まえがき
メンバーは特に考えがあるわけでなくウチの艦隊司令部をnewソートして古参を当てただけです。あしからず
お目汚しご容赦よー
吹雪「ふう、なんとか間に合った」
吹雪「司令官ってば、わたしとのケッコンカッコカリの大事な届出に記入ミスなんて」
吹雪「おかげで余計な苦労しちゃった」
吹雪「でもこれで後は司令官に報告して今日のお仕事は終わりかな。あれ?」
『――から吹雪が来たのは俺の――――』
『いいえ! 認めませんっ』
吹雪(執務室から声がする。 それになんだか荒れてるし、私の名前が出てたような?)
白雪『吹雪ちゃんは私が貰います』
提督『渡すとでも』
吹雪「えっ!?」
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響『違うね。奪うんだよ』
三日月『独占なんて許しませんよ』
吹雪(響ちゃんと三日月ちゃんまで……)
北上『もう勝負して決めようよ』
川内『夜戦ならいいよ。絶対わたしが勝つから』
北上『昼戦一対一に決まってんじゃん』
吹雪(北上さんと川内さんまで。どういうこと? 何でわたしを取り合って……)
提督『戦って決める? いいぞ。妖精さんに命令して艤装解体してから戦ってやるよ』
提督『"普通の女の子"相当の身体で俺の拳を前にどれだけ持つかな?』
提督『 吹 雪 は 俺 の も の だ !』
白雪・響・三日月・北上・川内『ッッッ!!』 ギリィッ!!
吹雪(わ、わたしの知ってるみんなじゃ無い。こわいよう……)
白雪『吹雪ちゃんは私のものです!』
吹雪(!?)
白雪『私は司令官が。いいえ、みんなが想うよりずっと前から吹雪ちゃんだけを想ってきました』
吹雪(え? ええー!?)
提督『それがどうした。今は俺の手中だ』
白雪『それでも司令官が手に入れる前から、ずっとずっと、吹雪ちゃんを見つめていて』
白雪『恋焦がれてきたんです!』
吹雪「ぶふっ!」
提督『な、なんだと……? 恋? 正気か? 吹雪は……』
吹雪(そうだよ白雪! わたしたち女の子同士なん――)
白雪『正気です』
吹雪(即答!!?)
白雪『私の吹雪ちゃんを想う気持ちは誰にも負けません!』
吹雪(ど、どうしよう。白雪がそんな気持ちでずっと居たなんて……)
吹雪(じゃあ建造後の水上歩行訓練の時付きっきりだったのも)
吹雪(現代適応訓練の時にわたしを一緒の主計科に誘ったのも)
吹雪(わたしと提督と三日月ちゃんしか居なかった頃に自分から艤装と一緒に訪ねてきたのも、もしかして全部)
吹雪(でも……わたしが好きなのは……)
白雪『司令官。貴方は吹雪ちゃんを私ほど強く思っていますか? 違うでしょう?』
吹雪(え……?)
白雪『私はこの鎮守府で三人目の艦娘。貴方の事は吹雪ちゃんの次に良く知っています。だから解るのです』
白雪『貴方のそれは愛ではなく、手に入れる機会を逃したくないというような所有欲ですね?』
白雪『今後一切触れさせないと言うのも、私たちが吹雪ちゃんに執着しているのを知ってて優越感に浸りたいから』
白雪『たったそれだけではないのですか!?』
吹雪(う、うそ……ですよね。しれいかん。だってわたしたち仮だけど、それでもケッコンして……)
提督『フッ。おいおい』
提督『そんなの誰だって察せることだろう、白雪?』
白雪『やっぱり!!』
吹雪(――――――!!!)
提督『で、それがどうした? お前が吹雪に恋焦がれても何も変わらん』
提督『お前だってわかってるんだろ? 吹雪は俺を選んだんだ』
白雪『くっ……!』
提督『激情して俺に吹雪をねだる姿に、嫉妬がありありと見て取れたぞ』
提督『だが残念。お前は選ばれなかった。選ばれなかったのだ』
白雪『く、くぅぅ……』
吹雪(司令官、ダメ! それ以上白雪を傷つけないで!)
提督『それも公平な結果だ。運命が俺たちを惹き合わせた。大金を掛け無理にでも近づこうとしたお前と違ってな!』
白雪『言わないで!!』
吹雪(大金? も、もしかしてあの時、直接訪ねてきたのって。お金で、偉い人を説得したの?)
提督『いったい幾らつぎ込んだ? 吹雪のために、愛しの吹雪ちゃんのために? なあ?』
白雪『う……うっく……ひっく……! ひっ……!』
提督『言い過ぎたか。本気だったようだな。だが同情はせん。お前は人のものをただよこせと喚いたのだ』
提督『お前に吹雪はやれん。ようやく手に入れたのだ。俺だけのもの。吹雪は俺だけのものだ!』
吹雪(そんな……。司令官……)
微妙に面倒を嫌いそうな提督だな
むしろ白雪と相性良さそうな提督
提督『お前たちもだ。三日月、響、北上、川内。俺はお前らの提督だ。指揮官で上位者なんだ』
提督『吹雪を奪おうとすればどうなるか、賢いお前たちなら解るだろ?』
吹雪(――――!)
三日月『そんな! 公私混同です!』
北上『ふーん。そういうこと言うんだ』
川内『じゃあわたしも反逆しちゃおっかなー?』
響『…………』
吹雪(そ、そんな……うそ)
吹雪(司令官、言っていたじゃないですか! わたしたちは家族だって!)
吹雪(戦う誇りを穢さないために兵器であることは否定しない。けど私たちの意志は無視しないって)
吹雪(命令で無理やり言うことを聞かせたりしないで、みんなで一緒に歩いていきたいって)
吹雪(わたし、あの言葉があったからここまで頑張ってこれたのに……!)
吹雪(だから……好きになれたのに……)
白雪『ヒック……ひっ』
提督『…………だがまぁ温情をくれてやらんほどではない』
提督『ちゃんと俺に言えば、ほんの少しくらいは貸してやらなくもないぞ』
吹雪(え? 貸、す……?)
白雪『…………!』
白雪『ほ、ホントですか!』
吹雪(白雪!?)
提督『ああ。俺が愛でる時、余計な痕跡が残らなければな』
白雪『良かった……ぐす』
吹雪(良くないよ! さっきまでの執着はどうしたの白雪! というかわたしの気持ちは!??)
提督『若干、お前の気持ちに揺らぐところがなかったわけではない。致し方ないな』
白雪『はい。嬉しいです司令官! ……ホントは頬ずりしたり"アレ"したり"コレ"したりしたかったですが』
三日月『あ、あの。わたしも吹雪ちゃんを……』
提督『ああ、あくまで貸しだが。愛でていいぞ』
三日月『ありがとうございます!』
提督『三人もそれでいいだろ?』
北上『ケチの提督が珍しいじゃん』
川内『やったー♪ じゃあ白雪の後予約させてー♪』
吹雪「そっ……そんな……」
吹雪(司令官が少佐だったころからの仲間だったはずなのに)
吹雪(これじゃわたし、まるで物扱いだよ……)
響『…………承服しかねるな』
吹雪(! 響ちゃん! そうだよ皆を止めて!)
響『吹雪はわたしだけのものだ』
吹雪(うわあああん!!!??)
提督『響……? おいおい、また同じことを繰り返す気か?』
提督『白雪のように想い出を語ってもいいが、お前が吹雪に執着する理由なんて俺もよく知ってる』
提督『あの夜の埠頭の、初々しい二人語りならな』
響『っっ』 (/////)
北上『ほほー?』
川内『へー?』
吹雪(あ、あれ聞かれてたの!? 今でもかっこつけ過ぎて恥ずかしいのに!!?)
提督『これ以上、情に流されて譲歩することはない』
提督『お前なら分かっているはずだ響……いや、ヴェールヌイ』
響『……司令官があの話を知ってるのは驚きだ。けど』
響『わたしはなんとしてでも手に入れる気で居る。そのことを証明しよう』
提督『ふっふっふふふ……嗤わせる。お前と白雪で何が違う』
提督『お前に吹雪は――』
響『――わたしの暁を出そう』
吹雪(――――!?)
提督『な……に……?』
響『いや、さらに雷と電も。欲しいならわたし自身もあげよう』
三日月『響ちゃんそれは……!』
吹雪(人身売買!? それも、姉妹を自分ごと!? って、え? "わたしの暁"!?)
響『わたしと皆との違いは覚悟の差』
響『白雪』
白雪『――!』
響『なぜ深雪や初雪を差し出さない?』
吹雪(ええーー!??)
響『特に叢雲なら、提督は必ず吹雪を渡してくれたはずなのに』
白雪『そ……そんなこと、私には』
響『それが白雪の矜持なら仕方ない。けど、わたしにはそれができる』
提督『ぐっ……ぬ……く、く、くっ……』
響『さあ司令官。どうする?』
吹雪(司令官、何で悩んでいるんですか!! きっぱり断ってください!!)
提督『響……お前という奴はどこまでも……』
提督『話が解るヤツだ!! いいだろう!吹雪をくれてやる!ついでにあの話も他言しない!』
吹雪(しれいかああぁぁん!!??)
提督『代わりに、第六駆逐隊は確かに貰うぞ!』
響『すぱしーば』
北上『なっ!提督、さっきの約束はどうする気!!』
提督『知った事か! 改めて響と交渉しろ!!』
川内『男が前言を翻すなんてかっこ悪ーい!』
提督『格好悪いからなんだやかましい!! 第六駆が丸ごと手に入るなら大概の男は恥も外聞も捨てるわ!』
吹雪(司令官がこんな人だったなんて……)
北上『じゃああたし大井っちあげる!』
吹雪(ええええええ!??)
提督『さーて第六駆を……』
北上『あたしもつけるからさー!!』
提督『ふむ?』
川内『な、那珂ちゃん五十回くらいあげるから!』
提督『いらんわ!!』
川内『じ、じゃあわたしたち三人!』
提督『なんと!?』
三日月『睦月姉さんと如月姉さんと弥生姉さんと卯月姉さんと……』
提督『多過ぎ!!?』
三日月『瑞鳳ちゃんと鳳翔さんと』
吹雪(関係ない人売り出した!!??)
三日月『あと川内さんを上げますから!!』
川内『わたし!!?』
白雪『わ、私は……』
吹雪(白雪!? ダメだよ!!)
白雪『このリストに書いてある子たちならみんな持って行って構いません』
吹雪(一番ダメなとこ行ったーー!??)
提督『くっ、どれもこれも悩むなぁ』
提督『……よし決めた。俺は吹雪を対価にして』
吹雪「っっ! 司令官!!」 バタン!
提督「吹雪?」
吹雪「わたし、司令官から離れたくありません!!」
吹雪「所有欲でも、愛がなくても構いません! 傍に居させてください!」
吹雪「それに、わたしなんかのために鎮守府のみんなが売り買いされるなんて嫌です!!」
提督「………………」
白雪「………………」
三日月「………………」
響「………………」
北上「………………」
川内「………………」
提督「……あの、さ吹雪」
三日月(川内さん扉閉めてください) 小声
白雪(北上さんは窓をお願いします) 小声
響(拘束準備、完了) 小声
提督「……まず、目を開けてごらん」
吹雪「はい?」
吹雪「…………カード?」
提督「うん。艦隊これくしょんカードっていう……収集品」
吹雪「……………………」
吹雪「っっっっ!!」 (/////)
吹雪「わ、わあああああああああああ!!!!???」
……
…………
………………
吹雪「あうあう……」 (/////)
川内「吹雪ー。いい加減布団から出てきなって。ソファで包まってると危ないよー」
吹雪「あうぅ……」
白雪(かわいい)
三日月(かわいいです)
響(かわいいな)
北上(かーいいなぁ)
提督(掛け布団剥いで押し倒したい)
吹雪「過去最大級に恥ずかしい……」
川内「やっと出てきた。このこの、可愛い奴」
吹雪「うぅ……」
提督(頭撫でて抱きしめたい)
吹雪「えっと、いつもながら早とちりしてご迷惑を……」
北上「いやー大井っちにからかわれてた頃の方がよっぽど」
三日月「こんなのうーちゃんに騙された時より全然」
響「暁と一緒に暴走してた時ほどじゃないよ」
白雪「みんなもう慣れてるから、気にしないで」
吹雪(ああああ……忘れようとしてきた失敗の数々がどんどん蘇るぅ!!)
川内「よしよし♪」
吹雪「け、結局、みんなカードの事だったんですね。わたしこんなのがあるなんて知らなかった」
提督「艦娘は真面目な知識層からは論争の的でな。イメージ戦略も安定しなかったんだが」
川内「広報が那珂ちゃんに目を付けてねー?」
提督「艦娘は容姿の整った者揃いだからな」
提督「アイドルのようにグッズ展開して社会的知名度と親近感からなし崩し的に認めさせるらしい」
提督「要は、知識人共を論理的に説得するのは諦めたということだ」
吹雪「はあ……」
白雪「カード発売後からずっと吹雪ちゃんのレアが欲しかったんですけど全然出なくて」
北上「他のレアは結構出てるんだけど、肝心の吹雪レアは今日提督が出したのが初めてだよ」
三日月「その司令官ですけど、いつも1パックしか買いませんからレア自体一枚も持ってませんでした」
吹雪「だからあんな必死に……。じゃあ交換条件もやっぱり」
響「カードの話さ」
白雪「わたしだって被ったレアがあれば即トレードでしたのに。ダブりはコモンと那珂ちゃんばっかり。もうっ」
吹雪「良かったぁ……」
北上「人身売買って、すごい想像力だよね」
吹雪「言わないで下さい!」
吹雪「ほ、他には何があるんですか?」
白雪「え、吹雪ちゃん興味ある!? 他にもたくさんグッズがあってね。例えば――」
提督「こっちの花札なんかどうだ!試作品らしいんだが!」
吹雪「わ、一枚一枚絵が違うんですね。すごい!」
提督「ふぅ……」
響「よく止めたね」
三日月「危なかったですね」
白雪「むー」
川内「初見で白雪の熱意はヒかれるって……」
北上「語り出すと止まんないからねー」
吹雪「ね、ね。司令官、みんなでこの花札やりませんか?」
提督「まあ仕事も終わったし。試作品の使い心地を確かめるとか名目も立つし。いいぞ」
北上「こいこいは二人、花合わせは三人。この人数だと"八八"だね」
響「花札か……思い出せないな」
三日月「わたしが教えます」
響「すぱしーば」
川内「よーしやるぞー」
……
…………
………………
天龍「ふー。遠征帰りの風呂ってどうしてこんな気持ちいいんだろうなぁ」
天龍(毎日が充溢していて楽しくって、この鎮守府に来れてよかったぜ)
天龍「あとは詳報を提出して提督と吹雪でもメシに誘うか」
天龍(ちゃんとノックしt ――)
提督『―― うおおお、天龍うう!!"カス"がー!! なぜ来たー!!』
天龍「はぁっ!!?」
天龍(ど、どーいうことだ!? 今確かにカスって……)
提督「なぜ貴様はカスなのだ天龍……」
吹雪「仕方ないですよ。そーいう風に作られてるんですから」
天龍(吹雪ィ!?)
三日月「どうせわたしなんてカスにもなれないです……」
響「み、三日月」
天龍(いったい何が起きてんだ!??)
北上「"建造"し直しかなー?」
川内「少なくともカスはみんな作り直しだね」
天龍(い、いったい何の話合いなんだ……こわい……)
白雪(無いでしょうけど、扉の前に誰かいたらまた誤解されますねこの会話)
十数分後、扉の前の泣き声にみんな大慌てで飛び出した模様。
終わり。
今更だけどまえがきにギャグだって書いとけばよかったかも。
おかげでドロドロ愛憎劇期待して読んだ人が居たら申し訳ないことしたと思う。
楽しんでくれた人が一人でも居れば幸いよー ノシ
乙~
見事なアンジャッシュだった、乙
吹雪と響の夜の埠頭での初々しい二人語りが気になる
おつ
面白かったぜ
乙
天ちゃん可愛い
恋人なら提督はカードじゃなくて実物を愛でろやwww
このSSまとめへのコメント
わろたwwww