幼馴染「…だれ?」男「…」(91)

男「幼、俺だよ、男だよ」

幼「…おとこくん?」

男「そうだよ、幼」

幼「おとこくんは、おにいちゃんみたいにおおきくないよー」

男「…幼」

幼「おにいちゃんは、おとこくんのおにいちゃん?」

幼「おとこくんはどこ?」

幼「きょうきてくれるって、ママがいってた!」

幼「どこにいるの?」

男「…ご、ごめんね、幼ちゃん。男は今日は来てないんだ…」

幼「えー。おとこくんにあいたいー!あいたい!あいたいー!」

男「…」

男「幼…お前は、そうじゃないだろう…?」

幼「えー?」

男「も、もっとさ、いつもみたいにさ」

男「意味の無い会話を、延々続けたりさ…」

男「理不尽で暴力的なツッコミ入れたりさ…」

男「俺の事、悪く言ってもいいからさ…」

男「お、俺の事…お、思い出してくれよ、幼…」

幼「おにいちゃん、ないてるのー?」

男「…う、ううん。違うよ!」

男「泣いてないよ、大丈夫だよ!」

幼「そっかー。ならいいやー」

幼「はぁあー。おとこくんにあいたいなー」

男「…ごめんな、幼」




男「おばさん…」

幼母「ごめんね、男ちゃん…辛い思いさせちゃって…」

幼母「でも、男ちゃんの顔を見れば、何か…」

幼母「何か、思い出すかと思って…本当にごめんね…」

男「あ、謝らないで、ください…」

男「幼がああなってしまった責任は俺にあるんだから…」

男「謝るのは、俺の方…だから…」



男「…どうしてこんな事に、なっちまうかなぁ」

男「幼…」

…3日前…

ガラッ
幼「男、覚悟出来てる?」

男「…んあ?なんだよ、幼…急に窓開けるなよ…」

幼「ちょっと。昼間っから寝てたの?」

男「昨日、遅くまで勉強してたんだよ…」

男「もうちょっと寝かせてくれよ…」

幼「もう!ちゃんと覚悟は出来てるんでしょうね?」

男「は?何だって?何が出来てるかって?」

幼「覚悟だよ、覚悟」

男「何の覚悟だよ」

幼「…じゃあ、寝ぼけている男に」

幼「特別に覚悟を決める時間をあげよう!」

男「ありがとうございます?」

幼「10分後に、また来るからね!」

幼「今日と言う日が、何の日なのかをちゃんと思い出して!」

幼「そして、覚悟を決めてね!」

幼「じゃ!」
ガラガラピシャッ

男「…今日?」

男「…」

男「あ!」

男「今日、幼の誕生日か!」

男「寝ぼけてたぜー」

男「まぁ、プレゼントは1ヶ月前に買ってあるしな」

男「大丈夫」

男「…別に覚悟が必要な事じゃあないけどな?」

ガラッ
幼「…覚悟、出来た?」

男「おう、出来てるぞ!」

幼「ほ、本当に?」

男「おう、取り敢えず、危ないから部屋に入れよ、幼」

幼「入る前にはっきり聞かせて!」

男「何を?」

幼「本当に、良いんだね?」

男(あれ?ひょっとして誕生日の事じゃない?)

幼「…男、約束は覚えてるよね?」

男「お、おう。覚えて…るぜ?」

幼「…」

男「と、取り敢えずさ、部屋に入れよ、幼」

男「そこ、危ないからさ」

幼「…覚えて、ないんだね?」

男「今日は幼の誕生日、だろ?」

幼「…」

男「ち、ちゃんとプレゼントも用意してあるんだぜ?」

男「ほら、先月、誕生石がはめられてる装飾品が欲しいって言ってただろ?」

男「凄く綺麗なネックレスだぜ?」

幼「…ぐすっ」

男「え?何で泣く?」

男「あ、う、嬉し泣き…じゃ…ないよ、ね?」

幼「男のバカッ!」
ズルッ

幼「あっ!」

ゴスッ

男「幼!幼っ!」




男「おばさんっ!」

幼母「あっ!男ちゃん…」

男「幼は大丈夫なんですか?」

幼母「頭を強く打って…」

幼母「まだ目を覚まさないの…」

男「あ、会えますか?」

幼母「面会謝絶なのよ…」

男「そ、そうですか…」

幼母「何度言っても、窓から入るのを止めなかった、あの子が悪いのよ…」

幼母「ごめんね、男ちゃん…」

男「いえ、俺の方こそ、すみませんでした…」

男「とりあえず、今日は帰ります…」

…1時間前…

男「ほ、本当ですか!」

幼母『今、目を覚ましたのよ…』

男「す、すぐ行きます!」

幼母『あ、男ちゃん、ちょっと待って!』

男「今、行きます!」
プツッ

…10分前…
男「…え?記憶喪失?」

幼母「…そうなの」

幼「でもね、何も覚えてない訳じゃないのよ」

男「?」

幼母「5、6歳くらいの子供みたいになっちゃってるのよ…」

男「え?」

幼母「それでも、あの子に会ってくれる?」

男「は、はい!もちろんです!」


男「幼!」

幼「…だれ?」



男「…あの時、幼は…何で…」

男「…約束…って、何だっけ…」




幼母「男ちゃん、今日も来てくれたのね」

男「…はい」

幼母「ありがとうね…」

幼母「一応脳波の検査とかは終わってね」

幼母「異常はなしって事になってるんだけど」

男「あの…幼の記憶は…戻るんですよね?」

幼母「それが…医者もわからないって…」

幼母「何かのきっかけで、急に思い出す事もあるらしいけど…」

男「幼の記憶が戻るまで、毎日来ます!」


男「こんにちは、幼」

幼「あ、きのうのおにいちゃんだー」

幼「きょうはおとこくん、きたー?」

男「ごめんね、男も今は病気なんだ」

男「かわりにお兄ちゃんが来たんだよ」

幼「おとこくん、だいじょうぶ?」

男「うん…大丈夫、大丈夫だからね」

幼「おにいちゃん、またないてるのー?」

男「泣いてないよ、幼ちゃん」

幼「そお?」

男「幼ちゃんは何をしていたの?」

幼「えへへー。えほんよんでたんだー」

男「それじゃ、お兄ちゃんに聞かせてくれる?」

幼「いいよー。おさな、よむのとっってもじょうずだよ!」

男「楽しみだなぁ」

幼「それじゃ、はじまりはじまりー」

男「…」

幼「はくしゅは?ちゃんとはくしゅないとおはなし、はじまらないよ?」

男「あ、ごめんごめん」

男「わー。幼ちゃんの絵本読むの、楽しみー」
パチパチパチパチ

幼「はい!それじゃあ、はじめます!」



幼「こうして、おにがしまからもどったももたろうは」

幼「おじいさんとおばあさんと、いっしょに」

幼「いつまでもしあわせにくらしましたとさ。おしまい」

男「…」

幼「はくしゅは?おにいちゃん!」

男「わ、わーーー。幼ちゃん、読むの上手だねー!」
パチパチパチ

幼「えへへー。そうでしょ?」

幼「せんせいにも、おとこくんにもじょうずっていわれたんだよー」

男「…目を覚ましてくれよ、幼」

幼「えー?おさな、ちゃんとおきてるよー?」

男「そうだね、幼ちゃんは起きてるもんね」

幼「でもねー」

男「うん?」

幼「おひめさまの、めをさまさせるのは~」

幼「おうじさまのちゅーなんだよ!」

男「…幼」

幼「あはは。いまのはようちえんでよんだ」

幼「えほんのおはなしだからねー」

幼「でもー」

幼「おさながずーとねてたらー」

幼「おとこくんが、ちゅーしておこしてくれるかなー?」

幼「でもでもー」

幼「おさなはねー」

幼「おとこくんとけっこんするってやくそくしたからねー」

幼「けっこんするまではー」

幼「ちゅーできないんでしたー」

男「!」

男「や、約束…?」

幼「うん!ようちえんでねー」

幼「やくそくしたの!」

幼「ふたりともじゅうはちさいになったら」

幼「ちゅーして、けっこんするんだよ!」

男「…あぁ、そうだ…あの時…」

…13年前…

幼「こうして、めをさました、おひめさまは」

幼「すてきなおうじさまとけっこんして」

幼「ずっとしあわせにくらしました。おわり」

男「おさなちゃん読むのじょうずー」
パチパチ



幼「せんせー、けっこんってなぁに?」

先生「結婚っていうのはねー」

先生「好きな人と、チューして、ずーーっと一緒にいるっていう事だよー」

幼「じゃあ、おさな、おとこくんとけっこんするー」

男「え?」

幼「おさな、おとこくんのこと、だいすきだもん!」

幼「おとこくんはー?」

男「ぼくも、おさなちゃんのことだいすきだよ!」

幼「じゃあ、けっこんねー」

男「けっこんってどうやるの?」

幼「ちゅーして、ずーっといっしょにいればいいんだって!」

男「わかった!じゃあ、おさなちゃんとちゅーして、ずっといっしょにいる!」

先生「ちょ、ちょっと待ってー。幼ちゃーん、男くーん」

幼・男「はーい」

先生「結婚っていうのはねー、大きくならないと出来ないのよ?」

幼「おおきくってなにがー?」

先生「2人とも、お誕生日をあと10回以上やらないと」

先生「結婚は出来ないんだよー」

幼「えー!いまけっこんしたいー!」

男「ぼくもぼくもー!」

先生「じゃ、じゃあ、今は2人で約束だけしておけばいいんじゃない?」

幼「やくそく?」

先生「そう、お約束」

幼「どんな?」

先生「2人が18歳になったら、結婚する、とか?」

幼「じゅうはっさいってじゅうはち?」

先生「そう、2人とも、18歳になったら、結婚できるよ」

先生「チューするのは、結婚する時に、ね?」

幼「じゃあ、ほんとはいまがいいけど、じゅうはちさいになったら」

幼「おさなとけっこんね?おとこくん!」

男「わかった!けっこんね!」

幼「ぜったい、わすれちゃだめだからね!」

男「ぜったいわすれない!けっこん!」

先生(フフ。きっとすぐに忘れちゃうんだろうなぁ)

…8年前…

幼「あと8年だね、男くん!」

男「ん?」

幼「まさか、約束忘れてる?」

男「何の約束?」

幼「…今日でわたし、10歳だよ?」

男「知ってるよ。さっきまで、幼ちゃんの家で誕生会、やってたじゃん」

幼「結婚!」

男「あ!幼稚園の時の約束な?」

幼「絶対忘れないって言ったのに!」

幼「毎年、わたしの誕生日に言わないと、絶対忘れちゃうでしょ!」

男「わ、忘れてないよ!」

幼「本当に?」

男「ほんとほんとー」

幼「わたしと、結婚したくないの?」

幼「…わたしの事、嫌いなの?」

男「嫌いじゃないよ!幼ちゃんの事、好きだよ!」

幼「じゃあ、約束!」

男「大丈夫!絶対忘れないから!」

幼「じゃあねー」

幼「わたしの18歳の誕生日にねー」

幼「男くんの部屋に、行くから!」

男「毎日ゲームやりに来てるじゃん」

幼「そう言うんじゃなくて!」

幼「約束、ちゃんと覚えてたら、部屋に入れてね?」

男「また窓から入ってくるのかよー」

男「急に開けて入ってこられたら、びっくりするしさー」

男「それに、幼ちゃん、何回か滑って落ちそうになってるでしょー?」

男「危ないから、玄関から入ってきてよー」

幼「いいから!ちゃんと覚えててよね?」

幼「それまで、わたし何も言わないからね!」

男「わかったわかったー」

…1年前…

幼「はーい。私、今日で17歳になりましたー」

男「知ってるよ、俺もだし」

男「おめでとさん。プレゼント、このぬいぐるみで良いんだよな?」

幼「はーい、そうでーす。毎年ありがとねー」

男「幼は欲しい物言ってくれるから、選ぶの楽だよ」

男「ぶっちゃけ母ちゃんの方が面倒だよ」

幼「ふーん、おばさんってどんなの欲しがるの?」

男「まず最初に現金って言いやがるんだ」

幼「あはは、おばさんらしいじゃん」

男「で、金の次は?って聞いたら、自分で考えろって言うんだよ」

幼「ちなみに今年は何あげたの?」

男「帽子あげた」

幼「なんで帽子?」

男「庭で草木の手入れする時、だっさい麦わら帽かぶってたからさ」

男「ちょっとカッコ良いヤツ、あげた」

幼「へー。おばさん喜んでた?」

男「喜びすぎて、外行き用の帽子になった」

男「だから本来の目的は果せなかったって事になるな」

男「今も庭で作業する時は、だっさい麦わら帽かぶってるよ」

幼「あははー。そういう所もおばさんらしいじゃん?」

男「まぁなー」

幼「男、私が本当に欲しいもの、わかってる?」

男「は?」

男「そのクマじゃねーの?」

幼「…」

男「おいおい!幼が欲しいって言ったんじゃん」

幼「来年…」

男「ん?来年?」

幼「これ以上は何も言わないっ!」

男「…18歳」

幼「!」

男「18歳だよなぁ、来年」

幼「そ、そうだよ、18歳になるんだよ!」

男「運転免許取れるなー」

幼「…」

男「アダルトビデオを堂々と借りられるな!」

幼「ばかっ!それは高校卒業してからだよっ!」

男「じょ、冗談だよ、そんなに怒るなよ」

幼「…ばーか…」




男「…あぁ、そうか…幼…や、約束…」

幼「おにいちゃん、またないてるの?」

幼「だいじょうぶだからねー」

幼「おさながいいこいいこしてあげるねー」
ナデナデ

男「!」

幼「おにいちゃんが、なかないようにー」
ナデナデ

幼「げんきでたー?」

男「幼…」

男(…お姫様の眠りを覚まさせるのは、王子様のキス…)

男(…)

男「幼ちゃん」

幼「なあに?」

男「ちょっとだけ、目を瞑っていてくれる?」

幼「なんでー?」

男「ちょっとだけだから、ね?」

幼「いやっ!」

男「本当に、お願いだから!」

幼「おにいちゃん、こわい!」

幼「ママー!ママーー!こわいよー!」

幼「うぁーーーーーん!」

看護師「ちょ、ちょっと!何してるんですか!」

幼母「お、男ちゃん?」

看護師「見た目は18歳でも、中身は子供なんですよ?」

男「あ、あの、ちょっとだけ、あの…」

幼「うわぁーーーーーーーん!ママー!」

看護師「もう、今日は帰ってください!」

幼母「男ちゃん、今日は、ね?」

男「…は、はい」




男「…おばさん、昨日はすみません」

幼母「私は男ちゃんの事、信じてるわよ!」

男「幼は?」

幼母「今は寝てるけど…」

男「…その方が都合がいいです」

男「ちょっとだけ、会わせてください」

幼母「信じてるからね、男ちゃん!」



幼「すーすー」

男「…幼」

男「…お姫様の」

男「眠りを覚ますのは…」

男「王子様の、キス…」

男「…」

チュ

パチッ

幼「!」

男「あっ、幼ちゃん、起きちゃった?」

幼「…今、私にチューした?」

男「ご、ごめんね、幼ちゃん」

幼「なっ…なっ…」

幼「何を…何をしてくれてるのよっ!」
バキッ!

男「へぶっ」
バタッ

幼「お、男!…一体どう言うつもりっ?」

男「お、幼、俺の事がわかるのか?」

幼「わ、わかるもなにも…」

幼「…あれ?ここどこ?」

男「ここは病院で、お前は、2階から落ちて…」

幼「あっ!」

看護師「騒がしいと思ったら、また、あなた!」

男「あ、看護師さん、違うんです!」

医師「どうした、騒々しい!」

看護師「あ、先生!この子、昨日も無理やり…」

医師「なにっ?無理やりだと?」

医師「ん?顔に殴られたような痕があるな?」

医師「…なるほど、幼ちゃんに、無理やり変な事をしようとして…」

男「ち、違うんです、ちょっと落ち着いて!」

男「記憶!記憶が戻ったんです!」

幼母「えっ?」

看護師「えっ?」

医師「えっ?」

男「な?幼?俺の事、解るよな?」

幼「…だれ?」

男「…」

幼母「…」

看護師「…」

医師「…」

男「いやいやいや!さっき、いつもの調子で、俺の顔殴ったろ!」

男「名前も、ちゃんと!」

幼母「…幼?」

幼「…」

幼「…すみません、色々全部、思い出しました…」

幼母「…幼ちゃん、良かった」

看護師「本当に思い出したの?良かったー!」

医師「えっ?マジで?えっ?マジで?」

男「何で2回言ったんですか?」

男「…って、先生、よく見たら、何ですかその格好」

医師「えっ?あっ!」

看護師「ホントだ先生、何ですか、その格好?」

幼母「…白衣じゃなくて…スモック?」

男「…手作り?」

医師「あ、あの…」

幼「幼児の気持ちを知るには、まず見た目から…」

幼「って、言ってましたよね…」

幼「あ、赤ちゃん言葉で…」

一同「…」

看護師「…先生、ちょーっと外で話しましょうか?」

医師「ち、違う!そんなんじゃなくて!」

看護師「せ・ん・せ・い?」

医師「…ハイ」

看護師「後でまた来ますから」

看護師「記憶戻って良かったわね、幼さん」

幼「あ、ありがとうございます」

幼母「本当に…良かった…」

幼母「あっ!お母さん、ちょっと売店で飲み物買ってくるわね」

幼母「男ちゃん、幼の事、よろしくね?」

男「は、はい」

幼「…」

男「…」

幼「あの、さ」

男「何?」

幼「さっきは殴ってごめん…」

男「い、いや、いいよそれは」

男「む、無理やり…キスした俺が、悪いし」

幼「…」

男「あの…ちょっと聞きたい事、あるんだけど」

幼「何?」

男「ぶっちゃけ、この1週間の記憶ってあるの?」

幼「…ある」

男「そ、そうか…」

幼「…何よ?」

男「ごめん!」

幼「え?」

男「あれだけ言われてたのに、約束忘れてごめん!」

幼「…」

男「昨日、幼が言ってくれて、全部思い出した」

幼「…」

男「…それでさ、幼」

幼「…」

男「さっきはバタバタして、ちゃんと言ってないから」

男「改めて、言うけどさ」

幼「…」

男「幼さん、俺と結婚してください」

男「まぁ、大学に合格して、卒業して、就職出来た後…だけど」

幼「…いいの?約束忘れてたのに」

男「俺さ、幼稚園の頃の約束は忘れてたけどさ」

男「幼の事、好きなんだ」

男「長年の付き合いでさ」

男「いつも一緒に居てさ」

男「普通に、一人の女の子として、好きなんだ」

男「だから、俺と結婚してください」

幼「…嬉しいよ、男」

幼「私、すごく不安だったんだー」

幼「幼稚園の頃の約束でさー」

幼「男の人生を縛るのはどうかな?って思ったり」

幼「でも、私は幼稚園の頃からずーっと男の事が好きだし」

男「…」

幼「そんな事色々考えて、ぐちゃぐちゃになっちゃって」

幼「わかんなくなっちゃってたんだよねー」

幼「約束も大事だけど、やっぱりちゃんと気持ち確かめるべきだったね」

幼「私も、男の事が大好きです」

幼「私を、男のお嫁さんにして下さいっ」

男「…幼」

幼「ね、もう一度、ちゃんとキスして?」

男「…うん」

幼「…」

チュ

ガラッ
幼母「お茶で良かったわ…よ…ね?」

幼「!」

男「!」

幼母「あ、あはは。ちょーっと、お母さん空気読めて無かったわね?」

幼「ち、ちがっ!お、おかあさんっ!」
ガタッ

男「幼、危ない!」
ガシッ

ゴスッ

バタッ

幼「ちょ、ちょっと男!大丈夫?ねえ!」

男「」

幼「男っ!男!」



幼「…何でこんな事に…」

幼「倒れる私を庇って自分がこんな事になるなんて」

幼「男、あんたバカよ。大バカよ…」

幼「…ねぇ、男」

男「…だれ?」

幼「…」

幼「だーーーーーーーーーー!」

幼「何で!今度は!アンタが記憶喪失なのよ!」

男「おねえちゃん、こわいー」

幼「昭和か!」

幼「何で机の角に頭ぶつけたくらいで記憶喪失か!」

男「おさなちゃんにあいたいよー」

幼「あんたの目の前にいるでしょ!」

男「うわーーーん」

幼「キスか!私の時と同じで、キスすれば目を覚ますのか?」
ガシッ!

男「うわーーーーーーーん」

幼「泣いてないで、観念しなさい!男!」

ガラッ
女医「ちょっと!何をしてるんですか?」

幼「あ、ちょっと…ショック療法を…」

男「うわーーん!せんせーちゃんー」

男「このおねえちゃんが、こわいよー」

女医「あらあら、男ちゃん。大丈夫ですからねー?」

男「うぅ…せんせーちゃんー」

女医「ほら、先生ちゃんが傍に居ますからねー?」

幼「…」

女医「アナタ、無理やり何かしようとしたのね?」

女医「駄目よ、そんな事しちゃ!」

幼「それについては、ごめんなさい」

幼「…ところで先生、その格好は何ですか?」

女医「え?あっ!こ、これは…その」

幼「…手作りのスモック?」

看護師「あっ!先生!こんな所に居た!」

女医「あっ!看護師君」

看護師「って、何してるんですか?」

看護師「男君は先生の担当じゃないでしょ!」

女医「…だって、見た目は高校生、中身は子供」

女医「このギャップ、yesじゃない?」

看護師「yesじゃないですよ!まったく!」

看護師「て言うか、その格好は何ですか?」

看護師「年、考えて下さいよ!」

女医「と、年の事は言うなー!」

男「せんせーちゃんをいじめるなー!」

幼「…何、このカオスな状況」

看護師「とにかく!行きますよ、先生!」

女医「…はい、男ちゃん、またねー」

男「せんせーちゃん、またきてねー!」

幼「…」

男「おねえちゃんはかえらないの?」

男「ぼく、おさなちゃんにあいたいなー」

幼「…今すぐ会わせてあげるわよ!」

男「ほんとー?わーーい!」

幼「目、覚ましなさいよ、男!」

幼「…ん」
チュッ




男「いやあ、一時はどうなる事かと思ったよな」

幼「思ったわね、本当に」

男「入院して遅れた分、受験勉強頑張らねーとな」

幼「私達、結構ギリギリだもんね」

男「…頑張ろうな、この先も、一緒にさ」

幼「…うん、一緒に、ね」

男「二十歳になったらさ」

幼「うん?」

男「幼の誕生石が入った指輪をさ」

男「婚約指輪として、ちゃんと渡すからさ」

幼「…うん」

男「取り敢えず、今はそのネックレスで我慢しててくれよな」

幼「これ、ずっと着けてるからね?」

幼「今度こそ、約束、忘れないでよねっ?」

男「おう!絶対忘れない!」

男「…記憶喪失にでもならない限り」

幼「ちょっと!それはフリじゃないわよね?」

男「そこは信じてくれよ!」



おわり

これで終わりです
読んでくれる人が居たら嬉しいです

では。

乙!
今回も面白かった!!



あれ次回のタイトルは?
残していってくれると嬉しいです(^-^)/

乙!
次回作はいつなんだ?


最近見れなくて寂しかったよ

次回の構想は無し、か…乙です

読んでくれた人、どうもありがとう

次は
男「おい!」幼馴染「あい?」
ってタイトルで立てます

見かけたら読んでくれると嬉しいです

では。

なんか次回作の予告したら叩かれそうなもんだけど
この作者はしっかり面白いの書いてるからきちんと評価されるんだな

これこそ『まずは面白いの書けばいい』ってのの典型だな

なにはともあれ乙

あったのか…早とちったな

3回目やったら言おうと思ってた   


無限ループって怖いよね

乙。
その安定の面白さは一体どこから・・・。
まさか>>1は物書き?

おつ

>>81
あとそれ以外別にあとがきとか自分語りとか臭いとこがないからな
コテもつけろって言われたからつけてんだし

叩かれてないのは深夜だからだろ
予告なんてしなくてもトリつけてんだから分かる
十分くせーよ



まぁ読むんですけど

>>87 ツンデレですねわかります

ちょっと自己主張しただけで叩くのは日本人の悪い所

日本人というかネットだな

ほのぼの安定してるよな
こういうのもっと頼むわ
変に捻って王道から外れたりするのが一番ダメ

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