扶桑「不幸ね……」 (67)


――とある鎮守府


提督「――おーいっ!」


扶桑「あら、提督……。どうしました?」


提督「いやー次の出撃、扶桑に出てもらおうと思っててさ」


扶桑「……出撃ですか」キリッ


提督「うん。……いけるか?」


扶桑「もちろんです。提督のお力になれるのなら……」


提督「よし! それじゃ、この後部屋に来てくれ。そこで、全員そろい次第詳しく説明しよう――」







提督「――ってことだ。今回は連合艦隊での出撃になるが、我々の勝利はお前たちにかかっている。……どうだ、いけるか?」


金剛「フフーン! 当たり前ネーっ! この、金剛にまかせるデースっ!」


比叡「よぉーっしっ!! 燃えてきました!」


榛名「……榛名も、全力で参ります!」


霧島「はい。私たちなら、いけます!」


提督「よし、任せたぞ」


提督「――扶桑、。……大丈夫か?」


扶桑「はい……。扶桑、提督のご期待に応えて見せます」キリッ


提督「……ありがとう! よし、それじゃ……頼んだぞ――!」









金剛「――さぁーって! いよいよお出ましデース!」


比叡「気合、入れて、行きますッ!!」


扶桑「あれが……戦艦水鬼……」


榛名「……行きましょう。必ず、私たちが倒します!」


霧島「――来ますっ!!」





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パンツ脱いだ

扶桑さんせっくすしよう


ナキサケンデ・・・シズンデイケ・・・!

ドォン‼


扶桑(始まった……)


扶桑(慌てちゃダメよ、扶桑。私の役目は、金剛さんたちが戦艦水鬼相手に集中できるよう、そのほかの随伴艦を引き付けて、倒すこと……)


扶桑「――主砲、副砲……撃てぇっ!!」ドォン


扶桑「くっ……外しました……! まだまだ……――!!」







ナカナカ、ヤルジャナイカ……


金剛「うーっ! 装甲が硬すぎるネーっ!」


霧島「ぐっ……、私の計算だと、あともう少しのはずなんですが……!」


榛名「ここで倒さないと……!」


比叡「撃ちますッ!! 当たってぇ!」


ドォン‼ ドォン‼


金剛「扶桑のほうも、苦戦してるみたいデース……」


榛名「そうですね……。ですが、私たちは目の前の敵に集中しないと……!」


霧島「あと少し……、もうちょっとで……っ!」








扶桑「――なんで……なんで当たらないの……っ!!?」


扶桑(これじゃ……、金剛さんたちが相手に集中できない……)


扶桑(それに……提督にも…………)


扶桑「……撃てぇっ! 撃てぇっ!! ……お願い……当たって……!!」


ドォォンッ‼


扶桑「――きゃあっ! ……ひ、被弾っ?」


扶桑(……提督……。私は、提督のお役に、提督のご期待に応えたいのに……!!)


扶桑(あぁ……、やっぱり私は……――)




扶桑「不幸ね……」


扶桑「――でも、諦めるわけにはいかないわ……!」


扶桑「主砲、副砲……、撃てぇっ!! お願い……提督の……、提督のお役に立ちたいのっ!!」


ドボォン‼


扶桑「……どうしてっ! ま、まだまだよ!」ドォンドォン


扶桑「当たって……、お願いだから……っ!!」


ドボォン‼


扶桑「……私は……私は……ッ!!」








金剛「――全然ダメージが通らないネー……」


比叡「はいぃ……。あの、装甲を抜かないと……」


榛名「私たちでは難しいのでしょうか……?」


霧島「そんなはずありませんっ。……ただ、このままでは……」



ドォオオン‼



金剛「――ッ! 不味いネっ! みんな離れるデースッ!!」


ドパァァン‼


比叡「ひ、ひえぇ~っ!」


霧島「ぐっ……、油断しました」


榛名「じ、陣形が、崩されました! すぐに立てなお――!」


ドォオオン‼ ドォオオン!


金剛「――Shit! 敵もバカじゃないネー……。離れ離れにさせられたデース……」


金剛「こうなっちゃ仕方ないネー……。やるしか……」


金剛「撃ちますっ! Fire!」ドォン


ドゴォン…


金剛「――うーん、やっぱり連携をとらないと、私たちの火力じゃダメージが……」


金剛「……ごめんネー、提督。今回は、ちょっと難しそうデース……」

ゲームの扶桑に「不幸」発言はない
これ豆な

不幸は山城だもんな

>>6
知ってた。でも、扶桑が好きなのよ。



扶桑「――……もう、弾薬が……。結局、相手の戦艦を中破させることしかできなかった……」


扶桑「嘆いても仕方がないわ……。帰ったら、提督に呆れられてしまうでしょうけど……」


扶桑「はぁ……、空はこんなにも青いのに……」



――扶桑。頼んだぞ……!



扶桑「提督……。私は…………」ツー


ドォォン‼


扶桑「あぁ、金剛さん……。ごめんなさい、お役に立てなくて……」


ドォン‼ ドォン‼


扶桑「相手の戦艦……。せめて、せめてあなただけでも……っ!」




扶桑「主砲ッ!」


扶桑「副砲ッ!」


扶桑「……撃て――」ドォン‼



ドパァァン‼



扶桑「――きゃぁ!! ――はっ、ほ、砲弾が、別の方向へ……!!」


扶桑「…………ごめんなさい、ごめんなさい……」








金剛「うーっ! もう、これ以上は……ッ!」





ドォォオオンッ‼‼





ヒカリ…アフレル…ミナモニ…ワタシモ……そう…っ!?



金剛「――っ! 誰かの砲撃が、直撃したみたいデースッ!! ――Wow! さっすが、私の妹たちネー!」


うわぁ……



―――鎮守府


ガチャバン‼


金剛「――提督ゥーっ! 艦隊帰投したネ!!」


提督「おぉっ! 待ってたぞ!」


提督「さすがは金剛だ。期待以上の――」


金剛「んー、残念だけど、私は倒せなかったネ」


提督「え? でも、MVPは……」


金剛「たしかに、いっぱいダメージを与えたのは私デース。でも、最後のとどめがなければ、倒せなかったネー」


提督「じゃ、誰が……?」


金剛「だから、今回は私の妹たちを褒めるといいデースっ!」


提督「そうか! ――比叡、お疲れ、よくやったな!」ガシッ


比叡「い、いえ……。私、被弾してしまって、そんな倒すほどの砲撃は……」


提督「榛名! ありがとう、お前のおかげだっ!」


榛名「あ、あの、たぶん榛名でもないと、思います……」


提督「霧島、さすが艦隊の頭脳だ。ありがとう」


霧島「……残念ですが、私の砲撃も当たっていなかったと思います……」


提督「――……ま、まぁ、ともかく! みんなお疲れさま! ゆっくり入渠して疲れを癒してくれ!」




金剛(あれー? 妹たちだと思ってマシタ……)


比叡(金剛お姉さまがやったものだと思ってた……)


榛名(比叡姉さんだと思っていました……)


霧島(てっきり榛名がやったのかと……)



oh...

クソスレやんけ

扶桑好き提督に謝れ

実は山城がいつのまにか狙撃していたんだな!

ざまあねえぜwwww

最近は、イベントの最終海域には取り敢えず扶桑姉妹入れときゃ間違いないくらいの大活躍なんだがな


提督「――扶桑っ」


扶桑「――ッ」ビクッ


提督「……お疲れさま。少し、被弾したみたいだな。扶桑も入渠してくるといいよ」ニコッ


扶桑「…………さい」ボソッ


提督「えっ?」


扶桑「ごめんなさいっ……。私は、提督のご期待に応えることができませんでした……」


提督「ははっ、何言ってるんだ。扶桑は十分な働きをしてくれたよ」


扶桑「……そんなこと、ありません。相手を、一隻も倒していません……」


提督「……なにも、倒すことだけが戦いじゃない。扶桑が他の深海棲艦の相手をすることで、金剛達が自由に動けたんじゃないか」


扶桑「でも……、そんなのは私じゃなくても――」


提督「ううん、扶桑じゃなかったらできなかったことだ。ありがとう、扶桑」ナデナデ


扶桑「て、提督っ!」カァアア


提督「あ、あぁごめん……! つい……」バッ


扶桑「ぁ……。そ、それでは、失礼します……」



ガチャバタン



扶桑「……山城のがうつったのかしら」ハァ…


扶桑「不幸ね……」


―――別の日の鎮守府


提督「――あー、大和型が欲しいなぁ……」ボソッ


扶桑「……大和型、ですか?」


提督「うん。――あ、あぁっ、もちろん扶桑たちじゃ物足りないとかそういう意味じゃないよっ!??」


扶桑「わ、わかっていますよ、提督」


扶桑(本当は、ちょっと思ったけど……)


提督「いやぁね、この前の海域で痛感したんだよ。やっぱり、敵を圧倒するような火力が欲しいなぁって」


扶桑「そうですね。金剛さんたちと、私たちでは、少し……」


提督「長門達もいるけど、どうしても使えなくなる場合が、この先あるかもしれない」


提督「だから、大和型が欲しいなぁ……。って、思ってさ」


扶桑「……そうですね。しかし、大型建造をするには資材のほうが……」


提督「わかってるよー。まぁ、あれはしょうがない。そうでもしないと勝てなかったんだから」


扶桑「…………」


提督「――ま、しばらくは落ち着くだろうし、少しのんびり行こうか」ウーンッ


扶桑「はい……――」







扶桑「大型建造……」


扶桑「全ては妖精さんの気まぐれ。確率は相当低い……」


扶桑「……でも、提督は大和型を期待している」


扶桑「………………」


扶桑「…………ここに、私のへそくり資材が各1万ずつ保管されている」


扶桑「もともとは、私がよく被弾してしまうのを提督に心配されたくなくて、自分でこっそり入渠できるように溜めていた資材だけど……」


扶桑「…………これを……」


扶桑「き、きっと、大和型を建造できれば、提督も喜んでくれるはず……」


扶桑「……………………」


扶桑「………………よし!」

扶桑姉様の思考がダメンズウォーカー過ぎる……

それヘソクリじゃなくて横領っていうんじゃ・・・

給料を資材に変えたんやろ


―――工廠


扶桑「あまり、建造についての知識はなかったのだけど、少し調べることができたわ……」


扶桑「燃料4000、鋼材6000、弾薬6000、ボーキサイト3000、開発資材20……」


扶桑「これが、私のできる大和型の大型建造レシピ……」


扶桑「……すごい、減るのね……」ボソッ


扶桑「――な、何を言っているの扶桑っ。残った分だけでも、十分よね……」


扶桑「……これだけ溜めるのに、いったいどれほど……」


扶桑「だ、ダメよっ! これで、これで建造できれば……!」



――ありがとう、扶桑。お前は俺の、世界で一番大切な女だよっ!



扶桑「……提督……」カァアア


扶桑「い、行くのよ、扶桑。覚悟を決めないと……!」




扶桑「す、すいませーん」


ハーイ‼


扶桑「こ、これで、お願いしてもよろしいでしょうか……?」


オオガタケンゾウデスネー‼ ウケタマワリマシター‼


扶桑「お、お願いしますっ!」



扶桑(もう、ここからは妖精さんの世界……。私は何もできない……)


扶桑(たしか、大和型の建造時間は8時間よね……)


サーッテ、イキマショーッ‼


扶桑(……お願いっ! お願いします……!!)







建造時間 06:39:54






扶桑「…………」ガクッ


扶桑「そう、よね。そんな簡単なはずがないわよね……」ハァ…


扶桑「……でも、なんでしょう? 戦艦?」

巨人大鳳卵焼き

大和型レシピで大鳳って一周回って超幸運…いやなんでもない



扶桑「でも、なににしても大和型じゃないことは確かだわ……」


扶桑「どうしましょう……。と、とりあえず提督が毎日建造するものの中に紛れさせとけば大丈夫かしら……?」


扶桑「そうよね、もともとは提督の資材なわけだし……。あぁ、こんなこと知られてしまったら、いくら温厚な提督でも怒るに違いないわ……」


扶桑「よ、妖精さんっ! こ、ここに私が建造を頼みに来たというのは秘密でお願いします!」


エッ? イイデスヨー‼


扶桑「あ、ありがとうございます……」


扶桑「はぁ……、やっぱり大和型の建造なんて無理だったんだわ……」




扶桑「不幸ね……」








提督「妖精さんオイーッス」


オイーッス‼


提督「えぇっと、今日の建造の結果は……?」



ッポイ‼
クソテイトク‼
ワタシガタイホウ‼
ハリキッテマイリマショー‼



提督「ふんふん……。まぁまぁ、そんな感じかぁー」


提督「とりあえず、これは……――」ン?


提督「…………………………………………あれ?」


提督「…………………………えっ??」


タイホウデスッ‼


提督「………………は??」


タイホウデス‼


提督「……あぁ……」


提督「…………えっ??」


提督「……あぁ、そういうね…………」


ワタシガタイホウ‼


提督「」



扶桑「――はっ! て、提督の悲鳴のようなものが……!」


扶桑「き、きっと建造の結果を見たんだわ……。ど、どうしましょう……」


扶桑「と、とりあえず……――!!」








提督「――あれっ?? 扶桑はどこいったんだ??」


「あぁ、なんか体調不良とか言ってたよ。せっかくこんなパーティの日に、もったいないよね」


提督「まったくだ……。でも、心配だなぁ……。せっかく今日はこんなラッキーな日なのに」


「しかし、今のこの鎮守府のどこに大型建造なんて回す資材があったんだい?」


提督「いや、通常建造」


「は?」


提督「い、いやっ! 本当なんだって! ウソじゃないからっ! いつものやったら大鳳出てきたんだってっ!!」


「……世の中、不思議な事もあるもんだね」


提督「あぁ……。まぁ、今は夢じゃないことを祈るよ」


「そうしよう。……じゃ、とりあえず僕は扶桑のところに行ってくるよ。心配だからね」


提督「あぁ、様子を見てきてくれ。俺も後で行くよ」





提督「扶桑……大丈夫かな……?」

扶桑は山城のためにあえて自分のことを不幸と言わない

不憫で涙出そう

―――また別の日の鎮守府


扶桑「――お休み……ですか?」キョトン


提督「うん。まぁ、いつも頑張ってもらってるし、たまには、ね?」


扶桑「……それより、提督のお傍に居たいのに…………」ボソッ


提督「ん? なんか言った??」


扶桑「――いえ、わかりました。では、この扶桑、お休みをいただきます」


提督「よろしいっ! ……ところで、扶桑はどこに行くとか決まってるの?」


扶桑「いえ……特には。とりあえず、街へ行こうと思っていますけど」ウーン


提督「まぁ、そうだよねー……。――あっ、そうだ」


扶桑「提督……?」


提督「そういや、この前知人から福引券もらったんだけどさ。俺は興味ないし、このままにしとくのももったいないから、上げるよ」


扶桑「福引……ですか」


提督「そう。――ははっ、良いの当たったら教えてよ――」







扶桑「――来てみたけど……」


ザワザワ
ダレダアノヒト…
スゴクキレイ…
ザワザワ


扶桑「な……なんだか、周りからの視線が……」


扶桑「はぁ……、とりあえず少し買い物をして、福引券使ったら帰ろうかしら……」





イラッシャイイラッシャイ
カランカラン


扶桑「――……1等は旅行券。2等はのーとぱそこん。3等は……」


扶桑「スイカ……!!」


扶桑「たしか……提督はスイカが大好物……」


扶桑「……あ、当てれば……提督に……!」


扶桑「――あ、あの……、これでお願いします」


ハイヨー‼


扶桑「い、行くわよ…………!」



――カランカランカランカラン‼



扶桑「――っ」ビクッ



オメデトウゴザイマス‼ ニトウガアタリマシター‼



扶桑「あぁ、隣の人が2等を……」


扶桑「……そういうこと。あの玉の色で、何等だか決まっているのね」


扶桑「えぇっと、3等は……青色ね」


扶桑「この部分を回せばいいのかしら……?」ガラガラ




カラン…




扶桑「――……あっ」


扶桑「はぁ…………。そうよね、出るわけないわよね……」


扶桑「しょうがないわ、扶桑。今日のところは帰りましょう……」トボトボ


扶桑「不幸ね……」





アレッ?


カランカランカランカランカランカランッ‼


イットウデス‼ イットウガデマシター‼


オメデトウゴザイマス‼

……?

ダレモイナイ…?

ザワザワ







提督「――ははっ、そっか! まぁ、でも福引なんてものはそんなものだよ」


扶桑「はい……」


扶桑「――……ふふっ、やはり私はここにいる方が落ち着くみたいです……」ボソッ


提督「んー? なんで笑ってるの?」



扶桑「いえ、なんでもありません……」ニッコリ

人の幸不幸ってやっぱり主観的だな

客観的に見たら提督に惚れて盲目状態になってることが一番の不幸
まぁ提督が悪い訳じゃないんだけどさ

人それぞれだけど、好きな人の近くにいれて沈んでもないのは幸せだと思う


―――またまたある日の鎮守府


扶桑「…………つ、ついにこの時が来てしまいました……」


扶桑「この前出かけたときに、売り子の人に勧められて、なんとなく買ってしまった宝くじ……」


扶桑「当たるわけがないとは思っていますが……。それでも期待してしまうのは艦娘の性なのでしょうか……」


扶桑「……とはいえ、万が一……いえ、那由多が一にでも当たっている可能性があるのなら……」


扶桑「しかし、私もこういったものは初めてで……どうすればいいのか……」ウーン


扶桑「とりあえず、この『45組』というのと、下の6桁の番号が一致していればいいのよね……?」


扶桑「私の番号は『045071』。……そして、提督から頂いてきた今日の新聞紙」


扶桑「………………」ドキドキ


扶桑「――だ、ダメよ扶桑っ! な、なにを少し期待しているのっ……」


扶桑「……霧島さんに聞けば、これが当たる確率は1000万分の1……」


扶桑「………………」


扶桑「ふふっ、そうね。当たるわけがないわ……。さっと見て、終わらせ――」ピラッ




  45組




扶桑「…………」パサッ


扶桑「…………お、おお落ち着くのよ扶桑っ……。た、たたただ組があっていただけにすす過ぎないわ!」ドキドキ


扶桑「ふぅ…………」スーハー


扶桑「え、えぇっと……あ、当たればおいくらぐらいもらえるのでしょう……」



 1等 100000000円



扶桑「……い……いちお…………」ドキドキ


扶桑「――だ、ダメよっ! あ、当たるわけがない。そう、私に限って、当たるわけがないわっ!!」ブンブン


扶桑「で、でも……そ、それだけあれば……。提督も……きっと私を……」


扶桑「……………………」


扶桑「ひ、一つずつ見ていこうかしら……」


扶桑「め、目を瞑って……、す、数字を手で隠して……」ガサガサ


扶桑「………………」チラッ


 45組 0


扶桑「…………あ、合ってる……」


扶桑「……ふぅ…………」ドキドキ


 45組 04


扶桑「…………」ドキドキ


 45組 045


扶桑「…………」ドキドキドキドキ


 45組 0450


扶桑「……そ、そんな……う、ウソ……」ドキドキドキドキ


 45組 04507


扶桑「お、おおおお落ち着いて、落ち着いて扶桑! え、で、でもこれって、そんな!」ドキドキドキドキ


扶桑「わ、私の番号はな、なななんでしたっけ? あ、あ、えっと……」


扶桑「『045071』……。あ、あと、一つ……。こ、これがあああってれば……」ドキドキドキドキドキドキ






 当選番号


   一等 45組 0 4 5 0 7 2






扶桑「」








扶桑「…………さて、仕事しようかしら」ボー


扶桑「ふ、ふふふ、わ、わかってたことじゃない。当たるはずなんて、ない、のよ……」ガララッ


ヒュオォオッ


扶桑「きゃっ、か、風で宝くじが……」


扶桑「――……とはいっても、ハズレですもんね。もう、いらないか……」


扶桑「不幸ね……」

い、一等前後賞ォォォォオッ!!
扶桑さんは単独行動しなけりゃ不幸が半分くらいは余裕で減るんじゃ……

ちょっと不幸(?)すぎんよー…

ぜ、前後賞…!!

>>37
不幸(?)ってのは言い得て妙かも
でも自覚したら普通に不幸になるんだろうなぁ……

軽いポンコツっぽい?



―――ある日のお昼


扶桑「――そろそろ、ご飯でもいただこうかしら……」


扶桑「提督……は、いま本部からの急な呼び出しで居ないんだったわよね」


扶桑「仕方がないわ。とりあえず、食堂のほうに行きましょう……」


扶桑「――あ、今日は金曜日だったかしら?」


扶桑「ふふっ、せっかくだからカレーでもいただきましょう……」ニコニコ


扶桑「楽しみだわ……」






扶桑「――しかし、私もここへきて、もうずいぶんと経つんですね……」


扶桑「昔は、私が初めての戦艦だったこともあって、MVPをとれば提督が『さすが』と褒めてくれて…………」


扶桑「今は私の経験が長いから、秘書官を務めさせていただけているけど……。そろそろ、私も……」


扶桑「金剛さんたちも、随分と練度を上げてきていますし、伊勢や日向も……。長門さんたちだって、もう十分…………」


扶桑「はぁ…………」




「お待たせしましたー」コトッ




扶桑「――あっ、ありがとうございます……」


扶桑「うん、いい匂いね。食欲がでてくるわ」


扶桑「それじゃ、いただきま――」



ピンポンパンポーン


「えーっと、秘書官の扶桑。ちょっと、緊急の用件だ。今すぐ来てくれ」ブツッ


ザワザワ
ナンダナンダ?
キンキュウダッテー


扶桑「わ、私……? と、とりあえず、提督が呼んでる。早くいかないと……」スクッ


グゥウウ…


扶桑「――ちょっと、残念だけど……。緊急だものね、しょうがないわ」


扶桑「不幸ね……」タッタッタ…






ドンガラガッシャーン


「きゃあっ! ――な、那珂ちゃん!?? きゅ、急に倒れて……大丈夫っ!!?」


「……な……な…………に……これ…………」バタン


「えっ、カレーがどうしたって?? もう、那珂も大げさだなー」パクッ


「…………………………………………」モグモグ


「……ね、姉さん?」


「…………………………………………」


「き、気絶している……ッ!? ね、姉さんまで……。――はっ! 今日のカレー当番は誰っ!??」バッ







「あれ? どうかしましたかー?」ヒエー







ミンナータベルノヲヤメロー‼
ワーワー
タベルナ‼ タベタラシヌゾッ!
キャーキャー
ダレダ、ヒエイニツクラセタノハッ!?

------
----
--

ひえー…

秘書官か
まるゆいっぱい食べて育ってそう

連合艦隊なのに戦艦5隻でボス殴るんか

>>45
SSの中でぐらい殴ってもいいじゃない。



―――

扶桑「――せ、戦艦水鬼が……!!?」


提督「あぁ……。この前の海域から近いところで確認された。これが写真だ、少しボケてるが……わかるか?」ピラッ


扶桑「――……間違い、ありません。この前の戦艦水鬼です……」


提督「そうか……」


提督「――幸いなことに、やつらはこの海域から動いていない。……と、いうより、何かを待っているようにも思える」


扶桑「待っている……とは?」


提督「……いや、そんな気がするってだけさ。――とにかく、俺たちはまたやらなければならない」


扶桑「…………はい」


提督「作戦は基本的にこの前と同じだ……が、編成が少し変わる」


提督「今回は扶桑を旗艦として、金剛型の金剛、榛名、霧島を中心とする第一艦隊。主にはこの四人で戦艦水鬼を討ってもらう。そのほかの艦隊のほうはこの前と変わらない、扶桑たちは戦艦水鬼に集中してくれればいい」


扶桑「へ? わ、私……? ――あ、あの比叡さんは……?」


提督「比叡はこの前の戦闘で負った損傷が、思いのほか激しくてな。今は、少し体を休めている」


扶桑「そ、そうですか……。し、しかし、私が……そんな……」


提督「今回は相手もわかっているだろうから、この前のようにはいかないかもしれない……。……だから、扶桑に任せたいんだ。……できるか?」


扶桑「――ほ、他にもっ! 長門さんや陸奥さんとかは……」


提督「長門と陸奥は、別の陽動のほうにあたってもらう」


扶桑「……そ、それにっ、伊勢や日向だって――」



提督「――俺はッ!」



扶桑「――っ!」ビクッ


提督「……俺は、他の誰よりも信頼している、扶桑。扶桑に、お願いしているんだ」


扶桑「てい……とく…………!」


提督「…………もちろん、どうしてもというのなら別の編成を考えよう。……やっぱり、俺が戦うわけじゃあないからな。無理強いはしたくない」


提督「……どうだ、やってくれるか?」





扶桑「――任せてください。今度こそは、今度こそは必ず提督のご期待に応えて見せます……ッ」キリッ


―――


―――とある海上


金剛「――しっかし、またアレと戦わなきゃいけないだなんてネー……」


霧島「確かに倒したかのように見えたのですが……」


榛名「でも、やるしかないですよね……。――でも、今回は扶桑さんが居ますし、心強いですっ!」


扶桑「そ、そんなことないわ……。私なんて……」


金剛「謙遜しなくてもいいネー! 扶桑が、私たちよりもずっと前からココに居るのはわかってマース!」


扶桑「謙遜なんて……。ただ私は、戦艦の中で一番最初に来たというだけ……。ただ、それだけよ」


霧島「でも提督は、重要な作戦には必ず扶桑さんを入れますよね」


扶桑「ほかの皆より、少し経験があるってだけだと思うわ」


榛名「それだけじゃないはずです! 提督は、きっと扶桑さんのことを――」




ドォオオン‼




扶桑「――敵襲ッ!!? 皆さんっ、回避行動をッ!」


ドォン‼ドォン‼
ドォオオオン‼


金剛「Shit! 危ないところだったネー!」


榛名「ま、まさか奇襲を受けるだなんて……」


霧島「そんな……、私の計算ではこんなところには……」


扶桑「――とりあえず、みんな大丈夫そうね……」ホッ…


扶桑「……慌ててはいけません。例えどこで開戦しようと、作戦は同じ……」


扶桑「――第二艦隊の皆さんは、予定通り敵随伴艦をお願いしますっ!」


ハイッ‼
ハイッポイ‼
サンソギョライイックヨー‼
ショウガナイネェ…


扶桑「そして、私たち第一艦隊は……」



ナキサケンデ……シズンデイケ……!



扶桑「――戦艦水鬼を、討ちます」


金剛「わかってるネー!」

榛名「榛名、負けませんっ!」

霧島「今度こそ、必ず!」



ヤットミツケタゾ……イマイマシイ、センカンメ!!


金剛「Oh! 探してたのネー? 今度は逃がさないからっ!」


榛名「怒ってるのでしょうか……。以前、やられたから……?」


扶桑「……なるほど、提督の言っていた『待っているよう』というのはそういう……」


霧島「それじゃ、私たちが来るのをわざわざ……?」



コノマエハ、フイヲツカレタ……。コンドハユダンシナイ……!!


カクゴシロ……、シズメテヤルゾ!! センカンッ!!






金剛「へ?」




榛名「あれ?」




霧島「これは……?」
























扶桑「え、私??」






















ドォオオン‼ ドォオオン‼


金剛「まっさか、この前のあの砲撃は扶桑だったとはネーっ!!」ドォン‼


霧島「ですが、それならあの装甲を抜いた威力にも納得できます」ドォン‼ドォン‼


扶桑「い、いやっ、そんなはずは……。私は、戦艦水鬼に砲撃なんて――」ハッ…




―――きゃぁ!! ――はっ、ほ、砲弾が、別の方向へ……!!




扶桑「――撃ったつもりは……なかったのですが……」


榛名「何はともあれ! 戦艦水鬼は扶桑さんを狙っています! 気を付けてっ!」


ドォオオン‼


扶桑「――ッ! ……そうですね、今は戦闘に集中しないと!」ドォオン‼




―――

扶桑「――はぁ……はぁ……。まだ、倒せないの……?」


金剛「うー、この前より強くなってる気がしマース……」


霧島「確かに……、データが足りませんね……」


榛名「しかし相手にも、あまり余裕は無いように見えます」



ドォン‼ ドォン‼



扶桑「――ッ!? あ、あれは……っ!?」


霧島「ぐっ……。どうやら敵の援軍のようです……!」


榛名「戦艦ル級のエリート二隻……ですか。第二艦隊のほうも、余裕はなさそうです……」


金剛「こっちはもう、燃料も弾薬も尽きそうネー……」ハァ…


扶桑「………………」


扶桑(この状態の中、私たちにできる攻撃はできて二回……。第二艦隊のほうも厳しい状態……。――しかし、相手もそろそろ限界なはず。だから戦艦水鬼を守るために、ル級がきたのでしょう)


扶桑(次で、決める……!)


扶桑「――金剛さん、榛名さん、霧島さん。……私が、あの二隻の戦艦ル級を引き付け仕留めます。その隙をついて、三人で戦艦水鬼に攻撃してください」


金剛「それじゃ、扶桑が……っ! そんな無茶はさせられないネーっ! 私が――」



扶桑「この艦隊の旗艦は、私です。ここは、私の指示に従っていただきます」ドンッ


榛名「だ、ダメですっ! ここは一回撤退して、補給を――」


扶桑「その間に相手も体制を整えてしまうでしょう……。ここで、倒さないと」


霧島「で、ですがっ! もし、私たちの攻撃があたったとしても、倒せるかどうかは……っ!」


扶桑「……大丈夫です、きっと……。私は、皆さんを信じていますから」ニコッ


榛名「で、でも――っ!」



金剛「――わかったネー」



霧島「こ、金剛姉さまっ!?」


金剛「扶桑がここまで覚悟を決めているんだから、これ以上は野暮ってもんデース」


金剛「私たちがやるべきことは、確実に敵を討つっ! それだけネ」


榛名「………………は、榛名は……」

霧島「……………………」


金剛「可愛い妹たち……。このままじゃ、鎮守府に残っている提督と比叡……。――なにより、私たちを信じてくれた扶桑にあきれられてしまいマース」


扶桑「……はっ! ――皆さんっ、避けてくださいっ!」



ドォオオン‼
ドォン‼ ドォン‼



金剛「――もう、迷っている余裕は無いネー!」


扶桑「行きますっ! あとは、よろしくお願いします……!!」


金剛「行くヨーっ、マイシスターっ? 準備はOK?」



榛名「――榛名、必ず仕留めますっ!」


霧島「――私たちならいけるはずですっ!」



金剛「それでこそ、私の妹たちデースっ!」



扶桑「…………ふふっ」






扶桑「――ありがとう」ニコッ





ドォオオン‼ ドォオオン‼


扶桑「――……戦艦二隻……。大丈夫、私なら倒せない相手ではないはずよ」


扶桑「…………提督……。必ず、帰ります。――だから、絶対に、負けるわけにはいかないっ!!」


扶桑「――まずは、相手の注意を引き付けるっ」


扶桑「主砲、副砲! 撃てぇっ!」ドォン‼


ドパァン‼


扶桑「外したっ!! ……でも、ル級の注意は引き付けられたみたいね」


ドォン‼ ドォン‼


扶桑「――あと、一回。これで倒せなければ、私だけならまだしも、金剛さんたちも危ない……」


扶桑「……大丈夫よ、扶桑。私ならできるわ」


ドォン‼

ドォオオン‼


扶桑「いままでだって大丈夫だったじゃない」


扶桑「私は、あの鎮守府に帰りたいの……」


ドパァン‼


扶桑「――行きますっ!!」








扶桑「主砲っっ!!」





―――君が扶桑か! 歓迎するよ! いやー、この鎮守府にはまだ戦艦が居なくてね。



―――さすが、扶桑だ! 任せて正解だったよ。これからもよろしく頼むなっ!





扶桑「副砲っっ!!」





―――怪我したのかっ!? かすり傷っ?? そんなの関係ないッ! ほら、早く入渠ドックに入れ!



―――扶桑。最初に来た戦艦がお前でよかった。これからも、ずっとよろしくな……!





扶桑「――……私は、不幸なんかじゃなかったわ……」ボソッ





―――俺は、他の誰よりも信頼している、扶桑。扶桑に、お願いしているんだ。



―――必ず、帰って来てくれ……っ! 約束だぞ……! 帰ってきたら、渡したいものがあるんだ……。




扶桑「――約束……。ごめんなさい、提督」ツー












扶桑「撃――ックシュン」ドォン‼





扶桑「………………あっ…………」





ドォォオオンッ‼‼




ヒカリ……アフレル……ミナモニ……ワタシモ……そう……っ!?

もうっ……!もうね……決まんねぇなぁ……ww

いやぁ……決まったじゃないか(遠い目)

知 っ て た

どんなシリアスもギャグオチになる……これが、不幸の正体……!

こんなのwww笑うしかねえだろwww


―――とある海上


榛名「――榛名、感激しましたっ!!」キラキラ


扶桑「あ、あの……榛名さん……? そ、そんな大したことじゃないのよ……?」アセアセ


霧島「敵を騙すには、まず味方から……と、いうことですねっ! やはり、扶桑さんには敵いません」


扶桑「だ、騙そうと、したわけじゃ、ないのだけど……」オロオロ


金剛「それにしても、ル級戦艦二隻を引き付けながら、その二隻の攻撃をかいくぐって、私たちのほうへ注意の向いた戦艦水鬼への正確な超長距離射撃……。さすが、私たちとは経験が違うネー!」


扶桑「あ、いや……あの……違うのよ? 私は、別に……」



ワーワー
オーイ‼
カエッテキタゾー‼
ワーワー‼



金剛「――Oh! どうやらみんな待ちきれなくて、外で出迎えてくれているみたいデース!」


霧島「それもそうですよね。一度は帰ってこれるかもわからなかったんですから……」


榛名「扶桑さんのおかげですねっ!」


扶桑「………………」カァアア


オーイッ‼


扶桑「――っ、提督……!」


提督「オーイッ! ――扶桑……。よく戻ってきてくれた……!」


扶桑「…………ふふっ。約束、したじゃないですか……提督?」


提督「あぁ……そうだったな! ――おかえり、扶桑」


扶桑「ただいま帰りました、提督」ニコッ




金剛「――うーっ! 提督ーっ? 私たちも頑張ったのヨー!」


榛名「金剛姉さま! 私たちは、ドックへ行ってましょう?」


比叡「みんなーっ!! ――無事で、無事でよかったです金剛姉さまーっ!!」ボロボロ


金剛「もう、大丈夫に決まってるネー? 比叡は心配性なんだから……」


霧島「ふふっ……。――あれ、なんだか急に曇ってきたわね……」




扶桑「――それで、提督……。渡したいものとは……?」

提督「あ、あぁ、えっと……。じ、実はだなっ……」スゥー

提督「――扶桑っ!!」

扶桑「は、はいっ?」ビクッ

提督「お、俺と――!」


「――あ、見つけたーっ!!」


扶桑「えっ……、私ですか?」


「あの、この前街で福引をやりませんでしたか??」


扶桑「福引? あぁ、確かにやりましたけど……」


「ほら、やっぱりこの鎮守府の人だって言ったじゃん!」

「わかったわかった。――そんなことはいいから、ほら……」


カランカランカランカランカランカランッ‼


「おめでとうございますっ! どうぞっ、一等のペア旅行券になりますっ!」


扶桑「え、えっ?? あ、あの、私、そんな……っ!」


提督「福引ってこの前のか? でも、外れたって……」


扶桑「はい。えっとたしか……、青色の玉じゃなくて金色のがでてきたので……」


提督「き、金色っ?? じゃ、じゃあそれって……」


扶桑「あぁ、これが一等だったんですね……」シミジミ


提督「す、すごいじゃないかっ! やったな!」


扶桑「…………スイカ……」ボソッ


提督「――ふ、扶桑っ!」


扶桑「――はいっ!?」ビクッ

ヒュオォオッ‼

提督「あ、改めて言うぞ……。その……、お、俺――ヘブッ!」


提督「――な、なんだっ!?? なにか飛んで……紙?」ピラッ


扶桑「あっ……。それ、私が買った宝くじ……」


提督「扶桑、宝くじなんて買ってたのか……。――あぁ、だからこの前新聞を持って行ったんだな。……で、どうだったんだ?」


扶桑「ふふっ、ハズレですよ。一桁の数字が一つずれていまして……、惜しかったのですが……」


提督「ずれてたって……。な、何等と??」


扶桑「えっ? 一等ですけど……」


提督「」

提督「そ、それってぜ、前後賞なんじゃ……」


扶桑「前後賞?? それはいったい……?」


提督「――い、いやっ! 扶桑が見間違えている可能性もなくはない!」


提督「とりあえず、今は置いておこう。後で、ゆっくり確認すればいい」


提督「そ、それでな、扶桑……」


扶桑「あ、まだ話の途中でしたね。……なんでしょう、提督?」


提督「こ、今度こそ言うぞっ。お、俺と――」ポツッ


扶桑「――えっ……?」ポツッ




ドザァアアアアアアアアアア‼


ウワー、アメガフッテキタゾー‼
ワーワー
ミンナッ、ハヤクヤネノアルトコロニッ‼
キャーキャー




扶桑「………………」ビッチョリ…


ザァアアアアアアアアアア


扶桑「――はぁ、急にこんな強い雨が降ってくるなんて……」




扶桑「ふこ――」


提督「ほらっ! 何やってんだ扶桑、早く中に入るぞっ!」ガシッ


扶桑「て、提督っ……――!?」カァアアア


――――――

――――

――





提督「――いやぁ、すげぇ雨だなぁ……」


扶桑「そう、ですね……」


扶桑「………………」ギュ


提督「……ん? どうした、扶桑?」


扶桑「……いえ、少し疲れてしまって……」


提督「だ、大丈夫か? す、すぐドックに――!」


扶桑「いえ、大丈夫です……。大丈夫ですから、もう少し……このまま……」ギュウ


提督「……わかった」



扶桑「――…………提督?」



提督「……なんだ?」



扶桑「提督……。今回の出撃で、私……気付いたことがあるんです……」



提督「気付いたこと?」



扶桑「はい……。今まで、自分は不幸なのだと、ずっと思い込んで戦っていました……」



扶桑「――でも、わかったんです。私は不幸なんかじゃない……って」



扶桑「提督……貴方のもとに来れたこと。貴方のために戦えること」



扶桑「――そして、貴方の傍にいれること……」



提督「扶桑…………」



扶桑「私は……――」ギュゥウ



扶桑「私は、それだけで……――」









扶桑「しあわ――ックシュン!」


提督「扶桑っ!?」



お わ り 。


元々は、別のSSの息抜きのつもりで始めたSSでしたが、なんだか熱が入ってしまいました。

扶桑好きの提督の方々、もし不快な思いをさせてしまったのならごめんなさい。


さて、皆さんの倒した戦艦水鬼は、いったい――。


それでは。

おつん
決して不幸ではないけれど、迷いなく幸福だと言い切れない
そんな扶桑が大好きです

イイハナシダッタナー

最後まで締まらない扶桑乙ww

とりあえず最後のくしゃみで砲撃しなくてよかった

完走乙!
良いふそねえ様だったww

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月21日 (日) 17:44:11   ID: 7ci7Mlw6

実はまるゆを限界まで食った扶桑とか?
まあ不幸というか残念ってところか。

2 :  SS好きの774さん   2015年06月22日 (月) 08:40:30   ID: 572BDQR4

ちょww前後賞ww

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