偶像商売 (93)

最強の格闘技はなにか?



空手           ボクシング

   日本拳法   キックボクシング    アマチュアレスリング

 ムエタイ   散打        柔道

     ジークンドー      古武道   少林寺拳法

  相撲         中国拳法       古武道

サンボ     テコンドー             ブラジリアン柔術

カポエイラ       プロレスリング         合気道



多種ある格闘技がルール無しで戦ったとき

目突き 噛みつきありの 『喧嘩』で 戦ったとき

最強の格闘技はなにか?



今現在 最強の格闘技は決まっていない

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443626897

お代は結構ですのでお帰り下さい

強さを求めるのは男ばかりではない

多くはないが、女性の競技人口は一定数存在する

そうした選手を主とした興行も行われていた

その中で強い人気を獲得する者

見方によってはアイドルのようだと呼べるかもしれない



それぞれの格闘技で『最強』と呼ばれている者

誰が、どの格闘技が最も強いのか?

それを決定する

アイドルマスター(シンデレラガールズ含む)に登場するアイドルたちが試合を行います

一部暴力的な表現が含まれるかもしれません

期待
アイマス×格闘技だとアイドルマスター(物理)思い出すな

喧嘩より島袋や森本や東国原の淫行条例論戦の方が見たい

早く投稿してくれ
おチンチンが破裂してしまう

その爪楊枝しまえよ

きらり、押忍にゃん、まっこまっこりんが3強か。

格闘技でルールなしの時点でいくらか矛盾してるけどね

>>4の補足

各々はアイドルでなく格闘技のみをやっているものとして進行します

  「デビュー戦の相手は三村かな子
   総合格闘技の試合は向こうも初めてだが、346プロレスの人気選手だ
   確かな実力がある」

  「望むところです!」



相手は格闘技の未経験者だと聞いている
総合のルールでやる必要があったのだろうか

かな子(私が有利になるだけなのに)

力自慢をスカウトしたらしいが、一体どの程度のものか
寝技や投げを使うまでもない
打撃で充分だろう



かな子の右フックが側頭部にクリーンヒットする
しかし、ダメージを受けた様子はない

試合開始から幾度となく攻撃を当てているが、未だに立っている

かな子(……効いていないの?)

  「そろそろ私も行きますよ!!」

腕を振り上げ、拳を繰り出す

ガードしたが、想像以上の威力だ
二度三度と続けて拳が振り下ろされる
かな子が徐々に押され始めていた

かな子(このままじゃ……)

素人が相手なら打撃のみで勝てると侮っていた
今になってその考えが誤りだと気づく
全ての技を駆使しなければ勝てない相手だ

攻撃の合間を見計らい、腰にタックルを繰り出した

かな子「!?」

倒すことができない
その場で踏み止まられている

更に押そうとすると、右の手首に激痛が走った
力が抜け、相手の腰から腕を離してしまう

手首を見ると、関節を外されていた
あの体勢から技をかけた?

かな子「どうやって……」

  「掴んだんです! 力には自信があるんですよ!!」

かな子「……技を使ったんじゃないの?」

  「はい!」

かな子「…………」

右手がこれでは左腕しか使えない
その左腕も掴まれれば……



三村かな子はギブアップを選択
日野茜に敗北した

誰かいましたら一部のアイドルを安価で決定します

どちらか選択してください

>>18

1 星井美希
2 佐久間まゆ

>>20

1 三浦あずさ
2 双葉杏

kskst

1

1

2

現在登場予定のアイドル



如月千早 菊地真 三浦あずさ

双海亜美 双海真美 星井美希 我那覇響

双葉杏 諸星きらり 向井拓海

日野茜 片桐早苗 及川雫 大和亜季

喧嘩商売が元ネタなのに技やイカサマの探り合いとかはしないのか

残り2名を決定します



1~3から選択
他に指名するアイドルがいれば同時に挙げてください

1 四条貴音
2 神崎蘭子
3 前川みく

↓4まで

2
日高愛


若林智香。

2 神崎蘭子
ヘレン

3
川島瑞樹

代々受継がれてきた技がある
師である父の元で弟と共に稽古を続けてきた

私が小学生のときに弟が亡くなり、それからは2人になった
その父も今はいない
3年前に自ら命を絶っている

私に残っているのは父から学んだ技のみ
もっと強くならなくてはならない



弟の仇は討った
次は父の無念を晴らす番だ

どちらの流派が優れているのか証明してみせる
必ずあの女を倒す

中学生らしき女子が男に絡まれていた
強引に誘っているようだ

  「やめなさい」

男に近づくと、こちらへ振り向いた

  「なんだ?」

  「その子を離しなさい
   迷惑になっているわ」

  「嬢ちゃんには関係……」

  「早く行きなさい」

男は無視し、絡まれていた中学生に声をかける

  「でも……」

  「早く!」

再度促すと、男から逃げていった

  「逃げちゃったじゃん
   代わりに遊んでくれるの?」

  「遊びね…… いいわよ」

  「へえ」

触れようと手を伸ばしてくる
馴れ馴れしい男だ

  「いだっ!?」

提げていた木刀袋を掴み、肋骨を狙って左脇腹を突いた
痛みで男がしゃがみこむ

次は右足の爪先を狙う
体重のかかっている親指へ垂直に突き下ろす

激痛で悶絶する男を放置し、その場を去った

  「おはよう!」

高校の入学式が終わり、下校中
背後から声をかけられた

  「私のこと覚えてる? 同級生だったんだね」

  「?」

同じ学校へ通う生徒のようだ
以前にどこかで会ったのだろうか

  「2年前に助けてもらったんだよ!
   あのときはお礼もできなくて……」

  「思い出せないわ
   だから気にしないで」

  「そうはいきません!
   私の気が済まないもん」

  「……そう」

  「私、天海春香! あなたは?」

  「如月千早よ」

>>30の一行目は「こんにちは!」の間違いです



格闘技は強い相手と戦うために始めた
身近には大したことのない奴しかいなかったためだ

だが、リングの上にも自分に敵う選手はいなかった
今日の相手も同じだ

大した手応えもないまま終わっている
すぐに忘れてしまいそうな内容だ



控室を出て駐車場に向かう
試合の後だが、家まで走らせる程度なら問題ない

単車に跨り、会場を後にした

ブツ切りの投稿だとどこで区切って読めばいいのか戸惑うからまとめて投稿すれば?

>>32
初めは>>21の各々と関係者について数レス毎に書いていきます

区切り毎に名前も書いておいた方が分かり易いでしょうか

名前も書いたほうが確かに分かりやすいかも
あと投下終わった時に今日はこれまでですとか書くと感想も書きやすいな
続き楽しみにしてるので頑張ってください

物足りなさを感じている
この気持ちを解消したいと考えていた

まだ目的は果たせていない
満足のいく試合をできていなかった

自分からダウンを奪える相手すら現れていないのだ

  (張り合いがなさすぎるぜ
   少しは骨のある奴がいないもんかね)

>>34
終わるときのことは省略していましたが
その方がよければそうします



>>12-14
喧嘩 日野茜

>>28-30
古武術 如月千早

>>31>>35
ボクシング 向井拓海

なんでも人以上にこなせるが、一つのことに打ち込んだりはしない
そんな子供だった

それが、ある時期を境に変わることになる
師範との出会いがきっかけだった

毎日のように道場へ足を運び、稽古を続ける
そうして着実に力をつけていった



入門から数年、初めて大会で入賞する

  「次はゼッタイ優勝するの!」



前にも増して稽古に打ち込んだ
宣言通り、次の大会では優勝した

  「遂にやったな! おめでとう!」

その結果より、あの人が喜んでくれたことがうれしかった

  「また断ったんだってさ、告白」

  「美希はハニーに夢中だからねー」

  「道場の人だっけ? かっこいいのかな」

  「そこまでじゃなかったなー
   写真で見た限りだと」

  「そうなんだ」

  「こっそり道場まで行ったんだけど誰もいなくてさ
   結局本人は見られなかったわ」

  「その後は行ってないの?」

  「別の場所に移ったんだって
   でも、美希が教えてくれないから」

  「ふーん、どうしてだろ」

  「謎だね」

いつからか、門下生が徐々に減り始めていた
それでも美希は通い続けていた

  「無理してつき合わなくていいんだぞ
   他の道場に行ってもいいんだし」

  「ハニーがいるから来てるんだよ
   それじゃ意味がないの!」

  「……そうか、ありがとう」

  「ハニーがいてくれれば頑張れるの
   だから、ずっと一緒にいてね!」



日本拳法 星井美希

かつて『カブト』という名のプロレスラーがいた

圧倒的な実力を持ち、将来を期待されたプロレスラーだった
デビューから2年後に突如姿を消すまでは

同じ頃、世間では総合格闘技が流行していた
これらの影響を受け、プロレスは徐々に衰退していく



カブトとは双海亜美と真美の姉妹が共有しているリングネームだ
どちらか1人が覆面を被り、試合を行っていた

カブトがリングから去った理由もここにある

ここまでです

特に問題がなければ一部の用語名は元と同じにします

美希が徳夫かー
サイコっぷりが楽しみでもあり恐ろしくもある

  「……本気でいってんの?」

  「つまんなくなっちゃったんだもん
   自由にやらせてくれないしさー」

  「打合せがあるんだから仕方ないじゃん」

  「それが嫌なんだってば」

  「カブトはどうなるのさ?」

  「真美がいれば平気っしょ」

  「ダメに決まってるじゃん! ずっと2人でやってきたんだよ!」

  「そいじゃーさ、真美辞めちゃったら?
   亜美と一緒に行こうよ!」

  「…………」

  「どったの?」

  「……いいよ
   亜美が辞めるなら真美もそうする」



いつも一緒に練習してきた
これからも同じだと思っていた

どうやら、そう思っていたのは自分だけだったらしい

  「本当にやるの?」

  「……約束は守ってね」



両者がリングで対峙する
真美はマスクを被り、亜美は素顔のままだ

観客の姿はなく、ゴングも鳴ることはない
この戦いを最後に、『カブト』のマスクを被る者はいなくなった



あれから数年間、亜美とは顔を合わせていない
リングに上がることはなくなったが、練習は続けている

双海真美は牙を研ぎ続けていた
いつか双海亜美がプロレスに帰ってくるときのために

牙を研ぎ続ける
いつか『カブト』として再びリングへ戻る日のために



プロレス 双海真美(カブト)

強くなれば大金が手に入り、楽に暮らせる
そのような言葉で誘われ、仕方なく鍛錬を続けてきた



自分は強くなったが、自由に休むことはできない
また、働かずに済むような大金も稼げていない

  (楽をするために頑張ったのにな~)

選択を誤ったかもしれない
他の道を選んでいれば違ったのだろうか

  (まあ仕方ないか
   今から新しく始めるのも疲れるし)

今では教えを乞われる立場でもある
寧ろ以前よりも忙しくなっている気がする

  (辞めさせてくれそうにもないしね~
   皆が来るまで昼寝でもしようっと)



合気道 双葉杏

実戦空手『万代塾』には『女王』と『王子』がいた

女王とは、創設者であり絶対的な存在の日高舞
それに倣い、菊地真は王子と呼ばれていた

王女と呼ばれないのは、本人の性格や容姿が影響している
本人は嫌がっているため、面と向かって呼ぶ者は日高舞のみだった

高校の友達がヤクザの抗争に巻き込まれ、監禁されていると聞いた
それを聞き、事務所へ単身向かった

入口の見張りを倒し、中へ入る
室内には二人が座っていた

  (いないか…… 他の部屋かな)

  「なんだ?」

  「女の子を連れてきたでしょ
   その友達だよ」

  「助けに来たってか?」

  「はい」

  「冷やかしなら……」

近づいてきたヤクザの足を踏みつけ、頬に肘を入れる
よろめいたところを前蹴りで押すように突き飛ばす

踏ん張れずに後方へ倒れ、テーブルへ後頭部を打ちつけた
そのまま動かなくなる

  「…………」

残りの一人が短刀を手に立ち上がる

  「やる気になったみたいだね」

別の部屋にいた三人も倒し、縛られていた友達を助け出した

  「……真ちゃん?」

  「助けに来たよ
   もう平気だから」

  「うう…… 怖かったよ……」


菊地真は自分の打撃に絶対の自信を持っている
打合いなら誰が相手でも負けないと

その実力と人柄から、塾生からの人望が厚かった
日高舞が失踪した後、万代塾の長を務めることになる



空手 菊地真

ここまでです

最強の打撃系格闘技を決定するトーナメント『立技』
立上に伴い、トライアウトが開催された



会場に一名、特に目立つ参加者の姿があった

際立って大きく、体力テストでは最も優秀な結果を残している
既に合格と決まったようなものだった

  「きらりだよ☆ おにゃーしゃー☆」

きらりの名は知られていなかったが、不合格にする理由はない
『立技』の初回興行に参戦することになる

第一回戦の最終試合

両者が並ぶと、一方はまるで子供のように見えた

  「うぇへへ、よろしくにぃ☆」



試合開始直後、距離を詰めようと前へ飛び出す
近づかなければ一方的に削られて終わる

2、3発は貰う覚悟をしていた
それでも耐えられない
最初のジャブで動きを止められ、次のストレートで倒されていた



きらりに敵う選手は現れず、『立技』の初代王者となった
キックボクサーでありながら、蹴りを一度も使わずに

  「もーっとハピハピしたいにぃ☆
   きらりに挑戦したい人はいないかな? 誰でも歓迎するよー!」

その後の試合でも同様だった
未だにきらりは最大の武器を使わずに戦っている



キックボクシング 諸星きらり

乙です

>>16の選択って何の意味があったのかよく分からんのだが

待ってる

空手では日高舞に勝てない
そのことが分かり、空手から離れた



日高愛は『女王』と呼ばれた日高舞の娘である
空手を続けることになんの疑問も持たなかった

あの日までは



国際大会の初優勝から間もない頃
初めて組手に誘われた

勝てないことは分かっている
それでも、ここまで力の差があるとは思っていなかった

無様に負け、無様に泣いた



これからも空手を続けたとして
人生の全てを懸け、どんなに稽古をしても日高舞には勝てない
万代塾を去り、中国拳法を学ぶことに決めた

  「お久し振りです!」

  「愛!? いつ戻ってきたの!」

  「今日の朝ですよー! 空港から急いで来ました!
   ママはいますか?」

  「舞さんは……」

  「?」



  「襲われた!?」

  「秋月律子って奴に片目をやられたんだよ」

  「まさか負けたんですか!」

  「それはないよ
   でも逃げられちゃったみたいでね」

  「その後、片目でも戦えるように修行するっていなくなっちゃったんだ」

  「そうだったんですか……」

  「でも、愛が戻ってきてくれてよかったよ
   これで皆も安心するし」

  「あたしはママと勝負しに来ただけですから
   万代塾に戻るつもりはありません」

  「また一緒にやろうよ!
   愛には空手が合っていると思う」

  「空手じゃ勝てないんです!
   ママが帰ってきたら教えてくださいね」

  「また来ますから」

  「愛! 待ちなよ!」

制止の声には振り返らず、万代塾本部を後にした



襲った相手が気になったが、逃げたということは大した強さではないだろう
日高舞が姿を現すのを待てばいい

今度は空手ではない
新しく身につけた技で再び挑むために



中国拳法 日高愛

記憶がない



中学生の頃には空手の稽古をしていた
それが自分に残った最後の記憶



前向性健忘

新しい情報を学習する能力の障害

自分の記憶は72時間しかもたない
72時間が経過すると、その間の記憶を全て失う



だから大切なことは忘れないようにメモ帳を持っている
24時間毎に必ず内容を確認していた

『自分の名前は我那覇響』

『日本人』

『自分は強い』

ここまでです

進行が遅くてすみません



>>16
日本拳法と合気道のアイドルを決定しました

今後の話について多数決で決定します
AとBから1個ずつ選択してください



A 展開について

1 天海春香編
2 富田流編



B 対戦組合せ

1 >>1設定
2 喧嘩商売基準

  「今からお前がすることを覚えているか?」

  「…………」

  「また忘れてしまったのか……
   今からお前は戦うんだ」

  「ここに来てからお前はそうやって生きてきた」



  「お前の試合はインターネットを利用して中継される
   見ているのは1000人程度の会員」

  「その会員たちが勝者を予想し、金を賭ける
   TVで放送されたり、新聞で報じられることはない」

  「勝利条件は一つ
   相手を動かなくすること」

  「そういう戦いだ」

  「この扉の中が戦場になる
   相手はお前が入った後に来る」

  「自分の相手は強いのか?」

  「大した奴じゃない
   お前の方が強いよ」

  「それに、向こうは2年振りに戦うんだ
   ブランクがあるし、お前には敵わないさ」

  『アンダーグラウンド』

  設定された戦場で格闘士が殺し合う
  観客である会員は生き残る方を予想し、金を賭ける



  「今回はS級格闘士同士の戦い!!
   賭金はこれまでの最高額を突破する勢いです!!」


  「設定は中央部の都市に住む20代の警官
   非番の日に歩いていたところ、暴漢に遭遇」

  「どちらも武器を所持した状態での開始となります
   そのため、ルールは『刃物有り』『銃器無し』『防弾防刃無し』です!

  「選ばれた者のみが見ることのできる本当の戦い
   どうぞお楽しみください!!」

  「先入場者が現れました!」



  「空手を中心とした打撃
   更に投げや絞め、関節技も使用する」

  「獣のように強く、最も新しいS級格闘士」
 


  20戦20勝 我那覇響



  「後入場者はこれが2年振りの戦いとなります!」



  「その者が使用するのは実戦を目的とした技
   軍事、警察機関を主として国外にも普及が進んでいます

  「出自と技の特徴により、一般に公開されている部分は多くありません
   かつて、ロシアの伝統武術は存在が秘されていました」

  「それらの一部を祖として作られた
   競技格闘術ではなく、純粋な戦闘術」

  「その名は――――――」



  「『システマ』」

  63戦63勝
  アナスタシア ロシア

  「警官役の我那覇響には特殊警棒
   強盗役のアナスタシアにはナイフが与えられます」



  「間もなく締切です!!」

  「80万」

  「700万」

  「200万」

  賭金を伝える会員の声が殺到する



賭金の合計は10億ドル近くに達していた
配当は

我那覇響 21倍
アナスタシア 1.05倍



事前予想は圧倒的不利の中
日本人がロシア人に戦いを挑む

ここまでです

Aが2でBが1

戦場は街頭を模して作られた一室
屋内ではあるが、充分な広さがある

2名の闘技者が入場、それぞれが指定された印の上に立つ
その30秒後、試合開始の合図である鐘の音が鳴った



60cmの警棒と30cmのナイフ
武器を所持しているという点では同じ条件だ

しかし、殺傷力では大きな差がある
触れれば切れ、容易に傷を負わせることができるナイフ

最も恐ろしいのは防御が困難であること
防がれてもそこで終わらず、引き切るという攻撃が残っている

警棒に比べ、少ない動きと力で致命傷を与えられる武器だった

S級闘技者であり、元軍属のアナスタシア
ナイフ術に精通しているが、響はそのことを知らない

響は無意識に構えていた
自分の記憶にない構えを

呼吸や鼓動と同じように
自分の意志とは関係なく身体が動いていた



  (この構えは……)

  「来ないのか」

  「シラット……」

  「なんだ?」

  「…………シラットのガナハヒビキ」

  「自分のことを知っているのか?」

  「ダー…… 貴方の戦いを見ました」

  「自分は強かったか!?」

  「私が見たときには棒1本でヴォールク…… 狼と戦っていた」

  (1つ分かった……
   自分の使う格闘技は空手じゃない)

  (『シラット』)

獣と戦った経験はないが、自分が弱いとは思わない
対人戦の技量であればこちらが優れている

  「来ないならこっちから行くぞ」

  「バジャールスタ…… どうぞ」

アナスタシアは響の攻撃を待っていた
打ちかかってきたところを切りつける

最初は警棒を持った右腕、その次は首を狙う



脚を狙った警棒の一撃
身体を捻ることで避け、低い体勢の響へナイフを振り下ろす

それを防ごうと、響がアナスタシアの右手首を掴む
だが、それでは攻撃を止められない

この行動を利用され、逆に体勢を崩されてしまう
響が膝をつき、ナイフが再び迫る

  「うぐ…………」

響は首を傷を負うこともなく、立ち上がった
アナスタシアは顔を押さえ、痛みに呻く

ナイフが響を切裂くよりも早く、警棒で顎を砕かれている
掴んできた左手に目が行き、死角からの攻撃を受けた結果だった

口から血を流し、足下には折れた歯が落ちている

だが、試合はまだ終わらない
どちらか一方が動けなくなるまでは



試合は続き、骨の砕ける音と共に勝敗が決した



  「大穴が出ました!
   勝者は我那覇響! 我那覇響の勝利です!」

  「勝った! 遂に50勝です!
   一体どこまで勝ち続けるのか!?」



控室に戻ると、車椅子の人物が待っていた

  「ダブノー 二ェ ヴィーヂェリシ…… お久し振りです
   私を覚えていますか?」

  「…………」

  「アナスタシアといいます
   貴方に負けました」

  「そうか……」

響との戦いで頚椎を損傷し、命は助かったものの全身麻痺に陥る
しかしリハビリを続けた結果、、車椅子へ乗れるようになっていた

  「いつか負けることは分かっていました
   でも戦うことを止められなかった」

  「貴方も同じではありませんか?」

  「自分は…………」

  「ここを出ましょう
   今ならまだ間に合います」

  「私のように負けてからでは遅いです……」

  「恨んでいないのか?
   自分のせいで歩けなくなったのに」

  「私はここでたくさん殺しました……
   最後に貴方だけでも助けたいと感じます」

  「…………」

  「どうでしょう」

  「……分かったよ」

この先も戦い続ければ、いずれ死ぬか再起不能になる
アナスタシアはそう教えてくれていた

提案を受け入れることにした

  (自分の戦いはこれで終わりだ)



シラット 我那覇響

超人は実在する



『ミオスタチン関連筋肥大』
筋肉をの成長を抑制する物質であるミオスタチン

遺伝子の変異によりミオスタチンの生成が少ない
もしくは筋細胞がミオスタチンを受容しない場合の2通りがある

どちらも常人より圧倒的に多い筋量を持つ
だが同時に、多くの栄養を必要とする

幼児期の栄養失調を見過ごされ、健康に育たないことがある
超人になれずに終わるのだ

及川雫の生まれた岩手県には闘牛の風習が残っていた
日本における闘牛は牛同士の闘いであり、闘牛士という概念はない

雫の生家である牧場でも闘牛を育てている



まだ試合に出していない子牛を連れ、柵で囲まれた訓練場に入った
約3mの距離で牛と向かい合う

1歳になったばかりだが、体重は既に350kgを超えている
実に数倍の体重差があった

牛が雫目がけて駆け出す
腰を低く構え、突き出された角を掴む

  「むむ……」

徐々に押されるが、牛が数歩前進したところで止まる

牛は1歩も前に進むことができない
350kgの突進を完全に止めていた

頭を捻るように下げさせ、牛を地面に転がす

  「ふう」



雫は人間相手に本気を出したことはない
その代わり、牛を相手に力比べを行っている

その様子は、人間と牛が相撲を取っているようだった



現在の世界人口73億人
その内ミオスタチン関連筋肥大と確認されている者100人

及川雫はその1人として生まれる
健康に育ち、超人へと成長していた



相撲 及川雫

ここまでです

乙です

  『試合中の記憶が残っていない』
  こう語る格闘家は少なくない

  脳への衝撃で一時的に記憶障害を起こすのだが、倒れずに試合を続行する
  記憶には残っていないものの、試合に勝利していたという例もあった



  そういった現象について聞いたことがある
  自分の場合もそれと同じなのだろうと考えていた





  「多重人格って本当にあるんでしょうか」

  「……彼女がそうだという事ですか?」

  「はい」

  「素人の意見ですが……
   疑わしく思っています

   自分以外の人格を演じているのではないかと」

  「別人として振舞うという詐病ですか」

  「私の考えでは」

  「別の人格が存在すると信じた場合……
   信じる力で本当にその人格が生まれる事はないでしょうか?

   演じているのではなく、初めからその人格が考え行動するのです」

   「…………」

  「同じ姿をした別人としか思えない事があります
   神崎蘭子の場合、本当に別の人格が存在しているのだと考えます」



   どんなに追い詰められても決して負けない
   自分には特別な力があるからだ

   そう信じている



   「…………闇に飲まれよ」



??? 神崎蘭子

   誰も疑う事のない史上最強の柔道家
   片桐早苗



   世界柔道選手権の無差別級に出場、5連覇を達成
   超軽量級の体格でありながら、どんなに大きい相手にも負けることはなかった

   無差別級の存在しないオリンピックでは、本来の階級である超軽量級に出場
   2大会連続で金メダルを獲得

   更にメダルの数を増やすと思われたが、突如引退を発表
   同時にプロ格闘家へ転向した



   柔道引退後、最初の相手は765プロレスの音無小鳥
   派手な空中技を使い、『鳥人』の異名を持つ

   オリンピックに出場、レスリングの金メダルを獲得した実力者でもある
   試合は『台本のない真剣勝負』と宣言した上で行われる異種格闘技戦

   小鳥は既に数名の外国人と戦い、全てに勝利していた

   早苗は柔道着、小鳥はシングレットを着てリングへ上がった
   レスリングと柔道、それぞれの金メダリスト同士の対戦

   恐らく早苗が勝つだろうと予想されている



   小鳥は腰を落とし、低い姿勢で前に出る
   リングで飛跳ねる普段のプロレスとは違う、アマチュアレスリングの構えだった

   勢いよく飛込み、早苗の左足を捕る
   そのままリングへ押し倒し、テイクダウンに成功

   あっさりと決まった事に誰もが驚いた矢先
   この直後、試合が終わることになる

   小鳥に倒されたように見えたが、実際には自ら引き込んでいる
   早苗の背中がリングに着くのとほぼ同時、三角絞の形に入っていた

   通常の絞技では、期間の両側に沿って走る『総頚動脈』のみを絞める
   この時、頚椎骨の突起で保護された『頚椎動脈』も同時に絞めると一瞬で失神する

   骨の内側にある『頚椎動脈』を力で圧迫する事は困難
   だが、第一頚椎骨と頭蓋骨の間で骨から出ている箇所がある

   その部分を『総頚動脈』と共に圧迫した



   技が決まっている事に審判と観客が気づく
   小鳥が早苗に組付いてから約3秒

   この時点で、既に小鳥は落ちていた
   慌てて審判が試合を止め、勝者の名を告げる

   試合開始後、僅か30秒の決着
   勝敗は予想通りであるが、こうも短時間で終わると考えた者はいない


   10年間無敗
   誰も疑う事のない史上最強の柔道家

   その称号に相応しい実力を見せつけた



柔道 片桐早苗

  「…………亜美の勝ちだね」



   世界がブラジリアン柔術の存在を認識し、その強さを知った頃
   ブラジリアン柔術を相手にしても連戦連勝を続ける日本人がいた

   双海亜美



   総合格闘技の隆盛と共にプロレスは衰退を始める
   カブトがリングから姿を消した影響もあり、プロレスのTV中継は激減した



   シナリオのある試合に嫌気がさしていた
   『カブト』としてプロレスを続けるのではなく、総合格闘家の『双海亜美』になる事を選んだ

   デビュー戦でブラジル人格闘家のナターリアに勝利
   日本人の快挙に世間が沸いた



   亜美の選んだ総合にはプロレスのようなシナリオはない
   本気で殴り、殴り倒してよかった

   投技に絞技、関節技と打撃
   様々な技を駆使して勝ち続け、観客を熱狂させた

   (真美も一緒に来ればよかったのに)

   765プロレスを辞めると真美に話した際、一つの要求があった
   自分と勝負をして負ければプロレスを続ける事

   その代わり、亜美が勝てば二度と口を出さない



   誰も見ている者のいないリング
   亜美が真美の腕を折り、戦いを制する

   総合をやらないかと改めて誘ったが、真美は断った
   しかし、まだ諦めてはいない

   いつか真美が考えを変え、自分と同じ選択をする
   その日を待ち続けていた



総合格闘技 双海亜美

ここまでです



蘭子の使用する技について決定します

1-3から選択してください

1 ムエタイ
2 クラヴマガ
3 その他

2
禁じ手なし

   大和亜季は数年間傭兵を続けている



   傭兵の任務は戦地の要人警護が多い
   しかし、時折前線での戦闘を行う事がある

   亜紀はこの危険な任務を特に好む
   強くなるために必要だと考えているためだった



   亜紀の父親は剣道三段、柔道と空手は共に五段を取得
   陸上自衛隊に所属し、格闘指導官を務めていた

   亜紀も父親と同じように幼少の頃から武道を学ぶ
   強く育ってもらいたいと期待されていた

   その期待に応えようと日々鍛錬を続け、期待以上に強くなった

   しかし、亜季が高校3年生のときに父親が死亡
   何者かに殺害されたとみられ、自衛官という職業もあり世間の注目を集めた

   犯人は見つからず、事件は忘れられた



   高校を卒業すると同時に海外へ渡った
   それから現在まで傭兵を続けている



   「間もなく時間であります
    出発しましょう」

   「ああ」

   戦場での亜季は英雄だった
   一緒にいれば生き残る事ができる



   大和亜季は実戦で己を磨く事を選んだ
   自分の居場所は戦場にある

   そう信じ、命懸の戦いを続けている



軍隊格闘 大和亜季

   毎日、受継いだ武器を錆びさせぬように磨いた
   毎日、受継いだ技を忘れぬように身体に刻みつけた

   歯を食い縛って毎日繰り返した



   格闘家に対して「日高舞に勝てますか?」という決まり文句がある
   格闘界の頂点は日高舞だという共通の認識から発せられる問だった

   きっかけは音無小鳥の語った出来事
   高校生のとき、レスリングで後輩に負けた

   高校総体で日本一になった後の話である



   音無小鳥の発言でマスコミが集まった
   そして、いつもの質問を行った

   「なんでもありなら勝てます」

   曖昧な表現ではなく、「勝てる」と断言した
   古武術の富田流は世間から注目を集める

   「あの音無さんが強いといった人ですが、どう思われますか?」

   「口だけじゃなく、本当に強いなら相手になるわ
    私がその強さを認めればね」



    使う機会があるのか分からない武器
    錆びさせぬように毎日磨いた

    毎日、誰よりも強くなるために鍛えた武器
    その武器を使う時が来た



古武術 富田流   三浦あずさ

ここで一度終わりです

続きはタイトルを変えて新しく立てます

天海春香「陰陽トーナメント?」 - SSまとめ速報
(ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457100323/)

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