P「オーシャンズ765」 (117)
※映画オーシャンズのシリーズを見てインスパイアされたもの。
シリーズ知らなくても設定は引き継いでませんので安心して読んでいただけると思います。
長いのでちょこちょこ更新します。ダニーオーシャンはもちろんあの人
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都内 深夜 961プロ 社長室
高木「……どういうことか説明してくれるかね?」
黒井「説明して分かってくれるのかね? 君はいくら理屈で攻めても分かろうとしないじゃないか」
高木「理屈で分からないことは屁の理屈でしかないからな」
黒井「言葉遊びは結構だ。……本題に入ろう」
黒井「星井美希、四条貴音、我那覇響。以上三名を契約違反につき、961プロに返してもらおう」
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都内 昼 765プロ
P「ただいまー」
美希「あふぅ……疲れたの。もう寝るの」ボスッ
P「こら、美希。帰ってそうそうソファーに突っむなってーー」
美希「……はにぃ、一緒におやすみ……するの……zzz」スヤスヤ
P「全く、仕方ないなぁ。寝かしといてやるよ」
小鳥「あ、お帰りなさい。Pさん、社長が社長室に帰り次第来るようにって言ってましたよ?」
P「社長が? なんだろなぁ、特に悪いことしてないんだけど……」
小鳥「多分、私達の関係がバレたんですよ。だ、だって、昨日あんなに激しくーー」
P「そんな事実ないかなーって」
小鳥「ぴよぉ」
同刻 765プロ社長室
コンコン
P「失礼します」ガチャ
高木「ああ……来たか。座ってくれるかね?」
P「ええ……。それより、どうしたんですか? 随分顔が暗いようですが」
高木「分かるかね?」
P「小鳥さんの水着のブロマイドこっそり観てたのバレた時の顔ですよ?」
高木「そんな事実ないかなーって」
P「ま、冗談はさておき。……あんまりいい話じゃなさそうですね」
高木「まあねぇ……事態は最悪だ。君は美希くんと四条くん、そして我那覇くんが961プロの元からやってきたのは、もちろん知っているね?」
P「ええ。入社後の個人データを読みましたから。美希は引き抜かれた形だったそうですが」
高木「その時、私は黒井と契約を結んでいる。なに、それ自体は移籍のためのものだ。対したことはない。問題は、961プロ規定の書類だ」
高木「私は事務所間の移籍の書類の他に、もう一枚黒井が提示した書類にサインをした。これがそのコピーだ」スッ
P「ふむ……文面上は『フェアリーの活動を通した販売物などの権益』ですね」ペラペラ
高木「ああ、具体的にはフェアリー時代のCDその他に起因する販売物などの権利についてだ。それは961プロで作られたものだから961プロが持ってていいと思ってサインした。だが……その最終ページの要項をみて欲しい」
P「こっこれはっ!!」ペラッ
P「……激レアフェアリー時代の三人のビキニ姿だとっ!?!?」
高木「誰がそんなもの見ろと言ったかね君ぃ」
高木「きちんと読みたまえ。隅に書いてあるだろう」
P「ええと……『なお、961プロの判断による同事務所の営業に不利益を被った場合、765プロはフェアリーの活動に起因する一切の権利を告知後3日以内に961プロへ返還する義務を負う』と」
高木「……どういうことか分かったかね」
P「いやぁ、さっぱり」
高木「君はよくプロデューサーの仕事を全うできたね」
高木「つまり、黒井が自分の判断で営業に不利益を感じたら、フェアリーに関する全ての権利……つまり、三人を返さなくてはいけないと書いてあるんだよ」
P「な、なにっ!! そんな、まさかっ……!」ガタッ
高木「気が付くのが遅すぎやしないかね。……まあ、サインした当時に気がつかなかった私も面目は無いが……」
P「で、でも返さなきゃいけないのは権利であって、三人のことは移籍書類に……」
高木「黒井はどこまでもやる奴なんだ。慌てて移籍の書類を読んで驚いたよ。……三人の事務所移動については、権利が移籍したとされているんだ」
高木「つまり、移籍は面目上であり、書類上では彼女たちは961プロからレンタルされているようなものだったんだ」
P「ふざけんな! 俺だってレンタルしたいわ!! 三人まとめて俺の横で寝かせてやるわ!!!!」
高木「君に相談したのは間違いだったかもしれん」
高木「……とにかく、告知は今日の0時ちょうど。彼女たちを受け渡すのはあと2日とちょっとということになる」
P「そんな……なんとかならないんですか!?」
高木「私も今さっき知り合いの弁護士に頼んできた……だが、皆が『こればかりは書類上をつつき合うだけで無駄だ』の一点張りだ。もはや法は味方などしてくれない」
P「……ということは?」
高木「ああ……私だってこんなことで諦める訳ではない。私は自分のアイドルが何よりも大切だ。そして、彼女たちの実績も買っている」
高木「かつて、水瀬君がアイドルになることに反対した水瀬財閥が彼女を閉じ込めた時、鮮やかな手口で奪い返した実績もね」
高木「三人の運命は君たちにかかっている。出来るだけの支援はする。さぁ、もう一度また見せてくれ!」ガタッ!
高木「君たちがあの三人を黒井の元から救い出し、ここへ笑って戻ってくる姿を、ね」ニヤリ
P「ちょっとカッコ良いこと言ってるけど元の原因はお前だってことをよく反省しとけよ?」
高木「君は私が一応社長だということを分かっているかね」
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告知2日後 都内 夜 765プロ
P「……以上が社長からの伝言だ。告知からすでに2日が経ち、美希と貴音、響は961プロに行ってしまった」
P「もちろん、今回も自由参加だ。やりたくない奴は抜けても構わない。一緒に作戦に協力してくれるなら、スケジュールの管理はこちらに任せろ。……どうだ?」
真美「ん~、社長さんの命令だとやる気でないかな~」
千早「同感ね。今回のことは間違いなく社長が起こしたものなのに」
やよい「うっうー……こればっかりは社長の言うこと聞くのは嫌ですね……」
P「人望ねぇなぁ」
雪歩「あのぉ、これは社長を先に埋めちゃった方が……」
あずさ「あらあら~、社長さんもうっかりさんですね~」
春香「みんな言いたい放題だね!」
伊織「そうよ! これはただの社長の怠慢じゃない!!」
千早「そうね。だから、私たちは社長のためになんて絶対動きたくないわ」
P「……」
千早「だから」
千早「私たちは、私たちの意志で三人を助けるのよね?」
全員「「「「「もちろん」」」」」
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都内 昼 961プロ 社長室
美希「黒井社長! どういうことなの!?」バンバン!!
黒井「どういうことも何もない。契約にのっとって帰ってきてもらったまでだ。あのへっぽこプロデューサーから話は聞いてないのかね?」
響「昨日突然『961プロに戻ってくれ』って言われて、それっきりだぞ……」
黒井「ふん。随分薄情な男だ。大方私に感情を向けさせようとしたんだろうが、結果としては不信感が募ることになっているな」
貴音「して、私たちはこれからどのようになるのでしょうか」
黒井「別に私は君たちを監禁しようとしているわけでは無い。こっちで今後営業を続けてもらうと言っているだけだ。765の奴らは私を悪人にしたいようだが、ただ仕事の場をより良くしてやるだけだ」
黒井「お前たちは元々は私が見込んだんだ。十分に輝ける素質を持っている。それをあいつらは燻らせている。そんなお前たちを見ていられないのだよ」
響 (ううっ……なんか褒められると調子狂うぞ……)ヒソヒソ
貴音 (黒井殿の考えを一面で理解するのは不可能です。もう少し様子を見ましょう)
黒井「それで、私がもう一度直々にプロデュースしてやろうというのだよ。……ただし、今後は一切の連絡、仕事を765プロとは取れないようにする。君たちもこの屋上階にあるスイートルームで生活してもらう」
黒井「なに、心配はいらない。生活で何一つ不自由なく取り計らってやる。ただ、765プロとの関わりを一切無くして活動するだけだ。悪い話ではないだろう?」
響「そんなっ……! そんなの酷いぞ!!」
黒井「では、どこが酷いのか言ってみてくれるかね」
響「うぐっ……ぐぬぬ」
貴音 (もう少し頑張るのです響)
黒井「一言も返せないのか……。まぁ当たり前だ。契約上は不備なし。プロデュース体制を変えるだけのこと。さらにより良い生活を提供する。これ以上の話は不要だな?」
美希「……」
黒井「……お前たちをここで終わらせない。私は必ずお前たちをトップアイドルにする! どんな手を使ってもだ!!」
響「……っ!」ギリ
都内 昼 961プロ 屋上階
響「ハム蔵! みんな! 乱暴されなかったか!?」
ハム蔵「ヂュイッ!(まぁな)」
いぬ美「わふっ!(これくらいならね)」
貴音「随分と広いですね……屋上階全体が部屋なのですか」
美希「見て見て! ソファーがふっかふかなの!!」モフモフ
響「ちょっと美希!くつろいでる場合じゃないぞ!!」
貴音「しかし、ここは既に黒井殿の手のひらの上です。どうしようと私たちだけでは動けません」
響「だからって……! もう皆に会えないの? 皆と遊んだりできないの?」ジワッ
貴音「よしよし」ナデナデ
響「たかねぇ……」ギュッ
貴音「……信じるのです。皆さんなら、きっと私たちを救ってくれるはずです。私たちはそれを今しばらく待ちましょう」
美希「……」ボスッ
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同刻 961プロ 一階ロビー
受付「タカギビル清掃サービス、ですか?」
P「ええ。なんだか突然の仕事を頼みたいと依頼がきまして。なんですかねぇ、どっかぶちまけましたかねぇ。いろいろと」ヘラヘラ
受付「それでは、ただいま担当の者と確認を取りますのでーー」
P「あーダメダメ。どうも内緒でやんなきゃいけないみたいでさぁ。……依頼主さん、ここの社長みたいなのよ」
受付「! ……分かりました。それでは来社証をお渡しします」
P「はいはい、どーも。ちなみに、社長さんどちら?」
受付「ただいま局の方へ出ておられます」
P「うん、どーも。ところでさぁ君可愛いね。今度飲みいかない?」
受付「……そうですかぁ?」
キャッキャウフフ……
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同刻 765プロ
千早「……」イライラ
千早「ちょっとプロデューサー。なに女の子釣り上げてるんですか」
P『あ、そーなの? アイドル志望だった? いやぁいいよ今からでも遅くないってーー』
千早『燃すぞ』
P『ウィッス』
千早「はぁ……プロデューサーに偵察に行かせたのが間違いだった……。それより」ザザッ
千早「あーあー。こちらドン・ウォール。伊織、聞こえるかしら?」
伊織『あんたそのコードネームやめなさいよ千早でいいってば』
千早「そう? じゃあ普通にするわね。伊織、黒井社長の様子はどう?」
伊織『水瀬製GPSで探知する限り、まだテレビ局よ。心理データベースでいえば、あと1時間17分は動かない模様』
千早「さすがね」
伊織『にひひっ♪ 私の手にかかればこれくらいーー』
千早「機械が」
伊織『アンタ少しは素直に褒めなさいよ』
千早「じゃあ、あとは伊織に任せるわ。……さて、と」ガタッ
春香「千早ちゃーん! 気分転換にクッキーはどうかな?」
千早「ええ、頂くわ。……んっ!」
春香「えっ? ど、どうしたの?」
千早「春香、これとっても美味しいわ! 腕を上げたのね」サクサク
春香「えへへ~。千早ちゃん達が頑張ってるから、せめて私はサポートで精一杯やらないとね!」
千早「そう。えらいわ」ナデナデ
春香「……♪」
小鳥「はるちははいつまでも衰えることはありません」キリッ
千早「音無さん鼻血処理して仕事してください」
小鳥「ケチぴよぉ」
小鳥「……まぁ眼福眼福。これ、各関係者からもらった961プロ所属のアイドルが出る仕事先リストよ」バサッ
千早「ありがとう。助かるわ」
小鳥「見返りにたかちはを提供してください」
千早「さあ、どうかしらね? ふふっ……」ペラペラ
小鳥「ちーちゃん小悪魔」
千早「すでに『アイドルユニット再結成!』と銘打って、出演者未公表で番組を押さえてるわね。早くて5日後」
小鳥「それ、もしあの三人が番組に出ちゃったら……」
千早「ええ、三人は961プロからのユニット再結成。世論は961プロが所属事務所になったと誘導されるわ」
小鳥「そうなったらもう?」
千早「取り返しても逆に訴えられるわね」
小鳥「ぴよぉ……」
千早「必然的にタイムリミットが決まってしまったわ。できるだけコトを早く進めないとーー」
ザザッ
伊織『大変大変! 黒井社長がテレビ局を出て事務所に向かってるわ!!』
千早「なっ、予定より早い!?」バッ
元ネタ知らんけどワクワクするから頑張れ
伊織『私も想定外よ! それと、今から私も仕事があるから……って、待ってよ律子!』ツーツー
千早「待って! せめて現在位置だけでも……くっ!」
千早「プロデューサー! 聞こえますか!?」
P『どうした? もうすぐでだいたいの調査は終わるが……』
千早「そっちに黒井社長が向かってるわ。到着時刻も現在位置も不明よ」
P『なっ! まずいな。今すぐ引き上げる!』
千早「ええ、でも出る時も気をつけて。どこから戻ってくるかも分からないわ」
P『了解』ツーツー
千早「……敵は手強そうね」
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都内 夕方 961プロ
P (まずいなぁ。とりあえず来社証を返して出ないと変に記録に残る)
タッタッタッ……
黒井「……ん?」バッタリ
P (とんでもなく運悪いな俺)
P (まぁこっちは変装しているし、帽子も被ってる。何事も無いように通り過ぎればーー)スタスタ
黒井「……ウィ、待てそこの清掃員」
P (厄日か)
P「……はい、なんでしょうか?」
ツカツカツカ
黒井「……タカギビル清掃サービス? うちが入れてる業者かね?」
P「いえ、本日は臨時で参りました。……申し訳ございません、何か至らぬ点が?」
黒井「いや、そんなことは無い。失礼した」
P「とんでもありません。清掃の方は終わりましたので、失礼させていただきます。今後もご贔屓に……」スッ
黒井「あんまりこそこそ嗅ぎ回っても無駄だと分からんのかね?」
P「!!」ゾワッ
黒井「私は三人を貴様らの元に返す気はない。どんな手を使ってもだ」
P「……面白いじゃないか。恋は障害がある方が燃えるだろ?」
黒井「ふん……貴様らに出来るのはなんだというんだね? 小綺麗に包んだ薔薇を私に手渡すくらいか。安心しろ、代わりに届けてやる」
P「その言葉、よーく覚えとけよ?」
黒井「……ふん」
カツカツカツカツ……
P「……チッ」
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都内 夜 765プロ 会議室
P「……というわけで、出て行く時にバレてしまった」
千早「臭い台詞ね」
真「ちょっとこれはなぁ……」
雪歩「……ぷっ……ぷくくっ……」フルフル
P「Pくん傷ついちゃうなぁ」
千早「青臭い上に見つかってきたならこれくらい当然です。これで今後正面突破は不可能ね」
P「ま、まあ、とりあえず持ち帰った収穫だけでも見てくれ。これが961プロのビル図面のコピーと監視カメラの位置だ」バサッ
真「随分な高さだなぁ……」
千早「地上50階地下5階。ちょっとした六本木ヒルズね。全て961プロの所有なのは驚きね」
P「監視カメラは一階の警備室に直通。地上階はアイドル個別の部屋、レッスンルーム、トレーニングルーム。プールその他諸々。一流のレッスンが受けられるな」
真「僕もそんな環境でトレーニング出来たらなぁ」
P「社長に言ってくれ。で、地下は主に経営事務や資料室などの部屋。おそらく関係書類はそこにある」
千早「地下だから入る手段は限られてる、ね。確かにその可能性は高いわ」
雪歩「そ、それであのう……私たちは何をすれば……」
真「あ、そうだったね。僕も雪歩も急に呼ばれたから……」
千早「ごめんなさい、事は急を要するの。5日以内にカタをつけないと、生放送で完全敗北が決まるわ」
P「時間が足りないなぁ……」
千早「だからこそ、二人を呼んだんです」
千早「ねぇ、萩原さん。この図面を見てどう思う?」
雪歩「えぇと……材質はコンクリより数倍硬い特殊建材。特に地下は厳重な作りです。おそらく金庫か何かあるんじゃないでしょうか……」
千早「流石ね。いい分析力よ。でもその返しは99点ね。私が聞きたいのはそんなことじゃないわ」
千早「建材が硬くて、何?」
雪歩「掘りがいがありますぅ♪」
千早「満点よ」ニッ
千早「真は萩原さんのサポートをお願いできる? 力仕事は頼める人がいなくって」
真「へへっ! 任せてよ!!」
P「つまり、地下から攻めるって事か?」
千早「それだけで上手く行くはずがないわ。まず、三人の居場所を特定しないと侵入するだけ損よ」
P「特定ってどうやって? 情報屋でもいるのか?」
千早「そんな器用な人はうちにはいない。だからーー」
千早「情報は買うんじゃなくて、聞き出すものよ」
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DAY1 終
今日の夜以降DAY2を投下したいと思います。
元ネタと雰囲気以外は関係は無いので、楽しんで見ていただければ幸いです。
乙
みんなアイドル仕事よりイキイキしてね?w
乙です
DAY2
都内 朝 961プロ周辺
亜美『亜美だよー』
真美『真美だよー』
亜美『近くのスタバ待機なうー』
真美『えー、真美は草むらだよー……』ガサガサ
千早「各々動きが見えやすいところで待機しててね」
亜美『ところで千早お姉ちゃん、このショートアイスチョコレートオランジュモカノンモカエクストラホイップエクストラソースは経費で落ちるのかな~?』チューチュー
千早「ええ、足りなければ社長のポケットマネーからも捻出させるわ。必要経費以外は社長の懐事情を考えて使いなさい」
真美『え~!? 亜美ばっかずるい! 真美も終わったらベンティノンティーマンゴーパッションティーフラペチーノアドホワイトモカシロップアドホイップクリーム飲んじゃうもんね~!!』
小鳥 (ちーちゃんが鬼ぴよ)
千早「それより、そっちの状況を報告してちょうだい」
亜美『あいあ~い。……961プロ事務所入口は黒服のガードの兄ちゃん達がうろうろしてるよ~』
真美『裏口付近も同様だよ~。事務所内はスーツ姿の覆面黒服兄ちゃんもいるもよう』
千早「警備関係は全て自前のようね。手間のかかることをっ……」
千早「……亜美真美の報告聞こえましたか? それじゃあ、二人とも、お願いします」
???『りょうかいです~』
???『うっうー! 頑張りますよー?』ガルーン
千早「隠しきれない高槻さん可愛い」
真美『おっ、動き出したよ~』
あずさ『あの~、すみません……』
黒服1『? はぁ、なんでしょーーうっ!?』
あずさ『?』どたぷ~ん
黒服1 (なんだこの圧倒的どたぷ~んなおっぱいは!!!!)
黒服2『……(揉みたい)』
あずさ『この辺に961プロという事務所はありますか? 私、方向音痴で迷っちゃって~……』どたぷんどたぷん
黒服1『あっ、ああ……それなら少し行ったところです』
黒服1 (話すたび、呼吸をするたびに震えてやがるっ……! どこかで見たことあるような気がするが、その既視感もあいまってとんでもねぇ破壊力だっ……)
黒服2『……(揉みたい)』
あずさ『ありがとうございます。あの、もしよろしかったら案内して頂けませんか? すぐ迷ってしまうので……ダメ、でしょうか?』チラッ
黒服1 (ああ、もうあきませんわー。上目遣いはあかんわ)
黒服1『わ、分かりました。ご案内しましょう』
あずさ『あら~。ありがとうございます。助かりました』どたぷんたぷん
黒服1『いえ、これも業務の一環でして……さっ、どうぞ』
黒服2『……(揉みたい)』スッ
あずさ『そうなんですか~。何のお仕事されてるんですか?』
黒服1『ええ、961プロでガードマンのような仕事をしておりましてーー』アハハ
黒服2『……(揉みしだきたい)』
コツコツコツ……
真美『あずさお姉ちゃん の メロメロ は こうか ばつぐんだ!!』
千早「悲しき男の性ね」
P「俺もあのふかふかに包まれたいわー」
千早「くっ」
亜美『はーい、こっちもやよいっち動いたよ~』
やよい『うっうー』
トコトコトコ……
やよい『あっ』コケッ
黒服3『むっ』
千早「ああっ!!」ガタッ
P「なんでお前も驚いてるんだ」
やよい『うっうー……転んじゃいました……』ジワッ
黒服3『き、君。大丈夫かい? 怪我は無い?』オロオロ
やよい『はい、ありがとーございまっ……痛っ!』
やよい『ごめんなさい、立つと痛んで……早く立たなきゃ……』フラフラ
黒服3『無理は良くないよ。ああ、この近くに病院はあったっけ? 腕の良いところがいいか……?』アタフタ
P「こいつとっても良い奴なんじゃないか?」
千早「誰であろうと高槻さんに手を出したら訴訟も辞さないわ」
黒服3『そうだ! 確か事務所には医務室があったはず……。嬢ちゃん、おじさんの背中に乗れるかい? すぐそこの事務所で手当てしてもらおう』
やよい『ほ、ほんとですか? ありがとうございます!』
黒服3『よし、じゃあ行こう。……あ、俺だ。申し訳ないが医務室に急患をーー』
千早「信じられないわ!! 高槻さんをおんぶするなんて!!!! プロデューサーRPGを今すぐ用意して下さいっ!!!!」ガタッ
P「まずは落ち着きなさい。まずは」ガシッ
やよい『うっうー! おじさん優しいですー!』
黒服3『ハハハ……でも本当は知らない人に着いてっちゃダメだからね?』
やよい『おじさんは優しい人だから大丈夫です! きっと社長さんなんですよね?』
黒服3『いやぁ、俺はただの警備員さ。まぁ、本物の社長の近くの担当でねーー』
ハハハ……
P「やよいパワーに企業秘密バラしまくりですー!」
千早「見守っていることしか出来ないなんてっ……!」ギリギリ
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都内 昼 961プロ 最上階
ガチャ
響「ふうーっ、961プロ式のトレーニングはやっぱり厳しいさー……」ハァ
貴音「久しぶりに受けましたが、やはり少し厳しめですね」
美希「そう? 美希的にはすごい練習になったよ!」
響「本当はレッスンしてたら黒井社長の思うツボなんだぞ……」
貴音「どんな形であれ、レッスンは間違っていません。戻った時に役立てば良いのです。事態は前向きに捉えましょう」
美希「……ミキはここに残っててもいいんだけどな」ボソッ
響「え? なんか言った?」
美希「なんでもないの! それよりお腹減ったの。食堂に行こっ!!」グイグイ
響「れ、レッスン終わったばかりでそんなに食べれないぞ……」ズルズル
貴音「……」
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??? 地下50m
ザクザクザクザク……
P「おーい、差し入れ持ってきたぞ」
真「えー? なんですかー?」ドドドドド
P「だからー、差し入れー!!」
真「もっと大きな声でー!」ドドドドド
P「……真のタンクトップ姿やらしいなぁ」ボソッ
真「はーい、プロデューサー正座のままでねー動くと危険ですよー」バキポキ
P「聞こえてんじゃん」ガクブル
真「雪歩ー! 差し入れだってー!」
雪歩「あ、はーい。今お茶淹れますね」
真「いいよ、ボクが淹れるから」
雪歩「え、い、いいよ! 真ちゃんも疲れてるでしょ?」
真「ううん、一番頑張ってるのは雪歩だよ。雪歩にゆっくり休んで欲しいから、ね?」
雪歩「ぽ、ぽえぇ……」プシュー
小鳥「廃れたなんて言わせねぇよゆきまこわっほい」
P「小鳥さんどっから湧いたんですか」
P「それで、進捗の方は?」
雪歩「あ、はい。もうすぐ外壁に取りかかります。基礎を傷つけないように掘り進めるので、3時間くらいはかかると思いますぅ……」
P「いや、ものすごい速度だ。いい仕事してるな」
雪歩「そうですかぁ? ふふっ……」
小鳥 (765プロから961プロまで5キロはありますよね?)ヒソヒソ
P (アイドルとは末恐ろしいものなんですよ。ホント)ヒソヒソ
雪歩「?」キョトン
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都内 765プロ
千早「ーーそう。雪歩たちの仕事は予想以上ね」
P「ああ、もう今日の夜にでも侵入は出来そうだ」
千早「そうね……」
春香「? どうかしたの?」
千早「着々と準備は進んでいるわ。あずささんと高槻さんが帰ってき次第、内部の細かな情報も分かるわ」
千早「ただ……決め手に欠けるわ。そのまま突入してすんなり取り返せるかしら」
P「なんだ、いつもの千早らしくないな。千早の策は常に万全を期してるじゃないか」
春香「そうだよ! いつだって千早ちゃんは完璧な計画を立ててるよ?」
千早「……なにか、いつもとは違うイレギュラーが起こりそうな気がするの。とくに黒井社長は侮れないわ。どんな手を使ってくるか」
春香「もー、千早ちゃんは思いつめすぎだよ! みんなを信頼すれば大丈夫大丈夫!!」
千早「……ええ、そうね」
……コンコン……
P「ん? 来客か?」
春香「ずいぶん控え目なノックですね」
千早「誰かしら……? はい」ガチャ
千早「え、あなたはーー」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
都内 961プロ 夜 屋上階
響「あれ? ハム蔵ー! どこいったんだ?」
ハム蔵「ヂュイ!」タタッ
響「なんだ、さっきから見てないからどこ行ったのかと思ったぞ! もうお休みの時間だから寝るよー」
貴音「もう寝る用意はできましたか?」
美希「……」ギュ
響「どうしたんだ美希は。ずっと枕抱きしめたまま外見てるぞ?」
貴音「……美希」スッ
美希「たかね……」
貴音「今はまだ辛いでしょう。……私も平気だと言えば嘘になります。ですが、大丈夫ですよ。私たちは絆で結ばれています」
美希「……ホントにそうなの? 絶対そうだって言えるの!?」ガシッ
貴音「はい。絶対です」
美希「っ……も、もう寝るのっ!」ガバッ
貴音「おやすみなさい、美希」
美希「zzz……」
響「寝るのはやっ!」
貴音「さぁ、電気を消しますよ、響」
響「はーい。おやすみ!」
ピッ
貴音「……次に灯りが灯るときには、夢が覚めてくれると良いのですが」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
都内 夜 765プロ
千早「みんな、お疲れ様。ゆっくり休んでーーと言いたいところなんだけど、早速今日取り戻しに行くわ。いいかしら?」
真美「もちもち!」
伊織「にひひっ、これからが面白いとこよね!」
千早「それじゃあこれを見て。あずささんと高槻さんがゲットした情報を書き加えた見取り図よ」バサッ
千早「萩原さん達が掘ってくれた穴は961プロのビル地下2階の床下まで続いてるわ」
千早「床は外れるようになってるから、ここから真とプロデューサーに潜入してもらう予定よ」
P「おい、俺はともかく真は雪歩のサポートをしてたからーー」
真「大丈夫ですよプロデューサー。さっきまでずっと寝て休憩してますから、体力はバッチリです!」
千早「真には今回契約書類を探してもらうわ。おそらく地下のどこかにあると思うわ。実際に三人を探しに行くのはプロデューサーです」
千早「監視カメラに関してはすぐ近くにある管理室の録画スイッチを切るまでは注意して。これは伊織に頼むわ。その後管理室から監視カメラからの映像を直截こっちに送ってもらう」
伊織「りょーかい!」
千早「深夜管理は5人が当たってる……そうよね、高槻さん」
やよい「はいっ! 黒服のお兄さんが教えてくれましたー!!」ニパー
千早「たかつきさんかわいい」
千早「この五人は交代でビルを巡回するわ。見つからないように注意して。カメラからの画像で現在位置は特定するわ」
千早「問題はプロデューサー。最上階の部屋に三人がいるらしいけど、そこまで辿り着くのは難しいわ。……注意して」
P「大丈夫だ。そういうのは慣れた」
あずさ「社長室はその下の階なので、あまり音を立てないように注意してくださいね~」
千早「そして最後の脱出は、また地下まで戻ってもらうことになるわ。おそらくここが最難関よ。プロデューサー、言われたことを守ってくださいね」
P「ああ、善処する」
千早「作戦は以上よ。他の人は基本ここでサポートに当たる。何か質問はある?」
真「オッケーだよ」
伊織「絶対取り返してやるんだから!」
千早「ええ、私たちは必ず仲間を助ける。そうよね?」
全員「「「「「もちろん!」」」」」
千早「それでは、深夜1時きっかりに作戦を始めるわ。用意はいいわね? もちろん私たちは成功するわ。だってーー」
千早「He has nothing better than a pair of face cards(彼の持ち札は、せいぜい絵札のワンペア)なんだもの」クスッ
DAY2 終
DAY3以降は明後日以降の更新になります。一気に話が動く予定です。
元ネタも面白いよね。
個人的には、11が1番好きだけど、続編来ないかなぁ。
乙です
テーマ曲ってどんなのだってけ
脳内再生しようとすると古畑任三郎になってしまう
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??? 深夜 961プロ 地下
ガコッ
伊織「……監視カメラは?」
真「無いよ。上がろう」
P「伊織、登れるか?」
伊織「なんとか……んしょ……」ズリズリ
P「……白」
伊織「っ! 下から覗いてんじゃないわよde変態!!」ガスッ!
P「あうぶっ!」
千早『ダメよ物音立てないで!!』
伊織「終わったらはりつけにするわよ……」
真「周囲確認。OK、伊織、管理室に向かって」
伊織「了解」ソーッ…
P「あれ、俺の顔なんか靴の形にめり込んでない?」
真「プロデューサー、静かにしないと拳の形めりこませますよ」
伊織「……管理室クリア。今から監視カメラの映像を飛ばすわ」
千早『さすが伊織、仕事が早いわ。……音無さん」
小鳥『今警備員は1階ロビー、7階西側廊下、16階男子更衣室を監視中よ』カタカタ
千早『……なんで男子更衣室を監視する必要があるのかしら』
小鳥『ホモォ……┌(┌^o^)┐』
真「僕は地下を攻めていきます。プロデューサー、気をつけて」
P「真こそ、怪我しないようにな」
真「僕は大丈夫ですよ! そんなの慣れっこですから!」
P「違う、真は女の子だ。不必要な傷を付けてほしくない」
真「……プロデューサー」
伊織『あんたは紛れもないde変態でしょうが。さっさと屋上階に向かいなさいよ!』
P「あい」
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都内 同時刻 965プロ
千早「動き出したわ。後は三人に任せるしか無いわね」
やよい「ちょっと心配です……」シュン
千早「高槻さん可愛すぎ(そうね。でもあの三人なら必ずうまくやってくれるわ。信じましょう?)」
春香「心の声の方が良いこと言ってるんだけどなぁ」
真美「亜美~、そこの緑ハーブ取っておいて」カチャカチャ
亜美「どれ~? ってああっ! 捕まった!! QTE多すぎだよ~」ガチャガチャ
春香「呑気すぎるのもなぁ」
真『こちらまっこまっこりん、地下四階まで来ました……あっ、でっかい金庫発見!!』
千早「地下四階ね。伊織、四階の映像を」
伊織『はいはい。……見れる?』
千早「見えるわ。……随分大げさな金庫ね。こんなの図面には無かったわ。位置的に、部屋の3分の1が金庫のようね」
真「ボタン式だ。0から9までの番号がある。桁数は……」ピッピッ
千早「だ、だめっ! まだ押したらーー」
ピーッ、ピーッ
真『な、なんだ!? 4桁なのは分かったけど、上のランプが点滅し始めたよ!!』
小鳥「その形、恐らく私の使ってる金庫のシステムと同じね。一回間違った番号を押せば、5分以内に正しい番号を押さないと外部の管理会社に連絡がいくやつよ」キリッ
千早「……何をそれに入れてるの?」
小鳥「大人のイケないレアものぴよ☆」
真『どど、どうしよう! 番号って何!?』ワタワタ
千早「落ち着きなさい真。せいぜい総通りは10の4乗通り。冷静になるの」
真『10の4乗……って、1000通りもあるじゃないか!!』
千早「冷静になれてないわね。10000通りよ」
真『なおのことだよ!!』
千早「まずは黒井社長に関連する言葉から行くわよ。小鳥さん」
小鳥「ぴよ。まずは誕生日から言っていくわ。誕生日はーー」
ピッピッ
ブー
真『だめだ開かない!』
千早「次よ。次は誕生年」
ビッピッ
ブー
真『くそっ!』
千早「まだ諦めない。次はーー」
ピッピッ
ブー
ピッピッ
ブー…
>>91ミス。小鳥さん→音無さん
真『……どれもこれもダメだ!』ガンッ
小鳥「残り二分!!」
千早「落ち着きなさい……ここで連絡がいけば間違いなく失敗……黒井社長に関係するもの……」ブツブツ
春香「え、えーとえーと……所属アイドルの人数とかは?」
亜美「9613……黒井さんとか~?」
千早「ダメで元々よ。真、打ってみて」
ピッピッ
ブー
真『ダメだよ! もうこうなったら運に任せるしかっ……!』ビピピピッ
ブー
ブー
ブー…
千早「答えは何……? 黒井社長に関係のあるもの……」ブツブツ
高木「……音無くん」
小鳥「あっ、社長……黒井社長に関係する四桁の数字、何かないですか!?」
高木「……」
ピッピッピッピッ
ブー…
伊織『あと1分!!』
真『くっそぉおおおおお!! 開いてよ!!』ピピピピピッ
ブー
高木「……音無くん、マイクを!」
小鳥「へっ? あ、はい!!」ガタガタ
高木「菊池くん、聞こえるかね?」
真『はい! なにか分かりましたか!?』
高木「いや……ダメで元々だ」
千早「残り10秒!!」
高木「頼んだ……番号はーー」
真『ダメもとぉ!!』ピピピピピッ!!
ピーッ、ガシャッ
真『……』
真『……開いた?』
千早「社長、この数字は?」
小鳥「……」
高木「……ちょっとした、彼の弱点だよ」
春香「?」
真『開きました! 中は……えっ?』
千早『どうしたの?』
真『古いアタッシュケースしか入ってないよ?』
千早「アタッシュケース?」
真『そう、これは鍵が二箇所かかってる。ここで開けるのは無理そうだよ』
千早「おそらくそれに書類が入っているわね。真、それを持って一足先に戻ってきて」
真『りょーかい!』
千早「あとはプロデューサーね……伊織、プロデューサーの現在位置は?」
伊織『あと一階で最上階よ。最上階の監視カメラは無いわね』
真美「うあ~、頼んだよ兄ちゃん!」
千早「見つからないことを祈るしかないわ」
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都内 同時刻 961プロ 屋上室入口前
P「二度と階段なんか使いたくない……これは報酬がお姫ちんのお尻ちんでも割にあわねぇぞ……」
P「ここの監視カメラは無し。ホテルの廊下みたいな作りだな」カツカツ
P「……ここか。鍵は電子錠。見せてもらおうか、水瀬の力とやらを」カチッ
ピーピー
カシャ
P「ちょろいぜ」
カチャ…
P「暗いな……響、貴音、美希、どこにいるー?」
P (はっ、待てよ今俺はアイドルの寝ている部屋に入っているのか。つまりこの部屋の何処かに少し寝相の悪くておへそがちらっと見えてる響と毛布をかけても分かるふるふるお山の貴音と極め付けに枕をぎゅーっと抱きしめてズボンが少しズレてちらっと見えてる美希がいるのか!?!?!?)
千早『……嫌な予感がする』
P (いかんぞ俺。ミッションポッシボーの精神で行くのが鉄則だろ。邪な気持ちは決して)
P「おーい、どこだ……? おうふ、この部屋か?」
P (下心丸出しのまま寝室っぽい部屋入るぞー)
ガチャ
P「電気のスイッチはこれか……皆無事か?」パチッ
黒井「まぁ三人の安全は私が保証しよう」
P「っ……!!」
千早『そんなっ!!』ガタッ
黒井「君には警告したはずだぞ、余計なことはするな、とな」
P「くそっ……!」
黒井「残念だが三人はここにはいない。別のスイートに泊まってもらってるよ」
千早『……私達の計画がバレていたってこと?』ギリッ
P「……どうして」
黒井「簡単な話だ。私はそこまで間抜けではないというだよ。貴様が来た時からこういうことは予測してた。そこで、今日が一番手薄になるようにわざと情報を統制していたのだよ」
黒井「最も、どう乗り込んでくるのか、どこから情報を掴んだのかまでは分かりはしなかったが……まんまと引っかかってはくれたみたいだな」ニヤリ
P「……俺たちのアイドルを返せ!」
黒井「返す? バカを言うな。貴様はダイヤの原石を珍しいと弄んでいるだけだ。私は違う。ダイヤの内に潜む輝きを誰よりも理解している! 私は磨きをかけ、必ずや三人をトップアイドルにする!! エゴで泥塗れにしてるのは貴様の方だ!!」
P「確かにまだ俺は輝きを発揮させてはいない。だが、俺はアンタのような手段で三人を粗い輝きにしたくない!」
黒井「それこそ貴様のエゴで、甘ったれたことを言っているのだよ。この業界で挫折を知らないただのひよっこだ。仮にも私はこの業界で長く生き、挫折と苦悩を味わっている。そうしてこそ出来た基盤なのだよ」
黒井「……話が逸れたな。本題に入ろう。貴様はどうも契約を通した手続きが気に入らないらしいな。それなら、納得できるだけの契約を結ぼうじゃないか」バサッ
黒井「さぁ、座れ。茶などは出せんがな」
P「……」スッ
黒井「ここに三枚の封筒がある。これが高木と結んだ移籍条項、これが本命のフェアリーに関する条約、そしてこれが貴様と結ぶ契約だ」パサッ
P「……これは」
黒井「765プロがフェアリーのメンバーの移籍に納得し、全ての契約を正式に認めるのならば、961プロは契約金として貴様らに5000万やろう」
小鳥『5000万!?』
やよい『も、もやし何個買えますか? いち、にー、さん……』
千早『高槻さんは私が生涯雇うわ。それよりプロデューサー』
黒井「悪い話ではないだろう。貴様らも潤い、私も潤う。まさにWinWinの関係だ」
P「……これを結んだら、そのフェアリーに関する契約がお互いの了承の上になりたつことになる」
黒井「まぁ、貴様らが了承しなくても今のままでフェアリーに関する契約は有効だ。つまり、貴様らはこれを結べば実質タダで5000万が手に入るのだ。悪くないとはそういうことだ」
黒井「さぁ、どうする? どの道貴様らに選択肢はない。5000万を受け取って、さっさと諦めたまえ」
P「……あのなぁ!!」バンッ!!
千早『……! 伊織、ブレーカーを落としてっ!!』
伊織『えっ!? う、うん!!』
シュウウン
黒井「ん? 停電か?」
千早『いいわ、戻して』
伊織『分かったけど、何のために……?』
ブウン……パッ
黒井「何だったんだ……まぁいい。それで、貴様はどうするんだ」
P「結ばない。断固として」
黒井「ふっ、残念だな」
黒井「いいだろう。貴様のその強情さに対してこの移籍条項が入った封筒は破棄してやろう。どうせ肝心なのはこっちのフェアリーに関する契約書だからな」
ビリッビリッビリッ…
P「……本当に中身が入っているのか?」
黒井「そこまでアンフェアな人間ではない。見たまえ、中からも紙くずが落ちただろう。掃除でもしてくれるのかね?」
P「……ちっ」
黒井「……時間だ。貴様が入って来た時に警察を呼んでおいた。そろそろここへやってくるだろう」
P「……っ! なっ、おい! ふざけんな!!」
黒井「当たり前だろう、これは立派な不法侵入だ。それだけでは済まないかもしれないがな」
ガチャ
警官「お待たせしました。君だね? 手を後ろに組みなさい」
P「おい、ふざけんな! 違う、こいつがうちのアイドルを……!!」ジタバタ
警官「暴れるのはやめなさい! ほら!!」
カシャン!
P「あっ……」
警官「現時刻深夜2時17分。不法侵入の容疑で現行犯逮捕だ」
黒井「悲しい音色だな。実に相応しいが……」
警官「さぁ、来なさい」
P「ふざけんな!! 黒井! てめぇ!!」バタバタ
警官「やめなさい! 公務執行妨害罪も増やしたいのか?」
P「くろぃいいいい!! このままで終わると思うなよ! 絶対三人を取り返すからな!!」
黒井「楽しみだよ、へっぽこプロデューサー君」
警官「ほら、来なさい!」グイグイ
P「くそっ! くそっ! こんなところで失敗かよっ!! 黒井!! 黒井ぃいいいい!!」
バタン
黒井「……最後に笑うのは、私なのだよ」
DAY3 終
DAY4以降はまた明後日以降になります。
乙です
あ、明後日以降としか言ってないもんね(震え声)
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