男「TS団はオレが倒す!」(10)
街中
男性1「うわぁぁぁ!TS団が出たぞー!?」
男性2「ひ、ひぃぃぃぃ!?」
女性1「男性は早く逃げてください!手遅れになる前に!」
戦闘員達「てぃーえっす!てぃーえっす!」
怪人「ふはははは!野郎ども!TSさせてやれぇ!」
戦闘員「てぃーえっす!」ビーム
男性3「ぐあああああ!?」
元男性3「……しくしくしくしく」
怪人「ふははは!これでTS美女がまた一人……」
男「そこまでだ!」シュバ!
怪人「む、何奴!?」
男「貴様達の野望!俺が潰す!」
怪人「ほう、その特殊スーツ……貴様か。我々の活動を邪魔しているのは!TSの邪魔をするなど……許せん!」
男「許さないはこちらのセリフだ!貴様らのせいで俺たち家族はっ!」
怪人「ぐふふふふふ」
男「貴様らのせいで父さんは母さんと別れて俺たち家族はバラバラになった!女になってしまった父さんが男性を愛してしまったせいでなぁ!」
怪人「ぐははははは!愉快痛快!その話を聞いただけで笑いが止まらんぞ!TSしてしまい、ぎくしゃくする家族の仲。冷えていく夫婦間。そんな苦しい時に女の悦びを覚えてしまったことによる葛藤。家族愛と新しくできた恋人との狭間で揺れる感情。想像しただけでたまらん、たまらんぞ!お前らもそうだろう?」
戦闘員「てぃーえっす!」
男「ふざけるなぁ!どれもこれも貴様達のせいだろうが!くたばれ!」ダッ
怪人「おっと、戦闘員共相手してやれ」
戦闘員達「てぃーえっす!」
男「くそっ、数が……!」
怪人「ぐふふふふふ、しかし我らのTS計画は順調なようだな。我らの世界をTS娘と男の純愛で満たすという目的に着実に向かっていっている」
男「何が純愛だ!知らないとは言わせなっ……」
戦闘員「てぃーえっす!」ビーム
怪人「ふふふ、余所見をしている余裕があるのか?……確かにこのTSビームは性的嗜好を男性好きにする作用もある。私としてはTS娘と女の子もいいと思うがボスが認めぬのでな」
男「でりゃぁ!」バキィ!
戦闘員達「て、てぃーえっす……」ドタッドタッ
怪人「……ふん。戦闘員ではかなわんか」
男「はぁっはぁっ……貴様達の好きには、させん!」
怪人「ふ、とてもよいTS娘になりそうだ。私自ら相手になってくれる!」
男「望むところだ!かかってこい!」
男(くっ、消耗が激しい……。いけるか?)
ブオォォォォォ!
怪人「ぬぐおぉぉぉっ!?」
男「あのバイクは!」
友「何してんだお前はよ!とっとと逃げるぞ!」
男「お前がなんでここに……。いや、それよりも邪魔するな!」
友「馬鹿野郎!意地張ってんじゃねえよ!お前がしてることなんかもう何も意味がねえんだ!」
男「そんなことはない!俺は……!俺は……!」
怪人「ふん、乱入者か。TSされにきたのか?」
友「……冗談じゃねえよ。俺はこの馬鹿を連れ戻しに来ただけだ。こいつは持って帰る。だから見逃しちゃくれねえか?」
怪人「ほう?」
男「何を勝手に……」
友「お前は黙ってろよ。……ここはこの辺りで唯一あんた達との融和を断ってた地域だ。圧力をかけにきたんだろ?ならもう目的は達成したはずだ。だからもう一度言う、見逃しちゃくれねえか?」
怪人「……市民を傷つけることは元々不本意だからな、別に構わない。だが、ただだとは思ってないだろうな?」
友「……ああ」
怪人「ぐははははは!ならば良し!我々はTS団、望む物は……わかっているな?」
友「……わかってるさ。だけど俺だけで勘弁してくれ」
怪人「友情のために我が身を差し出すか……。なんと萌えるシチュエーション!よかろう!」
男「ふざけんじゃねえよ!そんなことされて喜ぶとでも思ってんのか!?」
友「思っちゃいねえよ」
男「なら今すぐそんなことやめろ!」
友「こうでもしなきゃ、お前はまた繰り返すだろうがよ!?馬鹿みてえに突っ込んで!心配かけて!てめえには残ったお袋さんがいるだろうが!」
男「それは……」
怪人「……別に痛くなどはないから安心しておけ」
友「……だから、ごめんな」
怪人「TSビーム!」ビーム
TS友「……ははは、なんか、あっという間だな」
怪人「では、約束通り見逃そう。さらばだ」イイモノミセテモラッタワー
男「…………」
TS友「…………」
男「俺は……こんなことを二度と起こらないに……」
男「起こらないようにしたかったんだ!」
TS友「ああ、知っている。だけどもう遅いんだ、何もかも。あいつ等の勢力はドンドン広がっている。ここの地域も時間の問題だった」
男「…………」
TS友「ふざけた組織だけどさ、やっていることはえげつないんだよあいつ等。知っているんだろ?」
男「男性の数がドンドン減っている。あいつ等が見境なくTSさせるせいでな!」
TS友「おまけに元男が子供を産んでも男が生まれる確率はとても低い。TSビームは胎児にまで影響しているらしい。そして更に嫌らしいのはその異常を治す薬をTS団が作ったってところだ。この少子化で人口減少が加速し始めた今にな」
男「そのせいであいつ等の言いなりじゃないか!TSした奴は特にだ!」
TS友「あいつ等と手を組んでいる政治家だっている。だからお前一人が何をしたって何も意味はない。……ないんだよ」
男「なら俺の怒りはどうすればいいんだ!?このやり場のない感情を!」
TS友「…………」
男「……教えてくれよ、頼む、頼むから。二度と起こらせたくなかったことを防げなかった、この俺に……」
TS友「……一緒についてやる。時間が経てばきっと、きっと……」
数週間後
TS友(以降友)「なあ、何時までも部屋に籠もってばかりじゃ体に悪いぞ」
男「………………」
友「たまには出掛けないか?それで嫌なことなんて忘れてしまおう?」
男「放っておいてくれ……」
友「そうはいかない。お前の母親も心配しているからな。TS団に殴り込みをしたり引きこもったりじゃ心配するのも仕方ないが」
男「……俺に構うな。お前を見ていると苦しいんだ。俺の浅はかな行動を笑われている気がして」
友「……誰も笑ってないさ。TSだって運が悪ければお前に関係なくなっていただろうからな」
男「……そうか」
友「それよりも、なあ?」クイッ
男「袖を引っ張るなよ……ッ!」
白く華奢になった指で俺の袖を引っ張るあいつの顔はまるで、女になった父さんのようで……男に媚びを売る女の顔、をして、
男「触るな!!!」
友「ひゃっ!?」ビクッ
男「お前も……そうなのか?」
友「き、急にどうしたんだ?」
男「お前もそうなのか?」
友「な、何怖い顔してるんだよ?様子が変だぞ?」
男「お前もそうなのか?」
友「だ、だから何がだ?」
そんなはずは無いと思いながら、そんなはずは無いと祈りながら問いかける
男「お前、俺のことが、スキ、なのか?」
友「ばっ、何言ってるんだ唐突に!そ、そんなわけあるか!馬鹿野郎!」
そう言う親友はいつもよりも声が震えていて、頬を赤らめ、瞳を潤ませて、いた。
てぃーえっす!てぃーえっす!
TSビームが撃てるようになるにはどうすればいいですか
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