-ω-)zzz ←最近このマークつけるの忘れがちだけど、何でこれを定番みたいにしてるのか自分でもよく分からない

(。-ω-)zzz

どうせなら名前欄に入れといたら楽じゃないw
二日間は必要な部分があれば回想するとかね

記憶がなければ罪の意識もなくなるとか猫め、知恵を使うなあ

>>200
 名前欄に入れるとかそんなことするわけ無いじゃないですか


 ……次からは名無しに戻します(笑)

◆二月十三日・土曜日◆

男子「よー、男」

男「え……?」

男子「なにしてんだ公園で」

男「いや……別に。何か買いたいなーって」

男子「何かって。決めてねーのかよ」

男「まあ……」

男子「俺も暇なんだけどさ、一緒にどっか行かね?」

男「いや……」

男子「良いじゃん良いじゃん。行こうぜ」ガシッ

男(掴むなよ……)

男(あー、外出てくるんじゃなかった。正直今はそんな気分じゃ無いんだよな……。女の事も謎のままだし……。いや、考えてみれば別にどんなときでもそんな気分じゃ無いな)

男子「俺見たいもんあったんだ」

男(一人でどうぞ……)

男子「……」グイッ

男「……っ! おい、こっち……」

男子「……合ってるよ」

男(……あー、何か察した。こいつ、不良か)

不良「俺がお前を遊びに誘うわけ無いだろ?」

男(路地裏……正直叫べば助かるか? いやでもぶん殴られて逃げられるな)

不良「……分かるよな? お前がやるべきこと」

男(……あー……外出てくるんじゃなかった……)

二日間の話は、多分番外でss書くかもです
でも最近書く時間がめっきり少なくなってきた……

(。-ω-)zzz

絡まれスキルたけーなーw

まあ、リアル大事に

>>205
どうもm(__)m

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1453118811/l30
↑空白の二日間のssです。


男(めんどくさいな……。正直殺しちゃっても良いんだけど……どうしようかな)

不良「おい、聞いてんのか? 早く出せよ。有り金全部だ」

男(…………殺すか) 

バサッ

鳥「駄目だ、殺しちゃいけない」

不良「うあっ! なんだこいつ」

男(…………別に殺しやしないさ)

鳥「どうだか」

不良「あーもう! 邪魔な鳥だな!」

鳥「一旦逃げろ。また後で」

男(……分かったよ)

不良「あっ、おい待て!」

◆神社◆

男「はあ……はあ……」

鳥「お疲れ様」

男「……お前は良いよな、好きなところに飛び回れて」

鳥「別に良いなんて思ったことはないけどね」

男「……俺、あそこで待ち合わせしてたんだけど」

鳥「知ってる。旧友だろ?」

男「……連絡しとくか……」

 ピッピッピッ プルルルルル プルルルルル ガチャッ

旧友『よー、今どこ?』

男「……神社。悪いな、ちょっと輩に絡まれて逃げてきたんだ」

旧友『神社って……この辺りだと一ヶ所しかねーよな。だいぶ逃げたじゃねーか。まあいい、今から向かうよ』

男「おー、すまん」

男「……そうだ、鳥さ」

鳥「あの二日間のことなら、答えられない」

男「……」

鳥「あれはもう、【本来無かった事】になった。君からはあの二日間の記憶は消え、女はあの二日間が別の記憶に刷り変わっている」

男「……その刷り変わった記憶に、俺を好きになる原因があったのか?」

鳥「いいや……そうじゃないんだが」

男「……?」

犬「あんまり喋るなよ、鳥。自分の首を絞めることになるぞ」

男(……喋った……悪魔か)

鳥「ったく、今回は厄介なことが多いよ。どうしてあんなにやる気満々なんだ猫は」

犬「さあな。でも、何となくは分かる」

鳥「……?」

犬「ついこの間、面白いことがあったばっかだからな。もっと面白いもんを見たくなっちまうんだよ」

男「お前、猫と繋がってんのか?」

犬「少し協力しただけだ」

男「どうして女が俺を好きになったのか、知ってるのか?」

犬「ああ、俺が仕向けたからな」

男「仕向けた?」

犬「これ以上は言うつもりはない。それ以上知っちまうと面白くないからな」

男「……」

犬「おっと、お友達が来たようだ。俺はこの辺で帰らせてもらおうかな」スッ

鳥「……」バサッ

旧友「いたいた」

男「よー、ごめんなほんと」

旧友「まあ、しゃーないって」

男(犬が原因で、二日間におかしなことが起きた……。何なんだ……?)

まさかこんな話が広がる作品になるとは……
まとめサイトとかで「長すぎ」って叩かれる奴だ(笑)
空白の二日間の方も含めて1000以内で終わらせたいなあ

(。-ω-)zzz

猫は娯楽一筋だなあ

>>212
 猫っすから(笑)

男「……それで、今日はどうしたんだ。急に呼び出して」

旧友「いやー、暇だから遊ぼうかなーって」

男「……じゃあ俺ん家とかでも良かったんじゃないの?」

旧友「いや……」

女「はー、いたいた」

男「……っ」

旧友「ま、こういうこと。悪いな、女。男が逃げ回ったみたいでさ」

女「何からよ……」

男「…………よう」

女「……ん」

男「……」

女「あのさ……」

男「……?」

女「返事……待ってるから」

旧友「お、俺は邪魔かな?」

女「お願い……居て」

旧友(緊張するから一緒に来てって言われて来たんだし、どっか行ったりはしないけどよ……。お前一回直接告白してんだよな?)

男「……なあ女」

女「何?」

男「……」

女「どうしたの?」

男(いや……記憶の事は言うべきじゃないか? じゃあなんで好きになったのか……)

女「……」

男「ごめん、やっぱいいや」

女「……そう」

旧友「あー……じゃ、どっか行くか」

旧友「どーする? ゲーセンとか?」

男「どこでもいいよ。あんま金掛かんないとこで」

旧友「んー、カラオケとかかな」

女「あ、カラオケ行きたい」

旧友「じゃあカラオケにすっか? 確か近くにあったはず……」

女「行こ行こ」

旧友「女って歌うの好きなの?」

女「かなり好きですよー」

旧友「ほう、点数勝負すっか?」

男(……あの二人、お似合いだよなー。何で女は俺に告白なんて……はっ! まさか旧友の策略にはめられている!?)

旧友「カラオケでいいよな男?」

男「個室で何する気だ!」

旧友「おおう……? 歌うつもりですが……」

 ◆◇◆◇

鳥「どうして、あの二日の事を教えない?」

猫「もう存在しない過去だ。少なくとも彼らにはね」

鳥「女が男を好きって状況は、明らかに不自然だ」

猫「構わないさ。不自然だろうがなんだろうが、誰かに好かれてる状況ってのが必要なんだ」

鳥「女も、男が振り向かなければいずれこの不自然さに気付く」

猫「そうなったら、また別の策を考えるさ」

鳥「……」

猫「満足かい? そんなに肩入れして。はじめは乗り気じゃなかったのに」

鳥「……おかしいだろ、あれじゃ完全にお前の玩具だ。あの二人が長い二日で積み上げた愛まで消して……」

猫「……いい加減気付いたらどうだ? お前は悪魔として間違ってるんだよ」

鳥「……」

200まで書いて起きたこと
【記憶消えた】

ペースが遅いことを最近ずっと嘆いてる気がする(笑)

(。-ω-)zzz

鳥さんはそろそろ転職するべきだね…

>>219
 天使とかにでしょうか(笑)

 ◆◇◆◇

旧友「はーっ、歌った歌った」

男「……二人とも何で平気で九十点とか取れんの……」

旧友「まあセンスってやつ?」

女「男も結構上手かったじゃん」

男「いや、全然だよ」

旧友「…………じゃあ、俺は帰るわ」

女「え?」

旧友「バイトあるし」

男「あー、じゃあ仕方ないな」

女「……明日確認してやる」ボソッ

旧友「は、ははっ……。じゃあ、後は頼んだ!」

男「え、は? 頼んだってなんだよ!」

男「……」

女「……」

男「……俺らも帰ろうか」

女「ん、明日さ」

男「……はい」

女「バレンタインデーじゃん」

男(知ってます例年通り一人で過ごしたいです)

女「あの……さ」

男「……」

女「デート、してください」

男(……だから、何で俺なんかと……)

◆男の家◆

男「だーっ!」ドンッ

猫「荒れてるな」

男「何なんだよ! 意味わかんねえよ!」

 コンコン ガチャッ

妹「どうしたの?」

猫「物に当たるしか脳がないようだぞお前の兄は」

男(うるせえ!)

猫「どうせ妹には聞こえてないさ」

男「…………ごめん、何でもないんだ」

妹「何でもないって……、何でもないことはないでしょ」

男「……」

妹「……何かあった?」

男「……分かんないんだよ、何もかも……」

妹「分かんない?」

男「……どうして、今があるのか……。何でここにいるのか……」

妹「壮大な悩みだね……」

男「違う……そうじゃない……」

妹「じゃあどうなのさ」

男「……俺はさ、人に愛されるような人間か?」

妹「……」

男「俺が、誰かに好かれるなんてあ……」

妹「……私は、大好きだよ」

猫「……まさか私の言ってたことがこんな形で証明されるとはな」

男(……どういう……言ってたこと? は? ちょっと待てよ)

妹「私は、好きだよ。お兄ちゃんが」

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1453118811/l30
一応もう一回ちゃんと紹介を。
空白の二日間の出来事をこちらで書いています。
本編ではそろそろ触れなくなると思うので、謎を解決せねばという思いで書いております。
もしよろしければどうぞ。

(。-ω-)zzz

それ携帯用のアドレスとかかな?
宣ブラだと表示されんね

ここでまさかの妹参戦

>>226
 スマホ用か……
男「大丈夫、俺は忘れないから」【番外SS】 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1453118811/)
 恐らくこちらから見れるかと。
タイトルは 男「大丈夫、俺は忘れないから」【番外SS】 です。

 相変わらずのローペース更新(今日もちょっとの合間に覗いてみただけです……)ですが、よろしくお願いします。

(。-ω-)zzz

 ◆◇◆◇

鳥「おかしな世界だ……」

犬「何が」

鳥「猫に遊ばれてる……。命で遊んでやがる……」

犬「取引の結果だ。おかしな事などあるもんか」

鳥「なあ犬……」

犬「なんだ」

鳥「……猫って、いつから居たっけ……」

犬「…………」

鳥「いつの間にか悪魔として居て、いっつも魂を取引してた……」

犬「……いつの間にか居ても、不思議じゃないんじゃないか? 悪魔なんてそんなもんだろ」

鳥「……あいつ、何者なんだろうな」

 ◆◇◆◇

妹「いつの間にか、好きになってた……」

男「いや……おかしいだろ……」

妹「おかしいかもね」

猫「前から言ってたろう? 妹はお前の事が……」

男「いや、待て待て、いつの間にかって……」

妹「何だかんだ優しくて、何だかんだ付き合ってくれて、私の一番よく話す異姓……。好きになっちゃったんだよ……それだけで」

男「……」

妹「……お兄ちゃんが誰かに好きになってもらえたなら、その人もきっと、お兄ちゃんの何かに惹かれたんじゃないかな……」

男「…………勘弁してくれ……」

妹「…………?」

男(お前のせいだ……)

猫「これは私のせいじゃないだろう?」

男(…………)


 ◆◇◆◇

男(……いつの間に、か)

男(……それならもう、それで良いかもしれないな)

男(女が俺の事を好きなのも、些細なきっかけだったのかもしれない)

男(十中八九猫のせいだろうが……)

猫「言い掛かりはよしてくれよ」

男(真実だろ?)

猫「さあね、答える義理は無い」

男(……妹が兄貴の事を好きだなんて……漫画の中だけにしてくれよ)

男(おかしいだろ、俺なんかが。猫が現れたから……?)

男(女はそれで説明がつくが、妹はなあ……)

 コンコン

男「……何か」

妹「……入っていい?」

男「どうぞ」

 ガチャッ

妹「……さっきは、なんというか……」

男「いや……別に」

妹「思わず言っちゃったというか……なんというか……」

男「……」

妹「いや、本音なんだけどさ……あの……」

男「俺さ」

妹「……?」

男「…………」

男「……俺、彼女できたんだ」

◆二月十四日日曜日・駅◆

女「……おはよ」

男「……よっす」

女「…………」

男「あー……昨日電話で言ったんだけどさ……」

女「ありがとう……」

男「……え?」

女「……彼女にしてくれて、ありがとう……」

男「……ん」

女「……い、行こう? 初デート、楽しまなきゃ」

男「そうだな……じゃあ、行こうか」

 ◆◇◆◇

猫「男の中では、女と付き合うか、付き合わないかの天秤があった。……だが、妹の告白によって、妹か女かの二択になったわけだ」

鳥「それで、女を選んだと……」

猫「……ま、普通と言えば普通かもしれんな」

鳥「……仕組んだんだろ?」

猫「女はな。妹にはなにもしていない」

鳥「……」

猫「さて、準備はほとんど完了した。ここからが悪魔のお楽しみタイムだ」

鳥「……お前は」

猫「……ん?」

鳥「お前は、悪魔じゃないだろう?」

猫「…………おや、なんと言ったのかな?」

両利きになりたい
(。-ω-)zzz

鳥が言う意味はなんだろうか?
自分の感想としては猫は「人間により近い悪意の塊」の悪魔みたいな感じを受けた、見てて「他人の不幸は蜜の味」を体現してる行動だし

もっとも悪魔らしい悪魔が悪魔じゃないとな?

>>227
おお、そっちのURLは見れた

>>235
>>236
 鳥はどう思ってそう言ったのか……。
 多分、それを聞いて半分くらい意味が分かるかと

鳥「お前は、悪魔じゃない」

猫「とうとうおかしくなったか」

鳥「お前は悪魔じゃない。だから悪魔のルールは適用されない」

猫「嘘をつけない、とかか?」

鳥「そうだ」

猫「私は嘘なんてついてないじゃないか。どうしても言いたくないことはだんまりだ」

鳥「俺はお前が今の男に憑いた時からお前を監視していた」

猫「まるでストーカーだな。そんなことをしている暇があるのなら……」

鳥「お前はついちまったんだよ、嘘を」

猫「……?」

鳥「いつもはボロを出さないようにしていたのかもしれないが、思わずポロッとな」

猫「……はっ、でまかせだ」

鳥「男とお前が会った日……」

鳥「妹さんが二階に行って、それに対して男はこう言った」

男《俺と顔を会わせたくないんだろ。仲悪いんだ》

猫「……」

鳥「分かるだろ? 男と妹は仲が悪いんじゃない。男は好かれてないと思って避けてた。妹は男のことが好きで、気持ちが上手く整理できたいなかった」

猫「何が言いたい」

鳥「男は何だかんだ妹に優しくて、妹はそんな兄貴が好き。仲が悪いなんて、心が読める僕たちなら、まず思わない」

猫「……ああ、そうか。そういうことか……」

鳥「……お前は仲が悪いと言った男に、なんて返した?」

猫《どうやらそのようだな》

鳥「嘘がつけない悪魔が、思ってないことを言えるはずがないだろう?」

猫「だがその程度、たまたまそれが嘘に近い言動だったからといっても、嘘をついた訳じゃない」

鳥「確かにそうだな。もしかしたら俺も似た事をしていたかもしれない」

猫「……?」

鳥「じゃあ、もうひとつだ。正直、こっちの方が気付くきっかけになったんだ。嘘をついたどうこうなんてのは、違和感があった程度で」

猫「なんだ」

鳥「考えてみればおかしいんだよ。悪魔が人間界に現れるときの姿ってのは、その悪魔のランクを表すんだ」

猫「そのくらい知っている」

鳥「お前、猫以外の姿になったことあるか……?」

猫「……」

鳥「ランクが上がれば、人間界に馴染める姿になっていく。だからはじめは、馴染みにくい動物の姿だ」

猫「……前は鼠だっ……」

鳥「最初からずっと猫だろ?」

鳥「つーか今、嘘つこうとしたよな」

猫「……っ」

鳥「第一、猫程度のランクじゃ出来ないんだよ」

猫「……何が」

鳥「なんで今まで気付かなかったのか。多分、何か原因があるんだろうが……」

猫「……言えよ!」

鳥「魂の取引だ」

猫「……私はしている……」

鳥「ヒトくらいにならねえと出来ないんだよ」

猫「……」

鳥「さあ答えろ、お前は何者なんだ」

さぁ、猫は本当に悪魔じゃないのだろうか……(笑)

(。-ω-)zzz

「元人間のヒト悪魔の使い魔(記憶操作済み)」なんかね?
ヒトがかなり陰険な悪魔っぽいし、猫の思考も「創られたもの」なんかも知れない

まさかの猫、低ランク疑惑

>>243
>>244
 面白い予想です。答え合わせはまだ先かと思いますが(笑)
 猫のランク説明もどこかでしなくてはですね。

 ◆◇◆◇

男「女とはじめて喋ったのが、一週間くらい前か」

女「そう……だね」

男「……やっぱ変だよなあ」

女「何が?」

男「そんな短い期間しか関わってないのに、付き合うことになるなんて」

女「いーじゃん。運命だよ運命」

男(猫が関わってんだよなあ……多分。正直もうその辺はどうでもいいけど)

女「でも、この一週間で男も普通に話すようになったよね」

男「元が普通じゃなかったとでも?」

女「普通じゃなかった」

男「こんにゃろ」グリグリ

女「やーめーてー」

男(……可愛い)

男「……俺、ぼっちだったんだよな」

女「私もね」

男「女がぼっちってのは認めない」

女「えー……」

男「この短期間で、旧友とまた話すようになって。彼女ができて」

女「……」

男(悪魔に出会って……)

女「男は、一人が良かったの?」

男「皆死んじまえなんて、そう思ってたよ」

女「……寂しい」

男「……そう、だな」

女「今は?」

男「別に、皆生きててもいいかな」

女「……」

男「意外に、楽しいかもしんない。世界って」

 ◆◇◆◇

ヒト「彼女が出来ただけで、人生観が変わる……。浅はかだねえ、人間ってのは。……今はそれどころじゃないかな?」

猫「いつからそこにいた」

ヒト「……んー。君が鳥に捲し立てられ始めた頃からかな」

猫「……」

ヒト「残念だけど、完全にばれちゃったね」

鳥「……僕が気付いたのは、猫が悪魔じゃないってことだけだ」

ヒト「……じゃあ、悪魔じゃないならなんだと思う?」

鳥「……お前は知ってるのか?」

ヒト「さあ? どうだろうね」

鳥「……」

ヒト「猫、君はもう負けたんだ」

猫「何にだ」

ヒト「鳥に、さ。……どうする? ここで止めておいたら」

猫「ふざけんな! 止められるかよ!」

ヒト「契約ではバレたら終わりだ」

猫「何年使ったと思ってる! 一人に5年も使ったときもあった! もう少しなんだよ!」

ヒト「……残念だけど、終了だ」

猫「待てよ! 止めろ……止めっ……」

ヒト「……分かった。止めよう」

鳥「……?」

ヒト「確かに、ここでただ消すんじゃつまらないもんな」

鳥「消す? ヒトにそんな権利があるのか?」

ヒト「……」

ヒト「そうだ鳥。お前にひとつ頼もう」

鳥「……?」

ヒト「猫の正体を暴け」

猫「……はっ。私の正体など……」

ヒト「黙ってろ。消すぞ」

猫「……っ」

鳥「……暴いて、どうする?」

ヒト「暴いたら、猫を消す」

鳥「……」

ヒト「猫は暴かれる前に契約をクリアしろ」

猫「……分かった」

ヒト「……さあて、ここからがゲームの本番だ!」

現実世界の日付が追い付いてきた……

(。-ω-)zzz

乙、面白くなってきた。

元人間ってのは当たりっぽい?ヒト悪魔とは契約関係かな?
もしかしていままでの話に猫の元の姿出てきてる?

ヒトの魔王感w
なんか主人公が男から猫にチェンジしつつある……?

>>253
魔王どころか神(北欧神話系みたいな奔放な奴等)だったりして

>>252
>>253
>>254 悪魔たちの正体や素性については語らず、とします(笑)

 ◆◇◆◇

悪魔A「……また可笑しな事が始まったようだよ」

悪魔B「猫が悪魔じゃないねえ……。確かに言われてみれば妙な奴だったよな……」

悪魔A「なんで今まで気付かなかったんだろうな」

悪魔B「ヒトと契約してんなら、能力の補正とかじゃないか?」

悪魔A「なるほど、鳥にバレてその補正が解けちまったってことか」

悪魔B「……あれ、でも」

悪魔A「ん?」

悪魔B「ヒトと契約出来るってことは」

悪魔A「……あ」

悪魔B「猫の正体って……」

 ◆◇◆◇

鳥「猫の正体は人間、じゃないのか?」

猫「……っ」

ヒト「ほう、流石に気付くか」

鳥「……ヒトと契約してるみたいだったし、もしかしたらだったけどな」

ヒト「だがな、鳥。正直そこまでは気づいてもらわなきゃ面白くない」

鳥「……」

猫「……」

ヒト「お前に突き止めて欲しいのは、猫がなんで悪魔になったのか」

鳥「悪魔になった理由……?」

ヒト「そう。……まあ、そう難しくないんじゃないか? 知ってる悪魔は少ないが、捜せば居る」

鳥「……」

ヒト「猫は、消されちまう前に……」

猫「分かってる……」

 ◆◇◆◇

女「あ、そうだ。バレンタインチョコ」

男「おっ。……初めて貰った」

女「そうなの?」

男「義理なら一回だけ……」

女「それも義理だけどねー」

男「え?」

女「うそうそ。本命手作りだよ」

男「うわー……超嬉しい。取っておきたい」

女「ちゃんと食べてよ?」

男「おう」

空白の二日間のssが行き詰まってる……
頭の中の世界を文字で広げるって、案外難しい(笑)

(。-ω-)zzz

男が完全にリア充に……そして人知れず猫ピンチ

台本形式で設定が込み入った世界観やろうとすると難しいよね

>>260
 やっぱり地の文ってのは完成された作法なんだと思います

 ◆◇◆◇

男(妙な話だ)

男(ついこの間まで人間を嫌っていた俺が、ついこの間初めて話した女の子と恋人同士になっている)

男(……悪魔の策略の内なのか?)

男(……)

男(俺は人間が嫌いだ)

男(大嫌いだ)

男(でもどうして……)

男(あんなに嫌いだった)

男(何度も殺してみるかと思った子を)

男(好きになったのだろう)

ヒト「それはね、案外普通だったりするんだよ」

男「……え?」

女「……どうかした?」

男「いや……なにも」

ヒト「大丈夫。声に出さなくても、僕は君の考えている事が分かる。君は彼女に怪しまれないように、映画のスクリーンだけを見てるんだ」

男(……悪魔か)

ヒト「そうだよ」

男(ヒトガタなんているんだな)

ヒト「まあね」

男(……何しに来た)

ヒト「君に会いに来たんだよ。どうにも君は、ヒトを殺しそうにないからさ」

男(……)

ヒト「このまま猫が負けても、面白くないからさ。ちょっと猫の手伝いをしてやろうと思って」

男(……猫の手先か)

ヒト「手先……ねえ」

ヒト「仮にさ、ここに殺人鬼が居たらどうする?」

男(……この映画館内にか?)

ヒト「そう」

男(ばかばかし……)

ヒト「女ちゃんの後ろ」

男(……っ!?)バッ

女「えっ?」

男「やめろっ!」ガシッ

男性「うあっ」

 カラン カラン

女「え……ナイフ?」

館内「「「きゃーっ!」」」

男性「ちっ!」バッ

男「動くな!」

男性「うるせえ!」

男性「くそっ! 暗くて見えねえ!」

 バキッ

男性「ぐああっ!」

男「動くなっつってんだろ!」

職員「大丈夫ですか!」

男「……はあ、はあ」

職員「お怪我は」

男「大丈夫です……」

職員「警察呼んで! お客様は速やかに退出してください!」

男性「……」

女「……いこう?」

男「……ああ」

男性「……殺さなきゃ、殺さなきゃ……」

男(……何なんだ一体……)

もとボッチ男に倒される男性は、結構弱いのではと書いてて思った。

(。-ω-)zzz



うわ…ヒト悪魔マジ陰険だ…信用させるために男性の心操ってたな?

>>267
 一応作中で一番エグいキャラだと思います

◆ファミレス◆

女「いやー、これは忘れられない初デートですな」

男「んな暢気なことよく言えるよな。殺されかけてんだぜ?」

女「男が守ってくれたから生きてるもん」

男「……ま、助かって良かったよ」

女「助けてくれてありがと」

男「……」

女「どうかした?」

男「いや……なんでも。それよりほら、何か頼もうよ。お腹減ってるでしょ」

女「私はもう決めてるから男待ちです」

男「え、ああ……。ごめん」

男(俺と女の関係は、悪魔によって創られた)

男(その関係が今度は、悪魔に壊されそうになってる)

男(……もしかして、壊すために創った?)

男(俺が、女を守ろうとするのを利用しようと?)

男(……女を捨てるか?)

男(正直、この状況だと、女は邪魔だ)

男(殺さずとも、俺との関係を断った方が両方のためなんじゃないのか)

男(……何か、打開策は……)

男(妹に告白して、浮気をしたことにするか?)

男(いや、その程度じゃ関係を切るには薄い)

男(悪魔に創られた愛である以上、その程度じゃ切れないと考えるのがベストだ)

男(……女が自己防衛してくれれば……)

男(自己防衛……?)

男(そうだ……あるじゃないか。良い方法が!)

男「女、飯食ったらちょっと行きたい所があるんだけど良いか?」

女「ん? 良いよ。どこでも連れてって」

男「……そんなに面白いとこではないけどさ、ちょっと大事なことなんだ」

女「大事なこと?」

男「……多分、これから必要になること」

女「……」

 ◆◇◆◇

猫「お前は誰の味方なんだ」

ヒト「別に、誰の味方でもない。面白ければ何でも良いんだよ」

猫「……鳥が邪魔さえしなければ、円滑に終わっていたのに……」

ヒト「詰めが甘いんだ」

猫「……そうかもな」

◆インターネットカフェ◆

女「何でネカフェ……?」

男「個室に行きたかったんだ。本当はホテルとかが良かったんだけど、高いし、男女二人でホテルってのもな。まあ狭いけど十分だろ」

女「……まって、え、うそ。まさかとは思うけど……」

男「……ん?」

女「いや……それは流石に早いんじゃ……」

鳥「その女は子作りと勘違いしているな」

男「ああ……そういうことか」

女「……え。キャアッ! 鳥!?」

鳥「どうしてくれるんだ。嫌われた」

男「知らないよ」

男「とりあえず、一時的にで良いから鳥は女に取り憑いてくれ」

鳥「……はいよ」

女「……なんで、こんなところに鳥ムグッ」ガシッ

男「ごめん、ちょっと静かにしててね」

鳥「随分と行動的になったな、お前は」

男「……こんだけ色々あればな」

女「……っ!?」

男「ま、こいつはちょっと喋れる奴でさ。……とりあえず落ち着いてくれ」

女「……」コクコク

男「大丈夫?」

女「ぷはっ……」

男「ごめんね、急にこんな状況にしちゃって」

女の子とネカフェデートしたい(願望)
バレンタインですって。現実が作中の日付に追い付きました。
相変わらずのローペース更新ですが頑張ります。

(。-ω-)zzz

男「……落ち着いた?」

女「まあ、少しは」

鳥「ほんとかなあ」ジロッ

女「……っ」ビクッ

男「あんまり驚かすな」

鳥「はいはい」

男「……さて、どこから説明したものか」

女「……なんなのこれ、どうして鳥が……」

男「まずだ、ここから話すことの大前提になるんだが」

女「……うん」

男「この鳥は悪魔だ」

女「……うん?」

男「悪魔に取り憑かれた人間しか声は聞こえない。とりあえず女に憑いてもらった」

女「え、待って、それって大丈夫なの?」

男「こいつは人間の見方だ。一応ね」

鳥「一応も何も、見方だ」

女「……分かった、一応把握した。でもどうして悪魔が……」

男「……俺に猫って悪魔が取り憑いたんだ。そいつが厄介な奴で、俺に殺人をさせようとしてる」

女「殺人?」

男「そういう能力だ。相手に触れて、死ねと思えば、その人は死ぬ」

女「……」スッ

男「何で離れる」

女「いや、殺されちゃうかもと……」

男「大丈夫、殺さないよ」

女「……ほんと?」

男「ああ、前は殺そうかなーって思ってたこともあるけど」

女「えー……」

男「それと俺は……」

女「……?」

男(一人殺して……)

女「それに?」

男「いや、何でもない」

(。-ω-)zzz

着々と泥沼

あ、味方が見方になってるよ

>>279
 本当だ……。ありがとうございます。
 自分で気付けないとは不覚。

男「……それで、本題なんだが」

女「うん……」

男「俺は能力を使いたくない。でも、猫達は俺に無理矢理能力を使わせようとしてくる」

女「……無理矢理?」

男「そう。……例えば、さっきのナイフ持った奴、とかな」

女「……っ!」

男「あれは、多分悪魔に操られたんだ」

鳥「ヒトって悪魔だ。猫なんかより厄介だよ」

男「……猫より?」

鳥「ああ、人型は悪魔の最高位だからな」

男「……そうなのか」

女「それで、なんでその悪魔は私を襲わせたの?」

男「……」

男「それは、女が俺にとって大切な人だからだ」

女「……!」

男「……多分、この感情も悪魔に作られたんだろうがな」

女「作られたなんて……言わないでよ」

男「俺が守りたいと思う人、それが悪魔達に必要だったんだよ」

女「……男は」

男「……?」

女「男は、私の事好き?」

男「……まあ、確かに今はそう……」

女「ねえ」

男「……」

男「ああ、好きだよ。大好きだ」

女「……ほんと?」

男「本当だ。たとえこれが作られた感情だったとしても、大好きなことに変わりはない。愛してる」

女「愛してるって……そんな、真顔で……」

男「……聞いといて照れんなよ」

女「うるさい」

男「……それで、だ。さっき話した通り、悪魔は女を狙ってる」

女「……うん」

男「……だから、女には自分で自分を守って欲しい」

女「えーと……どうやって?」

男「簡単だ」

女「……?」

男「鳥と契約してくれ」

 ◆◇◆◇

ヒト「どうだい、何か良いことは思い付いたかい?」

猫「あっち行ったりこっち行ったり、忙しい奴だな」

ヒト「……少し遊んで来たんだ」

猫「見てたよ。……全く騒がしいことをするなお前は」

ヒト「面白くていいじゃないか」

猫「……そうかもな」

ヒト「……何か企んでる?」

猫「知ってるか? 今日はバレンタインデーという男女のイベントの日らしい」

ヒト「知ってるさ」

猫「……私という悪魔の憑いた男に、そんなのを楽しませるのは実に不愉快だ。アンハッピーバレンタインといこうじゃないか。今日で全てを終わらせてやる」

(。-ω-)zzz

ほう、鳥を完全に味方に引き入れて自身も女も守る選択か、鳥ならリスクも全部教える悪魔だしこれは猫に勝てる勝算ありか!?

楽しみにしてます

なぜか段々猫を応援したくなってきた不思議

>>286
 ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ

>>287
 どうぞ応援してやってください(笑)

 ◆◇◆◇

鳥「寿命五年分、代償として貰うわけだけど……本当に良いのか?」

男「ああ、俺がその代償を負うよ」

女「寿命五年って……そのくらいだったら私が」

男「いや良いよ、俺が払う。俺が巻き込んじまったんだからさ」

鳥「……猫が絡まなければ、お前は腐ったままだったのかな」

男「……?」

鳥「この短期間で男は、変わりすぎた。悪魔ってのは、人の心を揺さぶるモンだ。人の心の闇を」

男「何が言いたい」

鳥「……普通さ、壊れるんだよ。感覚が。おかしなことばっか起こるから」

男「……俺は、壊れてないのか?」

鳥「ああ。むしろ前より元気に見える」

 ◆◇◆◇

??「人は変わるんだよ、ヒトさん」

ヒト「変わる、ねえ。底辺男が一週間で人柄まで変わるとは、到底思えん」

??「一週間じゃないよ? あの二人は、一ヶ月以上一緒に過ごしてる」

ヒト「……」

??「一ヶ月もあれば、人柄も感情も、変わっちゃうよね?」

ヒト「あんた、余計な事してないよな?」

??「勿論。最前席で見てただけ。いたいけな少女を演じておりましたとも。結構普通に楽しんだよ!」

ヒト「……じゃあ、これから余計な事をするつもりは?」

少女「さあ? するかもしれないし、しないかもしれないな」

少女「男さん達に加勢したいなー。お話ししてて楽しいんだよ」

ヒト「そんなんで楽しいとか、お気楽だなあんたも」

少女「楽しみ方が歪んでるんだよ、ヒトも。猫も犬も」

ヒト「……犬の世界は面白かったのか?」

少女「全然。肝心の犬も私が出てったら黙り混んじゃうし」

ヒト「そりゃあ、第三者が勝手に入ってきて、ましてやそれがあんただってんなら焦るだろう」

少女「私が怖いとでも」

ヒト「十分怖いよ。犬が嘆いてたぞ、世界をぶっ壊されるんじゃないかと思ったって」

少女「まさかー。そんなことしないよ」

ヒト「どうだか」

少女「あそこで壊しちゃったら、面白くないもん」

ヒト「……」

 ◆◇◆◇

鳥「これでいつでも能力が使えるよ」

女「使いたいって、思うだけで良いんだよね?」

鳥「そう」

男「……なあ鳥」

鳥「ん?」

男「俺達は、助かるよな?」

鳥「……助けるよ。僕が猫を消す」

男「……」

鳥「だから、二人は逃げろ。死ぬな、殺すな。逃げ続けろ」

猫「はて、逃げられるのかな? 人間が、悪魔から」

女「……っ!」バッ

男「猫……」

猫「逃げてみろよ、私から、私達から」

??「おらあ! 開けろ!」

 ドンドンッ ガンガン

女「え……なに?」ビクッ

??「出てこいよ男! ぶっ殺してやる!」

店員「お客様! 落ち着いて!」

男「聞き覚えがある声だ……」

不良「俺だよ覚えてんだろ! ついこの間だもんな! 忘れてるなんて言わせねえぞ!」

男「……不良?」

警備員「やめろ!」バッ

不良「離せよ! こいつを殺さなきゃなんねーんだ」

警備員「なら尚更離せないな」

男「どういうことだよ……あんなに怒らせるほどの事したか? それになんでここが……」

猫「……怒りの増幅、感情のストッパーを一時的に外す能力だ。彼にも、殺人願望があったようでね」

男「ああなってまで、人を殺したいなんて思うか!?」

猫「私はただ、人を殺せる能力が欲しくないかと、そう言っただけだ」

男「俺の時とは全然違う! 詐欺じゃないか!」

猫「嘘はついてないさ。大体なんだ、お前、ヒトの心配なんてするようになったんだな」

男「……っ」

猫「あいつの事、殺したいって、思ってたろう?」

 コンコン

警備員「大丈夫かい? 開けてもらえる?」

男「あっ……」

猫「良いのかい? 開けてしまって」

男「……どういうことだよ」

猫「……」

男「…………今開けます」

 ガチャッ

警備員「……えっと、高校生?」

男「……はい」

警備員「出てきて平気だよ。もうさっきの子は連れてったから」

女「……」

男「女……大丈夫だよ」

女「ん……」

警備員「君も高校生……かな?」

女「……」コクッ

警備員「こんなことがあったすぐあとで悪いんだけど、事情聴取させてもらうね。……時間は平気かな?」

猫「時間なんてあるもんか」

男「……え?」

警備員「ん、どうかした?」

猫「時間なんて、待ってられるかよ」

 ドオオオオン

警備員「……っ!? 何だ!?」

店員「向かいのビルで爆発が!」

男「爆発……?」

青年「俺だよ! 俺がやった!」

警備員「……!」

青年「次はこっちだ! ここを爆破する!」

猫「爆薬を使いたがっていたようだったから、使わせてやることにしたんだ。良心的だろう?」

男「……テメェ……」

女「……男」ギュッ

男「……」

女「……」

男「逃げよう……。ここから出よう」

番外も早めに進めなきゃなあ。
そろそろテストがやって来る……勉強せねば……

(。-ω-)zzz

>>291
「黙り混んじゃうし」ではなく、
「黙り込んじゃうし」ですね。

……最近ミス多いな気を付けよう。
失礼致しました (。-ω-)zzz

味方が増えた、猫がボス化してきた、さてどうなる

しかし、さっきのを見る限り猫が扱えるのは「感情増幅」の能力なんかね?

能力が猫に効くかはどちらとも言ってないからいざとなればありったけの殺意を猫にぶつければワンチャン?

なかなか派手な展開になってきた

>>299
>>300
 能力についての考察、感想ありがとうございます。お久しぶりです……。

警備員「あーもう、次から次へと!」

青年「おっと動くなよそこの警官。今じゃ俺の方が上だ!」

警備員「……ちっ」クルッ

青年「誰も俺を止められねえぞ! 止めようとすんな! 全部吹っ飛ぶぜ!」

警備員「……さっきの子達が……いない」

青年「ひゃっ!」

警備員「……?」

青年「誰だ! 今俺に触った奴……。って何だ? 誰もいねえ……」

 ウィーン

青年「おい! 自動ドアから誰か出ただろ!」

A「……誰も出てない」

青年「……どういうことだ……?」

 ◆路地裏◆

男「はあ……はあ……」

女「……良かったの? あの爆弾男殺しちゃって……」

男「あいつを殺さなきゃ、関係ない人が死ぬだろ」

女「爆発させてから死ぬかもしれないよ?」

男「……」

猫「殺したね」

男「……っ!」

猫「あの青年は今日中に死ぬ。……しかし便利な能力を得たものだな女も」

女「……」

猫「透明化……。自分と、自分が見えなくしたいと思ったものひとつを透明にできる能力……」

男「どうでも良いだろそんなの……」

猫「良くないさ。これからの作戦に関わる」

男「……」

猫「所で、男はあの青年に能力を使ったわけだが」

男「……」

猫「今回の代償は……悲しみでいこうか」

男「……悲しみ?」

猫「何も悲しくなくなる。泣かないし、かわいそうとも思わない」

女「それって……」

猫「冷酷な人間になるのさ。そんな男を君は愛せるかな?」

女「……」

男「なあ女……、やっぱり」

女「大丈夫。好きだもん」

男「……っ」

猫「……そうかい」

 ◆◇◆◇

男「……代償を払った実感が無いな……」

鳥「そりゃそうさ。始めから無かったことになるんだもの」

女「入れ替わりで……」

鳥「男、もう絶対に能力は使わないでくれ。猫の思惑通りになる」

男「……分かってる」

鳥「……それと、猫に関して結構情報を集めたんだけど、もしかしたら、猫の本体は生きてるかもしれない」

男「……!?」

女「……本体?」

鳥「そう、本体。猫は多分、この時代に生きている人間だ」

というわけで、女の能力は透明化です。
やるべき事に一段落ついたので、更新ペースが戻る(かも)と思います。
どうぞよろしくお願いします(。-ω-)zzz

乙乙

ああ、なるほど、猫の本体は生命維持装置で繋ぎ止められてる系の植物人間か!?
だから「時間がない」「後少しなんだ」か
でも、悲しみ奪ったのは悪手だなぁ、これ
要は男が猫に同情する心失ったわけだし

面白くなって参りました

さあ、吉と出るか凶と出るか
てか男の性格で情けがなくなったら、なんかヤバい気がするんだなw

>>307
>>308
>>309
 コメントありがとうございます
 男の信頼度の無さは健在か……(笑)

男「猫は悪魔じゃないのか?」

鳥「契約したんだよ。悪魔と」

男「悪魔になりたかったのか?」

鳥「いや……生きたかったんだ」

男「生きたい?」

鳥「そう、生き続けるために契約をした」

ヒト「大正解」

男「……っ!」

ヒト「ブラボーブラボー。正解だよ。鳥の勝ち」

鳥「……」

ヒト「でも、良く分かったね。今の短時間にちょろっと人間界を離れただけなのに、どこで調べたんだい?」

鳥「……情報悪魔」

ヒト「……え?」

鳥「情報悪魔に聞いたんだ。あいつは何でも知ってる」

ヒト「なるほどね……。今日はあいつの活動日だったのか……」

鳥「すんなり教えてくれたよ。猫が人間であるってことも、猫の本体の居場所も」

ヒト「盲点だった。数十年の内、一、二回程度しか活動しない悪魔の事なんて、すっかり忘れてたよ」

鳥「……僕の勝ちだ。猫を消せ」

ヒト「……そうしたいんだけどね……」

鳥「なんだよ?」

ヒト「残念ながら、厄介なのが来ちゃったんだ」

少女「それ、私の事?」

鳥「……っ!」

少女「……久しぶり。男さん、女さん」

男「……久しぶり?」

少女「そっか、覚えてないんだった……」

男「……会ったことがあるのか?」

少女「うん。貴方が覚えてない二日間の中で」

男「……」

少女「さて、ここまで来たら全員集合で良いんじゃないかな? ヒトさん、犬と猫も呼んで」

猫「……いるよ」

犬「同じく」

女「……さっきから何で気づかない間に……」

少女「悪魔だからだよ、女さん。……それにしても野次馬とは関心しないなお二方」

猫「……」

少女「まあいっか。でも、ちょっと待って。多分、もうひとつ別のところに野次馬が集まりそう」

男「……?」

少女「さっきのインターネットカフェの方、路地から顔出して見てみなよ」

男「何でまた……」スッ

 ドオオオオオオオン

女「爆発!?」

 ザワザワ

少女「女さんの言った通り、爆発させてから死んだね。……猫、解説どうぞ」

猫「……」

少女「おーい」

猫「……前に説明したはずだ。人前で能力を使っても、その場では死なない。それはつまり、能力で殺した相手は、その日の内に行ける最も人目につかない場所で自殺するということなんだ」

男「……あいつは?」

猫「あいつの寿命は、今だったんだよ。能力を使った日が、そいつの寿命と一致したら、寿命までに人目につかない場所に行く。でもあいつにはもうそれは無理で、能力が意味を成さなかった」

男「それで、皆を巻き込んで死んだのか」

女「助けらなかったね……」

男「……まあ、仕方ないか。つまり、あそこに居た奴等も、寿命ってことだろ?」

猫「そうだ」

男「じゃあ何も問題はないな」

女「……ちょっと男」

男「ん、何?」

女「……ああ、そういうことか。悲しみがないって……」

男「何言ってんだよ。奪われたっていっても、やっぱり悲しいものは悲しいさ。でも仕方ないよね」

女「自覚がない……ってことか」ボソッ

少女「……さて、答えはほとんど全て出揃ったけど。……どうしようか、ここで終わりにする?」

猫「……もう好きにしろ。どうせ無かった命だ」

少女「そう、じゃあお終い。猫は処分して、鳥の勝ち。男さん達は帰って良いよ。契約は破棄」

鳥「待てよ、終わってないだろ」

少女「……何が終わってないって?」

鳥「あんた、すっとぼけんなよ。犬の空間に入ったのも知ってる。少女は空間を移動できるんだろ?」

犬「……」

少女「……?」

鳥「あんたの事、前々からヤバイやつだと思ってたけど、まさか悪魔のトップだったなんてな」

少女「……」

鳥「最初はヒトと猫が契約したもんだと思ってた。でも、本当はあんたなんだろ? なあ猫」

少女「……喋ったのか」

猫「喋ってない」

鳥「何も聞いてないよ。ただの勘だ」

少女「……私が契約主だというのと、空間移動、何が関係ある?」

鳥「普通、悪魔には出来ないことがある。嘘をつくことと、人間に直接危害を加えること。普通の悪魔なら、このルールの縛りを受ける」

少女「……そうだな。困ったものだ」

鳥「あんたと悪魔は、それが出来るだろう?」

猫「……」

鳥「猫は嘘もついてたし、前に憑いてた人間の友達をぶん殴った事があった。何で出来るのか疑問だったんだよ」

少女「……情報悪魔から聞いたのか?」

鳥「ルールだけな。後は推測だ。それと……実はもうひとつ、本来出来ないことがある」

少女「……」

鳥「悪魔自身が能力を使うこと」

少女「……ほう」

鳥「猫もあんたも、使えるだろ?」

前作で、猫は世界まる見えが好きと言ってましたが、あれも人間らしさの伏線です。

……嘘です(笑)

(。-ω-)zzz

黒幕がヒトじゃない…だと…!?
てか味方と思ったのが黒幕て…どんでん返し過ぎ

面白いよこれ

情報悪魔の有能さよ

>>319
>>320
 ありがとうございます!
 情報悪魔は、まあ万能感ありますよね(笑)

鳥「何で猫と少女だけ出来るのか。少女が悪魔のトップで、自由に能力を使えるようにしているのなら、まあそれは納得できる」

少女「……」

鳥「だが、何で猫が使える? 普通の悪魔だっていうのに」

猫「……私がいつ使った」

鳥「さっき言った、ぶん殴ったとき。……それと、男の妹を眠らせたときだ」

男「あっ……そういやあったな……」

少女「……仮に、私と猫が能力を使えるのだとして、それにはひとつ確定していない前提が必要じゃないか」

鳥「……」

少女「私が、悪魔の頂点であるか否か」

鳥「ああ、それね。別に認めないなら認めないでも良いさ。勝手にそう思ってるよ」

少女「ならば、この話はここで終わりじゃないか。終了、結局はお前の絵空事で終わりだ」

少女「さっき自白してしまったから、私が猫の主人であることは認めよう。ただ、それ以外はお前の勝手な……」

鳥「辻褄が合うんだよ。残念なことに」

ヒト「……いい加減、その辺にしておいたらどうだ」

鳥「おっと、ヒト。その発言は悪手だぞ」

ヒト「……何が言いたい」

鳥「すぐに行きたいんだよな? まだ元気に生きている猫の本体のところに」

少女「……お前、図に乗るなよ」

鳥「男、女。猫の本体はここから一番近い美術専門学校だ。名前は、“オトコ”」

男「オトコ……」

女「行けば良いの?」

鳥「ああ、能力者が介入すると、寿命がネジ曲がって、伸びることがあるんだ。猫を助けろ」

猫「……」

鳥「なあ、猫」

猫「……」

鳥「どっちが良い? 処分されて死ぬのと、もう一人の、同じ道を辿ろうとしている自分を助けるの。……お前はどっちを選ぶ?」

猫「……」

少女「……行ったら、分かってるよな?」

鳥「人間界に降りている悪魔は、明確な実体がない。悪魔の実体は、悪魔界の本体であり、人間界に居る限り、ルールを破らない限りは他の勢力の影響を受けない」

少女「……っ!?」

鳥「少女、今のあんたじゃ猫は消せない。猫が人間界に居る限りは猫はルールに守られるんだよ」

猫「……」

男「……どうすんだ」

猫「……っ」

猫「……助けてくれ。俺を」

女「じゃあ、行きますか」

男「そうだな。……猫、ちゃんと今の状況を説明してくれよ?」

猫「…………」

鳥「……後は任せろ」

猫「……まさかこんな日が来るとはな」

鳥「これも少女の計算の内じゃなきゃ良いんだけど」

猫「……ありがとう」タッ

少女「……」

鳥「さて、あんたには話したいことが山程ある」

ヒト「……行くぞ、犬」

犬「いや……」

ヒト「……どうした」

犬「俺は降りるよ」

犬「正直、ここまで大事になるだなんて聞いてないからな。俺は降りる」スッ

ヒト「おいっ!」

少女「構うな、放っておけ。元々犬は男と女を恋仲にするために呼んだんだ。もう居なくても構わん」

ヒト「……」

鳥「さて、どこから話したものか」

少女「……満足か?」

鳥「ん?」

少女「猫を手中に入れ、お前は満足なのか?」

鳥「あー、何というか、勘違いしているようだけど」

少女「……」

鳥「僕はただ、猫が本来選ぶべき道を作っただけだ」

少女「……反吐が出る。ヒト、猫のところに行け」

ヒト「……はい」スッ

 ◆◇◆◇

男「……重いんだけど。お前はピカチュウか」

猫「肩に乗るくらい良いだろうに」

男「……助けられるって分かったら寝返ってさ。お前は自分の都合でしか動かないんだな」

猫「人間なんてそんなもんだ。私は自分を助けるためにお前を殺そうとしてたし、今は自分を助けるためにお前の見方になった」

男「……悪魔じゃなかったのか?」

猫「悪魔であり、人間だ」

女「……てっきり、男は手を貸さないと思った」

男「なんで」

女「悲しみがないから」

猫「……人間は悲しみそのものが、悲しいという感情を作っている訳じゃない。悲しみが消えた程度じゃ、大した変化は起きないんだよ」

男「……さっきの話、全然わからなかったんだが、どういう話だったんだ?」

猫「……実を言うと、私もよく分からん。恐らく鳥が、隠されていたことを調べたのだろう」

男「お前を助ければ良いのは分かったんだ。でも、どうしてお前は、自分を助けずに、俺に攻撃してきてたんだ?」

猫「……契約だよ。守らなければ殺すと……。だが、実際にはそんなこともなく、私を少女が殺すのは不可能だったらしい」

男「さっき鳥が読み上げていたルールか?」

猫「……ああ」

男「……複雑なことは鳥に聞いた方が早そうだな」

猫「そうしてくれ。私も今、頭の中がぐちゃぐちゃだ」

今、物凄く面倒臭い事を書いてますが、大丈夫ですかね……。
分かりやすくなるべく丁寧に紐解いていこうとしてるのですが、難しい……。

(。-ω-)zzz

なんか、すごい展開に…
これは、今の「猫」はいずれたどる道の「オトコ」で、つまり猫は未来で死んだオトコだけど延命するために少女と契約して過去に介入して悪魔の真似事してた…?
まさかの猫タイムトラベラー

なかなかに面倒くさいけど、それがよし
どっちが競り勝つかなあ

>>330
>>331
お久しぶりです。間がちょっと開きました。
どちらが勝つかの決着の前に、何故現在に至るのか。それを説明しなければなりません。

……オトコ【猫】のお話が動きます。

◆二月十二日・金曜日・専門学校◆

講師「おー中々良い絵じゃないか」

オトコ「あ、ありがとうございます」

講師「自主製作だろ? どこかに応募したりするのか?」

オトコ「いえ……そのつもりは無いです」

講師「なんだー勿体無いな。私が良いコンクールを探しておこうか?」

オトコ「そんな、悪いですよ」

講師「気にするな。色んな事にチャレンジするのも大切だ」

オトコ「……そうですかね」

講師「そうだ」

オトコ「……じゃあ、お願いします」

◆駅◆

姉「あ、遅いよー」

オトコ「時間通りだろ」

姉「まあ、オトコにしては早い方かな。いつも絵を描くのに夢中で遅れてくるから」

オトコ「いや、だから約束の時間に間に合ってるんだから、早い方も何もないだろ」

姉「はいはい、ごちゃごちゃ言ってないで行くよ」

オトコ「……どこに?」

姉「ゲーセン」

オトコ「はあー? 今から? もう夜だぞ」

姉「子供じゃないんだから別に良いでしょそんなの」

オトコ「姉貴、今就活中だろ? そんなことしてて良いのかよ」

姉「いいのいいの。息抜きも大切でしょ?」

オトコ「……」

◆ゲームセンター◆

姉「うわー……リズムゲームの人たち凄いね……」

オトコ「この時間帯は猛者が集まるんだろ」

姉「……私達は何しようか」

オトコ「姉貴の好きな奴で良いよ」

姉「プリクラでも撮る?」

オトコ「嫌だよ姉弟でそんなの。恥ずかしいわ」

姉「じゃあ決定。プリクラにしよー」グイッ

オトコ「お、おい……」

姉「オトコは変顔ね」

オトコ「それだけは絶対にやんねえ!」

 ◆◇◆◇

オトコ「はあ……疲れた」

姉「写真出てきたよー」

オトコ「はいはい」

姉「いらないの?」

オトコ「持っててもしょうがないし」

姉「……」

オトコ「……何だよ」

姉「……やっぱ、気持ち悪い?」

オトコ「……いや、別にそういう訳じゃ」

姉「週一でオトコに会えるだけでも凄い嬉しいんだよ……ずっとオトコのこと考えてるし……。こんな姉弟、気持ち悪いよね?」

オトコ「……」

オトコ「……帰る」

姉「……えっ」

オトコ「今日は帰るよ」

姉「待って、ホテルは?」

オトコ「行かない」

姉「ごめん、変なこと言ったから……」

オトコ「別にいいよそんなの。今に始まったことじゃないし」

姉「ねえ、行こうよ。お願いオトコ! 私オトコが居ないと……」

オトコ「うるさい」

姉「……っ」

オトコ「来週は、会うから。それで良いだろ?」

姉「……」

今回からオトコを主軸に、謎解きをしながら猫となり男と協力関係になるまでを書いていこうと思います。
鳥達に延々と説明させるよりは分かりやすいでしょう(多分)。

更新ペースを上げたい……(。-ω-)zzz

オトコの姉といい、男の妹といい、こじれておるな

>>339
 男の妹はまだツンデレ感を出してましたけど、こっちの姉は……(笑)

 ◆◇◆◇

彼女「あれ、オトコじゃん」

オトコ「……なんだお前か」

彼女「今からお姉さんと会うの?」

オトコ「いや、もう会って来たんだ」

彼女「……? いつも週末はオトコの家に泊まってるんでしょ?」

オトコ「…………」

彼女「……?」

オトコ「なあ」

彼女「ん?」

オトコ「……俺さ、お前の事が大好きなんだよ」

彼女「え、何急に気持ち悪い」

オトコ「……もう駄目だな、何か。人を好きになるってのがよくわかんねぇや」

彼女「……何かあったの?」

オトコ「週末姉貴と会うってさ、変だと思わないか?」

彼女「んー、アタシも兄ちゃんと仲良いし。面倒見が良いお姉さんなのかなーって」

オトコ「……姉貴が、俺を好きだとしたら? 依存してたら?」

彼女「……えっと」

オトコ「俺と……。俺と寝るような関係だったら?」

彼女「寝る……って……」

オトコ「気持ち悪いだろ?」

彼女「……」

オトコ「……気持ち悪いって、言ってくれよ……」

彼女「……ねえ、オトコ」

オトコ「……?」

彼女「久し振りに。……アタシの家、行こっか」

◆彼女の家◆

オトコ「俺の家でも良かったのに」

彼女「弟さんいるんでしょ? それにお姉さんがそっち行ったかもしれないじゃん」

オトコ「……そう、だな」

彼女「夕飯はまだ食べてないの?」

オトコ「うん」

彼女「じゃあ作りますかな。ちょっと待っててねー」

オトコ「……悪いな」

彼女「良いの良いの」

オトコ「……」

彼女「しかし、まさかの姉弟恋愛ねー」

オトコ「俺は、嫌なんだけどな」

彼女「弟さんは知らないんでしょ?」

オトコ「ああ、お前と会ってると思ってる」

彼女「嘘ついて私と会わずに他の女とお楽しみですもんねー」

オトコ「……他の女ったってなあ」

彼女「冗談冗談。あ、オトコってネギ嫌いだっけ」

オトコ「……よく覚えてるな」

彼女「まーねー」

オトコ「……何でこんな関係になったんだろうな。昔は姉貴、普通だったのに」

彼女「弟さんは好きにならなかったの?」

オトコ「あいつは姉貴の事嫌いだから。姉貴もそれを知ってて好意的には近寄んない」

彼女「じゃあオトコはお姉さんのこと好きなんだ?」

オトコ「ちげーよ、そうじゃないだろ」

彼女「でも、突き放せないんでしょ?」

オトコ「……」

オトコ「姉貴との距離感が分からなくなってきてたんだよ。なのに、今日急に気持ち悪いかなんて聞いてきてさ……」

彼女「オトコはどう思ってるの?」

オトコ「……気持ち、悪いって。やっぱり少し思ってる」

彼女「……ねえ、オトコ」

オトコ「……ん?」

彼女「私がオトコの事を好きなのって、気持ち悪い?」

オトコ「……お前は、違うだろ。肉親とか、そういう関係じゃないんだから」

彼女「でも、好きになっちゃうんじゃない? 肉親でも。肉親だと気持ち悪い?」

オトコ「……気持ち悪い、だろ。一般論では」

彼女「じゃあ、そう言いなよ」

オトコ「……え?」

彼女「お姉さんに、肉親でこういうのはおかしいって。はっきり言いなよ。オトコは気持ち悪いと思うんでしょ? あやふやのままで今の状況になったんでしょ?」

オトコ「……」

彼女「……言った方が良いよ」

オトコ「……なんか、敵わねえな。お前には」

彼女「何が?」

オトコ「てっきり、好きになるのに肉親とか関係ないから謝るべきみたいなこと言われるのかなって」

彼女「オトコは悪くないよ。だからそんな事言わないよ、アタシは」

オトコ「……」

彼女「でも、お姉さんも悪くない。だから、謝るんじゃなくて、正直に話すべきだって。そう思った」

オトコ「……少しして、姉貴が落ち着いた頃に話してみるよ。ありがとな」

彼女「どういたしまして」

オトコが彼女の家に行ったのは、時間軸的に言うと、男が女に告白されて家で悶々としているときですね。
彼女とオトコで恋愛ものが書けそう(笑)

(。-ω-)zzz

もつれてるなぁ

>>348
 自分で書いてて、この作品の人間関係怖いなあとか思ってます(笑)

彼女「さ、出来ましたよ」

オトコ「何でしょう」

彼女「ほいこーろーです」

オトコ「うわ、俺好きなんだよ回鍋肉」

彼女「前言ってたの覚えてたんだー」

オトコ「なにそれ、めっちゃ嬉しいんだけど」

彼女「あとは味噌汁とご飯。さー食べよ食べよ」

オトコ「いい嫁さんになるよお前は。絶対」

彼女「誰の?」

オトコ「……まあ、その……出来れば、俺だったら良いかななんて……」

彼女「……そこははっきり言って欲しかったなー。……でもありがと」

◆二月十三日・土曜日◆

彼女「……オトコ、起きて」

オトコ「……んー」

彼女「朝ご飯、パン焼くけど。コーヒーとか飲み物いる?」

オトコ「…………ああ、そっか。今日はお前の家か」

彼女「そうだよ。愛しき彼女の部屋ですよ」

オトコ「……あ、飯作るの? 手伝おうか?」

彼女「昨日は手伝ってくれなかった癖に」

オトコ「うっ……ごめん」

彼女「まあ、手伝うより先に着替えてよ。まさか全裸のまま手伝う気?」

オトコ「あ……そうだった」

彼女「寝ぼけてんの?」

オトコ「いや……」

オトコ(土曜にまともな朝飯食うって久し振りだな……)

彼女「今日はどうするの?」

オトコ「どうするって?」

彼女「休みじゃん。遊ぼうよ」

オトコ「あーそうだな。確かバイトもないし」

彼女「おーラッキー。どっか行こっか?」

オトコ「どこか行きたいところあるの?」

彼女「……んー、オトコがいるところ、かな」

オトコ「じゃあ家でゲームでもするか」

彼女「今のは照れポイントですよー」

オトコ「甘いな。その程度じゃ俺はもう照れないぜ」

彼女「……裸エプロンにでもなれば照れるかな?」

オトコ「目に毒だわー」

彼女「昨日さんざん人の裸見たくせに」

彼女「はい、パン。ジャムとか塗る?」

オトコ「マーガリンとかない?」

彼女「っと、確かあったはず」

オトコ「じゃあマーガリンを」

彼女「ほーい」

オトコ「……さて、どうしよっか今日」

彼女「特に行きたいところ決めずにぶらぶらしますか?」

オトコ「それも良いかもな。天気も良好だし」

彼女「マーガリンおまち。いただきまーす」

オトコ「頂きます。じゃあ今日は散歩でもしますか」

オトコ「あ、俺服が昨日のやつのままだけど」

彼女「一回取りに帰る?」

オトコ「そうだなー。帰ってシャワー浴びて……」

彼女「じゃあどっかで待ち合わせしようか」

オトコ「いいよ。俺がここに戻ってくれば」

彼女「でも二駅分じゃん。遠いよ」

オトコ「そうか……。じゃあ学校の最寄り駅で十時に待ち合わせよう」

彼女「りょーかい」

オトコ「デートなんて久々だな」

彼女「平日は学校で会うからねー」

オトコ「なんか、楽しみになってきた」

彼女「ふふっ、子供みたい」

オトコ「心が清い少年だから俺」

◆オトコの家◆

弟「お帰り」

オトコ「ただいま。……俺またちょっと出るわ」

弟「姉貴が昨日ウチに来たんだけど」

オトコ「……っ!?」

弟「なんかこの辺寄ったからついでに来たって言ってた。飯食う場所探してたんだって」

オトコ「……それで、どうした?」

弟「カップ麺食わせたら帰った。兄貴に用があったんだろ多分」

オトコ「……そうか。後でメールでもしとくよ」

弟「……」

オトコ「お前は今日家にいるのか?」

弟「……多分出掛ける」

オトコ「……戸締まりしっかりな」

弟「……餓鬼じゃねえんだからそのくらい分かるよ」

オトコ「一応な、一応。……シャワー浴びてくる」

弟「……ん」

 ガチャッ

弟「兄貴ー」

オトコ「んー?」

弟「俺今から出るわー」

オトコ「ん、おー。分かった。いってら」

弟「…………ったく、戸締まりとかいちいちうるせえんだよ」ボソッ

◆公園◆

彼女(ちょっと早かったな……? いや、ちょっとどころじゃないか……)

彼女(十時まで余裕ありすぎた。駅でボーッとしててもしょうがないけど、公園ですることもないよなあ)

弟「よー、男」

男「え……?」

弟「なにしてんだ公園で」

男「いや……別に。何か買いたいなーって」

弟「何かって。決めてねーのかよ」

男「まあ……」

弟「俺も暇なんだけどさ、一緒にどっか行かね?」

男「いや……」

弟「良いじゃん良いじゃん。行こうぜ」ガシッ

彼女(あの絡んでる方、どっかで見た気がするな……)

彼女(あー、連れてかれた……)

彼女(大丈夫かなあ?)

彼女(……)

彼女(私も一応そろそろ行こっかな)

猫「にゃー」

彼女「ん?」

猫「にゃあー」

彼女(野良猫?)

少女「もー駄目だよ、猫」タッタッタッ

彼女「……えっと、この子、飼ってるの?」 

少女「うん、飼ってる」

彼女「リードもつけないで散歩?」

少女「そーだよ」

彼女「……へぇー、よく逃げないね」

彼女「でも何で私にすり寄って来たんだろ」

少女「さぁー? なんでだろうね。おねぇちゃんが可愛いから好きになっちゃったのかも」

彼女「はははっ、なにそれ。嬉しいな」

少女「それか、元々好きとかね」

彼女「……えっと、どういう意味?」

少女「何でもないっ。行くよ猫」

猫「……にゃ」

少女「じゃあね、おねーちゃん!」

彼女「うん、気を付けてね」

少女「おねーちゃんもね。死なないように」

彼女「忠告が重い……。うん、気を付けるよ」

猫「……」

彼女「何か、不思議な子達だな……」

少しずつ繋がっていきます。
脇役の不良は、オトコの弟でした。

(。-ω-)zzz

あー、さり気に鳥が弟死ぬの防いでたのね

>>361
 結果的にはそうなりました。

◆駅◆

オトコ「よー、早いな」

彼女「することなくて」

オトコ「じゃあどこ行こっか」

彼女「んー。どうしよっかね」

オトコ「ショッピングモールとか行けば、そこそこ楽しめるんじゃないか? 何か見たいものとか見てさ」

彼女「そうだねー。じゃ、お昼くらいまでブラブラしますか」

オトコ「了解。俺は家で休んでるよ」

彼女「おっとびっくり」

オトコ「動きたくないー」

彼女「何で家から出たし」

◆ショッピングモール◆

彼女「あー、明日バレンタインだなあ」

オトコ「そうみたいだね」

彼女「欲しい?」

オトコ「いや、吐くからいらない」

彼女「……吐くの?」

オトコ「冗談だよ」

彼女「あー、良かった。もう準備してあるんだ」

オトコ「じゃあ楽しみにしてます」

彼女「ふっふっふ。期待しておれ」

オトコ「服とか見れば? もう二月だけし、春ものとか売ってるでしょ」

彼女「あー、そろそろ準備しなきゃか」

オトコ「見に行く?」

彼女「んー、じゃあ男はあっちのお店で、私はこっちね」

オトコ「……えと、逆じゃない? 俺が女物見て、そっちが男物見るの?」

彼女「相手に似合うものを選びましょう」

オトコ「……そういうね。お金は?」

彼女「選ぶ人の自己負担で」

オトコ「一番安いのにしよ」

彼女「なんか聞こえたぞー」

オトコ「可愛いのを選べるように精進しますって言いました」

 ◆◇◆◇

店員「いらっしゃいませー」

オトコ(うわー。あの店員さん肩とふとももがっつり出てんなー。彼女に着せたら恥ずかしがりそうだなー)

店員「……!」

オトコ(やべ、目が合った)

店員「何かお探しですかー?」

オトコ「……あー、はい。ちょっとプレゼント用に」

店員「彼女さんですか?」

オトコ「そうですね」

店員「可愛い系とか、何か彼女さんが好きそうなタイプの服ってどんなのですかねー」

オトコ(おばさん系とは言えない)

店員「それか、彼氏さんが着て欲しいって思うものだったり」

オトコ「……っと、ミニスカート?」

 ◆◇◆◇

彼女「どーれが良いかなー」

店員「お探しの商品とか、何か御座いますか?」

彼女「あっ、えっと、あげる用に」

店員「どのような方に?」

彼女「同じ年齢の、付き合ってる人に……」

店員「明日バレンタインですからねー」

彼女(バレンタイン用じゃないけどめんどくさいし良いや)

店員「僕の今着ている服とか、一応この店で売ってる人気商品を入れてるんですけど。何かこういうのが良いとかあります?」

彼女(定年迎えた貫禄のあるおじさんみたいな地味なかっこよさでとは口が裂けても言えない)

店員「それか、着て欲しいものとか」

彼女「そうですね……」

 ◆◇◆◇

彼女「お待たせ」

オトコ「おー。はい、買ってきたぞ」

彼女「はい私からも」

オトコ「どうする? 今開ける?」

彼女「そうだねー。別に隠すものでもないし」

オトコ「じゃあ俺から開けて良い?」

彼女「どうぞどうぞ」

オトコ「よっ、と……。無地ティーシャツと……ってこれだけ?」

彼女「うん」

オトコ「しかもちょっとでかいし」

彼女「何かだらっとしてる感じで可愛いかもなーって」

オトコ「……それはあれか。無気力系ってやつか」

彼女「別に意識した訳じゃないけど、オトコってどちらかと言うとそんな感じじゃん?」

オトコ「そうかなあ? まあ俺のも開けてみてよ」

彼女「さー、何が出るか……ってこれ」

オトコ「似合うかなーって」

彼女「ムリムリ! これは恥ずかしいよ……」

オトコ「なんで」

彼女「脚が出るじゃん」

オトコ「俺見たいけど」

彼女「家でいつも見てるじゃん……」

オトコ「恥ずかしがってるの、可愛いだろうなーって」

彼女「……むー。前言撤回。無気力じゃなくて変態だった」

オトコ「いや変態ってそんな」

無気力系とかいう言葉ほど「ただしイケメンに限る」が合うものは無い気がする。

これでも全速力で風呂敷をたたみにかかってます。
もうしばらくお付き合のほどをよろしくお願い致します。

(。-ω-)zzz

無精ひげとか俺様とかもね

イケメン爆発するべし慈悲はない

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月21日 (月) 21:30:45   ID: 314EvfjW

面白い

2 :  SS好きの774さん   2016年03月21日 (月) 21:45:04   ID: 314EvfjW

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