幼「だから、画期的な幼馴染だよ」
男「何が画期的なんだ?」
幼「いくつか考えたから、ちょっと聞いててね」
男「うん」
幼「もしも幼馴染が肉じゅばんを着ていたら」
男「は?」
幼「どう?画期的でしょ?」
男「なんで肉じゅばんなんだ?」
幼「家のしきたりで!」
男「どんなしきたり?」
幼「18歳になるまで、肉じゅばんを着て生活するってしきたり」
男「誰にどんな得があるのか、さっぱりわかんないんだけど?」
幼「しきたりだから、仕方ないよ」
男「…てか、日常生活に支障ありまくりだろ!」
幼「その支障を、男の幼馴染と乗り越えるんだよ」
幼「クラスの皆にバレそうになるのを何とかやり過ごしたり」
幼「肉じゅばんのせいでぽっちゃり体型な幼馴染を」
幼「男が必死でかばったりするんだよ!」
男「うーん?」
男「そんで、18歳になって、肉じゅばんを脱いだらどうなるの?」
幼「中からはナイスバディの美女が出てきて」
幼「男はびっくり!」
幼「2人は試練を乗り越えたって事で、晴れて結婚するのでした!」
男「何その展開。結婚しちゃうの?」
幼「結婚する為の試練だったんだよ!」
男「何か、今考えた後付け設定みたいに聞こえるんだが?」
幼「どう?この設定!画期的じゃない?」
男「…そうかなぁ」
幼「ご納得頂けていないご様子」
男「まあね」
幼「それじゃ、次ね」
男「どうぞ」
幼「もしも幼馴染が鉄仮面をつけていたら」
男「は?」
幼「だから、普段から鉄仮面をつけているのよ」
男「なんで?」
幼「家のしきたりだから!」
幼「18歳になるまで、決して外してはいけないという、厳しい掟なのよ!」
男「本当に厳しいなぁ」
幼「でも、掟を乗り越え、18歳の誕生日に鉄仮面を外すと…」
男「絶世の美女が出てくるの?」
幼「その通り!わかってるじゃないの、男」
男「ねぇ、ちょっと疑問なんだけどさ」
幼「なに?」
男「鉄仮面の幼馴染は食事や散髪はどうしてたの?」
幼「それは…」
幼「髪は伸ばし放題で、黒髪ロングに!」
幼「食事はストローで流動食を食べてたのよ」
男「うーん?無理があるんじゃない?」
幼「おやおや、またまたご納得頂けないご様子」
男「まあね」
幼「それじゃ次行くね?」
男「どうぞ」
幼「もしも、女の幼馴染が男で、男の幼馴染が女だったら」
男「えっ?」
幼「えっ?」
男「…ややこしいなぁ」
幼「ほら、幼い頃、男の子として接していた幼馴染が」
幼「数年ぶりに会ったら、実は女の子でしたって話し」
幼「よくあるでしょ?」
男「それ、よくある話し?」
幼「よく聞く話しだよ」
男「そうかなぁ」
幼「でもね、実は女の子だと思っていた子も」
幼「本当は女の子の格好をさせられていた男の子だったのよ!」
男「なんでどっちも違う性別の格好?」
幼「お互いの家のしきたり?」
男「またしきたり?。決まり事多い家だなあ!」
幼「まぁそんな訳で、お互い幼い頃の性別を勘違いしててね」
幼「大きくなって再会しても、解らないのよ、最初は」
幼「でも、話しているうちに、徐々に明らかになっていく、共通の思い出!」
幼「そして、ある日、お互いに気付くのよ」
幼「お、お前、あの時の!的な!」
男「それでどうなるの?」
幼「お互い性別を偽ってたから、最初はギクシャクするけど」
幼「やがてお互いの存在を特別に感じてしまうって訳よ」
男「…特別な存在…ね」
幼「あらあら、まだまだご納得頂けていませんね?」
男「そうだね」
幼「それじゃ、次ね!」
幼「もしも幼馴染がロボットだったら」
男「sfになっちゃった?」
幼「最近、幼から変な音がする…って男が気付くわけ」
男「ふんふん?」
幼「ある日、交通事故にあいそうな子供を助ける為に」
幼「幼馴染は車の前に飛び出す訳よ」
幼「で、子供をかばって、車に轢かれちゃう!」
男「大変だな?」
幼「でも、幼馴染は無事なの」
男「ロボットだから?」
幼「そう、ロボットだから。マシーンだから」
男「なんでそんな高性能なロボットが男の幼馴染なん?」
男「そもそも小さな頃からずっと付き合いあるのが幼馴染だよな?」
男「小さな頃からずっとロボットなん?」
幼「それには深い事情があるんだよ!」
男「ほう、深い理由ね?」
幼「実は幼馴染は生まれた時からロボットなんじゃなくて」
幼「半年前に事故にあってしまったんだよ」
幼「本物の体は、治療中で、一時的にロボットの体に」
幼「精神だけを移しているんだよ!」
男「精神だけ…ね?」
男「すごい科学力だな」
男「に、しては変な音が漏れちゃうんだよな?」
幼「数年間、酷使してきたボディが悲鳴を上げていたんだよ」
幼「そして、2度目の事故で完全に壊れちゃうんだけど」
男「さっき無事って言ってたような?」
幼「細かい事はいいから!」
男「…」
幼「男の腕の中で息絶えてしまったかのように思えた…」
幼「ところが、間一髪、本当の体の治療が終わって」
幼「再び、元の体に戻って、男の前に現れるの」
幼「どう?画期的じゃない?」
男「本当にもの凄い科学力が前提だけどね」
幼「うーん。まだご納得頂けない…と」
男「sfはちょっと…ね」
幼「それならこう言うのはいかがかしら?」
男「どういうの?」
幼「もしも幼馴染が実はアイドルだったら」
男「…」
幼「これって、すごくない?」
男「言っちゃなんだけど、それ普通だよね」
幼「そう?」
男「アイドルにだって、普通に男の幼馴染、居るじゃん」
幼「うーん。なら…その男の方の幼馴染が実は女の子だったとか?」
男「さっきのと混ぜちゃった?」
幼「しかもロボットとか?」
男「…」
男「総合すると、幼馴染は鉄仮面と肉じゅばんを着てて」
幼「ごく最近、交通事故に合ってて、今はロボットの体になってて」
幼「アイドルで、男の幼馴染は実は女で、ロボットだった」
幼「って事で?」
男「全然ダメだね」
幼「はぁ…全部ダメかぁ」
男「そうそう奇抜な事は起こらないのが世の中だよ」
幼「ところがそうでもないのよね」
男「え?」
幼「さっきの話しの中にいくつか本当の事が混ざってるよ」
男「えぇー?」
男「どれも非現実的なんですけど?」
幼「…男、最近、体型が変わってきたよね?」
男「…成長期だからかなぁ?」
幼「ちょっと体に丸みが…ね?」
男「えー。太ったかなぁ…自分では気付かないなー」
幼「男って顔も女顔だよね?」
男「失礼だな。精悍な顔つきのこの俺を捕まえて…」
幼「とぼけても無駄だよ!」
男「!」
幼「男、実は女の子なんでしょ?」
男「な、何言ってるの、幼?」
幼「フフフ。調べたんだよ、男」
男「な、何を?」
幼「男の実家のしきたりを!」
男「!!!!」
幼「おじさんに聞いたら、案外あっさり教えてくれたよ」
男「…」
幼「そう言う訳で、もうバレているんですよ、男くん」
幼「いや、男さん…かな?」
幼「男の名前って、男女どっちともとれる名前だもんね」
男「…そうだよ、俺は性別的には女だよ」
幼「家のしきたりで、小さい頃から男の子の格好ですごしてたんだよね?」
男「まぁ、しきたりって言うかなぁ…」
男「俺、4人兄貴が居るの知ってるだろ?」
幼「うん、お兄さん、みんなカッコイイよね」
男「洋服とか全部おさがりだったんだ」
幼「え?マジ?」
男「だから、無理やり着させられてたんだよ」
幼「そうだったんだ…似合ってたよ!」
男「うわー。言わないでくれー!」
幼「今も男の格好してるけど、抵抗ないの?」
男「もう慣れたよ…」
幼「それにしても、よく今ままでバレなかったね」
男「まあね。幼稚園から高校までエスカレーター方式の学校だし」
男「親父が理事長権限で、色々もみ消したりしてたからね」
幼「ふーん。案外あっさりしてるんだね」
男「まぁ、約束があるからね」
幼「約束?誰と、何の?」
男「来月の誕生日には発表出来るかもね」
幼「えー。もったいぶっちゃって!言いなよ!」
男「内緒の約束だから、言わないっ」
・
・
・
男「…幼、さあ」
幼「なに?」カリカリカリ
男「最近、幼から変な音が聞こえるんだけど」
幼「え?そう?携帯かな?」ギリギリギリ
男「違うと思う…」
幼「き、気にしないでいいよ!空耳だよ、きっと!」カシャシャッ
男「そう?」
幼「そんな事より、今日男の誕生日だよね?」ガリガリッ
男「うん。18歳になったよ」
幼「先月言ってた、約束って何?」
男「あぁ。あれね」
男「実はね…」
男「!」
男「あ、あの子、道路に飛び出してる!」
幼「危ないっ!」
ドガッ!
男「幼っ!」
幼「…」ウィウィーン
幼「…子供は無事?」
男「あぁ、全くの無傷だ…気絶してるけど」
男「車の方が凹んでる…」
男「ていうか、幼…」
男「お前…ロボットだったのか?」
幼「えへへ、バレちゃっタ…カ」
男「でもお前、小さい頃は確かに…生身の人間だったろ?」
幼「…正解はこのアト、スグ…」ガクッ
男「幼!幼~っ!」
・
・
・
幼父「久しぶりだね、男君」
男「お久しぶりです、おじさん」
幼父「まぁ、ここに来た理由は解っているよ」
男「幼は一体…どうなったんですか?ていうかどうなっているんですか?」
幼父「実はあの子はね」
幼父「半年前に交通事故に遭ってね」
幼父「一時的に、精神だけを機械の体に移していたんだ」
男「え?マジで?」
幼父「マジマジ!」
男「そんな事が出来るなんて…」
幼父「ワシ、天才じゃからね?」
男「おじさん、何で急にマッドサイエンティストみたいな話し方に?」
幼父「まぁ、いいじゃん。細かい事は」
男「細かくないですよ!大事な事です!」
幼父「まぁ、とりあえず、幼に会っていく?」
男「幼、生きてるんですか?」
幼父「奥の部屋に居るから」
男「なんか、軽いなぁ」
幼父「はよ、行け!」
・
・
・
男「…お邪魔しまーす」
幼「いらっしゃい、男。待ってたよ」
男「誰ですか?」
幼「私だよ!幼だよ!」
男「え?その姿、どう見ても男にしか見えないんですけど」
男「しかも超イケメン」
幼「え?私イケメン?」
幼「えっへっへ。いやぁまいっちゃうなぁ」
男「幼、ドユコト?説明して?」
・
・
・
男「えーっとつまり、話しをまとめると?」
幼「はい」
男「幼は小さい頃から、女の格好の全身肉じゅばんを着て育って」
男「半年前に交通事故に遭い」
男「肉じゅばんが壊れて、中身の肉体も損傷」
男「幼の父であるおじさんは、精神だけを機械の身体に移して」
男「本物の幼の身体をクローン技術で再生させていた」
男「おじさん、マジ天才か!」
男「…で、再度交通事故で、機械の身体が壊れるのと」
男「肉体の再生が終わるのがほぼ同時で」
男「本物の肉体に精神が戻った…と」
幼「はーい。大正解です!」
男「もう突っ込む所しか無いんだけどさ、幼」
男「一個だけ、聞かせて」
幼「何?」
男「なんで女の格好で過ごしてたの?」
幼「えーっとね」
男「…」
幼「男と同じ理由なんだよ」
男「じゃあ…」
幼「親の悪ふざけ!」
男「…あのアホども…」
幼「ウチの両親と、男の両親が結託して、やった悪ふざけだってさ」
幼「…まあね」
幼「お互いの子供が18歳になったら、結婚させようって、決めてたらしいよ」
男「は?」
幼「私達、生れつき許嫁だったんだよ」
男「はぁ?」
幼「一応、お互いの家に古くから伝わるしきたりなんだって」
男「はあぁ?」
幼「だからね、男」
幼「私の嫁に来い!」
男「えー…俺が嫁?」
幼「何?不満?」
男「…正直、男性として過ごしてきた期間が長すぎて」
男「幼の事も女の子としてしか見れなくて…」
男「何か違和感しか感じない…」
幼「あ!じゃあ性別交換する?」
男「は?」
幼「うちのお父さんに言えば、簡単に交換してくれるよ?」
男「マジで?」
幼「マジマジ!」
男「…」
・
・
・
男「…ホントにあっけなかったな」
幼「一瞬だったね」
男「おじさん、マジヤバイな」
幼「いいじゃん。これで普通の男女として、お付き合い出来るよ!」
男「俺、自分の事、同性愛者だと思ってたよ」
幼「私もだよ。男子なのに、男の事好きになっちゃって」
男「…まぁ、何ていうか、画期的な幼馴染、ほとんど事実になっちゃったな」
幼「あ、私ネットアイドルやってるから」
幼「鉄仮面以外、全部事実だよ!」
男「…画期的でもなかったな」
幼「っていう夢を見たんだけど、どう?」
男「…呆れて物も言えねぇよ」
幼「男、実は女の子なんじゃない?」
男「ア、アホか!お前は!」
男「お、俺のどこをどう見たら、女の子なんだよっ!」
幼「えー。それくらい画期的な幼馴染になってよ、男」
男「…」
幼「さ、おしゃべりはこれくらいにして、帰ろっか!」
コロン
男「ん?」
男「…幼の背中から、ネジが落ちてきたんだが?」
幼「!」
幼「な、なんでもない!それは何でもないからっ!」
男・幼(…まさか?)
おわり
これで終わりです。
読んでくれた人がいたらうれしいです
次スレは
幼馴染「アナタに付き合うなんて、冗談じゃないわ」男「そう言うなよ」
ってタイトルで立てると思います
では。
そろそろ邪気眼系幼馴染が来てもおかしくないはず
…うん、乙
最近の楽しみがこれしかない
肉じゅばんワロタwwwww
乙
ヤンキーな幼馴染をぜひ
つまらん幼馴染もの連発されて辟易してるんだが
安心して読める幼馴染スレは貴重だ
乙
>>53
辟易するなら読まなければいいんじゃない?
何でわざわざつまんないssを読んで
文句言うん?
まあ、読んだ上なら乙も批判も自由だってのがルールだから
止めろとは言わないが、ちょっと理解出来んな
嫉妬してるんだよそれぐらい察しろ
次スレ楽しみにしとくわ
あれ?
幼は顔も変えたの?
それともまだ肉じゅばんを……
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