千早「死んでしまったみたい」(14)

千早(…目の前に見えるのは車に引かれた自分、それを見下ろしているのも自分、これっていわゆる…)

?「本日はご愁傷様なのですよー」

千早「あなたは天使…さん?」

天使「はいー あなたのこれからと道案内を勤める天使さんですよー」

千早「本当に死んでしまったのね… 私はこれからどうなるのかしら?」

天使「これから如月さんには現世で24時間過ごしていただき、その後天国に行く予定となっていますー」

天使「現世で深い繋がりを持ってた人には如月さんの姿が見えるので、未練をここで立ちきってから天国に行きましょー
端的に言えばお別れの挨拶をしてこいって事です」

千早「ありがとう天使さん 案内してもらっておいてあれなのだけど、私すぐ行かなきゃいけない所があるの」

天使「構いませんよー ただし24時間後には必ずここに戻って来て下さいねー」

千早「はーい」フワフワ

千早(春香…)

なんだ千早死んだか…ならはよ消えな

千早「という訳で死んでしまったらしいの」フヨフヨ

事務所に帰ってきたは良いもののPと春香は泣きそうな、それでいて嬉しそうな、微妙な顔をしている。

春香「悲しいけど、会えて嬉しいやら何やらで…」

P「こんな体験滅多にないだろうからな、それで千早 お前はこれからどうするんだ?」

千早「私もいきなりで戸惑っているのだけれど、まずは春香に知らせなきゃと思って…
あんなにライブの為に頑張ってたのに出れなくなってしまった事を謝らなくちゃと思って」

千早「プロデューサー、明後日のライブは中止になってしまうのかしら」

P「そうだな、千早が死んでしまってすぐにライブをやったとなればファンからも不謹慎だと騒ぎかねない、正直厳しいだろうな」

千早「そうですか」シュン

春香「プロデューサーさん!」

春香「千早ちゃんのお別れライブって事で何とか開催出来ませんか?」

P「千早が抜けてプログラムも変わって来る。どちらにしても厳しいんだ」

春香「それは分かっています、でも千早ちゃんが安心して天国に行けるように、今回のライブを千早ちゃんに見てもらいたいんです!」

P「そうは言ってもだな、これはお前だけの問題でもないんだ、他の皆にも無理をさせることになる、765プロの皆の問題でもあるんだ」

春香「でも… 千早ちゃんが死んじゃったのに、それじゃあ余りにも寂しいじゃないですか」

千早「春香ありがとう、今回のライブは残念だったけど、春香にそう言ってもらえただけでも嬉しいわ」

春香「千早ちゃん…」




??「これは大変な事を」

??「聞いてしまったみたいですな」コソコソ

P「昼にライブの調整で皆が集まる機会がある、その時に皆に伝えよう」

千早「プロデューサー、最後まで迷惑をかけてしまってすいません。あなたにプロデュースしてもらえてとても幸せでした」

P「これが俺の仕事だからな、それだけに残念だよ」ガチャ

春香「プロデューサー、どこに行くんですか?」

P「ちょっと外にな、俺がいたら話しにくい事もあるだろう。千早、お前はいいアイドルだったよ」

千早「…はい!」

春香「本当に死んじゃったんだね…」

千早「ごめんなさい、春香…」

春香「千早ちゃん」ムニュ

千早「は、春香!?」

春香「謝ってばっかじゃダメだよー、千早ちゃん」ムニュムニュ

春香「こうやって触れ合えて、話せて、いつもと何も変わらないのに明日にはいなくなっちゃうんだよね」

春香「もっと千早ちゃんと一緒にレッスンしたり、遊んだり、たまにふざけていたずらしたりしたかったのに…」

千早「ごめんなさい、春香」ダキ

春香「もー さっきもう謝らない、もう謝らないって言ったのに…」

春香「もう謝らないって…」

春香の変わりに春香の胸に飛び込んで泣く、未練がないかと聞かれればあると答えるだろう。
でも私の為に悲しんで、涙を流してくれる友人がいて。
私の人生はそんなに悪くなかったのかもしれないと思えた。

「ありがとう、春香」

春香「そろそろお昼の時間だね」

千早「結構な時間立っているのね、一生分泣いた気がするわ」

春香(…冗談なのかな)

ガチャ
P「そろそろ時間だ、ドームまで行く訳だが。準備は出来てるか?」

春香「はい!、千早ちゃんも行くよね?」

千早「ええ、皆にお別れを言ういい機会になりそうだし。付いていくわ」

P「決まりだな、じゃあすぐに移動するぞ」

控え室

千早「....と言う訳で死んでしまったのだけど、24時間だけ猶予が与えられたの」

あずさ「話は聞いてたけど、本当にこんな事ってあるのね~」

貴音「まこと面妖です」

ザワザワ
P「…このタイミングで無粋だが、こうなってしまった以上ライブは…」

伊織「中止、とか言うんじゃないでしょうね」

P「そういうつもりだ伊織、悪いが今回のライブは厳しい」

伊織「…さっき亜美真美に聞いたわ、765の皆に迷惑をかけるから中止にするって」

P「…亜美、真美」

亜美「こ、今回は亜美悪くない門ねー」

真美「そうだー、千早お姉ちゃんがいなくなっちゃうって言うのに。あんまりじゃんかー」

伊織「私も同意見よ、ちょっとくらいの無理が何よ!私達仲間じゃないの?無理して出来るなら無理してやるべきよ」

P「はあ、やっぱりか」

P「こうなるとは思っていたが、皆はやりたいか?」

真「千早にはお世話になったしね、その借りを返すいい機会かな」

美希「千早さんの為なら多少の無茶なら目をつぶってあげるの」

雪歩「そ、それにどうせなら一番心に残る送り方をしたいかなって…」

伊織「皆の優しさに感謝しなさいよね、化けて出て来られても困るからやってあげるわ」

貴音「これも千早の人徳が成したものなのでしょう」

あずさ「そうねえ、不思議と千早ちゃんの為ならって思っちゃうのよね」

亜美「もちろん亜美達もやるよー」

真美「千早お姉ちゃんの涙腺ガバガバにしちゃうからねー」

やよい「うっうー」

響「困った時はお互い様って奴だな、自分も頑張るぞー」

律子「それに、多少の無茶をやってきて今の765プロがあるんですよ、プロデューサー殿」

小鳥「そうですよ!プロデューサーさん」

千早「みんな…」

>>3
お前が消えろ今すぐ死ね糞ドコモ

P「全くお前達は…ライブまで帰れると思うなよ」

春香「っ!、それじゃあ」

P「ああ、ライブは行う。だが問題が山済みだ」

春香「問題…ですか?」

P「そうだ、千早が抜けた事による穴埋めだ。これが一番でかい」

P「元々ライブでの千早の出番は765
プロの中でも多い方だ。プログラムの調整はするとしても千早が抜けた分誰かが埋めなければならないんだ」

真「変わりに僕らの出番を増やして調整するんですね!」

雪歩「うう、でも私自分の出番をこなすだけで結構ふらふらになってたり」

P「そうだな今回は765皆で行う予定の大きめのライブだったからな。体力が持つギリギリのラインで組んである」

P「その中で一人いなくなるんだ、これは無茶をするとかそういう事ではなく別の方法を考えなければいけない」

貴音「何か良い方法でもあればいいのですが…」

P「あればもう少しライブに肯定的だったかもな」

P「まあ調整はすぐ行う、方法はとりあえず置いておいてだ」

P「目処が立ち次第動いてもらうからな、それまでは好きにしているといい」

P(とは言ったものの…)

P「事務所に帰ってきて改めてプログラムを見ると、詰めれる所はほとんどない…か」 

P「千早の穴を埋める存在ねえ…」

P「小鳥さん、そちらはどうです?」

小鳥「はい、千早ちゃんの出演箇所、立ち位置メイク担当割かれる人員全分まとめました」

P「流石です、自分はこれから少し出かけるので引き続きお願いします」

小鳥「何か良い考えでも?」

P「これしか思いつかなくてね、ちょっと961に行ってきます」

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