魔王「腹が減った。何か食おう。」 (54)

魔王「(人間の勢いが活気付いている………。)」

魔王「(今日はそれを調査すべく魔王とバレないように侵入した。)」

魔王「(しかし何だこの人の多さは………。)」

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魔王のグルメかな?

魔王「(男の髪が色々と個性的、女は肌を露出している………。)」

魔王「(我々魔族とは全然違うなあ………。)」

魔王「ここの場所さえわかれば………。」

魔王「(人間は“交通機関”と呼ばれるもので移動しているらしいな。)」

魔王「(適当にルーラで飛んでみたが、人間の数が多い………。)」

魔王「(とりあえず歩き回るか………。)」

魔王「(しかしここの街は今まで見てきた中でも非常に発展している。)」

魔王「(俺が知っている中では船か馬車かルーラで飛ぶくらい………。)」

魔王「(人間の速さとは思えないものが大量に走っているぞ………。)」

魔王「建物も高いやつが多いなあ………。」

魔王「ん……?」

魔王「(でかい建物の中で一際でかい。そして人の出入りが激しい。)」

魔王「字、字が読めない………。」

魔王「(ちぃ………、どこの文字だ………?)」

魔王「(解析コードを使わなければ……。)」

魔王「………。」

魔王「………。」

魔王「………。」

魔王「んんん………。」

魔王「んん………。」

魔王「わからん………。」

魔王「(かなり特殊な言語と見たが………。)」

魔王「………。」

魔王「(あ、あった………。)」

魔王「(これで解析終了。)」

魔王「(これでここの言語に苦慮することなく理解できる。)」

魔王「は、か、た、え、き………、博多駅、か………。」

魔王「(ここの場所は人間にとって余程と言うくらい重要な拠点に違いない。)」

魔王「(あんな大量な人間が出入りしているから防衛拠点はないだろう。)」

魔王「(さて、別の場所も探してみるとしよう。)」

魔王「(うーん。やはり街中に来ているせいか緑が少ない。)」

魔王「(街路にある木がところどころあるのみ、か……。)」

魔王「(しかしここの人間は俺が魔王だとは全然気がつかないのか………。)」

魔王「(やけに平和ボケしているようにも見えなくもない。)」

魔王「(俺のいる世界とは大違いだ。)」

魔王「(一歩道を外すと閑静な緑の芝生も見えるのか。侮れないな。)」

魔王「(しかしお金は予め調達したのはいいのだがここの情報を全く掴めていない。)」

魔王「ううーん………。」グー

魔王「(なんか歩くとお腹がすいてきたな………。)」

魔王「(こんな見ず知らずの土地で魔王の俺が何を食べようか………?)」

魔王「」



魔王「 」



魔王「  」

期待

明らかにドラマのゴローちゃんのポンポンポンじゃねぇかw

腹が減っているだけなんだ

ラーメン食いてー

これは期待

魔王「(よし、おいしい食べ物のあるお店に行くとするか。)」

魔王「(しかしここの人間がどういうものを食べるのかがわからない。)」

魔王「(こういうものはしばらく様子を見てから決めるものだな………。)」

魔王「(魔王の自分でも食事が出来そうな場所がいいな………。)」

魔王「どこがいいかな………。」

魔王「(焼肉か………。)」

魔王「(オークの肉はうまかったが流石に食べ過ぎると離反を招きかねない。)」

魔王「(ここは我慢我慢。)」

魔王「(うーん、からくに料理店………。)」

魔王「(鼻にツンと来るにおい、食欲をそそる……、しかし、どうもな………。)」

魔王「(あの店はこじゃれたお店だ。しかし、黒の服を着た俺とは相性は良くないだろう。)」

魔王「(誘惑はでかいが俺にあう店がなあ………。)」

魔王「(スナックありさ………、場末の店はやめておこう………。)」

魔王「(こう考えるとお店は多いけどもどんな内容の店なのかわからないのも多いな………。)」

魔王「(牛丼の吉野家か………。)」

魔王「(ん?牛丼のすき家?)」

魔王「(牛丼って牛の肉を使った食べ物なのか………。)」

魔王「(ミノタウロスが五月蝿いだろうな……。)」

魔王「(あいつら俺の食事にまでケチをつけやがって。)」

魔王「(おかげでベジタリアンになりかけてしまっている。)」

魔王「(ここは肉料理で攻めたいのだが………。)」

魔王「(んん………?あれは焼き鳥屋……?)」

魔王「(嗅覚へ訴えるこの匂い、惹かれるものがある。)」

魔王「(しかし、あの量ではお腹は満たされないだろう。)」

魔王「(もう少し歩いてみよう。)」

………

……


魔王「(おや?)」

魔王「(荷台の周辺に人が集まっている?)」

魔王「(何なんだあれは………?)」

魔王「(屋台らーめん はつらつ屋)」

魔王「(うーん、屋外で人間が寄せ合って食べるのか。)」

魔王「(あっちにもあるなあ………。)」

魔王「(井上家………)」

魔王「(屋台 麺助)」

魔王「(本場博多ラーメン 筑前亭)」

魔王「(老舗長浜ラーメン 城南屋)」

魔王「(色々な名前の屋号を持った店があるんだな………。)」

魔王「(ああああ………、肉が食べたい………。)」

魔王「(しかしここは我慢をしよう………。)」

魔王「(今日はラーメンに賭けるとしよう。)」

魔王「(目についたところがいいな………。んん?)」

魔王「(本場博多の里 吉良綺羅丸)」

魔王「(なかなか面白いネーミングだ。)」

魔王「(こういう屋号、悪くはない。)」

魔王「(今日の獲物はここだ………。)」

乙!

大将「いらっしゃいませー。」

魔王「(んー、今まで味わったことのない雰囲気。)」

魔王「(店主の顔が異様に近い。)」

魔王「め、メニューは?」

大将「メニュー?うちは基本自家製のとんこつをベースとしたラーメンしか置いてないよ。」

魔王「じゃあ、ラーメンを1つ。」

大将「あいよー、ラーメン一丁。」

弟子「ラーメン一丁アリガトウゴザイマース。」

魔王「(なんだあの親父………。)」

魔王「(ここが魔界だったら焼き切ってくれる………。)」

魔王「(ん?メニューあるじゃないか。)」

魔王「(餃子………、餃子って何だ………?)」

魔王「(あとは………、焼き鳥もあるのか。)」

大将「ところでトッピングはどうすんね?」

魔王「トッピング?」

大将「そそそ、その中から好きなのを選んで。」

魔王「わかりました。」

魔王「(ねぎに生卵にチャーシューにきくらげ、明太子にもやし………。)」

魔王「(うーん、チャシューは豚肉か。)」

魔王「(オーク許してくれ………。)」

魔王「えっと、トッピングは……、チャーシューと……、ねぎともやしでお願いします。」

大将「あいよ。」

魔王「それとですねえ………、餃子と鶏の軟骨唐揚げと焼き鳥をください。」

大将「あいわかった。」

大将「ラーメンの硬さはどうするん?」

魔王「あ、ああ……、普通で。」

大将「ところで兄ちゃん。」

魔王「はい?」

大将「兄ちゃんは酒は呑まんとね?」

魔王「呑めますよ。何かあるんですか?」

大将「日本酒、焼酎、ビールがあるとよ。まあ酒置いてない屋台もあるがな。」

魔王「そうなんですか?」

大将「まあ色々と五月蝿いんだよ。」

魔王「は、はあ………。」

大将「とりあえず焼酎だけでも米、麦、そばの3種は置いてある。」

魔王「ほう……。」

や、やめろ…こんな時間に……

大将「芋と黒糖は置いてないが、それもうまいぞ。」

魔王「味わってみたいものですね。」

大将「九州産の酒は美味い、他の蔵元には負けんと思うよ。」

魔王「へえ………。じゃあそば焼酎の『雲海』をください。」

大将「あいよ。」

弟子「大将、デキアガリマシタ。」

大将「よし。」

飯テロか

乙!

大将「あー、聞きそびれたけども焼き鳥、塩とタレ、どっちがいい?」

魔王「じゃあ、タレで。」

大将「じゃあ先に餃子ね。」

魔王「ありがとうございます。」

くっそこんな時間に飯テロとか…
…面白いです

こんな時間に更新とはおのれ魔王

魔王「(これが餃子か………。)」

大将「餃子はタレをつけてね。」

魔王「タレを?」

大将「タレつけないの?」

魔王「いつもタレをつけずに食べるもので。」

魔王「(本当は餃子を見るのは初めてなんだけどね。)」

乙!

魔王「いただきます。」

魔王「(とりあえず食べてみよう。)」

大将「あ、そうそう忘れてた。」

魔王「(まだあるのか。)」

大将「ラー油をつけるのも悪くないよ。」

魔王「ラー油?」

大将「うむ。」

魔王「なるほど。」

魔王「(餃子にラー油、なるほど。)」

魔王「(食べてみよう。)」パク

魔王「!!!」

魔王「(これはうまい………。)」

魔王「(肉汁がラー油にしみてうまみが掻き回されいる……。)」

魔王「(タレにも餃子をつけてみよう。)」

魔王「(味はどうかな………?)」パク

あっちもこっちも餃子かよ()

魔王「うまい………。」

大将「だろ?」ニマ

魔王「ええ………。」

弟子「…………。」

魔王「(うーん。大将の笑顔と弟子の無愛想、両極端で面白い。)」

魔王「(しかしこの餃子うまいな……)」

大将「あとこれ雲海ね。」

魔王「ありがとうございます。」

大将「ちょいといってみ?」

魔王「ではちょいと」

ダメだ、この魔王がどうしても俺の頭の中でドラマ版ゴローちゃんになってしまう

魔王「」ゴク

魔王「うん、うまい。」

魔王「癖がないんですね。」

大将「そうなんよ。だから飲みやすいんよ。」

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