男「君は知らない世界」 (33)
世界が何万回も世界を殺せる時代
国はお互いが殺されぬよう、武器を持ちお互いを牽制しながら、また最終兵器を隠しながら生きていた
この国も例外ではなかった
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完全に何もないです。ぼんやり書いていきます
ある国、ある日
女友「うあー、あんな軍隊式の授業なんていりません!普通の高校生に銃の扱い方とか、兵器の知識とか絶っっっ対いりませんよ!」
女「まーそんなこと言っても仕方ないよ!一応義務みたいだしさ...」
女友「ここ何十年も戦争なんておきてないんですよ?それに今戦争なんてしたら、どこの国もただじゃすまないわけですし...」
女友「そんな危ないことする国があると思いますか?」
女「思わない思わない!でもやっぱ義務だしさー、評定にも関わってくる以上やらなきゃ駄目だと思うんだよね...」
女友「まあ、そうなんですけど...」ブツブツ
男友「ん?女友ちゃんどうしたの?」
女「軍式授業が嫌なんだと。気持ちがわからないわけじゃないけどねー」
男友「ああ、なるほど。でももうずっと昔に義務化されたことなんだし仕方ないんじゃないかな」
女友「うう、男友くんも私の敵なんですね...」
男友「ま、まさか!いや、そういうことじゃなくてさ」
男友「俺達がやってることなんて結局のところ、本当に初歩の初歩じゃないか。だって他の国では一般市民ですら銃を持ってるんだぜ?これくらい出来ないのはウチだけだって」
キーンコーンカーン
男友「次の授業だ、早く席戻ろう!」
女「ん。ほら、行くよ女友!次は歴史だから!」
女友「歴史なら頑張ります...」
「かくして、世界大戦はおきたのでして...」
女(軍式授業疲れたな...すっごい走らされたもんな、今日は...)
「それ以来、世界大戦はおこっておりません。世界は表向きには互いに手を取り合い、お互いの発展を...」
女(ひいおばあちゃんの時はなかったって言ってたよなー...代わりに何の授業やってたのかな)
「そういった傾向を生み出したのはある意味ではこの世界大戦が背景になっているのでしょう。皆さんに覚えていただきたいのは...」
女(あー、なんだか、考えるのも、面倒...)
「女っ!!!」
女「ひゃいっ!?」
「お前、寝てただろ。...まあ、前の授業が疲れるのは分かるがー」
キーンコーンカーン
「...今日の授業は終わり。女は寝るなよ」
女「すみません...」
「じゃあみんな、来週の授業までにレポート提出するように!」
キリーッ レー
女友「じゃ、女ちゃん帰りましょうか!」
女「おー、ちゃっちゃと変えろっか...」
男友「あ、そうだ二人とも!良かったらレポート教えてくれないかな...」
女「レポート?」
女友「女ちゃん寝てましたもんね。ほら、『戦争における兵器の変化と時代背景』の...」
女「あー、そんなのあるんだ。あー」
男友「二人とも意外と得意でしょ?俺の友達こういうのみんな駄目で...」
女友「別に良いですよ。後で連絡してれば!」
男友「うん!ありがとう!それじゃ、俺は帰るね!」ガタッ
女「...あたしゃなんも言ってないんだが」
女友「まあまあ、そんな恐い顔しないで。女ちゃんも帰りましょ?」
帰り道
女「兵器に置ける時代背景って...何書けば良いのかな?」
女友「うーん...正直私もよく分かりませんけど、例えばどういう時代背景があって戦車が出来たか、とか書けば良いんでしょうかね?」
女「曖昧な課題出すとは、教師失格だね!」
女友「寝てた女ちゃんが言いますか?」フフッ
女「笑い事じゃないぞ、このやろーっ」ウリウリ
女友「ちょ、ちょっと...」
「...」チラッ
「...」チラッ
女友「し、視線が痛いのでやめてください!」
女「そんなこと言って...」
ドンッ
女「あっ」
女友「きゃっ」
男「いたっ」
女「す、すいません!」
女友「すいません!あの、お怪我はありませんか?」
男「う、うん、僕は大丈夫だからそれじゃ...」スタスタ
女友「行っちゃった...もう、女ちゃんのせいですよ」
女「悪い悪い...。でもあの人なんか落ち着き無かったね。挙動不審ってやつ?」
女友「失礼なこと行っちゃ駄目ですよ。私たちは加害者なんですから...って、あ」
女「何これ?本...いや、詩集?」パラパラ
女友「絶対さっきの人のですよ!...もういませんから、交番に届けましょうか」
女「んー...あたし、ちょっとの間ここにいるよ。もしかしたら取りに戻ってくるかもしれないし」
女「ぶつかっちゃったのはあたしだしね」
女友「良いんですか?」
女「良いって良いって!か弱い女友ちゃんは帰った帰った!」
女友「わ、分かりましたから、もう...」
数十分後
女「待つとは言ったものの、この場合はいつまで待つべきなんだ...?」
女(いや、冷静に考えたらやっぱり交番に届けるのが一番だったかもしれない...)
女(それともここに置いて立ち去るとか...ってもただの住宅街の通りだし)
女「少し遠いけど交番に行きますか...」ドッコイセ
男「あ、あの...!」
女「ん?」
男「そ、それ...多分...ていうか絶対...僕の、本だから、その...」
女「...あ!さっきの!」
女「さっきはぶつかってすいませんでした!その、本も汚れちゃったし...」
男「いい、いいよ!気にしてないから!」
女「あ、はい、本当に...それで、これ、本です」
男「え、あ、うん、ありがとう」グイッ
女「...」グイッ
男「...え?」グイグイッ
女「...」グイグイッ
男「その、本、離してくれると...」グイグイッ
女「...さい」
男「え?」
女「やっぱりこの本弁償させてください!」
男「ええ!?いいよ!良いから!」
女「でも...」
男「う、うんじゃあその本あげる!いや、捨てても良いから!それじゃ!」ダッ
女「え、ちょっと!待っ...」
女「あれ?消えた...?」
ある豪邸
男「...」
男(マズい!)
ある豪邸
男「...」
男(マズい!)
男(マズい!思わず使っちゃった...能力を使っちゃった!)
男(いやでも大丈夫...あの人の記憶を消せば良いし...)
男(いやでもそれが出来るのか!?やったことがないぞそんなこと僕は!)
男(いやでもやるしかない、やるしかないんだ!僕はー...)
爺「ぼっちゃま、お帰りで?」
男「あ、うん...」
爺「玄関から入らなかったということは使ったのでして?」
男「...ごめん」
爺「して、見られては?」
男「...いないよ」
爺「ならば構いません。それよりも仕事の時間です」
男「...うん、分かってるよ。分かってる。行くよ」
爺「着替えは良いので?」
男「うん、このまま行くよ...」
爺「いつ頃戻られますかな?」
男「仕事が終わったらすぐに戻るよ...」
爺「では、お待ちしております」
男「行ってきます」シュン
ある場所 ある一室
シュン
「思ったより早かったですね」
男「...早い方が良いでしょう。どうせ誰も見ていないんですし...」
「まあ、そうですが...」
男「...でも、今日はギャラリーが多いんですね」
「総理や防衛大臣が来てますから...でも見ているのは本当にトップの方だけです。信頼に値する人です」
男「...なら良いけど」
........
防衛大臣「総理、あの少年は一体どこから...!?」
総理「驚くのも無理はない。だが私は言ったはずだ。今日は我が国の最終兵器を君に見せるとね」
防衛大臣「最終兵器...ですって?まさか」
総理「そのまさかなのだよ。彼こそが我が国の最終兵器。どんな国のどんな兵器よりも、ずっと恐ろしい我が国の少年さ」
防衛大臣「いや、ご冗談ですよね?」
総理「君はその目で見たはずだろう?彼がどこからともなく現れたのを」
総理「付け加えておくが彼の能力は瞬間移動だけではないのだよ。下手したらもっと恐ろしいことが彼には出来る」
防衛大臣「恐ろしいこと...?」
風呂行きます
総理「それは私にも分からない。おそらく誰にも分からない。彼だけが分かっている」
防衛大臣「...総理。失礼ながら私には今の総理が正気には思えません。確かに彼の能力は素晴らしいものかもしれませんが、彼を最終兵器だなんだというのはおかしな話であると考えます」
防衛大臣「他国はおそらく...いや間違いなく、我々の予想するよりも遥か多くのより強力な爆弾やら弾道ミサイルやらをいくつも隠し持っているでしょう」
防衛大臣「そんな国々と張り合うために必要なのは、彼の超能力などではありません!」
総理「そんなに彼の能力を見たいなら、これから嫌という程見ることになると思うがね...お、そろそろ始まるようだね」
防衛大臣「始まるって一体何が...」
.....
「ただ今お連れしますのでしばしお待ちを」
男「...」
「今回の者は顔を見れば思い出すと思いますが、数年前のー...」
男「...そういう話は聞きたくない、です...。早く終わらせて、早く帰ります」
「...承知しました」
.....
総理「君、今連れてこられたあの男、見覚えがないかね?」
防衛大臣「え?...あ!あいつは数年前の連続通り魔事件の!」
防衛大臣「...奴は死刑囚です、こんなところにいてはおかしいでしょう!どういうことですか総理!」
総理「説明はあとでしよう。今回、彼にはこの国への最大の奉仕をしてもらうのだ」
防衛大臣「は!?奉仕!?」
総理「しっかり見ておくといい。何とも恐ろしいものが見れるぞ」
.....
男「あの、今回はこの人ですか...」
囚人「ん?アンタ、誰?」
「そうです。お願いします」
男「きちんと拘束してますか」
「はい。お願いします」
囚人「...?」
男「...失礼します」
囚人「...!?」
........
囚人『ふぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぐぎぎぎぎぐぎぎああああぎあああああああああ!!!!!!!』ガクガクガクガク
防衛大臣「そ、総理...?これは一体...?」
総理「見て分からないのかね?死刑を執行しているのだ」
防衛大臣「そういうことではなく、囚人の体に何がおこっているのですか!?」
防衛大臣「何故総理はこの状況を平然と見ていられるのですか!?」
防衛大臣「このようなところで死刑執行しても意味はありません!きちんとしかるべき場所で...!」
総理「意味ならば十分にあるのだよ。今、こうして彼の養分となっているのだから」
防衛大臣「何を言っているのか分かりません!おい!今すぐやめさせるんだ!」
総理「簡単に言おう。彼の超能力は無限に使えるわけではない。彼が超能力を使うにはそれ相応の対価が必要なのだ」
総理「その対価こそが我々人間の魂なのだ」
防衛大臣「だから全くを持って理解出来ません!今貴方がやらせていることはただの拷問...いや、殺人ではないのですか!?」
総理「まあ、最初入っても理解出来ないだろうし、私自身も完全に理解しているわけではない。だがこれは事実だ」
総理「彼にはあらゆることができる。瞬間移動だろうとレーザー光線であろうと何であろうと、彼には何でも出来る」
総理「だが彼がそれらの能力を使うには人間の魂がいる。勿論、実際は魂ではないのかもしれないが...」
総理「だがその魂らしきものを抜かれる際に多大な苦痛を伴う上に、抜かれた人間は死ぬ」
総理「それがあの、彼が立っているだけで囚人が苦しみ出す現象の正体だ」
総理「...と、こうしてる間に終わったようだね」
......
囚人「」
「...死んだようですね。どうですか?何か変わりましたか?」
男「...特には」
「それでは、あとはこちらで済ませるので」
男「...失礼します」シュン
......
防衛大臣「...また消えた」
防衛大臣「囚人は...死んだ...のか?」
総理「これが現実だよ。我々は死刑囚の命を使ってあの化け物を育てている」
総理「彼が幼少のときから、ずっとだ。あの能力を感づかれないために、飼いならすために、可能な限り人との接点を減らさせながら彼を育てて来た」
総理「これからも来るべきその日のために、彼にはこの仕事を続けてもらうつもりだ」
防衛大臣「...話が飛躍し過ぎです。何故そんなことをする必要が...」
総理「君の言いたいことも最もだ。これから先、彼の破壊能力を目の当たりにすれば気持ちは変わるだろう」
防衛大臣「...だとしても、こんな非現実的な話で国を動かすのは一国の指導者がすべきではありません!」
総理「国を動かす者は、常に利益を考え絶えず犠牲を払い、時には決して公表出来ないことさえもやらねばならぬ」
総理「そのうちの一つがこれだ。彼はこの地球上どの兵器よりも無限の可能性がある兵器だ。いくつのものを犠牲にしても、我が国の者にする価値がある」
防衛大臣「やはり理解出来ません...こんな...」
総理「それは君が何も知らないからだ。知ればすぐに分かる」
総理「君の知らない世界へようこそ」
続かない
乙
もうちょい続いて欲しかった……
一言で言うとそびえ立つクソ
ただ、周りからボロクソ言われながら完結まで続けられるメンタルは素晴らしい
次はメアリー・スー系「以外」のSSをよく読んで出直してくれ
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