海未「昔と今、変わらないもの」 (12)


とっても短いです

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穂乃果「海未ちゃん、眠れないの?」

海未「ええ、まぁ…」

穂乃果「えへへ、穂乃果もなんだ」

海未「だいたい、なんでいきなり私の家に泊まりたいだなんて言い出すんですか」

海未「しかも夕方に」

穂乃果「うーん、なんかそんな気分になっちゃって。海未ちゃんとお泊まりしたーーい!ってなって」

穂乃果「そしたら気付いたらパジャマ持って海未ちゃんの家に来てた」

海未「まったく…あなたはいつもそうですね…思い立ったらすぐ行動する」

穂乃果「だって、うずうずしちゃうんだもん…」

海未「それが失敗や後悔を生む場合だってあるのです。ちゃんと先を見て行動しないといけませんよ」

穂乃果「ぶー。海未ちゃんはいっつも怒ってばっかりだー」

海未「な…あなたがいい子にしてれば私だって何も言いませんよ」

穂乃果「じゃあ、海未ちゃんのいう『いい子』っていうのはどんな人なのさ」

海未「え?うーん、そう聞かれると答えに戸惑いますね」


海未「世間一般に言われる『いい子』といえば…言うことをちゃんと聞く、マナーがいい、人に迷惑をかけない…こんな人でしょうかね?私も詳しく説明できません」

穂乃果「言うことをちゃんと聞く…マナーがいい…人に迷惑をかけない…」

穂乃果「それって、本当に『いい子』なのかな」

海未「と言いますと」

穂乃果「言うことをちゃんと聞くっていうのは、自分の意見に反することでも聞かなきゃいけないんでしょ?」

穂乃果「やりたい事があるのに、それを『言う事を聞きなさい』って言われて『はいわかりました』なんて言えないなぁ…」

穂乃果「でもさすがにやっちゃいけない事とやっていい事の区別はあるよ?」

穂乃果「あと、人に迷惑をかけないっていうのもなんか違う気がするんだよね」

穂乃果「それって、なんでも自分でこなす…ってことだよね」

穂乃果「人は一人じゃ生きていけない…一人じゃ『内側の自分』は見えても『外側の自分』を見てくれる人がいない」

穂乃果「μ'sでの活動を通してすごく実感したから…わかるの」

穂乃果「人は、他人に迷惑をかけて生きていく、助け合う生き物なんだって」

穂乃果「だから、世間一般に言う『いい子』っていうのは…どこか…人間として大事な何かが…欠けてるんじゃないかなぁ…」

海未「穂乃果…」


穂乃果「海未ちゃんは自分のこと『いい子』だって思う?」

海未「さて、どうでしょうか。穂乃果よりはいい子だという自信はありますけど」

穂乃果「ちょっと海未ちゃん!空気を読もうよ…」

海未「ふふ、冗談です。…ここだけの話、私は自分のことを『弱い人間』だと思っているんです」

穂乃果「えっ?それはちょっと意外だね」

穂乃果「みんなを引っ張るリーダー、勉強も部活もこなす才色兼備って感じなのに」

海未「それは『世間一般』から見た私なんです」

海未「私は一人じゃ何もできないのですよ、本当は」

海未「ずっと昔、穂乃果と出会ったときもそうでした」

海未「穂乃果たちが遊んでいるのを、私は木の陰からずっと見つめる事しかできなかった」

海未「そんな私を穂乃果が見つけてくれて、私を外の世界に引っ張り出してくれた」

海未「それから私は、ずっとあなたに引っ張られたままなのです」

海未「μ'sだって、穂乃果に引っ張らてイヤイヤ始めたのですし」

海未「…でも、穂乃果についていくと、後悔をしないんです。不思議な事に」

穂乃果「海未ちゃん…」

海未「それをいい事に、私はずっと穂乃果のあとをつけている、っていうわけです」


穂乃果「…何その言い方。ストーカーみたい、あは」

海未「ふふ、そうかもしれませんね」

海未「でも、私がもし穂乃果に見捨てられて…突然一人置き去りにされたら、私は何もできないでしょうね」

海未「自分で行く道を見つけられずに餓死してしまいそうです」

穂乃果「何言ってんのさ!穂乃果が海未ちゃんを見捨てるわけないじゃん!死ぬまで一緒だもん」

海未「ええ、私もそう思っていますよ。私と、穂乃果と、ことりと」

海未「そして、μ'sのみんなと。一生の付き合いです。これは運命で決まっているんですよ、ふふ」

穂乃果「海未ちゃんらしくないね、いまのセリフ」

海未「私を誰だと思っているんです?μ'sの曲の歌詞を作るポエマー、園田海未ですよ?」

穂乃果「あははは、そのネタを自分から持ってくるなんて…今日の海未ちゃんは変だね」

海未「そうですね、ふふ!深夜のテンションってやつでしょうか」

穂乃果「…それにしても、穂乃果が海未ちゃんを引っ張ってる、か」

穂乃果「全然そんな感じがしないや」


海未「今と昔では立場が逆転したようで、実際はそうじゃないのかもしれませんね…」

穂乃果「ほえ?」

海未「幼い頃は私は外の世界を知らなかったので、穂乃果に黙ってついていくことしかできませんでした」

海未「ですが、今は昔と違って私が穂乃果にあーだこーだ言ってけん制してるじゃないですか」

穂乃果「うん」

海未「なので、昔と今では私と穂乃果の立場が逆転している…ということです」

穂乃果「あはは、確かにそうかもね」

海未「でも、結局のところは昔と何も変わらないんですよ」

海未「私が穂乃果にいろいろ言うのは、穂乃果を思ってのこと…」

海未「私が穂乃果のことをどうでもいいと思っているなら、何も言わずに放っておきますし」

海未「まぁ…昔は黙ってついていくだけだった私が、今は穂乃果のサポート役になってくっついている、とでも言えばいいでしょうかね」

海未「結局のところ、上下関係で見れば穂乃果のほうが上なのですよ」

海未「それだけ穂乃果にはみんなを引っ張る力があるということです」

穂乃果「カリスマってやつかな?」

海未「自分で言うとカリスマ性ゼロなのでそれ以上はやめておくといいですよ」

穂乃果「ぐえ」

海未「まぁでも、穂乃果のことは信頼してるんですよ。私に限らず、μ'sのみんながそう思っています」

穂乃果「…」

海未「なんせ、穂乃果はμ'sのリーダーなのですから」

穂乃果「…そっか。そうだよね…」


海未「なので、もっとしっかりしていただかないと。あ、そういえば、明日までの課題は終わっていますよね?」

穂乃果「え…?も、もちろん!」

海未「嘘をおっしゃい。穂乃果のつく嘘なんて0秒でわかります」

穂乃果「うわーん、せっかくいい話をして寝ようと思ったのに!」

海未「そうとなれば今からやりましょう。問題集は私のを貸します。あ、ノートは私のストックを1冊あげますのでそれに書き込んでください」

穂乃果「えぇ今からやるのー…さすがにそれは鬼すぎるよぉぉぉ」

海未「どうせ明日の朝にことりにせがむんでしょう?ことりには穂乃果に課題を見せてはいけませんと言っておきますので」

海未「今やるか朝やるか、どっちにしますか?私の家で寝泊まりするんですから寝坊の心配はありませんよ?」

穂乃果「~~~~わーかった!わかった!今やる!やるったらやる!」

海未「当然です。さぁこっちへ。1時間以内に片付けます!」


終わりです
一応SS書くのは5本目

こんなのでも読んでくれた方に感謝

乙!

おつおつ!

おつ

乙です

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