医者「余命一ヶ月ですね」(107)

女「って言われた時はさ、驚いちゃったよ!」

男「安心しろ、俺の方がもっと驚いた」

女「私の方が驚いたと思うんだけどな…」

男「そうか、そりゃ良かった」

女「もしかして怒ってる?」

男「全然」

女「そっかぁ」

男「ああ」



女「んまぁ、あれからもう一か月経ってるからいつ死んでもおかしくないよねって!」

男「………」

女「もうさ、いっそスパッとやってくれないかなぁって思うよ」

男「………」

女「死神さんがこの時ほど居て欲しいと思った事はないよ」

男「………」

女「………」

男「……すまん、反応に困った」

女「……ごめん」



女「……いきなり寿命って言われてもさ」

男「ああ」

女「実感わかないんだよね、本当に」

男「俺もだ」

女「あんたは死ぬんじゃないから良いじゃん」

男「それもそうだな」

女「むしろわかったら困るよ」

男「ん、確かに」

女「寿命かぁ」

男「寿命だ」

女「寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ」

男「海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末」

女「食う寝る処に住む処――は、まぁ」

男「病院食に病院があるからな」

女「でもさぁ、贅沢ぐらい言っても良くない?」

男「……まぁな」


女「清潔なのは分かるし、健康なのはわかるけどさ…意味なくない?」

男「少しでも長く生きて欲しいんだろう」

女「あーね、でも最後には死ぬわけだし」

男「誰でも死ぬ時は死ぬもんだ」

女「それが一日後か一年後か、百年後かの違いって訳ね」

男「理論上はな」

女「確かに理論上はいつかは死ぬよね」

男「……そういう問題じゃないのは、分っているけど」

女「分かってるよ、そんぐらい知ってる」

女「あ、蝶々飛んでる」

男「春だからな」

女「知ってるよそれぐらい!」

男「おや、てっきり冬のあとに夏が来ると思っているのかと」

女「……バカにしてる?」

男「からかってはいるな」

女「そっかぁ、なら許す」

男「光栄の極み」

女「春かぁ……」

男「春だな」

女「春って、なんだろうね」

男「冬の次だな」

女「秋の次の次だね」

男「夏の次の次の次だな」

女「春の…春かぁ」

男「春だな」




女「あ、窓開けてよ」

男「すまない、花粉症だ」

女「そんなにひどいものなの?」

男「あれは掛かった事を死ぬまで後悔するような類だな」

女「私もうすぐ死ぬし」

男「知っているが、私が花粉症だと言っただろう」

女「いいじゃん!ちょっとぐらい花粉症がなんだよぅ!」

男「……お前に」

女「んっ?」

男「あまり、みっともない顔を見られたくはない」

女「………」

男「………」

女「……そっか」

男「……ああ」

女「……なんか照れるね」

男「……そうか」

女「死ぬのが冬じゃなくてよかった」

男「どうして」

女「寒くて色に乏しくてなんか惨めだから、夏じゃなくてよかった」

男「なんで」

女「煩くて活気があってなんか死とは遠いから、秋じゃなくてよかった」

男「なぜ」

女「……なんとなく、とにかく春で良かった」

男「そうか」

女「そうだよ」

女「あんまり後悔とかしない性格で良かったよ」

男「潔いと言う意味では右に出るのは見つかってないな」

女「だって生まれた時から色々諦めてるし」

男「……すまん」

女「許す」

男「お前はそうやってすぐ許すのだな」

女「だって仕方ないじゃん?怒ってばかりでもさ、許さなかろうとどうしようもないし」

男「では冷蔵庫のあのお菓子をこっそり食べたのは」

女「許さない」

男「えっ」

女「絶対に許さない、死んでも許さない」

男「食べ物の恨みは怖いな…私じゃないぞ?」

女「知ってる、私が食べたから」

男「…今知ったんだが」

女「言わなかったからね」

男「どうしてそんな事を」

女「……あんま、ああいったの食べられる機会ないから」

男「だからこそ、どうして」

女「味わっちゃったらまた食べたくなるでしょ?」

男「買ってきてやるのに」

女「お医者さんに怒られちゃうよ」

男「難儀なものだな」

女「諦めてるから大丈夫」

男「諦めか」

女「最初は病気を諦めて受け入れた」

男「次は…両親か」

女「あの人たちは…もう何歳から会ってなかったっけ」

男「確か五歳の誕生日に来たきりだな」

女「よく覚えてたね!?」

男「記憶力には自信があるんだ」

女「ほへぇ…私は自信ないや」

男「良いんだ、寧ろそれで良かっただろう」

女「……まぁね」


男「それからは…来てないな」

女「お金出してくれるだけありがたいよ」

男「体裁か、罪悪感か、義務感か」

女「どれだとしても、結果は同じさ」

男「まあ、それに関しては同意する」

女「………」

男「……お前の両親の事だけど、言うべきか」

女「知ってるよ、あの時あの人たちにはもう息子が居たって知ってる」

男「……記憶力がいいな」

女「忘れたい事ほど、覚えてるよ」

女「次に…なんだっけ、お洒落を諦めて…食事を諦めて、もう色々諦めて」

男「病気、治らなかったな」

女「お願いしたら教えてくれたけどさ、解決法が分からないんだって」

男「……そうか」

女「原因は感染症じゃないこと以外不明、症状不明、けれど間違いなく死が早まる不治の病気だってさ」

男「外に出る訳にはいかないな」

女「最後に諦めたのは…あはは、うん…それだね」

男「……やっぱり、窓開けようか」

女「良いよ、花粉症でしょ」

男「一つ、聞いても良いか」

女「なーに?」

男「どうして絶望しなかったんだ?」

女「へっ?」

男「普通の人間なら間違いなく絶望するだろう、俺はする」

女「……そうかな」

男「ああ、だから聞いて見たくて」

女「……うーん…」

男「分からないなら、すまん」

女「いや、そういわれると…確かに」

男「確かに?」

女「気になってさ、どうして死のうと思わなかったのか」

男「死ねないからじゃないか、この状況だと」

女「ああ、それだ」

男「それ?」


女「私は最初に絶望を諦めたんだよ、きっと」

男「……なるほど」

女「だから死のうと思わなかったし、生きようとも思えなかった」

男「死とも生とも違う中庸…なるほど」

女「変な事を聞いてくるもんだから、気になっちゃった」

男「すまないな」

女「いいのよ」

女「……結局、諦めてよかった」

男「なにを?」

女「外に出る事」

男「……やっぱり」

女「いいって」

男「………」

女「……あ、桜…」

男「……出たいか?」

女「いいよ」

男「そうか」

女「私とあなたが初めて会ったのって、いつだか覚えてる?」

男「……覚えてないな」

女「酷いっ!」

男「あまり記憶力は良くないんだ」

女「さっきと言ってることが矛盾してる気がしてるけど」

男「気のせいだな」

女「本当?」

男「本当」


女「……むー…」

男「…そんなに忘れて欲しくなかった事だったのか」

女「うん、個人的に」

男「すまなかった」

女「いいよ、教えるから…その代わりにお願いがあるの」

男「……そんなに厳しい事は、聞けないぞ」

女「ううん、記憶力の良いあなたなら…きっと大丈夫だから」

男「…なんだ」

女「覚えていて」

男「覚えて…?」

女「忘れないで、死ぬまで覚えていて欲しいの」

男「それは…難しい事だな」

女「難しくても、お願い」

男「……どうやら、必要な事の様だな」

女「ええ、私にとって必要な事なの」

男「分かった、約束しよう」

女「……ありがとう」

女「初めて私があなたに気付いたのは、4歳の時…って言ってもその前からいたのかも、物心ついた時には居たわ」

男「そういえば…随分と長い付き合いになるな」

女「間違いなく私にとって一番長い付き合い、あなたにとっては…」

男「………」

女「ふふ…良いのよ、冗談だから」

男「冗談かどうか非常に紛らわしい」

女「少なくとも、私にとっては一番長い付き合いだから…それだけでいいの」

男「そういうものか」

女「そういうものよ」



女「両親と一緒に男の子が入って来たから、てっきり弟かと思った」

男「確かに、その時にはもう…そうだな」

女「でもすぐに違うと分かったの、だって…あんまりにもお父さんとお母さんどっちとも似てないから」

男「良かった、間違われなくて」

女「どの道話していれば違うって分かったけどね…本当に覚えてない?」

男「ぼんやりとしか、ただ…確かに話したな」

女「良かった、すっかり忘れていたらショックで死んじゃうかも」

男「冗談でも遠慮したい事態だ、寝覚めが悪い」

女「それから…色々とお話して、うん」

男「確か、こうやって昔から窓の外を見ていたのを覚えている」

女「……うん、私も覚えている」

男「あの木は、昔から成長しないな」

女「あれが無かったら、季節なんて分かんなかったんじゃないかしら」

男「そんな事…いや、そうかもしれん」

女「本当に、ここからの景色はあれぐらいしか違いが分からないのよね」


女「それから…小学校にも中学校にも行けないから…って流石にここからは覚えてるかな」

男「勉強を教えたのは覚えている」

女「そうそう、時々プリントを持ってくる子と一緒に来て…助かったわ」

男「今だから言えるが…呑み込みが早くて驚いた」

女「なんでその時言わないのよ」

男「調子に乗る気がしたからな、それと…少し残酷で」

女「……残酷?」

男「思ってしまった、もしも病気が無ければ…きっといい高校と大学に行って」

女「………」

男「自分の満足する進路に進んで、きっと満足のいく生涯を送れただろうと」

女「……年の割に随分と難しいこと考えてたのね!?」

男「そうか?」

女「私あの時、良い暇潰しが見つかったって喜んでたのよ」

男「…それなら、少なくとも勉強を教える意味はあったか」

女「無駄になるとでも思っていたの?」

男「………」

女「…思ってたのね」

男「偶然、聞いてしまってな」

女「そう」

男「ふと、思ってしまった…例え死ぬとしたら、この勉強は無駄になるのではないだろうかと」

女「……バカね」

男「そうだろう?」

女「そうじゃないわ」

男「そう、なのか?」

女「私は例え死ぬとしても、暇潰しだとしても、無駄になると思って勉強はしていなかった」


女「例え何かに生かせなくても、私は無駄になる事はないと思うの」

男「それは心持ちか?それとも主義か?」

女「さぁ、だけど私にとっては大事な事なの、生きる意味なの」

男「目的…か」

女「死ぬからなにをしても無駄って考えたくないじゃない、生きる意味が欲しいじゃない」

男「……良かった」

女「へっ?」

男「お前が無駄だと…そう思っていなくて良かったと言ったんだ」

女「……そう」

男「あの時、正直言って何の為に教えているか分からなかったからな」

女「酷くないそれ?」

男「もう事項だから許して欲しい」

女「許すけど」

ふむ、続きが気になる。

男「こんな事を、言うには遅すぎる気はするけれど」

女「私は早かったと思うわ、言えないまま別れるよりは」

男「死人に口なし…か、こういった意味ではないけれど」

女「間違えちゃいないんじゃないかしら、死ねば伝えたかったことも伝えられなくなってしまうから」

男「死ななければ手遅れではない――そんなに呑気に回る世界ではないが」

女「いいのよ、私の世界はそれぐらい呑気なの」

男「なら、問題ないだろう」

女「所詮世界から切り離されてる、この狭い病室だけが私の世界だから」

男「生まれた時から、お前にはこの世界以外は無いのだったな」

女「ええ、この部屋以外は何も知らないの。このベッドの範囲から見える場所しか私の世界は無いのよ」

男「知りたいか?ここ以外の世界を」

女「知りたい…と思っていた時期も、あった」

男「今は、どうだ」

女「……残酷な事を言うのね、今更」

男「今更だからこそ…最期ぐらい許可も下りるだろう」

女「そういう事じゃないのよ」

女「最初は外の世界が気になって気になって仕方なかったわ」

男「確か、図鑑をせがんでいたな」

女「……よく覚えてたわね、懐かしい」

男「鬱陶しいほどしつこかったからな」

女「やっぱり覚えてるんじゃないの」

男「そこだけは覚えていたと言う事だ」

女「忘れてくれた方がよかった」

男「忘れて欲しい事ほど人は覚えている」

女「覚えて欲しい事ほど忘れるのにね」


女「けどね、やっぱり…知れば知る程行きたくなるのよ」

男「行けるじゃないか、いつだって…許可さえあれば」

女「そーいう問題じゃ、ないのよね」

男「……そうか?」

女「あれを見て、蝶々が飛んでるわよね」

男「ああ」

女「私がどれだけ手を伸ばしても、あれは捕まえられないのよ」

男「捕まえてきてやろうか?」

女「…そうじゃないのよ」

女「私の世界と外の世界は違うの、例え私が外に行っても…外の世界に出られる訳じゃない」

男「……そういうものか」

女「そういうもの、例え蝶々を捕まえたところで私の世界に入れる訳じゃないの」

男「ダメなのか?」

女「きっと死んでしまうから」

男「そうか」

女「笑ったりしないの?与太話って」

男「お前が言うなら、きっとそうなんだろうさ」

女「……ありがとう」

男「どういたしまして」

女「だから諦めたのよ、私は外の世界にはどうやってもいけないから」

男「無駄はない…さっき言ってたじゃないか」

女「無駄じゃないからこそ、知識を蓄えれば蓄える程――外への渇望は強くなるの」

男「渇き、か」

女「……辛くなったのよ、自殺を考える程に」

男「だから…そうか、図鑑を全部捨ててしまったのか」

女「思い出したくない昔の話よ」

男「未練はないのか」

女「今にして思えば、ちょっとだけ惜しい事をしたわね」

男「それは…どうして」

女「自分が死ぬっていざ受け止めたら、そんな事ばからしくなってきちゃって」

男「ああ、だから…」

女「どうせだったら、今私が見る事の出来なかった世界を…見ておいてもよかったかなって」

男「まだ間に合う…なんて、言えんな」

女「もう間に合わないわよ、分ってるでしょうに」

男「ああ、二重の意味でそれは早く言って欲しかった」

女「……二重の意味で?」

男「図鑑なら、買ってやったのに」

女「……惜しいって意味で、別に欲しいとは」

男「でも、未練だろう?」

女「そうだけど…ちょっとだけだから」

男「生きてるならまだしも、死ぬ時の未練は遺させたくなかった」

女「その気持ちだけでも十分、本当に」

男「そうはいってもだな」

女「十分だって言ってるの!」

男「……むぅ」

女「確かに外の世界に行ってみたいけど……でもね、やっぱりこの病室で良いわ」

男「本当に?」

女「何だか、疲れちゃいそうで…眩暈しながら死ぬよりはね、ここであなたと話して死にたいわ」

男「……それは告白と受け取って良いのか?」

女「バカねぇ、そんな訳ないじゃない…このタイミングで」

男「そうか」

女「言うとしたらもっと早く言ってるわよ」

男「それも、そうか」

女「……あなたには、将来があるでしょ?」

男「……別に、気にしなくていいぞ?」

女「気にするわよ、私が」

男「だが、お前に未練は遺させたくない」

女「…あんた、随分自意識過剰なのね」

男「……むぅ」

女「第一告白なんてね、好きな人にするものよ」

男「遠まわしに好きじゃないと言っているのか」

女「嫌いじゃないけど好きでも無いわ」

男「ショックだな」

女「ざまあみなさい」

女「……あっ、あの雲凄く綺麗」

男「段々空が高くなってきたと思うよ」

女「あの木が全てって言ったけど…お空の方がよく見るかも」

男「それは、寝てるから?」

女「ううん、好きなのよ」

男「へぇ」

女「空を見てるとね、なんだか…体が溶け出す気がして」

男「……なんか」

女「うん」

男「それは、同意出来るな」

女「やっぱり?」


男「ずっと見ていたいって気分には、なる」

女「雲とか見てるとずっと流れを目で追ってるわよね」

男「ああ、頭をからっぽにして見ていられる…気楽だ」

女「その内に寝ちゃってたり」

男「それは…いや、まぁ」

女「無いの?」

男「…ある」

女「あ、お揃いだね」

男「お揃いって言うんだろうか…」

女「言うよ」

男「……いや、なんと言うか…本当に?」

女「お揃いだね」

男「お揃いか…」

女「嬉しくないの?」

男「いや、まぁ…」

女「そっかぁ…ちょっと悲しいなぁ」

男「……あ、あぁ…」

女「せめてお揃いの所見つけたかったなぁ…」

男「……認めるよ、お揃いって」

女「やたっ!ちょろいね!」

男「それは口に出して言うべきじゃないと思う」


女「空を見てると、毎日違うから面白くてさ…あ、トンビだ」

男「…お、そうだな」

女「最近は渡り鳥が飛んでくる季節らしいね」

男「トンビは渡り鳥なのか?」

女「さぁ?」

男「でも渡り鳥って」

女「あはは、この部屋の窓を横切るのは皆渡り鳥だよ」

男「そしたら全部渡り鳥じゃないか」

女「……時々ね、そうじゃないのが居るの」

男「うん?」

女「偶に…飛んでる鳥が、窓を通して落ちてくることがあってね」

男「めったにない確率だと思うが…」

女「それでもいるのよ、死んでるけどね」

男「…そうだろうな」

女「きっとね、私の世界に入ってきちゃったから…だからなんだろうなって」

男「そんな事は…ないと」

女「ううん、きっとそうなの…だから申し訳なくてね」

男「………」

女「……お墓も建てられないから」

男「そう、だな」

女「……ねぇ」

男「なんだ」

女「今、何歳だっけ」

男「……言わないでおく」

女「……そっか」

男「俺の年齢は良くても」

女「うん」

男「お前の年齢は、この世界に閉じ込められた年数だから」

女「……うん」

男「俺は、伝えたくない」

女「傲慢だね」

男「ああ、言わなくても何も変わらないのにな」

女「何も解決しないのにね」

男「そうだな、俺はそういう奴だ」

女「酷い男だね」

男「……お前も」

女「うん」

男「酷い女だ」

女「知ってるよ」

男「どうしたって言えないのを、知ってるだろうに」

女「知ってるからこそ、聞くんだよ」

男「俺が困るのを見て楽しむのか」

女「でも自分がもっと困る道を避けるから、言わないんでしょう?」

男「ああそうだ」

女「やっぱりあなたは、物凄く酷い男」

男「そしてお前は、格別に酷い女」

女「お揃いだね」

男「ああ、こればっかりはお揃いだな」

女「ねぇ」

男「なんだ」

女「私を殺してって言ったら、殺してくれる?」

男「嫌だね」

女「どうして?私は許可してるよ?」

男「ルールが許可していないのさ」

女「死に往く者に法律が通用すると思うの?」

男「通用するのさ、俺にもお前にも」

女「変なもんだね」

男「それが此の世ってものさ」


女「……それでもさ」

男「ああ」

女「それを承知して、まだ殺してって言ったら?」

男「………」

女「あなたしか私を殺せるものが居ないのって、私が頼んだら?」

男「……それは」

女「それでも…駄目なのかな」

男「……ああ」

女「だよね…」

男「考えておこう」

女「……酷い人だね」

男「ああ」

女「死ぬってさ」

男「ああ」

女「どんな気分なんだろうね」

男「……死んだことはないから、分らんな」

女「誰か教えてくれればいいのに」

男「そうだな」

女「怖くないよって、言ってくれればいいのに」

男「…ああ、それだったらどれだけ……」

女「気楽だろうね」

男「だろうな」


女「死ぬってさ」

男「うん」

女「痛いのかな」

男「痛くは…無いと思うけれど」

女「私、注射器より痛い経験した事無いんだ」

男「紙で指を切ってたじゃないか」

女「あんなのは気付かないぐらいだけどさ」

男「ああ」

女「注射より痛かったら、死んじゃうかも」

男「…そうだな」

女「きっとそうだね」

女「死ぬってさ」

男「どうした」

女「どんな気分なんだろうな」

男「無くなっていく…んじゃないか?」

女「落ちていくのかな」

男「眠る様な、そんな感じじゃないか?」

女「そうだといいな」

男「俺も、そうだといい」

女「ジェットコースターって、あるらしいね」

男「ああ」

女「一度乗ってみたかったな」

男「ダメだな」

女「どうして?」

男「多分ショックが強すぎて死んじまう」

女「あはは…そりゃ、やめとこう」


女「あのさ」

男「ああ」

女「多分、私もうすぐ死ぬよ」

男「…そうなのか?」

女「死神さんが見えるもん」

男「なんだと!?」

女「冗談だよ…でも、死ぬのは本当」

男「根拠は、ないと思うが」

女「ううん、分るんだ…死ぬって」

男「……そうか」

女「そうだよ」


女「なんだろうね…もっと本を読んでおけばよかったかも」

男「十分に読んでいたと思うが」

女「ううん、全然読んでなかった…だって、この感じを形容できないんだもの」

男「…そうか」

女「なんて言うのかな、何もないっていうのかな、ふんわりって言うのかな、ぼんやりかな…何とも言えないの」

男「言う必要は、ないんじゃないか?」

女「違うの、言いたいの…表現したいの、伝えたいの、知って欲しいの……」

男「おい、大丈夫か!?」

女「怖いよ、自分でもよく分からないの…なんだかよくわかんなくて、怖くて…」


女「自分が自分じゃなくなっていく気持ちがするの、今ならはっきりと分かる」

男「あまり無理をするな…言わなくても良い」

女「言葉にしなきゃいけない気がするの、吐きださなきゃこの感覚を…体の外に出さなきゃいけない気がして」

男「………っ」

女「水で満たされた船が沈むみたいに、まるで私が落ちていく気がして…」

男「俺に、出来る事はないか」

女「……傍に居て」

男「分かった」

女「多分、もう時間は取らせないから」

男「……分かった」

女「死神さん…来て欲しかったのに、魂を持って行ってくれたかもしれないのに」

男「痛いかもしれないぞ?」

女「痛くても良いから…せめて見えたなら、怖くなかったのに」

男「……そうだな」

女「見えないのは怖いよ、罠だらけの暗闇を歩いている気分で…怖くて」

男「それは、怖いな」

女「明るかったなら、例え避けようのない罠でも…安心して踏めたのに」

男「……罠は、踏んでほしくないな」

女「…例えだよ」

男「ああ、知ってる」

女「……いつ死ぬのかな、私」

男「多分な」

女「うん?」

男「死神って奴は…殺す事は出来ないんだよ」

女「…死神なのに?」

男「ああ、魂を持っていくのが死神なんだ…多分」

女「………」

男「だからさ、死ぬまでは…きっと、手出しできないんじゃないかって」

女「…ふふっ、面白い事言うんだね」

男「そうか?」

女「居る訳ないじゃん、死神さんなんて…」

男「……ああ」

女「バカだなぁ…信じてるの?」

男「……そうだな」

女「ほんと…バカ、なんだから…ふふっ」

女「死んだら、何を考えるのかなぁ」

男「何も考えないんじゃないか?」

女「何も考えないで、何もない世界に行くのかな」

男「何も無い…か」

女「意識も無く、思考も無い、真っ暗闇の世界かな…」

男「天国と地獄ってあると言うじゃないか」

女「……それは、あって欲しくないな」

男「どうしてさ」

女「私は、ここで終わりたいから」

男「………」

女「どこの世界にも留まらず…ここで、終わりたいから」

男「…そうか」

女「でも、何か一つぐらいは持っていきたいな」

男「死ぬのにか」

女「死ぬからこそだよ」

男「そうか…なにを持っていきたい?」

女「んふふ…迷うなぁ」

男「なんでも一つ持っていいと言ったら…なにを」

女「……決めてあるんだ」

男「なんだ」

女「あなた」

男「俺を?」

女「………」

男「……俺は」

女「冗談だよ、やだな…」

男「……そうか」

女「死ぬってさ…死ぬって……」

男「もうやめろ、考えるな」

女「………」

男「………」

女「………………」

男「………………」

女「………やだよぉ」

男「……」

女「死にたくないよぉ…」

男「……っぅ…!」




「生まれてから一人ぼっちで」

「お友達なんて知らなくて」

「本でしか何も知れなくて」

「先を見たら怖くて、仕方なくて」

「外を見てもふと怖くなって、布団にくるまっても寒いままで」

「だから前を見ようとして」

「そしたら死ぬ以外なくて」





「このまま」

「何も知らないまま」

「何も分からないまま」

「ただこの狭い病室で終わるの?」

「何も感じられないまま終わっちゃうの?」



「ただ、なんのために生きたか分からないまま?」

「ただ、なんのために死ぬか理解できないまま?」





「満開の桜を見てみたいよ、甘いお菓子を食べてみたいよ」

「海を見てみたいよ、茹だる暑さを感じてみたいよ」

「ススキ野原を見てみたいよ、満天の星を見てみたいよ」

「寒くて凍えてみたいよ、雪で遊んでみたいよ」


「やりたい事を一つも出来ないのに、死ぬ事だけは出来るの?」

「そんなの、嫌だよ」



「……いやだよ」


女「いやだよ…死にたくないよぉ……」

男「………」

女「外の世界を諦めただなんて、本当は思ったこと無かったよ」

男「…そうか」

女「いつか外に言って歩きたいって、綺麗な景色見たいって思ってたよ」

男「…ああ」

女「友達を作りたいとか、学校に行きたいとか…色々やりたい事、あったのに」

男「……そうだな」

女「私、死んじゃうんだよ? もうやりたいとすら、思えなくなっちゃうんだよ?」

男「そう…だなぁ…」

女「……怖いよ…」

女「……こんな事言っても、どうにもならないって…分かってるけど」

男「確かに…すまん、俺にはどうする事も出来ない」

女「知ってるよ、あなたは…ごめんね……ごめん」

男「ああ、俺にはほとんど何もしてやれない」

女「…うん」

男「けどまぁ、少しなら出来る事があってな」

女「……うん」

男「抱き締めてやる事ぐらいは、出来る」

女「……っ」

女「………」

男「……どうだ」

女「ちょっと冷たいね」

男「体温が低めなんだ」

女「痩せてるね」

男「食べても太らないんだ」

女「心配だなぁ…風邪ひかない?体悪くならない?」

男「案外丈夫な体なんだ」

女「本当に?」

男「本当に、今まで風邪一つ引いた事がない」

女「そっか、なら安心だ」

男「ああ、安心しろ」

女「……抱き心地なんて無いけど、どうして暖かいんだろうね」

男「冷たいと言ったじゃないか」

女「ううん?体温じゃないよ」

男「じゃあ…どこが、暖かいのだ」

女「胸、心臓じゃない場所……心、心が温かいの」

男「心、か」

女「一番大事な場所、お布団でも温められない場所…ふふ」

男「俺で大丈夫なのか?」

女「ちょっと抱き心地に掛けるけどね」

男「じゃあ適当な、抱き心地の良い奴を見繕うか?」

女「ううん、大事なのはそこじゃなくて…多分」

男「どうした」

女「あなたじゃなきゃ駄目だったと思う…あはは、ごめん」

男「なんで謝るんだ」

女「一人ぽっちじゃなかった、親が居なくても…あなたがいつも居たから」

男「……そうか」

女「だからいつだって安心していられた、怖くても泣かずに居られた」

男「それは、よかった」


女「だから……あれ? あれれ…なんだか、なんでだろ…前が見えないよ」

男「……なぁ」

女「どうしよう、これ止まらないよ…どうしよう」

男「一つ、いいか」

女「なに…かな?」

男「好きなだけ泣いていいんだ、俺が許す」

女「………」

男「……泣いちまえ」

女「…うぅ……うっ…うわぁ…っ」

男「大丈夫だ、抑えるな」

女「うぇ…ぁっ、うわぁぁぁんっ!」

男「……大丈夫だ」

女「…うん、うん……っ」

男「安心しろ」

女「……ぐすっ…」

男「………」

女「………」

男「……すっきりしたか?」

女「泣いちゃったね」

男「そうだな」

女「あのさ」

男「ああ」

女「泣いたら全部押し流されてカラッポになっちゃった」

男「そうか」

女「もう怖くないよ」

男「よかったな」

女「すっきりしちゃった」

男「ああ」

女「ねぇ、一緒に空を見ようよ」

男「ここから?」

女「ううん、私の隣から」

男「となりに立ってるじゃないか」

女「……うっわぁ、それは流石にないね」

男「な、なんでだ」

女「鈍感野郎だね、頭叩いていい?」

男「いいぞ」

女「……やっぱいいや」

男「いいのか」

女「うん」

女「はっきり言わなきゃわかんない?」

男「悪いな」

女「私の隣に寝てよ」

男「床……じゃないのだな」

女「今冗談言ったらひっぱたくよ?」

男「すまん、でも良いのか?」

女「泣き顔みられたんだよ?今更すぎてさ」

男「なら、お邪魔させてもらおう」

女「うっふふぅ~っ」

男「……嬉しいのか?」

女「うん、とっても」

男「こうやってここから空を見るのは、初めてだな」

女「私も、初めて」

男「…そうか」

女「今度はとぼけないんだね」

男「冗談を言ったら叩かれる、この距離だと避けられない」

女「さっきの避けるつもりだったの!?」

男「いや、避けようと思えなくなる」

女「……あっそ」

男「ああ、そう」

女「見てみて、あの雲凄く速いよ」

男「どれだ?」

女「あの上にある奴、あれ」

男「あれか…確かに」

女「どれぐらいの速さなんだろうね」

男「凄く速いだろうな」

女「眩暈のしそうなぐらい?」

男「地球一周吹き飛びそうなぐらい」

女「そいつは凄いね」

男「だろう?」

女「……こうやって、お星さまが見たかったよ」

男「そうか」

女「夏なんて綺麗でさ…全部を見る事は出来ないけど、楽しくて」

男「うん」

女「冬は…あれだね、シャンデリアみたいにキラキラしていて」

男「うん」

女「……一緒に、見たかったな」

男「…そうか」

女「もうちょっと早くに泣いちゃえばよかった」

男「さっき言っただろう」

女「なんて」

男「生きていれば、遅すぎる事はないって」

女「…確かに、そうだねぇ」

男「後悔する前に、泣けて良かったんじゃないか?」

女「……あのさ」

男「ああ」

女「やっぱそれ無し、早い方がやっぱりいいよ」

男「…そうか」

女「善は急げって、そういう事だよ」

男「そういう事か?」

女「きっとそうだよ」

男「ここから見る空は、更に遠いな」

女「だって寝てるもん、そりゃ遠いよ」

男「……そうだなぁ」

女「ねぇ、またここからの景色見たい?」

男「いや、見たくないなぁ」

女「どしてよ、中々良い景色でしょ?」

男「となりにお前が居ないからなぁ」

女「………」

男「………」

女「それ、今言う?」

男「今本気で反省してる」

女「許さない」

男「許せ」

女「絶対許さない」

男「許してくれ」

女「何が何でも絶対許さない」

男「頼むから許してくれ」

女「なんでもする?」

男「なんでもする」

女「ふぅ~ん、へぇ~?」

男「なんだその目は…」


女「そんな約束軽々しくしちゃうんだって」

男「軽々しくはないさ、意味ぐらいは分かってる」

女「本当に?」

男「本当に」

女「でもだったらそんなに軽々しく言わないと思うんだけどな、なんでもだよ?」

男「分かっているからこそ言うんだ、なんでもと」

女「どしてよ」

男「最後の頼みぐらい聞きたいじゃないか」

女「それ、今言う?」

男「今言わずしていつ言うんだ」

女「あのさ、あのさ」

男「なんだ」

女「結婚してみたかったなって」

男「随分唐突だな」

女「いいじゃん、女の子の夢って奴みたいだから」

男「それにしたっていろいろすっ飛ばし過ぎだと思う」

女「ぶーぶー、夢が無いなぁ」

男「大人になるって、そういう事だ」

女「駄目だよ?あなたはちゃんと良い人見つけなきゃ」

男「……重いな」

女「でしょう?」


女「だからさ、私と練習しようよ」

男「何をさ」

女「新郎新婦の宣誓」

男「別の意味で重いな」

女「いいじゃんごっこ遊びなんだから」

男「しかもそれは…宣誓の文言を言うのは神父か牧師だぞ」

女「交代交代で言おう」

男「それは違う気がするんだがなぁ…」

女「いいじゃん!ぶーぶー!」

男「……言葉は覚えてるか?」

女「覚えてるよ、いざという時の為に!」

男「いざという時、か…」

女「じゃあ行くよ?せー…そっちからね?」

男「分かった分かった」

女「せーのっ」

男「健やかなる時も」

女「病める時も」

男「喜びの時も」

女「悲しみの時も」

男「富める時も」

女「貧しい時も」

男「これを愛し」

女「これを敬い」

男「これを慰め」

女「これを助け」

男「その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」




女「………」

男「……どうし…」





女「……んっ」



カチッ



女「――誓います」


男「………」

女「………」

男「……あのだな」

女「なぁに?」

男「今のって」

女「ごっこ遊び、だから」

男「いや…そうじゃなくて」

女「……もしかして、初だった?」

男「企業秘密だ」

女「私は初めてだけど」

男「重いな」

女「それで最後だけど」

男「……重いな」

女「でもさ、しないより最後ぐらいした方がいいじゃない!」

男「いや…それでキスするのもどうかと思うけど」

女「一応言っておくけど誰でも良いって訳じゃないからね?」

男「それはそれで…んまぁ、役得か?」

女「……やっぱやめればよかったかな」

男「いや、しておいた方がよかったんじゃないか?」

女「あー…最後にこんな事で公開を残すなんて一生の不覚」

男「残された方も物凄く不覚なんだがな」

女「じゃあ合わせてゼロって事で」

男「痛み分けじゃないのか」

女「そうとも言う」

>>30 事項→時効
>>87 公開→後悔 ファッキン誤字

女「後悔は、してないよ」

男「ならよかった」

女「悪いねぇ、唇奪っちゃってさ!」

男「…俺も」

女「うん?」

男「後悔はしていない」

女「………」

男「………」

女「……許さない」

男「許せ」

女「許した」

男「速いな」


女「……ねぇ」

男「なんだ」

女「私の手を握っていてよ」

男「寂しいのか?」

女「ううん?そうだけどそうじゃない」

男「じゃあ、どうして」

女「勝手だけどさ、本当に自分勝手って分かってるけどさ」

男「ああ」

女「………」

男「………」

女「……もう、お別れだから」

男「……そうか」

女「…白い……雲が舞ってるね」

男「そうか?」

女「なんか、そう見える…ひらひら、ひらひらって…」

男「……お前がそういうなら、そうなんだろう」

女「………ぁ」

男「なんだ」

女「あはは……そうか、見たことあった…」

男「……なんて…」

女「もくしゅんぎくの…はな…………」

男「………」

女「………」

男「………」



「―――」


○ ○ ○


医者「……ふむ」

看護師「先生、これが?」

医者「ああ、彼女のだ」

看護師「結局彼女、病室から出る事は出来ませんでしたね」

医者「出来はしたのだ、出来は」

看護師「はて、ではなぜ…」

医者「彼女がそれを望まなかった」

看護師「彼女が?」

医者「ああ」

看護師「奇特ですね」

医者「彼女は…諦めてしまっていたのだろう」

看護師「治療不能の病…ただ着々と衰弱していくだけ病気ですか」

医者「拷問に近いとは思わんかね、まるで命を無理矢理引き延ばされているような――」

看護師「オカルトですね、そんなもの」

医者「ま、そう言われればそれまでだが」

看護師「結局治療法も分からないまま、健常者と何も変わらない…いや、違うか」

医者「違う?」

看護師「先生はご存じなかったんですか? 『彼』を」

医者「……あぁ、あー…『彼』ね」

看護師「有名な話でした、彼女の話し相手――影も形も無い誰かの事です」

医者「最初にその傾向が見られたのは確か…4歳だね」

看護師「ええ、彼女のご両親が帰った後も誰かと話していたとか」

医者「非情に親密な仲のように話していた、とか」

看護師「ええ…最初はイマジナリ―フレンドの一種だとみんな思っていたそうですね」

医者「よくある事だ…両親があの調子では、『架空の友人』を作り上げる事はそう珍しくもない」

看護師「ええ、今でもあれがイマジナリ―フレンドだと思っているものが多いですね」

医者「……ふむ、その言い方はちょいと引っ掛かるね」

看護師「そりゃもう、そうやって言ってますから」

医者「注意を引張るのは良いにしても君…ちょっと意地が悪くないかい」

看護師「あっはっは…釣りが趣味でして、先生もお好きでしょう?」

医者「そりゃもう…けど君、釣る相手を間違えると痛い目に合うよ?」

看護師「分かりました、しかし先生は不思議だと思いませんか?」

医者「なにが」

看護師「影も形も無いのに『彼』と性別がついているのは」

医者「んぁ…そうだけどね、そりゃぁ『あれ』だの『それ』だのは不便だからなんじゃないのかい?」

看護師「それもそうですが…由来がありましてね」

女「私が居なくなるのを、誰かに知っていて欲しいから」

男「ああ」

女「でも、あなたにしか私が消えるのを見ていて欲しくないから」

男「ああ」

女「だから…ごめんね?」

男「……しっかり」

女「うん」

男「瞬きせずに、見ていてやるから」

女「……うん」

なんでか知らないけれど電波が遅れた模様
>>96>>90>>91の間です

医者「その…架空の友人が実体を持ったとか?」

看護師「まさか!とは思いたいですが…もう映画の世界ですよね」

医者「穏やかじゃないねぇ…どうにも」

看護師「んまぁ、彼女はもうあの部屋には居ないのでこれからの推移ですねぇ」

医者「これで奇妙な事がなくなれば…その、彼女の友人が?」

看護師「その線が有力ですが…そうなったらもうこの現象の説明がつきませんねぇ」

医者「まあ色々と奇妙なことが怒るこの界隈だ、何が起こっても不思議じゃない」

看護師「……オカルト、信じた方がいいのかなぁ」

看護師「あ、でも奇妙な事がありまして」

医者「またかい?」

看護師「彼女の火葬際、見知らぬ青年がただ遠巻きに見ていたとか…」

医者「そりゃ一般人だろうよ」

看護師「でも…ただの一般人が他人の火葬なんて見に来ます?どうにも見えていた人と見えてない人が居るみたいですが」

医者「……不思議だねぇ」

看護師「不思議ですねぇ…」

○ ○ ○


「……もしもし」

『――――――ぁ、あ…聞こえてる?』

「はい、聞こえてますとも」

『という事は、無事終わったんだな』

「ええ、ちゃんとここに彼女は確保しています」

『ご苦労、上のごたごたのせいで迷惑をかけたな』

「いえ、そのお蔭で役得でした」

『……? とにかく、取り敢えず彼女を連れて戻ってこい』

「その件についてですが」

『なんだ』

「たった今現在より有給を1年纏めて取ります、それぐらい溜めていたでしょう」

『ちょっ、有給はいいけどお前魂はその前に――――』



プツッ

「……さぁ行こうか、お前の見たかったものを見せてやる」

「季節の移ろいを見せてやる、あらゆる絶景を見せてやる――流石に食事は無理だが」

「なぁに、一年あればこの地球のどんな場所にも行けるだろうさ」

「余命はあとマイナス1年 365日 そりゃ無限にも等しい時間だからな」

まず初めに、このような山無し落ち無し意味無しな話は突如として書きたくなった為出来た奴です
書き溜めして投稿したのにまだ誤字がありますしそのせいで一カ所妙なことになっています

批評批判くれたら嬉しいです、猛烈に

春野菜と言ったらキャベツだろ

風龍の方すみません、愛が足りずネタが浮かびません

あと神娘の方纏められてるの初めて知りました、ありがとうございます

色々恥ずべきところが多すぎて穴が足りません

すみません、各所に謝りたい気分です

ここまで読んだ人凄い暇人か何かでしょうか



それでは かしこ

ファッキンな気持ちは分かるけどファッキンって書かれると雰囲気台無しだって思いました
単なる妄想で片づけられる妄想系好きだから良かった
乙乙

死神オチは途中から読めた

神娘も読んだ
風龍の方はよ

乙!

感動した

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年09月30日 (水) 20:20:44   ID: uNs-XBgZ

泣いた

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