アイドルマスターシンデレラガールズの佐藤心さんことしゅがーはぁとさんのお話です
この話は以前に書いた
佐藤心「プロデューサーと」日野茜「アイ!!」輿水幸子「ドル」
佐藤心「プロデューサーと」日野茜「アイ!!」輿水幸子「ドル」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447478833/)
の設定を引き継いでいます。
これまでの物をお読みいただけるとよりわかりやすいかと思います。
今回だけ読む場合はしゅがーはぁとさんがプロデューサー兼アイドルということを理解してもらえればなんとかなります。
独自設定、キャラ崩壊、ご都合主義、文章が変、など多数ツッコミどころがありますが、生暖かい目で大目に見て頂けると幸いです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448960376
CGプロ 事務所
心「……」
ちひろ「おはようございます。また泊まりですか?」
心「ああ、おはよ」
心「今日は早く来ただけ☆ 昨日も2時前には帰ってる☆」
ちひろ「早く来たって……まだ7時ですよ」
心「4時間くらいは寝てるから平気☆」
ちひろ「まったく……また身体壊しますよ」
心「前ほどは無理してないから大丈夫☆」
ちひろ「はぁ……」
ちひろ「ところで、その週刊誌、今日発売のやつですよね?」
心「うちが載ってるぞ☆」
ちひろ「え゛!? スキャンダルですか!?」
心「スキャンダルじゃないから大丈夫♪」
ちひろ「どれどれ……新進気鋭のアイドル事務所CGプロの躍進の秘密……」
ちひろ「取材なんて受けましたっけ?」
心「受けてないから勝手に言ってるだけだろ☆」
心「まぁ、目を通した限りネガティブな事は書いてないから放置でいいでしょ」
ちひろ「所属アイドルの事と設立経緯くらいですね。あとは社長の事が少々」
心「隠してることでもなんでもないしね☆ 社長がやけにすごい人的な書かれ方にはイラッ☆とくるけど」
ちひろ「事実、すごい人ではありますよ」
心「はぁとはあいつをすごい人とは認めない☆ いろいろ差し引くと奴はただのヤバい奴だ☆」
ちひろ「まぁ、否定はしませんが……」
ちひろ「ああ、そうそう。会場ですけど、無事におさえましたよ」
ちひろ「収容人数2000人程度ですけど」
心「ありがと☆ 今のうちのレベルじゃそれでも一杯一杯だから十分♪」
ちひろ「セトリはこれからですか?」
心「かなー。オープニングくらいは考えてるけど」
心「あとは菜々先輩達の体力と習熟度見ないと考えようがない☆」
ちひろ「心さんはどこあたりで出るんですか?」
心「……はぁとは出ないぞ☆」
ちひろ「あら、それは残念ですね
心「今回、はぁとは全力で裏方☆」
ちひろ「今回も、の間違いですよ」
心「何か言った?」
ちひろ「いえ、なにも」
幸子「ちょっとプロデューサーさん! これは一体どういう事ですかつ!」
心「おう、おはよう。早いな☆」
ちひろ「おはようございます。幸子ちゃん」
幸子「おはようございます! そんなことより、この週刊誌ですよ!」
幸子「プロデューサーさんが元961プロのアイドル候補生って聞いてないですよ!?」
心「そりゃ言ってないし☆」
ちひろ「あ、そういえば今月も黒井社長からお手紙来てましたよ」
心「また、あのおっさんは……」
幸子「ちょっと待ってください! ボクをおいてけぼりにしないでください!」
心「おいてけぼりも何もはぁとは元961プロのアイドル候補生ってだけだぞ☆」
幸子「だから! そこを説明して欲しいんですよ!」
幸子「なんで961プロなんてエリート専門事務所みたいなとこでアイドルやってた人がプロデューサーをやってるんですか!」
心「すべては社長が悪い☆」
ちひろ「まぁ、否定は出来ませんね……」
幸子「訳が分かりませんよ!」
心「説明すると長くなるからシンプルに説明するぞ☆」
心「765でアイドル候補生やってた社長が、961に来たときにはぁとと会って、765で研修中だったちひろさん巻き込んでうちを作ったんだぞ♪」
幸子「訳が! 訳が分かりません!」
ちひろ「でも、概ね合ってますからこれ以上はどう説明したものやら……」
茜「おっはようございまっす!!!」
心、ちひろ「「おはよう(ございます)」」
茜「いやー! 今日もいい天気ですね!! 絶好のランニング日よりですよ!!!」
茜「おや、どうしましたか? 幸子ちゃん!」
幸子「茜さん……」
茜「むむっ! 何かお悩みのようですね!!」
茜「そういう時は走りましょう!! さぁ、行きますよ!!」
幸子「え、ちょ、なんで手をつかむんですか」
茜「うー……! ボンバー!!!」
幸子「ふぎゃあああぁぁぁぁぁ……!!!!」
心「幸子、ドンマイ☆」
ちひろ「二時間後くらいですかね?」
心「かな? まぁ、それまでに説明の仕方でも考えとくかー」
ちひろ「説明すれば説明するほど訳がわからなくないそうですけどね」
3時間後
幸子「……」
茜「ふーっ! 良い汗かきました!」
心「おう、おかえり☆」
菜々「おはようございます! どこか行ってたんですか?」
茜「おはようございます! 菜々ちゃん!」
茜「良い天気だったので、幸子ちゃんと一緒に土手を走ってたんですよ!!!」
菜々「なるほど……だから幸子ちゃんは死んだ魚の目をしてるんですね」
みく「魚!? お魚があるの!?」
楓「肴と聞いて!」
心「みくは神経質になりすぎだぞ☆ そして楓ちゃんは字が違う☆」
みく「漁船は嫌だ漁船は嫌だ漁船は嫌だ……」
菜々「前のロケがすごいレベルでトラウマになってるみたいですね……」
楓「すごかったですもんね。『猫VS魚 海の王者はどっちだ!?』でしたっけ」
心「そうそう☆ 地方ローカルだけどやけにみくの事気に入ってくれてるディレクターさんが作ったクソ企画☆」
茜「みくちゃん羨ましいです! くぅ……! 私もいきたかったです!!」
心「茜ちゃんが入る前に決まってた企画だったらね、ごめんね☆」
心「代わりと言っちゃなんだけど、ラグビーのキャンペーンガールの仕事とってきてるぞ☆」
茜「ありがとうございます! プロデューサー!!」
茜「くぅ! 燃えてきましたよ!! ボンバー!!!」
菜々「ははは……茜ちゃんは本当に元気ですねぇ」
茜「元気の源は健全な肉体ですよ! 菜々ちゃん! さあ、一緒に走りましょう!」
菜々「えっ!?」
茜「行きますよ! 全力……トラーイッ!!」
菜々「ままま待ってえええぇぇぇぇ!!!」
楓「ふふっ。さすがは菜々ちゃん。元気ですね」
心「菜々先輩死んだかもな☆」
2時間後
心「さて、菜々先輩も戻ってきたし、今週のスケジュール発表だー」
心「みく、幸子、菜々先輩はバラエティにお声がかかってるからそっちに」
心「茜ちゃんはさっき言った通りにラグビーのキャンギャル」
心「楓ちゃんとはぁとはまた雑誌のモデル撮影」
心「あとは茜ちゃんと幸子の組み合わせでミニライブ。CD販促イベだから気楽に☆」
心「楓ちゃんとみくは765プロの春香ちゃんと千早ちゃんのラジオにゲスト出演だ☆」
幸子「ふふーん! ボクが歌えばミニライブなんて呼べなくなっちゃいますね!」
茜「一緒に頑張りましょう、幸子ちゃん!」
みく「春香チャンと千早チャンのラジオってあれかにゃ……」
楓「ふふっ。ラジオにゲスト出演なんて楽しみね」
心「それとー、今日は雑誌の取材が17時からなので、16時まではレッスンです☆」
菜々「移動してって考えると3時間くらいですね」
心「菜々先輩ははぁとと一緒に全体レッスンの後に個別レッスンだぞ☆」
菜々「」
心「さて! じゃあレッスン場に移動だ!」
全体レッスン終了後
心「じゃあ、次の仕事あるやつは移動なー。菜々先輩は残りで☆」
みく、幸子、茜、楓「「「「はーい」」」」
菜々「はぁーい……」
心「さて……」
菜々「また基礎レッスンですか?」
心「事務所戻るぞ☆」
菜々「はい?」
事務所
ちひろ「おかえりなさい」
心「ただいま☆」
菜々「ただいま戻りました」
菜々「レッスンですよね?」
心「ああ、嘘」
菜々「嘘!?」
心「セトリ考えるの手伝って欲しいです☆」
菜々「セトリ?」
ちひろ「皆にはまだ言ってませんが、来月に大きめなライブやるんですよ」
菜々「ライブ、ですか」
菜々「え、ライブ!?」
心「そ☆」
心「幸子と茜ちゃんはガチガチになっちゃうし、みくは張り切りすぎるし、楓ちゃんは酔った勢いで全部言いそうだし」
心「だから菜々先輩に相談☆」
菜々「なるほど……」
菜々「でも、早めに決めないとレッスン間に合わないですよね?」
ちひろ「ライブでやりそうな曲は先週からレッスンしてますよ」
心「基礎とパフォーマンス精度向上って名目で☆」
菜々「あー、だからやけに765さんのとかやってたんですね」
心「そういうこと☆」
心「とりあえず、今考えてるのは『お願いシンデレラ』で始めて、『THE IDOLM@STER』で締めるってことぐらい☆」
菜々「なにも考えれてないじゃないですか……」
ちひろ「個人曲の配置はみんなの完成度と体力見てみないとどうにもならないんですよ」
菜々「なるほど……」
菜々「えっと、個人曲だと『おねだり Shall We~?』と『こいかぜ』、『熱血乙女A』、『To my darling…』」
菜々「それとナナの『メルヘンデビュー』ですね」
心「あとは765プロから全体曲として『自分REST@RT』を借りる☆」
ちひろ「『自分REST@RT』は中盤ですかね?」
心「かな? 前半のラストに使ってそのあとに休憩を20分」
菜々「楓ちゃんの『こいかぜ』も曲調的にラストですね」
心「そうなりますね☆」
菜々「じゃあ、掴みを茜ちゃん、幸子ちゃん、みくちゃん、ナナの誰にするかってとこですね」
心「茜ちゃんは『自分REST@RT』の直前かな。体力あるし☆」
菜々「じゃあナナが行きましょうか?」
ちひろ「『お願いシンデレラ』の直後になりますけど、大丈夫ですか?」
菜々「うっ……ちょっときついかもです……」
心「じゃあ幸子ぶちこむか☆」
ちひろ「菜々さんは後半の最初ですかね?」
心「休憩直後だし、いけますよね?」
菜々「はいっ! 大丈夫ですよっ!」
心「よし、菜々先輩のあとにみくで、締めに楓ちゃんで完成☆」
菜々「『お願いシンデレラ』、『To my darling…』、『熱血乙女A』、『自分REST@RT』が前半」
菜々「『メルヘンデビュー』、『おねだり Shall We』、『こいかぜ』、『THE IDOLM@STER』が後半ですね!」
心「そこにアンコールで『ススメ☆オトメ』で全9曲☆」
心「MCいれつつ全体二時間目安で行こう☆」
ちひろ「MCはどこに?」
心「各曲の後に5分ずつで、『自分REST@RT』のあとだけ外して全部で30分かな☆」
ちひろ「休憩とMCで50分。曲も大体50分くらいってとこですね」
菜々「本番だとちょっと押す可能性が高いですし、調度くらいですね!」
心「まぁ、巻いてたらMC伸ばせばいいしね☆」
心「よっし。じゃあこれで確定で明日のミーティングでみんなに報告して、ライブ向けて営業とレッスン開始だな☆」
菜々「わくわくしてきますね!」
ちひろ「じゃあ、この形で資料作って社長に送っておきますね」
心「社長って今どこにいるんだ☆」
ちひろ「黒井社長が昨日長崎で目撃したってTwitterに書いてましたよ」
心「マジか☆ 高木社長は一昨日秋田で見たって言ってたぞ☆」
菜々「えぇー……うちの社長って何者なんですか……」
ちひろ「あずささんが行方不明になった時、社長と一緒にブラジルで発見されたことあるんで、まだ大したことないですよ」
ちひろ「なんかカーニバルに参加してたらしいです」
心「黒井社長が高木社長から手に負えないって愚痴られたってニヤニヤしながら言いふらしてた時か☆」
菜々「ますますわけがわからないです……」
心「大丈夫はぁとも訳がわからない☆」
ちひろ「あ、そろそろ時間ですよ」
心「お? おお、じゃあお迎え行ってきます☆」
菜々「みんなお仕事終わる時間なんですね」
心「菜々先輩も今日は上がりでいいですよ☆」
心「ゆっくり休んでください☆」
心「じゃあお疲れさまでーす☆」
菜々「はい、お疲れさまです」
ちひろ「また心さんはライブに出ないんですね」
菜々「また、なんですか?」
ちひろ「ええ、みくちゃんが入ってきてからは大きいステージには立たなくなっちゃいましたし、小さいステージも菜々さん入ってからはさっぱり」
菜々「ナナのせいですかね……?」
ちひろ「たぶん違うと思います」
ちひろ「心さんは自分より他の人を優先してるだけだと思います」
ちひろ「菜々さん入ってから立て続けに楓さん、茜ちゃん、幸子ちゃんが入ってきましたし、手が回ってないのかと……」
菜々「なんとかしてはぁとちゃんにも出て欲しいですね」
ちひろ「そうですね……」
翌日 事務所
心「じゃあ今から臨時発表するぞー☆」
心「来月ライブするからよろしく☆」
みく「そんなあっさり……」
幸子「ふふーん! ついにボクのかわいさをもっと多くの人に知らしめる時ですね!」
茜「ライブですか! うおおぉぉ! 燃えてきました!!」
楓「打ち上げはどこにしましょう? 美味しいお酒が飲めるといいのだけど」
菜々「もう打ち上げの事ですか!? 早すぎますよ!」
ちひろ「箱は2000人程度ですが、我が社始まって以来の最大規模のライブです」
みく「今までイベントとかミニライブでも多くて1000人くらいだったもんね」
心「実際は関係者席とか機材とかで1800くらいになるけどな☆」
幸子「それでプロデューサーさん。ボクの出番はもちろん多いんですよね?」
心「おう☆ めちゃくちゃ多いぞ♪」
幸子「それでこそボクのプロデューサーさんです!」
楓「セットリストはもう決めてあるんですか?」
心「昨日な☆」
茜「私は! 私は出られるのでしょうか!?」
心「出られるから落ち着け☆」
心「まず資料配るから目を通して☆」
しばらくのち
幸子「ちょっとプロデューサーさん! ボクの出番別に多くないじゃないですか!」
心「そりゃ嘘だからな☆」
幸子「ふぎゃー! どうしてそんな嘘つくんですか!」
心「だけどな、幸子」
心「幸子の出番を見てみ? オープニングが終わって一番最初の掴みの部分だぞ」
心「幸子がライブ全体の流れを作ると言っても過言じゃないんだぞ☆」
幸子「流れ、ですか……」
心「この大役はカワイイ幸子にしか任せられないって判断したから一番手なんだぞ☆」
幸子「ふ、ふふーん! 仕方ないですね!」
幸子「まぁ、ボクほどじゃないと一番手は無理ですもんね!」
茜「さすがです、幸子ちゃん!」
心「チョロい」
みく「チョロいにゃ」
菜々「チョロいですね」
楓「唐揚げと一緒にビールを……」
ちひろ「楓さんは自由ですね」
心「はいはい☆ 幸子以外になにか質問ある人ー?」
茜「はいっ!」
心「茜ちゃん、どうぞ!」
茜「765プロの曲が入ってますが、大丈夫なんでしょうか!」
ちひろ「そういえば説明してませんでしたね」
ちひろ「CGプロは765プロと961プロの二社と業務提携をしているので、曲の使用は許可されているんですよ」
心「使った曲はパンフなりチラシなりにオリジナルの所有権を記載しないといけないけどな☆」
楓「業務提携なんてしていたんですね」
みく「元々ちひろさんが765プロの職員なんだっけ?」
ちひろ「そうですね。私は研修中の職員で、社長がアイドル候補生でした」
幸子「そうです! 聞きたかったんですよ!」
幸子「前は茜さんに連れてかれたので聞きそびれましたが、今日こそ答えてもらいます!」
心「だから社長に巻き込まれたって言ってるだろ☆」
楓「社長に?」
ちひろ「うちの社長は765プロでアイドル候補生だったんです」
ちひろ「高木社長の知人の娘さんらしくて、訳あって765プロで預かる事になったそうです」
心「でも、あいつ無茶苦茶だから高木社長の手に負えずに、黒井社長に泣きついて961プロでしばらく面倒見ることになったの」
心「そしたら、そこでアイドル候補生だったはぁとと出会ったんだぞ☆」
菜々「ほへー、そんな事情があったんですか」
みく「みくも知らなかったにゃ」
幸子「そこまではわかりました。でも、なんで独立することになったのか聞きたいんです!」
心「……」
ちひろ「……」
茜「ど、どうしました!? お二人とも黙りこんで……」
心「なんで独立したの?」
ちひろ「なんで独立したんでしょう?」
みく「わかんないの!?」
心「なんか気付いたら独立してたし」
ちひろ「私もいつのまにか連れていかれましたし」
心「まぁ、ともかくなんか急に拉致されたと思ったら、黒井社長が資金提供してくれてなんやかんや独立したんだよ☆」
心「これ以上ははぁともわからんから、わかって☆ わかれよ☆」
菜々「ええぇ……」
みく「相変わらず無茶苦茶にゃ……」
幸子「もうわけがわかりません!」
楓(今日のお夕飯はパスタがいいかしら)
茜「よくわかりませんがよくわかりました!!!」
心「とりあえずこれ以上話してもしゃーないから今後のレッスンスケジュール発表するぞー☆」
幸子「どうしてここではボクの常識が通じないんですか!」
みく「ツッコミの宿命にゃ……」
心「じゃあ、配布資料見てね☆ 見ろ☆」
心「ぶっちゃけて言うけど、時間ないからレッスン割りときつめになる☆」
心「あと、こっからライブまではお酒は週に1度のみな☆」
楓「な!?」
心「レッスンに支障が出たらライブが破綻する☆」
楓「お猪口にちょこっとなら?」
心「ダメ☆」
楓「ビールをあビールほどでじゃないですし」
心「ダメだって言ってんだろ☆」
楓「そんな……」
楓「はっ!」
楓「私はよくても菜々ちゃんが悲しみます!」
菜々「うええぇぇ!? ナナですか!?」
心「菜々先輩はこれでも未成年ってことになってるんだからアホな事言うな☆」
茜「そうです! 未成年の飲酒はダメですよ!」
菜々「え、ええ! そうです! ナナはJKですから!」
楓「そんなぁ……」
心「じゃあはぁとかちひろさんの監視下なら許可する。だからそんな世界の終わりみたいな顔するな☆」
楓「ありがとう! はぁとちゃん大好き!」
幸子「楓さんのあんな無邪気な笑顔初めて見ました」
みく「お酒飲んでる時はああいう顔だけどね」
心「オラ☆ 時間ないからさっさとレッスンいくぞ!」
アイドルズ「はぁーい」
夜 事務所
心「ただいま☆」
ちひろ「おかえりなさい」
心「ていうかまだ居たのか☆ もう日付変わるぞ」
ちひろ「心さんこそ、もう日付変わるのに戻ってきたんですか?」
心「はぁとはやることが一杯あるの☆」
ちひろ「それを言ったら私も一杯あります」
心「二人でやれば早いかな?」
ちひろ「たぶん早いですね」
心「じゃあちゃっちゃと片付けますか」
ちひろ「ですね」
ちひろ「宣伝はどうします?」
心「高木社長にお願いしてきた」
ちひろ「じゃあ今後しばらくは765の子と一緒のお仕事が増えますね」
心「あと、みく、幸子、菜々先輩の芸人班にバラエティ番組を3つ。茜ちゃん、楓ちゃんに音楽番組もらってきた」
ちひろ「ネットとかの宣伝はいつも通りですか?」
心「うん☆」
ちひろ「スタッフは?」
心「黒井社長のとこに依頼済み」
ちひろ「さすが、早いですね」
心「物販とかお金関連は任せていいっしょ?」
ちひろ「手配済みです」
心「さすが☆」
心「じゃああとは資料作って社長に提出か」
ちひろ「ですね。なんとか終電では帰れそうですね」
心「仕事が早くて助かる☆」
ちひろ「お互い様です」
なんやかんや一ヶ月後 ライブ前日 事務所
心「さて、じゃあライブ前の最終ミーティングするぞー」
心「みくの体調不良以外で何か問題あった?」
みく「ごめんにゃ……」
心「仕方ない☆ お前は気負いすぎ。やれてるんだから気楽に☆」
みく「うん……」
幸子「当日のスケジュールに変更はないんですか?」
心「前に言ったように入りの時間がちょい早くなった以外は変更なし」
菜々「チケットの売れ行きはどうですか?」
ちひろ「1400程度ですね。残りは当日券って形で販売は継続します」
茜「じゃあもっと声かけをしないといけませんね!」
心「Twitterとブログで軽く呼び掛けだけ頼むわ☆」
楓「打ち上げはどうしましょう?」
心「終わってから考えるぞ☆」
楓「そうですか……」
心「他にはなさげか?」
心「じゃあ、今日は明日に備えて早々に解散☆」
心「お疲れさまでしたー☆」
菜々、幸子、茜、楓「「「「お疲れさまでしたー」」」」
みく「お疲れさまにゃ……」
心「みく」
みく「なぁに?」
心「自分の事だけ考えていいからな」
心「もう皆フォローなしでもやってけるから、今回は自分のことに集中しとけ」
みく「わかったにゃ」
心「じゃあ今日はちゃんと休んどけよ☆ 休むのもプロの仕事だ☆」
みく「うん……」
ちひろ「気になりますね」
心「気が利きすぎるからな。みく」
ちひろ「最悪の事態も考えておくべきですね」
心「まぁ、大丈夫だとは思うけど、一応ね」
心「さぁ、はぁとたちはもう一踏ん張りするぞー♪」
ちひろ「はい♪」
本番当日 ライブ会場 控え室
心「さて、いよいよ本番だ☆」
心「無理する必要は一切ないから、リハ通りにやるように! 以上☆」
幸子「相変わらずあっさりですねぇ」
茜「ううう……緊張してきました!」
菜々「本番前はどうしても緊張しちゃいますねぇ」
楓「でも、お客さんの前で歌うのって楽しみよね」
幸子「そうですね! このカワイイボクを生で見れるなんて幸せですからね!」
みく「……」
菜々「みくちゃん、大丈夫ですか?」
みく「え? う、うん! 大丈夫にゃ!」
菜々「どこか調子悪いなら今のうちにはぁとちゃんに言った方が……」
みく「大丈夫、大丈夫だから! Pチャンに迷惑はかけられないにゃ」
菜々「そうですか……」
ちひろ「皆さーん。開場しましたよ」
茜「いよいよですね……!」
心「みく。本当に大丈夫か?」
みく「もー、Pチャンは心配しすぎにゃ。リハも見たでしょ?」
心「……わかった。みくのこと信じてるからな」
みく「任せてよ!」
心「じゃあ、はぁとはスタッフとかスポンサーに挨拶してくるわ」
みく「うん! 行ってらっしゃい!」
心「ちひろさんも一緒にいくぞ☆ 高木社長と黒井社長来てるし☆」
ちひろ「音無先輩と一緒に765の子も何人か来てるらしいですよ」
心「まじかー。りっちゃんに居るかな?」
幸子「みくさん。本当に大丈夫ですか?」
みく「もう、Pチャンも幸子チャンも心配しすぎ! みくは一番先輩なんだからね! 後輩が先輩の心配しちゃダメにゃ!」
茜「でも、リハの時に少しふらついてましたよ?」
みく「本番まで休めば大丈夫にゃ」
菜々「楓ちゃん、楓ちゃん」
楓「何かしら?」
菜々「みくちゃんの事、見ててください。ちょっと嫌な予感がします」
楓「ウサミン星人の勘かしら?」
菜々「いえ、安部菜々としての勘です」
楓「そう、わかったわ」
菜々「よろしくおねがいします」
ライブ 本番 舞台上
みく『みんなー! お待たせにゃ!』
幸子『CGプロ、1stライブへようこそ!』
菜々『今日はナナたち精一杯!』
楓『歌って』
茜『踊って!!』
みく『みんなのこと楽しませるにゃー!』
みく『それじゃあ早速……!』
茜『「お願いシンデレラ」!!!』
舞台袖
心「とりあえずなんとか始められたか」
ちひろ「ですね」
心「ちょっと気になるのはみくがなんか隠してたことかな」
ちひろ「菜々さんが気を配ってくれてましたし、とりあえずはなんとかなるかと」
心「それでも不安しかないわ☆」
ちひろ「ここに居る限り見守るしかできませんよ」
心「わかってる」
舞台上
幸子『ふふーん! 皆さんもボクほどじゃないですけどカワイイですからね!』
幸子『でもここからはこのボクが! 皆さんに本当のかわいさというものを見せてあげますよ!!』
幸子『ボクのカワイさに心を打たれる準備はいいですか?』
幸子『「To my darling…」です!』
舞台袖
心「ひとまずお疲れ☆」
心「茜ちゃんは次だからすぐに準備して!」
心「ほかのは今のうちに何か腹に入れておけ☆」
心「ほらほら、時間は少ないぞ☆ 幸子も緊張でMC短めだし」
茜「はいっ! 日野茜、行ってきます!」
ちひろ「楓さん! ちょっとメイク崩れてるので直しますよ! こっちへ!」
楓「はーい」
みく「……」
菜々「みくちゃん」
みく「え、なに?」
菜々「控え室に戻りましょう。休憩です」
みく「うん……」
その後もとりあえずは順調に進み 舞台上
茜『日野茜で「熱血乙女A」でした!!!』
茜『いかがでしたか!? 熱くなってもらえましたか!!』
茜『では! そのままのテンションで次の曲に行きましょう!!!』
茜『その前にみんなを呼びましょう!!』
茜『ボンバー!!!!!!』
幸子『ちょっと茜さん! なんでボクたちを呼ぶ掛け声がボンバーなんですか!』
茜『え、ああ! 失敬! つい熱くなりすぎてしまいました!!!』
楓『ふふっ。茜ちゃんらしくてとっても良いと思うわよ』
菜々『ですね! 茜ちゃんの元気がすごく伝わってきます!!』
みく『じゃあみくたちも負けてられないにゃ!』
幸子『ふふーん! このボクが一番ですからね! 負けるはずがないです!』
楓『あら、じゃあ幸子ちゃん、曲フリお願いしても?』
幸子『任せてください!!』
幸子『次の曲は……!』
茜『「自分REST@RT」!!!!』
みく(みくがみんなのフォローをしなきゃ……)
みく(幸子チャンは緊張して堅いし、茜チャンは暴走ぎみだし……)
みく(みくが、先輩のみくがやらなきゃ!)
みく『輝いた~ステージに立ーてば♪』
みく「っ!」
楓『最高の~気分をあーじーわえる♪』
楓(今、みくちゃんの顔が一瞬ひきつったような……)
舞台袖
心「ん?」
ちひろ「どうしました?」
心「みくの様子がおかしい」
ちひろ「え?」
心「一瞬顔が強張ったのと、サビのとこでステップ間違えてる」
ちひろ「アイシングの準備してきます!」
心「テーピングも!」
ちひろ「わかりました!」
舞台上
アイドルズ『エンドエスな向上心で~♪』
みく(なんとかなったにゃ……。大丈夫、まだやれる……)
ちひろ(場内アナウンス)『ただいまより、25分間の休憩をさせていただきます』
舞台袖
楓「はぁとちゃん! みくちゃんが!」
心「わかってる!! みく! 乗れ!」
みく「え……?」
心「バレないと思ったか、バカ猫!」
菜々「氷はこれでいいんですよね!?」
幸子「え? え?」
茜「え? な、なんでしょう!?」
心「医務室まで急ぐぞ! 幸子! 扉開けて! 茜は先に行って先生に事情説明! みくが足やった!」
幸子、茜「「は、はい!」」
みく「Pチャン……ごめんなさい……」
心「だから言っただろ! 自分の事だけ考えてろって!」
みく「うん……」
医務室
みく「ごめんなさい……」
心「まぁ、ただ捻っただけだったからまだ良いけど」
心「とりあえず、後半のみくの曲は無しね」
みく「そんな……! 嫌にゃ! みくなら大丈夫だもん! やる!」
心「バカ言わない。今無理して今後の活動に影響出たらどうすんだ」
みく「でも……! でも!」
幸子「みくさん……」
茜「みくちゃん……」
楓「休憩明けのみくちゃんの出番まであと30分くらいですね」
ちひろ「ええ……。冷やして湿布張ってますけど、さすがに30分で動かすのは……」
ちひろ「とりあえず休憩を予定より長くしましたけど、時間が足りません……」
みく「みくもみんなと一緒にステージに立ちたいにゃ! ステージに立つのが夢だったのに! やっとここまで来れたのに!」
心「わがまま言うな! プロデューサーとしても、友達としても許可は出来ない!」
みく「みくは、みくは……うえっ……ひっく……」
菜々「時間があればいいんですよね?」
菜々「具体的にどれくらいあればいけますか?」
ちひろ「50分は欲しいです。それでもガチガチにテーピングしたとしてもアンコールまでは厳しいです」
菜々「ナナが時間を稼ぎます。MCならなれてますし、『メルヘンデビュー』なら多少の時間の融通はききます!」
心「菜々先輩が頑張っても40分にしかならないです」
心「菜々先輩まで怪我したら今後どうなるかわからない」
心「だから無理してみくをステージにあげるわけにはいきません」
菜々「でも! みくちゃんの夢を無下には出来ません」
みく「菜々チャン……」
??「その通りよ!」
??「ヘーイ!!」
みく、菜々、幸子、茜、楓「!?」
心「来てたのか」
??「ええ、私の事務所のライブよ。来ない方がおかしいわ!」
ヘレン「順二朗と崇男と一緒に関係者席に居たわ」
ヘレン「心。菜々は今、とても良いことを言ったわ。何かわかる?」
心「夢を無下にできないってとこだろ」
ヘレン「よくわかってるじゃない!」
ヘレン「さぁ、行くわよ! 心!」
菜々「ちょ、ちょっと待ってください! 行くってどこに!」
ヘレン「どこってステージに決まってるでしょう」
ヘレン「時間がいるのでしょう?」
ヘレン「私と心で世界レベルのステージ、見せてあげる!」
ヘレン「ちひろ! 曲の準備を!」
心「待て待て待て! 私はやるなんて言ってないぞ!?」
ヘレン「あなたのアイドルが壁にぶつかっているのよ? プロデューサーとしてどうにかする気はないのかしら?」
心「くそっ……やるっても何も準備なんてしてないぞ!」
ヘレン「『DREAM』と『KisS』なら準備無しでもいけるでしょう?」
ヘレン「ちひろ。音源はあるわね?」
ちひろ「はい。あと心さんだけですが、以前の衣装も準備してありますよ」
ヘレン「エクセレント!」
ヘレン「さぁ、小道具は揃ったわ! あとは役者だけよ! 心!」
心「くそったれ! やってやろうじゃねーか!」
心「ぶっつけ本番だけど、やれるよな!」
ヘレン「愚問ね。私とあなたの間に余計な言葉は不要。私たちは互いが互いに最高のパフォーマンスをするだけ。そうでしょう?」
心「その通りだな! じゃあいくぞ!」
心「みく。はぁとが時間稼いでくるから、準備だけしとけ」
みく「う、うん! ありがとにゃ、Pチャン!」
舞台上
ちひろ(場内アナウンス)『大変お待たせ致しました。ただいまより、再開致します』
心(『DREAM』なんてもう何ヵ月もステージでやってないぞ……)
心(やれるだけやるか……!)
ヘレン『ヘーイ!!』
心「!?」
ヘレン『ようこそ私のCGプロのライブへ!』
ヘレン『私が社長のヘレンよ!』
ヘレン『この事務所が他とは違うレベルってことを見せてあげる。覚悟はいいかしら?』
ヘレン『じゃあさっそく行くわよ!「DREAM」!』
心(まじか☆ 心の準備が出来てないまま始めやがった!)
医務室
菜々「……ほへぇ」
幸子「間抜けな声が出てますよ」
菜々「いや、でもこれはすごいですよ……!」
楓「本当にすごいわね……はぁとちゃんもすごいけどそれ以上に社長が……」
茜「キレッキレですね! ここまですごいダンスは見たことがありません!」
菜々「ダンスもすごいですけど、はぁとちゃんの歌も圧巻ですよ!」
ちひろ「元々心さんは961プロでもやっていけるだけの実力ありましたしね」
ちひろ「黒井社長と方針が一致しなかったせいで昔は不貞腐れてましたけど」
幸子「それにしても『DREAM』と『KisS』を二曲続けてやって大丈夫なんですかね」
ちひろ「大丈夫ですよ」
菜々「でも、社長についていくのがやっとに見えますけど……」
ちひろ「心さんも大きいステージが久しぶりなんでギアが上がり切ってないだけです」
ちひろ「心さんは我がCGプロのエースですから。安心してください」
茜「社長の動きについていくだけでも大変そうなのに、更に歌までこなすとは……! さすがですね!!!」
舞台上
心(あー……きっつ……こいつのペースに合わせると死ぬ☆)
心(でも、今はみくのために時間を稼がないと……! 多少無理してでもやりきるしか……)
ヘレン『ヘーイ!』
心(ヘーイ! じゃねーよ! ぶっ飛ばすぞ)
ヘレン『社長である私とプロデューサーの心による「DREAM」よ。どうだったかしら』
心「ぜぇ……ぜぇ……はぁー……ふぅー……」
ヘレン『私の事務所はアイドルもスタッフも世界レベルよ! 心がステージに立つのは久々だけれど、どうだったかしら?』
ヘレン『それとももう限界かしら?』
心『舐めんな☆ こちとら現役アイドル兼プロデューサー様だぞ☆』
ヘレン『そうね。じゃあ私を退屈させないよう、もっといけるわね?』
心『上等だコラ☆』
ヘレン『では、もう一曲、世界レベルのパフォーマンスを披露してあげる!』
ヘレン『「KisS」』
心、ヘレン『『Ready?』』
医務室
ちひろ「さて、そろそろ菜々さんは準備してください」
菜々「は、はい!」
ちひろ「みくちゃんは菜々さんの曲が終わるまで待機させます」
ちひろ「なので、MCを気持ち長めにお願いしますね」
菜々「了解です!」
ちひろ「みくちゃんが終わり次第すぐに楓さんの曲を始めるので、楓さんもそのつもりでお願いします」
楓「わかりました」
ちひろ「幸子ちゃんと茜ちゃんは私を手伝ってくださいね」
幸子「仕方ないですねぇ。何をすればいいですか?」
ちひろ「幸子ちゃんは氷をあるだけ舞台袖に運んでください」
ちひろ「茜ちゃんは私と一緒にみくちゃんに肩を貸してください」
茜「わかりました!」
ちひろ「さぁ、あとひと踏ん張りですよ!」
舞台上
ヘレン『どこにKisSして欲しい?』
心『ねぇ Kiss Kiss Kiss♪』
ヘレン『何億回も 息が出来なくていい♪』
心(仮にも現役アイドル続けてるはぁと以上とか本当にこいつ何者だよ☆)
心『死んでもいい♪』
心(こいつに勝つまでは死ぬわけにはいかないけどな☆)
舞台袖
菜々「……」
菜々「すごいな……はぁとちゃん……」
楓「あら、菜々ちゃんだってすごいわよ?」
菜々「ナナにはあそこまでは無理ですから」
菜々「どんなに頑張ってもダンスは苦手ですし、バラードだって苦手です」
菜々「ナナにはウサミンしかないですから」
楓「でも、はぁとちゃん言ってたわよ」
楓「菜々先輩に憧れてアイドルになったって」
菜々「……」
楓「はぁとちゃんの憧れの人は俯いたままファンの皆の前に行くの?」
菜々「いえ……! ナナは皆を笑顔にするためにウサミン星からやってきたんです!」
菜々「だから、笑顔でいきますよー!」
楓「ふふっ」
菜々「ありがとうございます! 楓ちゃん!」
楓「どういたしまして」
舞台上
ヘレン『Kisスキss Kiss……♪』
心「はぁ……はぁ…」
心(これは……菜々先輩のこと笑えない☆)
ヘレン『……』
ヘレン『いかがだったかしら? これが世界レベルのステージよ!』
ヘレン『見ての通り心はへばってるけど我がCGプロは今後も世界の頂点を目指していく』
ヘレン『日高舞ですら超えて見せるわ!』
心『あんまでかい事言ってると戦車で乗り込んでくるぞ☆』
ヘレン『望むところだわ! 日高舞すら凌いでこそ世界レベル』
心『はぁとは勘弁してほしいわ☆ 平穏無事に生きていたい☆』
ヘレン『世界は常に変化を求めているわ……。平穏無事なんて無理ね!』
心「勘弁してくれ……まじで……」
ヘレン『さぁ、余興はここまでよ! ここからは真のCGプロアイドルのステージをお見せするわ!』
ヘレン『菜々! あなたの出番よ!』
ヘレン『その時、空から不思議な光が降りてきたのです……』
舞台袖
菜々「はい!?」
楓「あら、呼ばれちゃいましたね」
菜々「い、行ってきます!」
心「おねがいしまーす……」
楓「おかえりなさい」
心「ただいま☆ 死ぬかと思った」
心「みくは?」
楓「多分大丈夫です。はぁとちゃんと社長が時間稼いでくれたおかげで応急処置はばっちりです」
心「そりゃ良かった」
心「ごめん☆ ちょっと控室で休んできていい?」
楓「ええ、あとは菜々ちゃんと私に任せてください」
心「助かる」
舞台上
ヘレン『ミンミンミン! ミンミンミン! ウーサミン! ヘーイ!』
菜々(な、なんでこの人はナナの歌まで完璧な上にアレンジまでくわえられるんですか!)
菜々(しかももうぶっ通しで3曲目ですよ!?)
菜々(メルヘンデビューのダンスもやけにダンサブルにアレンジ加えたダンスですし!)
菜々(化け物ですか!?)
医務室
心「どう?」
ちひろ「おかえりなさい」
ちひろ「とりあえず、一曲は大丈夫です。『こいかぜ』入りますし、たぶん『THE IDOLM@STER』までならいけます」
心「みく」
みく「なに……?」
心「お前が決めろ☆」
みく「……全部出たいにゃ」
心「もし、今後アイドル駄目になっても?」
みく「Pチャンと社長、それにみんながみくのために頑張ってくれてるにゃ」
みく「だから、みくは応えなきゃダメにゃ!」
心「分かった。もう止めないから行って来い。多分社長も『おねだり Shall We~?』まではステージの上に居てくれる」
心「ダンスは社長に任せてみくは歌メインでいけ」
みく「うん!」
ちひろ「じゃあ、そろそろ移動しましょうか。幸子ちゃん、茜ちゃん。お願いします」
幸子、茜「「はい!」」
ちひろ「心さんはどうします?」
心「ちょっと疲れたしここで見てるよ。終わったらすぐに医者に連れて行きたいし、その準備しとく☆」
ちひろ「わかりました。じゃあ行きましょう!」
舞台上
ヘレン『ヘーイ!!』
ヘレン『まだまだ、この程度では終われない。それが世界レベル……!』
菜々(無理……無理……死ぬ……)
ヘレン『遠い目をしている菜々に代わって次はみくの番。みんな準備はいいわね?』
みく『みんなー! お待たせにゃ! みくの猫チャンパワーでメロメロにしちゃうにゃー!』
ヘレン「ダンスは私に任せなさい」
みく「Pチャンから聞いてるにゃ」
ヘレン「さすがは心ね。私が認めただけはあるわ」
みく『じゃあ、いっくよー! 「おねだり Shall We~?」!』
医務室
ちひろ「はい。酸素です。どうぞ」
心「あー……ありがと」
ちひろ「久々のステージはどうでした?」
心「ちょうしんどい☆」
ちひろ「普段からステージ立ってればこんなことにならないんですよ」
心「あいつに合わせたせいだから、普通にやる分にはいける☆」
ちひろ「でも、社長にとってあのペースは普通ですよ?」
心「痛いとこつくな☆」
ちひろ「仕方ない人ですね」
ちひろ「でも、みくちゃんよかったですね」
心「あいつには人一倍苦労かけてるからな☆」
心「多少のお願いは聞いてやらんと☆」
菜々「すみません……酸素ください……」
ちひろ「おかえりなさい。菜々さん」
心「ほい☆」
菜々「ありがとうございます……」
菜々「それにしても社長は化け物ですか……」
心「社長だから仕方ない☆」
ちひろ「その通りですね」
菜々「今もみくちゃんと一緒にステージ上ですし、次も出るつもりなんですかね?」
心「いや、さすがに社長でもそろそろしんどいはず」
ちひろ「4曲ですからね。それもダンサブルにアレンジ加えたダンスばかり」
心「あ、やっぱ袖に引っ込んだから無理だったぽい」
菜々「じゃああとは楓ちゃんがこのテンションを維持出来れば大丈夫ですね!」
心「新緑の歌姫ならやってくれる☆」
ヘレン「ヘーイ!」
ヘレン「ここに居たのね。心」
心「どした?」
ヘレン「問題発生よ」
ヘレン「調子に乗りすぎたせいで、時間が大分押しているわ」
心「」
ちひろ「え……? あー!!!」
菜々「あれ、あとアンコール込みで二曲……? 開演からすでに二時間!?」
心「なんで誰も言わないんだ!」
ヘレン「みくの故障に対応していたからでしょう」
ヘレン「世界レベルのプロデューサーならなんとかなさい」
ヘレン「私は次のレベルに向かって羽ばたいていくわ」
心「てめぇ☆ 逃げるのか☆」
ヘレン「私だって忙しいの。頭を下げるのはあなたの仕事よ」
心「くそったれ☆ くたばれ☆」
ヘレン「私が死ぬとき、それすなわち世界が終わるときよ」
ヘレン「では、また会いましょう」
ちひろ「心さん! それどころじゃないです! やばいです! 時間超過でお金が! 予算が!」
心「アンコール削って、巻きで行く!」
心「菜々先輩! みくたちに伝言お願いします!」
菜々「は、はい!」
ちひろ「と、とにかく急げば30分延長で済みますよね!?」
心「わかんねぇ! やるだけやるぞ☆」
ちひろ「はい!」
ライブ終了後
心「……みく、すまん。病院明日でいい?」
みく「う、うん……」
ちひろ「結局撤収込みで3時間半……延長料金が……」
菜々「す、過ぎちゃったことはどうにもならないですよ! ね!?」
幸子「はいぃ!? そ、そうですよ!」
心「だね……うん……」
楓「延長料支払うとまずいんですか?」
ちひろ「……若干、赤字に」
みく、幸子、菜々「……」
茜「ど、どうしましょう!? もう一度やれば良いんですか!?」
心「落ち着け……もう一度やる金はない……」
茜「あうぅぅ……」
楓「まぁ、仕方ないです。こういう時は飲んで忘れましょう?」
心「赤だから打ち上げなし」
楓「」
幸子「楓さんが死んだ……!」
菜々「あはは……」
心「あー、もう絶対に思い付きでステージ立ったりしない!」
心「次はちゃんと計画立てて立ってやる!」
心「次こそは社長に振り回されるんじゃなくて振り回してやる!」
心「覚悟してろよ☆」
End
以上です。
最近しゅがはさんをよく見かけるようになって非常に嬉しいです。
これはデレステに実装される日も近いですね!
きっと10弾はしゅがはさんですし、声もついて万々歳だ!
ちょっと長くなってしまいましたが、お読みいただけたら幸いです。
ネタが尽きたので、当面は放置中の安部ンジャーズの方を作っていくつもりですけど、どうなることやら……。
では、依頼出してきます。
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