今までに大勢の犯罪者を檻にブチ込んできた。
数え上げればキリがねえが、有名なヤツを三つ挙げてやろう。
「衝撃の戦士ポリゴン」。こいつはとんでもねえハッカーだった。こいつのせいで大勢の子供達が入院した。
「トゥーフェイス・ドードー」。闇社会の大物だったが、コインがなけりゃなんにもできねえヤツだった。
「ダークナイトのゴルバット」。悪党の尻に噛みつき血を吸っていた、自称「自警市民」。「相手は悪党なんだから血を吸ったっていいだろ。」とかほざいていたが、良いワケねえだろ。
そんな優秀な私立探偵の俺が次に相手するのは、「殺し屋」だ。
その腕は確かなモンで、狙った獲物は逃がさねえ。
犯行現場には、「13」と書かれたトランプの「キング」を置いていく。
その名も、「キング13(サーティーン)」
腕利きのスナイパーだ。
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どうして俺が殺し屋を追うハメになったのか教えてやろう。
先日、「ウツボットン製薬」の社長ウツボットが俺の事務所に来た。
「鬱を~撃つ討つウツボットン~♪」のCMで有名なあの会社だ。
その大会社の社長が開口一番に言った言葉がこれだ。
ウツボット「ワシは殺し屋に狙われているッ!!しかもッ!あの『キング13』にッ!!」ドンッ!!
自慢げにこんな事を言われて、どうしようかと思ったよ俺。
パラセクト「どういう事ですか?」
ウツボット「ライバル会社の『ラフレシリアーナ製薬会社』から脅迫電話がかかってきたのだ!」
パラセクト「どういう内容で?」
ウツボット「今月下旬発売予定の不眠薬『スリーパーモ・コワクナイヨー』(定価35000円)の発売を中止しないと『キング13』を雇うと言われたのだッ!!」
パラセクト「警察に相談すればいいじゃないですか(棒)」
ウツボット「だめだ!『スリーパーモ・コワクナイヨー』の成分を警察に知られたくないッ!!」
パラセクト「そんなこったろうと思いました。」
ウツボット「クソッ!ラフレシアの女狐めッ!!人が警察に相談できないことをいいことに調子に乗りおって……ッ!!」
キュウコン「お茶、お持ちしました。」ムスッ
彼女は秘書のキュウコン。優秀だが、怒ると怖い。命に係わるレベルで怖い。
彼女の機嫌を損ねないでくれ。いや、ホント頼むから……。
ウツボット「とにかく、君にしか頼める相手がいないんだッ!頼むッ!『キング13』を捕まえてくれ!!」
パラセクト「報酬は?命がけの仕事なんですからはした金じゃ困りますぜ。」
ウツボット「前金で百万円。成功したら一千万円。」
パラセクト「その仕事引き受けました。」
キュウコン「では、この契約書にサインを。」
ウツボット「うむ。」サラサラサラー
パラセクト「必ずとっ捕まえてみせますんで、そのつもりで。」
ウツボット「うむ。頼んだぞ。」
ウツボットが帰った後、俺はすぐさま窓際で叫んだ。
パラセクト「ピクシイイイイイイイイッ!!!!!」
40分後、地獄耳のヤツが来た。
ピクシー「チョリーッス!呼んだッスか社長ー?」
こいつはピクシー。情報通のギャル男だ。
パラセクト「『キング13』を捕まえるぞ。」
ピクシー「いきなり何言ってんスか?ンなモン無理に決まってんじゃねーッスかー。」
パラセクト「安心しろ。手がかりはある。」
ピクシー「マジッスか!?ガチでハンパねえっすね社長!」
パラセクト「『キング13』はこの一か月で9回仕事をしている。」
キュウコン「働き者ですね。誰かさんと違って。」
ピクシー「社長、どんだけ仕事してねーんスか……?」
パラセクト「ヤツは犯行現場に必ずトランプの『キング』を置いていく。」
ピクシー「律儀ッスねー。」
パラセクト「つまり犯人は、この一か月で9回もトランプを買ったということだ。」
ピクシー「!!」
キュウコン「買いだめしてたらどうするんですか?」
パラセクト「んなこと言われたって、その他に手がかりがねえんだからしょうがねえだろ?という訳でピクシー。この町の玩具店、雑貨屋、駄菓子屋、百円均一店、フレンドリィショップ……トランプを売っている店を虱潰しに調査しろ。」
ピクシー「いくらくれるんスかー?」
パラセクト「二十万円だ。」
ピクシー「っしゃー!まかしときー!」
パラセクト「じゃあ俺達は犯行現場にでも行くか。」
キュウコン「いってらっしゃい。」
パラセクト「お前も来るんだよ。」
キュウコン「えっ?なんでですか?」
パラセクト「だって、ここには俺とお前しかいねえじゃん。」
キュウコン「なんで私が社長とデートしなきゃいけないんですか?」
パラセクト「デートじゃねえよ。仕事だバカ。」
キュウコン「……バカ?」ピクッ
パラセクト「一緒に犯行現場に行きましょうぜ、世界一クールで優秀な秘書のキュウコンさん。」
キュウコン「そこまで言うなら仕方ないですね社長。」
そんなこんなで九か所の犯行現場を回った。
そして、全ての現場の共通点をいくつか見つけた。
ひとつは、どの場所も狙撃するにはぴったりの場所だということ。当たり前だ。
もうひとつは、必ず鳥の羽が落ちているということ。
もしかしたら、犯人は飛行タイプのポケモンかもしれない。
もうちょっと行間を広げると読みやすいぞ
三日後
ピクシー「社長ー!調査結果報告していいッスかー?」
パラセクト「おう、早くしろ。」
ピクシー「この一か月でトランプを9回購入した客は5人いました。ビードル、ニドキング、アズマオウ、ブースター、そしてコイキングッス。」
パラセクト「……。」
キュウコン「あれ?飛行タイプは?」
パラセクト「と、とりあえず、ゴース五人衆を呼んでくれ。」
ピクシー「チョリーッス!」
ゴース×5「「「「「お呼びでしょーか、社長!」」」」」チリチリシャー
パラセクト「この5匹のポケモンを尾行しろ。」
ゴース1「じゃあ僕はビードルを!」
ゴース2「じゃあ僕はニドキングを!」
ゴース3「じゃあ僕はアズマオウを!」
ゴース4「じゃあ僕はブースターを!」
ゴース5「じゃあ僕はコイキングを!」
ゴース「「「「「尾行します!」」」」」
パラセクト「よし、散れッ!!」つ扇風機
ゴース「「「「「あ~れ~!!」」」」」ブオオオオオオオーー
ピクシー「……それ、パワハラじゃねーんスか?」
パラセクト「この方が仕事が速い。あいつらはガスだからな。パワハラといえば、世の中には社長にパワハラする社長秘書というのがいるらしいぞ。」
キュウコン「相変わらず社長は冗談がお好きですね。」
そして一週間後
ゴース「「「「「調査終わりました!」」」」」
パラセクト「ご苦労。1人ずつ順番に報告してくれ。」
ゴース1「ビードルがトランプを9回も購入していた理由は、次々と生まれる兄弟にプレゼントするためでした!」
パラセクト「ああ、なるほど。虫ポケモンは子供を沢山作るからな。全く、お盛んなこった。」
キュウコン「社長も虫ポケモンですよね?なんで独身なんですか。」
パラセクト「俺はキノコだからいいんだよ。よし、ありがとよ、ゴース1。」
ゴース1「どういたしまして!」
パラセクト「よし、次!ゴース2!」
ゴース2「ニドキングがトランプを9回も購入していた理由は、家族でトランプゲームをするたびに、長男がキレてツノでトランプに穴をあけるからです!」
ピクシー「反抗期ってヤツッスねー。」
キュウコン「奇遇ですね。うちの社長も反抗期なんですよ。」
パラセクト「いや、反抗もなにも、俺が上司なんだからな?まあいいや。ありがとよ、ゴース2。」
ゴース2「どういたしまして!」
パラセクト「よし、次!ゴース3!」
ゴース3「アズマオウがトランプを9回も購入していた理由は、巣穴のインテリアの為でした!」
ピクシー「えっ……どういう事よ?」
ゴース3「メスの気を引くために、壁という壁にトランプのカードを張り付けていました!」
パラセクト「うわぁ……そんな巣穴でメスにモテるワケねえだろ……。」
ゴース3「いや、ハーレムでした!」
ピクシー「ちょっとトランプ買ってくるッス!」
パラセクト「俺も行く。」
キュウコン「社長はダメです。」
パラセクト「なんで俺はダメなんだよ……ちくしょう……。まあいいや。ありがとよ、ゴース3。」
ゴース3「どういたしまして!」
パラセクト「よし、次!ゴース4!」
ゴース4「ブースターがトランプを9回も購入していた理由は、トランプが燃える様子を楽しむためです!」
ピクシー「……どーゆーことよー?」
ゴース4「まずは13枚を地面に置き、燃やします!あとはその炎の周りでテキトーにトランプをばらまきながら燃やし、踊り狂うだけです!」
キュウコン「うわぁ……。」
パラセクト「……世の中には、色んな趣味のヤツがいるな……。」
ピクシー「よっぽど疲れてるんスね、そいつ……。」
ゴース「目を見開いて涎を垂らし、奇声を挙げながら火を吹いてました!」
ピクシー「お化けなんかよりもよっぽど怖いッスね……。」
パラセクト「なんていうか、本当にご苦労様。ありがとよ、ゴース4。」
ゴース4「どういたしまして!」
パラセクト「よし、最後!ゴース5!」
ゴース5「それが、その……コイキングが何のためにトランプを9回も購入していたのかわかりませんでした!」
パラセクト「なんだと!?まさかお前、コイキングごときを見失ったのか!?」
ゴース5「はい!その通りです!尾行一日目に、コイキングはピジョンにさらわれて空の彼方へ消えました!」
ピクシー「……あー……」
ゴース5「おそらく、真相は闇の彼方へ消えました!」
パラセクト「……なんていうか、その、そいつがイワークに生まれ変われることを祈るぜ……。」
ピクシー「社長は今すぐイワークに生まれ変わった方がいいんじゃないすか?www」
パラセクト「俺もそう思う。」
キュウコン「じゃあ私はシャワーズに生まれ変わります。」
パラセクト「なんで来世でも俺をパワハラする気なんだ?まあいいや。一日だけご苦労だったなゴース5。ありがとよ。」
ゴース5「どういたしまして!」
ピクシー「結局、四人までしか絞り込めなかったッスね……。」
パラセクト「1人減らせただけでもマシだと思うしかねえか……。」
キュウコン「えっちょっと待ってくださいよ。ビードルはまだ子供だし、ニドキングは家族思いのパパだし、アズマオウはただのプレイボーイだし、ブースターはただの精神病者じゃないですか。まだ疑っているんですか?彼らは殺し屋じゃありませんよ。常識的に考えて。」
パラセクト「その『常識的に考えて』って思考が、探偵にとっては命取りなんだぜ?」
キュウコン「!!」
パラセクト「ビードルは子供の殺し屋かもしれねえし、ニドキングは殺し屋の仕事で家族を養っているかもしれねえし、アズマオウは女遊びの金が欲しい殺し屋かもしれねえし、ブースターの精神がおかしいのは殺し屋という職業のせいかもしれねえんだ。」
ピクシー「コイキングはまだ生きているかもしれないし。」
パラセクト「いくらなんでもそれはねえな。」
キュウコン「確かに、凶悪犯を捕まえてみたら『とてもそういうことをするような人には見えませんでした。』ってパターンは結構ありますね。」
ピクシー「逆に、『いかにもそういうことをしそうなヤツでした。』っていうのはないんスかね?『常にガイコツをかぶってて、太い骨の棍棒持ち歩いてました。』みたいなww」
パラセクト「それはいるかもしれねえな。」
パラセクト「……ピカンときたぜ。」
ピクシー「えっ!?マジッスか!?さすが社長マジハンパねえっす!!」
キュウコン「こういう時の社長はかっこいいですね。こういう時だけは。」
パラセクト「犯人はおそらく……>>21だ!!」
安価かよ
ピジョンか?
うえ
ブースター
ピクシー「なんでブースターが犯人だと思うんスか?」
パラセクト「カンだ。」
キュウコン「カンって……。」
パラセクト「俺のカンはよく当たるんだ。」
ピクシー「マジッスか!?」
キュウコン「あの、鳥の羽は……?」
ピクシー「それ多分アレっすよ。偽装工作ってヤツ?」
パラセクト「そして、俺のカンによればヤツは今日仕事する。」
ピクシー「マジっすか!?」
キュウコン「もはや推理でもなんでもないですね。」
パラセクト「ウツボット社長はどこにいる?」
ピクシー「邸宅に引き籠っているッス!」
パラセクト「邸宅を狙撃できそうな場所を探せ!そこに向かうぞ!」
ピクシー「チョリーッス!」
三時間後、とあるビルの空き部屋
ピクシー「ここからならウツボットが光合成してるのがよく見えますよね?」
パラセクト「ああ。スナイパーにとってここはベストポジションだな。」
キュウコン「他にも空き部屋ありましたけど大丈夫ですか?」
パラセクト「俺のカンがブースターはここに来ると言っている。」
ピクシー「じゃあオレ帰ってもいいッスか?」
パラセクト「ああ。キュウコン1人でも大丈夫だろう。」
キュウコン「なにドサクサに紛れて自分も帰ろうとしてるんですか社長。」
パラセクト「アンパンとモーモーミルク買ってきたか?」
キュウコン「カレーパンとコーヒーモーモーミルクです。」
パラセクト「俺の推理通りだ。今日の俺は絶好調だぜ。」
キュウコン「残念でした。これは私の分です。」
パラセクト「その答えも推理通りだ。」
キュウコン「ぐぬぬ……。」
パラセクト「誰であろうと俺の推理力を止めることはできねえぜ。」
キュウコン「!そこにいるのは誰ですか!?」
ブースター「!!」
ブースター「な、なんなんだあんた達は!?」
パラセクト「やっぱりお前が『キング13』か!俺の推理通りだぜ!」
キュウコン「さっきカンって言ってましたよね?」
ブースター「な、なんの話だ!?いい加減なことを言うな!!名誉棄損で訴えるぞ!?」
キュウコン「あぁ?やれるモンならやってみろよサイコ野郎が。焦がすぞ?」
ブースター「ひいいいいいいい!!」ガクガクガク
パラセクト「ひええええええええ……」ガタガタガタ
「部屋のスミでガタガタ震えて命乞いする準備はOK?」ってヤツだ。
キュウコン「あれ?こいつスナイパー用の道具なにも持ってませんよ?ライフル銃とかそういうの。」
パラセクト「……え?」
キュウコン「じゃあこいつは……『キング13』じゃない?」
パラセクト「なん……だと?」
その時、屋上から銃声が聞こえた。
キュウコン「きゃあっ!!」
ブースター「な、なんだなんだ!?」
パラセクト「や、やばい!社長は!?」
ウツボット「」
ウツボットは眉間に穴を開けて倒れていた。
キュウコン「犯人がまだ屋上にいるハズです!急ぎましょう!」
屋上
パラセクト「どうだ!?いたか!?」
キュウコン「……逃げられました。」
屋上には「13」と書かれたトランプのカードが落ちていた。
パラセクト「バカな!?どうやって逃げたんだ!?」
その時だった。
空から何か軽い物が降ってきた。
鳥の羽だ。
パラセクト「……!!そうか、そういうことか……!!」
キュウコン「社長?」
パラセクト「クソッ!!俺はなんて馬鹿だったんだ……ッ!!」
翌日
ウツドン「……どーゆーことなんですかねー?これは?」
パラセクト「俺の力不足です。」
ウツドン「そのせいでウチの社長は死んだんですけどねー?」
パラセクト「すみませんでした。」
ウツドン「すみませんですんだら探偵はいらねーんだよ、あー?なめてんのか?まーおめーはもういらねーけどな。」
パラセクト「……。」
ウツドン「なーにが名探偵だよ?人をナメ腐るのも大概にしとけよ?」
キュウコン「……。」ギロッ
ウツドン「ま、まあ、今日のところはこれで勘弁してやるよ。」ソソクサ
パラセクト「……ありがとよ。」
キュウコン「秘書として当然のことをしたまでです。それに、社長に暴言を吐いていいのは私だけです。」
色々おかしいと思ったが、黙っていることにした。
そのころ、町の外の草原
クサイハナ「よくやったな、キング13。」
キング13「……報酬は?」
クサイハナ「これが報酬だ!!ほらよ!!」パチンッ
キング13の周囲の地面から5匹のナゾノクサが飛び出してきた!!
周囲にやたら大きい草が生えてるなと思ったが、ナゾノクサだった!!
ナゾノクサ1「てめえに生きててもらうと困るんだよねえ。カネだってもったいねえし。」ジリジリ
ナゾノクサ2「それにしてもびっくりだぜ。まさかてめえが殺し屋だとはな。」ジリジリ
ナゾノクサ3「最初に聞いた時はびっくりして腰が抜けたぜ。」ジリジリ
ナゾノクサ4「だがてめえは水タイプ。オレ達は草タイプ。」ジリジリ
ナゾノクサ5「この状況で、丸腰のコイキングに何ができる?」ジリジリ
コイキング「……。」
コイキング「……どうせ、こんなことだろうと思っていた。」
クサイハナ「ふーん。じゃあなんでなんの対策もしてないんだ?」
コイキング「……対策なら、したさ。」
クサイハナ「『丸腰で来い』と言われて、本当にそうするヤツがか?笑わせんなよ。」
コイキング「……だからこちらは場所を指定した。対策はそれで充分だ。」
クサイハナ「『開けた場所で』としか言われなかったぞ?」
コイキング「……だから、それだけで充分だと言っているんだ。」
クサイハナ「なんだと?」
コイキング「……貴様等はすでに鵜の目鷹の目……いや」
ピジョン「鳩の目にさらされてたってワケさ!兄貴ーーッ!!」
いきなりピジョンが現れて、コイキングを掴んで飛び上がった!!
クサイハナ「しまった!!仲間がいたのか!!」
コイキング「……確かに俺は武器を持ってきてない。……俺はな。」
ピジョン「兄貴!」ポイッ
ピジョンはくわえていた何かを足元のコイキングに向かって落とし、コイキングはそれをキャッチした!
クサイハナ「まずい!!アサルトライフルで武装しやがった!」
コイキング「…………」BRTATATATATATAT
コイキングは上空からアサルトライフルを乱射した!
ナゾノクサ「「「「「ぎゃあああああ!!」」」」」
ナゾノクサ達は倒れた!
ついでにクサイハナも倒れた!
コイキングとピジョンは地上に降りた!
コイキング「……俺に死んだフリが通用すると本気で思ったのか?」
ピジョン「起きろ!」ゲシッ
クサイハナ「ひいいいいい!!」ゴロンッ
コイキング「……」
クサイハナ「こ、殺さないでくれッ!!なんでも話すから!!」
コイキング「……誰の命令だ?」
クサイハナ「しゃ、社長の命令だ!あのワンマンの女狐の命令だ!!私は命令されてただけなんだ!」
コイキング「……」
クサイハナ「そ、そうだ!社長を殺してくれ!報酬は必ず払うから!!な?な?な?」
コイキング「……」つピストル
クサイハナ「ちょ、ちょっと待ってくれよ!情報だって話したじゃないか!それに、私はお前の客だぞ!?お客様は神様だぞ!?だから」
コイキング「……ギルティ―。」ズキューン
クサイハナ「」
コイキング「……さて、いつも通り……。」シャッフルシャッフル
ピジョン「ちょっと待ってくれ兄貴!」
コイキング「……どうした弟よ。」シャッフルシャッフル
ピジョン「その、トランプを現場に置いていくやつさ、やめない?」
コイキング「……」ピタッ
ピジョン「だってさ、そのトランプから足がつくかもしれないじゃん?」
コイキング「……」
ピジョン「このまえ探偵に尾行されたのもさ、絶対トランプのせいだと思うんだ。」
コイキング「……」
ピジョン「それに、トランプ代だってバカになんないしさ……。」
コイキング「……」
ピジョン「兄貴?」
コイキング「……しかし、これを置いておかないと、広告にならないじゃないか。」
ピジョン「だから、他の方法にしようぜ!」
コイキング「……何をする気だ?」
ピジョン「巣の押入れからカラースプレーを引っ張り出してきたぜ!ちょうどいい大きさの岩もあるし、そこに署名しようぜ!あとついでに名前も変えとこうぜ!」
コイキング「……内容はまかせたぞ、弟よ。」
ピジョン「まかせとけ兄貴!」
五分後
ピジョン「あーあ、岩がもっと大きかったら英語で『スマッシュブラザーズ』って書き込めたのに!」
コイキング「……最後まで書けなくてよかったと思うぞ。複数犯だとばれてしまうからな。」
ピジョン「それもそうだな!じゃ、いっか!」
コイキング「……よくないと思うぞ。『スマッシュブラザーズ』のスペルは『SMASH BROTHERS』だぞ。」
ピジョン「えっ……?じゃあこれなんて読むんだ?」
コイキング「……知らん。」
翌日
ガーディ「ウインディ刑事、こちらです!」
ウインディ「うわーこいつぁひでーや。」
ナゾノクサ5匹とクサイハナの死体が転がっている。
近くの岩にはカラースプレーでメッセージが書き込まれていた!
ガーディ「これはおそらく、改名したって意味なんでしょうね。」
「KING13 IS DEAD.LONG LIVE THE SMOSH」
ウインディ「『キング13は死んだ。永遠なれ……』なんだこれ?なんて読むんだ?」
ガーディ「『スモッシュ』……ですかね?」
ウインディ「『永遠なれスモッシュ』ってか?……スモッシュってなんだ?」
ガーディ「なにかの暗号ですかね?」
その頃ラフレシリアーナ製薬本社ビル
ラフレシア「ど、ど、ど、どーすんのよ!?このまんまじゃワタシ、殺されるわよ!?」
モンジャラ「そうですね。困りましたね。」
ラフレシア「なんとかしなさいよアンタ!!ワタシが殺されてもいいの!?」
モンジャラ「はい。」
ラフレシア「はい!?」
モンジャラ「あ、いえ、私がなんとかするという意味です。」
ラフレシア「じゃあなんでワタシから離れてんのよ!?身を挺してワタシを守」バスッ!
ラフレシアの眉間に穴が開いた!
モンジャラ「大変だ!社名を変えなきゃ!」
この日から社名は「モンジャラリン製薬」になった。
隣のビルの屋上
コイキング「……仕事は終わったぞ、弟よ。」
しかし、誰も来ない!
コイキング「……弟よ、聞いているのか?」
???「お前の弟は来ねえよ。」
コイキング「……なんだと?貴様は誰だ?」
パラセクト「俺の名前はパラセクト。名探偵だ。」
パラセクト「そろそろここに来ると思ったぜ。約束を破ったラフレシアを狙撃できる場所はここしかねえからな。」
コイキング「……俺を尾行していた探偵とは貴様か。」
パラセクト「お前のせいで面目を潰されちまったが、どうにかなりそうだぜ。」
コイキング「……弟に何をした?」
パラセクト「眠り粉を吸わせただけだ。ついでに縛っておいた。」
コイキング「……」
パラセクト「つまり、お前はもう逃げられない。」
コイキング「……逃げる気など、ない。」つピストル
パラセクト「無駄だ。俺の眠り粉は風に乗せりゃあ30メートルは飛ぶぜ。しびれ粉だってある。」
コイキング「……確かに風が吹いてるな。」
パラセクト「そうだ。諦めて眠った方がいいぜ。」
コイキング「……貴様にとっての向かい風、俺にとっての追い風がな。」
パラセクト「しまった。」
コイキング「……言っておくが、風向きが変わるまで待つ気などない。」
パラセクト「……。」
コイキング「……さよならだ。」カチャッ
キュウコン「社長!!危ない!!」ダッ!!
パラセクト「馬鹿!!来るな!!」
コイキング「!!誰だ!?」クルッ
俺の眉間を狙っていた銃口は、キュウコンに向かった。
銃声が鳴ったのはその直後だった。
パラセクト「キュウコン?おい!キュウコン!」
キュウコン「しゃ……社長……ご無事……でしたか……。」
パラセクト「ああ!無事だよ!俺は無事だよ!」
キュウコン「よかっ……たぁ。」ガクッ
パラセクト「お、おい!キュウコン!キュウコン!」ユサユサ
コイキング「……」アーメン
パラセクト「起きろよ!起きろって言ってんだろ!!早く起きねえと穴という穴に小さなキノコをブチ込むぞ!!」
コイキング「……もういいだろう。覚悟を決めろ。」カチャッ
パラセクト「……ああ。」
コイキング「……あまり死体を増やしたくはないのだがな。」
パラセクト「これからもその仕事で食っていくんだろ?今更1つぐらい死体が増えても同じことだ。」
コイキング「……」
パラセクト「どうした?何を待ってる?」
コイキング「……」
パラセクト「やれよ。」
コイキング「……」
パラセクト「キルミーベイベー!!」
閃光と共に銃声が鳴り響く。
次の瞬間には俺の頭は吹き飛んでいた。
パラセクト「」
コイキング「……」スッ
コイキングはパラセクトの頭を拾った!
コイキング「……」ピチピチ
コイキングは跳ねながらパラサイトの体に近寄った!
コイキング「……」コトッ
コイキングはパラセクトの頭を体の近くに置いた!
コイキング「……」アーメン
パラセクト「やっぱりな。お前は絶対そうすると思ったぜ。俺の推理通りだ。」
コイキング「!?」
パラセクトの眠り粉ッ!!
コイキング「そんな…ばかな……あたま……ふっとばした……ハズ…。」
パラセクト「俺の本体は背中のキノコなんだよ。」
コイキング「…なるほど……そおいう……ことか……。」
パラセクト「……だからキュウコンは俺を助けなくてよかったんだよ……。」
コイキング「おまえの…こいびとには……きのどくしたな……。」
パラセクト「いや別に、そんな仲じゃなかったけどさ……。」
コイキング「いいこと……おしえてやる……。」
パラセクト「なんだ?お前の同僚の情報でもくれるのか?」
コイキング「おれの……かばん……。」
パラセクト「なんだ?鞄がどうした?」
コイキング「ZZZZZ」
コイキングは眠ってしまった!
パラセクト「寝ちまったか……。」
コイキングをあなぬけのヒモで縛った後、彼の鞄を漁ってみた。
なんということだろうか。
げんきのかけらを発見した。
キュウコンの心臓が止まってまだそんなに時間が経っていない。
今なら間に合うかもしれない。
パラセクト「こいつを使えば……ッ!」
俺はまた社長秘書に怯える日々を送ることになる。
さっき恋人とか言われたがとんでもねえや。
ましてや夫婦なんかになったらとんでもないことになるに違えねえ。
夫婦喧嘩の度に死を覚悟しなきゃいけないんだぜ?
それが一生続くんだぜ?
そんな人生は……
パラセクト「スリル満点で最高だな。」
パラセクトはキュウコンにげんきのかけらを使った!
三日後、ポケモンセンター
ピクシー「『その常識的に考えてって思考が、探偵にとっては命取りなんだぜ?』」キリッ
キュウコン「wwwww」
ピクシー「『コイキングもまだ生きているかもしれないし。』『いくらなんでもそれはねえな。』」
キュウコン「生きてましたねwwwしかもピジョットとグルでwww犯人でしたよねwwww」
パラセクト「……元気そうでなによりだな。」
キュウコン「あ、社長!頭の具合はどうですか?」
パラセクト「お前に言われると、バカにされてるような気がするから不思議だ。もう治ったから心配すんな。」ポロッ
キュウコン「きゃあああああ!!アタマが!社長のアタマが落ちたー!」
ラッキー「他の入院患者に迷惑なので静かにしてください。」
千代ちゃんスレと思ったらちゃんとポケモンスレであった、支援
ピクシー「じゃあオレはこのへんでー。」
キュウコン「お見舞いに来てくれてありがとうございました。」
パラセクト「お前の方はどうなの?傷は塞がったか?」
キュウコン「ええ、お蔭さまで。」
パラセクト「そいつぁよかった。」
キュウコン「社長はまだ首の皮の一枚も繋がっていないんですから毎日来なくたっていいんですよ?」
パラセクト「いいや、毎日来てやるよ。こんなザマじゃ仕事ができなくて暇だからな。」
キュウコン「……ありがとうございます。」ボソッ
パラセクトっていうチョイスが渋いね
キュウコン「なんで私を助けたんですか?このままじゃいつか私に焼き殺されますよ?」
パラセクト「世界一クールで優秀な秘書のキュウコン様がいないと困るからだよバーカ。」
キュウコン「退院したら覚えておいてくださいね。」
パラセクト「それよりも気になるのがお前の方だよ。なんで俺を助けてくれたんだ?さっぱりわからねえ。」
キュウコン「そんなの決まってるじゃないですか。社長を殺していいのは私だけだからですよ。……だから勝手に死なないでくださいよ?」
パラセクト「えっなにそれ怖い。」
俺は凶悪犯なんかよりもこいつの方がよっぽど怖い。
俺の推理を止められるのはこいつだけだ。
終わり
ss速報に書き込むのは初めてですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
スモッシュの動画を見ていたら思いついたssです。あとはテキトーに色々な作品のパロディです。
最後に、結論ありきの安価をしてしまい、申し訳ありませんでした。
乙
安価でコイキングって出たらどうするつもりだった?
乙ー
乙
>>「スリル満点で最高だな。」
不覚にカッコいいと思ってしまった……
このSSまとめへのコメント
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