男「はー!このあたり全然かわってねー」テクテク
男「10年ぶりだけど、相変わらず何もないなー」テクテク
男「しっかし、母ちゃん何の用だろうなー」テクテク
男「いきなり帰ってこいとか…ちょっとビビるぜー」テクテク
男「おー、久しぶりの我が家!」ピタッ
男「昼だけど、母ちゃんいるかなー」ピンポーン
男「…」
男「返事がない…」
男「おいおい、勘弁してくれよ」ピンポピンポピンポーン
男「こっちは長旅で疲れてるんだよ!開けろー!」ガチャガチャガチャ
男「…」
男「母ちゃん居ないのかよ!どうすりゃいいんだコレ」ピーン…ポーン
ガチャ
ドキドキ…
母「うっさい!誰だこんな時間に!今何時だと思ってるんだよっ!」ギロッ
男「…」
母「…」ボケラー
男「…おはようございます、あなたの息子さんですよー」フリフリ
母「…あぁ、アンタか…何の用だい…」ボケー
男「…母ちゃん、こんな事言いたくないけどさ」ハァ
男「アンタが呼んだんだろーがっ!!」カーッ!
母「…」ボー
男「…」
母「!!」ハッ
男「おはよう母ちゃん。目、覚めたな?」
母「男、お帰り!久しぶりだねぇ、ちょっと痩せた?」ハハハ
男「こんな時間から寝てるって、いい身分だな母ちゃん」ハハハ
母「さぁ、入りな入りな!散らかってるけど」ハハハ
男「おう、疲れてるんだよ。ちょっと眠いし」
母「しかし、10年ぶりに見る我が子はアレだねぇ」
男「何だよ?」
母「冴えない面してるねぇ」ハァ
男「ちょっと!ため息とかやめろよ!傷つくだろ!」
母「28歳、独身。彼女いない歴=年齢の息子を前に」
母「冴えない面、以外の表現が有ったら教えておくれよ」ハハハ
男「何で彼女居ないって言い切れるんだよ!」
母「へぇ?じゃあ彼女居るのかい?」
男「…」
母「ニヤニヤ」
男「口でニヤニヤ言うな!腹立つ!」
母「で、居ないんだろ?」
男「居ないよ!」
母「だろうね」ハハハ
男「ところで、何の用なんだよ。急に帰って来いって」
男「しかも日付まで指定してよ」
母「アンタ、何か忘れてる事ない?」
男「何の事だよ」
母「…」ハァ
男「だから!何なんだよ!」ガタッ
母「…いや。アホだとは思ってたけど、やっぱりアホだったねぇ」ハァ
男「はぁ?」
母「幼ちゃん、可哀想に…」ボソッ
男「ん?何て?」
母「別に!何でもないよっ!」
男「…結局、俺を呼んだのはどうしてなんだよ」
母「…今夜、深夜0時にウチの裏の公園に行きな」
男「は?」
母「アンタが真性のドアホじゃないって、母は信じていますよ…」ニコヤカー
男「怖っ!何その仏様みたいなスマイル!?」
母「とにかく、そういう事だから!行けよ!絶対!」
男「わかったよ…行けばいいんだろ、行けば」ハァ
男「とりあえず昼寝してーんだけど」
男「俺の部屋、10年前のままか?」
母「に、2階の部屋は今アタシの物置だよ!」
母「絶対2階に上がるなよっ!寝るなら居間で寝な!」
男「物置って…まぁいいけどさ」
男「じゃあ、ちょっと寝るわ」フリフリ
母「…ふぅ」
男「おぉ…この公園も10年ぶりだなぁ」
男「…ちょっと早かったな」
男「ふぃー。夜はまだまだ肌寒いなぁ」ホゥ
キィ…キィ…
男「ん?誰かブランコに乗ってるな」スタスタ
男「…」(女の人だった…)
?「!」ハッ!
男「?」
?「来てくれたんだね…」
男「んん?」
男(誰だ、この美人)
?「私、ずっと待ってたんだよ…」
男「あ、あの…すみません。人違いじゃないですか?」アセアセ
?「えっ?」
男「えっ?」
男「えっと、誰…ですか?」
?「あ、あの…私、幼だけど…」
男「え?幼?マジで?」
幼馴染「男、私の顔忘れちゃったの?」
男「いやいや、10年ぶりだから!」アセアセ
男「幼、超美人になってたからさっ!」アセアセ
幼「そ、そんな事ないよ」テレテレ
男「いや、マジで!マジで!」
男(てかこれは変わり過ぎだろう…)
男「少し痩せた?」
幼「10年前と比べたら、少し、ね」クスクス
男「…髪、伸ばしたんだな」
幼「うん。伸ばしたの」サラサラ
男「すげー似合ってるよ」
幼「ありがと。約束だもんね」フフ
男「え?」
幼「え?」
幼「…男、まさか、忘れてるんじゃないよね?」
男「え?い、いや忘れてないよ!」キョドキョド
幼「…」ジーッ
男「ホントだって!俺がお前に嘘ついたことあるか?」
幼「数え切れないくらいいっぱいあるよ…」ハァ
男(それもそうか…昔はよく嘘ついて、からかってたもんな…)
ふむふむ
恐ろしく支援
幼「忘れちゃってたなら、今、何でここにいるの?」
男(母ちゃんに言われたから…とは言えないよなぁ)
男「忘れてないってば!あの時の約束なー」
男「幼の方こそ、良く覚えてたなー」ハハハ
幼「…いつ、何の約束をしたのか言ってみて」
男「あー、あの時だよな。あのーあー」シドロモドロ
男(やべえ!全然覚えてねぇ!)
幼「やっぱり、忘れちゃってたんだね…」
幼「…」
男「…すまん幼。覚えていない」
幼「うぅ…」グスッ
男(泣き出しちゃった…どうしよう…)
男「あ、あの…その…」
幼「男…やっぱり…」ボソッ
男「ん?」
幼「…何でもないよ…男やっぱり覚えてないんだね」グスッ
幼「うぁーーーーーーん!」ゴウキュウ
男「お、幼、落ち着いて!夜だよ!今、深夜だよ!」
幼「ぞんだの、がんげいないんだぼん」グシュグシュ
幼「うぁーーーーーーーーーーーん!!!!」ゴウキュウ
男「」
幼「おどごのあほーーー!!!」ゴウキュウ
男(やばい、こうなった幼はちょっとやそっとじゃ、泣き止まない…)
男(約束とか、全然覚えてないし)
男(正直、訳わかんないけど…)
男(とにかく謝らなきゃ!)
男「幼!ごめん!」ドゲザー
幼「…」グスグス
男「俺はいつ、何の約束をしたのか、覚えてない!」
男「でも今、幼の涙を見て、思った」
男「その約束を守る為なら…何でもする!」ドンッ!
幼「…今の言葉に、二言は無いよね?」グスッ
男「無い!」ドドンッ!!
ピピピピピ
男(ん?携帯のアラーム音?)
幼「今、丁度0時だね」
男「お、おう。そうだな」
幼「男、今日が何の日かは覚えてる?」
男「今日?日付変わって…6月9日?」
男「…ロックの日?」
幼「…」ジーッ
男(外れっぽいな…。考えろ、俺!冴え渡れ、灰色の脳細胞!)
男「6月…9日…」
男(…何か引っかかるな…何だっけ…)
幼「……」ジーーーーーッ
男(視線が痛い…)
男「…」
幼「…」
男「あっ!」
幼「ん!?」
男「思い出した…」
男「今日6月9日は、幼の誕生日だ!」
幼「はーい!正解でーす!男10ポイーント!」ビシッ!
男「やったー!10点もらったー」ワーイ
幼「…」
男「…」
幼「で?」
男「え?」
幼「え?じゃなくて…」ハァ
幼「ヤクソクは?ヤクソクの方は思い出さない?」
男「…ごめん、そっちの方は全然思い出せないや…」ショボン
幼「…わかった。うん、わかったよ」
幼「ていうかっ!」クワッ
幼「わかってたよ!男が約束の事、忘れてるって!」ガーーッ!
男「お、幼、深夜なんだから、もう少し声小さく…」アセッ
幼「構わないよ!むしろ聞いて欲しいくらいだよっ!」
幼「男っ!さっきの約束、守ってもらうからねっ!」
男「お、おう!ドンと来い!」
幼「私の頼み事はたった1つのシンプルな事!」
男(どんな事言われても、驚かずに、絶対聞く!)ドキドキ
幼「今日…」
男「…」ドキドキ
幼「私と…」
男「…」ゴクリ
幼「結婚しなさい!」
男「…」
幼「…」
男「はぁぁあああぁぁぁぁぁああああぁぁああああ?」
幼「ちょ、男、声デカイよ!」アセッ
男「これが叫ばずに居られるか!」
男「けけけけけ結婚ってお前!」
幼「約束、守ってくれるよね?」ニコ
男「ちょっ、それは、あの…」
幼「何でも聞くって言ったじゃん!」
幼「男は2回も約束を破るの?」
男「あ、あの…」
幼「私の事、嫌いなの?」
男「いや、ずっと好きだったけど…」
幼「じゃあ良いじゃん!はい決まりねっ!」
男「いや、俺が昔どんな約束したか覚えてないのは悪かった」
男「けど、お前、結婚って!一生の事だぞ?」
男「…良いのかよ、俺で?」
幼「言ったでしょ、ずっと待ってたって」
男「ぅ、待ってたって…」
幼「はい、コレ」スッ
男「?何、この封筒」
幼「婚姻届が入ってるから、ハンコ下さい」ニコッ
男「は?」
幼「実印、家にあるんでしょ?」
男「押印しておいてね」
幼「朝、役所に出しに行こう!」
男「」
幼「それじゃ、朝迎えに行くからねっ!」
幼「ちゃーんと睡眠取っておいてよね!」
タッタッタッ
男「」
男(どうしてこうなった…)
男(封筒の中には確かに婚姻届が入ってた)
男(何であいつはこんな物用意してたんだ…)
男(ていうか、どうする俺、どうなる俺)
男(昔の俺、何を約束しちまったんだ…)
男(んーダメだ、思い出せん!)
男(とりあえず寝るか…)
男「グガーグガー」
幼「男くーん!あさー、あさだよー。早く起きて学校いこー!」ユサユサ
男「ぉー。あさかー…がっこーかー」ボケラー
幼「男、すっごい寝癖!」ケラケラ
男「…」ボケー
幼「おーい。愛しの妻が起こしに来たよー?」フリフリ
男「…」ボー
幼「早く目覚めて!」バシッ
男「!」ハッ
幼「ようやく起きたか!さ、役所行くよ!」
男「ゆ、夢じゃなかった…」
幼「ちゃんと押印してあるよね?」ガサガサ
男「あ」
幼「…」
男「あの、ちょっと、待って、幼さん」
幼「…」プルプル
男「いきなり結婚は無理だろう?」
男「ほら、俺、今、東京都民だしさ」
男「仕事の事、とかもあるし」
男「俺の母ちゃんや幼の両親ともちゃんと話し合ったりとかさ」
男「その、最終的には結婚するにしてもさ」
男「前のステップがその…ごっそり抜けちゃっててさ…」
幼「…サイ」プルプル
男「え?ごめん、聞こえなかった。何て?」
幼「うるさーーーーーーーーーーーーーい!!!!!」ガーーー!!!
男「」
幼「10年、待った!」
幼「今日という日を10年!10年だよ?」
幼「大学でも、会社でも」
幼「言い寄ってくる奴らを振り払って!」
幼「親戚からの『結婚まだなの?』攻撃も華麗にスルーして!」
幼「次々結婚していく周囲の友人達からのプレッシャーもはねのけて!」
幼「私は待った!待ってた!」
幼「待てない!待てない!もーう待てない!」
幼「もう1分1秒だって待ってやんない!」
幼「さぁ、ハンコ出して!」ガシッ
男「」
幼「はよ!はよ!」
母「はぁ…やっぱりこのアホは思い出さなかったんだね…」
幼「あ、おばさん、いやお義母さん。おはようございます!」
幼「やっぱり男は思い出しませんでした」
幼「誕生日だけはかろうじて思い出してくれたけど…」
母「あの約束は忘れたままだったんだね」
幼「…はい」ショボン
母「まぁ、良いじゃないか。準備はしてあるんだし、ね?」
幼「はい!今から役所に行ってきますっ!」パアッ!
男「おい!ちょっと待っておい!」
母「ん?何だボケ息子。言う事あるなら聞いてやるよ」
男「これはどういう状況なの?」
男「俺にもわかるように説明してくれ」
母「あぁ、アンタは今日、幼ちゃんと結婚する」
母「以上」
男「だから、何でそんな事に…てか、母ちゃん知ってたの?」
母「知ってたっていうか、覚えてたっていうか」
母「幼ちゃん、もういいだろ」
母「このアホにアレ聞かせてやんなよ」
男「アレ?」
幼「はい…」スッ
男「ん?icレコーダー?」
幼「再生してみて」
男「ん…」ピッ
10年前の男『幼、俺…』
男「あ、俺の声だ」
母「黙って聞いてなよ」
10年前の男『東京で頑張るよ!』
10年前の男『そんで、一人前の大人になったらさ』
10年前の男『幼を迎えに来るよ!』
10年前の男『10年後の幼の誕生日に』
10年前の男『俺と結婚してください!』
10年前の幼『嬉しい…約束だよ?』グスッ
10年前の男『おう!約束だ!』
10年前の幼『忘れたりしたら…』
10年前の男『忘れるわけないだろ!』
10年前の幼『忘れてたら、私、男がビックリするような事するよ?』
10年前の男『何だそれ、怖いな』ハハハ
10年前の男『絶対忘れねーって!』
10年前の男『キミの髪が~肩まで伸びたら~』
10年前の男『結婚しようよ~フフンフーン』
10年前の幼「フフ。何それ。髪伸ばせって事?」フフフ
10年前の男『ハハハ。そうだなー。幼、髪伸ばしてみれば?』ハハハ
ピッ
男「…」
幼「…」
母「わかったか、アホ」
男「すんませんでしたーーーーーー」ドゲザー
幼「男は絶対忘れると思ったよ。わかってたよ」
幼「何せ、生まれてから18年ずっと一緒だったもんね」
幼「だからこの会話も録音しておいたんだー」フフン
母「良くやったよ、幼ちゃん!」グッ
男(ヤバイヤバイヤバイ!完璧に忘れてた!)
幼「さぁ、男、役所に行くよ!」
男「でも幼、本当に俺なんかでいいのか?」
幼「男じゃないとダメなの!いい加減そろそろわかってよ!」
母「ハラ決めなよ、ダメ息子」ニヤッ
幼「さぁ、その手を伸ばしてよ!」
男「わ、わかったよ!するよ!結婚するよ!」
幼&母「イェーイ!」パシッ
男「何故にハイタッチ?」
母「色々あったんだよ…色々ね」ハァ
幼「そうそう。何せ10年だもん。色々あるよそりゃあ」ハァ
男「色々…ね」ハァ
母「さぁ!晴れの門出にため息ばかりじゃ、縁起悪いよ!」
幼「そうだよ!行こう、男!」
男「おう!行くか!」
男(まぁ、幼相手ならいいか…いいよな)
男(昔から一緒に居て、楽しかったし、すげー美人になってるし)
男(ハッピーエンド…だよな)
男(いや、エンドじゃないか。ハッピー…だな!)
幼「今日は色々忙しいからねー。ちゃっちゃと行くよー」
男「?あぁ、まずは幼の両親にご挨拶に行かないとなー」
幼「あぁ、そんなの良いから良いから」
男「そんな訳にもいかないだろ。10年会ってないんだぞ?」
男「娘さんを嫁に下さいって言わないと!」
幼「ウチの親もわかってるから良いの良いの」
男「…わかってる?」
幼「良いから、役所行くよ!」
役所職員「はい、確かに受理しました」
役所職員「おめでとうございます」
幼「ぃやったーーーーーーー!」ピョンピョン
男「幼、はしゃぎすぎだろ」ハハハ
幼「何度も言うけど、10年待ってたんだからね!」
男「わ、わかったよ。とにかくこれからよろしくな!」
幼「さて、無事籍入れて、夫婦になりましたね、私達」ニコニコ
男「そうだな。考えないといけないこと山積だけどな」
幼「大丈夫。何も問題ない」
幼「問題ないんだよ、男」
男「いやいや、あるだろ、色々」
幼「ない!」
男「住む所とか、仕事とかさ」
男「幼が東京に来るのか、俺がこっちに帰ってくるのか」
男「帰ってくるなら、仕事どうするのか?とかさ」
幼「ノープロブレムだよ、男」
幼「さぁ、次行くから車に乗って!」
男「次って?」
幼「良いから早く早く。ケツカッチンだよ!」
美容師「今日はどんな感じにしますかー?」
男「えっと…」
幼「美容師さん、ちょっとこっちに」
美容師「ちょっと何何?何の話し?」
幼「実は…」ゴニョゴニョ
美容師「へぇー。そうなんだー。オッケ~!」
美容師「それじゃ、張り切っちゃうよ!」
幼「お願いします」ニコッ
男(何故朝の10時から髪を切るのだ…)
幼「おー、サッパリしたねー」
男「お、おう。さっぱりしたなー」
幼「さぁ、次行くよー!」
男(どこに?って聞いても答えないんだろうな…)
男(で…)
男(気付いたら、結婚式場?に居て…)
男(タキシードを着せられていた…)
男(何を言ってるかわからねーと思うがry)
男「あ、あの、幼は?」
式場係員「隣りの部屋で着替えてますよ。大丈夫だからね」ニコニコ
式場係員「カッコイイですよ、新郎さん」ニコニコ
男(何なんだ、コレ)
幼「男、どうかな?」テレッ
男「おぉ…超綺麗だな。似合ってるぞ、そのドレス」
男(すげー綺麗だ…ここに天使がおる)カァッ
男「!」ハッ!
男「いや、幼、そろそろ説明してくれよ!」
男「何でこんな…」
幼「さぁ、もうそろそろ時間だから行くよ!」
男「行くって…どこに?」
牧師「…愛を誓いますか?」
幼「はい、誓います」
牧師「それでは神の御名のもとに、この2人を夫婦と認めます」
参列者「ワー」パチパチパチ
男(チャペルで結婚式?)
男(てか、幼の両親と、ウチの親戚がみんな集まってる…?)
披露宴の司会者「それでは新郎・新婦のご入場でーす」
披露宴の司会者「皆様、盛大な拍手でお2人を迎えてくださーい!」
パパパパーン パパパパーン
男「」
幼「ほら、行くよ!」
男(…結婚披露宴?)
幼の父「男君、久しぶりだね。幼の事よろしく頼むよ!」ポンポン
幼の母「フフフ。幼、綺麗よ。男君と一緒なら、必ず幸せになれるわよ」パチパチパチ
男の親戚のおっさん「おう、男。やっと結婚だな!心配してたんだぜー」ワッハッハ
男の親戚のおばちゃん「男ちゃん、やっと結婚ね!次は子供ねー」ハハハ
男の従兄「男、年下のくせに先に結婚かよ!悔しいぜ!」ハハハ
男の従妹「男おにいちゃん、結婚おめでとう!お幸せにね!」パチパチ
会社の社長「男君、本当におめでとう。綺麗なお嫁さん貰って羨ましいぞ」ヒューヒュー
会社の専務「はっはっは!本当に素敵な新婚さんだ!お幸せにな!」パチパチパチ
会社の先輩「男君、おめでとう!お幸せにね!」パチパチパチ
会社の同僚「男~。こんな可愛い彼女が居たんなら言えよなー」ニヤニヤ
会社の後輩「男先輩、おめでとうございますッス。ホント、奥さん綺麗で羨ましいッス」ヒューヒュー
会社の事務「お、男さん…おめでとうございます。お、お幸せに…」グスッ
友「男!10年ぶりだな!結婚おめでとう!」パチパチパチ
イケメン友「男、幼ちゃんを幸せに出来るのはお前だけだ!おめでとう!」パチパチパチ
オタ友「男殿、久しぶりでござる。そしておめでとうでござるドゥフフ」パチパチパチ
女「男君、幼さん、おめでとう。ホント、似合いの2人だね!」パチパチパチ
元ツンデレ「ふんっ。幼ちゃんを不幸せにしたら、許さないんだからねっ」パチパチ
元委員長「やっと結婚ね!幼、おめでとう。男君と…お幸せにね」パチパチパチ
元生徒会長「君は本当に世話の掛かる後輩だった。…幼さんと仲良く…ね」パチパチパチ
男「」
幼「ほらっ、最後の挨拶はアドリブだけど、しっかりね?」
男(えっ?急にスピーチって言われても…)アワアワ
男(何なんだよこれー)アワアワ
会社の同僚「男ー!クライアントへのプレゼンだと思えー!」
会場の客「ワハハ」ドッ
男(プレゼン…そうかこれはプレゼン、これはプレゼン…)ブツブツ
幼「男、大丈夫?」
男「ん、よし!大丈夫。やれるよ」
男「…」スーーーーハァッ
男『本日は、ご多忙の中、わたくしたち2人の為に足を運んで頂き…』
幼「いやー、終わったねー」
男「終わったなぁ」
幼「ビックリした?」
男「説明求む」
幼「ビックリしたでしょ?」
男「したよ、超ビックリした」
男「なんでウチの会社の連中全員来てるの?」
幼「2ヶ月前、直接会社まで行って、頼んだの」ニコリ
男「は?2ヶ月前?」
幼「うん。結婚式の招待状持って、頼みに行ったの」フフフ
男「東京来てたんなら、何でオレの所には来なかったの?」
幼「全部ぜーんぶ。今日という日の為だよ!」
幼「男をビックリさせたかったんだよ!」
男「…マジかー」アングリ
幼「10年前、言ったでしょ。忘れてたらビックリするような事するって」
男「そりゃ言ってたけど…これはお前、アレだぞ?」
幼「あの頃からこうしようって決めてたんだー」
幼「だから構想10年の大プロジェクトなんだよコレは!」フフン
幼「他にも全部色々、準備してあるよ」フフフ
男「まだ何かあるのかよ…」
幼「男の実家ねぇ」
男「実家?」
幼「2世帯住宅にしちゃった!」テヘペロ
男「」
幼「2階部分が私達の新居になってるよ!」
男「母ちゃんもグルなんだな?」ハァ
幼「勿論!10年前から一緒に色々計画してたんだから!」
男「だから2階に上がるなって言ってたのか…」
幼「あとねぇ…」
幼「男は外注のデザイナーって事で、自宅で仕事が出来るようになってます!」
男「えぇーーーーーー」
幼「これも2ヶ月前に社長さんに頼みました!」
幼「ネットさえ繋がってれば、ちゃんと仕事出来るんだから凄いよね!」
男「社長、そんな事一言も言わなかった…」
幼「10年、会えなかった分、ずっと一緒にいたくってねっ」ニコ
男「てか、オレ以外のみんながグルだったのかよ!」
幼「そうでーす」テヘペロ
男「あのさぁ」
幼「何?」
男「オレに彼女が出来てるかもとか、そんな事は考えなかったの?」
幼「彼女居ないって知ってたからね!」
男「何で?」
幼「だって、私とおばさん…じゃなくてお義母さん、2人でさ」
幼「3ヶ月に1回は男の様子を見に行ってたからね!」
男「はぁ?いつから?」
幼「10年前からだよ!」フンス
男「」
幼「お義母さんと、話してたんだよ」
幼「男は絶対、この約束の事忘れるって」
幼「だから定期的に様子を見に行ってたんだよ」
男「」
幼「あ、男のアパートの大家さんも、私達の事知ってるから」
幼「連絡とかマメに取り合ってたんだよ」フフ
男「」
幼「たまーに、ちょびーっと部屋片付けたりしたんだけど」
幼「気付かなかった?」
男「部屋に入ってたのかよ…」
男(気付かなかった…)
幼「アヤシゲな本を何冊か捨てたんだけどなー」フフフ
男「マジかよ…」
幼「ぶっさいくな風俗嬢をブロックしたのも私達だよ!」
男「」
幼「あんな女に男の貞操を渡す訳にはいかなかったからね!」フフン
男「…参ったよ。ホント参った」ヘタリ
幼「さぁ、そろそろ帰ろうか!我が家へ!」スッ
男「ん?あぁそうだな」ヨッコラ
幼「…」ガシッ
幼「…」グイッ
幼「ェィ」チュッ
男「」ドサッ
男(立ち上がろうとしたら、手掴まれて」
男「引き寄せられて、キスされて、しりもちついた…)
幼「…」カァッ
男「ぉぉぅ」カァッ
幼「28歳だけど、ファーストキスだよ?」テレッ
男「俺もファーストキスだけど」テレッ
幼「帰ったら、この続き…ね?」マッカッカ
男「お、おぅ」マッカッカ
男「28歳の冴えない男が」
男「10年ぶりに実家に帰ってみたら…」
男「いつの間にか隣りに嫁が立ってた」
おわり
面白かった おつかれさまです
幼馴染はみんな幸せになったらええんや!
以上です。
読んでくれた人、ありがとう。
次は
男「幼馴染なんて幻想だ!」幼「はぁ?」
ってタイトルでスレ立てるつもりです
見かけたらよろしくお願いします
おつおつ
おっつおっつ
次もこういうの頼むわ
0時丁度に書き込む為に、23時から0時まで
すげー変な間が空いたのは反省してます
でもまさかコンマまで0になるとは思わなかったです
そこんとこは自分でも上出来だったかなと思います
とにかく自分は、幼馴染が幸せになる話しが好きなんじゃーーーー
次も書き溜めて投下していきます
それではおやすみなさい!
乙!
>>23
話もgjだったが丁度0時なのもすげぇww
乙! 昔vipで幼馴染が男の子供連れてくる話書いてた人?
乙
幼馴染には幸せせになって欲しい
>>80
違います。あれ良く考えられた話でしたね
ss書いたのこれで2本目です
前書いたのは
幼馴染「レ○プって気持ちいいと思う?」男「…」
幼馴染「レ○プって気持ちいいと思う?」男「…」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1338810858/)
って奴です
週に1回、幸せな幼馴染物を書いて、不幸せな幼馴染を一掃していきたいです
面白かったわ
次も期待してる
乙
乙!
あっ、委員長は貰っていきますね
某まとめサイトで叩かれてるなぁ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません