聖剣「聖剣の管理人」(32)
とある教会
剣士「ぎぎぎぎぎ!」
魔法使い「頑張れ、剣士!」
僧侶「もう少しです!」
聖剣(いや1ミリも動いてないが)
剣士「だ……めだ! クソッ! 俺は勇者じゃないのか!」ゲシッ
聖剣(台座を蹴るな。お前のように性根の腐った奴が抜けるものか)
聖職者「はい、お疲れ様でしたー。またの挑戦をお待ちしておりまーす」
剣士「おい! これは偽物じゃないのか!?」
聖職者「さあ~? 何せ今まで勇者様が現れたことがないのでわかりませんねぇ」
僧侶「でも神々しい魔力を感じます……きっと本物なんでしょう……」
聖職者「もう夕暮れですし、さっきの剣士さんで今日はお終いにしましょうか」
聖剣「……おい」
聖職者「おや聖剣さん、お疲れ様です。今から柄を吹きますので少々お待ちを……」
聖剣「いつまでこの茶番を続ける気だ?」
聖職者「茶番?」
聖剣「我を抜ける者は既に現れているだろう」
聖職者「先代の管理人の時におられたのですか? しかし先代からそのような話は……」
聖剣「違う! お前だ、お前! 我を抜いているだろう!」
聖職者「そりゃまあ、管理人ですからねぇ。盗難防止のために鍵のついた部屋に移す必要もありますし」
聖剣「だーかーら! 先代も先々代もそんなことしてなかったと言ってるだろ! お前が勇者だから抜けるんだ!」
聖職者「いえいえ! 私のような聖職者ごときが勇者なんてそんな話あるはずないじゃないですか!」
聖剣(駄目だ……相変わらず話が通じない……)
聖剣(よほど自分に自信がないのか? 全く自分が勇者だと信じない)
聖職者「よいしょっと」ズボッ
聖剣「今抜いてるが」
聖職者「だから、私は管理人だから抜けるんですって」スチャ
聖職者「じゃあちょっと窮屈ですが、この箱のなかで一晩過ごしてくださいね」
聖剣(こやつが我を抜いてから早一ヶ月……早く何とかせねば、世界に魔物が蔓延っているというのに)
聖職者「ふんふーん♪」ガチャガチャ
聖剣(相変わらず勇者と認めん。思えば出会った時からそうだった)
一ヶ月前
聖職者「今日から聖剣の管理を変わります、聖職者です!」
先代「おお、やっと後任が来たか。待っておったぞ」
聖剣(後任? 若い……女か。まあ我には関係ないが)
先代「……と、これがお主の勤めじゃ、わかったか?」
聖職者「はい! 毎日訪れる勇者志願の方々に時間を決めて聖剣を抜けるか試していただくんですね!」
聖剣(思うが効率の悪いやり方だな……抜けもせんのに何度も来る輩もいるし)
先代「あとは聖剣と鞘の管理じゃな。まあ聖剣は勇者以外に抜けんのだから盗まれる心配なぞないのだが……」
聖職者「ここに置きっぱなしなんですか? それって安全管理的に大丈夫でしょうか?」
先代「抜けんのだから仕方ない。ただ鍵のかけれる部屋にこの剣の鞘が置いてあるから、それだけはきちんと管理してくれ」
聖職者「了解です!」
聖職者「さて、先代も送り出したし……」チラッ
聖剣(うん?)
聖職者「やっぱり危ないなぁ……伝説の聖剣なんだし、万が一があったら……」
聖職者「よいしょ」ガシッ
聖剣(ああ、何十年前だが先代の管理人もここにきたその日に抜こうと挑戦しt)
聖職者「ほっ!」ズボッ
聖剣「」
聖職者「抜けた!?」
聖剣(なんと! こいつが勇者だったのk)
聖職者「やったー! これで鍵のかけた部屋に持っていける! 夜中も安心して寝れそう!」
聖剣「っておい!?」
聖職者「んん? 先代ですか? まだ出立されてなかったのですか?」キョロキョロ
聖剣「違う! 我だ! お前が持っている聖剣だ!」
聖職者「わわっ! 聖剣さん、喋れるんですか!? ってそういえば、伝承にそういう話がありましたね」
聖剣「そうだ、我は我を抜ける者と会話が出来る」
聖職者「あー、そうなんですか。私は聖職者と言います、今日から聖剣さんの管理人としてお世話させていただきます」
聖剣「違う、そうじゃない! お前は我を抜いたんだぞ!?」
聖職者「へ? それが何ですか?」
聖剣「我を抜けたということは、お前は勇者なんだ!」
聖職者「…………?」
聖剣「いや、なんでわけがわからないっていう顔をしてるんだお前は……」
聖職者「いやだって、私は管理人ですから、抜けて当然じゃないんですか?」
聖剣「……は?」
聖職者「管理するのに抜けないと都合が悪いじゃないですか!」
聖剣「いやいやいやいや」
聖職者「とりあえず今日のところは鍵のある部屋に何かしまうものがないか一緒に探しましょう」
聖剣「ちょっと待て! お前は勇者なんだぞ! そんなことよりまず旅立ちの準備を……」
聖職者「だからー、私はただの管理人ですって。あ、確か鞘があるんでしたっけ? 刃が出てるままじゃ危ないので取ってきますね!」ドスッ
聖剣「ちょっ」
聖職者「待っていてくださいね!」
聖剣「話を聞けええええええええ!」
聖剣(……そんな出会から一ヶ月か)
聖剣(必死にお前は勇者だと言い聞かせたが、私は管理人だからの一点張り)ガチャガチャ
聖職者「おはようございます、聖剣さん」パカッ
聖剣「……おはよう」
聖剣(今日も今日とてのんきに我を台座に戻し、教会内の清掃)
聖剣(で……)
力自慢「ふんっっ!!」
聖剣(勇者でもない奴らから引っ張られ)
聖職者「またのお越しをー」
聖剣(一日が過ぎていく……)
聖職者「今日は13名の勇者候補でしたね。中々現れないですが、勇者に選ばれる素質とかあるんですか?」
聖剣「我を抜けるか否か、それだけだ。生まれも血縁も関係ない」
聖職者「曖昧ですねぇ……だけど間口を広げれると考えれば人を集めるのにも……」
聖剣「ちょっと待て、人を集めると言ったか?」
聖職者「へ? ああ、そうです。勇者を選ぶ聖剣の在処を広く世に知らしめたほうが現れる確率も上がるのではと」
聖剣「馬鹿かお前は! 何故我の存在が秘匿にされていると思っている!?」
聖職者「え? 駄目なんですか?」
聖剣「当たり前だろう! それで魔物に所在が伝わったらどうするんだ!」
聖職者「……!? それは盲点でした!」
聖剣「盲点で済むか! 事前に気づけたからよかったものの……」
聖職者「…………」
聖剣「おい何故今目をそらした」
聖職者「じ、実は……もう既に各国のギルドに通達済みでして……」
聖剣「馬鹿か!? 馬鹿だな!? 馬鹿だろ!!」
聖職者「うぅぅ……ごめんなさい……」
聖剣(魔物に伝わらなければいいと思うが、そんな都合のいいことがあるわけもないか……)
聖剣(いや待て。むしろ好機なのでは?)
聖剣「あー……聖職者よ、事は急を要する」
聖職者「は、はい?」
聖剣「我を携え、王国へ向かえ」
聖職者「どういうことですか?」
聖剣「今の状況ではここも安全とは言えん。ならば王国に我を持っていけば」
聖職者「なるほど、王国のほうが警備は万全ですね」
聖剣「そういうことだ」
聖剣(そして聖剣を携えたお前を人々は勇者と讃え、お前も気付くに違いない)
聖職者「……でも、そうしたら私は聖剣さんの管理人の任を解かれるかも」シュン
聖剣「また管理人か……お前は何故そこまで管理人に拘る?」
聖剣(そうだ。これが一番の謎なのだ。何故こいつは頑なに勇者であることを拒み、自分は管理人だと誇らしげに言うのか)
聖職者「だって、私は……」
???「ここか、聖剣の在処は」
聖剣「竜人将軍だと……!?」
竜人将軍「ほう、確かに本物の聖剣と見た。まさか何百年も行方知れずであった憎き剣の所在がこうも簡単にわかるとは」
聖職者「魔物のくせに、扉から入ってくるなんて丁寧な魔物も居たのですね」
竜人将軍「ふむ。俺を見て慄きもせんとは……図太いのか鈍いのか」
聖剣「おい、聖職者! 逃げるぞ!」
聖職者「何故です?」
聖剣「奴は魔王の側近の一人! お前では到底敵わん!」
聖職者「確かに強そうですね……それに聖剣に万が一のことがあっては管理人失格です」ズボッ
竜人将軍「!? 遅かったか……よもやすでに勇者が現れていたとは!」
聖職者「失礼な! 私は管理人です、勇者じゃないです! 管理人なら聖剣の一つや二つ、抜けて当然です!」
竜人将軍「……そうなのか?」
聖職者「そうです!」
聖剣「いやお前は勇者だ」
竜人将軍「むしろ勇者でないなら好都合。剣もろとも粉々に砕いてやろう」スッ
聖職者「拳一つで戦うんですか? 漢らしいじゃないですか」
竜人将軍「相手が誰であろうと俺はこれしか出来んのでな」シュッ
聖剣(速い!?)
竜人将軍「ふっ!」ブンッ
聖職者「!」サッ
聖剣(空中に飛んで避けただと!? あの速さを見えてるのか!?)
竜人将軍「ほう? 中々速いな、管理人」
聖職者「昔取った杵柄って奴です」トン
聖剣「お前、何者だ?」
聖職者「聖剣の管理人です」ドヤァ
聖剣(あ、こいつ竜人将軍に管理人って言ってもらって喜んでるな)
竜人将軍「ならば手段は選ばん。この建物もろとも吹き飛ばしてやろう」バチバチ
聖剣「!? 逃げろ、聖職者! 奴は魔法を使うつもりだ!」
聖職者「くっ……鞘を回収してないのに!」ダッ
聖剣「あの鞘は魔力が込められているから絶対に破壊されん! 窓から建物の外へ逃げろ!」
聖職者「……っ!」パリーン
竜人将軍「ガアアアァァァ!!」ドゴーン
聖職者「うわぁ……教会の半分が吹き飛んだ……」
竜人将軍「ふむ、本気をだすのが久々すぎて、逃げる暇を与えてしまったか」
聖職者「と言うか私の私室も吹き飛んでるんですけど!? 何してくれてるんですか!」
聖剣「前から思っていたがお前は何か人としてズレてるな」
聖剣「まあいい! 外に出れたんだ、このまま森の中へ逃げこんで……」
聖職者「リザードマン種族相手にですか? 森の中はどちらかというと相手の独壇場ですよ」
聖剣「それもそうだが! 今この場で相対するよりか生き延びる可能性はある!」
聖剣「さっきも言ったが、奴は魔王の側近! お前では敵わん!」
聖剣「いくら我を振るえたからと言って、絶対無敵というわけではない! 生き延びることを考えよ!」
聖職者「え? 振るいませんよ?」
聖剣「は?」
聖職者「管理人が管理するものを勝手に振り回すなんて前代未聞ですよ! 管理人失格ですよ!」
聖職者「そもそも両手剣なんて使ったことないですし、自分より実力の高い相手に自分が不得手の武器を使うとかマゾなんてレベルじゃないでしょ!」
聖剣「お前の存在が前代未聞なんだが」
竜人将軍「どうやら本当にお前は勇者ではないのだな。俺に襲撃され、慌てて聖剣が持ち出せるように調整したといったところか」
聖職者「そんなこと出来るんですか?」
聖剣「出来ん。我を抜けるのは勇者だけだ」
聖職者「私、管理人ですけど?」
聖剣「だからお前は……ってもうこのやり取りはいい! どうする気だ?」
聖職者「逃げますが、まず戦います。相手の機動力を奪えれば、あるいは……」
聖剣「なら尚の事我を使え。奴にダメージを与えることも容易い……って、何だ、この構え……」
聖職者「どっせーい!」ブン
竜人将軍「むっ!?」サッ
聖剣「投げる奴があるかああああああああ!?」ザンッ
竜人将軍(魔物が聖剣に直接触れることが出来ないことを利用するか! だが奴の手を離れた聖剣を壊すなど容易い……)
聖職者「よそ見は禁物ですよ?」ザンッ
竜人将軍「!!? いつの間にあの距離を……!?」バッ
聖剣(あの竜人将軍並に速いだと!? 何者だあいつ……!?)
聖職者「爆ぜろ!」ボンッ
竜人将軍「ぐぁ!?」
聖剣「爆発魔法!?」
聖職者「いえ、ただの爆薬です」
聖剣「お前聖職者なのに何故爆薬を所持してる!?」
聖職者「この隙に鞘を回収しますよ!」ダダダッ
聖剣「う、うむ……と言うかお前、腕につけてるその武器は」
聖職者「……本当は二度と使う気なんてなかったんですけどね」ハァ
竜人将軍「なるほど、その身のこなしと暗器……貴様、暗殺者だな?」
聖職者「元、ですけどね。あの距離で爆発を受けてもあまりダメージがないとは、さすが側近です」
竜人将軍「俺の種族は元々火に強い。残念だったな」
聖職者「隙を作れそうなのが爆薬だけだったんですよね……まあお陰で鞘を回収出来ました」スチャ
聖剣「おい、我を背負ってどうする!?」
聖職者「私は管理人です。聖剣を守りますが、振るうつもりはありません」
聖剣「いい加減ふざけるのはやめろ! お前は勇者だ! 人々に希望をもたらし、魔王を討つ存在なんだ!」
聖職者「私のような人間が勇者なんかになれません!」
聖剣「どういう意味だ!?」
聖職者「生まれてすぐ暗殺ギルドに売られ、暗殺者に育てられ、今まで何人も殺してきました!」
聖職者「そんな血塗られた私が、人々の希望を奪ってきた私が、勇者であるはずがないんです!」
聖剣「…………」
聖職者「知っていますか、聖剣さん? お伽話では勇者は人々の希望の象徴なんです」
聖職者「私はそのお伽話を、殺した子供の部屋で知りました。恐らく、その男の子が大好きな絵本だったんでしょう」
聖職者「殺した時、彼はそれを読んでました。男の子の血で染まった本には、聖剣を掲げた勇者が人々に讃えられていました」
聖職者「絵本なんか見たことのなかった私は、その姿に心奪われました。ですが血塗られた本を見てすぐに気付きました、私は勇者にはなれないと」
聖職者「けれどその時から私は暗殺者でもいられなくなりました。誰の希望も奪いたくないと思ってしまったんです」
聖職者「そして罪を償おうと聖職者になり、聖剣の存在を知り、希望の象徴である聖剣を守る管理人になろうと決めたんです」
聖職者「だから私は勇者になれないんです。ごめんなさい」
聖職者「でも、守ります。希望の象徴である聖剣さんを」
聖職者「もう二度と誰かの希望を奪うなんて嫌です。壊されるなんて嫌なんです!」
竜人将軍「口はどれだけ達者でも」スッ
聖職者「!?」
竜人将軍「こうも隙だらけではな!」ゴッ
聖剣「聖職者!?」
聖職者「だ、いじょうぶ……です……」ヨロヨロ
竜人将軍「いなしたか。だが立つのもやっとのようだ」
聖職者「ハッ! 元暗殺者舐めんな……ですよ!」ダッ
竜人将軍「ほう、まだそれだけ動けるか!」ギィンッ
聖職者「痛覚を意識的に消すなんて初歩の初歩!」ギィンッ
聖職者「どんなに不利な状況でも手段を選ばず、生き延び、痕跡を消し、相手を殺す! それが暗殺者の誉れ!」ギィンッギィンッ
聖職者「で、す、が!」ボシュ
竜人将軍「む!?」
聖職者「今は逃げること優先なんですよ、ごめんなさいね」
竜人将軍「ぐあああああああああ!?」
聖職者「対動物型魔物用の臭い玉です、鼻と目に染みるでしょう?」
聖職者「よし、この隙に逃げますよ、聖剣さん!」
竜人将軍「貴様あああああああ!」ブンブン
聖職者「闇雲に振っても当たるわけないでしょう!」
竜人将軍「ならば……があああああああああああああ!」
聖職者「う……わ!?」
ドラゴン「たかが人間一人に本来の姿を見せることになるとはな!」
聖職者「ほ、本物のドラゴン! 初めて見た! 大きすぎです!」
ドラゴン「この姿なら適当に振り回しても当たるだろう!」
聖職者「しょ、将軍なら戦いに美学を求めるべきだと思います!」
ドラゴン「手段は選ばないんだよなぁ!」
聖職者「貴方暗殺者ではないでしょう!」
聖職者「目が見えてないし、大振りだから避けられないこともないですけど……!」
聖職者「痛覚消しても一発貰ってるからあまり長く動き続けるのは……」
聖剣「聖職者」
聖職者「あ、聖剣さん! 何か考えは」
聖剣「我を抜け」
聖職者「だから、私は勇者には」
聖剣「希望の象徴である我を守るんだろう?」
聖剣「暗殺者故に手段は選ばないのだろう?」
聖剣「ならば我を抜け。振るって活路を見い出せ」
聖職者「だから! 私には勇者になる資格なんてないんです!」
聖職者「人殺しの私が、希望の象徴なんかになれるわけないんですってば!」
聖剣「知るか」
聖職者「し、知るかって!?」
聖剣「我は使命を与えられた。我を抜ける者を勇者と認め、共に魔王を討ち果たせと」
聖剣「お前のちっぽけな事情など知らん。お前の手が血塗られていようが、お前は我を抜いたのだ」
聖剣「お前の生い立ちも、心境も、決意も、我には関係ない」
聖剣「お前が、お前が我に希望を与えた!」
聖剣「何百年と待った! 先代の勇者が志半ばに魔王を完全に討ち果たせなかったときから、何百年だ!」
聖剣「抜けもせん輩に身を引っ張られる毎日! 勇者以外誰にも声の届かぬ孤独!」
聖剣「ついに我を抜き、声が届くお前が現れる日まで、我は絶望の真っ只中に居たのだ!」
聖職者「せ、聖剣さん……」
聖剣「もうこの際お前が勇者と認めなくても構わん!」
聖剣「だから頼む! 我を振るい、活路を見い出せ!」
聖剣「人々の希望の象徴になるのが無理だろうと、お前はすでに我の希望だ!」
聖剣「一ヶ月、人と話すのがこんなに嬉しいものかと心震えた日々を、失いたくないのだ!」
聖剣「人々の希望である我を守りたいと言ったな! ならば我の希望であるお前自身も守ってみせろ!」
聖剣「抜け! 戦え! 生き残れ! 我の希望! 我の友! 何よりお前は……!」
聖剣「我の……聖剣の……!」
剣士「よう、管理人さん! また来たぜ」
聖職者「いらっしゃいませー」
魔法使い「……何その箱」
聖職者「先日魔物の襲撃に遭いましてー、何とか魔物は倒したんですが、教会が壊されちゃったんですよねー」
僧侶「それで?」
聖職者「寄付金も募っていますが、ここは聖剣を抜くチャレンジの際にお金を徴収して少しでも早く再建しようと!」
剣士「金とるのかよ!?」
聖職者「10分1000Gでーす」
魔法使い「しかも高い!」
聖職者「抜けたら元は取れますよ?」
僧侶「そういう問題では……」
聖職者「いやー、金のなる木ですねぇ、聖剣さん?」ジャラジャラ
聖剣「お前、教会の再建費用はとっくに溜まってるんじゃないのか?」
聖職者「魔物が時々襲撃に来ますからね~。耐久度重視で立て直そうと思ったら中々お金がかかるんですよ」
聖剣「自業自得なんだがな……」
聖職者「まあ知れ渡っちゃったものは仕方ないですよ!」
聖剣「開き直るな! まあいい、本当にちゃんと強力な魔物が来た時は我を振るうんだろうな?」
聖職者「約束しちゃいましたからね。死なない程度に聖剣さんに頼るって」
聖剣「出来れば普段から頼ってほしいものだが」
聖職者「それは勇者扱いになるのでダメでーす」
聖剣「……まあ我から言い出したことだから仕方あるまい」
聖職者「そうですよー! なんたって私は……」
聖職者「聖剣の管理人ですからね!」
!マーク多めでスレタイを叫ぶってやりたかっただけです
最後ミスった\(^o^)/
ちょっと死んできます
乙
聖職者も聖剣もかっこいいぞ
このコンビ好き
おつ
乙!
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