・携帯ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」のパロディSSです。
・アイドルの言動や表現などについては、作者の妄想を多分に含みますので、「このPはこういった解釈なのね、わかるわ」のお気持ちで、お気軽にご覧いただけましたら幸いです。法律関係もゆるゆると、あくまでもフィクションなパロディでしてー。
よろしければお付き合いくださいませ。
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ふむ…期待
第1章:天皇
千川××年1月2日 皇居前
\ワーッ! キャーッ! 天皇サマー!/
鷹富士茄子(天皇)「はーい、みなさんいつもお正月に我が家までお越しいただいての暖かいご声援、ありがとうございます♪ ナスじゃなくてカコ、カコだけど今のみなさんと、いつも一緒にいますよ~♪」 \ワーッ!!!!/
矢口美羽(国民)「ああ、今日も陛下はキレイですね~。柔らかな笑みに凛とした佇まい……同じ乙女として憧れちゃいます!」
今井加奈(国民)「うん! それでいて、気さくな言動でお話しやすいのも素敵だよね! まさに純日本、大和撫子の象徴って言うか、単純に羨ましいよ~」
美羽「ふふ、でも加奈ちゃんだって負けてないよね! 高知を代表するアイドル……土佐乙女だよ土佐乙女!」
加奈「いや、『とちおとめ』みたいでちょっと嫌だよー!」ズコーッ
片桐早苗(皇宮護衛官)(……暇だし、アレ逮捕しちゃうか♪)ジリッ
『第1条:天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく』
(天皇サマは、日本のみんなが認めている、日本を代表する人ダヨ~)
【※=小難しくなるのを避けるため、フェイフェイに出来る限りゆるく解説してもらいます】
~~
茄子天皇「あ、菜々さーん♪」テッテッテー
安部菜々(永遠の第17代内閣総理大臣)「あけましておめでとうございます、天皇陛下。キャハッ☆」
茄子天皇「あけましておめでとうございます。新年早々のお願いなのですけど、私の次に天皇になる子はこの子にしてあげたいのです♪」
望月聖(国民)「……こんにちは」ペコッ
菜々総理「こ、こんにちは……あの、陛下。皇族のお役目はご親族で受け継いでいかれるものです。というか、神秘的でかわいらしい子供を一般参賀の中で見つけたらスカウトする癖はそろそろやめてください! あと、いつもいつも宮内庁員にも見つからずに、どうやって連れてくるんです!?」
茄子天皇「むぅ~、けちですね」プクー
菜々総理「怒ってもダメですかわいいなぁ! 私が怒りたいぐらいですよ、皇太子様もちゃんとおられるというのに!」ミンミーン!!
茄子天皇「うぅ……ふじゆうぅ~」ブーブーッ
菜々総理「いいえ、あなたが自由過ぎるだけです」
聖(……帰ったら、天皇様とお話したってママに自慢しよう)フフッ
『第2条:皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する』
(天皇サマのお役目は、ご家族やご親戚の中から決められるから、普通の人はなれないヨ~)
~~
ナターリア(ブラジル公使)「こんにちはカコテンノー!!」
茄子天皇「ようこそ日本へ♪ ナタちゃん、お久しぶりね。お昼ご飯は何にする?」
ナターリア公使「スシがいいヨ、スシ!! カンパチ食べたい!」
茄子天皇「それなら、この間メアリーちゃんと菜々さんが行ったお寿司屋さんにいきましょうか♪」
ナターリア公使「オーッ!!」
……
茄子天皇「お寿司おいしかった~♪ さてさて、午後からはどんなお仕事がありましたっけ?」
東郷あい(外務大臣)「ロシアのアナスタシア大使がご来訪されますので、ご対応を」
古澤頼子(法務大臣)「それと、減刑予定の受刑者がおりますので、陛下のご認証印を先にいただけますか? こちらは、そのリストです」
茄子天皇「ふむふむ」ペラペラ
・減刑予定者一覧
○城ヶ崎美嘉受刑囚 罪状:公然フヒヒ罪、準強制フヒヒ罪など累計6犯 懲役8年10か月から懲役7年4か月へ減刑
○神崎蘭子受刑囚 罪状:国家内乱罪(魔王軍総帥) 無期懲役から懲役2年に減刑
○日野茜受刑囚 罪状:危険走行過失傷害(ひき逃げ) 懲役3年1か月から保護観察処分(2カ月お米禁止)に減刑
茄子天皇「かわいそう……みんな、減刑してあげてもいいですよね?」
頼子法相「はい。1人目はカウンセリングで精神が安定し、2人目は改心してもはや天使、3人目はわき見ランニングによるもので、内閣では減刑相当と判断します」
茄子天皇「よかった~、それじゃあお願いしますね」認証印ドーンッ!
あい外相「はい、私達が責任をもって対応いたします」
『第3条:天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負う』
(天皇サマのお仕事は、菜々さんや頼子さん達、内閣っていうグループの大臣さん達からアドバイスをもらって決めていくから、だいたい内閣の方で決定してると言えるネ。だから、責任をとるのも内閣のみなさんダヨ~)
+
『第7条:天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、以下の国事に関する行為を行う。【以下、一部を省略抜粋】
・憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
・大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
・外国の大使及び公使を接受すること』
(内閣のみんなからアドバイスをもらって行う、天皇サマのお仕事・国事は、憲法や法律などのルールが変わるヨってみんなにお知らせしたり、刑務所にいる人の刑を変えるのを認めてあげるって言ったり、外国からきた大使さんや公使さん達、偉い人を接待してあげることなどダヨ~)
~~
茄子天皇「ケホケホ…」
一ノ瀬志希(宮内庁病院・医師)「うん、インフルだね。ちょうど、よーく効く注射用のお薬作ったから、これうっとくね~♪」ワクワク
木場真奈美(宮内庁長官)「さらっと言っても薬事法違反だよ。通常の薬品を処方してくれ」
※宮内庁=(ざっくり言えば)天皇家を管理・サポートする人達。
菜々総理「陛下を実験台にしないでください!!」ミミミン!!
志希医師「ぶぅ~、わかりました~」ハイ、プスー
茄子天皇「すいません、木場さん、菜々さん。海外からの公使をお招きしているのに、病に……」コホコホ
菜々総理「いいえ、今はお体の事だけを考えてください。年明けから、国事行為が続きましたからねぇ……私も最近腰が……ハッ! いえ、まだまだ若いですけどね!!」
真奈美長官「今回は、珠美皇太子殿下にヘレン世界公使の接受を委任しております。ご安心の上、ご静養ください」
茄子天皇「ありがとうございます。このお返しは、今度……あ、代わりに国会でましょうか? 代表質問してみたいです♪」コッホコッホ♪
菜々総理「どんな代わり方ですか!? 意味わかってないでしょう……もう、ご心配には及びませんよ。それに、国会という政治的な会議を、陛下にお任せする訳にはいけません」
茄子天皇「むぅ、私だってカンカーンって出来ますよ~」ケホケホ…イギアリ…
菜々総理(なんか裁判と勘違いしてるっぽい……だいぶ、お疲れですねぇ)ミンミーン
真奈美長官「陛下は、陛下である事が重要なお役目です。原則として、重要な国事を行えるのも、日本の象徴であり代表のあなたのみ。それ以外の重き負担を、背負わせる訳にはいきません事を……ご理解ください」
茄子天皇「……はーい」バサッ
真奈美長官(いつもながら、濁すことしか言えないな)フゥ
『第4条:天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する機能を有しない。2項=天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる』
+
『第5条:皇室典範にさだめるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行う。この場合には、前4条1項の規定を準用する』
(天皇サマは、政治や裁判のお仕事はできないんダヨ~。天皇サマが病気や事故なんかで国事ができない時は、代わりの人がご親族の人から選ばれるヨ~。短い期間の代わりなら委任、長い期間の代わりなら摂政って呼ばれる感じダヨ~。細かいネ!)
~~
菜々総理「失礼しまーす」コンコン コココンッ コーココン♪
茄子天皇「はーい……あら、菜々さん♪ 6日と13時間ぶりですね~」
菜々総理「細かっ! すっかりお元気そうで何よりですが、ちょっと怒ってます?」
茄子天皇「お見舞いに来るって言ってくれたから、ずっと待っていて日時まで数えちゃったんですよ~。けど……」シュンッ
菜々総理「す、すいません。国会が忙しくて……」
茄子天皇「覚えていますか、半年前の菜々さん任命式で、約束してくれた事」
菜々総理「ああ、はい……毎週遊びに来るって、約束しましたね」(我ながら何てこと約束したのか)
茄子天皇「それがどうですか? 全然、お仕事でしか皇居まで来てくれない。一緒に任命式をした楓さんは、ちょこちょこ来ては一緒にお夕飯食べたり、ツイスターして遊んでくれたりしてるのに!」プンプンッ
菜々総理「弁明のしようもないですミン……よ、よーし! じゃあ、今日は1日空けますから一緒に遊びましょー!!!」キャハッ☆
茄子天皇「本当ですか!? 嬉しいですー♪」フフッ
高垣楓(最高裁判所長官)「怒った天皇、もう機嫌がなおってんのう」フフッ
菜々総理「いつの間に!?」
真奈美長官(……日本は平和だな)
『第6条:天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する。第2項=天皇は、内閣の使命に基づいて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する』
(天皇サマは、内閣総理大臣と最高裁判所長官を任命してあげるヨ~。あくまで認めてあげるだけで、決めているのは国会や内閣っていう会議ダヨ~……細かいネ!)
~~
茄子天皇「真奈美さーん」テッテッテー
真奈美長官「いかがなされました……その子、は」
白菊ほたる(国民)「……こんにちは」ペコッ
真奈美長官「こ、こんにちは……あの、陛下?」
茄子天皇「この子、お話を聞いたらかわいそうな境遇で……だから、金庫から1億円寄付してあげてもいいですか?」
ほたる「!?!?!?」
真奈美長官「いや、ダメに決まっているでしょう。皇室の財産は国庫から……国民から与えられている、大事なもの。大きなお金を動かす時は、国会にて議決……簡単に言えば、菜々総理達から許可をとらなければいけません」
茄子天皇「ぶぅ、またいつもの不自由……でも、確かに私達がもらうのは、みなさんのお金ですもんね」
真奈美長官「お分かりいただけましたか」
ほたる(うう……聖ちゃんがおもしろい場所だったって言うから、近くを通るついでに来ただけで、こんな事になっちゃうなんて……やっぱり、私って……)
茄子天皇「じゃあ、菜々さんに頼んで『ほたるちゃんを救おう基金』を作ってもらいましょうか!」
真奈美長官「あまり分かってないですね……全く、仕方ない。2人で一緒にお食事をとるぐらいなら、特別にご準備いたします。今回はそれでご納得ください」
茄子天皇「わーい♪」
真奈美長官「すまないが、君もいいかな? 少し、陛下のわがままに付き合ってくれないか。無論、お代はとらないよ」フフッ
ほたる「あ、私は……はい、だいじょうぶです」
ほたる(……ちょっと、幸運かも?)エヘヘ
『8条:皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、もしくは贈与することは、国会の議決に基づかなければならない』
(天皇サマのお家では、大きなお金を人にあげたり、逆に人からもらったりする時も、お国の許可・確認がいるヨ~)
第2章:戦争
~某県某市~
ブロロンブロローン… キュラキュラキュラキュラ…
菜々総理「おはようございまーす☆」キャハッ!
小早川紗枝(防衛大臣)「亜季はん、お疲れさんどすぅ」
大和亜季(統合幕僚長)「あ、安部総理! 小早川防衛大臣!! お疲れ様です! 本日はわざわざ現地まで足をお運びいただき、至極恐縮であります!!」ビッ!
☆統合幕僚長=(簡単に言えば)自衛隊のトップ。
紗枝防衛相「気にしはらんでもええですよ。今日は、アメリカはんの基地を移転しはるんやさかい、うちもお国の防衛を任されとるもんとして、総理の菜々はんと一緒にお顔は出しとかんとあかんなぁって、思い付いただけどすからぁ。それで、首尾はどない?」
亜季幕僚長「はっ、現在は車両・ヘリコプターによる物資搬入作業を行っておりますが、問題なく……規定通りに進行しております!」
紗枝防衛相「……いはった?」
亜季幕僚長「……はっ、基地移転に反対する国民が集まり、現在も敷地フェンス外で抗議集会がおこなわれております。行政への届出もあるので、警備だけ整えて黙認しておりますが」
菜々総理「仕方ないです、よね……」
紗枝防衛相「困ったもんどすなぁ、気持ちはようよう分かるんやけど~……ほんまにお引越ししてもらう訳には、いかへんのやからねぇ」
亜季幕僚長「ですな。中央からの影響もあり、東アジア情勢が多様化・緊迫化する中、守ることのみに特化して先攻武力をもたない自衛隊では、万が一の国防には完全と言えない状況が明確になりつつあります。現代社会に合わない点もあるとはいえ、安保条約を結んでいるアメリカからの助力を得る体制を残存させるのは、必要でしょう?」チラッ
菜々総理 …ミミミン
亜季幕僚長「最も、我が国の原則たる、憲法が……自衛隊の力としての役割が変われば、まだ」
紗枝防衛相「あきませんよぉ、統合幕僚長」
亜季幕僚長「……しかしっ」
紗枝防衛相「うちらはうちら、アメリカはんはアメリカ『さん』。よそさんの力を少し頼っているだけのお話やの。良い悪いがあるにしろ、それだけでも難儀なことやのに、それ以上の考えを勝手に持つんは、ほんまに守らなあかん真っ白な日本いうもんを玉虫色に染めてしまい、日本が日本やなくなるきっかけになってしまいそうで、こわいわぁ。戦いのことを考えると、争いが生まれてまうんよ? それは、忘れたらあきません」
亜季幕僚長「……はっ」
紗枝防衛相「まあ、うちがこんな考えを口にするのも、ほんまはあかんのかもしれませんけど。見逃してくれはる?」ニコッ
亜季幕僚長「それもまた、必要です……だからこそ、私の今があるのです!」
紗枝防衛相「おおきに……だから今は、出来ることをしっかりやって、少しでも国民のみなさんに安心してもらえる防衛を目指しましょう、亜季はん♪」
亜季幕僚長「はっ!」バッ、ババッ!
菜々総理「…………あの! その、なんというか、真面目なのもいいですが! ナナはもっとユーモアを交えてお話した方が、和むと思いますよぉ? キャハッ(・ω<)」
紗枝防衛相「おもろいのんは、菜々はんだけでも十分過ぎるんとちゃう?」ニコニコッ
菜々総理「……はい」
『9条:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。第2項=1項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』
(日本のみんなは平和な生活を続けるために、戦争みたいな危ないことはしないし、危険な外へと対抗する力も持たないヨー。だから、危険なお外への力を常に持っちゃう軍隊もないヨー。自衛隊は日本の中を守るだけで、日本の外へ攻撃はしないからネー……あれ、戦争は1個だけ?)
3章:国民の権利および義務
~国会議事堂 通路~
菜々総理「うぅ……紗枝さん、にっこり怒るからたまに怖いなぁ。場を和まそうとテヘペロしながらひと笑い狙うんじゃなかったウサ……総理はつらいよ」トボトボ
頼子法相「あ、総理。お疲れ様です」ニコニコッ
菜々総理「あ、どうも頼子さん。何だかご機嫌ですね?」
頼子法相「ええ……従姉に子供が生まれたと、先程メールで連絡がありまして。子供の頃は、よく遊んでもらっていた方なので……色々とご家庭が大変なのだけど、すごい、努力家で……私も自分のことのように嬉しいんです」
菜々総理「へぇ~、それは良い事ですね! あ、写真とかないんですか?」
頼子法相「ありますよ、メールに動画が添付してありましたので」フフッ
菜々総理「見せてくださいよ~♪」
頼子法相「構いませんよ……はい、どうぞ」⊃スッ
三船美優(ママ)『無事に、産まれたわ。いつも心配してくれて、ありがとう。これから、この子を守って生きていくために私、頑張るから……迷惑はかけないけど、応援してあげてね』ニコッ
日下部若葉(赤ちゃん)『ふぇぇーん! ふぇぇーん!』ヒック,ヒック
菜々総理「わ……わぁぁ、元気一杯ですね!」
頼子法相「ええ、これで今日から私達の新しい仲間に……政治家としては、日本国民となった事を、誇れる大人に育ってほしいですね」
菜々総理「もう、頼子さん。固いし、気が早いですよ~」
頼子法相「すいません、でも……何だか嬉しくて、色々と考えてしまいますね」
菜々総理「それはよいことですけどね。生まれた時から、大事なお仲間! 大人になるまで色々、ほんとーに色々ありますけど……私達が、守ってあげましょう! この優しそうなお母さんなら、きっと頑張って、その為の努力もしてくれそうですし♪ そういった人達には、相応の社会的な権利があるのです!」ミンッ!
頼子法相「はい……何だか今日は頼りになりますね、総理」
菜々総理「エヘヘ♪」
フフフッ ミンミーン♪
菜々総理(……ん? 今日『は』?)
『10条=日本国民たる要件は、法律でこれを定める』
(日本人と認められることについては、細かくなっちゃうから法律で規定してるヨ~。ちなみに国籍法っていう法律で、出生・認知・帰化で決まるヨ~)
+
『11条=国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる』
(生まれた・認められた時から、日本人としての基本的な権利がついてきて、守ってくれるヨ~。お国からの有効期限なんかもないヨ~)
+
『12条=この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う』
(でも、みんながもらえる権利を自由に使わせてもらうためには、だらだらしたり、わがまま言って周りのみんなを困らせる人になっちゃダメダヨ~。だって、私達みんな……仲間だもんネ!)
~~
☆ある夜☆
コソコソ ……パシュッ(シュワ~)…コクコクコク…
菜々総理「……くぅ~! この一杯の為に生きてるぅぅぅぅぅぅ!!!」プハァ!
佐藤心(内閣官房長官)「こいつはたまんないね☆」
キイィィ…
頼子法相「何やら、お楽しみ……ですね」
菜々総理・心官房長官「!?」ビクッ
和久井留美(総務大臣)「頼子ちゃんから、総理の挙動が不審って言われて来てみれば……また心ちゃんの議員事務室でこっそり黄色い炭酸ジュース飲んで」
菜々総理「うう、だって官邸は報道陣が集まりやすいし、楓さん(最高裁判所長官)がアポなしで遊びにきて溺れるほど飲まされることもあるから、プライバシーもなく何だか落ち着かなくて……いいじゃないですか、今日はもうオフなんですから! 内閣総理大臣にもお休みは必要です、プライベートは個人の時間として尊重して下さいよ! 菜々はこのゆるいプチ飲み会が数少ない幸せなんですから」ゴクゴクゴク
心官房長官「そうだコラ☆ 心の電源オフしたら、総理もイチウサミンなんだからね☆」ゴクゴクゴク
留美総務相「話しながら飲むのやめなさい! 全く、あなた達個人の自由を奪うつもりは毛頭ありません。けれど、2人共自分の立場を考えて下さい。日本の政治を司るトップ2人が、公共の場たる国会の議員事務室でこそこそと……そのまま何もなければいい、とお思いでしょうが、この間は国会外で取材をしていた新聞記者に『ウーサミン、ベーイグン、辺野○建設ぅ1時間~♪ウィ』とか言って問題になりかけたの、忘れたのですか?」
菜々総理「ぐうっ!」
心官房長官「あれはワロタ☆」
頼子法相「不幸中の幸い、取材が東○スポーツだったので誰も信じず、不可思議な程うまくごまかせましたが……それだけ、あり得ないお話……なのですよ」ズイッ
菜々総理「うう、すいません……総理、もう公共の場では飲まないですから」
心官房長官「まあ、しょうがないよね。さすがに分かってたし、ヤバいのはさ……はぁとのスウィーティーハウスにご招待してあげるからぁ、ゆっくり飲もうぜ総理♪」
菜々総理「ううっ、菜々の真の味方は心ちゃんだけですよ~!」
心官房長官「今夜は寝かさないぞ☆」
留美総務相「もう……ほどほどにね」フフッ
頼子法相(情報統制だけ心づもりしておかないと……)
『13条=すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする』
(基本的な人権がみんな認められているから、1人1人が幸せ~になる為の行動の自由も認められているし、守ってくれるヨ~。けど、これも周りの人やものに迷惑かけるようなことをするのはダメダヨ!)
~~
☆内閣総理大臣公邸☆
チュンチュン…
菜々総理「今日はいい天気ですね~。予算委員会がすんなり進みますように……」
??「何やったんだ森久保ぉ!!!!」
菜々総理「!?」
森久保乃々(メイド)「あ、うう……ご、ごめんなさい」ブルブル
菜々総理「ど、どうしたんですか!?」テテテーッ
向井拓海(メイド長)「あ、総理。いや、こいつが花瓶を落っことしてしまいましてね……まあ、寸前のところでアタシが花瓶をキャッチしたんで割れずにはすみましたが、水は全部こぼれて床がこの有様です」ビシャビシャ
菜々総理「あらら」
乃々メイド「うう、すいません……す、すぐに吹きます、から」
拓海メイド長「全く、これじゃあよぉ……震えながら拭きますじゃねぇよ、ダメだな森久保ぉ! お前みたいな弱い奴は分をわきまえろよ、できる訳ねぇことしてんじゃねぇよ!」
乃々メイド「ひっ!」ビクッ
菜々総理「あ、あのあまり強く叱らないで! それに、そんな……いじめというか、最近世に多いパワハラ的な言い方は!」
拓海メイド長「お前みたいなちっこくてなよなよした奴が、総理の無駄に重いウサミン花瓶を持ち上げようとするんじゃねぇよ、万が一落としたらお前がケガして危ないだろうが、ああっ? 森久保にはもっとお似合いの、小さくてかわいい仕事があるからそっちだけやっとけっていつも教えてるだろうがコラァ!」
菜々総理「……ん?」
乃々メイド「うう、すいません……いつも、大変な事はメイド長に任せてばかりだし、その……たまには頑張らないと、お仕事なくなっちゃうし」
拓海メイド長「その気持ちだけで癒されるんだよバカ野郎!! 何があってもお前の仕事はなくならないし守ってやるから与えられた細かい仕事を一生懸命やってればいいだよ小リスか森久保ぉ!!」
乃々メイド「わ、わかりました…………あ、あの」
拓海メイド長「ああん? まだその小さな口でアタシになんか言ってくれるってのかコラ」
乃々メイド「あ、ありがとう……ございます」ペコッ
拓海メイド長「ん、おお……」
乃々メイド「……お掃除しますね//////」モジッ
拓海メイド長「……おお」
菜々総理(……なんか言えや!)
緒方智恵理(メイド)「よいしょ、よいしょ」テクテク
拓海メイド長「っ! 智恵理コラァッ!」ドドドドドッ
智恵理メイド「ひっ!?」ビクッ
菜々総理「あ、今度こそ……」タタタッ
拓海メイド長「お前もほっそい腕で力ない癖に、何ちょーしこいて重い荷物を1人で運んでんだよ、ああ? 調理場の補助と建物全体の掃除補助、それと庭の手入れをみんなとやって身体に負担のかかる事を1人であまりやらなくていいって教えただろうがコラァ!! ウサギは力が弱くて寂しいと死ぬの忘れんなよ!!!」バッ
智恵理メイド「あ! で、でも……私、なんだか簡単なことばかりで、申し訳ないから……ちょ、ちょっとした荷物を運ぶくらい、1人でも平気、です」
拓海メイド長「その他人の為に自分を犠牲にする精神は社会人として素晴らしくてカワイイけど周りのアタシが心配だからやめろコラァ!!!」
智恵理メイド「メイド長……」キューン(PERFECT COMMUNICATION!)
菜々総理(……まあ、知ってた)
拓海メイド長「おら、これはアタシが運ぶから。表に出て、庭師の相葉さん手伝ってこいよ」
智恵理メイド「わ、わかりました」テテテ…
拓海メイド長「……おい」
智恵理メイド「は、はい?」クルッ
拓海メイド長「四葉のクローバー、今日は見つけてこいよ」
智恵理メイド「……はい!」
菜々総理(まあ、いじめやパワハラなんて事もなくて何より……少し気の強い子だけど、みんなをまとめるあのリーダーシップがありますね~♪)ミンミン
菜々総理「ふふっ、今後も期待してますよ♪」
拓海メイド長「あん? いつまで公務さぼってだらだらしてんだよ、総理。アタシら以上に役割大きくて大変な仕事してんだから、もっと真面目になってくれないと困るんだよ疲れを知らないウサミン星人だろコラァ!!」
菜々総理「は、はいいい!!(何で私には厳しいの!?)」
『14条=すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない(第1項のみ抜粋)』
(日本に住んでいる人はみーんな平等だから、出身星や考え方、能力や性別、家柄なんかが違っても、生活していく事に大きな差を付けたり、弱い立場になることもないヨ~。あ、天皇サマのお家は除くヨ? 拓海さん達みたいに、お仕事の必要な役割で『違い』が出る事も、また違うけどネ~)
~~
注)いまさらですが、年齢麺はあまり気にしないで下さい。
堀裕子(サイキック党代表)「我らがサイキック党は、いずれ政権与党第1党につき、全国のみなさんのサイキックパワーを元に日本の政治を抜本的にサイキック改革することで、よりよい豊かな社会と経済を作り上げていき、世界のサイキックジャパン国家を設立することを、ここに! 改めて! 宣言致します!!! その一歩として、この町のみなさんのお役に立ちたいのです!! みなさんのサイキック清き一票を、サイキックな世の中をここから作り上げていくために! 本御城市会議員選挙では我等の候補者へなにとぞよろしくお願い申し上げまーす!!!」
星輝子(市会議員候補)「ヒャッハー!!!!!!」
パチパチ、パチ…パチ…パチ、パチ…
橘ありす(市民)「……選挙の時期ですね」
宮本フレデリカ(市民)「そうだね~」
イブ・サンタクロース(市民)「……決めました、今年はあの人に100票入れてあげましょうか~♪」
橘ありす「あの……外国籍のイヴさんには日本の選挙権はないですし、仮にあっても1人1票しか無理ですよ」
イヴ「ガーン!! ブ、ブリッツェンは?」
ありす「い、いや……論外でしょ」
ブリッツェン(トナカイ?)「……っ!」ダダーッ!!
イヴ「ああ!? ブリッツェンどこいくのー!?」テテテーッ
ありす「ああ、2人共……いえ、1人と1頭?」
宮本フレデリカ「細かいなぁ、ありすちゃん。何とかなるなる~♪ ところで、何の選挙だっけ?」
ありす(この人は……どっちだっけ?)
『第15条:公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である(第1項のみ抜粋)』
(お国や都道府県・市町村さんの代表である議員さんは、国政投票や地方投票という、国民・住民の選挙で決めるヨ~。また、ケンカにならないように、選挙権をもつ1人につき1票ずつ、自由に投票できる平等な選挙ダヨ~。最近は、地域の差が問題にもなっているけどネー。あと、日本の政治・ルールを決めることだから、外国の人は基本的には選挙できないヨ~。残念!)
~~
双葉杏(巡査)「はぁ~、今日もまちは平和ですな~」ボリボリボリボリ…ズズーッ
プルルルル…プルルル
杏巡査「ちっ……(ピッ)はい、こちら御城公園前派出所」
浅利七海(巡査部長)「おつかれさまれす~、県警本部県民サービス課のおさかなポリス・浅利七海れすよ~♪」
杏巡査「そんな役職初めて聞いたけど……で、何~?」
七海巡査部長「はーい。私たちの窓口に、『選挙活動自粛・是正の要望』に関する市民からの署名文書が提出されたのでご報告いたします。どこかの政党の候補さんが、ちょっと強引な選挙活動とあやし~い広報運動をしているとのことで、活動を自粛するか是正してもらえないかなぁという要望れす~」
杏巡査「ふーん。でも、なんで杏のところに?」
七海巡査部長「その候補者の活動エリアが、御城公園前派出所の管轄内だかられすよ。こまかい文書はすぐにFAXしますが、パトロール中にそういった活動を見かけたり、市民の方から依頼があったら適切な対応をお願いいたします~」
杏巡査「ええ~、めんどくさ。その言い方だと、別に選挙活動そのものが違法って訳じゃないんでしょ? 書面だけ受理しといて、どうするかは割と自由」
―ピッ
杏巡査「あ、ちょっと……くそっ、切られた」ピッ
ピピーガーッ…
杏巡査「FAX早いし……まあ、パトロールなんていかないから、だいじょうぶかな。市民が直接、のり込んでくることもないだろうし」ボリボリ
オマワリサーン!
杏巡査「……」ボリボリ
福山舞(市民)「あ、いたいた! 助けておまわりさん!! 私のおうちの前で、あやしい人たちがあやしいものを配って、あやしい勧誘してるの!! 多分、選挙の人達だろうけど……あやしいの!」キコキコキコキコキコ キーッ!
杏巡査「一輪車に乗ってまで、急いで通報しにきてくれたところ悪いけど。杏、おせんべい食べたあと飴なめなきゃいけないから忙しいんだ。来週にして」
舞「ぜんぶおそいよ!? いいから、町のおまわりさんでしょ! 住民がこまっているんだから、来てくださいよ! お仕事してー!!!」グイグイ
杏巡査「ちょっ、髪引っ張るなよ! いたた……もう、仕方ないなぁ。いくよ、いきますよ。まったく……多分、これだろうし」ピラッ
……
大沼くるみ(市民)「ふえぇ……」ガタガタ
輝子候補「フヒ、ヒ……こ、このキノコを食べれば、すごい力が湧いてきて、元気になるし……サイコーだせー!!!」ヒャッハ-ッ!!
裕子S党代表「このパワーで、新たなる世界の力が開けます。その力は、自分を変え、周りを変え、町を変え……なんやかんや世界を変える大きなサイキックになります!! さあ、このサイキック・きのこをぜひお試しください!!」ズイッ
ズキューンッ!!!
くるみ「!?」\ビシィッ!/裕子・輝子「!?」
杏巡査「そこまでだー、それ以上その子にあやしい勧誘すると撃つよ~」
裕子S党代表「も、もう撃ってるじゃないですか!?」
杏巡査「いや、言ってみたかっただけだし。暴漢を抑えるのは、最初に威嚇するのが1番ってね~……で、何やってんの? その子、怖がってるよ」
舞「くるみちゃん! もう大丈夫、おまわりさん連れてきたよ」タタタッ
くるみ「ふえぇ~ん、舞ちゃんありがとう! あやうく、あやしいキノコを食べさせられるところでしゅ~!」ギューッ
杏巡査「なるほど……危険ドラッグの密売か、とんでもない事を」
裕子S党代表「し、失礼な! 私達が自家栽培しているサイキックきのこは、ちゃんとしたものです! 普通のきのこです、いや普通じゃないけど!! 体力増強・滋養強壮に優れて若返り効果まで期待される事もある、きのこであって、きのこを超えた……アレです!!」
杏巡査「やっぱり駄目じゃないの?」
輝子候補「フ、フヒ……これ、きのこのチラシ」⊃ピラッ
杏巡査「チラシ? あ、キノコのこと書いてある……ふむふむ、品種改良した栄養豊富なキノコ、ちゃんと農水省や厚生労働省の関係機関も認めてる、まともじゃん。じゃあ、そこはいいけど……それで選挙勧誘は違法じゃない?」
裕子S党代表「い、いえいえいえ!! 私達はただ、党の副業(別法人)として生産しているサイキックきのこの街頭PRをしていただけです。それ以外の意志はありません!! しかし、私達の自己紹介をする中でそういった会話が出て、合わせて紹介するようなニュアンスの説明がでることもあるかもしれませんが、それに選挙運動の意志をもっておこなってはございません!!」
杏巡査「……うん、考えるのがだるいから、市民からの願い出を重視してアウトで逮捕なーのだ~」
裕子S党代表「あなたほんとに公務員!?」
輝子候補「そ、それだけは、ご容赦を……」
舞「あ、あの……私達もそこまでは、ね?」
くるみ「う、うん……へ、変なことせずに、帰ってくれればいいでしゅ」
杏巡査「あ、そう?(まあ、逮捕状ないし元々無理だけど) それならそれでいいけど、杏の仕事はあなた達のお願いがあればこそだし……今回は見逃してやるか」
裕子・輝子「ホッ」
ウー…ウーッ!
裕子S党代表「え!? こ、この音……」
杏巡査「ありゃ、サイレン近付いてくるね……てか、もう見えるよあっち、パトカーが。誰か他の住民が、あなた達の事を通報したのかもね」
輝子候補「フ、フヒ……こ、これは、ダメです、ね」
杏巡査「まあ、はしゃぎ過ぎたね……イメージダウンで今回の選挙はダメになっちゃうだろうけど、まあ次がんばりなよ。捕まらないように、そこそこ弁護はしてあげるから」
裕子S党代表「そ、そんな……サイキックしょんぼり」ガクー
ウー…キキーッ、バンッ!(バタバタバタ)
八神マキノ(御城警察署 生活安全課・巡査部長)「このあたりで、拳銃の発砲音が聞こえたとの通報があってきたのだけれど」
杏・舞・くるみ・裕子・輝子「…………」
『第16条:何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をした為にいかなる差別待遇も受けない』
(みんな、お国や地域の公務員さんに対して、社会で起きるトラブルや、公務員さんの活動やそのルールに関して、直してほしい・やめてほしいっていうお願いを求めることができるよー。それは、特別な待遇を受ける・後から嫌なあつかいを受けることもない、国民みんなが普通にできることだよー。お願いした後の活動までは、細かく決められてないけどネー)
~~
カシャカシャカシャカシャ…
川島瑞樹(御城警察署署長)「……このたびは、本警察署管内の派出所勤務巡査による不適切な拳銃使用により、地域住民の皆様に社会生活への不安感を抱かせてしまいました事、そして、結果として……サイキックフフ党代表および候補者による御城市議会議員選挙活動を不当に妨げてしまいました事、総括する警察署長としてお詫び申し上げると共に、今後の再発防止に努めてまいります」スッ…ペコッ
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ…!!
……
瑞樹署長「……疲れたわ」フゥ
斉藤洋子(副署長)「お疲れ様でした! こんな会見、配属されてから初めてでしたけど無事に終わってよかったです。地元の新聞やテレビでは、しばらく報道されるでしょうけど、そこまで深くは追及されない『大きさ』ですね……初期対応の早さが幸いでした!」
瑞樹署長「ええ、元々は選挙活動に対する地域住民の不安・陳情への対応からきているもの。過剰ではあったけれど、その対応は評価してあげないと……さすがに何もなしは納得されないから、担当者の処分はするけれどね」
洋子副署長「処分と言えるものかはわかりませんが……あとは、県に損害賠償請求を起こしている方々への対応ですね」
瑞樹署長「ああ。会見の後に連絡あったけど、サイキックw党側は損害賠償請求を取り下げるそうよ。元々、精神的損害だけで、会見で謝罪を受けたことで十分に納得したって……まあ、あまり騒がれて問題の根底を掘り下げられてたくないのでしょ」
洋子副署長「それなら最初から訴えなきゃいいのに! それじゃあ、あとは発砲した銃弾が飛び跳ねちゃって、おうちの窓ガラスに当たった白菊さんのお宅へ対応するだけでよさそうですね。そこまで大きな金額にならず示談となるでしょうが、県と打ち合わせしながら誠実に対応させてもらいましょう!」
瑞樹署長「会見を見て、『近所で銃が撃たれるなんておそろしい、怖くて外出できなくなったからカウンセリングを受ける……精神的損害だ!』とか言い出す住民がでてこなきゃいいけど……下手に出すぎたかしら?」ハァ
洋子副署長「あまり考えすぎると、お肌に触りますよ」
瑞樹署長「それは困るわ!! 困るわ、これ以上は……ないわ!!!」
洋子副署長「だ、だから考えすぎですって……そうだ! お仕事終わったらサウナで汗でも流しにいって、嫌なことは忘れちゃいましょうよ! 身体にもいいですし♪」
瑞樹署長「あら、いいわね。帰り道にある、スーパー銭湯よね? あそこのレストラン、美容にいいお料理も多いからちょうどいいわ! そうと決まれば、今日中にやるべきことやってさくっと帰るわよ!」
洋子副署長「おー!」
『御城公園前派出所勤務 双葉杏巡査 千川○○年○月○日より、勤務中の飴を禁ずる(3か月) 御城警察署長 川島瑞樹』
杏巡査「お、鬼! 悪魔! アラサー!!!!」
『第17条:何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる』
(公務員さんがお仕事中に国民のみんなに悪いことしちゃって、人やものに損害が出ちゃったら、みんなはその人が働いている場所、お役所や警察署なんかに弁償して!って、請求できるんだヨ~。ただ、公務員本人さんには直接請求できないんだヨ~。子供がやった悪い事は、お母さんやお父さんが代わりに謝るって感じカナ?)
~~
―いったい、私はいつからここで……はたらいているのだろう―
ゴゥンゴゥンゴゥン……ゴゥンゴゥンゴゥン……
岡崎泰葉(作業員)「……あぅっ」コケッ!(スザー)
乙倉悠貴(作業員)「大丈夫ですか、泰葉さんっ!」タタッ
泰葉「う、うん……だいじょうぶ、少し疲れちゃって」エヘヘ
悠貴「ここに移されてから、2週間以上毎日朝から晩まで長い時間、お仕事してますからね……監督に頼んで、休ませてもらいましょうっ!」
ピピーピピピピー!!!
小関麗奈(現場監督)「こら、そこの2人! 何サボってんの、目の前の作業に戻りなさい!!」タタタタタッ
悠貴「ま、待ってくださいっ! 私は戻ります、けど泰葉さんはだいぶ身体が弱っているんですっ! 今日は……少しだけでも休ませてあげて下さいっ!」
泰葉「悠貴ちゃん、やめて……」
麗奈監督「はぁ? そんなのダメに決まってるでしょ!! ただでさえ全体の作業工程が遅れてるのよ? そもそも、多額の借金で『人』としての身分を売られたあんた達に、労働への文句を言う権利なんてものはないわ!! 死ぬまで働き続けないよ!!」
悠貴「そ、そんなっ」
麗奈監督「それとも、痛い目に遭わないとわからないかしら?」ピシッピシッ
悠貴「う、うう……でもっ」
泰葉「だいじょうぶです」スッ
悠貴「泰葉さんっ」
泰葉「すいません、作業に……戻ります」ヨロッ
麗奈監督「……フンッ! 手間取らせるんじゃないわよ!! 次は最初から、承知しないからね!!」テクテクテク
悠貴「……くっ、こんなの地獄じゃないですかっ……」
泰葉「だいじょうぶ、だいじょうぶ……だから、がんばろう。私は、へいきだから……ね」ホロッ
悠貴「泰葉さんっ」ウルッ
麗奈監督「金で売られた家畜共!! バカな考えはやめて、作業に集中しなさい!! さもないと報酬のスタドリ減らすわよ!!」 …ザワザワザワ…
悠貴「そ、そんな! スタドリがないと私達は」ガクガク
泰葉「……わたしが、がんばらないと……」
―バターンッ!
麗奈監督「!?」
南条光(御城警察署 刑事第3課・特殊組織犯罪対策係長 警部補)「全員動くな!!! 警察(ヒーロー)だ!!!」ドドドドドドド
麗奈監督「ガサ入れ!?」
ドタドタドタ\ワーッ!! オトナシクシロー!!!/バタバタバタ
悠貴「や……やった、警察、警察ですよっ!! これで、私達助かりますよ泰葉さんっ!!」
泰葉「……」ドサッ
悠貴「泰葉さんっ!?」
光警部補「むっ、どうした君達!! 大丈夫か!」タタタッ
泰葉「だ、いじょうぶです……安心したら、足の力が抜けちゃって」エヘ
光警部補「無理もない……工場に閉じ込められて、長い間過酷で無法な奴隷労働を強いられていたんだ。捜査の末、何とかここを突き止めたのだが……すまない、だいぶ遅くなってしまった」
泰葉「いえ、そんな……ありがとう、ございます」
悠貴「あ、ありがとうございますっ!!」
光警部補「礼を言うのは、ここを出て社会にちゃんと復帰できてからにしてくれ……こんなところじゃ、お祝いのケーキも用意できやしない」
泰葉「……フフッ」
マキノ巡査部長(生活安全課からの助っ人)「光課長、ブツです」⊃スッ
光警部補「ああ……これは、危険ドラッグの元か?」
麗奈監督「ち、違うわ! 私達は、労働環境はともかく違法な食品は扱っていない!! それは全うなサイキ……いえ、何でもない」プイッ
光警部補「調べればすぐに分かる事だ。現場監督および運営会社社員は全員聴取をとるから、連れていけ。労働者は簡単に話を聞いてから保護し、病院へ搬送する……もしも症状が危険な方がいれば、聴取はいいからすぐに搬送だ。いいな」
マキノ巡査部長「了解しました」
光課長「ドラッグ、いや、きのこか……根は、意外に深いかもしれないな」
麗奈監督「くっ……覚えてなさいよチビ監督っ!!」
光課長「ちっちゃくない!! まだ伸びてないだけだ!!」
マキノ警部補(結局今は小さいじゃないの)
『第18条:何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない』
+
『第27条:すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。第2項:賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。第3項:児童は、これを酷使してはならない』
(みんな、無法な理由で無理に働かせたり、閉じ込められたりするような辛いことにあう事はないんダヨ~。日本のみんなには、「こういう風に働いて・働かせなきゃダメだよ!」っていう、雇う人と雇われる人のルールを守って働ける社会の権利と、みんなの社会にある人として働いていく義務があるんダヨー。色んな、ちゃんとした理由で働けない人もいるけどネ。子供の内はあまり無理して働いちゃ・働かせちゃダメダヨ!)
~~
ワーッワーッ!
結城晴(CMF)「パース!」ドカッ
的場梨沙(LW)「え、えーい!」バシィッ!
―ヒューン…
佐城雪美(GK)「……はずれ」フフッ
龍崎薫(CB)「ふぁー!!」
佐々木千枝(ST)「薫ちゃん、それはゴルフの時に言う掛け声だよ」フフッ
晴「またかよ、もう! 何やってんだよ梨沙!」
梨沙「な、何よ……あんたのパスがちょっと浮いて、蹴りにくかったの! あれじゃ、全然気持ちよくボールをけれないわ! もっとフォワードの気持ち考えてパスしなさいよ!」
晴「何ぃ!? 梨沙の反応がおそいからだろ、だから浮いているタイミングでけることになるんだ!」
梨沙「それも含めて、あんたの計算不足よ!」
晴「こ、こいつ!」
櫻井桃華(DMF)「2人共、落ち着きなさい! お父様やお母様も見てくれているのですのよ! はしたない真似はおやめなさい!!」
ピーピピー!\ギャーギャーッ!/
大西由里子(カメラマン)「……」カシャカシャカシャカシャカシャ
荒木比奈(若手教師)(今回のカメラマンさん、すごく真剣に撮ってくれてるッスね……こんな小さな学校の体育祭でも、きっちりやってくれるなんて。よいカメラマンさんを雇えたものッス! ちょっとお礼をかねて、お話聞いてみようかな……)テクテク
比奈先生「お疲れ様です」
由里子カメラマン「あ、お疲れさまでーす」
比奈先生「どうです、いい感じですか?」
由里子カメラマン「フッフッフッ、バッチリですじぇ……いやぁ、正直言って最初はあまりやる気なかったんですけど、撮っている内に気持ちが変わってきましたね!」
比奈先生「あら、そうなんですか」(まあ、カメラマンって人の仕事でもないからなぁ……)
由里子カメラマン「いいものですね、小学生の純粋な想いを吐き出す、未熟な青い絡みも……あのフォワードのツンツンツインテとミッドフィルダーの男の娘、それを支える中盤のママン……これが新たなる親子丼【ファミリー・セット】! このニュージェネレーションに、イマジネーションが湧きあがってくるぅ!!」カシャカシャカシャカシャカシャカシャ
比奈先生「ちょ待てよッス」ガシッ
由里子カメラマン「何?」
比奈先生「いや、何か……生徒をやらしーい目でみて、変な想像していません? そういうの、こういう場で口にされると困るんスけど……」
由里子カメラマン「大丈夫です、卑猥なのはいつだって妄想!! 現実とは完全に分けていますし私のストライクゾーンでもないので、小学生は健全なままです!!!」キリッ
比奈先生「声大きいッスよ!! ちょっ、最近ヤバいんですからそういう発言!」
由里子カメラマン「言わせたのそっちだじぇ?」
比奈先生「肯定されるとは思わなかったんで……まあ、頭の中だけなら自由ッスけど、行動に移さないで下さいね?」(今更、クビには出来ないし)
由里子カメラマン「分かってますって、あたしもこれでプロですからぁ♪ やってはいけないセーフティラインをもって、やらせていただいていますじぇー……あ、試合再開した」カシャカシャカシャ…
比奈先生「……それじゃあ、私はこれで……」スッ
古賀小春(RWB)「えい、パスカット……きゃっ!」ステンッ
遊佐こずえ(DMF)「こはるー、だいじょうぶ? おなか、まるみえだよー?」
由里子カメラマン カシャシャシャシャシャシャシャシャシャッ
比奈「アウトッス」ガシッ
『第19条:思想及び良心の自由は、これを侵してはならない』
(好き嫌いがあるように、人やものへの価値観や考え方は人それぞれ、自分の心の中でどんな事を思うのかは自由だヨ~。でも、他の人に伝える時はトラブルになっちゃうこともあるから、よく考えようネ!)
~~
―日本サイキック学会 本部―
輝子(学会員)「……残念、でした」
裕子(S党党首)「地域でのトラブルで活動がしにくくなったのが、サイキックパワーに影響しましたね! くっ、いつも通りなら……っ!」ギリッ
依田芳乃(日本サイキック学会会長)「今回は仕方ないのでしてー。輝子さんは学会の広報活動に専念していただき、裕子さんは国会での予算委員会に向けた党内調整に集中してください。あと、強引な布教活動は控えて下さいませー。わたくしたちは、あくまでも望みある民の導き手……その手を見定め、共に手をとるも、掴みはいたしませんー。国の政(まつりごと)にも、極力関与しないのが現の法でしてー」
裕子・輝子「かしこまりました!」フヒッ
テクテクテク……ガチャッ
芳乃会長「……やはり、民にはまだまだ超常的な力を認識し、受け入れる器のあるものが少ないようでしてー。倭の国は制約も多く多難な道筋……政に関わらなくとも、祀りが起こさねばなりませぬー。少しずつ地から天に昇りゆくのが、最良の一手でありましょうかー」
―ぶおぉぉ~ふおおぉ~…
芳乃会長「わたくしです」ピッ
あやめ(学会員)『ニンッ! 大変です会長、【触媒のほこら】に警察の捜査が入りました!』
芳乃会長「……きましたのですねー」
『第20条:信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。第2項:何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。第3項:国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。』
(宗教は何を信仰・するのか個人の自由ダヨー。そして、そういった個人の信仰・信教にお国や市町村さんが制限をかけたり、権利を与えちゃったりするのは、自由を妨げたり差がついちゃうかもしれないから、ダメダヨー。お国や市町村として、宗教への活動を行うのもダメダヨー)
~~
プルルルル…プルルルル…
由里子「はーい、大西です」
仙崎恵磨(編集社員)「おはようございます、『コミックRuru―C@n』仙崎恵磨でーす!!!!」
由里子「うるさっ! もう、声大きいじぇ恵磨さーん」
恵磨編集「あ、すいません!! てか、大変ですよ由里子さん!!! 先日校了して来月号に載せる予定だった漫画、直前に裁判所から出版差し止めの仮処分が通達されて出版停止になりました!!」
由里子「な、なんだってー!!! そんなの、ダメだじぇ!! 出版してから商業誌として表現がアレだからダメ~とかならまだしも、出版前に差し止めって……許されないよ、表現や出版の自由はどこにって話だじぇ!! そんなの、認められるもんなの!?」
恵磨編集「いやぁ、なんか市役所や警察が言ってくるのと違って、裁判所の差し止めは法的にオッケーっぽいんスよねー! あ、うちからも抗議はしたんですよ!? それで、少なからず確認したんスけど……なんでも、発売前の広告POPをみて、『登場人物がうちの学校の生徒とあきらかに酷似していて、かつ内容が卑猥なものッス! この名前の人、カメラマンもしてるッスよね!?』とかいうタレこみから、動きが始まったらしいッスよ!! これ……心当たりあります!? 先生のオリジナルですよね!?」
由里子(……ついついイメージのままに、描き過ぎたか。せめて、R-15くらいのノリにしておくべきだった……じぇ)
『第21条:集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。第2項:検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない』
(自分の考えていることを、本やブログで発表したり、みんなで集まってアピールすることは自由にできるヨー。でも、他人さんに迷惑はかけちゃダメだし、その為の情報収集まで何でも自由にしていい訳でもないヨー。あと、お国や市町村さんの人(行政機関さんだヨー)が、発表前の表現するものを制限するのは難しいヨー。裁判所の命令は基本的に別だけどネー)
~~
泰葉「……♪」(平和だなぁ)
悠貴「泰葉さーんっ!」テテテッ
泰葉「あ、悠貴ちゃん。おはよう」
悠貴「おはようございますっ! 1週間ぶりですけど……お元気そうでよかったですっ!」
泰葉「悠貴ちゃんもね。それじゃあ、ご飯食べにいこっか」
悠貴「はいっ!」
……
悠貴「色々大変でしたけど、家族の借金もなくなって、よかったですよねーっ!」モグモグ
泰葉「借金自体、元々が無茶なものだったみたいね。何でも、どこかの宗教団体が金融業者に絡んでて底が深いって、あのカワイイおまわりさんが言っていたから。事業がうまくいかなくなってきたからって、お父さん達、判断力がつい弱くなっていたみたい……今はもう、大丈夫みたいだけど。出来る限り、支えていかなきゃな」
悠貴「泰葉さんは、これからどうされるんですか?」
泰葉「私は学校に戻って、元々通っていた劇団でお芝居のお勉強をするつもり」
悠貴「おお、すごいですねっ! 将来は女優さんですかっ!」
泰葉「フフッ、そんなお仕事ができるようになったら素敵だけどね……大学にも、進学したいからお勉強も頑張らなきゃね。悠貴ちゃんは、何か将来の目標はある?」
悠貴「わ、私はっ……その、小さい頃からカワイイ女の子、アイドルやモデルさんにあこがれていたので……そういうオーディションなんかに、チャレンジだけでもしてみたいなぁとか、思ったりしてますっ! 思うだけですけどねっ///」
泰葉「フフッ、すっごくいいと思うよ。悠貴ちゃん、スラッとしていてスタイル良くて笑顔もカワイイから、アイドルでもモデルさんでも、チャレンジしたらきっとなれるよ」
悠貴「ほ、ほんとですかっ!?」
泰葉「うん。もしもテレビに出たり、海外のロケが決まって、ガールズコレクションとかのイベントに出演とかにもなったら……私も誘ってね♪」
悠貴「はいっ! あ、いえっ! そんなこと無理ですよーっ!」
ハハハッ フフフッ
泰葉(自由に、学校やお仕事の夢を語れる……こんなに、幸せな事だったんだ)
悠貴(大事にしよう、この時間、この気持ち。大事な人との約束を叶えるんだっ)
泰葉・悠木(自由に、夢や希望にあった仕事について、また、ずっと笑いあう為に……頑張らなきゃ)
……
杏巡査「……決めた。杏、おまわりさんやめて日本よりのんびりだらだらできる、マルタ共和国の飴職人になるんだ。そしたら年中だらだらしながら飴食べ放題じゃん!? ヒャッホーゥ! 安定した給与だけが魅力のブラック公務員より安定した飴祭りじゃー!!」ハァハァ
兵藤レナ(巡査長・同僚)「飴が食べられなくて、思考力が低下してるわね……そんな夢でも希望でもない妄想ギャンブルはやめて、周りに迷惑をかけるような暴走はしちゃダメよ」
若林智香(巡査・同僚)「あと2カ月半で解禁だから、ファイト☆」ポンポン
杏巡査「うう……働かない自由がほしい」ガクッ
『第22条:何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。第2項:何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない』
(住む場所やお仕事は、自由に選んでチャレンジはできるヨー。あと、海外へのお引越しや旅行、出身地を変えちゃうこともできるヨー。もちろん、他の人やもの、お世話になる社会での条件があったりする場合、叶うかどうかは変わってくることもあるけどネー)
~~
五十嵐響子(妻)「……」チラッ
コッチコッチコッチ…カチッ
響子(もう、12時……いや、また12時、か……)
…ガチャッ 響子「っ!」トテテテテ…
響子「おかえりなさい、あなた♪」ニコッ
椎名法子(夫)「ああ、ただいま」フゥッ
響子「お疲れ様です、今日もお仕事ご苦労様でした。あの、ご飯」
法子「あ、ああ……ごめん、外で済ませてきたから。お風呂に入って、すぐに寝るよ」スタスタスタ …ピラッ
響子「ん、はい……あら?」 ピラッ
響子「―っ! 待ってください!!」テテテッ
法子「なんだい、大きな声を出して」クルッ
響子「この写真は……どういう、こと」スッ
法子「そ、それは!! しまった、ポケットから……ううっ」
響子「あなたがこの1週間ずっと……いえ、少し前からたまにありましたね。日付が分かる頃になってお帰りになって、ご飯も食べてくれずに寝てしまうこと。それは、お仕事が忙しいからだと理解して……ずっと、耐えてきたんですよ。例えまた遅くなると分かっていても、じっと、毎晩のご飯を用意して……なのに、この写真はどういうことですか!? こんなの……っ!」⊃バッ!
『エヘ顔ダブルドーナツ法子「ドーナフおいふぃー♪」モグモグ』 ※夫のセリフは妻のイメージです。
響子「今までお帰りが遅くなっていたのは、私のご飯を食べてくれなくなったのは……ミスター○ーナツでたくさん食べてきたからなんですね!?」
法子「うう、だって……今だけ10種が1個100円(税込)なんだもん」
響子 ガーンッ!!
響子「ひ、ひどいっ! 妻の料理より、家電量販店の在庫一掃・閉店セール並みに定期的な100円(税込)売りの工場生産スイーツをとるのねっ!」シクシク
法子「なかなか嫌な表現を……い、いいじゃないたまには!」
響子「たまにじゃなくて定期的ですからぁ!!」
法子「うう……」
響子「結婚してから、3年目……そろそろ慣れや飽きがくるのかな、ちょっとした小休憩よ、また新婚当初のように(色々と)愛し愛されうふふっふー♪な関係が戻ってくるのよわかるわと、耐えていましたが……まさかドーナツに浮気していたなんて!」クッ
法子「ごめん。けど、私はドーナツから、離れられない。君に愛されるよりも、ドーナツを愛したいんだっ。だから、キャンペーンがあれば……優先したい」
響子 ガガーンッ!!
大原みちる(トイプードル)「響子さんのご飯とミス○ードーナツ、どっちもおいしいですから選べないですワンね!!」
響子「おすわり、待て。もうっ、ドーナツには勝てないのね……そんなあなたに、私は、もう……この夫婦関係に耐えられない。あなたの為に協力できないし、この生活を維持なんて……できない」
法子「そっ……わ、わかったよ。すべての責任は、私にある。何も言えないさ。ちゃんと、慰謝料は(ドーナツで)もつから……別れよう」
響子「っええ……明日にも、役所へ書類を取りに行ってきますから」
法子「ああ……ごめん」
響子「世の中、ドーナツの様に先が見通せて、全てが丸く収まることばかりなんて……ないんだからっ」ダダッ
法子「あ、響子さんっ……くそっ!」ダンッ
響子・法子(なんでこんなことに……そもそも、ミスター○ーナツが中途半端に期間限定な安売りをせず全商品100円(税込)にしてくれていれば……)
みちるプー「よく分かりませんが、どっちも食べて愛してあげればいいんじゃないでしょうかワン? あとは、響子さんにドーナツ作ってもらうとか」
法子「―っ! ……響子さんっ!」ダダッ
みちるプー「ご主人! パンも作ってもらう様にお願いしますワン!!!」
『第24条:婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。第2項:配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない』
(結婚はお互いに大好きで、同じ気持ちで、いっしょに頑張って生活することで続けられることダヨー。その中で、もしもお別れしちゃうことなんかになると、それぞれの立場にたって公平に人もものもお別れしなきゃいけないヨー)
~~
杏巡査「はぁ~、飴解禁まであと2カ月かぁ。自転車でパトロールする体力なんてないから、5分漕いだら30分休んで帰ろ~」キコキコキコ
舞「あ、いたいた! おーい!」キコキコキコ
杏巡査「本官の自転車に、一輪車で追いついてくる……だと!?」
舞「だって、杏さん遅いんだもん」
杏巡査「速いと疲れる上に長い距離動かないとダメじゃん。で、何? また変なのが勧誘でもしてる?」
舞「違うよ、あっちの路地裏に、しんどそうに寝ているひとがいるから、助けてあげてほしいの!」
杏巡査「えー……救急車呼びなよ~」
舞「もうっ! 町のみんなが困っているのを助けるのがおまわりさんでしょー!」グイグイ
杏巡査「ちょっ、引っ張るなよっ! はぁ……わかった、行くよ行きますよ」(子供の眼は大袈裟だからなぁ。まあ、仕事もせずに呑んだくれてる、残念なおっさんとかでしょ。ニート乙w)キコキコキコー
……
塩見周子(無職)「……」グッタリ
杏巡査「おお、ガチじゃん……だ、大丈夫ですか?」
周子「……ん、ああ……お、」
杏巡査・舞「お?」
周子「おなか、すいたー、ん」ガクッ
杏巡査「……ほっといてもよさそうだね」
舞「えっ!?」
周子「ひどくない?」ムクリ
杏巡査「起きれるじゃん!!」
……
周子「ふぅー、満足満足……ごちそうさまでした! わざわざご飯作って、食べさせてくれてありがとう婦警さん」
智香巡査「どういたしまして☆」
レナ巡査長「このご時世に、空腹で倒れているなんて珍しい子ね」
杏巡査「まったく、変なのに絡まれちゃったよ……てか、なんでこんな事になったの?」
周子「いやぁ、実家がやってる会社が先月潰れちゃってさぁ。私も大学休学して家を出て働き出したんだけど、今までバイトもしてこなかったからうまくいかなくて、世間の景気が悪くなってきて出来そうな働き口も減ってきてさー? 両親のお給料は、会社を整理しても残った個人の債務返済で全部消えていっちゃうし。もう、家族全員私以上に毎日フラフラだよ」
レナ巡査長「明るい口調で話している割に、内容は重いわね……」
智香巡査「あの、行政へ援助や補助の申請をされては? きっと応援してくれますよ!」
周子「んー、なんかしたらしいけどさぁ。戸籍上、親戚が何人いるからまずはそっちからの援助を求めて下さいとか言われたっぽいよ、うちの親。親戚って言っても、東北の方に住んでいる、顔も名前も思い出せない位の人らしいからさー……言えないよね」
智香巡査「そ、そんな……」
レナ巡査長「……ルールに沿った範囲なんだろうけど、同じ公務員として申し訳ないわね」
周子「なんで? ご飯おごってくれたし、じゅーぶんだよ。元々、仕事を潰しちゃったうちの問題だし」
杏巡査「なんか、生きていくために働くのっては、大変だよね~」
レナ巡査長「あなたが言うとまた軽いわね」
智香巡査「まあまあ☆」
周子「まあ。ほんと、そう思うよ。早いのか遅いのか、分かんないけどさ……ほんと、仕事どうにかしないとねっ」アハハッ
杏巡査「……まあ、杏としては、そのへんあまり応援できないけどねー」カタッ スタスタスタ…
周子「?」
智香巡査「杏ちゃん、どこへ?」
杏巡査「もうっ、乙女に無粋な質問しないでよ。お・べ・ん・じょ♪」
レナ巡査長「乙女がお便所はないでしょう、全く……素直じゃないわね」
プルルルル…プルルル…ピッ(ニョワー!)
杏巡査「うい、杏だよー。ちょっと、頼みたいことがあるんだけどさー」
……
杏巡査「……ん」ピラッ
周子「長いおトイレだったね、って……何、この封筒」
杏巡査「公職についているお姉さんから、お駄賃をあげようではないか~。家に帰ったら開けて、杏にちょっとは感謝するといい!」フンスッ!
周子「おお、ちっちゃいのに太っ腹じゃん♪」
杏巡査「だから、もう2度とここに来るんじゃねぇぞ。杏の分の食糧が減る」
周子「手切れ金なのこれ!? ひ、ひどっ……絶対にまたお腹空いたら来るからね」
杏巡査「なんて宣言! 帰れよ、もう! 色白、バーカ!」
周子「ちびー、あほー!」
レナ巡査長(小学生ね……全く)フフッ
……
周子「まったく、なんなのあの人……封筒、帰るまでに開けてやろ。歩きながらで十分でしょ」ビリビリー
周子「ん、これ……メモ用紙」ピラッ
『どうせヒマでしょ、仕事ないなら。明後日の朝、御城市役所の健康福祉局の窓口にいって、諸星市長と約束してるんですけどって言ってみれば。休学してる子もいる家庭に、遠くの親戚に頼れとは言われなくなってるかもね~? 頑張っても働けないなら、できる限り休めばいい国であれ! それが杏はよいと思う訳なのだった。あ、お礼は飴で』
周子「……何なの、あの人。こんなの、ずっと感謝するしかないじゃん?」フフッ
『第25条:すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。第2項:国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない』
(みんな、人として最低限の生活を送れる『生存権』というのを生まれながらに持っているんダヨー。だから、お国や市町村さんで、色んな事情で働けなくて生活に困っている人がいれば、できる限りの援助や保護をして、普通の生活ができるようになるまで助けてあげるんダヨー。ちゃんと働けるようになったら、普通に働かないとダメダヨ?)
~~
―御城高等学校―
キーンコーンカーンコーン…
ライラ(同級生)「……」ムーン
前川みく(学級委員長)「? ライラさん、まだ帰らないの? アイス屋さんのアルバイト、お休み?」
ライラ「あ、委員長サン……6時限目の国語でもらった宿題がむずかしいので、授業の内容を忘れないうちにやってしまおうかと思ったのですー。今日は、アルバイトのシフトも少しゆっくりですから」
前川委員長「おお、それは感心感心。古文って、私も苦手だもん」
ライラ「普通の日本語もお勉強中なワタクシには、ちんぷんかんぷんでございますですよー……高校生になると、なかなかいじわるなお勉強が多い気がしますー」ガクッ
前川委員長「アハハ……それじゃあ、いっしょに宿題やろっか。2人なら、わからないとこも相談できるから、早く終わると思うから」
ライラ「それはありがたいことでございますですー。委員長サンがよろしいのであれば、ぜひぜひー」
前川委員長「うん、頑張ろう♪」
……
前川委員長「うん、そこは『今暁(こんぎょう)』だね」
ライラ「なるほどですねー」
前川委員長「……ライラさんって、えらいよね」
ライラ「? 何がでございます?」
前川委員長「だって、生まれた国以外の場所で学校に通って、むずかしい宿題もちゃんと自分で解いていって、マジメにお勉強してるんだもん……私、同じことができるかって言われたら、わからないもん」
ライラ「うーん、ワタクシはこれが普通なので、えらいかどうかわからないですが……日本での生活や学校は好きでございますし、中学生までの義務教育だけでもなくて、高校にも通わせてもらっているのは嬉しいですし、楽しいですよ?」
前川委員長「そっか。ほんとにえらい、ううん……いい娘さんだね、ライラさん」(あまり話したことなかったけど、ちゃんとしてるなぁ)
ライラ「まだまだ、恩返しはできていないですけどー。授業料は無料にしてもらっても、なにかとお金がかかりますので、高校生はー。将来は、よいお勉め先をみつけてお金をたくさん稼いで、お返しするでございますですー。あと、アイス屋さんで働くのは、お金をもらいながらアイスもお裾分けしてもらえたりするので、すごく助かりますですねー」キラキラッ
前川委員長「好きだね~……そういう好きなものや恩返しの目標があるから、ライラさんは頑張れるのかな」
ライラ「委員長サンは、好きなものや目標、何がありますか?」
前川委員長「私? うーん……あまり、ないかな。なんとなくいい大学に進んで、そこそこの会社に就職して、いい感じのタイミングで結婚とか……だもん。好きなものは、うーん……猫? そんなのは、何にもならないからダメだもんね~」
ライラ「? 好きなものや目標があるのに、何がダメなのでございますか?」
前川委員長「え?」
ライラ「大学も、就職も、結婚も、とても大変だと思いますですー。猫サンはカワイイので、ワタクシも好きでございますです。だから、委員長サンがそういう目標をもつのはすごいことなので……感心?しますし、同じものが好きなのがわかって嬉しいですよー」ニコッ
前川委員長「そ、そう? それなら……私も、嬉しいけど」エヘヘッ
前川委員長(そっか、こういうのでもいいのか……平凡って決めつけて、あまり乗り気じゃなかったけど、頑張ってみる価値は……あるのかも?)
ライラ「あ、そろそろアルバイトのお時間がピンチでございますねー。ワタクシはそろそろ行きますですー」ガサガサ
前川委員長「あ、うん。宿題、ややこしいところはほとんど終わったから、あとはライラちゃんなら大丈夫だよ」
ライラ「ありがとうございますですー。それでは……」ガタッ
前川委員長「……あのっ」
ライラ「はい?」
前川委員長「明日も、また……」
ライラ「はい。明日もまた、お話ししたいでございますねー」
前川委員長「うん! それじゃあね」
ライラ「さよならです、委員長サン」
前川委員長「みく」
ライラ「?」
前川委員長「みくでいいよ、友達なんだし♪」
ライラ「……さよなら、ミクサン」ニコッ
前川委員長「バイバイ、ライラチャン」ニャハッ♪
前川委員長(私も真面目に考えてみよっかな、これからのこと……好きなもの、もっと真剣に……)
―熟考の後、前川みくが猫アイドルという、キャラネタバラドル道という修羅の世界に進むのは、また別の話―
『第23条:学問の自由は、これを保障する』
+
『第26条:すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。第2項:すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とする』
(日本に住んでいる子供さんは、最低限の教育を受ける権利があって、親御さんは教育を受けさせる義務をもっているヨー。権利と義務を確実にする為に、お金はあまりかからないヨー。その先のお勉強は自由なところだけど、お国や市町村さんで色んな補助があるから進みやすいヨー。また、高校や大学ではお勉強の内容も専門的なものが増えてきて、学生さんの意志で自由に、学びたいものが学びやすく・学ばせたい人も学ばせやすい場所になっていくんだヨー)
~~
―株式会社 パッションセンターしまむら・本社ビル前―
―コンコンッ ドウゾー
渋谷凛(秘書)「失礼します。卯月社長、組合との会合時間だよ」
島村卯月(株式会社 パッションセンターしまむら・代表取締役社長)「ははははい、じゅ準備はbaヴァバッチリ、です! バンガリマス!!」カタカタカタ
凛秘書「お、落ち着いて! あの、ものすごくプルプルしてるけど……だ、大丈夫?」
卯月社長「だ、だだ大丈夫……ではないですよ凛ちゃーん! きょ、去年できちゃった労働組合さんとの、ちゃんとした団体交渉なんて初めてなんですから! ああ、いったいどんな要求されるんですかね……お給料たくさんあげたいけど、無茶したら経営に影響でちゃうし、がんばれなくなる……」ブルブル
凛秘書「ま、まあ、あちらも1回目からそこまで無茶は言ってこないと思うから……ただ、労働者が組合を作るのも、交渉を求めるのも自由な権利なんだよ。ちゃんと話は聞いてあげないとダメ。ご機嫌を損ねて、それこそストライキされちゃったら大変だから」
卯月社長「うう、それは絶対に出来ませんよね……取引先に迷惑かけちゃうし、世間へのイメージも悪くなっちゃう」プルプル
凛秘書「それこそ、あちら側にも悪影響があるから……とにかく、話の場にはちゃんと出ないとダメだよ。他の重役も、全員揃っていて会場入りしてくれているから」
卯月社長「は、はい」トボトボ
……
―大会議室―
卯月社長「……」ゴクリ
凛秘書「卯月社長……いくよ」ポンッ
卯月社長「は、はい!」
―ガチャッ
本田未央(労働組合長)「……」ジロッ
卯月社長 ビクッ
凛秘書「さあ、奥の座席へ」
卯月社長「うう……」トコトコトコ…
赤城みりあ(常務取締役)「おつかれさまです☆」
横山千佳(専務取締役)「おつかれ様です!」
成宮由愛(副社長)「お疲れ様です……」
卯月社長「みなさん、ご苦労様です……はぁ」
凛秘書「それでは、只今より、第1回・パッションセンターしまむら・労働組合団体交渉会合を開催させていただきます。それでは、まず……労働組合長、本田未央さんから本会合の主旨を」
未央組合長「はい!」スクッ
未央組合長「えー、島村卯月社長。まず、1つ……けれど、最も重要な事を確認しておきます」
卯月社長「は、はい! 何でしょうか?」
未央組合長「本日4月24日は、何の日ですか?」
卯月社長「へ? 今日は……何か、特別な日でしたか? 4月24日って……」
未央組合長「よく考えずとも、何か浮かびませんかね?」ン?
卯月社長「うーん、とくには……まあ私の誕生日ではありますけど、そんなの会社には関係ないし」
未央組合長「今、なんと?」
卯月社長「え? いや、だから……私の誕生日」
未央組合長「社長の、誕生日ぃ~?」
卯月社長「は、はい……」ゴクッ
未央組合長「島村卯月社長、お誕生日!」
『おめでとうございまーす!!!!』
ヒューヒュー!\パーンパンパンパーン!!!/イェーイ!!
卯月社長「え!? え、ええ~!?」
―Happy birthday♪ happy birthday♪―(あのBGM)
三村かな子(事務員・組合員)「はーい、ケーキをお届けしますよー♪」トコトコトコ
十時愛梨(受付嬢・組合員)「アップルパイもありますからね~♪」トコトコトコ
未央組合長「フッフッフッ、今日は団体交渉の名を使って、愛すべき我らが社長のサプライズ誕生日ドッキリを仕掛けてしまいました! 仕事の乱用みたいなもんだけど、みんなが社長のことをお祝いしたい気持ちが強いゆえですので、お許し下さいね♪」
凛秘書「自分からそんなの頼んじゃダメでしょ」
アハハ…ウフフ
卯月社長「み、みなさん……っ! あ、ありがとうございます!!! お誕生日をこんなにたくさんの社員さんに祝ってもらえるなんて、夢みたいです!! 本当に、本当に……嬉しいからこれからもみんなの為に、頑張ります!!!!」
千佳専務「サプライズ、許可してあげてよかったね♪」
未央組合長「エヘヘ♪ 私達も、お仕事頑張るよ。だから、社長もこの感謝分と合わせて、社員へちゃんと還元してね~? なんて!」
卯月社長「もちろんです! 次の昇給月には、社員さんも役員さんも、みなさんのお給料を絶対に上げちゃえる様に頑張ります!!」
未央組合長「フゥ~♪ さっすが社長!! それって、どれぐらい? 3%くらいアップとか~?」
由愛副社長「いえ、それは」卯月社長「はい、みなさんの為にそれぐらいのご奉仕は当然ですよね!!!」
カチッ
由愛副社長「!?」
千佳専務「?」
みりあ常務「?」モグモグ
未央組合長「ここまで録ったね」
大石泉(社員・労働組合員)「ええ、確かにレコーダーに収めたわ」
卯月社長「……え?」
未央組合長「それでは、6月決算期における定期昇給において基本給ベース3%アップを軸に、来週の第2回団体交渉から、本格的に会合進めていきます。事前に取り決めた規約における、『団体労働交渉における双方の代表者たる発言は、真摯かつ誠実なものであり、取り決められた事項は遵守されなけれなばらない』に則って……よろしくお願いします」
愛梨「ケーキ、みなさんで食べて下さいね♪
かな子「昇給の前祝いですから♪」
\シツレイシマース/ ゾロゾロゾロゾロ…パタンッ
由愛副社長「やられました、ね……」
卯月社長「そ、そんな……」ペタンッ
千佳専務「なんて社員さんたちだ!」モグモグ
みりあ常務「でもケーキおいしいねー★」ペロペロ
凛秘書「卯月社長」ポンッ
卯月社長「り、凛ちゃん……」
凛秘書「うまく言えないけど……まだまだ、蒼いね」フッ
卯月社長「それただ言いたいだけじゃないですか!?」
『第28条:勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する』
(労働者さんは、日頃の頑張り会社の利益なんかをみて、お給料のアップや環境の改善を求めて、労働者さん同士でグループを作って、経営者さんと交渉させてもらう事が出来るヨー。その中で納得できないことがあったら、あまり無茶しちゃダメだけど、ストライキっていう団体の行動も起こして仕事を休んじゃったりもできるんダヨー)
~~
…ブロロロロロロ… ガヤガヤ…ザワザワワ…
原田美世(現場工事監督)『えー、御城川堤とうであるこの土地は、条例により私用・立入禁止区域となったものです。長雨・風災害による決壊の可能性も非常に高いので、すぐに補強・改修工事を行っていかなければなりません。即刻、そこから立ち退きさないー』ピピーガーッ
姫川友紀(地主・リトルリーグチームGM)「断る!! ここは先祖代々、姫川家が将来のプロ野球選手を育成するための練習場として所有している『御城川キャッツ野球場』の地! どんな困難にもキャッツ魂で乗り越えてみせる! 住民の自由なスポーツマンソウルを汚す行政の犬は即刻立ち去れ―!!」
村上巴(リトルチーム主将)「立ち去れやボケェー!! まあうちは紅のカープ魂じゃけどな!」
美世監督『……あまりにも地主が抵抗すると市長に相談したところ、本来なら今回の事例は特に補填・補償は必要なく接収できるのですが、代替地として、移転して利用率の減った市営の旧野球場を無償・無期限貸与するとのことです。古いですが、ここよりだいぶちゃんとした野球場ですよ』
友紀GM「グッバイ、マイ・キャッツ・ザ・ベースボールパーク。新しい場所にいっても君と育んだ野球への愛情は忘れないよ、それどこにあっだっけ?」
巴主将「切り替えが早過ぎるじゃろうが!!!! もっと、長い付き合いのあるものに愛着をもって付き合っていくべきじゃ!!」
友紀GM「それでは強くなれない、やや強引にでも新しいものを取り入れて合理的な成長をしていかないと、野球界は衰退する」
巴主将「くっ、この球界の盟主気取りがっ! だからパッとしない成績で地味に勝つ面白味のないチームになってゴジラもよってこんのじゃぁ!!」
友紀GM「それは偏見だコラァ!」
美世監督(……なんだこれ)
『第29条:財産権は、これを侵してはならない。第2項:財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。第3項:私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる』
(個人の財産は、他人やお国や市町村さんで勝手に利用できるものではないヨー。財産と言っても色々なものがあるし、中には他人さんとの権利にも関係してくるから、そのルールはきっちり決められてるヨー。また、お国や市町村さんは、みんなの社会の為に仕方ない場合なんかに、個人の財産をもらってみんなの為に使うことができるヨー。その場合、同じぐらいのものやお金を弁償してあげる時もあれば、無料でもらっちゃう場合もあるヨー)
~~
―ウィーン
持田亜里沙(御城銀行・窓口案内係)「いらっしゃいませ……あら?」
市原仁奈(メキシコサラマンダーのきぐるみ)「……♪」ピョコピョコ
亜里沙「まあ、かわいらしいお客様……こんにちは」
仁奈「こんにちはでごぜーますよ!!!」
亜里沙「はい、よくできました♪ 今日はどういったご用事かしら?」
仁奈「えっと」ゴソゴソ
(及川雫ママ「この納付書……紙とお金を、商店街にある銀行さんに行って、窓口のおねえさんに渡してあげてね~♪」)
仁奈「これをどうぞでごぜーます!!」バッ
亜里沙「あら、住民税ね。あ、期限1カ月過ぎてる……けど、延滞はつかないかな?」
仁奈「?」
亜里沙「あ、ごめんね……それじゃあ、あそこの窓口に座っているおねえさんに渡してあげてほしいんだけど、これ順番待ちなの……ちょっと待っててね」 トコトコトコ…
仁奈(そういえば、おきゃくさんいっぱいいるでごぜーます……)
亜里沙「はい、お待たせ」
仁奈「銀行さんはもうかってやがりますね!!」
亜里沙「え!? あ、うん……そ、そうかな?(コ、コメントしづらいなぁ) フフ……それじゃあこの182番の番号札をもって、そちらのイスに座って待っていてね。その番号を呼ばれたら、窓口のおねえさんに渡してあげてください」
仁奈「わかりました!」
……
―パポーン『182番の、番号札をお持ちの、お客様。3番の、窓口まで、お越しください』
藤原肇(新米銀行員・窓口)「番号札182番の方、こちらへどうぞ」
仁奈「はいでごぜーます!!!」ピョコピョコ
亜里沙(あ、順番ね♪)トコトコトコ
肇「あら、かわいい……いらっしゃいませ」フフッ
仁奈「これをお願いします!」バーンッ
肇「はい、住民税のお支払ですね……」
亜里沙「それ、延滞金はつかないと思うから、そのままね」コショコショ
肇「はい。えっと、それではお預かりして、領収証……ちゃんと払えましたよって書いた紙をお渡しするので、少しお待ち下さいね」
仁奈「はい!!」
肇「……」 カチャカチャカチャ…ポンッ、ピリッ
仁奈「じゅうみんぜいって、なんなのでやがりますか?」
肇「えっと、これはね。御城市に住んでいる人が、御城市を……守っている人に払わないといけない税金っていうものなのよ。『これだけあなたに払いますから、今年も守ってくださいね』って、お約束するみたいにね」(……ふぅ、うまく言えたかな)
仁奈「なるほどぉ! おねーさんも、払っているでやがりますか!?」
肇「うん、もちろん……はい、領収証。大事に持って帰って、お母さんに渡してあげてね」
仁奈「銀行さんも払っていやがりますか?」
肇「銀行?」(えっと、建物……いえ、法人ね。法人に住民税って、あったかしら? 適当な事は言えないよね……)
肇「えっと、ちょっとわからないかな。ごめんね」
仁奈「そうなのでごぜーますか。どうも、むずかしいことを聞いてもうしわけねーでございました!」ペコッ
肇「あ、いえいえ。ありがとうございました」ペコッ
仁奈「……ふーむ」ピョコピョコ
亜里沙「あら、もう終わったの? ご利用、ありがとうございました♪」
仁奈「ここの銀行さんは、税金はらってねーでございますか?」
亜里沙「ふええ!?」 ―ザワワッ!
肇「ッ――プフッ!」(プルプルプル)
『第30条:国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う』
(日本に住んでいる人は、場所や収入、お買い物など、ルールによって決められた税金をお国や市町村さんに支払う義務があるヨー)
~~
カンカンカン…
マキノ巡査部長(生活安全課・地域安全対策チーム班長)「全員、ストップ……どう?」
北川真尋(同班 巡査長)「……わずかですけど、物音がしますね。メーターも少しずつ動いてますし、やっこさん、いますよ」
マキノ巡査部長「……」クィッ
浅野風香(同班 巡査長)「……」コクッ
―ピンポーンッ
……パタパタパタパタ
上条春菜「はーい、どちらさまですか?」ガチャッ
風香巡査長「上条春菜さん、ね?」
春菜「は、はぁ……そうですけど」
真尋巡査長「警察です」⊃手帳ピラッ
春菜「っ!」
マキノ巡査部長「お話を聞きたいことがあるんだけど……わかる?」
春菜「……」メガネ、クイッ
マキノ巡査部長「あら、黙秘? 意外に懸命な判断ね。でも、それは無意味よ。きっちり、証拠をそろえてきてるから……出てるの、これ」⊃逮捕状ピラッ
春菜「……そう、なんですか……」
マキノ巡査部長「いい、読むわよ……これ、身に覚えあるでしょ」
春菜被疑者「……はい、不本意ですが。しかし、今思えば……度を越えていました、私の眼には合わないほどに」
マキノ巡査部長「どんな形であれ、あなたが行ったことは立派な犯罪……それは、認めなさい」
春菜被疑者「……仕方ありませんね。意識するあまり、自分の行ったことの先が見えなかったみたいです、まるで視界に靄がかかったように……メガネかけてるのに」スッ
マキノ巡査部長「素直で助かるわ」
春菜被疑者「メガネの同志に捕まるのならば、私は……本望ですよ。これも、作戦でしょうけど……さすがメガネ、知恵が増しますね」
マキノ巡査部長「……かけて」
春菜被疑者「メガネならもうかけてます」
難波笑美(同班 巡査・ノーメガネ)「いや手錠やわ!!!!! さっきから自分どんだけ話の節々にメガネ絡めとんねん、捕まったんもそれが原因やのに!!!! てかその罪状、強制メガネ罪ぃ? ほか自分以外に誰が適用されんねん、てか何やねん!!!」ビシィッ
春菜被疑者「チッ」プペッ
笑美巡査「やだ、露骨」
マキノ巡査部長「だからあなたは、来ない方がいいって言ったのよ」
真尋巡査長「と、とにかく! 8時22分、被疑者……逮捕します!」ガチャッ
風香巡査長『千夏さん、終わりました。車、お願いします』
相川千夏(同班副長 巡査部長)『了解』ピッ
マキノ「では、いきましょうか。署で、取り調べを行うわ……それと、あなたには弁護士を呼ぶ権利もあるけれど」トコトコトコ
春菜被疑者「今は、特に……裁判では、お世話になるでしょうけど」トコトコトコ
マキノ「そう。法的なルールの元に、取り調べも裁判も適切に行われるからね。やってしまったことを後悔しても、仕方ないわ。今を受け入れて、これから何を言えばいいか……すべきか考えることね」
春菜被疑者「はい……あ、弁護士はメガネの方にします」
笑美巡査「ぶれへんなぁ」
『第31条:何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない』
(どんなに悪い人が相手でも、ちゃんと法律で決められたルールを守らないと、逮捕やお仕置きしちゃうこともできないヨー。これは、悪い人にも最低限の人権=憲法上守られる権利があるからダヨー)
+
『第32条:何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない』
(良い人が身近なトラブルを解決する為に行うのはもちろん、どんなに悪い人で「ユー、絶対に死刑だYO!」と思えちゃう人でも、勝手におまわりさんがお仕置きしたりせず、裁判という話し合いの場を設けてあげるんダヨー)
+
『第33条:何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、かつ理由となつている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない』
(悪い事を目の前でされちゃうような、今まさに起きた!っていう悪い人以外は、裁判所が『逮捕してよし!』って発行する逮捕状がないと逮捕されないヨー)
+
『第34条:何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない』
(ちゃんとした理由がなければ、捕まってブタ箱の中に入れられちゃう事はないヨー。それと、弁護士さんに相談する機会がちゃんとした理由もなく与えられなかったら、それを理由にルール違反だって言って、ブタ箱に入れられなくなるヨー。その理由も、本人さんや弁護士さんに教えてあげないといけないルールなんダヨー)
~~
バタバタバタバタ…
マキノ巡査部長「それでは、今からあなたの家屋内を捜索します。こちら捜索と押収の令状、見て……あなたの家、罪状にある犯行に使われた証拠物(メガネ等)の押収が目的ね。あなたにも、立ち会っていただきます」
春菜被疑者「はい」
マキノ巡査部長「それでは、はじめましょう」 ハイッ!
―ガサガサガサ
笑美巡査「……なぁ」
風香巡査長「はい?」
笑美巡査「ウチら、メガネ探しにきたんやっけ」
風香巡査長「はい、犯行で使われたものを」
笑美巡査「……どう見ても、きっちりケース入りで並べられたんが1000個くらいあるねんけど」 メガァ~
真尋巡査長「この中から見つけるのは、大変だよね……このメガネとか、どっちも同じに見えるけど」
春菜被疑者「あ、右が純チタンフレームで左がチタン合金フレームです」
笑美巡査「わかるか!!!」
真尋巡査長「犯行に使われたのは?」
春菜被疑者「黙秘します。私に罪はあっても、メガネに罰は与えたくないので」フッ
笑美巡査「ちょっと何言ってんのかわからへんねんけど、全部押収して署で鑑識してもろたらええんちゃう?」
マキノ巡査部長「採用」
春菜被疑者「ちょっ!? 言います言います!」
『第35条:何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。第2項:捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行う』
(悪い人のお家を調べて、証拠品を持っていくのにも裁判所の許可・令状をもらう必要があるヨー。最も、現行犯って人を逮捕する時にお家の中を調べたりするのは大丈夫とか、例外も少しあるヨー)
~~
チュンチュン……チチチチチ~♪
杏巡査「はぁ~、派出所の中は何かとさわがしくなるけど、目の前の御城公園は平和でいいよねぇ~。遊戯で遊ぶ小さな子供や、ペットの散歩に歩く奥様の姿も目に優しい……ピクニックには、ぴったりだね~」
智香巡査「フフッ、お昼ご飯を公園で食べているだけじゃないですか☆ あ、お昼寝しちゃダメですよ? 杏ちゃん、寝たらなかなか起きないんだから~」
杏巡査「ええ~」
レナ巡査長「ふむ……『若い女性の背後から襲いかかりメガネを強引にかける・絶対に似合うなどと言ってメガネをかけるまで拘束するなど、強制メガネ罪・メガネ強要罪等の容疑で逮捕された、上条春菜容疑者の判決裁判が本日開廷』……あの変な事件、どっちに転ぶのかしら」
智香巡査「レナさん、今は休憩しましょ♪ はい、おにぎり。杏ちゃんも」
レナ巡査長「あ、ごめんなさい。ありがと」
杏巡査「わーい、智香が脇で握った塩おにぎりだー」
智香巡査「ちゃんと手で握ったよ!?」
杏巡査「冗談冗談♪ それじゃ、いただきまぁ……」
日野茜(前科1犯)「……」 ジィー!!(グルルルル)
杏巡査「目こわっ! な、なんか鷹の様な瞳で見られてるんだけど……杏のおにぎり」
智香巡査「お、お腹空いてるのかな? お口が半開きで、ちょっと涎が……」
レナ巡査長「小柄だけど顔色は良いし、やつれているようにも見えないけど……あ、私の方も見てくるわね。しかも、じわじわ近づいてきている気が」
智香巡査「……あ、あのー!」
茜「―はっ!? わ、私は何を」ビククッ!
智香巡査「よかったら、おにぎり食べます? たくさんあるから、よろしければ☆」
茜「ほんとうですか!!!!」ザシュッ!(ドンッ!)
智香巡査 ビクッ!
杏巡査(反応早っ!)
―ススッ
マストレ(保護観察官)「とまるんだ!」ガシッ
ベテトレ(保護観察官)「また途中でリタイヤして、期間を延長されたいのか日野!」ガシッ
茜「うううううう~!!」ジタバタジババタ
智香巡査「な、なんなんですか!?」
マストレ監察官「すいません、この子はとある事案により、保護観察処分を受けておりまして」
ベテトレ監察官「個人情報のため深くはお話できませんが、白米を禁じられています」
レナ巡査長「なぜ、そんなピンポイントな禁止令が……」
杏巡査「でも、めっちゃ効果あるんじゃない? あの子にとっては、拷問に近い残酷な仕打ちかもね~」
智香巡査「ほんとに拷問なら、法律違反でとんでもないことですけど、お米禁止は……いいのかな?」
茜「す、すいません!! もう限界です、本気で耐えられません!! ご飯を……ライス大の大盛りを!! おかずは胃に優しいおかゆでいいですから!!!!」
マストレ監察官「お、落ち着け日野」
ベテトレ監察官「あと追加分は32日ある……ほら、代わりにこれを食べて元気を出せ」
べテトレ監察官 スッ⊃練乳フランスパン
茜「パンなんかではご飯の代わりにはなりません!」パーンッ!(ベシャッ)
マストレ監察官「こら!」
みちるプー「ぐるるる……ワン、ワンワンパンナンバーワンパンワン!」
ベテトレ監察官「ほら、散歩中のワンちゃんがこわがっているじゃないか」
マストレ監察官「諦めなさい。また小麦を米状にちねって疑似ご飯を作ってあげるから」
茜「……はい」シュンッ
智香巡査「かわいそう……」
杏巡査「事情が分からないと感情移入しにくいけど、まあ……飴禁止令がでていた杏にもよく分かるよ」ウンウン
みちるプー「うー」グルル
響子「どうしたの、みちる! ダメ、待て! もう、散歩中にほえる子じゃないのに……?」
法子「あの人達のおにぎりやパンを見て、お腹が空いたのかな? ちょうどいいから、あそこのベンチに座って私達も食事にしましょうか。」
響子「はい、あなた。今日もあなたの大好きなドーナツ、たっぷり用意しましたからね♪」
法子「えへへ♪」
レナ巡査長(27)「……」イラッ
杏(こっちはこっちでわさわさしだして、落ち着かないなぁ……昼寝は派出所に戻ってからにしよ)モグモグ
『第36条:公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる』
(いくら悪い人に対してでも、非人道的でドイヒーな、命に関わるような苦しみを与える・人権を無視した事は、絶対にしちゃダメダヨー)
~~
輿水幸子(御城地方裁判所長)「主文! カワイイボクは、被告人に懲役6か月・執行猶予2年を言い渡しますよ!」カンカン(フフーンッ!)
冴島清美(弁護士)「こんなところか……」フゥ
春菜被告人「……ほっ」
――冴島法理事事務所―
上条春菜(元被告人)「この度はお世話になりました。捕まった時はどうなるかと思いましたけど、いい(メガネの)弁護士さんについてもらって、裁判もすんなり終わってよかったです」スチャッ
清美弁護士「いえいえ。執行猶予が2年もついたのは少し心残りな気もしますが……検察側が告訴しなかったので、確定させておきましょう。あとは、まあ……もう、やっちゃダメですよ?」
春菜「ええ、反省しています。今後はもっと別の形でのアプローチを考えて、やっていきます!」スチャッ
清美弁護士「いや、ほんとに同じようなことやっちゃダメですからね!? 安部内閣が『メガネを強要する人がいるッス!』という与党支持者の意見から調査して、なんだかんだ作っちゃった強制メガネ罪やメガネ強要罪、ニッチな罪状の割に量刑割と重いですからね? 大人しく素直な謝意を示して、取り調べや法廷でメガネへの春菜さんの『思い』を封じてもらい、余計なことは喋らなかったおかけで何とか執行猶予で収まったんですよ! 次は間違いなく猶予なし、レッドカードですからね!」
春菜「いやぁ、その裁判のお蔭でこう……鬱憤がたまっていまして」スチャッ
清美弁護士「もうっ、次は同じ弁護できませんよ! メガネ絡みの事件でメガネへの盲目的な偏愛思想が有りとかみなされたら、それが一因として量刑に影響が出てくるかもしれなかったんですから! 精神鑑定に逃げる手はありますけど、意識ははっきりしてらっしゃるし……自分で好き勝手喋っちゃう分には、完全に不利益な発言ともしにくいんですよ?」
春菜「も、盲目的な偏愛って……」スチャッ
清美弁護士「あ、すいません……言い過ぎ」
春菜「良い視点をお持ちですね、さすがはメガネ!」スチャッ
清美弁護士「褒めてない! 少しは凹みなさいよ! あと、話の度にメガネ変えない! 全く……もう、素直に喜べないな」フフッ
春菜「私は、素直に喜んでますけどね♪」
『第37条:すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。第2項:刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。第3項:刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する』
(どんなに悪い人でドイヒーな事件でも、秘密にせずにみんなが見られる裁判を受ける権利はあるヨー。被告人さんは、自分のことを弁護・証明してもらえる証人さんを呼んでお話してもらうことができるし、一緒に裁判を進める弁護士さんを呼べる権利も保護されてるヨー。自分で弁護士さんを呼べない人は、お国が用意してあげるんだヨー)
+
『第38条:何人も、自己に不利益な供述を強要されない。第2項:強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。第3項:何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない』
(取調べや裁判で、自分にとって一方的に悪い発言を強要される事はないし、強引に長―いお時間お話して出てきた言葉なら、ちゃんとした証拠にできないヨー。あと、その発言だけで証拠にはならないヨー。本当に悪い事をしたかどうかは、ちゃんと他の証拠や証言を揃えないと決めつけになるからダメだヨ!というお話カナ?)
~~
楓(最高裁判所長官)「主文、被告を……無罪とします」
オオゥ…ザワザワザワザワザワ…
安斎都(傍聴席・東○スポーツ記者)「無罪とはいえ、高垣最高裁長官のあの苦い表情……迷いと苦しみが見て取れますねぇ!」フムフム
楓長官(無罪でギャグは難しいわね)フゥ
――
あやめ会員「『最高裁は、御城市食品工場大量強制労働事件訴訟について、日本サイキック学会に対して無罪の判決。労働環境への意図的な関与を否定』……検察側は控訴するようですが、ひとまず落ち着きましたね」
芳乃会長「完全な別団体・別会社を通して、計画しておりましたのでー。そもそも、そこまで無茶な労働環境である必要はなかったのですがー……念には念を入れておいて、正解だったようですねー。世の理は、わたくし達に傾倒していくでしょー」
あやめ会員「有罪判決がほぼ確定している小関殿の会社は、労働スケジュールをうまく進められておらず、焦っておられたのでしょう(まあ、下請けの下請けさんで、収入額がかなり少なく労働者を多く雇えない……まともに使えない事情もあったようだけど)」ニンッ
芳乃会長「……それらを含めて、あの方たちのお役目だったのでしてー」
あやめ会員「え? そ、そうですね……他にもやってくれる会社はありますから……しかし、慎重に事は進めましょう」
芳乃会長「同じ事象で、わたくし達が訴えられることは、この国の法においてありませぬがー。最も、サイキック党への悪しき評が拡大しております故、起こさぬ道がよいでしょう……最も、罪なき者と認められたのですから、これまでの『罪有りし者』としての評価に対する補償を国家には求めていきましょうー」
あやめ会員「はい、無罪となった以上、風評被害に対するマイナスは補填してもらわないといけませんよね。それも今回と同じく、西園寺弁護士へ依頼しておきます」
芳乃会長「よろしいのでしてー。では、今日はこれで終わりとしましょう。このあと、電話が入ってくる予定でしてー」
あやめ会員「ははっ!」ニンッ(シュァッ!)
芳乃会長「……屈んで走っても、消えたようには見えませぬがー?」
あやめ会員「わ、分かっていますが、その……少しでも忍者っぽいかと」エヘヘ
芳乃会長(実直で真面目な方ですが、忍ぶ職務には向いてないと思いますねー……可能性は否定致しませぬから、しばし告げるまでには時間を置きましょう)
あやめ会員「では、失礼いたします!」ニンッ(ガチャッ、キィ…バタンッ!)
芳乃会長「……やはり早い方がよいでしょうかー。しかし、少し時は戻りますが、これでまた祀りへの時は進みだしますねー。さらに万全な祭殿を構築せねばなりませぬがー。その為に欠かせぬ、神茸の栽培……輝子さんには、そちらへ入ってもらうのが適切でしょうー」
―ぶおぉぉ~ふおおぉ~…
芳乃会長「わたくしです」ピッ
??『……お疲れ様です』
芳乃会長「そなた様、この度はご配慮いただき感謝至極でございますでしてー」
??『いえいえ、私は何もしておりません。まっとうな宗教法人の資料を、とあるほろ酔い来客者が在室の時に置いていただけのこと……聞かれれば答えますが、そこに何も偽りはございませんよ~』ミーンミンミンミンン
芳野会長「ありがたきこと……して、そなたが望むものはなんなのでしょうかー。無償で済まぬ大義である事は、理解しておりましてー……何でも、わたくし達が産みださんとしている神茸に、ご興味があるとのことを聞いておりますがー」
??『あの、その……裕子ちゃんに聞いたんですけど?』
芳乃会長「はいー」
??『あなた達のきのこを食べたら、若返るって本当ですか!?』
芳乃会長「………ちょっとなにいっているのかわからないのでしてー」
??『……はめられたー!!』ミミミン!
『第39条:何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない』
(その行為があった時には法律でセーフなことや、もう無罪って決められたことは、あとで法律が変わってもアウトになったり有罪になることはないし、全く同じことで新しく責任を問われちゃうことはないヨー)
+
『第40条:何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる』
(逮捕が正しくても、裁判で無罪ってなったら、逮捕も正しいとは言えなくなっちゃうから、無罪って言われた人は「逮捕されなかったら、こういうまともな生活ができたのにできなかったヨ!」っていう事を、お金として弁償してもらう・補償してもらうことができるんダヨー。お仕事でもらえただろうお金や、精神的に傷付けられた慰謝料とか……色々だネ!)
ここまでです。ぬるいオチになっちゃいましたね。
お付き合いいただいた方、ありがとうございます。
乙ー
そこそこ面白いけどとっちらかって読みにくいのがもったいない
途中で投げた人多そう
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