女「──んもう! いっつもアナタはそうなんだから!」
女「アタシのことなんか、全然考えてくれてないんでしょ!?」
男「……」
女「いい機会だし、この際ハッキリしてもらうわ!」
女「アタシと仕事、どっちが大事なのよ!」
男「……」
男「仕事は……大事じゃない」
女「!」
男「なぜなら俺は仕事が嫌いだ」
男「仕事は金のため、仕方なくやってるだけだ」
男「もし一生遊んで暮らせるような大金が入ったら、迷わず辞めるだろう」
女「!」ドキン…
女「……ってことは、アタシの方が大事なのね!?」
男「いや……お前も大事じゃない」
女「え!?」
男「お前と結婚したのは、世間体というものがあるからだ」
男「独身のままでいるより、結婚していた方がなにかと都合がいいからな」
男「もし、世の中の風潮が結婚などしなくていい、というものだったなら」
男「俺はお前と結婚してはいなかっただろう」
女「な……!」
女「なによそれ! じゃあ、アタシも仕事も大事じゃないってわけ!?」
男「そういうことになるな」
女「じゃあ、じゃあ……アナタにとって大事なものってなんなのよ!」
女「なんだっていうのよ!?」
男「……」
男「あえていうなら──」
男「地球かな」
女「は……!?」
女「なにをいうかと思えば……地球ですってぇ!?」
男「そうだ」
女「なにいってんのよ! 地球なんか、全然大事なんかじゃないわよ!」
男「じゃあ君に聞くが──」
男「君は地球がなくなったら、生きていけるのかな?」
女「!」
男「森林がないから、光合成による酸素供給は望めない」
男「大地がないから、石油を始めとした化石燃料もない」
男「というか、地球がなければ宇宙空間に放り出されてしまう」
男「そんな状況下で、君は生きていけるというのか!?」
女「いけるわ!」
男「な、なんだと……!?」
女「…………」ブゥゥゥン…
男(なんだあれは!? 両手から高エネルギーを持つ球体を生み出した!)
女「アタシは宇宙空間でも生き延びられるわ」ブゥゥゥン…
女「だけど、アナタはどうかしらね?」ブゥゥゥン…
男「!」
なんだこれwww
女「この星を消す!!!」バッ
男「し、しまったぁ!」
女「ふっとべ──────っ!!!」
ズアッ!!!!!
火星──
老火星人「────!」ハッ
火星人「長老! 勝負は……勝負はどうなったのですか!?」
老火星人「男はよくやった……」
老火星人「ワガママな女を相手に……圧倒的な強さで、口では完全に勝っていた……」
老火星人「だ、だが……追い詰められた女は……」
老火星人「地球そのものを消し去ってしまったのだ……」
火星人「そ、それはいったい……」
老火星人「地球がなくなれば、だれも生きてはいられまい……」
老火星人「あの女を除いてはな……」
火星人「そ、そんな……!」
女何者だよ
なんだこれ
火星人「ちくしょう……! なんてことだ……!」
老火星人「!」ピクッ
老火星人(つい先ほどまで地球が存在した場所を、超感覚で探ってみると──)
老火星人(まだ地球が存在する……!?)
火星人「どうしましたか、長老!?」
老火星人「も、もしかして……!」ピッ
女「ウソ、まだ地球が残ってる……!?」
女「ち……爆発に巻き込まれるのを恐れ、パワーを抑えすぎてしまったようね……」
地球「いや……」
女「!?」
地球「たしかに一度、君によって地球は消滅した」
女「なんなのよ! なんで地球がしゃべるのよ!?」
地球「俺は……さっきまで男だった者だ」
女「なんですって!?」
地球「宇宙空間では生存できない俺が、地球を消されても生き残るにはこれしかなかった」
地球「そう……」
地球「俺自身が地球になることだ!!!」
女「えええっ!」
女「アナタが彼だっていう証拠は……証拠はあるの!?」
地球「……」
地球「君はベッドの上で絶頂に達すると、決まってソーラン節を唄い始める」
女「!?」ギクッ
地球「君の下着はアリゲーターの皮で作った特注品──」
女「やめて、やめて、やめて! 分かった、もういいわ!」
女「だけど、地球になっちゃって、これからどうするつもり?」
地球「地球になってしまったからには、俺は再びこの大地に生命を繁栄させねばならない」
地球「俺はこの大仕事を、嫌々ではなくやりがいを持ってやっていくよ」
女「……」
女「結局、アナタにとって大事なのは、仕事だった……ってことなのね」
地球「いいや、それはちがう」
女「え……?」
地球「俺は地球になってようやく、君という存在の大事さが分かった」
地球「人間だった頃、俺は君がいたから嫌いな仕事を続けてこれたんだ」
地球「だけど、今の俺は地球であって、かつて君の恋人だった男ではない」
地球「だから、あえてもう一度いいたい」
地球「俺と……付き合ってくれないか?」
女「!」ドキッ…
女(付き合ってくれないか?)
女(つきあってくれないか?)
女(つきなってくれないか?)
女(つきになってくれないか?)
女(月になってくれないか?)シャキーン!!!
女「なる! アタシなるわ! アタシがついでに消しちゃった月に!」
こうして男と女は地球と月になった!!!
~ END ~
日本人に何かを訴えかけてくるssだな
素晴らしい作品を読めた
どうもありがとう
なんだこれ…なんでいい話みたいになってるんだ……
なんで俺こんなssでニヤついてるんだ…
発想がすごいな面白かった乙
なぜだろう、面白かったのにすごい敗北感……
乙
なんて壮大な話なんだ…
とても素晴らしいです
す…すごい
わけがわからないよ…
畜生…涙が止まらねぇよ…
こういう無二のセンスがうらやましい
何という発想力
これが天才か…
なぜかDr.マンハッタンで再生された
でもこの女/月は引力と斥力のつかずはなれずに嫌気がさしてまた地球破壊しそう
うおう……何だこれ……
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