【ラブライブ】ことり「小さくなった花陽ちゃん」 (137)

更新かなり遅め
ことぱな
ほのぼの予定

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436011982

――――――



ことり「一番乗り♪」



放課後のことです。

私は一人、部室に来ていました。
もちろん部活をするために。

ホームルームが早く終わったから、言葉の通り一番乗りです。
穂乃果ちゃんは先生に呼ばれて職員室に。
海未ちゃんは弓道部に行ってしまって、少し寂しい気はしちゃうけど。


ことり「でも、新鮮だなぁ……。部室にひとりでいることなんてないから」


なんて。
ポツリと独り言。

いけないいけない。
独り言が多いと、寿命が短くなるっていうもんね。
ブンブンと首を振って、頭を切り替えます。

とりあえず衣装の調整をしようかな?
それとも、すぐに着替えて、苦手なステップの練習をしようかな?

そんな風に、考え事をしていたときでした。



「…………あ、あの……」


ことり「えっ?」


どこからか声がしました。
けれど、姿は見えず……。


ことり「えっと……?」


キョロキョロと、辺りを見回してもやっぱり声の主は見当たりません。

空耳かな?
そう思いました。
けれど、


「あ、あのっ!」


声が聞こえてきます。
さっきと同じ、女の子の声。
って、音乃木坂は女子校だからそんなのは当たり前なんだけど。


ことり「……えっと、どこにいるんですかぁ?」


そんな風に、キョロキョロとしながら声をかけます。
すると、


「えっと、あのぉ、その…………」

ことり「?」


もじもじとした声で、なにかをことりに言ってきました。


ことり「どうしたのぉ?」

「そ、の……」


うーん?
声が小さくてよく聞き取れません。
声の調子から、なんだか困ってるのは分かるのに……。

うーん……うーん?
腕を組んで唸ってみても、見えない女の子を見る方法なんて思いつきません。



ことり「…………よし!」



悩んだ結果、ことりは一旦、椅子に座ることにしました。

困ったときこそ、一休み♪
鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス!
昨日作ったマカロンでも食べて待ちましょう♪


「あっ」


と、そんなことりの作戦が効いたのでしょうか。
また声が聞こえました。
しかも、さっきよりなんだか近くから聞こえた気がします。


ことり「近くにいるの?」

「…………」


その問いかけに答える声はありません。
そのかわり、


―― ツンツン ――

ことり「?」


ことりの膝に、なにかの感触がありました。

えっと、例えるならプニプニの子どもの指みたいな感触?
とにかくそんなプニプニに膝を つつかれて。

ことりは、机の下を覗き込みました。
そこには――



???「うぅぅぅ……」

ことり「あっ」



いました!
女の子です!

5才くらいでしょうか?
幼い女の子が机の下でうずくまっていました。
まるで、怖い鬼さんから隠れるみたいに、顔を隠しちゃっています。

支援



ことり「あっ、えっとぉ……こんにちは♪」


なにを言おうか考えて、最初にそんな言葉を口にします。
やっぱりあいさつは大事だよね♪


???「…………」


女の子はおそるおそる顔をあげました。
といっても、鼻と口元はまだ隠したままですけど。


ことり「うーん?」


なんでこんなところに女の子が、とか。
どうやってここに入ったんだろう、とか。
不思議に思うことはあったけど、まずは……。


ことり「……お邪魔します♪」

???「っ!!」


机の下を覗き込む姿勢から、そのまま手と膝をついて机の下に潜っちゃいました。
そして、女の子に少しずつ近づいて……。


ことり「こんにちは♪」

???「……こんにちはっ」


あいさつを交わします。
今度は、女の子も小さなこんにちはを返してくれました。



ことり「お姉ちゃんは、『ことり』って言います♪」


それから自己紹介。
にっこり笑顔でそう名乗りました。
すると、ことりの名前になんだか興味をもってくれたみたいで。


???「……ことり?」

ことり「うん♪ ひらがなで『ことり』……あっ! ひらがなって分かるかな?」

???「うん」

ことり「ふふふっ、そっか♪」


ことりの質問にコクリと頷く女の子。

なんだか可愛い♪
それに少し怖がりみたいだけど、とっても素直ないい子だなぁ。


???「あ、あのっ!」

ことり「? どうしたの?」

???「…………ここ、どこですか……」

ことり「あっ!」


そうでした!
忘れてたけど、ここは部室。
本当はこんな小さい子がいるはずないんでした。

ここが学校だということを女の子に教えてから。
私は、やっとそれを聞きました。



ことり「お名前教えてくれるかなぁ?」



――――――




「こ、こいずみ……」

「こいずみ、はなよですっ」



ことり「…………えっ?」



――――――

――――――

――――――



はなよ「うぅぅぅ」


凛「わぁぁぁ! ちっちゃい頃のかよちんそっくりにゃ!!」

希「って、本人やから当たり前やん!」

ことり「あはは……」

ほのうみにこえり「…………」



凛ちゃんの天然のボケと希ちゃんのツッコミ。
それから、ことりの笑い声。
9人全員が揃っている部室に、それだけが響きました。


にこ「って、なによそれっ!!」

穂乃果「わっ!? び、びっくりしたぁ」

凛「いきなり大声出さないでほしいにゃ!」

にこ「うるさいわねっ! しょうがないじゃないっ!」

穂乃果「うるさいのは、にこちゃんだよぉ!」


いい争いをするにこちゃんたち。

って、そんなに大声を出したらっ!



はなよ「う、うぅぅぅ……ぐすっ」


あぁ、やっぱり……。
怖がりな花陽ちゃんは涙目になっちゃって……。


ことり「だ、だいじょうぶだよぉ」

――ナデナデ――

はなよ「ぐすっ……う、うん」


慌てて頭をなでてあげると、花陽ちゃんはちょっとだけ落ち着きました。


絵里「にこ?」

にこ「うっ……わ、わかってるわよ」

凛「まったくぅ」

海未「凛もですよ?」

凛「は、はい……」


ばつの悪そうな表情になるにこちゃんに、しょぼんとする凛ちゃん。
その二人の様子を見て、ひとつ頷いてから、


絵里「こんにちは、はなよちゃん」


絵里ちゃんは、はなよちゃんに優しい笑顔で話しかけました。


はなよ「こ、こんに……ちは」


少しだけ緊張したみたいで、はなよちゃんはうつむきます。
それから、


――ギュッ――

ことり「……あっ」


近くにいたことりの服の袖を掴んできました。

はぅぅぅ~♪
か、かわいいよぉ♪
……って、いけないいけないっ!


ことり「だいじょうぶだよ、はなよちゃん」

はなよ「……?」

ことり「ここにいるお姉ちゃんたちは、みんなはなよちゃんの味方だよ?」

はなよ「みかた?」

ことり「うん♪ みーんな、はなよちゃんが大好きってことだよ♪」

はなよ「…………」


私の言葉を聞いて、はなよちゃんは絵里ちゃんたちの顔を見渡しました。
そして、


はなよ「……うん」


コクリと頷きました。



――――――

今日はここまで。
書き忘れましたが、短編予定です。
次の更新はおそらく明日にでも……。

おつかれ、待ってるぞ!



どこで不意の変換が起きるか分からないからメール欄に「saga」って入れとくとおk

粉 雪⇒ こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
ドラ えもん⇒ [たぬき]
新 一⇒ バーーーローー

「新 一年生」ってうっかり使うと吹くことになる

レス感謝です。

sagaの件
今までまったくそういう変換が起こってなかったんで失念してました。
忘れなければ入れていきます。
感謝!

ペドぱなたまらん

ちょい更新

――――――


海未「信じられない話ではありますが、このはなよが本人だとして……」

凛「本人だよ! 幼馴染みの凛がほしょーするにゃ!」

はなよ「?」

ことり「うん、どうしてこうなっちゃったか、だよね?」

海未「……はい」


ことりの言葉に、海未ちゃんは頷きます。
どうしてこんなにちっちゃくなっちゃったのか。

……あれ?
なんだか前にもこんな不思議なことがあった気が……。
と、なにかを思い出しかけたとき、


穂乃果「ねぇ、希ちゃん!」

希「んー? なに、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「希ちゃんは心当たりないの?」


穂乃果ちゃんがそう希ちゃんに尋ねました。
考えるのをやめて、私も二人の会話に耳を傾けます。


希「うーん、そうやねぇ……」

にこ「もったいぶらないで、早く教えなさいよ!」


こめかみに指を当てて、考える希ちゃん。
それを急かすにこちゃん。

って……。


ことり「なんだか、にこちゃんピリピリしてる?」

にこ「なっ!? そ、そんなんじゃないわよっ!」


怒られちゃった。
や、やっぱりピリピリしてるような?

と、そんなにこちゃんをよそに、凛ちゃんがボソリと一言呟きます。


凛「凛、知ってるよ。にこちゃんはロリ枠がかよちんにとられそうで、すとれすふるなんだにゃ」

にこ「だれがロリ枠よっ!!」

凛「わぁー! にこちゃんが怒ったにゃぁ」

にこ「待ちなさいっ!」


案の定、怒るこちゃん。
部室を飛び出す凛ちゃんを追っていっちゃいました。
……あはは。


希「まぁ、今回はウチにもさっぱりやな」

穂乃果「そっかぁ」


話を戻して、そう言う希ちゃん。

うーん。
希ちゃんもお手上げじゃあ、私たちにはわかるわけないよぉ……。


ことり「ごめんね、はなよちゃん」

はなよ「?」


どうやら、私たちのことも忘れてしまっているはなよちゃんは、ことりの言葉に首を傾げるだけで。
なんだか切ないかも……。

そんなことを思ったときでした。


絵里「……ねぇ」


今まで静観していた絵里ちゃんが口を開きました。


海未「どうかしたのですか、絵里?」

穂乃果「すごく怖い顔してるよ……?」


穂乃果ちゃんの指摘に苦笑いを返した絵里ちゃん。
それから海未ちゃんの方に向き直ってこう言いました。



絵里「ねぇ」

絵里「さっきから、一度も発言してない人がいるのに気づいているかしら?」


海未「えっ?」



ポカンとした顔をする海未ちゃん。
たぶん、ことりも海未ちゃんと同じような表情をしてる。


穂乃果「一度も発言してないって……あれ?」


穂乃果ちゃんも首を傾げます。
うん、穂乃果ちゃんじゃないよね。


希「…………」


希ちゃんは静かに考えを巡らしているみたい。
そんな希ちゃんもちゃんと発言はしてたし……。

と、そこで、


ほのうみことのぞ「あっ!」


みんなの声が一致します。
一度も発言してないのって……。



真姫「……な、なによっ!」

真姫「べ、べべ、別にしゃべる必要なんてないデッショー」



私たちの視線の先。
カミカミで、目が泳ぎ、変な汗が出ている人物がそこにはいました。

絵里「この異常事態に、ここまで会話に入ってこないのは中々に不自然だと思うのだけど……」

真姫「ふ、ふんっ!」


追求する絵里ちゃんにも、そんな態度の真姫ちゃん。

うーん?
やっぱりなにか知ってるのかな?


海未「真姫?」

真姫「な、なによっ」


と、ここで海未ちゃんが口を開きます。
それから核心をつくようなこんな質問をしました。


海未「なにかこの事態に関して、知っていることがあるのではないですか?」

真姫「っ」


明らかに動揺する真姫ちゃん。


真姫「さ、さぁ? 私はナニモシラナイワ」


うわぁ……。
すごく目が泳いでるよぉ。
それに練習前とは思えないくらい汗が……。


真姫「今日は暑いわねっ! 窓を開けましょ」

―― ポトッ ――

希「ん? なんやこれ?」


その場を取り繕おうと、窓を開けようとした真姫ちゃんのポケットからなにかが落ちました。
それを希ちゃんが拾いあげます。


真姫「あっ!? か、返しなさいっ」

希「……ふむ? 粉薬みたいやね」

絵里「粉薬?」

真姫「ちょっとっ!」


希ちゃんがそれをじっと見れば見るたびに、真姫ちゃんは声をあげます。
なんだか焦ってる?


はなよ「……うぅぅ」

――ギュッ――

ことり「あっ、だいじょうぶだよぉ」


真姫「うぐっ」


怖がるはなよちゃん。
その姿を見て、真姫ちゃんもちょっと落ち着いたみたいです。
希ちゃんから離れ、ひとつため息をしました。


希「その焦りようからして……これが関係ありそうやね」

絵里「真姫、これは一体なに? 花陽のことと関係あるの?」

海未「……さぁ、話してもらいましょうか?」


真姫「……はい」


――――――

――――――



絵里「それにしても……」

希「若返り薬ねぇ……」



訝しげな表情で、二人は真姫ちゃんから取り上げた粉薬を見つめました。


穂乃果「す、すごい!」

海未「……正直な話、信じられないのですが」

ことり「あはは……」


それには、同感かなぁ。
若返り薬なんて、今の科学で作れるようなものじゃなさそうだよ。
だけど……。


はなよ「?」


こんな花陽ちゃんの姿を見たら、信じられないとも言ってられないよぉ。


希「でも、花陽ちゃんも災難やったなぁ」

絵里「お昼に、にこから貰ったおにぎりにそれが入っていたなんて……」


そう。
実は、真姫ちゃんが本当に小さくしようとしてたのは、にこちゃんだったのです。
動機は、にこちゃんに甘えてもらいたかったから、だそうです。

まぁ、確かに。
最近、甘えん坊になったにこちゃんだけど、真姫ちゃんのことは完全に避けてたもんね。
希ちゃん曰く、草食動物の本能だそうですけど……。

とにかく、そんな真姫ちゃんは――



「ちょっと真姫ちゃん、頭冷やすにゃ」

「ちょっ!? ヒキズラナイデッ!!」

「ちょっと黙ってるにゃ♪」

「ひっ!?」


部室に戻ってきた凛ちゃんに引きずられて、どこかに連れていかれちゃったんだけど。
凛ちゃんの笑顔、怖かったなぁ……。


にこ「で? 結局、花陽は元に戻るの?」

ことり「うん。でも……」

にこ「でも?」

ことり「3日はかかるって」

にこ「……そう」


3日間、花陽ちゃんはこのままで……。


ことり「…………」

はなよ「……?」

ことり「はぅっ」


あ、このままでもいいかも♪

って、ダメダメっ!
おちつきましょう、南ことりっ!


海未「ことり?」

穂乃果「どうしたの?」

ことり「な、なんでもないのっ」


このままでも可愛いし♪
そんなことを少しでも思ってしまった自分に反省です……。


絵里「とにかく、このままの姿では、花陽を家には帰せないわ」

希「そうやね。親御さんも心配するだろうし」


ことり「う、うん。そうだよね」


流石はまとめ役の絵里ちゃん。
冷静な判断で、そう言いました。


海未「なにより、メンバーの失態からこうなっているわけですし……」


はぁぁぁ、まったく。
海未ちゃんは深いため息をつきました。

あはは……。
最近、穂乃果ちゃん以上に問題児だもんね、真姫ちゃん。


穂乃果「む? なんだか失礼なことを言われた気がした」

ことり「気のせいじゃないかな?」



にこ「じゃあ、この花陽を誰かの家に連れて帰る必要があるわね」

はなよ「?」


にこちゃんに撫でられて、首を傾げるはなよちゃん。
状況が難しくて分かってないみたい。


絵里「そうね」

海未「どうしましょうか?」

にこ「家は無理ね……申し訳ないけど」

ことり「しょうがないよぉ。にこちゃんの家は、こころちゃんたちもいるし」

にこ「……えぇ……ん?」

希「あ! それなら、ウチが――」



にこ「って、穂乃果っ! やめなさいッ!!」



ことり「え?」



突然、にこちゃんの大声が部室に響きました。
振り向くと、


穂乃果「お、おぉぉぉ!?」

海未「穂乃果っ!?」

ことり「穂乃果ちゃん!?」


徐々に小さくなっていく穂乃果ちゃんの姿が!
って、えぇぇぇ!?


絵里「な、なにしてるのよっ!?」

穂乃か「えへへ、これ本物なのかなぁって」

海未「だからって、飲むことないでしょう!?」

穂のか「ご、ごめん……」

ことり「あっ、もう……」



ほのか「…………」

ほのか「……あれ? ここ、どこ?」



ことうみのぞえりにこ「「」」



どうやらもう一人、小さくなっちゃったみたいです。



絵里「これ、どうするのよ……」



――――――

――――――



結局、穂乃果ちゃんは希ちゃんの家に引き取られることになりました。

私と海未ちゃんの家族は、小さい頃の穂乃果ちゃんを知ってるから、変に思われるということで……。

でも、小さくなった穂乃果ちゃんは今よりもパワフルでした。
なので、絵里ちゃんも応援に、希ちゃんの家にこの3日間、泊まるそうです。


そして、肝心のはなよちゃんは、というと――。



――――――

――――――


ことり「えへへっ」

はなよ「?」


はなよちゃんと手を繋いで帰り道を歩きます。
隣を歩く海未ちゃんは、それを見て微笑みました。


海未「ふふっ、嬉しそうですね」

ことり「うん♪」


こんな事態の時に、不謹慎かなって思うけど。
でも、やっぱり嬉しいです♪

だって、


ことり「はなよちゃんが、お姉ちゃんを選んでくれてとっても嬉しかったよぉ♪」

はなよ「……う、うんっ」


ことりの言葉に赤くなって俯くはなよちゃん。
や~ん♪
かわいいよぉ♪


海未「凛のことを選ぶかと思っていたんですがね」

ことり「はなよちゃんからしたら、凛ちゃんが急に大きくなったから、戸惑っちゃったのかも?」

海未「そうかもしれませんね……それにしても……」



はなよ「…………」

―― ギュッ ――

ことり「…………えへへぇ♪」


ことりの手をぎゅっとしてくる小さな手を、やさしく握りながら。
ことりは、なんだかポカポカした気分で、真っ赤に染まるいつもの帰り道を歩くのでした。



――――――

一旦ここまで。
見事にsagaを忘れるという……。

小さい子の扱いに一番慣れてるのはにこのイメージがある
ことりちゃんは手作りお菓子と手作りぬいぐるみで子供を懐柔するのに長けてそう

乙です

この間までのぞりん書いてた人?某テニヌっぽいタイトルで

乙です
ことぱな楽しみや~

レス感謝!
恐らく次の更新は明日になるかと…

>>30
たぶんそうかと。
前のも読んでくださってたのでしょうか?
もしそうならば、とても嬉しいです。

昨日更新できなかったので
本日更新します。

――――――



ことり「ただいまぁ♪」

はなよ「…………」



玄関の鍵を開けて、家に入ります。

お母さんはまだ帰ってきてないみたい。
……お母さんには悪いけど、ちょうどよかったかも?
いきなり知らない人と会うのは、はなよちゃんがビックリしちゃうもんね。


ことり「どうぞ♪」

はなよ「おじゃまします……」


靴を脱いで。
ととっ。
はなよちゃんが靴を脱ぐのを待ちます。

それから廊下を抜けて、そのままリビングへ。


ことり「はなよちゃん、なにか飲む?」

はなよ「……うん」


コクリと頷くはなよちゃん。

ソファーに座るように言ってから、キッチンに向かいます。

うーん。
なにがいいかな?
いつもだったら、紅茶を出すんだけど……。


ことり「うーん?」


紅茶よりもジュースの方がいいかな?


ことり「むむむ、悩みどころです!」


ここで、はなよちゃんが好きな飲み物を出せれば、きっともっと仲良くなれるはずです!

こんなことなら、小さい頃のはなよちゃんの好みを凛ちゃんに聞いてくればよかったなぁ。



はなよ「…………」

ことり「……はい、どうぞ♪」


悩んだ挙句、オレンジジュースを渡してあげます。
すると、


はなよ「あっ」


ほんの一瞬だったけど、はなよちゃんの表情がほころんだ。


ことり「オレンジジュース、好き?」

はなよ「うん」


少し赤い顔で、コクリと頷くはなよちゃん。
オレンジジュースで正解みたいです♪


はなよ「あ、ありがとう……」

ことり「どういたしまして♪」

―― ナデナデ ――

はなよ「っ」


ちゃんとお礼が言えて偉いねって気持ちを込めて、なでなで。
ちょっとだけビクッとしちゃったけど、すぐに緊張が解けたみたい。

なでられたまま、オレンジジュースをちょっとずつ飲んでいます。

えへへぇ、かわいいよぉ♪


ことり「ふふふっ」

はなよ「?」

ことり「なんでもないよ♪」


はなよちゃんがオレンジジュースを飲み終わるまで、ことりははなよちゃんの頭をなでなでし続けるのでした。



――――――

あぁ~

――――――


―― ドンドン ――

「開けなさい! ことり!」



私の部屋のドアを激しく叩く音がする。
それがお母さんだってことは分かってる。
だけど、開けるわけにはいかないよ。


ことり「大丈夫。ことりが守ってあげます!」

はなよ「?」


ことりの腕の中で首をかしげるはなよちゃん。

うん。
絶対、守ってあげるからね!


――――――

――2時間前


親鳥「ただいまぁ、ことり? 帰ってる?」

ことり「あっ! お母さん、帰ってきた」

はなよ「……おかあさん?」

ことり「うん♪ ことりのお母さん♪」


お出迎えしよっか!
そう言って、ことりは、はなよちゃんの手をとって玄関に向かいました。



ことり「おかえりなさい♪」

親鳥「ただいま、ことり……って、あら?」


なんだか怪訝な顔をするお母さん。
って、あっ!?


―― ササッ ――

はなよ「!?」


慌ててはなよちゃんをことりの陰に隠しても、もう遅くて……。


親鳥「その子……どうしたの?」

ことり「ナンノコト?」

親鳥「……ことり?」

ことり「うっ」


お母さんは私の名前を呼んで、じっと見つめてくる。

うぅぅぅ……。
すっかり忘れてたよぉ。
はなよちゃんのことなんて説明すればいいんだろう……。


ことり「えっと、そのね?」

親鳥「…………」

ことり「うぅぅぅぅ……」


なにか考えなきゃって必死に頭を働かせても全然考え付かない。
そうこうしてるうちに、


親鳥「……こんにちは」

はなよ「こ、こんにちはっ」


お母さんは屈み込んで、はなよちゃんに話しかけていました。
って!?


ことり「お、お母さん!!」

親鳥「ふふふっ、挨拶できて偉いわね」

はなよ「んっ」


勝手に撫でちゃダメっ!
それに、ことりのこと無視しないでよぉ!!

そんな訴えも聞こえないフリをするお母さん。
そしてついに、それを聞いてしまいました。



親鳥「お名前、教えてくれるかしら?」

はなよ「こいずみ、はなよですっ」


ことり「」



――――――

――1時間前


はなよちゃんのことを説明し終わると、お母さんは特に驚く訳でもなく、こう言いました。


親鳥「それじゃあ、この子は花陽さん本人なのね?」

ことり「う、うん」

親鳥「真姫さんの薬で、小さくなってしまったのね?」

ことり「そう、なんだけど」


なるほど。
納得したわ。

そんな風に、お母さんは頷きました。

って、あれ!?
逆に拍子抜けしちゃった。
普通は信じられない、とか。
ふざけてるの、とか言われてもおかしくないのに……。

だから、


ことり「ビックリしないの?」


思わず聞いてしまいます。
だって、こんなことをあっさり信じちゃう方が普通じゃないから。


親鳥「あら? ビックリしてほしいの?」

ことり「そうじゃない、けど……」

親鳥「けど?」

ことり「なんでお母さんがそんな簡単に納得したのかわからなくて……」


そう言うと、お母さんは、ソファーに座ってうとうとしているはなよちゃんをチラリと見てから、笑って言いました。


親鳥「原因になった真姫さんって、西木野真姫さんでしょ?」

ことり「う、うん」

親鳥「ふふっ」

ことり「な、なに?」

親鳥「『蛙の子は蛙』って諺知ってる?」

ことり「知ってるけど……」

親鳥「ふふっ、そういうことよ♪」

ことり「???」


正直、お母さんの言ってることは意味がわからなかったけど、


親鳥「とにかく3日間ね?」

親鳥「はなよちゃんは、家でしっかり預かりましょう」


そんな風に快諾されたら、なにも言えなくなっちゃいました。


――――――

――15分前


ことり「ふぅ、気持ちよかったね♪」

はなよ「……うん」


お風呂から上がって。
髪も乾かし終わった私とはなよちゃんは、私の部屋に向かっていました。

それは当然、一緒に寝るためですっ!!



はなよ「……んっ」

ことり「はなよちゃん、もうおねむ?」

はなよ「うん……」



お風呂入ってるときから、船こいじゃってたもんね?
それにもういい時間だし。


ことり「ふふっ♪」

はなよ「……?」

ことり「今日はお姉ちゃんと一緒に寝ようね♪」

はなよ「うん」


ごしごしと目を擦りながら、健気に頷いてくれるはなよちゃん。

えへへぇ。
かわいいなぁ♪
きゅんきゅんしちゃいます♪



ことり「到着! ここがお姉ちゃんのお部屋だよ♪」


はなよちゃんを部屋に迎え入れます。


ことり「って、もう半分夢の中かな?」

はなよ「……ん~?」

ことり「ふふふっ、ベッドまで運んであげます♪」


そう言って、はなよちゃんを抱き上げました。

ことりでも持ち上げられるくらい軽い体。
守ってあげたくなっちゃうなぁ……。
なんて、母性本能がむずむずしちゃった。

と、その時でした。



「ことりっ!」



ことり「っ!?」


階下から、お母さんの声が聞こえてきたのです。
思わず、反射的に鍵を閉めました。

それから、階段を上がってくる音が聞こえて――。

――現在


―― ドンドン ――

「ことり! 早くはなよちゃんを渡しなさい!」

ことり「いやだよ! はなよちゃんはことりと寝るんだもん!」

「そんなの認められないわ」

ことり「認めてよっ!」

「……この家の家主は誰だったかしら?」

ことり「うっ……ひ、卑怯だよっ!」

「それに、こどもを寝かしつけるのは、お母さんの方が得意よ!」

ことり「そ、そんなの関係ないもんっ! はなよちゃん、もう寝ちゃってるから!」

「……っ!? …………そう」

ことり「そうだよ! だから、静かにして!」

「……分かったわ」

ことり「ふぅ、やっと分かってくれ――」

「けれど、明日、はなよちゃんと一緒に眠るのはお母さんだから。覚えておくことね」

ことり「…………」



ことり「……行った、みたいだね」

ことり「ふふっ、ことり守ったよ。はなよちゃん」



はなよ「んん…………ごはん……」



ことり「ふふふっ♪」



――――――

一旦ここまで。
また夜書くかもです。

親子共々何しとるんやw

花陽といえばお米だから磨ぎ汁でも飲ませるのかと

真姫母も何やらかしたんだ……

はなよちゃんやほのかちゃんが小さくなったときに服はどうなったんですか教えてくださいそこ重要なんですお願いします

>>48
たしかに

本日少しだけ更新します。

>>48
忘れてましたが
部室の時点で、はなよちゃんはサイズピッタリな服着てました。

ほのかはダボダボです。
海未ちゃんがいる前で、ダボダボです。

――2日目


絵里「それで大丈夫なの?」

ことり「?」

絵里「はなよのことよ。ここに連れてきて大丈夫ってこと」


朝練が始まる前のことです。
部室にはなよちゃんを連れていくと、絵里ちゃんにそう聞かれました。


ことり「お母さんが連れてきてもいいって♪」

絵里「そ、そう」


ことりの答えに、苦笑いを浮かべる絵里ちゃん。
あはは、確かに普通の対応じゃないもんね。
お母さんもそういうところ、変というか常識が通じないというか……。

って、そういえば……。


ことり「ほのかちゃんは?」

絵里「希の家よ。さすがに連れてくるわけにもいかないし、だからと言って、一人置いていくわけにもいかなかったから……」

ことり「なるほどぉ」


それで、希ちゃんも来てないんだね。


海未「それでは、今日は穂乃果と希が練習に参加できないんですね」


と、海未ちゃんがそう尋ねました。

えぇ。
えりち! ウチに任せとき!
……なんて言うから。

海未ちゃんの問いかけに、絵里ちゃんは希ちゃんの真似をしながら、うなずきます。


絵里「あとは、真姫だけど……」

ことり「お母さんに呼び出されてるみたい」

海未「……まぁ、自業自得です」

絵里「ほんとにね」


二人同時にため息。
ほんとに、真姫ちゃん、すっかり問題児だなぁ……。


海未「あとは……」


そこでひとつ息を吐いて、海未ちゃんはチラリと彼女の方を見ました。


凛「か~よちんっ♪」

はなよ「え、えっとぉ……」

にこ「おぉ! ほっぺた、ぷにぷにね」

はなよ「うぅぅぅ」

凛「あぁ!? な、泣かないで、かよちんっ! もうっ! にこちゃん変なことしないでよっ」

にこ「うっ……ご、ごめん。ほ、ほら! 花陽!」

はなよ「……?」


にこ「にっこにっこにー♪」


凛「……ちょっと寒くないかにゃ?」

にこ「うっさいわねっ!」

凛「さすがに、そんなので……って、かよちん?」


はなよ「…………かわいい」


にこりん「「!?」」

にこ「っ!! こ、こうやるのよっ! にっこにっこにー♪」


はなよ「……に、にっこにっこにぃ……」


にこ「ふふっ、かわいいわね」

はなよ「…………///」

凛「……かよちんが、にこちゃんに毒されてしまったにゃ」

にこ「どういう意味よっ!?」



海未「はぁぁぁ」

ことり「あはは……」


これでは練習になりませんね。
そんな風にぼやく海未ちゃんの隣で、ことりも思わず苦笑い。

結局、朝練は全然できず。
はなよちゃんと戯れるだけで終わってしまったのでした。


――――――

――――――


真姫「…………」

凛「……真姫ちゃん?」

真姫「あぁ、凛……」

凛「げっそりしてるね」

真姫「えぇ、理事長にこってり絞られたから……」

凛「自業自得にゃ」

真姫「……辛辣ね」

凛「かよちんにちょっかいかけるからにゃ♪」

真姫「その笑顔やめなさい。背筋が凍るわ」

凛「…………とにかく反省してね?」

真姫「ハイハイ」

凛「あっ、そういえば……」

真姫「なに?」

凛「真姫ちゃんの作った薬って、服も縮むのかにゃ?」

真姫「はあ? そんなわけないでしょ?」

凛「そうなの?」

真姫「凛も見たんでしょ? 穂乃果の姿」

凛「あー、そういえばダボダボの服着てたね。真姫ちゃんが『偶然』子供服を持ってたから、よかったけど」

真姫「…………」

凛「……ってことはだよ? かよちんに子供服を着せたのも真姫ちゃんってこと?」

真姫「は? 違うわ、私じゃないわよ」

凛「……えっと?」

真姫「本当! これは本当にしてないわっ!」

凛「…………それじゃあ」



凛「一体だれが、かよちんに子供服着せたの?」



――――――

本日は短いですがここまで。
本気で書くの忘れていた……。
指摘感謝です。

乙です
続き楽しみ


ロリかよちゃんは色々とやばいな
主に俺の下半身が

ちょい更新

――――――



海未「10分間、休憩です」


絵里「ふぅ」

凛「つっかれたにゃぁぁ!!」


放課後の練習。
海未ちゃんの一言で、みんな気を緩めました。
もちろん、私も。


ことり「ふぅぅぅ」


大きく息を吐きます。
そうすると、緊張してたからだの力が少し抜けていく。

人数も少ないから、いつもよりは少しだけ楽かな?
そんなことを考えていると……。


はなよ「……あ、あのっ」


はなよちゃんに声をかけられました。
そういえば、ずっと練習見てたんだよね。


ことり「はなよちゃん、大丈夫? 疲れてない?」

はなよ「え、あっ、うん……」


コクコクと頷くはなよちゃん。
授業の時間は部室でお昼寝してたらしいし、疲れてはないのかな。

と、


はなよ「あ、あの……どうぞっ!」

ことり「え?」


はなよちゃんが、タオルを渡してくれた。


ことり「あ、ありがとう♪」

はなよ「……///」


あらら。
お礼を言ったら照れちゃった。

うーん?
少しは話してくれるようになったけど、恥ずかしがり屋さんなのは、昔からの性格みたいだね。


そんなことりとはなよちゃんのやり取りを見ていたみたいで、


凛「あっ! ずるいにゃ! かよちん! 凛にもタオル渡して♪」


凛ちゃんがそう言って、はなよちゃんにすり寄ってきました。


はなよ「あっ、えっとっ!」


はなよちゃんは、そんな凛ちゃんにすっかり慌てちゃって……。
ワタワタするはなよちゃん。


絵里「こらっ!」

凛「にゃにゃっ!?」


と、そこで絵里ちゃん登場。
凛ちゃんのことをたしなめました。


絵里「元が花陽だとしても、こんな小さい子を使わないの!」

凛「うっ、はい……」

はなよ「……あっ」


ことり「…………?」


って、あれ?
なんだかはなよちゃん、少し残念そう?

…………もしかして?


ことり「……ねぇ、はなよちゃん?」

はなよ「あっ、な、なんですか……」



ことり「はなよちゃんも一緒に練習してみる?」



にこ「ちょ、ちょっとことり?」

ことり「ひゃんっ……」


怪訝な表情で、ことりの耳元に寄せるにこちゃん。
やんっ♪
くすぐったいです♪


にこ「変な声出すんじゃないわよっ」

ことり「えへへ♪」

にこ「とにかく! いくらなんでも、今の花陽が一緒に練習するのは無茶だわ!」


真姫ちゃんの指摘もごもっともです。
だから、そっと、はなよちゃんに聞こえないくらいの声でささやき返します。


ことり「もちろん、私たちと同じ練習じゃないよ?」

ことり「ステップを少しだけやってみるとか、そういう感じの」

にこ「……なるほど」


ことりの言葉を聞いたにこちゃんはひとつ頷いて。


にこ「という訳らしいけど、どうする?」


海未ちゃんと絵里ちゃんに、そう尋ねました。
二人は顔を見合わせて、


海未「今日だけですよ?」

絵里「ふふっ、断る理由はないわね」


やんわりと微笑みました。

まぁ、それに。
と、にこちゃんはひとつため息をついてからことばを続けました。


にこ「あんな姿みたんじゃあ、どの道なしとは言えないわね」


やさしい笑みを浮かべるにこちゃん。
その視線の先には――



凛「ほらほら、かよちん! こうやるんだよっ」

はなよ「えっと、えいっ!」



凛ちゃんの真似をしようとするはなよちゃんの姿がありました。
もちろん、元の花陽ちゃんと比べたら、全然できてなかったけれど……。


はなよ「んしょっ!」

凛「おぉ! かよちん、上手にゃ!!」

はなよ「え、えへへ……」

凛「やっぱり、かよちん、アイドルの才能あるよ!」

はなよ「あ、あいどる……///」


凛ちゃんに誉められて、照れたように笑うその姿は、とっても――


ことり「はぅぅ!! か、かわいいよぉ♪」


海未「こ、ことり、鼻血が出ていますよっ!?」

絵里「はい、ティッシュ」

ことり「あっ、ありがとう♪」

真姫「はぁ、こうしてみると、ことりヤバイ人みたいよ?」

にこ「……真姫ちゃんは人のこと言えないと思うにこ」

真姫「え?」

にこ「え?」



――――――

かよちんは天使やね

――――――


はなよちゃんと二人で歩く帰り道。


はなよ「あのっ」

ことり「えっ?」


不意に、はなよちゃんが声をあげました。
ちょっとビックリ。
小さくなってからこんなに大きなはなよちゃんの声を聞いたのは初めてだったから。


ことり「ど、どうしたの?」


しゃがんで、目線を合わせます。
はなよちゃんは、少しだけモジモジと恥ずかしそうにしてから、こう言いました。


はなよ「れんしゅう、まぜてくれてうれしかったです……」

ことり「あっ」


さっきのことだと思い至ります。

ふふっ。
あの後、すごく楽しそうにしてたもんね。
はなよちゃんは小さい頃からアイドルが好きなんだなぁ、ってほっこりしちゃってました♪


ことり「気にしないで? それに、ことりはなにもしてないから♪」


はなよちゃんの頭をなでなでしながら、ことりはそう言いました。
本当にことりはなにもしていないから。
むしろ、かわいいはなよちゃんの姿を堪能ちゃったし♪

けれど、はなよちゃんはそれじゃあ気が済まないみたいで……。


はなよ「でもっ、そのっ、えっとぉ……」


って、ちょっと涙目になってる!?


ことり「な、なかないでっ?」

はなよ「う、うん……」


優しいはなよちゃんのことです。
きっとことりになにかで返さなきゃ、なんて思ってるに違いありません。

本当に気にしないでいいのに……。
でも、このままじゃあきっと、はなよちゃんの気が済まないのでしょう。

えっと、なにかないかなっ?


ことり「ううーん?」


腕を組んで唸ってみても、いいアイディアなんて全然生まれません。
慌ててるから余計に。
……作詞してたときの気分だよぉ。


はなよ「……やっぱりはなよじゃあ、なにもできないですか……」

ことり「そんなんじゃなくてっ!」


必死になって考えます。

一緒に寝る、のは昨日やったし。
なでなで、も特別な感じがないし。
コスプレ、はなんだか危ない気がします。

と、そこで、


ことり「あっ!」


ひとつ、考え付きました。
なんで今まで思いつかなかったんだろう!


ことり「ねぇ、はなよちゃん?」

はなよ「?」

ことり「じゃあ、ひとつだけお願いしてもいいかな♪」

はなよ「!」


ことりの顔をみて、コクコクと頷くはなよちゃん。

えへへ♪
今からするお願いを想像して、つい頬が緩んじゃいます。
って、いけないいけない!

よしっ!
気を引き締めたことりは、はなよちゃんにこんなお願いをしました。

――――――



ことり「ことりのこと、『お姉ちゃん』って呼んでほしいな♪」


ことり「おねがいっ! 『かよちゃん』♪」



――――――

今日はここまで。
レスいただけて本当にありがたいです。
励みにさせていただいてます。

明日は更新できるかわかりませんが
出来るだけしたいと思います。
では。

乙です
読んでて心が浄化されます

――――――


親鳥「さぁ、ことり、どういうことか説明してくれるかしら?」

ことり「…………」

親鳥「黙秘、というわけね?」

ことり「…………」

親鳥「ふふっ、いいわ! そんな態度をとるなら――」

ことり「お母さん、うるさい。はなよちゃん、寝てるんだよ?」

親鳥「……はい」


親鳥「でも、ずるいわよ、ことりばっかり……」

ことり「す、拗ねないでよ、お母さん」

親鳥「……だって、はなよちゃんに『お姉ちゃん』って呼ばれてるし、はなよちゃん、ずっとことりにベッタリだし」

ことり「えへへ♪」

親鳥「……お母さんも、はなよちゃんに『ママ』って呼ばれたいのよ……」

ことり「『ママ』♪」

親鳥「あなたにじゃないのよ、ことり……」

ことり「はぁ、まったくもう……」

ことり「お母さん!」

親鳥「な、なに?」

ことり「早くお風呂入っちゃって!」

親鳥「え?」


ことり「今日ははなよちゃん、3人で寝たいって言ってたのっ!」


親鳥「っ!? そ、それ本当なの?」

ことり「うん! 本人は待っていられなくて寝ちゃったけど……」

親鳥「…………」

ことり「……って、お母さん?」

親鳥「……すぐ行ってくるわ」

ことり「うん♪」



はなよ「……んん……おねえちゃん……」



――――――

どうにか頑張ったが、今日はこれだけです。
これで2日目終了。
あと残り1日。
更新は遅れますがもう少しだけお付き合いください。

乙です
癒される~


そろそろトリつけたら?
もう結構かいてるでしょ?

――3日目


ことり「ん、ん……ふわぁぁ」


朝の日差しを感じて、ことりは目を覚ましました。
大きな欠伸をひとつしてから


ことり「んっ!」


伸びをします。
よくねたぁ♪
って、あれ?


ことり「……かよちゃんは?」


一緒に寝ていたはずのかよちゃんがいません。
ついでにお母さんも。

どこに行っちゃったんだろう?

首をかしげながら、私は部屋を出ました。


――――――

――――――


キッチンに入ったところで


親鳥「あら、ことり。おはよう」

ことり「お母さん、おはよう」


お母さんに声をかけられました。
お弁当の準備をしてくれてるお母さんに、挨拶を返します。
それから肝心の質問を。


ことり「お母さん、かよちゃんは?」

親鳥「かよちゃん?」

ことり「あっ、えっと……はなよちゃんは?」


あ、危ない危ない……。
せっかく昨日は誤魔化したんだもんね。
お母さんの前で、『かよちゃん』って呼んだら、またなんだかムキになりそうだし。


親鳥「はなよちゃんはあそこよ」


どうやらことりのミスには、気づかなかったみたいで、お母さんはリビングにあるソファの辺りを指差した。

近づいて、覗き込む。
そこには、


はなよ「……んっ……すぅ」


かわいい寝息をたてて、ソファで眠るかよちゃんの姿がありました。


って、なんでここに?
そんなことりの疑問を感じ取ったみたいで、お母さんは説明してくれます。


親鳥「朝、私が起きるときに、一緒に起きたの」

親鳥「どうしたのって聞いたら……」

ことり「……お母さん?」


親鳥「……「おねえちゃんのおべんとうつくります」って」


ことり「…………」

親鳥「……ことり?」

ことり「はぅんっ♪」


ふふっ。
最初は目を擦りながら、手伝ってくれたのだけど……。
そう言って微笑むお母さん。

そんなお母さんの言葉を聞きながら、思わず声が出ちゃいました。
だ、だって、かよちゃん、こんな小さいのにことりにお弁当作ってくれようとしたって……。


ことり「はぅぅぅ♪」

親鳥「……はぁ、本当、妬けちゃうわね」


呆れたような、けれど、どこか優しげな表情でそう言うお母さん。

うん♪
お母さんの言葉に頷くことりの表情は。
きっとゆるゆるになっちゃってたかもしれません。


ことり「えへへぇ♪ かよちゃん♪」

はなよ「……んっ、えへへ」


ふふっ。
頭を撫でると、それに答えるみたいに声をもらすかよちゃん。
ホントにかわいいっ♪


――――――

今日は少しだけ更新
明日はもう少し更新できるかと……。

レス感謝です。
>>71
十前後は書いてはいますが
トリップはつけるか悩んでます。

乙です
いったい誰がはなよちゃんに服を着せたのか

多分俺が着せたような気がする

米軍に通報しときました

いや、多分俺だと思う
ばんざーいって言ったら目をつむって一生懸命両手をあげるはなよちゃんが鮮明に俺の記憶の中にいるからな

少々立て込んでおり
今日は更新できなさそうです。
申し訳ない。

待っとるで

頑張ってください 待ってます

待ってる
この人のは中々にええな

>>60の真姫ちゃんの指摘、ってとこはにこの間違い?

>>84
そうですね。
こちらのミスです

少し更新します

――――――


絵里「ほ、ほら、ほのか? もう練習始まるから……」

ほのか「いや! ほのかもれんしゅーするもん!」

絵里「だめよ? 私たちも遊びでやってるわけじゃ……」

ほのか「ほのかもあそびじゃないよ! えりちゃんといっしょにやるの!」

絵里「の、希ぃ……」

希「はいはーい♪ ほら、ほのかちゃん? お饅頭やで~」

ほのか「!! おまんじゅーたべる!」



にこ「にっこにっこにー♪」

はなよ「にっこにっこにー♪」

真姫「にっこにっこにー♪」

にこ「……うん、いいじゃない!」

はなよ「……えへへ」

凛「うんうん! かよちん、かわいいにゃ!」

真姫「にこちゃん」

にこ「……ん? なによ?」

真姫「私のことも撫で撫でしなさいよ」

にこ「……嫌よ」

真姫「ヴぇぇぇ……」


かよちゃんたちが小さくなって3日目の放課後。
μ's の練習場所には、当たり前のようにほのかちゃんとかよちゃんがいます。

それを見て、ため息を吐く海未ちゃん。


海未「ここは幼稚園かなにかですか?」

ことり「あはは……」


苦笑いを返すしかありません。

海未ちゃん、真面目だから、最近練習できてなくて憂鬱みたい。
その上、今の穂乃果ちゃんにはいつもみたいに怒れないから……。


海未「みんな、たるんでます……」


声に元気がありません。


ことり「ね、海未ちゃん、元気出して?」

海未「私は元気ですよ……」

ことり「ほ、ほら! ことりのこと、怒ってもいいから!」

海未「ことり……なにをいってるんですか……はぁぁ」


じゅ、重症です……。

どうしよう。
明日でかよちゃんたちの体は元に戻るはずだけど……。


海未「……ふふふっ、穂乃果も絵里たちが面倒見てくれますし、花陽もかわいいですし」

海未「あれ? もう練習しなくてもいいんじゃないでしょうか……」

ことり「あわわっ」


このままじゃ、海未ちゃんが枯れちゃいます!?
ど、どうしたら……!?

目の前の平和な光景とはうらはらに、パニックを起こすことりの脳内。

海未ちゃんの好きなものは……。
ほむまんは今、手元にないし。
えっと、弓道……も身が入らなそうだし。
穂乃果ちゃん、もあの調子だし。
やっぱり、ことりのことを怒ってもらうしかっ!?

なんて、あれでもないこれでもないって考えてると、視界の隅にほのかちゃんの姿がうつりました。


ことり「そうだっ!」


あることを思いついたことりは、ほのかちゃんの方へ駆け寄ります。


ほのか「? どうしたのー? ことりちゃん?」

ことり「ほのかちゃん、あのね……」


こそこそとほのかちゃんに耳打ちします。
それを聞いて、ほのかちゃんは……。


ほのか「うん! ほのかにまかせて!」


自信満々にそう言って、海未ちゃんの元へ走っていきました。


絵里「ことり、どうかしたの?」

ことり「え? あっ、絵里ちゃん」


ちょっとげっそりとした絵里ちゃん。
あはは。
あのほのかちゃんの相手をするのはやっぱり絵里ちゃんでも大変なんだね……。

そんな疲れた様子でも、私たちのことを見ていたみたいで。

なにかあったの?
もしかして、海未のこと?

そう聞いてきました。
絵里ちゃんの言葉に首を縦に振ります。


ことり「うん。海未ちゃん、なんだか沈んじゃってて」

絵里「……あぁ、この調子だものね。真面目な海未からしたら怒りたいけれど……」

ことり「……うん」


たぶん、絵里ちゃんと考えてることは同じ。
その証拠に、私たちの視線の先には、


はなよ「あ、あの……りんちゃん」

凛「どうしたの? かよちん?」

はなよ「ステップ……おしえて」

凛「うん! 凛に任せるにゃ!」


たぶん、今、一番練習に真剣に取り組んでるかよちゃんの姿がありました。

あのかよちゃんがいる場所で怒ったりするのは、流石の海未ちゃんでもできないんだと思います。
かわいいものが好きな海未ちゃんからしたら、今のかよちゃんに怯えられるのはショックだろうし……。


絵里「まぁ、あと一日の辛抱よ。お互い頑張りましょう」

ことり「うん」


絵里ちゃんはそう言って、疲れきった表情を浮かべます。

……ごめんね、絵里ちゃん。
絵里ちゃんはきっと、パワフルなほのかちゃんに振り回されて大変なんだよね。

でも、ことりはかよちゃんと一緒にいて、とっても癒されてます♪


希「ことりちゃん」

ことり「え、あっ! 何?希ちゃん?」


不意に、声をかけられました。
希ちゃんの呼びかけに、ワンテンポ遅れて返事をします。


希「ほら、あれ」

ことり「?」


希ちゃんの指差す先。
そこにはほのかちゃんと話す海未ちゃんの姿があって、


ことり「あっ!」

希「どうやらことりちゃんの思惑は当たったみたいやね」


ほのかちゃんに手を取られる海未ちゃん。
その表情は……。


希「ふふっ、いい笑顔やね」

ことり「うん♪」


――――――

――――――


ことり「かよちゃん、今日は練習どうだった?」

はなよ「た、たのしかったです」

ことり「そっか♪」


二人、手を繋いで歩きます。
昨日も一昨日もそうしていたから、もうそれが当たり前になっているんだけど……。

あ、そういえば、学校を出てからずっと手を繋いでいたら、

「本当の姉妹みたいね」

なんて、絵里ちゃんに笑われちゃった。
それを聞いて、凛ちゃんはちょっとムッとしてたなぁ。
ジェラシーかな?


ことり「ふふふっ」


と、不意に笑い声が漏れてしまいます。


はなよ「?」

ことり「あっ!、な、なんでもないよ?」


慌てて誤魔化すことり。

えへへっ♪
実は満更でもないことりがいたりします。

このまま、かよちゃんを妹に出来たらなぁ。
一緒にお買い物とか行って。
かわいいお洋服を買ってあげて。
あ、作ってあげるのもいいかも♪

……なんて。
そんなこと、できないよね?


ことり「…………」


だって――


ことり「…………」

はなよ「おねえ、ちゃん?」


ことり「………………っ」


はなよ「っ、おねえちゃん……いたいです」

ことり「……あっ、ごめんっ!」


慌てて、繋いだ手を離します。
どうやら無意識に強く握っちゃってたみたい。


ことり「ほ、ほんとにごめんね? かよちゃん……」

はなよ「う、ううん……だいじょうぶ……です」

ことり「…………」


なでなでと、かよちゃんの小さな手を撫でながらそれを見つめます。
この小さな手を握っていられるのも、


ことり「今日だけ、なんだよね」


――――――

――――――


真姫ちゃんの話によると。

元に戻った花陽ちゃんは、この3日間の記憶が消えてしまうらしいんです。

花陽ちゃんの記憶は、3日前の体がちいさくなっちゃった時から、明日の体が大きくなった時に繋がる。
だから、花陽ちゃんの記憶から、この3日間の記憶はすっぽり抜け落ちるんだって。
それは薬の効能上、避けられないものだそうだす。


もちろん。
元に戻ることはいいことです。

今回のことは完全にアクシデントで。
花陽ちゃんは被害者だし。
海未ちゃんだって、やっと普通に練習ができるって喜んでいたもんね。

だから、この楽しい姉妹生活は今日まで。
明日からは『ただの』仲間に戻ります。


…………うん。
いいこと、なんだもん。
だから、きっとこの寂しさはきっと気の迷いなのです。

……だよね、かよちゃん?



――――――

短いですが、今日はここまで。
次回か次々回で完結予定です。

気が向いたらですが
前日譚を少しだけ書こうかと思ってます。
とさか少女と赤髪少女のお話を構想中。

更新乙です 
最後まで楽しみにしてます

乙です

乙です
かよちんは天使

まきちゃんのロリコン裁判かな
楽しみ

本日更新予定

待ってます

昨日は急な仕事のため更新できずに申し訳ない。
今からかきます。

――――――


ことり「ちゃんと目つぶってますかー?」

はなよ「う、うん」


かよちゃんが目を閉じていることを確かめてから、ことりはシャンプーを手に取りました。
お湯で少しだけ泡立ててから……。


ことり「じゃあ、洗うね♪」


かよちゃんの髪にそれをつけました。


ことり「♪」

はなよ「ん……」


わしゃわしゃと、かよちゃんの髪を洗います。
優しく、でもしっかりと。

まずは髪の汚れをとるように。
次は頭皮をマッサージするみたいに。


はなよ「んっ」

ことり「あっ、痛かった?」

はなよ「あっ、き、きもちよかったです」

ことり「ふふっ、そうかな?」

はなよ「うんっ」


そんな会話を交わしつつ、洗います。


ことり「…………」

はなよ「ん……ふー」

ことり「…………」

はなよ「んん……」


……さて。
そろそろいいかな?


ことり「それじゃあ流すね?」

はなよ「は、はいっ」


ことりの言葉に反応するかよちゃん。
体に少しだけ力が入ったのが分かりました。

そういえば、初日もそうだったなぁ。
……たぶん、水が顔にかかるのが苦手なんだよね?
だから、


ことり「目閉じててね?」


そう言ってから流すことにしたんです。
それと……。


ことり「いつものするよ?」

はなよ「うんっ」


かよちゃんのおでこに手をつけます。
ことりの簡易版シャンプーハット。
ふふっ♪
かよちゃんの顔にお湯があまりかからないようにって、ことりがこの三日間で開発した技なのです!

髪を洗い終わって。
タオルで軽く髪を拭いてあげました。
コンディショナーもつけて流して。

全部が終わってから、ことりは言います。


ことり「はい、終わり♪ 軽くタオルで拭いちゃおうね?」


かよちゃんはコクリと頷いて、ことりの手からタオルを受け取りました。
それで顔と髪をごしごしって拭いて……。


ことり「って、強く拭いちゃだめだよ?」

はなよ「あっ」

ことり「貸して?」


かよちゃんからタオルを貰って、拭きます。
丁寧に、優しく。


ことり「…………」

はなよ「…………」


いつも静かなかよちゃんだけど、この時は余計に静かです。
三日間だけだったけど、安心して預けてくれてるのが分かる。
それが、なんだか嬉しい。


ことり「…………」

はなよ「…………」

ことり「……よし♪ かよちゃん、もういいよ♪」

はなよ「………………くしゅんっ」

ことり「あっ……あはは……湯船つかろっか」

はなよ「うん」



――――――

――――――



はなよ「きょうは……おねえちゃんのおへやがいいです」



そんな要望を受けて、ことりはかよちゃんを部屋に入れました。
悔しがってたお母さんには悪いけど、とってもルンルン気分です。

といっても、部屋に入ってすぐに目を擦り始めたかよちゃん。
結局、ベッドに入った途端に眠ってしまいました。


はなよ「ん……すぅ」

ことり「ふふふっ」


なでなで。
かよちゃんの頭を優しく撫でます。
かよちゃんが起きてしまわないように優しく。


はなよ「すぅ……」


規則正しい寝息をもらすかよちゃん。
その穏やかな表情を見ていたら、


ことり「……あ、れ?」


なんだか胸が苦しくなってきちゃいました。

なんで?
なんなんだろう?

……なんて。
鈍感なフリはしません。
ことりは自分の心には聡いですから。

やっぱりことりは……。



ことり「寂しいよ」



アクシデントではあったけど。
やっぱり、この3日間はとっても楽しかったから。

真姫ちゃんの薬のせいで、花陽ちゃんが小さくなって。
ことりの家で預かることになって。
手を繋いで歩いて。
一緒に練習して。

かよちゃんって呼ぶようになって。
おねえちゃんって呼んでくれるようになって。


ねぇ、かよちゃん?
ことりはね、まるで本当の妹ができたみたいで嬉しかったんだ。


花陽ちゃんにとっては災難な3日間だったかもしれないけど……。
でも、ことりにとっては――



ことり「…………」

ことり「大好きだよ、かよちゃん」



ポツリと呟きました。
もちろん、それはかよちゃんには聞こえません。

だけど、ことりの気持ちが、夢のかよちゃんに伝わったのかな?
かよちゃんは、


はなよ「…………お、ねえちゃん……」


そんな風に、ことりのことを呼んでくれました。
おねえちゃん、だって。


ことり「えへへっ♪」


それだけで、ことりの気持ちは少しだけ上に向きます。

単純だよね?
でも、それでもいいや♪


ことり「……おやすみ、かよちゃん」

はなよ「……すぅ……んん」


ちょっとだけ明るくなった気持ちのまま、最後のおやすみを言って。
かよちゃんのことをぎゅって抱きしめて。

ことりの意識もすぐに夢の中に落ちていったのでした。


――――――

――――――

―――――



花陽「んっ……」



明るい日差しを感じて、声がもれました。

明るい……朝?
まだモヤモヤとする頭をどうにか働かせます。
それから、体を起こそうとして……。


花陽「あ、れ?」


うまく力が入りません。
なんだかまだもやがかかってる感じで、うまく体を動かせません。

おかしいなぁ……。
久しぶりじゃないのに、なんだか起きるのが久しぶりな感じ。

なんて、変なことを考えながら、花陽はやっとの思いで体を起こしました。


花陽「よいしょっ……」


声を出すのと、同時に違和感を感じました。
眼鏡をかけてないから、花陽の視界はぼやけているんだけど……。


花陽「ここ、どこ……?」


よく周りが見えないにしても、花陽の部屋ではないことは確かで。
凛ちゃんの家、でもないし……。

と、そこでまたまた違和感を感じた。

なんだかいつもより開放的な気分です。
まるで、お風呂上がりみたいな……。



花陽「………………えっ?」



――――――

――――――




「ピャァァァァァァッ!?!?」




――――――

――――――


ことり「な、なにっ?!」


まるで断末魔のような悲鳴に、ことりの頭は一気に覚醒しました。
何事かと周りを見渡します。
すると、その悲鳴の主はすぐに見つかりました。


ことり「……は、花陽ちゃん?」

花陽「こ、ことりちゃん!? なんで、ここにっ!? って、み、みないでくださいっ!!」


悲鳴の主は、花陽ちゃんでした。
体を丸めて、顔も真っ赤ですが……。

なんで大きいの……って、そうでした。
もう3日経ったんだもんね。


ことり「ふふっ、よかったね、花陽ちゃん」


無事、元に戻れたんだ。
そんな思いから、笑みを浮かべます。


花陽「み、みないでくださいっ……うぅぅぅ……みないでぇぇぇ……」


ことり「…………」

花陽「うぅぅぅぅ……」

ことり「…………」


うん、ごめん。
すぐに下着とお洋服持ってくるね。



花陽「だ、だれかたすけてぇぇぇぇ!!」



――――――

――――――


ことり「……というわけなんです」


真姫ちゃんの薬のせいで、花陽ちゃんがちいさくなっちゃったこと。
それで家で面倒をみていたこと。

詳しいことは話さなかったけど、大まかな流れを花陽ちゃんに説明しました。


花陽「そ、そっかぁ」


花陽ちゃんはまださっきのことを気にしてるみたいで、少し赤い顔のまま頷きました。

って、あれ?


ことり「納得しちゃったの?」

花陽「えっ?」


ことりはそう尋ねました。

だって、正直あり得ない話なのに、すぐに納得しちゃったみたいだから。

お母さんの場合は、目の前にかよちゃんっていう証拠があったし、昔なにかあったみたいだった。
けど、花陽ちゃんの場合は違う。
証拠も見てなければ、実例もないはず。
それに記憶もないはずだし……。


ことり「なんで納得、しちゃったの?」


だから、また尋ねます。
その質問に、花陽ちゃんは少し考えてからこう答えました。



花陽「不思議なことがあるのは知ってますから」

花陽「一人が二人に増えたり、ね」



ことり「???」


ふふふ、と微笑む花陽ちゃん。
ことりはその花陽ちゃんの意味ありげな言葉に首を傾げるしかありませんでした。


――――――

――――――


それから特別なこともなく。
顔を洗って。
一緒に朝御飯を食べて。
学校に行かないといけない時間になりました。


花陽「お、お世話になりました」


そう言って、玄関先でペコリと頭を下げる花陽ちゃん。


親鳥「ふふ、いいの。私も楽しかったから」


そんな花陽ちゃんにお母さんは笑いかけます。
……まぁ、実際すごく楽しんでたよね、お母さんは。
ことりもだけど。


親鳥「……どうしたの、ことり?」

ことり「なんでもないよ?」

親鳥「そう。……とにかくまたいらっしゃい」


お母さんに、花陽ちゃんはコクコクと頷きます。

って、もうホントに行かなきゃ!
左手首の時計を見て、ことりは花陽ちゃんに声をかけます。


ことり「ほら、行こう、花陽ちゃん」

花陽「う、うんっ!」


ことりの言葉に頷く花陽ちゃん。
それを見て、ことりは、


―― ギュッ ――



花陽「っ!!」


気づけば、花陽ちゃんの手をつかんじゃいました。
花陽ちゃんもビックリしてるみたい。

あぁ、失敗したなぁ。
ついこの3日間の癖が出ちゃいました。

ちょっとだけ反省をしてから、そとりは手を離しま――



―― ギュッ ――



ことり「え?」


今度はことりが声をあげる番。
離そうとした手は、花陽ちゃんにぎゅって捕まれちゃっていました。


ことり「……花陽ちゃん?」

花陽「…………」


花陽ちゃんは答えません。
もう一度、


ことり「花陽ちゃん?」


花陽ちゃんの名前を呼ぶと、


―― グイッ ――

ことり「わわっ!? は、花陽ちゃん!?」


花陽ちゃんは急に駆け出しました。
ことりの手を握ったまま。

それから、花陽ちゃんはことりの方に振り返って、こう言いました。




花陽「早くいこ、『おねえちゃん』♪」




その笑顔が誰かの笑顔と重なって。

だから、ことりは彼女を。
『その名前』で呼び返しました。




―――――― fin ――――――

以上で
『ことり「小さくなった花陽ちゃん」』完結になります。

レスをくださった方
読んでくださった方
稚拙な文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

以下、過去作です。
よろしければどうぞ。
【ラブライブ】にこ「にことにこにー」
【ラブライブ】にこ「にことにこにー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424791780/)
【ラブライブ】凛「三種の返し技にゃ!!」
【ラブライブ】凛「三種の返し技にゃ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433327958/)

番外編を少しだけ書いて全編終了の予定です。
もう少しだけお付き合いいただけたら幸いです。

乙です
素晴らしかった

乙です
ことぱなたまりません~
ぷわぷわしました~


最近のssでも上位の面白さ

よかったです
いつも思うのだがこの>>1もっと評価されてもいいと思う

本日更新予定

『番外編1』



ほのか「えりちゃん! おふろはいろ!」

絵里「ほ、ほのか……ちょっとま――」

ほのか「はやくぅ!!」

絵里「の、のぞみ……」

希「いってらっしゃーい♪」

絵里「……うぅぅぅ」

ほのか「いってきまーす!」

希「……ふぅ」



にこ「ふぅ……じゃないわよ」



希「あっ、にこっち」

にこ「まったく……いきなり呼び出してなに?」

希「んー? にこっちにほのかちゃんの相手してもらおうと思ってな?」

にこ「その割に、相手してるの絵里じゃない」

希「うーん? なんだかほのかちゃん、予想以上にエリチのこと気に入ってるみたいなんよ♪」

にこ「…………はぁぁぁ、じゃあ、にこがここにいる意味あるの?」

希「んー? どうなんやろね?」

にこ「………………」

希「そんな冷たい目で見んといてよ……興奮するやん?」

にこ「……はぁ」

ktkr


希「大きなため息やね。幸せが逃げるよ?」

にこ「だれのせいよっ!」

希「真姫ちゃんかな?」

にこ「…………まぁ、否定はしないわ」

希「でも、そもそもにこっちが真姫ちゃんに甘えてあげればいい話やない? 真姫ちゃんはそのために薬を盛ったわけやし」

にこ「にこに襲われろと?」

希「ふふふっ、確かに真姫ちゃんの目は肉食動物のそれやね」

にこ「……最近、動物ドキュメンタリーで、草食動物を応援するようになったわ」

希「想像したら涙が出そうな光景やなぁ」

にこ「なら、ニヤつくのを止めなさい」

希「それは無理かも」

にこ「…………はぁ」


希「またため息」

にこ「別にいいでしょ……ほっときなさい」

希「宇宙ナンバーワンが聞いて飽きれるなぁ」

にこ「……ふんっ」

希「……ため息吐きたいのはこっちなんけれどね」

にこ「……希?」

希「よしっ! に~こっち♪」

にこ「……えっ?」



―― ギュッ ――



にこ「ちょっ!? な、なんでいきなりくっついてくるのよ!?」

希「…………」

にこ「む、無言で抱き締めるなっ!」

希「…………」

にこ「なでなでも禁止よっ!」

希「…………」

にこ「ねぇ! の、のぞみ……」

希「…………」

にこ「………………なんなのよ」

希「ね、にこっち」

にこ「……なによ?」

希「なんで、今日、小さくなった花陽ちゃんを見た時機嫌悪かったん?」

にこ「っ! べ、別に……」

希「ロリ枠が花陽ちゃんにとられそうで、すとれすふるだったん?」

にこ「……別にそんなんじゃないけど」

希「…………」

希「甘えられる相手が取られちゃうって思った?」

にこ「っ!?」

希「ふふっ、図星やね?」

にこ「~~~っ」

希「……はぁ、まったく」

にこ「……なによ? 文句ある?」



希「あるよ。大有り」



にこ「……希?」

希「にこっち? にこっちは自分の好きなようにしていいんよ?」

希「誰かに遠慮する必要なんてないし、いつだって甘えたらいい」

にこ「で、でも、花陽……小さくなって……ほのかまで、小さくなって……面倒みないといけないじゃない」

希「……そうやね。ふふっ、にこっちの姉気質はやっぱり変わらんね」

にこ「だから――」



希「それでも、ウチはにこっちに甘えてほしい」



にこ「…………」

希「それでも、ダメ?」

にこ「……しょうがないわね」

希「ふふっ、ありがと、にこっち♪」

にこ「………………ありがと」

希「ええよ。ウチ、にこっちのことこうするの好きやから」

にこ「うん」


希「そ、れ、に? にこっちがこーんなに甘えんぼさんになったのはウチにも責任あるし♪」

にこ「え? それって――」



絵里「希ぃ~! たすけてぇぇ」

ほのか「あははは! えりちゃん、タコさんみたいないろ~!」



希「…………」

にこ「…………」

希「ふふっ、お風呂あがったみたいやね」

にこ「……そうね」

希「エリチがタコさんになってるらしいし、行ってあげよか♪」

にこ「……ふふっ、そうね」

希「…………よし、えぇと……」

にこ「あっ! これ、使って。ほのかの着替えなんてないでしょ? ここあのやつなんだけど……って、希?」



希「ほのかちゃーん! これに着替えよか♪」

ほのか「うんっ!」

希「うん、ぴったりやね」



にこ「…………なんで子供服が希の家にあるのよ」

にこ「え?」

にこ「…………え?」



―――――― fin ――――――

とりあえず番外編1終わりです。
とさかと赤髪を少し書いて終わりにします。

どういうことなんだってばよ…
前のかよちんの発言と言い、過去スレを見ればわかるのかしら
見てくる

番外編2投下します

『番外編2』



赤髪「これを飲んでほしいのよ」



とさか「だから! 嫌だと言っているでしょ?」

赤髪「そこをなんとか、ね?」

とさか「なんとか、じゃないわ。なんで私がそんな怪しげなことに協力しないといけないの?」

赤髪「……私たち、友達じゃない?」

とさか「……残念ながら」

赤髪「えー、ひどい……はぁ」

とさか「…………そんな顔したってだめよ」

赤髪「……」

とさか「……はぁ、それで? それ、なんの薬なの?」

赤髪「若返り薬」

とさか「はい?」

赤髪「若返り薬よ」

とさか「……また変なもの作って。お母さん、泣くわよ」

赤髪「…………今朝、また泣かれたわ」

とさか「はぁ、もうやめたらどうかしら?」

赤髪「私、後悔のないように生きたいの」

とさか「……そう」


赤髪「とにかく! これを『彼女』に飲ませて幼児化するのを見たいのよ!」

とさか「……その前に私で試すってこと?」

赤髪「…………ふふっ」

とさか「ホント、ネジが飛んでるわ。はぁ、これが将来医者になるのかと思うと、音乃木の行く末が心配ね……って」

赤髪「…………」

とさか「……えっと」

赤髪「…………」

とさか「ご、ごめんなさい……言い過ぎ――」


赤髪「今よっ!」


とさか「なっ!? んぐっ!?」

赤髪「よしっ! 飲んだわねっ!」

とさか「…………うっ!?」

赤髪「お、おぉ!? みるみるうちに小さくなっていくわ!!」


とさか(幼)「…………」


赤髪「ふふっ、さっきは言わなかったけれど、これを飲んだものは一時的に記憶もなくすのよ」

赤髪「これで、『彼女』は私の意のままにっ!」


とさか(幼)「だから、止めなさいって!」


赤髪「いたっ!?」

とさか(幼)「はぁぁ、一瞬でもあなたを心配した私が愚かだったわね」

赤髪「な、なんで、記憶そのままなのよ……」

とさか(幼)「さぁ? 失敗作なんじゃないの?」

赤髪「」

とさか(幼)「とにかく、これは没収です」

赤髪「あ、あぁぁぁ……」

とさか(幼)「あとで家にも行くわ。元凶はすべて処分しないと」

赤髪「」


――――――

――――――


真姫「ねぇ、ママ」

真姫ママ「どうしたの、真姫?」

真姫「倉庫に見たことのない薬があったんだけど……」

真姫ママ「?」

真姫「青色の……錠剤タイプの薬」

真姫ママ「あぁ。まだ残ってたのね」

真姫「あれ、なんなの?」

真姫ママ「……ふふっ、ママの青春の象徴、かしら?」

真姫「???」

真姫ママ「…………ねぇ、真姫?」



真姫ママ「子供って可愛いと思わない?」




―――――― fin ――――――

以上で完結になります。

レス下さった方
読んでくださった方ありがとうございました。

以下何レスかで次に書くカプ募集したいと思います。
一人メイン、もしくは複数カプも可で
Html化するまで書き込んで頂いて結構です。
では、また。

乙 希は花陽が小さくなることを予測して子供服を持って行った。だからロリ花陽は服のサイズがあってたってことであってる?

まきぱなをみたい

乙です 最高だった
希望ならうみえりかな

うみえり!

レス感謝
>>131
方向性はそんな感じです。
細かいところはご想像にお任せします。

>>132->>134
ご意見ありがとうございます。
まきぱな、うみえりは書いたことないので思いついたら書いてみようかと思います。

えりぱなオネシャス!

おつ
よかった

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