※この話はフィクションです
男「……何を突然に」
女「君、就職活動に失敗して仕事がないって言ってたよね」
男「そうだけれど」
女「そして家族がいなくて友人も多くない。頼れる人がいなくてお金に困っている」
男「……だからなんだ」ギロッ
女「おおっと。そんなに睨まないでくれよ。怖いなあ」
男「ヘラヘラ笑いながらそんな事を言われても」
女「それは失礼した。でも私の言いたいことはわかっているんだろう?」
女「君は人殺しに向いている。だから人殺しになってくれ」
男「そんな馬鹿な話、受けるはずがないだろう」
女「大学の友人の頼みでもかい?」
男「大学での唯一の友人の頼みだったとしても、だ。そもそも普通の友人はそんなことを頼まない」
女「普通の人間は君なんかの友達にならないよ」
男「……それはお互い様だろう」
女「まあね」
女「ビジネスとして見ても悪くない話だよ。一人殺すだけで50万円が手に入るんだ」
男「人間一人の人生の値段が50万? 安いものだな」
女「月に1人殺すだけで暮らしていける。月に2人殺せば夢の年収1000万越え。素晴らしい仕事だと思わないかい」
男「1年で24人殺してもたったの1000万だろう」
女「24人殺すだけで1000万だよ」
男「そもそも人殺しは警察に捕まって死刑だ。死刑じゃなくても一生塀の中。そんなこと割にあわないだろう」
女「捕まらないよ」
男「は?」
女「警察に捕まらないよ」
男「そんなわけあるか」
女「……そんなことを可能にするところから依頼なんだよ」
男「そんなこと、あるわけがない」
女「私が嘘を言うと思うのかい?」
男「あんた、冗談にしてはタチの悪いことを言うんだな」
女「冗談? これが冗談じゃないのはわかっていることだろう。入学式、私がしでかしたことを知らないのか」
男「……まさか。あんたと友達になったのは、それがきっかけだっただろう」
女「ああ、そうだったね」クスクス
女「それで、君はこの仕事を受けるの?」
男「受けると思っているのか」
女「もちろん」
男「……」
男「あいにく、受けない理由がない」
女「残念だったね。それじゃあ契約成立だ」
女「君は今日から人殺しだ」
男「今日からか?」
女「ああ。ついて来てくれ」
鏖しえん。
ほしゅ
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