老婆「……そこのお兄さん」(11)

深夜

男「は、はい…?」ビク

老婆「おや、驚かせちまったかい?」

男「いえ、あの…」

老婆「ヒッヒッヒ…可愛い坊やだねぇ」

男「坊やって…それで、どうしたんですか?」

老婆「これをあげよう」スッ

男「……これは?」

男「鍵、ですか?」

老婆「あぁ、このマンションのね」

男「えっ、マンション…?」

男(いつの間にマンションなんか出来たんだ…?)

老婆「その5つの鍵で…少し見学してみないかい?」

男「見学って、誰も住んでないんですか?」

老婆「いいや、住んでるよ」

男「えっ」

男「住んでいるのに勝手に入っちゃダメなんじゃないですか?」

老婆「全員の許可は取ってあるよ」ニヤ

男「でも…」

老婆「ヒヒッ、まぁ…いいじゃないか」

老婆「さぁ、お行き」ドン

男「うわっ?!」ドサ

老婆「楽しんでおいで…」ニヤ

ギィィィ ガチャ

ガチャガチャ

男「全然、開かない…」

男「何処かの部屋に行くしかないのかな」ハァ

男「それにしても綺麗なエントランスだなぁ」スタスタ

男「マンションって言ってたけど2階しかないんだ…」

男「行ってみよう」スタスタ

2階

男「5つの部屋がある…」

黒 黄 赤 青 白

男「それぞれの部屋と鍵の色が一緒だ」チャラ

男「んー、どの部屋に入ろう」スタスタ

男「…………」ピタ

男(何だろう…この赤色)

男(何か変な感じがする)ドクン

男「ここにしよう…」



男「…………」スッ

ガチャン ギィィィ

赤の部屋

男「わっ…部屋の中はピンク色なんだ…」キョロ

男「あの…すみませーん!」

───

男「……部屋の奥で声がする」

男「お、お邪魔します!」

少女「ふふ、ふふふ……」グツグツ

男「あ、あのぉ……」

少女「はぁぁ…ふふふ」グツグツ

男「あ、あの!」

少女「はぁい…」クル

少女「いらっしゃいませ」ニコ

男(小学生…?)

男「えっと、勝手に入ってすみません」

少女「構いませんよぉ」

少女「お話は聞いてましたし」

男「僕、このマンションから出たいんですけど…」

少女「今、来たばかりじゃないですか」クス

支援

期待

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