男「太郎系の物語極める」(31)

ゴッド「その心意気やよし!」

男「誰だお前!?」

ゴッド「それじゃ早速やってみようぜ!」

男「ちょっ待」

・・・・・・

・・・・・・

むかしむかし、足柄山の山奥にお爺さんとお婆さんと犬と猿と雉と熊が住んでいました。

男「有名どころ一気にぶっこんできたな」

ある日のことです。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯へ出かけました。

男「そろそろ出番だな」

お婆さんが川で洗濯をしていると、上流から大きな亀が流れてきました。

お婆さん「あれまぁ」

亀「溺れる!溺れる!!」バシャバシャ

犬「亀としての誇りはないのか」

猿「リクガメなのかもしれんぞ」

お婆さん「これは立派な亀だこと。持って帰ってお爺さんに見せましょう」

お婆さんは亀を抱えて家に戻りました。

お爺さん「なんとまぁ、立派な亀じゃ」(意味深)

お婆さん「早速割ってみましょう」

犬「マジかよ」

熊「この婆さん正気か」

猿「ていうか俺らと同居してる時点で既にヤバイとこまできてるだろ」

亀「誰か助けて!!」バキャッ

二人が亀を割ると、中から元気な男が出てきました。

男「どうも」

犬「マジかよ」

熊「ホント、どうかしてるぜこの国は」

お婆さん「あれまぁ・・・これでは亀が足りませんねぇ」

お爺さん「心配することはない。今朝雉をシメておいたんじゃ」

猿「雉ーーーーーーッ!!」

その夜、皆は楽しく鍋をつつきました。

男が彼らの元にやってきてから数日後。

竜宮城と呼ばれる場所に鬼が出たという話が風の噂に流れてきました。

男「お爺さん、お婆さん。私は竜宮城へ鬼退治へ行ってきます」

お爺さん「気を付けてのう」

お婆さん「これを持っておいき」

男はお婆さんが丹精こめてこさえたきび団子を携え、鬼退治の旅へ出発しました。

取り急ぎ犬、猿、熊という割と心強い仲間が最初からいたため、きび団子は道中普通に弁当として食べました。

男「強くてニューゲーム」モグモグ

犬「雉が熊になってるもんなぁ。普通に戦闘力アップしてるわ」

猿「主人公もなんかマサカリ担いでるしな。どんな重課金ユーザーだよ」

竜宮城についた一行は順当に鬼を退治し、捉えられていた乙姫以下その家臣たちを救い出しました。主に魚類でした。

乙姫「いいのよ」

男「エンガワの刺身うめぇ」モグモグ

鮃「はぁー・・・はぁーっ・・・ゴフッ」ピクピク

犬「自分の部下を振る舞うのか・・・」

猿「ぶっ飛んでんな」

乙姫「いいのよ」

男「玉手箱だ」

犬「なんか淡々としてるな」

猿「まぁ姫様だしお役所仕事しかやったことないんだろう」

熊「鬼うめぇ」ゴリゴリ

酒呑童子「はぁー・・・はぁーっ・・・ゴフッ」ピクピク

猿「お前口の周りの血拭けよグルーミーみたくなってんぞ」

・・・

男「さて、帰ってきたわけだが」

竜宮城から帰ってみると、お爺さんとお婆さんの住んでいたはずの家は更地になっていました。

猿「これがウラシマ効果だ」

犬「なるほど」

男「これでももたろ社長とうらしま社長のターンは終わりか・・・ところで、金太郎のラスボスってなんだっけ?」

熊「もう倒した」

男「いつの間に」

熊「美味かった」

猿「怖ぇよ」

男「よし、これで三大太郎はやったな」

男はその場に横になると、ぐうぐうと眠り始めてしまいました。

・・・

暫くして目を覚ますと、傍らには犬、猿、熊のものと思われる骨が転がっていました。

男「なるほど。三年寝太郎か」

男が欠伸をしながら伸びをすると、寝ている間に伸びた前髪が視界を覆いました。

男「うぉ、びっくりした・・・って、あれ?この格好・・・」

気が付くと、男には学童服に縞模様のちゃんちゃんこが着せられていたのです。

男「・・・・・・やべぇ!これ水木先生に怒られるやつだ!!」

???「おい、キタr」(裏声)

男「父さん妖気ですッッッ!!」グサグサッ

???「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!」ブシャー

男「やったぜ」

男は急いで服を脱ぐと、その場を立ち去りました。

男「うーん、まだ戻れないのか・・・あれ?そういや玉手箱どこ行った?・・・おー、あったあった」

???「太郎君!一緒に政党をやろう!!」

男「岩手の大物政治家!!」

???「最高顧問!!」

男「ワイは浪花のモーツァルトや!!」

???「太郎、風呂洗っとけ言うたやん!!」

男「オカン堪忍!!」

太郎に次ぐ太郎の猛攻に、男はいささか辟易してしまいます。

男「ぐう・・・一体どれだけの太郎をやればいいんだ・・・ていうか最後の方明らかに一般人混じってたぞ」

ゴッド「やっほ」

男「誰だお前!?」

ゴッド「いや>>1で出てきたじゃん」

男「初登場時から名乗ってねえだろふざけんな!!」

ゴッド「どうだ、太郎の奥は深かろう?」

男「太郎の奥て」

ゴッド「堪能したか?」

男「まさか一般人まで出てくるとは思わんかったわ」

ゴッド「ふむ。・・・ところでお前は、太郎という名前の歴史を知っているか?」

男「はぁ、歴史?」

ゴッド「太郎という人名が初めて登場したのは嵯峨天皇が第一皇子の幼名に命名したのが初見とされている」

ゴッド「その後、太郎は男子、特に家父長制の強かった武士の間で親子兄弟の序列を正す意図で好んで用いられるようになった」

ゴッド「『小太郎』(太郎の長男の意)『又太郎』(太郎の長男の長男の意)など、嫡孫、嫡曾孫であることを示す名として使われるようになったわけだ・・・」

男「・・・」

ゴッド「今の全部Wikipediaからの引用だがな!!」

男「台無しだよ!」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%83%8E(太郎)

ゴッド「お前は今までにどれだけ数の太郎が存在したと思う?」

ゴッド「近年でこそキラキラネーム(笑)とやらにより使用頻度の減ってきた名前とはいえ」

ゴッド「これまで生まれてきた者たちの中の絶対太郎数は最早星の数ほどと言っていい!!」

男「なに絶対太郎数って」

ゴッド「そしてその者達一人一人に物語があり、それを極めてこそ新の太郎マイスターとなれるのだ!!」

男「なに太郎マイスターって」

ゴッド「というわけで、まだまだいくわよ」

男「ちょっと、まずいですよ!やめてくださいよ、本当に!」

ゴッド「なんだ。『太郎系の物語極める』という言葉は偽りだったのか」

男「いや流石に一般人まで面倒見きれんて」

ゴッド「いくわよ」

男「バッカやめろお前!!玉手箱フラッシュ!!」パカー

ゴッド「ぐわああああああああ!!」モクモクモク

男「おいしいベーコンになーれ」

ゴッド「ゴ、ゴッドなめんな!くらえ!!」ビビビ

男「ぐわああああああああ!!」ビリビリビリ

・・・・・・

・・・・・・

???「よしよし、今日も元気だな。太郎」

男「モーモー」

男(えっ、何これは)

???「さあ、そろそろ出荷だ」

男(出荷て・・・えっもしかして)

???「じゃ、お願いします・・・ありがとうな、太郎。いい肉になれよ」

男(やべぇこれ肉牛になってる感ハンパねぇ!!)

男「ブモー!!」

???「わっ、どうしたどうした!?」

男(どうしたもこうしたもあるか!!)

???「暴れんなよ・・・暴れんな」

男(馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!!)

抵抗もむなしく出荷された男(A5ランク)は、屠畜場の電撃一発で易々と意識を失ってしまいました。

https://www.youtube.com/watch?v=t0w-g2733Vk

男「ぬへぁ!!」ガバッ

ゴッド「どうよ」

男「俺のシャトーブリアン、グラム8,000円で売れてた・・・」

ゴッド「そこかよ」

男「やっぱA5ランクって格が違うわ」

ゴッド「意外と堪えてないね?」

男「だってすげえ美味そうだったもん、俺の肉」

ゴッド「こいつちょっとおかしい」

これにはさすがのゴッドも苦笑い。男を復活させ、以後彼に太郎マイスターを名乗ることを許したのです。

・・・・・・

男「・・・というわけでだな。太郎系のことで聞きたいことがあったら何でも聞いてくれ」

友「あのさ。まず太郎系の質問なんてクッソ狭いジャンルの上に、そんな夢の中の話されても俺困っちゃう」

男「夢じゃない!一人じゃない!!」

友「いいから」

男「でもあのゴッドまじ無能だわ。俺も花京院とかアブドゥルと一緒にエジプトいきたかった」

友「承りさんか」

店員「あの、すみません・・・そろそろラストオーダーになります」

友「え・・・?あ、やべぇ!!もうこんな時間!?」

男「(もう帰りの電車は)ないです」

友「おぉ、もう・・・始発待ちかぁ。どうする?カラオケで時間潰すか」

男「やだよ、うるさいし寒いし。それよりもっといいところがあるぞ」

友「へー、どこすか」

男「駅前のあそこ」

友「・・・あっもしかして」

男「花太郎!!」

友「案の定だよ!!」

男「よし、きれいにオチたな!!さすが太郎マイスター俺!!」

-おわり-

麻生太郎が無いとか

風魔小太郎が無いとか

モリリン太郎がないとか

おとぎ話の太郎系もっとあるだろ!

乙ー

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