モバP「相原雪乃の日記」 (53)
のんびりと書いていきます
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◎月☆日(月) 曇
今日もまた曇りです
最近はどうもお天気がよくありません、雲がすっかりお日様を隠してしまって顔を見せてくれないのです
そのせいか、事務所の皆様の顔も心なしか疲れて暗くなっているように思います
もしかすると今朝の私も皆様からそのように思われていたのかもしれません
ですが、今この日記を書いている私は間違いなく生気に満ち溢れた明るい顔色をしていると断言できます
いえ、もしかしたら若干紅潮しているのかも
なぜなら、今日は暗い気分を吹き飛ばしてくれる素晴らしい出来事があったからです
今日の午後、レッスンの前に事務所に顔を出すとお仕事をしていらっしゃるPさんをお見かけしました
軽く挨拶をした後でまだ時間があることを確認し、私はお茶の用意を始めました
あの人の大好きなダージリンのストレート それにスコーン
私のプレゼントしたPさん専用のカップに淹れて差し出す
そしていつものセリフとやり取り
「すまないな」「いいえ、とんでもありません」
そうして紅茶を一口啜った後でPさんからお褒めの言葉をいただく
「うん、美味しい」
私はとびっきりの笑顔で答えました
「ありがとうございます」
ここまではいつも通り しかし、今日はちょっと違っていました
「ここのところ、どうも天気が悪いなぁ、なんだか元気が出ないよ」
どうやらPさんも天気が悪いのを気にしていらっしゃったご様子
それと同時に元気がないと言うPさんの言葉を聞いて私は言いました
大丈夫ですか?もしも辛いなら言ってください、できる限りのことを致します、と
それを聞いたPさんは笑いながら
「わかってるよ、ちゃんと休む時は休むから」
本当にわかっているのでしょうか、と思っていると
「それに、雪乃の淹れてくれる美味しい紅茶があれば大丈夫さ」
と笑顔で言ってくださいました
あぁ...Pさんの口からその言葉が出た時の喜びをどう表現すればいいのか...
私は今すぐにでも抱きつきたくなるような気持ちを抑え、やっとの思いでお礼の言葉を口から絞り出しました
「ありがとうございます」
あの時のPさんを思い出すだけで、どんなに美味しい紅茶を飲んだ時よりも素晴らしい想いが、どんなに甘いお菓子を食べた時よりも甘い気持ちが
私の身体に、心の中に満ち溢れるのを感じました
しかし、その後のレッスンの際にふとあの時のPさんの顔と言葉を思い出してしまうと
どれほど気を張っていたつもりでも表情が緩んでしまい、しばらく元に戻らなくなってしまったのです
トレーナーさんやいっしょにレッスンしていた千秋さんからも不思議がられてしまいました
しまいにはごかまそうとしてステップの時に大きな尻もちをつく始末
Pさん、貴方は罪な人ですわ
たった一言で私の心をかき乱してしまうのですから
>>5
○ しまいにはごまかそうとしてステップの時に大きな尻もちをつく始末
× しまいにはごかまそうとしてステップの時に大きな尻もちをつく始末
雪乃さんSSだありがたい
◎月△日(木) 晴れ
今、この日記を書いている私の顔はとても紅潮しています
この顔色は決して今日の暑さなどによるものではないでしょう
どうして私はあんなことを...いえ、今さら悔いてもどうにもなりませんね
今日の夕方、レッスンが終わってから事務所へ向かいました
本当ならそのまま寮へ帰るつもりだったのですが、うっかりトークバトルの台本を事務所に置き忘れていたことに気付いたのです
もうだいぶ遅い時間ですし、明日でもいいかなと思ったのですが部屋で内容の確認をしておきたかったので取りに行くことにしました
千秋さんが夜道は危ないからついて行くと仰ってくださいましたが、私の事情で千秋さんを連れまわすのもなんだか気が引けたので丁重にお断りしたのです
こうして私は事務所への道を一人で歩いていきました
歩きながら私はひょっとしたらPさんがまだお仕事をなさっていて、会えるかもしれないなどと考えを巡らせました
そして、そっとドアを開けて事務所に入ると私の眼には、自分の席でお仕事に打ち込むPさんの姿が...飛び込んできませんでした
キーボードの音もプリンターの音もしない、ちひろさんもPさんも誰もいない、ただ電気が点いているだけの事務所
一瞬、戸締りを忘れているのではという不安に駆られましたが、よく見るとPさんのデスクの周りには鞄がかかったままでした
ではどこに行ったのかと周りを見回すと、ソファーの方に動く物が見えました
それからかすかに聞こえる寝息...
近づいて様子を見ると、そこにはソファーに寝転がっているPさんがいました
おそらく仮眠を取っていらっしゃるのでしょう、私が近づいても起きる様子がありません
それに聞こえないくらいの小さな声で寝言を言っているようでした
私は、きっと夢の中でもお仕事をしているのだろうと苦笑しながらも眠っているPさんを眺めていました
ふと目を別の方に向けると、Pさんのデスクの上には私の目的である台本が置いてあったのです
私はそれを見つけて鞄の中にしまいました
Pさんが見つけて私に返すつもりだったのでしょうか、とにかく当初の目的を達したことになります
でもこのまま帰っていいものか、判断に迷いました
Pさんを起こすのは忍びないですし、かといってこのままではPさんが風邪をひいてしまうかもしれない...
とりあえず、私はPさんが寒くならないようになにかかけてあげることにしました
仮眠室から毛布を取ってきて、起こさないように静かにかけようと、Pさんへ近づいていきました...
すると、今までよく聞き取れない声の大きさだったPさんの寝言がはっきりと聞こえてきました
「雪乃...」
私は思わず飛び上がりそうになるほど驚きました
起きていたのですか?そう声をかけようとしましたが、すんでのところで思いとどまりました
じっとPさんの様子を観察すると、どうやらまだ夢の中にいるようです
「ありがとう...いつも...ありがとう...」
もし、その寝言を聞いた時の私を見ている人がいたら大笑いしたのではないでしょうか
だってその時の私はきっと口を開けてキョトンとしていたはずなのですから
Pさん...本当に罪な人
貴方は起きているときの行動でさえ私を一喜一憂させるのに眠っている時ですらそうなのですか?
そう思いながら、そこで私は初めて気づきました
知らない間に自分とPさんの距離が驚くほど近寄くなっていたことに
手を伸ばせば届く距離どころではありません
Pさんの顔を今までにないくらい近くで見ることができるまで、私たちの距離は縮まっていました
目の前で寝息を立てているPさん...
それをもっともっと近くで聞きたいと思う私...
私は無意識の内にさらにPさんとの距離を詰めていました
そして、気が付くと私は眠っているPさんの唇と自分の唇を重ねていました
私にとっても初めてのキス...
最初は触れ合うだけのはずだったのに...いつしかPさんの唇を愛撫するような動きに変わっていきました
Pさんの上唇を私の唇で包み込む それが終わると今度は下唇...
いったいどれほどの時間そうしていたのでしょう
すごく長い時間だったかもしれませんし、短い時間だったかもしれません
とにかく夢中になって唇での愛撫を繰り返していたので、私は気が付いていませんでした
今まで聞こえていたはずのPさんの寝息が聞こえなくなっている事に
そして、今まで閉じられていたはずのPさんの目が開いている事に
「雪乃...?」
その声を聞いて、私は我に返りました
Pさんはまだ眠りから覚めきってはいないようでしたが、それでも驚いたような表情をしていました
それも当然ですわね、事務所のソファーで眠っていたらいつのまにかキスをされていたのですから
「えっ...えっ?なんでお前が...ここに...」
私はとっさに言い訳をしようとしました
「台本を忘れてしまって、取りに来たのです」
しかし、私の口から出てきたのは声にならない半端な音だけ
何か言わなくてはならないと思っていてもどうしても言葉が出てくれないのです
そして、私は逃げ出しました
これ以上ここにはいられない、おかしくなってしまう
Pさんが何かを言っていたようでしたが、それに一切耳を貸さず
私はドアを開けて駆け出しました
そのまま寮に向かって走り続けました
周りの事など構わずにとにかく早く寮まで行かなければ 一刻も早くたどり着かなくては
そんなことを思いながら
ようやく寮へ着いた私はすっかり息切れを起こしてしまっていました
玄関で千秋さんが私を見つけて、大丈夫?と声をかけてくださいましたが
私はそれを無視して自分の部屋に飛び込み、今こうして日記を書いています
魔が差した...とはあのようなことを言うのでしょうか
貴方はキスをしている私を見てどう思ったのでしょう
そして、明日貴方に会った時どんなことを言われるのか...
考えると怖くてたまりません 眠れそうにありません
あぁ...このまま明日が来なければいいのに...
◎月□日(日) 雨
一昨日、そして昨日と部屋に帰れなかったので日記をつけることができませんでした
だから三日分書こうかと思いましたがやめることにします
理由は金曜日の夜からのことがあまりにも幸せすぎるので、全て私の胸の内に閉まっておきたいからです
なんだか夢を見ているような気分でした
私はこの部屋に帰ってくるまで、自分はまだ眠っているのではないかと本気で思っていました
もしそうであるならば、どうか、どうか夢が覚めないでほしいと心から願っていたところです
ですが、先ほどから何度も自分のほほをつねってみましたが一向に覚める気配がありません
どうやらこれは現実の様です
それを自覚すると胸の奥から嬉しさがどんどんこみ上げてきます
Pさんに会うなり逃げ出してしまったこと...
Pさんが私を追いかけてきてくれたこと...
私が胸の内のPさんへの想いを告げたこと...
Pさんも同じ想いだと教えてくれたこと...
嬉しくて泣き出した私を優しく抱きしめて、キスをしてくれたこと...
どれも夢じゃないということだと思うと、とても嬉しい...
そして、Pさんのお部屋で結ばれたこと...
それから二日間、Pさんのお部屋でずっと...
...これ以上は書けません、恥ずかしすぎます
それでも一つだけ書くとするならば
好きな人に求められるということがあんなに嬉しいものだとは知りませんでした
Pさんがあれほど女の人の胸を好んでいるということも知りませんでしたが...
それと朝を好きな人の腕に包まれて迎えることができるということも...
...書きすぎましたね、この辺にしておきます
とにかく私はPさんの『特別』になれた、ということだけを記しておくとしましょう
本当に...夢のようですわ
とりあえずいったんここまでです 続きは後ほどです
もしかするとこのあとエロが入るかもしれません
あの雰囲気醸し出して(22)はエロい
ちょっとずつ再開します 本当にちょっとずつですが
★月◇日(水) 晴
世の中には私の知らないことがあふれている
もちろん私は自分が世の中のすべての事を知っているつもりはありません
世界は広く、まだまだ未熟な私では知り得ないことも多いでしょう
ですが、今日一日でそれが身に染みてわかった様な気がします
今日はお昼から千秋さんと一緒のお仕事でした
お仕事自体は滞りなく終わったのですが休憩中に千秋さんから
私が最近とても元気でイキイキしていると言われました
自分ではよくわからないのですが肌がツヤツヤしているらしいのです
秘訣を教えてほしいと言われましたが、私自身が自覚が無かったので答えに困ってしまいました
そして、夕方のPさんとのお茶の時間にそれを話したところ、Pさんは不思議な表情をして黙り込んでしまったのです
きっと答えを知っているに違いないと思い、教えてくれるようにお願いをしました
ところがPさんは顔を背けて教えてくれません
普段の私ならばそこまで拒否するPさんを見たら引き下がっていたかもしれません
しかし、ちょうどその時事務所では私とPさんの二人だけだったのです
Pさんと二人きり、きっと私はそのことを意識した時点でおかしくなっていたのでしょうね
私は顔を背けているPさんに近寄り、両手でPさんの顔をこちらに向けさせました
今になってみると大変失礼なことをしたと恥じ入るばかりです...
そして、そのままPさんの顔を見つめながら甘えるような声で
「お願いです、私に教えてくださいませ」
とお願いしました
Pさんはしばらく黙っていましたが、やがて...
「知りたいのか?」と私に訪ねました
私ははいと返事をして、ぜひ知りたいので教えてほしい、と言おうとした瞬間
急にPさんと私の顔の距離が近づきました
突然のことに驚く暇もなく、私はPさんに唇を奪われました
私は反射的に抵抗しようと試みました...でもダメなのです
なぜなら、Pさんは私のことをなんでもご存知だから
Pさんの舌が私の口の中の弱い部分を攻めてくるから
私の舌が勝手にPさんの舌と触れ合おうと動き出してしまうから
そのうえ、Pさんのたくましい腕でしっかりと抱きしめられてしまっては私にもう為す術はありません
気がつくと私もPさんの背中に手を回していました
しばらくの間、私たちはお互いの口を貪るように吸い合っていました
それからどれくらいたったのかわかりませんが、不意にPさんが私の唇の中から出て行きました
私は口を開いたままPさんと私の唇の間にかかった糸のような唾液をぼんやりと見ていると、Pさんが言いました
「こうやって雪乃と愛し合っているからだよ」
よく考えれば、これはなんの説明にもなっていないでしょう
でも、今の私には不思議と意味が理解できていたのです
理屈や理論ではなく感覚で理解したとでも言うのでしょうか
Pさんに愛されているから、私がPさんを愛しているから
その事実が全てに説得力を持たせているように感じたのです
私はその答えを聞いて、無性に嬉しくなりました
「ではもっともっと愛して、もっと私を元気にしてください」
そう言って、私は再びPさんの唇と自分を唇を重ねました
先ほどよりずっとずっと深く...
Pさんも先ほどよりもっと強く私を求めてくれたのです
私たちは自分たちが事務所にいる事を忘れて強く強くお互いを求め会いました
とても幸せな時間でしたが、同時に猛省しなければなりません
もしあの場に誰かが入ってきていたら大変なことになっていたでしょう
よく何事もなく最後までできたものです、今後は気をつけなくてはいけません
それと、結局千秋さんになんと説明すればいいのでしょう...
まさかPさんと事務所で愛し合っているなどと説明するわけにはいきませんし...
ちょっと悩み事ができてしまいました、困ったものです
◇月●日(火) 雨
今日、千秋さんから怒られてしまいました
怒られた、とまではいかないかもしれませんがとにかく苦言を呈されました
「最近、外泊が多い」と
正直な所、それは私も感じていました
私は近頃、四日に一度くらいの割合でPさんのお部屋で一夜を明かします
お仕事が終わるとPさんの車でマンションに向かい、そのままお部屋にお邪魔します
Pさんのお仕事が遅くまでかかる場合にはお預かりしている合鍵を使ってお部屋でお待ちする事も
最近ではPさん専用の紅茶セットをお部屋に用意するまでになりました
お仕事でお疲れのPさんのためにいつも美味しい紅茶をご用意できるように揃えたのですが、Pさんにも喜んでいただけたようでなによりです
とはいえ、せっかく淹れても半分も飲まずに冷めてしまう事も増えてきました
なぜなら紅茶を飲み終わるまでの間にどちらからともなく求め合ってしまうから
時には玄関のドアが閉まったと同時にそのまま始めてしまう事も...
どちらから求め合ったとしても私たちがそれを拒んだりする事はありません
おそらく二人とも考える事は一緒なのです
なぜなら、このところ忙しくなっていてお休みがほとんど取れないからです
私がPさんのマンションにお邪魔して、出て行くまでの間しか二人きりになれる時間がない
なら、その時間は少しでも二人で繋がっていたい...
私たちは時間を惜しむように何度も何度も求め合い、お互いを貪ります
もはや、私の身体でPさんが触れていない所などひとつもないでしょう
そして、Pさんの身体にも私が触れていないところはひとつもない...
それほどまでに私たちは夜通し激しく愛し合っているのです
ゴメンなさい千秋さん、貴女のご指摘はごもっともです
こんな関係、決して正しい関係ではないでしょう
事務所の人たちが私たちの関係を知ったらきっとお怒りになる事でしょう
でも、私はもう変えられてしまったのです
許して下さい、もはや私はPさんとの関係を終わらせることができません
Pさんと愛し合う日々は、私をこんなにもはしたない女に変えてしまいました
Pさんの体温や息遣いを一番近くで感じ、厚い胸板に包まれる...
耳元で囁きかけられ、その度に卑猥な嬌声をあげてしまう...
荒い息を付くPさんの身体の重みを全身で感じる...
時にはPさんの上で自分から淫らに腰を動かすことも...
胸や口、全身でPさんのミルクを受け止める...
どれも、私には抗い難い快楽なのです
お父様、お母様、申し訳ありません
雪乃はPさんにオンナにされてしまいました
今まで知らなかった女としての歓びをPさんから教えられてしまったのです
一度この歓びを味わってしまったら、抜け出せそうにありません
最近、少し怖くもあります...
Pさんと身体を重ねる度にどんどん深い快楽を求めてしまう...
もっと、もっと欲しいと...
私、どうなってしまうのでしょう...
ますますPさんから離れられなくなってしまいそうです...
とりあえずここまで 需要があるかわかりませんがもうチョイ続きます
乙乙
すばらしい
ちょっとずつ再開します
☆月◎日(月) 晴
また新しい一週間が始まりました、再来週にはライブも控えていますしより一層レッスンやお仕事に励まねば
と、言いたいところですが果たしてどうでしょうか...
なぜならついにこの日が来てしまったからです、今週は私にとって長い一週間となるでしょう
そう、今日からPさんがお仕事で二週間ほど海外出張に行ってしまいました
二週間、二週間もPさんと会う事が出来ない...
正直なところ、とても辛いです...
いっそのこと、私もついて行ってしまおうかとさえ思いました
しかし、最近ますます忙しくなっている中でそんなスケジュールが取れるはずもなく
私はあの人を見送らざるを得ませんでした
好きな人と二週間も離れるのがこんなに辛いなんて...
どうやら私はすっかりPさんに依存してしまっているようです
ところがPさんはため息をつきながら荷物の準備を手伝う私を見て
「大げさだよ、まるで今生の別れみたいじゃないか」
と、笑いながら言っていました
その言葉を聞いて私は思わず怒りながら
二週間も私と一緒にいられなくて平気なのですか?と詰め寄りました
Pさんは困ったような表情で
「まあ、仕事だし...仕方ないだろ」
と言いました
そう、仕方ないのです、お仕事なのですから
頭ではわかっています、でも...
するとPさんは私を優しく抱きしめて
「寂しいさ、俺だって」
と言いながらキスをしてくれました
その途端、今まで必死にこらえていた寂しさが一気に吹き出し
私はPさんの胸でまるで子供のように駄々をこね、
泣きながら行かないでと懇願しました
今になって思えば恥ずかしい限りです、22歳にもなって1人が寂しいから行かないでほしいなどと...
Pさんはそんな私を撫でて、またキスをしてくださいました
最初は優しく、そして段々と激しく...
次第に私のお尻や胸にも手が伸びて愛撫します
そのまま荷物の準備もそこそこにベッドに押し倒されてしまい
「今日はいっぱい愛してやる」
そう言って夜通し私を愛してくれました
Pさんも私と同じでやっぱり寂しかったのか
二人でギュッと抱き合っている時間が多かったような気がします
ただ、その...なんというか...普段よりねちねちとした、わざと私の弱い所を責めてくるのも多かったような気もしますが...
その後、結局寝坊してしまったおかげで今朝は随分バタバタした出発になってしまいました、戻ったら謝らないといけませんね
毎日電話をする、ライブ頑張れよと言ってあの人は行ってしまいました
今日はまだかかってきていません、早く来るといいのですが
Pさん、雪乃はお仕事やレッスンを一生懸命こなしています
でも、まだ一日しか経っていないというのにこんなに寂しい...
早く会いたい、会いたいです...
☆月◆日(月) 雨
今日のお天気はあいにくの雨模様でした
レッスンの終わりにこんな天気だと気分が滅入るわ、と千秋さんが仰っていました
そうですね、と私が答えると
「それに髪の毛が湿気でうねっちゃったり変になったりするのよね、早く部屋に帰って手入れがしたいわ」
私はまた、そうですねと答えました
千秋さんは私の声から何かを察したのか心配してくださいました
「大丈夫?ここ何日か元気がないけど」
大丈夫です、とお答えして私たちはそのまま別れました
千秋さんは私が思っていたよりずっと私を気にかけて下さっているようです 心配をおかけして申し訳ありません
その後はお部屋に戻ってご飯を食べてお風呂に入って...
それから、髪の毛を梳かしました
皆さんが綺麗だと言ってくれる私の髪
私も少なからず自慢にしていますからお手入れには気を使っています
この髪の毛に触れるのは私とスタイリストさんと
それからPさんだけ...
愛し合って、一緒にお風呂に入った後でPさんに髪を手入れしてもらう
ささやかで秘かな私の楽しみ...
でも、今はおあずけ
まだ貴方が出張に行ってから一週間しか経っていないのだと思うと
今日の雨降りのお天気よりさらに気が滅入ります
私は欲張りですね、毎日貴方が電話で声を聞かせてくださるのにまだ甘え足りないなんて
あと一週間、言葉にすればこれだけですが私には何年にも感じてしまうほど永く、そして遠く思われます
早く貴方のお顔が見たいです
そしてお仕事を終えた貴方に紅茶を淹れて差し上げたい...
でもPさん、私の一番のお願いは貴方がケガもせずに無事に帰って来てくれることです
どうか、身体に気を付けてください
雪乃はいつもPさんの御無事を祈っております
☆月△日(土) 曇
今日はいよいよ、事務所の皆さんとのライブでした
最近は皆さんのスケジュールが忙しくなっているのでこんなに人が揃ってのライブは珍しいですね
結果を最初に書いてしまうと、とても楽しいライブでした
全員揃ってのダンス、年少組の可愛らしい歌、それぞれグループに分かれてのナンバー
学生組の素敵なお芝居、大人組のトーク、ファンの皆さんとのゲーム、どれも楽しい物ばかり...
でもなんといっても一番印象深くて緊張した場面は、今回私がソロで歌ったことです
今までももちろんソロで歌ったことはありますが、今回のライブのような規模の会場で歌うのは初めてだったのでとても緊張しました
千秋さんや周りの皆さんが、頑張ってと声をかけてくださいましたがやはり本番の直前は脚が震えてしまいました
でも、そんな私を救ってくださったのもやはりPさんでした
出番の直前、私はひとりで控室にいました
皆さんが気を使って、私が集中できるようにと席を外して下さったのです
誰もいない控室で私はひとり呼吸を整えていました
落ち着いて、いつも通りに...と私は自分自身に言い聞かせます
すると誰もいないはずの控室の隅から音がしました
突然の音に驚きながらも確認すると、私の電話が音を発しているのです
そういえば電源を切っていなかった事を思い出し、切ろうとすると
表示されていた名前は、私が今一番会いたい人の名前でした
迷わず電話を取ると、聞こえてくるのはあの人の声
「ゴメンな、もうそっちじゃ本番始まってるよな...」
と、申し訳なさそうな声で話すPさん...
私は、いえ大丈夫です、ちょうど私もPさんの声が聞きたいと思っていたところですから、と答える
Pさんは、そうかと言ってから優しく私に訊ねました
「今日は雪乃のソロがあるな、緊張していないか?」
私はそれを聞いて嬉しくなりました
Pさんは私が少し緊張しがちなのをちゃんと御存知です
だから心配して、わざわざ出張先から電話をかけて下さったのです
申し訳ないと思いつつ、やはりPさんの声が聞けたことに私は安堵していました
落ち着いて、いつも通りにやるんだぞ?とPさんは言いました
何気ないアドバイス、でもその一言一言が緊張していた私の心を解きほぐします
そしてPさんは
「大丈夫か?」
と、尋ねました
私は自信を持った声で
「はい、大丈夫です」
と答えます
Pさんはそれを聞いて安心したようで声の調子からもそれが伝わってきました
それと同時にスタッフさんがドアを叩き、私の出番が近いことを告げました
私は、もっと声を聴いていたいですけど出番が来てしまいました、と話すとPさんは一言...
「頑張れ」
とだけ言いました
私は御礼を言ってから電話を切り、ステージへと向かったのです
少し前の緊張も幾分か楽になっていました
そして、肝心の本番ですが...覚えていない、というのが率直な感想です
正直なところ、夢中で歌って...気が付くと私は舞台袖に立っていました
ファンの皆さんの反応や自分の歌がどうであったかがよく思い出せないのです
ただ、とても楽しかった、それだけはハッキリと記憶しています
舞台袖でも周りの皆さんが「すごくよかった」「とても感動した」と仰ってくださったので成功したと思っていいのでしょう
とにかく、ライブは大成功に終わりました
これで胸を張ってPさんに報告が出来ます
私はしっかり頑張れました、と
ちょっと中断します 今日中には終わると思います
寝落ちしてた... 再開します
☆月★日(日) 晴
今日は朝から買い物に出かけました
昨日のライブの後なので、寮の皆さんは遅くまで眠っていらっしゃる方が多かったように思います
正直、私も少し遅くまで寝ていようかとも考えていたのですが
気持ちが昂ぶっていたので眠るどころではありませんでした
ライブの余韻、というより今日はPさんが出張から帰ってくる日だからと思うといてもたってもいられなかったのです
まず始めに、いつもの紅茶のお店で茶葉を買いました
店員の人から滅多に入らないような美味しい茶葉が入ったと聞いたのですぐに買ってしまいました
それから紅茶には欠かせないお菓子、これに関してはいつもスコーンやチョコレートの他にケーキを買う事にしました
Pさんはイチゴが大好きなのでイチゴをふんだんに使った甘いケーキ...
出張のお疲れ様とライブが無事に成功したのを祝って、という二つの意味を兼ねて買いました
その他、Pさんの大好きなチキンなど色々なものを用意してPさんのお部屋に向かいました
着いたらまずはお掃除、Pさんは普段から整理整頓をきちんとなさってますがやはり二週間も留守にするとほこりなどが溜まっていましたね
机や床などをしっかりお掃除して、綺麗にしてからお迎えしなくてはいけませんものね
ただ、お掃除にはあまり集中できていなかったかもしれません
なぜなら、私はずっとPさんにお迎えする時のイメージトレーニングをしていました
帰ってきたらなんと言ってお出迎えしましょう、まずなにをして差し上げたら喜んでいただけるのか...
そんなことを考えながら、私はひとつひとつお掃除を進めていきました
やり始めると夢中になってしまい、結局お昼くらいから始めたお掃除は午後までかかってしまいました
終わってしまうとあとはPさんの帰りを待つだけとなってしまい、やることがないのでこうして日記をつけているところです
Pさん...美味しいお茶もお菓子も全て揃えました
もう足りないのは、貴方だけです
早くお会いしてその疲れを労ってあげられ
先程Pさんから連絡がありました
なんでも急な用事が出来て、帰りが一日遅れるとの事でした
仕方ありません、お仕事ですからこういうこともあります
とにかく無事に帰ってきていただければいいのです
焦ることはありません、たった一日延びるだけなのですから
二週間も待っていたのですから今さら一日くらい
会いたい 会いたい 会いたい 会いた
------
ペラッ...
P「ほぉ~...」
P「なんかすごいなぁ...」
雪乃「Pさん、どうかしまし...っ!!」
P「あっ...」
雪乃「み、見てはいけませんわ!」
P「ゴメンゴメン、床に落ちてたから何かと思ってさ...」
雪乃「さっき玄関に行くときに落としたのですね、慌てていましたから...」
P「確かにすごく慌ててたなぁ...」
雪乃「Pさんったら人が悪いですわ、『一日遅れる』なんて言って、実は玄関の外からの電話だったなんて...」
P「ちょっとビックリさせたくてさ」
雪乃「おやめください、寿命が縮んでしまいます...」
P「だけどすごい反応だったな、ビックリするかなとは思ったけど泣きながら抱き着いてくるとは思わなかったよ」
雪乃「だ、だって...突然のことでしたから本当に驚いて...」
P「悪かった、もうしないよ」
雪乃「はい、もうしないでください...」
P「ああ、わかってるよ」ナデナデ
雪乃「ふふっ、さあお茶にしましょう♪」
雪乃「いかがですか?」
P「うん...やっぱり美味しいな、雪乃の淹れてくれるお茶は」
雪乃「ありがとうございます♪」
P「久々に飲むと更に美味しく感じるよ、ケーキも甘くて美味しいし...」
雪乃「そう言っていただけて、雪乃は幸せですわ」
P「ライブ、上手くいったみたいだな」
雪乃「ええ、おかげさまでなんとか」
P「雪乃のソロも評判良かったみたいだぞ、部長が喜んでたよ」
雪乃「ふふっ、Pさんのおかげです♪本番前のアドバイスありがとうございました」
P「俺は別になにもしてないよ、あんなの誰にだって言えるしな、雪乃が頑張ったからだ」
雪乃「...そう思うのでしたら、お願いがあります」
P「お願い?」
雪乃「二週間会えなかった分...」
雪乃「近くにいさせてください...」
P「ああ、もっと傍まで来ていいぞ」
雪乃「では、遠慮なく...」ギュウウウウウウウ
P「雪乃...」
雪乃「はぁ...Pさんの匂いがします...」
P「あんまりいい匂いじゃないだろ、ていうか汗臭いと思うぞ?まだシャワーも浴びてないのに...」
雪乃「いえ、とてもいい匂いです...それに私だってまだ浴びていませんからお互い様ですわ...」
P「そっか...」
雪乃「Pさんは...抱きしめてくださらないんですか?」
P「うーん、どうしようかなぁ...」
雪乃「いじわる...」
P「ウソだよ、ほら」ギュッ
雪乃「んっ...」
P「雪乃、さっきの日記のことだけど...」
雪乃「ふふっ、もう怒っていませんわ♪」
P「いや、そうじゃなくてさ...」
雪乃「なにか?」
P「なんか...途中から俺のことばっかり書いてないか?」
雪乃「そうですか?」
P「ああ、俺がこうだったとか、俺がこんなこと言ってたとかやたら詳細に書いてあって、この日のやつなんか俺へのラブレターみたいで...」
雪乃「それはきっとPさんと一緒の時の出来事が印象に残っているということですわ♪」
P「...まあ、そういう事にしておくか」
雪乃「Pさんは私との出来事は印象に残りませんの?」
P「いや、もちろん残ってるけど...」
雪乃「私もです」
チュッ
雪乃「Pさんと過ごした時間はどれも私の記憶にしっかりと刻まれてますわ♪」
P「そっか...」
雪乃「ですから、日記でPさんの事を書いてしまうのも仕方がないんです」
P「なるほど...でも刻むのは自分の記憶の中だけにしといた方がいいんじゃないか?」
雪乃「あら、どうして?」
P「だって、万が一この日記を人に見られたらヤバいだろ、ほら...エッチの内容とか具体的に書いてあるし...」
雪乃「み、見せませんわ!というより、Pさんも勝手に見てはダメですからね!」
P「わかった、わかったから怒るなよ」
雪乃「いいえ、許しませんわ」
雪乃「許してほしいんでしたら...」
雪乃「もっと、触ってください...」
ちゅっ...ちゅっ...
雪乃「んっ...♡」
P「雪乃...」
雪乃「あっ...Pさん...♡」
P「すごいな、ちょっと触っただけでこんなに...」
雪乃「やぁ...♡」
P「...ひょっとして、期待してたのか?」
雪乃「そ、それは...」
P「どうなんだ?ほら、ほら...」
雪乃「あっ...♡んんっ...♡し、してました、Pさんにしてもらえるの...期待してましたぁ...♡」
P「雪乃はすっかり変わったなぁ...」
雪乃「ふぇ...?」
P「エロくなった」
雪乃「え、エロく...?」
P「だって、自分から触ってくれなんて初めて会った時なら絶対に言わなかっただろ」
雪乃「そ、それは...うぅぅ...」
P「なんだよ?」
雪乃「Pさんのせいです...Pさんが私を変えてしまったんです...」
雪乃「Pさんが私を...『カイハツ』してしまったから...」
雪乃「私、こんなはしたない女に...」
P「俺のせいか...」
雪乃「そうです...だから」
ギュッ
雪乃「責任...取ってくださいませ...♪」
P「あぁ...取るよ、もちろん...」
雪乃「はい...ライブも頑張りましたから...」
雪乃「今夜は...いっぱいゴホービをください...」
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P「Zzz...」
Prrrrr♪
P「んんっ...」
Prrrrr♪
P「ん~...」
Prrrrr♪
ピッ
P「はい...」
『もしもし?』
P「...千秋?」
千秋『そうよ、おはよう、朝早くからゴメンなさいね』
P「朝...?今何時だ...?」
千秋『ちょうど七時よ』
P「こんな時間にどうした...?」
千秋『この前、アナタが借りたいって言ってたクラシックのCD、覚えてる?」
P「ああ、覚えてるけど...」
千秋『アナタのデスクに置いておくわ、飽きたら返してくれればいいから』
P「おう、ありがとう...」
千秋『それと、雪乃さんのことだけど』
P「...雪乃?」
千秋『二週間ぶりに会ったからって、あんまり無茶しちゃダメよ?』
P「...えーっと、それはどういう意味で...」
千秋『誤魔化しても無駄よ、アナタに対する雪乃さんの反応を見て気が付かないとでも思ってるの?』
P「うっ...」
千秋『外泊も多いし...フォローする方の身にもなってちょうだい...』
P「す、すまん...」
千秋『まったく...雪乃さんにもう少し自重するように言っておいてね』
P「は、はい...」
千秋『用件はそれだけよ、今日は二人ともお休みだしゆっくりしてね、それじゃ』ピッ
P「そっか...千秋が色々フォローしてくれてたのか...」
雪乃「むにゃ...」ギュッ
P「のんきなもんだ...」
雪乃「Pさん...」
雪乃「好き...」
P「俺もだ」チュッ
P「まっ、色々言いたいことはあるけど、とりあえず千秋のお言葉に甘えてもうちょい寝るか...」
雪乃「んんっ...」
P「後でシャワー浴びような...」
P「おやすみ雪乃...」
雪乃「はい...」
おわり
駄文失礼しました~
ゆきのん再登場おめでとう!
お嬢様っぽいけど唐突に子供っぽく無邪気になるところが可愛いです
でも正直制服姿はキツ...くないよ!カワイイヤッター!
アニメもしょっぱなから動きのありそうな展開で楽しみです
ではまた~
乙
まさかの制服すのーのん、しかも普通に似合ってる、というのは驚きだった
おもしろかった 乙
雪乃ー!俺だー!紅茶淹れてくれー!
良かった。
雪乃Pの望む世界は此処にあったんだね……(昇天
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