僧侶「石を積め」(8)

男「…」

男「…」

カタカタ フルフル

男「あ…う…」

カチャカチャ

僧侶「そうだ。早く積め」

カチャカチャ

男「あ…」

カチャ…

僧侶「はいバーーン!」

ガラガラガラ

男「!」

男「あ…な、んえ…?」

僧侶「ほらどうした、早く積め」

男「も…ころ…しぇ…」

ナミダ ヨダレ ダラダラ

僧侶「まだたったの85年だぞ。貴様の罪が許されるまであと500年近く残っている」

男「うあ…ご、ごひゃ…」

ジョロロロロ

僧侶「ちっ、また漏らしやがったか」

・ ・ ・ ・ ・

ここは三途の川、賽の河原。
死者が生前犯した罪を償うため
石を積み続ける場所。

ある程度積んだところで
鬼が崩すので、決して終わりがない。

ただ、ここにはなぜか
鬼ではなく僧侶がいた。
見た目は清楚で美しい女僧侶だが
中身はまさに鬼のそれであった。

僧侶「どうした。早く積め」

男「も、いぁ…」

ボロボロボロ

僧侶「あ゛?」

ギロッ

僧侶「嫌だろうが何だろうが知らねぇよ!」

ビシッ! 有刺鉄線 ビシッ!

男「あいえ゛え゛え゛!」

僧侶「やれ、早くやれ」

男「あ…うぐぁぁぁ…」

カチャカチャ

男「お、おに…おに…」

僧侶「そうさ、私は鬼さ。仲間を裏切り、人間を裏切り、勇者を…」

男「えあ…?」

僧侶「ふっ、昔の事だ。それより手が止まっているぞ」

男「あぅあ…」

カチャカチャ…

僧侶(そうさ…今更私が…何を…)

賽の河原かと思ったら賽の河原だった

期待

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