提督「陸から来た」長門「帰れ」 (147)

とある海域

長門「右舷より新手の艦載機四!」

加賀「ちっ……」

金剛「ファイヤァァァァァ!!」

長門「このままでは……」

加賀「鎮守府より入電、直ちに帰投せよとのことです」

長門「くっ……」

金剛「まだまだやれるネー!」

長門「ダメだ。全員中破の状態でこれ以上の戦闘続行は不可能だ……。私のミスだ。済まない」

金剛「でもォー」

加賀「っ!?」

長門「どうした!?」

加賀「鎮守府が……」

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鎮守府跡地

??「こりゃひでーなオイ」

龍田「あの、貴方は?」

??「ん?ただの通りすがりだよ。ここの提督は?」

龍田「近くの丘に……」

??「そうか。つまんねー死に方しやがって」

龍田「なっ!?」

??「まぁいーや。そこに連れてけ」

龍田「……どうしてそんなことをしなきゃならないのかしら」

??「おいおい、理由がなきゃいけねーか?弔ってやるって言ってんの」

龍田「そんなこと、提督はお望みに……」

??「いーからいーから。ね?」

龍田「はぁ……?」

墓前

??「随分と見晴らしのいいとこじゃねーか」

??「死ぬときは海の上じゃなかったのか?ここはお前には贅沢過ぎるな」

??「ったく、酒も安くねーんだぞ」トポトポトポ

龍田「あの、貴方は提督のお知り合いだったのですか?」

??「知り合いィ?ただの腐れ縁だよ。こんな面倒なことに巻き込みやがってこのクソ野郎」

龍田「……故人を愚弄するのはやめてほしいわね」

??「チッ、これだから海の奴らはめんどくせぇ」

長門「提督……」

金剛「やっぱり……」

加賀「そんな……」

龍田「帰っていたの……?」

加賀「やはり、遅かったのですね」

龍田「ええ。手薄になった鎮守府に多数の深海棲艦が押し寄せ、為すすべもなかったわ」

金剛「そっちの人は誰ネー?」

龍田「それが……」

??「ん?自己紹介がまだだったな」

提督「俺は本日付でお前らの提督になる男だ」


長門「なんだと?」

提督「だぁーかぁーらぁー!ここの提督ー。いわばボス、上司、または神」

長門「ふざけるな!!ここの提督はあの方だけだ!」

提督「え、あいつそんなに尊敬されてたの?笑える〜!童貞スケベ野郎なのに」

長門「貴様ァ!!」

龍田「長門落ち着いて!まずは話を聞きましょう」

提督「話つってもなぁ。人が足りねえからここに行けって上から言われた。以上」

金剛「適当過ぎるのネ」

加賀「説明になってないわ」

提督「いや俺もね?陸軍なのにいきなり海行けとか意味不明だからね?むしろ俺も説明して欲しいくらいなんだけど、そこのボインちゃん達」

長門「私は認めないからな!」ダッ

龍田「長門!!」


提督「……行っちまいやがった。気難しいやつだなー。まあいいや。とりあえずお前らに最初の命令をくだーす」

提督「全員服を脱げ」

金剛「ホワァァァァァァイ!?」

龍田「死にたいのかしら」

加賀「頭にきました」

提督「別にここでとは言ってねえよクソビッチ共。その格好でうろついてねえで早くこれに着替えて働け。俺はその辺散歩してくる」

金剛「作業着……」

龍田「直せってこと?」

加賀「そうらしいわね……」

提督「じゃ頑張れよー」

金剛「なんなんデスか……」

龍田「さぁ……?」


提督「ほぉ、これ使えそうじゃん。おいそこのデカいの!」

長門「っ!?」

提督「ちょっと冷たいんじゃないのー。新参者には優しくしようよー。ね?」

長門「貴様と話すことはない。去れ」

提督「まあまあそうカッカしなさんな。なんだよ、そんなに悲しいのか?」

長門「黙れ」

提督「アイツは弱いから死んだ。それだけだろ?」

長門「うるさい……」

提督「大体アイツ、昔から甘かったしなー。ダメダメのアホ野郎だしなー」

長門「……ふざけるな!!死んだのだぞ!!あの方は我々がお守りするべきだったのに!!あんなに優しいお方を、貴様っ!!」

提督「キレる相手間違えてんだろ」

長門「くっ……」

提督「アイツが死んだのも、お前が守れなかったのも敵が強くてお前ら自身が弱かったせいだ。違うか?」

提督「ただちょっと気に食わない俺に八つ当たりしてるだけだろ」

長門「じゃあどうすればいい!?これから私達は何を信じれば……」

提督「えー。もうめんどくさいんだよそーゆーの。とりあえず命令」

提督「そこのドラム缶を運べ」

長門「きっ、貴様どこまで……!!」

執務室跡

龍田「提督がお亡くなりになって三日も経っていないのに……」

加賀「悲しむ暇もないようね」

金剛「しかたないネー。鎮守府がこんなんじゃティータイムもできませんしー」

龍田「私は呆然としていただけだったもの。こうやって何かしているだけでも気は紛れるわ」

加賀「妖精達はどれほど残っているの?」

龍田「ほんの僅かね。どうして?」

加賀「手伝ってもらいましょう。寝床ぐらいは今日中に作っておかないと」

龍田「なるほど。じゃあ呼んでくるわね」トタタ…

金剛「……加賀ァ〜、あの提督、どう思う〜?」

加賀「そもそも本当に提督なのかしら。あのダラダラした風貌で」

金剛「ライトに同じネー」



龍田「とりあえずはこれで雨風がしのげるわ」

金剛「完成したネー!」

加賀「上々ね」

長門「……あの男が呼んでいる」

龍田「長門、貴女どこにいってたの?」

長門「……」

龍田「まあいいわ。行きましょ」



提督「よお。お前ら、ちょっとそこの薪くべてけろー」フィー

龍田「なっ、何をしてるの?」

提督「何ってお前、見りゃわかんだろ。風呂入ってんだよ。……うし。そろそろ上がるか」ドパァ

龍田「きゃあ!!」

金剛「Wow……」

加賀「なっ、なっ……///」

提督「あれ、男の見るの初めて?あーそっか、そういうことねー。じゃあお前ら、あとここ好きに使え」ブラブラ

龍田「な、長門、これはどういう?」

長門「……知らん」


金剛「いい湯でしたネー」

龍田「ドラム缶風呂なんて初めて入ったわ……」

加賀「そうね」

龍田「そういや長門、あなた私達を呼びに来た時肌スベスベだったけど」

長門「う、うるさい」

加賀「あっ(察し」

提督「おいお前らー!こっちだー!」

龍田「なんなの、これ」

提督「メシだメシ。食ったらこれ飲んでさっさと寝ろ。寝袋そっちな」

長門「すいとん、か」

金剛「こっちはお酒……デスか?」

提督「おう。じゃあ俺はマスかいてから寝るから。覗くんじゃねーぞ」

加賀「……変な人」

龍田「そうね。でもこれは美味しいわ」

金剛「ふぅーむ。ジャパニーズのアルコールも侮れないデース」

長門「どういうつもりだ、あの男……」

龍田「人間の考えることですもの。私達が考えても仕方がないわ」

加賀「そうね」

金剛「眠くなってきたネー」

龍田「急いで戻ってきてその上、この小屋まで作ってお疲れだものね。お休みなさい」

金剛「ぐんなーい……」

加賀「私も、そろそろ休ませてもらうわ」

龍田「長門。貴女も休んだら?」

長門「……ああ」

龍田「……さて」

墓前

提督「……冷えるな」

龍田「……何をしているの?」

提督「ん?なんだアンタか。この非常事態だ、通夜と葬式もロクに出来ねえからな。代わりに一杯だけ付き合ってるだけだよ」

龍田「提督の最期はご立派でした」

提督「だろうな。いつもダセェくせに、ここぞというところはカッコつけたがるからな」

龍田「そう、ね」

提督「アンタ達は何の為に戦ってる?」

龍田「何の為に?」

提督「コイツは守るためだって言ってたが、俺にはそれ、良くわからなくてな」

龍田「私には……わかりません。では貴方はどうなのですか?」

提督「俺は、俺はな……」



提督「しょくーーーーーん!!おきたまへ!!!!」

金剛「うぅ……。グッドとは言えない朝ネ……」

加賀「あ?」

龍田「寝起きの加賀、怖いわ……」

提督「今日は買い出しだ!!この指令書( メモ)の通りにな!!あとおやつは三百円までだぞ!!」

龍田「遠足なの〜?」

提督「朝飯はその辺で釣ってきた!食ったらでっぱつヒアウィゴー!!」

金剛「私よりテンション高いネ……」

某ゆにくろ

長門「なぜ私がこんな……」

龍田「衣類に食品、工具、炊飯器等電化製品……」

金剛「艦娘にパジャマなんかなくてもノープロブレムなのにネー」

加賀「似合っていますよ、長門」

長門「こんなヒラヒラしたもの、何の役に立つと言うのだ……」

龍田「その割に気に入ったような顔しちゃってまあまあ……」

長門「してないっ!!」

店員「お客様……その……」

金剛「ソーリーね」

龍田「長門〜」

長門「くっ……」

某せいゆー

加賀「こんなお金、何処から……」

龍田「さあ?残った分は好きに使えって言ってたけど」

金剛「ミステリーの多い人ネ」

長門「信用ならん」

龍田「うん。仏頂面でコンビーフをカートに入れまくるのはやめましょ?」

長門「……」

龍田「加賀もそれ以上はお米抱えちゃダメ〜」

加賀「……何故」

某まくど

龍田「街に出たのは何時ぶりだったかしら」

加賀「忙しくてそんな時間なかったものね」

長門「……」

金剛「オーウ、ポテトがデリシャスでーす!」

龍田「いいのかしら?普段着まで買ってしまって」

加賀「いつまでもあの格好では目立つでしょうし」

金剛「オシャレ楽しいですしネ!!」

長門「……我々がこんなことをしていいのだろうか。仮にも守るべき所を失ったのだぞ?軍人としての行為からは逸脱して……」

龍田「命令だもの……」

加賀「そうね。それに他に出来ることもないわ」

金剛「長門もノリノリだったじゃないデスかー!」

長門「ちっ、ちが……」

龍田(何が狙いなのかしらね〜)

鎮守府跡地

提督「よし帰ったな?この妖精ってのはスゲーな!!今のお前らよりよっぽど使える!!」

龍田「なっ!?」

金剛「た、建物が」

加賀「一日でこんなに……」

提督「ほったて小屋だがな。工廠もどきに宿舎もどき、台所と食堂ぐらいは作れたぞ。ほら買ってきたメシよこせ!!腹減ってんだ!!」

長門「あ、ああ……」

提督「うーし、じゃあ残りの作業しとくからお前らは待機!夜飯出来たら呼ぶからなー。それと」

提督「……楽しかったか?」

龍田「えっと、その、まあ」

加賀「そうね、悪くはなかったわ」

提督「ならいい」

食堂

提督「ほら食え」

龍田「いただきます」

一同「「いただきます(ネー)」」

加賀「美味しい……」

提督「おい、このネーちゃんいつおかわりした」

龍田「目視出来たら貴方艦娘になれるわよ〜」

提督「なんだそりゃ……」

長門「そろそろ、今後について、どうするのか聞かせてもらおうか」

提督「それ飯の後じゃダメ?」

金剛「ふぉうへーふ!ホットなうちにたべ、ほっふ、たべたほうがベターでーふ!」

加賀「はしたない……」

龍田「ほっぺにお米ついてるわよ……」

加賀「!?」


提督「んじゃあそろそろ、話を始めっか。で、どうしたい?」

龍田「どうするも何も、貴方、考えてないの?」

長門「我々は艦娘だ。戦うことが使命だ。それ以外はない」

提督「へー。お前らどうしたいのかも自分で考えられねーの。ダメだなー」

提督「それじゃ豚にも劣る」

長門「なんだと……?我々は誇りを持って戦ってきた!!そんな私達を侮辱するとは!!」

提督「いやぁ、豚だね。自分のやりたいこともわからないでただ生きてるだけなんて、死んでるのと同じだよ」

提督「お前らさ、今日街に行ってどうだった?」

加賀「それが、私達の今後に何か関係するのかしら」

提督「ああ。関係大ありだね」

長門「さっきから訳のわからないことを……」

金剛「わかる気がしマース」

長門「……何?」

金剛「今日は楽しかったネー。またみんなで遊びたいネ!!」

提督「そうだな。そういうのでいいんだよ」


提督「お前ら艦娘って言ったな。兵器と人間の狭間に生きる者。くぅ〜、かっこいいねぇ」

提督「ま、別にそれでいいならいいけどな。こっちは上司だし、働いてもらうにはそれなりにやりがいを感じてもらわねえと扱いにくいんだわ」

提督「俺はな、これからどうするかなんて決まってる。あのバカの弔い合戦だ。それをやらねぇとスッキリしねえ。お前らはどうだ?今モヤモヤしてるんじゃねーか?」

龍田「モヤモヤ、ね」

長門「それは……」

加賀「私は……私は、敵を討ちたいわ。それで全部終わって、美味しいご飯を食べるの」

提督「それでいい」

金剛「私はティータイムがいいデース!」

提督「俺はコーヒー派だ。よろしく頼むぞ」

龍田「私は、私はまだ……」

提督「じゃあ探せ。戦ってるうちに見つけ出せ。そこのデカいのもだ」

長門「……」

提督「何でもいい。理由を作れ。それがお前らを強くする。ってお前らの提督が言ってた」

龍田「受け売り!?」

提督「いやー。とりあえずこう言っとけばカッコつくかなって」

金剛「ちょっと感動して損したデース」

そういや陸はストパン的な事になってんのかね

なんだこれ(歓喜
期待


提督「よし、次は現状の確認な。俺は陸の畑から来たから海のことはよくわからん。そこの、とりあえず自己紹介からよろしく」

龍田「軽巡洋艦、龍田よ〜」

金剛「高速戦艦、金剛デース!」

加賀「一航戦、空母加賀」

長門「……戦艦長門だ」

提督「なるほど、過去の軍艦の名前を引き継ぎ、強大な戦力を保有する少女達、ねぇ……。書類にあるのとほぼ同じだが……」

提督「そこの二人は少女って言うのキツくね?」

加賀「なっ」

長門「っ!」

龍田「あ、私はセーフなの〜?」

金剛も許された


提督「うん。上官殴るのは良くねえよ?」

龍田「貴方が悪いわ〜」

長門「ふん」

提督「じゃあ次、なんでこんなにメンバー少ないわけ?」

加賀「それはこの鎮守府が急造された臨時の拠点だからです」

提督「ほう?」

加賀「以前は廃校でしたが、深海棲艦の進撃により急遽改築され、前任の提督が派遣されました。そこに異動を命じられたのが私達です」

龍田「それなりの練度だったのよ〜。急ごしらえの所に付け焼刃ってわけ」

加賀「増員も予定されていましたが、戦果の上がらない我々には資材も集められず……」

金剛「リザルトが上がらないと建造もできないデース」

提督「他の鎮守府から援軍はもらえねーの?」

長門「何処の戦場も苦しい。我々をここに送り込んだのもギリギリの譲歩だった」

提督「なるほどねぇ、だから陸の人間でもいいから上は欲しがった、と」


提督「ここが襲撃された時、お前らはどこに行ってたんだ?」

長門「それは……」

龍田「私が説明するわ。前提督には秘書官である私が作戦を進言したの。このままではここは潰れるって」

提督「だから博打に出たってか」

龍田「提督は反対していたわ。危険過ぎるって。でも私が無理を通したの。だからっ……」

提督「いや、別に間違っちゃいねーよ。家計が火の車なら、危ない橋を渡るのも世の常だ」

加賀「私達が遠征に向かった先では大量の鋼材を入手できるはずだった。でも、航行中に一人でも中破すればすぐに帰投するようにと言われたわ」

長門「私が強行したせいだ……。あの時早く退却していれば……」

龍田「いえ、そもそも私が……」

金剛「やめるネー!今は説明するタイムよー」

加賀「……そして私達は三人とも中破するまで進撃を続けました。そして鎮守府からの連絡を受け、帰る頃には……」

提督「大体わかった」


提督「俺たちには資材がない。戦力も足りないってわけね」

龍田「そうなるわ」

提督「なるほどなー。金はな、今日ので今月分使っちゃったしなー。どうすっかなー」

加賀「今、聞き捨てならないことを言いませんでしたか?」

提督「ん?今月の軍資金ね、もうパー」

金剛「ホワァァァァァァァァイ!?!?!?」

長門「はぁ……」

龍田「長門が怒るのをやめるなんて〜」

長門「もう疲れたよ、私は」

提督「いや、どうせ鋼材とか高いんだろ?結局金あっても足りなかったって」

龍田「それはそうだけどね〜」


提督「お、いいこと思いついた。よーし明日は港へゴーだ」

金剛「ミナト?」

提督「軍事用じゃなくて、商業用のって言ったらわかるか?もう使われてねーらしいけど」

加賀「深海棲艦の出現で海路はほぼ死にましたからね……。でもそんな所に何を?」

長門「またふざけた事を言うと砲撃するぞ」

提督「いやいやマジマジ、大マジ」

龍田「はぁ、従うしかないようね」

提督「迷わず行けよ、行けばわかるさってな」


今回はここまでとなります。

スレ立て、SSを書くのは初めてですが、頑張らせていただきます。

なるべく毎週の投下を目標に頑張っていきます。よろしくお願いします

これで初めてか
すごいな
期待

期待


期待してる

この提督cvルネ山で再生される

乙乙
期待してる

乙です
何故かビリー提督が浮かんだ

北上さんと相性よさそう

こういうのすき

待っとるでー

面白し

少し早いですが投下していきます。

翌日 漁港

金剛「ここがミナト……」

提督「寂れたなぁオイ」

加賀「人もいないようですが……」

龍田「ここは船着き場よね?何を探しているの?」

提督「それはだな……」

漁師「お前……」

提督「……おじさん。お久しぶりです」

漁師「ってことは、息子は……」

提督「残念ですが……」

漁師「いや、覚悟はしてたよ。あがりな」

漁師の家

提督「失礼します」

漁師「ああ。で、息子の最期はどんなだった?」

提督「龍田」

龍田「……はい。提督は私を逃がした後、本部への連絡をするため執務室に残りました。しかしその時に……」

漁師「……まあ、アイツらしい」

提督「生真面目でしたからね」

漁師「ふん。今回はそれだけを話に来たわけじゃないだろう?」

提督「……そうです。この度は、おじさん達に漁船を譲っていただきたいのです」

長門「なっ……」

加賀「何をする気なのですか?」

提督「船を溶かして鋼材にする。そのために俺たちはここに来た」

漁師「ほお……」

提督「どうでしょう?」

漁師「くっ、ククククク……」

金剛「ホワット?」

提督「ハハッ」

龍田「な、何、どうしたの〜?」

漁師「ククッ!!カカカカカカッ!!!!」

提督「ハハッ、ハハハハハハハハハ!!!!」

漁師「ったく昔から坊ちゃんは破天荒だなァ!!」

提督「いえいえ、全く、申し訳ありませんねえ」

漁師「よしきた!持ってけ泥棒!!」

加賀「そんなあっさり……」

金剛「いいんデスかー?大事な船デショ?」

漁師「漁に出れねえんじゃタダの鉄クズだぁ!!そんなことよりおい、息子の女はどいつだ?」

龍田「それが誰にも手を付けなかったのよね〜」

漁師「クカカカカ!!あのボンクラ!!こんなべっぴん揃いなのによぉ!!」

提督「スケベの癖に紳士気取りでしたからねえ」

漁師「クカカカカカカ!!!!うし、さっきの話だが仲間にも声かけといてやるよ!!」

提督「ありがとうございます」

漁師「あと嬢ちゃん達、そこの坊ちゃんはやめときな!!痛い目見るぜぇ?」

提督「手厳しいですねぇ」

龍田「言われなくとも……」

漁師「クカカッ!!ちげえねぇ!!」

帰り道

加賀「どうしてあのお父様からあの提督が……」

提督「おばさんがしっかりした人だったからなぁ」

金剛「知ってるデスか?」

提督「ああ。アイツとは幼なじみだからな。おばさんが深海棲艦にやられたからって海軍に行くって言い出してな。そん時はおじさんもマジギレよ。町内中で喧嘩してボロボロになってたっけ」

長門「どっちが勝ったのだ?」

提督「ん?そりゃお前、アイツが負けてたら海軍入ってねえだろ、と言いたい所だが……」

龍田「ヒョロヒョロだったものね〜」

提督「頭は良いんだがなぁ。結局、おじさんが毎日挑んでくる息子に折れたってこった」

金剛「人にヒストリーありってやつネー」


提督「ま、昔話はそこそこに、これから帰って輸送準備だ」

長門「艤装はまだ修復できていないぞ?」

金剛「帰った時にはもうボロボロだったネー」

提督「そうだな。だから援軍を呼んである。ちっとばかし血の気の多い奴だが我慢してくれ」

加賀「提督の仲間?」

提督「仲間っつーか、なんだろうな。イヤ待て、本当にアイツなんなんだろうな?」

龍田「私達に聞かないでよ……」

金剛「嫌な予感がするデース」

提督「俺も久しぶりに会うのこえーわ」

鎮守府跡地

???「ほほう、ここが鎮守府でありますか。シケてやがりますなあ」

提督「……来てたのか」

???「遅いでありますよ、提督」

提督「お前に提督って言われるの、気持ち悪いな」

あきつ丸「あは♡」

加賀「この方が?」

提督「そ、援軍」

あきつ丸「揚陸艦あきつ丸であります。以後よろしくであります」

提督「で、例のは?」

あきつ丸「バッチリでありますよ」

金剛「ガン?」

提督「主にライフル、だな。丁寧に扱えよ。後で返すんだから」

長門「これを使えと?」

提督「漁船守りながら運ぶにも、丸腰じゃ心許ないからなあ」

龍田「でもこんなもの、使ったことないわ〜」

提督「そこでこいつと俺の出番」ニヤリ

あきつ丸「ビシバシしごくでありますよ〜」ニヤリ

加賀「悪寒が……」

翌朝

提督「はいそこサボらない!!」

金剛「オーマイガッ!!」

あきつ丸「さあ走るであります!!走れなくなったやつから死ぬでありますよ!!」

加賀「はぁっ、はぁっ」

長門「大丈夫か?」

加賀「え、えぇ」

龍田「私はもう無理ぃ〜」

あきつ丸「そこのヤンデレっぽい女ァ!!チンタラするなであります!!」

龍田「なんで艦娘なのにこんな訓練させられてるのよ〜!!!!」

提督「さてこんなもんか」

あきつ丸「まだやれるでありますよ〜」

提督「いや、こいつら陸じゃそこまで力出せねぇからな。多分ここらが限界だろ」

龍田「」ポカーン

加賀「」グデーン

金剛「」ズドーン

長門「……明日も、これをやるのか?」

提督「そうだな。走り込み、対人格闘と射撃訓練を続ける。一週間後に備えて励むこと!」

金剛「ラジャー……」グダーン

食堂

提督「飯はちゃんと食えよ〜!!食わなきゃ戦えねえからな!!」

金剛「ショッピングさせてもらったアフターはこれ、飴の後はムチってやつですネー」

龍田「で、ムチの後は飴、と」

長門「メシだけは美味いからな……」

あきつ丸「当然でありますよー!提督は何処でも美味い兵糧を作る天才でありますから」

加賀「あきつ丸、さんは提督の昔を知っているの?」

あきつ丸「あきつ丸と呼んでくれていいでありますよ!教練の時は教官と呼んでくれたほうが雰囲気出るでありますが……。そうでありますなぁ、中東派兵の際は凄かったでありますよ?」

提督「凄かったのはお前だよバカ」

あきつ丸「……何のことでありますかぁ?」

提督「いや、うん……。単身テロリストのアジトに潜入してボスの首持ち帰ったときは焦ったぞ」

あきつ丸「日本のうどんが恋しかっただけであります」

加賀「うわぁ……」

あきつ丸「提督だって援護に来てくれたではありませんか」

提督「コトが終わる寸前だったけどな。それにしてもお前、本当に艦娘になったんだな?」

あきつ丸「あぁ、言ってなかったでありますな。ここに来る前にちょちょいと」

提督「ちょちょいってオイ」

龍田「陸軍出身の艦娘なんて、聞いたことないわ〜」

提督「こいつらは特殊でな。もともと人間だから、艦娘として生まれたわけじゃない。だが稀に適性のある女性兵士が手術で艦娘になる場合があんだよ」

金剛「初耳ネ」

長門「では我々とは違う存在、ということか?」

あきつ丸「どうでありますかねー。そこんところ、自分でも良く分からないでありますが、メシが美味いので問題ないであります」

加賀「陸の人はなぜこうも適当なのかしら……」

提督「そうか〜?俺は違うぞ?」

艦娘達「「何処が」」

提督「あれ〜?」

一週間後

提督「今日はよろしく頼みます」

漁師「任せとけい」

漁師イ級「嬢ちゃん達、よろしくなー!」

漁師ロ級「久々の出航だぜぇぇぇぇ!!!!」

漁師ハ級「ヒャッハー!!!!」

加賀「この方達は本当に漁師なのでしょうか」

龍田「怖くてまだツッコめなかったのに流石ね〜加賀」

長門「どことなく世紀末の匂いがするな」

金剛「ヒャッハー!!!!」

龍田「感化されたの!?」

輸送中

提督「計六隻か。じゅーぶんじゅーぶん」

あきつ丸「提督、敵影なしであります」

提督「おっけー」

加賀「順調ね」

漁師「ありがとうな、嬢ちゃん達」

金剛「ホワイ?」

長門「大切な船を手放すのだろう?悲しくはないのか?」

漁師ホ級「それよりも俺たちは船に乗れるのが嬉しいんだよ」

漁師ニ級「その通り!もう一生コイツを動かせねえと思ってたからなあ!!」

漁師ヘ級「ヒャッハー!!!!」

長門「人とは、不思議なものだな」

漁師ロ級「海を滑るんだ、嬢ちゃん達も不思議なもんだ!!」

漁師s「ヒャッハーwwwwwww」

長門「笑い方もな……」

あきつ丸「三式指揮連絡機より通信!!敵艦発見!駆逐五隻!!軽巡一隻であります!」

提督「おいおいマジか。俺、深海棲艦見るの初めてなんだけど。こえー」

あきつ丸「ボヤいてないで命令するであります!!」

提督「とりあえずアレだ。手本を見せてやれ」

あきつ丸「了解、であります」ニヤリ

シュッバァァァァァア

加賀「速ッ!?」ヒュン

長門「彼女に続け!!我々も急ぐぞ!!」

金剛「ヒャッハー!!!!」

龍田「大丈夫かしら〜。いろんな意味で……」

提督「長門!アレは温存しとけ!バテるぞ!」

長門「……了解」

あきつ丸「足りないッ!!足りないでありますよ!!」ザシュッ!!

駆逐イ級「ォアァァァァ!?!?!?」

龍田「あれだけ銃の使い方教え込んで、自分は軍刀しか使わないって……」ズダダダダ

加賀「凄まじい気迫ね……」タァンタァンタァン

長門「やはり火力が足りない、か……」ズダダ

あきつ丸「それでいいであります!!撃ち続けろぉぉぉぉぉ!!!!」

金剛「どっちにしろ私達に接近戦は向いてないネー」ズダダダダ

龍田「あ、普通に話せるようになったのね。っていうか私も一応槍とか使えるんだけどな〜」

あきつ丸「あはははははははは!!!!」

龍田「……味方の弾も避ける余裕のある人に任せましょう」タァン

加賀「駆逐艦二隻を撃破」ズダン

金剛「あとフォーですネ!!」ズダダダ

長門「雑魚にも艤装無しでは苦しいな…牽制で手一杯だ……」ズダン、ズダダダ

龍田「あっ!一隻抜けたわ!!」

長門「私が行く!!」

駆逐イ級「グオオオオア!!」

あきつ丸「チッ!?気をつけるでありますよ!!」ザシュ

駆逐イ級「ォアアアア!!!!」

提督「あれ?なんかこっち来てない??」

漁師「坊ちゃん、これ大丈夫なのか?」

提督「いや、わかんねーですね」

漁師イ級「わかんねーのかよ!」

漁師ハ級「ヒャッハー(泣)」

提督「まあまあ、今度は男の魅せ場ってことで」ガシャン

漁師「おいおいそりゃ……」

漁師s「「おもしれえじゃねーの」」

漁師「久しぶりの漁じゃあああ!!!!」

漁師s「「ヒャッハー!!!!」」ズダダダダ!!!!!!

軽巡ホ級「……」

提督「銃刀法まで破って効いてねえってか。ま、その辺はバレなきゃ犯罪じゃねーし大丈夫だろ」

長門「銃?人間が何を……?」

提督「文字通りバケモンってか。おい長門!!」

長門「なんだ!?」

提督「教えた通りだ!!」

長門「ったく無茶を言う……!!あの方とは大違いだ……」


長門「こんのっ!!」ズカーン

軽巡ホ級「……ッ」

提督「向いてたのコイツだけだったしなあ」

長門「はぁっ!!」ドゴン、ズダダダ!!

提督「思いつきでやらせてみたがサマになってらぁ。……映画が元ネタなんて言えない」

長門(この戦法も長くはもたない……。艤装無しでは均衡状態を作り出すのが限界……。どうするつもりだあの男)ズダン、ドゴォ!!

長門(それにしてもガンカタ、か。世界は広いな……)キラーン

提督「言えねえ……」

提督「一旦離れろ長門!!」

長門「何をする気だ!?」

提督「こうすんだよ!!」

漁師「せぇーのっ!!!!」

漁師s「「ヒャッハー!!!!」」ズダダダダ!!!!!!

提督「今だ長門!!ブチ込めぇぇぇぇぇぇ!!!!」

長門「っ!!はぁぁぁぁぁぁあ!!!!」ズガン!!!!!!

軽巡ホ級「グァァァァ……」ズププ……

漁師「どうだ、海の男もなかなかやるだろ」

長門「はぁ、はぁ、ギリギリだったな……」

あきつ丸「しつこいでありますなぁ!!」ザシュ!!

加賀「あちらはなんとかなったようだけれど」ダンッ!!

金剛「こっちは連携取られてビジーね」ズダダ!!!!

龍田「艤装さえあれば……」

加賀「龍田!!危ない!!」

龍田「なっー」


ータァン!!カランカラン-


駆逐ハ級「ゥオオオオオオアア!!!!」

提督『ふぅ、海は揺れるから狙いづれーな』

金剛「スナイピング!?」

あきつ丸「久しぶりでありますな、提督の狙撃」

提督『まだ仕留めきれてねえ!!気ィ抜くな!!』

あきつ丸「はいはい、わかったでありますよっ、と」ザシュ、ズバシィ!!

駆逐ハ級「ォォォォオ……」ドプン

龍田「何、今の……?」

加賀「一キロはあるわよ……」

あきつ丸「あと二隻ッ!!」

鎮守府跡地

加賀「やっと」

金剛「着いたネ……」

龍田「長かったわー」

提督「そんなに距離はなかったよな?」

長門「艤装無しの航行だ。それは長くも感じるだろう」

あきつ丸「この人に気遣いを求めるのはナンセンスであります」

提督「言わせておけば……」

漁師「おい、坊ちゃん」

提督「あぁ、おじさん。今日はありがとうございました」

漁師「俺たちはこれで帰るよ。世話になったな」

提督「いえ、お礼を言うのはこっちの方ですよ」

漁師「いや、息子のこともだ」

提督「アイツの?」

漁師「本当は俺の後を継がせるつもりだったんだが……。そこの嬢ちゃん達と坊ちゃん見て、やっと納得したよ」

漁師「バカ息子がやりたかったことがな」

提督「そう、ですか」

漁師「おう。じゃあお前ら、引き上げるぞ!!」

漁師s「「ヒャッハー!!」」

提督「おじさん達はこの後どうするんですか?」

漁師「そうさなぁ、また漁に出れる日がくるまでしぶとく生き残ってやるさ」

漁師イ級「帰ったら家内に自慢だな!!深海の奴ら追っ払ってやったってな!!」

漁師ハ級「あんまり調子に乗るとまた小遣い減らされるぞ!!」

漁師イ級「それは勘弁してくれ〜!!」

漁師s「「ハハハハハ!!」」

漁師「しばらくは陸でなんとかやるさ」

提督「……わかりました。それではまた」

漁師「ああ、またな」

漁師ロ級「嬢ちゃん達もじゃーなー!!」

漁師ニ級「またなー!!」

金剛「ファニーな人達デース」

龍田「フフッ、そうね~」

加賀「また、いずれ……」

長門「そうだな、また……」

夜 食堂

提督「で、これからの話だが……」

提督「まず、三隻の漁船は建造と艤装の修復にまわす」

加賀「残りの三隻は?」

提督「それだが、まずはこの鎮守府を放棄する」

長門「やはり、か……」

提督「あれ、文句言うかと思ったけど」

長門「もういい。どうせ決めたら聞かないのだろう?」

あきつ丸「よく解ったでありますなあ、この短期間に」

長門「さあ提督よ、どうするんだ?」

金剛「ヘーイ提督ゥ、早く教えるデース!」

龍田「フフっ、提督、何か考えがあるのでしょう?」

加賀「提督、ご指示を」

提督「……移動要塞って知ってるか?」

今回はここまでとなります。
ストックが出来たら投下していきます。
それでは今後もよろしくおながいします~

戦闘シーンで何やってるのか何が起こっているのか分からん

乙です
陸軍から提督になった奴が出てくるのって必ずスパルタ訓練あるよな

実際陸軍と海軍での兵士運用ってどんな差異があるもんなんだ?
さすがに海軍でも対人戦闘訓練くらいはしてるとは思うが

艦娘と一般兵士の運用法も違うだろうしどちらかというと
「人間の体をしている場合の動かし方」を主軸に置いてるんじゃないかな?

天龍田とか、武器持ってる奴はそれなりに近接できそうな気もする

ヒャッハー!

俺様とフィーリングがベリーフィット漁師たちだぜぇ!

更新楽しみに待ってます
更新なくなったら死んでしまいます

鎮守府跡地 食堂

金剛「なるほどネー。動くキャッスルで戦うなんて面白いオペレーションデース」

提督「前線は押し上げるもんだしな」

龍田「ねえ。燃料はどうするのかしら?」

提督「それはお前らの努力次第ってこったな」

長門「敵を倒して奪え、ってことか?」

提督「そうなるな。どっちにしろ練度は上げなきゃいけねえし」

あきつ丸「戦わなければ死ぬ、簡単な仕組みであります」

提督「悲しいけどこれ、戦争なんだよなぁ〜」

あきつ丸「腕がなるでありますなあ」

龍田「陸ノリ、フフ怖〜」

長門「何だそれは」

提督「建造まで時間はかかるだろうし、それまで各自訓練しておくこと〜」

金剛「艦娘は数時間で建造できマスよ?」

提督「え」

加賀「実際の船はどうかわからないけれど、それでも妖精なら人間の数十倍早く建造出来ると思いますが」

提督「やっぱ妖精パねぇな」

長門「龍田、建造について提督にレクチャーを」

龍田「わかったわ〜」

工廠もどき小屋

●REC

龍田「龍田の、ドキドキ艦娘クッキング〜」

提督「おいカメラ止めろ」



龍田「冗談は置いといて、まずは燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトを準備します」

提督「これが本当に艦娘になるのか?」

龍田「まあ、必要な『要素』であって、召喚に必要な供物、と考えてくれればいいわ〜」

提督「RPGのファンタジーみてえだなオイ」

龍田「事実は小説よりも奇なり、よ。そこに鋼材をセットして。多めにする?」

提督「いや、まだ必要になるかもしれないからな。そこそこにしておけ」

龍田「わかったわ〜。じゃあ残りの燃料、これは私達とこれから産まれる艦娘の予想される一回の長期航行分から差し引いた量、弾薬、ボーキサイトもそれで構わない?」

提督「そうだな。よくわからんからその辺は徐々に慣れるだろ」

龍田「じゃ、始めるわね」

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..

提督「すっげえファンシーな雰囲気」

龍田「この辺は本当にファンタジーよね。高速建造も出来るけど?」

提督「好きにしてくれ……。ついていけねぇ……」

龍田「仲間には早く会いたいし、使っちゃうわね〜」

ボン!

??「ここは、あれ、私たしか沈んで……?この身体、そこにいるのは、龍田、なの?」

龍田「ええ、初めまして、いや、『おかえり』夕張」

夕張「なるほど、そういうこと。また戦えるってことね……」

夕張「おまたせ。兵装実験軽巡夕張、到着いたしました!」

提督「おおーなんだこれー!!すげー!!」

夕張「そこの汚いのは?」

龍田「残念ながら私達の提督よ」

夕張「それは目覚め早々悪い知らせね!」

提督「ひでえな!!」

龍田「罵倒されてるのに目がキラキラしてるわよ〜?」

提督「建造か〜!!男の子の夢みたいなもんだからなこういうの!!」

夕張「まあいいわ!よろしくねっ!!」

提督「おう!!」

食堂 夕飯

夕張「というわけで皆よろしく〜!!」

金剛「オー!!バリバリよろしくネ!!」

夕張「バリバリ?」

長門「長門だ、よろしく頼むぞ」

加賀「おかえりなさい」

夕張「わぁー長門さんと加賀さんだ!すごーい!!」

あきつ丸「提督、夢のハーレムでありますな」

提督「やったぜ」

夕張「……ハーレム?なんだか面白い言葉ね」

提督「これで六人か。早速だが夕張、頼みがある」

夕張「なんです?」

提督「龍田、夕張には高い工作のスキルがあるんだな?」

龍田「ええ、その通りよ〜」

提督「これから俺達の家を作って欲しい」

夕張「家?兵装じゃなくて?」

提督「ああ。それも海の上を走れる家だ。出来るか?」

夕張「なるほどねー。ま、兵器なら勝手知ったる、ってやつだけど、船そのものとなると……」

夕張「三日ってところね」ニヤリ

提督「……おいおい」ニヤリ

夕張「この子達、好きに使っていいの?」

提督「使われていいのか?」

妖精達「」コクリ

夕張「いいみたいね。じゃ早速始めるわ!!」

提督「ちょちょちょウェイっ!夜中に始めたら近所迷惑だから!!」

加賀「変なところ常識的ね」

龍田「提督の常識の基準はなんなの〜?」

長門「犯罪すら軽くやってのけるのにな」

金剛「でもスリーピングは大切ネ〜!!」

提督「今日は飯食ったら業務終了!!お疲れ!!」

長門「夜間の偵察は行わないのか?もう装備は修復が終わるだろう」

提督「ん?ああ、それはこっちでなんとかするから寝てろ」

長門「……?」

金剛「今日は一段とご馳走ネ!!」

龍田「缶詰ばかりの食料をこんなに美味しそうに作るなんて、こっちの方がフィクションっぽいわ〜」

提督「歓迎会も兼ねてるからな。今日は大盤振る舞いだ」

夕張「私、食べ物食べるの初めて」キラキラ

あきつ丸「早く食べないとなくなるでありますよ!!」モグモグモグ

加賀「さっきから静かだと思ったらフライングしてたのね……」

深夜 海辺

あきつ丸「起きていたでありますか?」

提督「目が覚めちまってな。毎晩悪いな」

あきつ丸「いえ、艦娘になってから更に体力もついたでありますし、昼間にちょこちょこ寝てるでありますから。偵察任務も重要であります」

提督「……そうか。お前、その口調……」

あきつ丸「ああ、これでありますね?術後から自然に口から出るでありますから、止められないのであります。違和感、あるでありますか?」

提督「……まあな」

???「……ゴホン、ごめんなさい。こう、だった?」

提督「……!」

???「馬鹿ね。後悔してないわ。アイツの敵討ちのためだもの、でありま、あら、やっぱりダメ、であります」

提督「……そうか」

あきつ丸「……シャンとするでありますよ。明日から忙しくなるであります」

提督「……おお、任せとけ」

三日後

提督「つーいーにー!!俺達の船が〜〜〜!かんっせいでっす!!foooo↑↑↑」

龍田「いつにも増してテンション高いわね〜」

金剛「イェーーーーー!!!!」

長門「金剛はすぐ影響されるな……」

夕張「いい仕事した〜!!」

あきつ丸「これ、結構デカいでありますな?」

夕張「他にも仲間が増えるかもしれないからね!案内するわ!ついてきて!!」

提督「GOGOGO!!」

金剛「フォーロミー!!!!」

加賀「……疲れるわ」

キッチン&ダイニング

提督「こうボウルにオリーブオイルをシュゥゥゥゥゥッ!!したくなるな!!」

金剛「スーパーエキサイティンッ!!」

夕張「ここは清潔感を大切に、シンプルにまとめてみたわ!!」

あきつ丸「テーブルも長いでありますなあ」

長門「食事が楽しみになるな」

龍田「へぇ〜海が見えるのね〜」

夕張「ガラスも防弾加工されてるから戦艦の砲撃にもちゃんと耐えるよ!!」

加賀「鋼材とは一体」

バスルーム(入渠場)

夕張「こちらジャグジーと」

金剛「テートクー!!バブルねー!!」

提督「なんだこのボタン……光った!?風呂が光った!!ジュリアナ!?ボディコン!?」

あきつ丸「歳がバレるでありますよ?」

夕張「ライトも仕込んでみたの〜!」

加賀「もはや移動鎮守府ではなくラブ……」

龍田「加賀、そこから先は禁則事項よ〜」

長門「目が疲れる……」

寝室

長門「六人部屋か」

夕張「艦隊毎に部屋割りしようかなって思って」

龍田「いいアイディアね〜」

あきつ丸「自然と仲も深まるでありますな」

提督「おい、金剛。この布団、いい柔軟剤使ってるぞ!!」

金剛「やわらか〜い」

加賀「……ソフトとは言わないのね」

提督「あれ、俺はどこで寝ればいいわけ?」

夕張「あ、提督の部屋はこっち」

執務室

提督「Oh……」

金剛「Japanese wabi-sabi」

夕張「ただでさえ提督には威厳がないから渋めの和室にしてみたの。どう?」

加賀「落ち着きますね」

長門「我々が使いたいぐらいだ。そこのヒゲには似合わん」

龍田「右に同じよ〜」

あきつ丸「ププッ、ひどい言われようでありますな」

提督「は〜?俺ほどの日本男児はそうそういねえぞ?多分。きっと。そうだったらいいな!!」

あきつ丸「最後はただの希望であります」

夕張「細かい所は後で聞いてね〜」

提督「でかした夕張!!」

金剛「バリバリはバリバリですネ〜!」

夕張「だからバリバリって何……」

長門「提督、今後の目的地はどうする?」

提督「龍田、たしかO島って所がここから一番近い深海棲艦の拠点だったな?」

龍田「ええ、そうよ〜」

提督「じゃあそこに向かうことにする。ここらの制海権を取り戻すぞ」

翌朝

提督「うし、出航だ!!」

加賀「いよいよね」

金剛「気合い入れてゴーするネ!!」

あきつ丸「提督、陣形は昨日の打ち合わせ通りでいいでありますか?」

提督「ああ、そうしてくれ」

長門「ウズウズするな」

龍田「艤装も直って、本調子よ〜」

提督「じゃあ昨日教えた通りにな~」

艦娘「「了解!!」」

航行中

加賀「艦載機より連絡。敵艦発見。攻撃準備」

長門「各艦攻撃準備!」

艦娘達「「攻撃準備!!」」

加賀「駆逐艦三、軽巡二、重巡一、計六隻。五分後会敵予定。単縦陣で来ます。艦載機、全機発艦!!」

龍田「じゃあ私達は前に出るわね〜」

あきつ丸「やったるであります」

金剛「後ろは任せてくだサーイ!!」

長門「砲撃は任せろ」

夕張「じゃ、私は自由にやらせてもらうわね〜」


加賀「艦爆が敵駆逐艦を一隻撃破」

加賀(荷が重いけれど、やれるかしら……)


※回想は『』で表記します

提督『明日、出発する前にお前らにアドバイスがある』

金剛『アドバイス?』

提督『ああ、この前の漁船輸送の時に思ったんだが……』




加賀「会敵。龍田、前方より駆逐艦の砲撃!」

龍田「見えてるわ〜」ヒュン




提督『お互いの状況が把握出来てない。これからは積極的に声をかけあえ』

長門『なるほど、連携がとれていなかったか……』

龍田『よせ集めの急造チームだったものね〜。具体的にはどんなことを話せばいいのかしら〜』

提督『なんでもいい。何処から敵が来たか、自分はどいつを狙うか、助けが欲しいか欲しくないか、自分の言葉にしろ』

金剛『アイシー』




加賀「あきつ丸!!敵軽巡の雷撃、左舷よ!!」

あきつ丸「あらよっと、であります」ヒュン

提督『そこで加賀。お前が目になれ』

加賀『目?』

提督『見たところお前が一番状況把握能力が高い。全体を見渡せ。そして情報を仲間に知らせろ』

加賀『わかったわ』

提督『そして金剛、お前は……』



龍田「カバー!!」

金剛「そう言うと思ってたデース!!ファイアー!!」ドーン!!



提督『意外と空気が読めるからな。仲間のカバーに徹しろ』

金剛『褒められると嬉しいネ〜!!』


軽巡ホ級「……」ズププ……

加賀「軽巡轟沈!!」

金剛「決まったデース」キリッ

提督『長門、お前には絶大な火力と接近戦の才がある。だから……』



長門(通常時は集まった敵をまとめて砲撃、だったな)

あきつ丸「今であります!!」

長門「全砲門、開け!!」ドォーン!!!!!!!

軽巡ホ級「!?」グラッ

加賀「全弾命中。敵軽巡撃破!次、目標右舷の駆逐ハ級」

龍田「私達が行くわ〜」

あきつ丸「盛り上がってきたであります!!」

龍田(そして私達が……)




提督『龍田、あきつ丸、二人は前衛だ。時には盾になり、時には敵を攪乱し、時には敵を引き付けるんだ』



龍田「貴方が死にたい艦かしら?」

あきつ丸「かかってくるであります!」

龍田(この人の隣だと安心感があるわぁ)



提督『あきつ丸の戦いをよく見てろ。きっとお前の糧になる』



あきつ丸(油断してるとすぐに追いつかれそうでありますなあ)

龍田「そっちに行ったわ!!」

あきつ丸「任せるでありますよ!!こんのおおおおお」ザシュ!!

駆逐ロ級「ウオオオオォォ……」

加賀「ロ級撃破!!前衛は続けて敵重巡を引きつけて!金剛は隙を突いて砲撃!」

金剛「ラジャーね!!」

夕張『ちょ、ちょっと私は!?まさか置いてく気!?』

提督『ん、焦るなよ夕張。お前にはちょっと面白いおもちゃをやる』

夕張『?』




加賀「敵艦残り二つ!!あきつ丸、龍田、一旦退きなさい!!」

龍田「りょうか〜い」

あきつ丸「わかったでありますよ〜」

夕張「……かかった」カチッカチッ






夕張『爆弾?』

提督『そうだ。これを参考にしてくれ。お前なら水中でも使える爆弾を作れるだろ?』

夕張『機雷ってことね』

提督『ああ、海じゃそう言うんだったな。仲間が敵を相手してるうちに設置しておけ。お前は遊撃、工作担当だ』

ドン!!!!!

重巡リ級「グアァァ!!」

駆逐ロ級「ゥオアアアア!!」

加賀「……敵の全滅を確認。戦闘終了。お疲れ様でした」




提督『それにしても、前まではどう戦ってたんだ?』

長門『どうもこうも、各自が各自出来ることを……』

龍田『時々、最初の砲撃が敵一隻に集中しちゃったりしたこともあったわね〜』

金剛『アレの後は気まずくなるデース』

提督『いやいやいや、話し合っとこうぜそこは……』

加賀『陣形や敵の攻撃ばかり気になって、自分達のことはおろそかになっていましたね』

提督『俺から言えるのはそれぐらいだ。海には海の戦い方があるだろうからな。その都度自分たちで話し合ってくれ。決まったことは俺に報告してくれよな』

あきつ丸『提督が提督っぽいでありますな』

提督『ちょっと真面目なこと話過ぎて疲れたからだれかおっぱい揉ませて』

夕張『うわぁ……』

加賀『締まらないわね……』

夜 食堂

提督「快勝だったんじゃねーの?」

長門「いや、まだまだだ。改良の余地はある。次はもっと……」

提督「飯の時ぐらい気を抜けや。今日はカレー缶をアレンジしたシーフードカレーだぞ〜」

長門「……それもそうだな」

金剛「このカレーデリシャスね!!」

提督「おかわりならあるぞ〜」

龍田「このままいけばあと四日ぐらいでO島に着くわね〜」

加賀「そう上手くいくとは限らないけれど」

あきつ丸「そこを何とかするのが提督であります」

提督「え〜?俺魚釣り担当じゃダメ?」

夕張「提督とは一体何だったのか」

風呂

加賀「見た目はいかがわしいけれど、いいお湯ね」

龍田「あら〜、私は好きよこういうの〜」

加賀「ラブ……」

龍田「ストップ〜♡」

加賀「……それにしても心苦しいわ」

龍田「夜間哨戒のこと〜?」

加賀「私の艤装が直っていなかった期間、あきつ丸に任せっきりだったなんて」

龍田「仕方ないわよ〜」

加賀「それに今夜からは交代制にするって……」

龍田「戦闘で埋め合わせるしかないわよ〜。私達としては貴女達に任せっきりなのが心苦しいけど」

加賀「……出来ることをしているだけよ」

龍田「空母の仲間が増えると負担も減るわよ〜。今後に期待ね〜」

加賀「……そうね」

執務室

提督「で、なんで夕張は俺の部屋に居座ってんの」

夕張「静かに!今日から新しい深夜アニメが始まるの!」

提督「は?あれ、いつの間にかテレビが……」

夕張「スカパーも契約済よ」

提督「どうやったのぉ!?つぅか血税使って何してくれちゃってるのぉ!?」

夕張「妖精さんが全てやってくれたわ。あと貴方の給料から費用差っ引いて貰えるように龍田に頼んどいたから」

提督「妖精も秘書艦も信じられねぇ……」

夕張「あっ、始まるわ」

提督「はぁ〜。……ってあれ、これ俺の好きな漫画じゃん。アニメ化してたの?」

夕張「知ってるの?最高よね」

提督「うわ、OPかっけぇ……」

夕張「尊い……」

寝室

長門「……」

金剛「眠れないデスかー?」

長門「ああ、悪い、起こしてしまったか」

金剛「私も眠れなかったデスから気にしないでくだサーイ」

長門「提督のことで、少しな」

金剛「どっちの、デスか?」

長門「……そうか、そうなるのか」

金剛「提督は、どっちも提督デスからネー」

長門「……ああ」

金剛「どっちの、提督も私は大好きデース」

長門「金剛は強いな」

金剛「ふふっ、頼ってくれていいデスよ?」

長門「ふっ、気が向いたらな」

デッキ

加賀「交代よ」

あきつ丸「もうそんな時間でありますか」

加賀「あとは任せなさい」

あきつ丸「湯冷めしないようにあったかくしておくでありますよ」

加賀「……お母さんみたいね」

あきつ丸「そうでありましたか?加賀より長くは生きているでありますが」

加賀「母というものは知らないけれど、いたらこんな風だったのかしら、と思って」

あきつ丸「じゃあ提督はお父さんでありますね〜」

加賀「……そうかもしれないわ」ニコッ

今回はここまでです。

次回は少なめですがなるべく早く上げたいと思います。よろしくおねがいします~

ここのみんな可愛いんですけど……
おつ
おつっ
乙ぅぅぅぅぅぅぅー!!!!

乙!

第一印象最悪からの伸びとかね、大好物なのよね

あきつがメインヒロインの風格でほんとすこ
好すぎて頭いてえ

乙です
船の大きさってどんくらいだろう?

マクロスかエクセリオンクラスだったら笑うわ

材料(漁船)から考えるとサラミス級とかギャロップ位の規模か(ガンダム感)

フリーデンかもしれないだろ!

エルトリウムクラスで我慢しようぜ

普通に長門型や大和型みたいな感じだろ

SOMかもしれんぞ?

>>110 艦娘のいる意味がないんじゃないですかね

材料が漁船3隻分だからそこまで大きくないでしょ
いいとこ遊覧船くらいじゃね

三日後 朝

提督「ここまでは順調だが油断するなよ」

龍田「ええ」

金剛「張り切って行くデース!!」

加賀「昨夜O島付近まで飛ばした偵察機が二機行方不明になっています。気を引き締めてください」

長門「慎重に進むべきだな……」

加賀「提督、私に考えがあるのですが……」

提督「ん?言ってみ」

提督「なるほどなぁ。おい夕張、加賀の艦載機見てやってくれ」

夕張「いいけど、何をするの?」

提督「魔改造だな」

夕張「?」

提督「全員、午前は待機。午後から夕方にかけてO島にアタックをかける」

あきつ丸「了解でありますが、自分たちは何をしていればいいでありますか?」

提督「周辺の警戒と適宜休憩だな」

長門「そんなにのんびりしていていいのか?」

提督「あ〜、まあなんとかなるだろ。多分」

龍田「適当ね〜」

工廠室

夕張「イヒッ、イヒヒヒヒッ!!」

加賀「うわぁ」

提督「こいつ機械弄る時は人格変わるんだよなぁ」

夕張「お前に足りないもの、それは!情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ!そしてなによりもォォォオオ!!速さが足りないッ!!!!」

加賀「それ以上いけない」

提督「しっかし高速低空飛行なんてよく思いついたな〜」

加賀「途中で発見されにくい高度で飛べばいいと思っただけよ。もっとも航行中の敵に鉢合わせしたらお終いだけれど」

提督「それでも少しは確率が上がるだろ。良く考えたな」ナデ

加賀「……べ、別にたいしたことは」ポッ

夕張「イヒャヒャヒャヒャ!!!!」

加賀「……空気を読みなさい」ボソッ

デッキ

龍田「こうも穏やかだと今が敵地に向かって侵攻中なんて思えないわね〜」

金剛「いい天気デース!!」

長門「そうだな」

あきつ丸「艤装の手入れは済んだでありますか?」

龍田「ばっちりよ〜」

あきつ丸「いっちょ気合い入れていくであります!きっと提督も相当やる気でありますし」

龍田「いつもと同じように見えたけど〜?」

あきつ丸「チッチッチ。さっき話す時に拳を強く握ってたであります」

龍田「……それだけでわかるのね」ボソッ

長門「提督の敵討ち、だものな」

金剛「メイビーですけどネー」

あきつ丸「それにここらの守りが楽になるであります。自分たちは冷静に任務を遂行するだけでありますよ」

長門「まあ、あまり感情に流されるのもな……」

龍田「長門が言うと説得力ないわ〜」

長門「なっ、何っ!?」

提督「じゃあ進むか」

加賀「艦載機、準備完了よ」

夕張「また素晴らしい作品を作り上げてしまったわ」

金剛「オー、これは……」

長門「なんとも」

龍田「禍々しいわね」

夕張「なっ!?なんですって!?」

あきつ丸「自分はこういうの好きでありますよ?」

夕張「あきつ丸さ〜ん♡大好き〜」

提督「ド派手なのはいいな。男のロマンだ」

夕張「提督もありがと〜!」

加賀「あとで元に戻してあげますからね……」


O島付近

加賀「全艦停止。艦載機より連絡、敵、棲地に多数集結。……これは!!」

長門「どうした?」

加賀「空母ヲ級が三体……」

金剛「……ハードですネ〜」

龍田「どうする?提督」

提督「……進軍だ。加賀、爆撃機を追加で出せ。あきつ丸、援護しろ。状況開始だ」

加賀・あきつ丸「「了解」」

夕張「天気、悪くなってきたわね……」

金剛「さっきまでサニーだったのに〜」

加賀「……爆撃終了。敵の損害軽微」

提督「どーりで楽に行き過ぎたわけだ」

龍田「深海棲艦が私達の動きを察して戦力を集中させていた……?」

提督「そうとしか考えられねーわなー。さぁ〜どうすっかなー」

長門「深海棲艦も戦略を練っているということか……」

夕張「提督、ちょっと」

提督「ん?」

夕張「このまま進むのは危険過ぎると思うの」

提督「だよなあ」

長門「しかし、我々もここで引き下がるわけには」

夕張「それはわかるけど……」

金剛「やってみないとわからないネー!」

龍田「金剛……」

金剛「大丈夫ヨ!私達、強くなったデース!そう簡単にやられないデース!」

あきつ丸「敵を前にして退くなんて恥であります!!」

提督「うーん、ちょっと落ち着け。考えるから」

提督「ん?待てよ。そもそも敵が集まってるならバラしちまえばいいんじゃねーの?」

加賀「どういうことかしら?」

提督「そうだな、まずはこう……」

加賀「敵の艦隊は三つ。計十八隻。まずは……」

あきつ丸「鬼さんこっち、手の鳴るほうに〜であります」

ヲ級A「……」ギロッ

あきつ丸「捕まえてみるでありますよ~」

龍田「こっちよ〜」

ヲ級B「……!!」

夕張「何で私も囮なのよ〜!!足遅いのに〜!!」

ヲ級C「……」

加賀「……敵の艦隊を分断、バラバラにおびき寄せる。そして……」

長門「我々戦艦が岩陰から奇襲をかける、だったな」

金剛「バァァァニングッ、ラァァァァァァァァブ!!!!」ドォーン!!

ヲ級A「!?」

長門「さて、始めようか……」ドン!!

ヲ級B「……」グラッ

加賀「敵空母、二体中破。龍田、あきつ丸!!」

龍田「わかってるわ〜」

あきつ丸「行くであります!!」

加賀(敵の注意が金剛と長門に向いている隙を突いて龍田とあきつ丸が護衛艦を倒す)

夕張「ちょっと〜!!私もう限界〜!!」

加賀「もう少し我慢しなさい!!」

夕張「いやぁ〜!!」

ヲ級C「……」

加賀「敵、A隊、B隊、半数轟沈」

龍田「あら、じゃあ」

あきつ丸「ポイントAまで集合でありますな」

夕張「私も戻っていい!?もういいわよね!?」

加賀「あと少しよ。踏ん張って」

夕張「かんべんしてつかぁぁぁぁぁさい!!」

加賀「長門、金剛!」

長門「では、派手に行くとするか」ドォーン!!

金剛「まとめてファイヤーするネ!!」ドォーン!!

加賀「追ってきた敵をまとめて叩く。これで……」

ヲ級C「……」

加賀「敵艦隊はあと一つ、ね……」

夕張「あー死ぬかと思った」ホッ

加賀「よく頑張ったわね」

長門「残り六隻だ。一気に行くぞ!!」

金剛「この調子で仕留めるデース!!」

龍田「ちょっと待って……向こうに見えるのは……」

加賀「敵の、援軍……?いや、伏兵!?戦艦ル級を含む六隻……。マズイわね」

龍田「せっかくこんなに減らしたのに、まだ出てくるの〜?」

あきつ丸「厳しい、でありますな……」

短めですが今回はここまでです。

それではまた近いうちに~

現提督と前提督がどっちも提督呼びだから分かりにくい時があるかな
文脈で分かるっちゃ分かるけど何か区別が欲しい

文脈で判るならいらないだろ

普通にわかるが

(スカイガールズ的な船だと脳内設定している)

長門「あの戦艦は私がやる」

加賀「でも……」

長門「任せてくれ。それに、一人の方がやりやすい」

加賀「……わかったわ。私達はあのヲ級達を落とします。龍田、道を切り開いて」

龍田「了解〜」

加賀「金剛、無駄弾は撃たずに温存、あきつ丸、ヲ級の相手を。私と夕張でまず敵の駆逐艦を落とします」

夕張「はーいっ!」

あきつ丸「了解であります」

金剛「わかったネ〜」

加賀「……さぁ、いきましょうか」

あきつ丸「おびき寄せたのはいいものの……」

ヲ級C「……」

あきつ丸「さっきの二人とは雰囲気が違うでありますな……」



駆逐ハ級「グォォォォ!!」

龍田「くっ、痛いわね〜」ガツッ

加賀「龍田!!」

龍田「かすり傷よ〜。それより」

軽巡ホ級「……」ドンッ!!

金剛「おっと、デンジャーでした……」ヒュン

加賀(金剛の残弾が少ない……。それに、)

夕張「きゃー!!怖い!!痛い!!」

加賀(入ったばかりの夕張の練度も低い……)

夕張「こないで〜!!やめて〜!!」

長門「一対六、か」

長門(駆逐艦三、軽巡が二、そして……)

戦艦ル級「……」

長門(戦艦ル級……)

駆逐艦ハ級「ァァァアアア!!」

長門「ちっ」ダンッ!!

軽巡ホ級「……」ドンッ!!

長門「くぅ……。だが!!」

長門(囲まれてからが私の本領発揮だ)

長門「……ビッグ7を舐めるなよ」

加賀(長門は大丈夫かしら……)

夕張「きゃぁああああ!!」

龍田「夕張!!大丈夫?」

夕張「うぅ〜。装備がもう……」

加賀「大破ね。下がってなさい」

加賀(敵はあと五隻、こちらは四隻、数的優位もなく味方は疲弊している)

加賀「何か……何か突破口は……」

龍田「私が行くわ。金剛、残りの弾全部撃ち続けて」

金剛「でもフレンドリーファイヤーするデース……」

龍田「なんのためにあの女(ひと)の背中を見続けてたと思ってるの〜?大丈夫よ。一気に仕留めるわ〜」ニヤァ

加賀「なっ……」ゾクッ

あきつ丸「ふぅ〜。なかなかやるでありますなぁ」

ヲ級「……」

あきつ丸(空母というのは厄介なものでありますな〜。離れれば爆撃、近づけば攻撃機……)

あきつ丸「一体何なのでありますか?貴様らは」

ヲ級「……ワレワレハタタカウタメニウマレタ。ソレダケダ」

あきつ丸「喋っ……!?」

ヲ級「……シネ」

あきつ丸(まさか、話すことが出来るとは……)

あきつ丸「……お断りするであります。そしてその言葉、そっくりそのままお返しするであります!!」

長門「はぁっ、はぁっ……。あと、三っつ……」ボロッ

ル級「……ムダナコトヲ」

長門「話せる、のか?」

ル級「キサマラモワレワレモオナジダ」

長門「何を言って……」





提督「長門!!」

長門「提督!?どうしてここに!!」

提督「どうしたもこうしたもねえ!!お前頑張り過ぎ!!撤退撤退!!」

長門「何っ!?まだ敵は……」

提督「よくわかんねえけど敵さんも退いてんだよ!どうなってんだまったく……」

あきつ丸「……」

少し前

あきつ丸「もう少しでありますな」ボロボロ

ヲ級「……」ギロッ

あきつ丸(何て目でありますか……)

ヲ級「……、アア、シオドキカ……」

あきつ丸「何処へ行くでありますか!?」

ヲ級「……メイレイダ」

あきつ丸「待つであります!!」




龍田「あら〜?敵が退いてくわよ〜?」ボロボロ

金剛「どういうことデース?」

加賀「何が起こってるの?」

指令室

提督「お疲れさん」

加賀「……」

提督「どうした?作戦成功。O島は奪還できたし、この辺はしばらく平和になったじゃねえか?」

長門「しかし!!」

提督「……まあ、すっきりはしねーよな」

金剛「こんな敵初めてデース」

龍田「撤退なんて文字、あいつらの頭にあったなんて……」

提督「まあ、戦場じゃ普通に有り得ることなんだがな。奴ら相手だとそっちの方が珍しいってことか」

あきつ丸「……それに言葉を話せた上に、何者かに命令を受けていたようであります」

提督「マジか〜」

提督「深海棲艦にも俺みたいなのがいて、そいつが撤退の指示を出したとすると……」

龍田「戦力を島に集めていたのにも納得がいくわね〜」

提督「ま、あくまで仮説だからな。今はとにかく休め。この後は陸地に戻って戦略を立て直す。あと食料の備蓄も増やさないとな」

夕張「うぅー。私もう寝る〜」

金剛「……早く帰ってお肉食べるデース!!」

龍田「……そうね。ここ最近釣ったお魚ばっかりだったし〜」

加賀「……むしろ今の時代、魚介類の方が珍しいのだけれどね」

金剛「飽きたデース……」

加賀「気持ちはわかるけれど」

長門「……」

デッキ

提督「ここにいたのか」

長門「……提督か」

提督「気にすんな、とは言わねえが、切り換えろとだけ言っておくぞ」

長門「わかっている……。済まない」

提督「いやいや、まあしばらくはこのままでもいい」

長門「私は、まだ弱いな……」

提督「そうか?」

長門「精神的にな。皆はもう次の戦いを見据えている。しかし私は違う」

長門「この戦いで精算出来ると思っていた。だがこんな幕引きでは……」

提督「……実を言うと俺もモヤモヤしててな」

長門「提督もか?」

提督「ああ。その、なんだ?アレだよ。もうちょっとでイケるってところで寸止めされたって感じ?」

長門「馬鹿め」クスッ

提督「ま、終わっちゃいねえってことみたいだな。ボスを倒せばゲームクリア、って訳にはいきそうにないな、この戦い」

長門「……どうやらそのようだな」

一週間後

提督「えーと、鎮守府跡地についた訳ですが」

龍田「何故か巨大で立派な建造物が建っており」

加賀「既に別の艦娘達が働いているようです」

あきつ丸「現場からは以上であります」

長門「アナウンサーかお前ら」

金剛「ちょ、ちょっとこれどういうことデース!?」

提督「いや、わからん」

龍田「ねえ、提督?移動鎮守府の件、本部に連絡したの〜?」

提督「……あ」

長門「あ、じゃない!!何をしてるんだまったく!!」

提督「わりーわりー忘れてたわ」

新鎮守府 執務室

女提督「……君達は?そうか、あの陸から来たという……既に死んでいると思っていたが」

提督「ごめんね!言うの忘れてた〜テへペロ☆」

長門「殴るぞ」ボコッ

提督「もう殴ってるよね!?」ジンジン

女提督「で、どうするね。君達にはもう居場所はないが」

龍田「……やっぱり」

女提督「言葉通りだ。ここ周辺の管轄は正式に我々のものとなっている。既に本部の決定は下った」

提督「ま、いんでない?もうこの辺に用ないし」

龍田「そういう問題ではないのよ〜そもそもここを任せられていたのが私達で、それが解かれたわけだから〜」

加賀「当然、私達は海軍からの援助は貰えないわ。もしかしたら既に戦死扱いになっているかも」

提督「え?ヤバくね?」

夕張「提督はデスクワーク出来ないタイプとみた」

移動鎮守府 執務室

提督「とりあえず本部に連絡はしたけど〜。なんかこっち来いって言われたわー。これお叱り受けるフラグ?」

長門「当然だろ」

龍田「当然ね」

金剛「当たり前ネー」

提督「一人ぐらいフォローしてくれても良くない?」

加賀「こればっかりは」

あきつ丸「無理でありますな」

提督「ふえぇ……」

龍田「次からは私が確認するわ〜。当然やってると思ってたもの〜」

夕張「で、次の目的地は?」

提督「あーそれがな」

提督「ヨコハマ」

金剛「中華街デース!!」

加賀「流石に気分が高揚します」

提督「いや、今金ないから。馬鹿なの?」

加賀「なっ……!?」

長門「馬鹿なのは提督だ」

提督「あ、すんません」

龍田「しばらくまた魚ばかりになりそうね〜」

金剛「ノオオオォ!!ミート!!アイニードミイイィィィィト!!!!」

夕張「どんまい……」

遅くなりました。今回はこれにて。

ふむ、次回にも期待

保守

いっち大丈夫?せめて生存報告お願いします

ここなんJじゃないんだけど
出直してこい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月14日 (火) 10:44:19   ID: SdQE-ev6

面白いよ、終着点が見えないけど期待。

2 :  SS好きの774さん   2015年12月02日 (水) 01:00:34   ID: 0FtQY_Vh

続きは…まだかなO(≧∇≦)O

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