【建て直し】提督’s「艦娘母艦改造計画」 (104)
前回のスレ(提督’s「艦娘母艦改造計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408200859/) スマホ投稿につき飛べなかったら済みません)を誤って落としてしまったので、建て直します。前回までのあらすじと、各提督の進捗状況を書いてから続きを始めます。
それと、最後の提督の話を一部書き直して再投稿します。
あらすじ
最近、深海棲艦が艦装歩兵(艦娘)母艦を直接狙う事案が多発していることを受け、海軍本部は提督達に、その対策として母艦の改造を命じる。しかし、『改造の内容は自分で考えろ』というからさぁ大変。彼方此方でトンデモない魔改造が始まることに。
さて、この指令は舞鶴鎮守府にも届いたわけだが、一体どうなってしまうことか。
進捗状況
第六基地
秘書艦:吹雪
改造内容:重力砲(テスト済) にゃんこビーム(未受領) 縮退炉(未テスト) クロスゲート・パラダイム・システム(未テスト)
協力者:銀髪眼鏡の古道具屋
第一基地
秘書艦:Z3
改造内容:徹甲弾使用の人間大機銃(試作段階)?
協力者:陸軍のオタク士官
第十三基地
秘書艦:夕張
改造内容:砲弾を迎撃出来るAGS(開発完了)←イマココ
協力者:不明
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422707704
提督「……」フヌゥ
夕張「? 如何されました?」
提督「……夕張か。いや、本部からこんなものが届いたのだが」
夕張「はぁ。では、失礼して(ペラペラ)……ほぅ」ピクリ
提督「……む」
夕張「……ほほぅ。改造? 改造ですかぁ……へぇ……」ニヤニヤ
提督「……流石は兵装実験艦。興味津々だな」
夕張「ふふ、よく分かってますね」
提督「まぁ、な。夕張、私は、海の事は良く分からない。増してや、人間として動く艦娘ではなく、海に固有の純然たる艦についてなど、とてもではないが考えられん」
夕張「だから頼む、ですか? 勿論です、というか頼まれなくても勝手にさせて頂きますので!」ギラギラ
提督「……それは困るが、まぁ、助かる」
夕張「御気になさらず、寧ろ大歓迎です! 夕張、任務拝命致しましたっ!」ピシッ
提督「……あー、その。頑張ってくれるのは嬉しいが、色々と張り切り過ぎん様に」
夕張「さーって、早速やるぞー! 試したい事は幾らでもあるんだからねっ!!」ダダダ
提督「……聞いとらんな……心配だ。憲兵とあきつ丸に、警邏の強化を要請した方がいいだろうか」
---二日後 艦装歩兵母艦船渠---
扉<うふふふふっ、あははははははははっ! さぁ、啼きなさいよ、この屑鉄っ! もっとその醜い金切り声を聞かせなさいっ! あははははははっ!!(ギュラララララ)
あきつ丸「……将校殿、いや提督殿。アウトです、これは」
提督「……何ということだ」orz
憲兵「風紀の乱れ……とは少々毛色が違いますし、我々は別に咎め立てするつもりはありませんが。これは、他の娘に悪影響があるのではないかと」
提督「……申し訳無い。出て来次第、直ぐに反省させる」
あきつ丸「それが妥当かと」
扉<あはははは……あっ、やっちゃった
提督「……ん? 何__」
【カッ】
---
提督「夕張。私の言いたいことは分かるな」ギジフユフク
夕張「……はい」アフロ
提督「自分で言ってみろ」
アフロ夕張「……まず、皆さんに。済みませんでした」
あきつ丸「あぁ、いや。自分は大丈夫だ」ギジカイゾウ
憲兵「この程度でへこたれていては、我々の仕事は務まらんからな」ギジニンジャ
提督「それだけか?」
アフロ夕張「もう一つ、提督に」
提督「何だ」
アフロ夕張「……こんなことにならない様に」
アフロ夕張「次は上手くやりますねっ☆」テヘペロッ
提督「馬鹿者」ベシッ
アフロ夕張「きゃんっ!?」
提督「……全く、お前という奴は。普通は反省の言葉が出て来るだろう」
夕張「だから反省してるじゃないですか。大丈夫、次はあんなヘマはしませんから!」
提督「いや、だからだな……もういい。そういうことにしておこう」
提督「……で、お前は何をしていたんだ。二日も船渠を占領して……」
夕張「何って、そんなの母艦の改造に決まってるじゃ……あっ、そうだった!」
提督「……何だ」
夕張「提督! 私、とうとうやりましたよっ!」
提督(嫌な予感がする)
提督「……何をだ」
夕張「『前スレ安価:砲弾の迎撃に成功したん』ですっ!」
提督「……」
夕張「提督、どうですかっ? 凄いですよねっ?」キラキラ
提督「……ふむ」ピトッ
夕張「……? 何でおでこをくっつけるんです?」
提督「いや、熱でもないかと思ってな」
夕張「酷い!? 本当に成功したんですって!」
提督「はぁ……お前も知らない訳ではないだろう。艦娘の砲の弾速は、同程度の大きさの火砲とほぼ同じだ。大型艦のものなら、弾丸の大きさと曲射する関係上、着弾まで多少の余裕はあるが……それにしても、人間として戦闘する距離で撃たれたものを防ぐなど、無理のある話だ」
夕張「ぐぬぬ……えぇい、論より証拠です! ちょっとこっちへ来てください!」ガシィッ
提督「むっ……待て、何処へふぐぉっ」グイッ
夕張「今から実演してみせますから、目玉かっぽじってよく見てて下さいねっ!」グイグイ
提督「ぐ……む……首……待て……憲……あきつま……」ジタバタ
憲兵「あ、自分は無理です」
あきつ丸「右に同じくであります」
提督「せ……殺生……な……」ガクッ
夕張「やぁーってやるぜぇーっ! ひぃーはぁー!」ズリズリ
---船渠内 艦装歩兵母艦『まいづる-13』
夕張「さぁ到着! 提督、これを見てください……って、あれ?」ドシャッ
提督「……」チーン
夕張「提督? 起きて下さい、提督ー?」ペチペチ
提督「……ぐむむ」ムクリ
夕張「もー、しっかりして下さいよ。今から凄いのお見せしますから」
提督「……誰の所為だと思っとるんだ」ボソッ
夕張「さー、これです! これで以て、見事砲撃を迎撃してみせましょう!」ジャジャーン
提督「聞いていないな……これは……『前スレ安価:AGS』?」
提督「先進砲システム……Advanced Gun System、だったか? アメリカの駆逐艦に搭載されているものだったな」
夕張「Yes ! ・ちょっとある伝手に頼んで米軍基地からデータをパkゲフンゲフン」
提督「……」ン?
夕張「……と、兎に角データを得て独自開発しました! 砲口径こそ大幅に縮小してますが、その分排熱機構や射撃速度、精度を強化して、迎撃能力を向上させてます! 妖精さんテクノロジーで重量と嵩も減らしましたので、積める数も激増してますよ!」
提督「……私の付け焼刃の知識が正しければ、これは長距離からの火力支援の為のものではなかったか? それも、主に陸上の目標に対する。砲弾の様な高速の物体、しかも至近距離から発砲されたものを迎撃するなど……大口径砲弾ならいざ知らず、幾ら迎撃用に改造したとても」
夕張「無論オムロン無問題! それを解決する為の秘策があります! 説明しますので、先ずは艦橋へ向かいましょう!」
提督「……艦橋まで改造した訳ではないだろうな? 彼処は妖精さんの働く場所だぞ、勝手にやっては……」
夕張「あぁ、いえいえ! 全く外装には手を付けてませんよ?」
提督「……なら、まぁ、構わんか」
夕張「さぁさぁ、早く此方へどうぞっ!」ガッシ
提督「待て。私は一人でも行ける。だから引っ張るんじゃなぐえっ」
夕張「ウラァァァァァァ!」ドドド
提督「や、やめ……もげっ!?」ガィン
【ゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッ……】
---同艦 艦橋---
提督「」チーン
夕張「あー……提督ー?」
提督「……頭が割れそうだ」タンコブモリモリ
夕張「あ、喋れるなら大丈夫そうですね。それじゃあいきましょう!」
提督「……もう、突っ込む気も起きん」
夕張「はい、此方一見何の変哲もない何時も通りの艦橋です!」
提督「……その様だな」
夕張「しっかぁし! 実は既に、大幅な改造が施されていることにお気付きでしょうかっ?」
提督「……お前は、外装には手をつけていないと言ったな? ならば、それは中身のこと……コンピュータのプログラムではないか?」
夕張「はい正解ですっ……ちぇ。もうちょっと悩んでくれたって……マジレスいくない」ボソッ
提督「……何か言ったか?」
夕張「ファッ!? あ、いやー、あはははは……」
提督「……で? 具体的にどうしたんだ?」
夕張「……えーと。要は、弾丸が発射されるタイミングや方角を、敵の情報を解析することで予め割り出しておくシステムを開発しました!」
提督「……何?」
夕張「これをAGSの火器管制と繋げて、敵の発砲や艦載機の接近が予想されたら、こっちから先に撃っちゃうんです。で、弾丸や敵機が予想地点に来た瞬間に着弾して相殺する、と、まぁそういう具合にやっちまう訳です!」
提督「……」フム
夕張「どうですっ? 後はAGSの弾を噴進弾と誘導弾の二重式にして、終端誘導をアクティブ式にする位の事をすれば、ほぼ間違いなく落とせる筈です! というかシミュレーションでは落とせました!」
提督「……成る程。悪くはないが」
夕張「でしょっ!? それでですね、私、もう誘導弾は作ってみたんですよ! さっきの時に作ってたのがそうなんですけど……」
提督「待て。確かに悪くはないが、欠点が幾つかあるぞ」
夕張「……ほぇ?」
提督「先ず、此方側の弾速だ。要は、AGSを使って9M119の様なミサイルを飛ばして、それをして迎撃を行おうということだろう?」
夕張「……きゅーえむ?」
提督「……戦車砲から発射出来るミサイルのことだ」
夕張「うわ、何ですかそれ。そんなのが陸にはあるんですか?」
提督「……嘗て三式弾を考えた海に言われたくはないが、まぁ、あるぞ」
夕張「うーん……特許でも取れるかと思ってたんですけど」
提督「海軍砲では間違いなく始めてだとは思うが、それは戦後にしておけ……まぁ、取り敢えずそういう認識でいいな?」
夕張「えぇ、はい。そうですね」
提督「その手のミサイルは、少なくとも音速を越えては飛んでいかない。ロケットがあるとはいえ、万一軌道が突風などでずれた場合、砲弾に追随して軌道変更出来るのか?」
夕張「あー……悪天候時は、確かに。誘導装置も不安ですね」
提督「もう一つ。砲機構にしろ弾頭にしろ、かなり値が張るのではないか? アメリカへのライセンス料も馬鹿にならんし、通常の砲から発射可能なミサイルは、国内での生産はされていない筈……生産ラインを新設して、量産が軌道に乗るまでにどれ程の予算が必要か」
夕張「……そういえば、コストの計算はしてませんでした」
夕張「……特許のことも考えてなかった」ボソッ
提督「おまけに、技術面での問題だ。炸薬量の調整と誘導装置の小型化にも限界がある。妖精さんなら何とかなるかもしれんが、艦装歩兵の分に加えて、通常武装まで担わせる訳にもいかん」
夕張「あ、それなら私が何とかしましたよっ! 多分既存の技術系体の延長で何とか出来る筈です!」
提督「……コストと手間は?」
夕張「うっ」
提督「……要は、長期的な運用を考えると、色々と掛かり過ぎる。それなら、別の方法を考えた方がいい」
夕張「……うぅ」
提督「……虐めたくて言っている訳ではないが、現実的には問題が多いんだ。分かってくれ」
夕張「……」
提督「……夕張?」
夕張「……フッ」
提督「?」
夕張「フゥゥゥーッハッハッハッハッハッハァッ!!」
提督「!?」
夕張「甘い。甘いですよ提督ゥッ! その程度で私が諦めるとでもォ!?」
提督「い、いや、実際諦めざるを得ないではないか」
夕張「はっ! そこで諦めてちゃあ狂気の兵装実験艦の名が泣きますよッ! これは運命石の扉の選択なのです! 変える事など不可能なのDEATH!」
提督「試験する艦であって造る艦ではないだろうが……それに、何と言った、狂気の? 運命石……?」
夕張「そんな事ァどうでもいンですよっ!」
提督「……なら何故言った」
夕張「兎ぉも角っ! 逆に言えばそれを解消出来ればこれは通るとそういう訳でしょう!?」
提督「……いや、まぁ、確かにそうだが」
夕張「だったらやっちゃりますよ! 全部纏めて何とかする方法、キッチリ捻り出してみせましょう!」
提督「……む?」
夕張「そんなら何の問題も文句も有りませんよねェ、提督ッ!?」
提督「……成る程、そういう事か。分かった。それなら、引き続き研究すればいい」
夕張「ダッシャぁぁぁぁっ!」グッ
提督「但し、今回の様に船渠に籠りきりになる様な事は避け、平常業務の延長として行うこと。そして、駆逐艦娘の情操教育に非常に悪いあの手の言動や行動を慎むこと。良いな?」
夕張「イエッサァァッ!」ビシィッ
提督「宜しい。で、もう一つ言わせてもらおうか」
夕張「はいィ何でしょうかァ!?」
提督「喧しい。年頃の娘がそんなことで如何するか」チョップ
夕張「ぎゃふん!?」
提督「全く……必要な事だけ冷静に伝えればそれで良いものを、熱くなり過ぎだ。以後、気をつける様に」
夕張「う……い、いえっさー」
提督「……まぁ、暫くは秘書艦は別の者にやって貰おう。此方に専念して、気長にやればいい。成果を期待しているぞ」
夕張「あ……は、ハイッ!」ビシッ
---都内 某所---
痩身白衣男「……む? おい、スーパーハカー。どうした? 何かを遣り遂げた様な顔をして」プシュッ
肥満帽子男「ん? あぁ。ほら、此間声掛けられた女の子いるじゃん?」アトハッカーナ
白衣男「……あぁ、アキバに機械パーツを買いに来たとかいう」ゴッキュゴッキュ
帽子男「あの後、あの子と仲良くなって連絡取り合ってたんだけどさ。ちょっと前に僕に仕事頼んで来たんよ」
白衣男「ほう。お前も中々やるではないか。流石は我が右腕だ」プハーッ
帽子男「いやいや、僕にはもう心に想う人がいる訳で……そんで、まぁ、断るのもなんだから受けて、米軍基地のデータベースにハック掛けてデータ抜いてたんよ」モソモソ
白衣男「ほう、米軍基地に……ン何ィィィィィィィッ!?」
帽子男「で、一仕事終えて一段落、って訳だお」オデンカンウメェ
白衣男「お……おま……万一暴露たら如何するつもりだ!? お前だけでなく俺達もどんな目に合うか……」
帽子男「僕がそんなヘマする訳ないっしょ常考」キリッ
白衣男「……そうだった。そういやこいつはこんな奴だった」orz
白衣男「……しかし、米軍のデータを欲しがるとは……彼奴は何者なのだ?」
帽子男「さぁ? ハンドルネームは『黒炭メロン』だったけど、それ以外はワカンネ」
白衣男「……何だそれは」
---提督M・その一終了---
AGS他、軍事の細かいことについては、Google先生やWikipedia先生に頼っています。現実と違う可能性がありますので、御了承ください。
次の提督の秘書艦を安価(>>17)で決めます。前スレを含めて、既に出た者も含めて、『艦娘』です。
前スレを閲覧頂いていた方々、此方の不手際で御迷惑を御掛けして申し訳ありませんでした。
秋月
提督「……」サラサラ
【コンコン】
秋月「司令、秋月です」
提督「秋月君?・はい、何ですか」
秋月「大淀さんから書類です。一度目を通して欲しいと」
提督「書類? ……分かりました、入ってください」
秋月「失礼します」ガチャ、スタスタ
提督「……しかし、今出来る任務は全て終わらせている筈ですが」
秋月「確かに、そうですけど……取り敢えず、これを」パサッ
提督「おっと……どれどれ……」ペラペラ
秋月「……」
提督「……ふむ。成る程、そういう事ですか」
秋月「何だったんですか?」
提督「艦装歩兵母艦の改造、だそうです。最近増えている、母艦への奇襲を受けての対策ですね」
秋月「あぁ……そういえば、先月横須賀とラバウルで一件ずつありましたね」
提督「確かに、自衛の為の装備すら無いのは、軍艦としては致命的です。寧ろ、この指令は遅過ぎる位ですね」
秋月「で、どうしましょう? 改造の内容は各個で検討されたし、らしいですけど」
提督「……ふふふ。それなら、既に腹案はあります」
秋月「あ、そうなんですか?」
提督「僕も、似たようなことは常々考えていました。それを実行に移す時が、いよいよ来た様ですね」
秋月「具体的には、どうなさるんですか?」
提督「それはですね。ずばり……」
秋月「ずばり?」
提督「 ド リ ル で す 」メガネキランッ
秋月「……へ?」
提督「ドリル。それは即ち、人類を支え続けて来た一つの神器。その原型は古く神代にまでも遡るという、神智の結晶とさえ言うべき正しく至高の武器!」
秋月「……し、司令?」
提督「その形は人の二重螺旋DNAに通じ、また大宇宙の銀河にも通ずる! 永遠なる進化をも形象し、星々の力をも秘めたアーティファクトであるッ!」
秋月「あの……」
提督「そして、それを軍艦に付ければ如何なるか。此れ即ちドリル戦艦! 海を疾駆する鋼の女神がこの神器を持つ時、最早これを阻むものは存在しない! 存在しよう筈が無い! 最強の力が此処に誕生するッ!」
秋月「え、えっと……」
提督「そうは思いませんか秋月君ンンンン!?」ギ<◎><◎>ン
秋月「ふぁひゃいっ!?」
提督「……」
秋月「うぅ……」ビクビク
提督「……済みません。少し、頭に血が昇り過ぎた様です。怖がらせてしまいましたか?」フッ
秋月「ぁ……あ、いえいえ、とんでもありません! 唯、ちょっと驚いただけで……」
提督「……そうですか。まぁ、兎に角、ドリルです。ドデカイ奴を艦首に装備し、敵が近付けば回頭し突撃する。その破壊力は、恐ろしいものとなります」
秋月「そう、でしょうか?」
提督「運動エネルギー、この場合破壊力に相当する訳ですが、これは質量と速さの二乗を掛け、二で割ったものです。そしてそれは、ドリルの先端という一点に於いて対象へと集中し、回転運動と共に敵を穿ちます」
秋月「えーっと……母艦の重さが大体……速さは……その二乗……ぅゎーぉ」マッサオ
提督「分かりましたか? どれ程の破壊力か」
秋月「えぇ……何となくは」
提督「これを全艦が標準装備し、何件かの撃沈事例が上がれば、接近は即ち轟沈であると、深海棲艦も理解するでしょう。それによって、一種の抑止力としての効果も見込めます」
秋月「成る程……」
提督「という訳で、早速改造に取り掛かりましょう。兵は神速を尊ぶ、と言います」
秋月「あ、分かりました。でも、どうやって改造するんですか? 『後で金は立て替えるから、案の実行もそれぞれ勝手にやれ』ー、って書いてますし、まずはこっちで何とかしないと始まりませんよ?」
提督「心配有りません。我に策有り、です」
秋月「……?」
---宇宙 衛星軌道上---
【プルルル……プルルル……】
厚化粧のオカマさん「……あら? この通信は……うふ、あの子ね?」ピッ
オカマさん「はぁい、御久し振りね。元気だった?」
オカマさん「……あらヤダ、随分御世辞が上手くなったじゃない。アリガト♪ お陰様で元気も元気よ」
オカマさん「で? 今回はどんな御用かしら? ……機械のこと? なら丁度良いタイミングね。今、『彼処』のメンテナンス中なの。生産システム、少し位は動かせるわ」
オカマさん「……ドリル一本ね……大きさは? ふんふん……すると、ダイガン級ね……動力は電力と……規格は無くていいの? そっちで合わせる? 分かったわ」
オカマさん「これなら、そうね、一分あれば十分よ。完成したらどうする? それだけ送った方がいいかしら?」
オカマさん「……オッケー。認識の座標は、貴方でいいのね。じゃ、大体真上位になる様に調整しておくわ。それで大丈夫? ……それじゃ、早速始めるわよ」
オカマさん「あ、後、偶にでいいから、こっちにも顔見せなさいよ。大統領さんも、久々に顔が見たいって言ってたわよ」
オカマさん「……宜しい♪ 言質はとったから、守らなかったら……こっちから迎えに行っちゃうかもしれないわ? じゃ、送るわよー」ポチッ
オカマさん「……ふふ。あの子も、充実してるみたいね。あーぁ、あの頃が懐かしいわー……なんて」
オカマさん「さーって、続きに掛からなきゃ! エンジン周りは念入りにしないとね!」
---
提督「あっちょっと……全く、あの人は……」
秋月「……えっと、今の……お兄さん? お姉さん? は、一体? というか、その変な顔型のスマホみたいのは……?」
提督「昔、色々有りまして。彼……いや、彼女ですか。彼女は、その時の知り合いです。そしてこれは、彼女が作った通信端末ですよ」
秋月「色々……?」
提督「えぇ、色々です。まぁ、この話は置いておきましょう。それより、そろそろですね……」
秋月「な、何がです?」
提督「注文の品ですよ」
秋月「え? でも、今頼んだばっかり……」
提督「詳しくは後です。早く表へ出なくては……」スタスタ
秋月「あっ、待って下さい司令!」テテテ
今日は此処までです。
この提督では、あるタイミングでのコンマまでは安価はありません。悪しからず。
前回の提督のまとめと、並行して書いている作品を紹介しておきます。御覧頂けると幸いです。
第十三基地
秘書艦:夕張
改造内容:砲弾を迎撃出来るAGS(開発完了)
協力者:肥満体のスーパーハッカー
艦娘一同「全然怒らない提督をマジギレさせる」
艦娘一同「全然怒らない提督をマジギレさせる」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394943661/)
乙です
乙でし。
夕張がどっかの教授(助手無し)になっとるwww
そのうち「てえーとくー」とか言いだしそうwww
乙です
この提督は轟天号でも造るのかな?
---舞鶴鎮守府第九基地 波止場---
提督「……間に合いましたか」ハァハァ
秋月「し、司令……まって……待ってください……」ハァハァ
提督「済みません、秋月君。時間がなかったもので」
秋月「じ、時間が無いって……さっきも言いましたけど、今頼んだばっかりですよね? どういう事なんですか?」
提督「見れば分かりますよ」
秋月「……??」
【……パリーン】
秋月「……この音は?」フッ
提督「来ましたか。秋月君、少し下がっていてください」フッ
秋月「あ、はい……あれ? 何か、急に暗く……」クイッ↑
巨大ドリル「チーッス」
秋月「」
秋月「ど、ドリルが降って来たぁぁぁぁ!?」
提督「流石ですね。ぴったり直上です」
秋月「ちょっと司令そんなこと言ってないで早く逃げないと潰されちゃうぅぅぅぅ!?」
【ヒュゥゥゥゥ……】
提督「駄目です。そんなことをしたら、折角作ってもらったドリルが地面に当たって壊れてしまいます」
秋月「命に替えられませんよってあぁぁもうだめだぁぁぁぶつかるぅぅぅ」
提督「大丈夫ですよ」ポン
秋月「……ふぇ?」
【ズ……ン】
提督「何の策も無しにこんなことはしませんから」ガシッ
秋月「」
秋月「ふぁっ!?」
提督「流石に、重いですね。秋月君、飛沫に気をつけてくださいね……よいしょ」バシャーン!
秋月「……」ポカ(°Д°)ーン
提督「ふぅ……おや? 秋月君? どうしました?」
秋月「いや……どうした、って言われましても……その……」
提督「?」
秋月「このドリルを、さっき片手で受け止めてました……よね? 私の見間違いじゃありませんよね?」
提督「え? はい、確かにそうですが……」
秋月「……それって、あんまり普通じゃありません、よね。それで、その、ちょっと、というか大分、というかかなり驚いたというか」
提督「そんなことはありませんよ? 人間、気合があれば何でも出来るものですから」シレッ
秋月「……見た目も中身もインテリの司令に、そんなアニマルなこと言われましても……」
秋月(もしかして、司令って根っこは熱血なのかしら。普段は理性的なだけで)
秋月(……それ以前に、一体何をどうしたらあんなのを片手で持てるのかが分からないけど。単なる怪力ってレベルじゃないわよね)
提督「さて、兎に角ドリルは届きました。秋月君、済みませんが、母艦を此方へ回航してくれる様、妖精さんに頼んできてくれませんか?」
秋月「え? 母艦をこっちに? ドリルを船渠に運ぶんじゃないんですか? 妖精さんに付けてもらうなら、そっちの方が」
提督「いえ、この程度に態々妖精さんの力を借りるまでもありません。僕が直接やりましょう」
秋月「直接……って、司令、そういうこと出来るんですか? 溶接とか、回路を繋ぐとか」
提督「そんな所です。それでは、宜しくお願いします」
秋月「はぁ……了解です」
秋月(……でも、あんな大きいのを弄ろうと思ったら、船渠とかでドリルと母艦を固定しなきゃいけない筈。それも必要ないって、どういうことだろう?)テクテク
提督「……僕も、準備しなければ」ツカツカ
乙ー
---一時間後---
【ピーッ! ピーッ!】
操艦妖精さん《どーおー? もうちょっと寄せた方がいいー?》
赤ツイン「もーちょい! 後十メートル位!」ブンブン
操艦妖精さん《宣ー候ー!》ガララララ
提督「どうも済みません、妖精さん」
青スパナ「いえ、それは構わないんですが……」
緑メット「なーんで私達を頼らないかなー。本職がやった方が早いのに」
茶メット「私達じゃ力不足ってことですかぁ……?」ショ(´・ω・`)ボーン
提督「いえ、とんでもありません。唯、妖精さんにとっては、艦娘の事の方が優先順位が高いです。これは直ぐにしなければならない訳ではありませんし、それなら、僕がやった方がいいかと」
茶メット「……本当ですか?」
提督「はい。勿論です」
緑メット「ふーん。それなら、まぁ、いっかぁ」
青スパナ「まぁ、提督さんに限ってそんな事はないと思ってましたが」
秋月「……司令。一ついいですか?」
提督「あ、はい、何でしょう?」
秋月「司令の言う道具っていうのは、その手回しのドリルのことなんですか?」
提督「えぇ、そうですが?」ドリルキラン☆
秋月「……それで一体どうやって配線を繋いだり溶接したりするんですか。そうするってさっき言ってたじゃないですか」
提督「そんな所です、とは確かに言いましたが、そうするとは言っていませんよ?」
秋月「……確かにそうですけど。でも、それだけで一体何をどうするんですか? 少なくとも、私は何も思いつかないんですが」
提督「まぁ、それは見ていれば分かります。これは、下手に説明するより見せたほうが早いので」コトン
秋月「……?」
緑メット「あれ? 秋月ちゃんは知らなかったっけ、提督のアレ」
秋月「アレ?」
青スパナ「何言ってるの。彼女はつい最近来たばかりでしょう?」
茶メット「知らなくっても当然だよ」
緑メット「あ、そうだったっけ? じゃあ、仕方ないか。取り敢えず、注意だけしとくね」
秋月「あ、はい」
緑メット「……常識なんてね。全力でぶん投げ捨てるもんだよ」フッ
秋月「……??」
赤ツイン「おーけーい! 丁度ピッタシ!」
操艦妖精さん《よーし、成功! まさか船でこんな細かい切り返しやるとは思わなかったよー》
提督「お疲れ様です。後で、何か差し入れでも持っていきますね」
操艦妖精さん《あ、どーもですー》
赤ツイン「……んじゃ、後はやるだけだろ? さっさとやっちまえよ、こっちは仕事がつかえてんだから」
提督「十分承知していますよ。では、早速始めましょうか」
秋月「始めるって……改造を?」
提督「当然です。まずは、ドリルを接続部に近付けなければ……ふんっっ」ググッ
【ビキビキビキビキビキビキビキビキ】
秋月「……えっ?」
提督「ふぅ……下準備は完了ですね」プシューッ
秋月(……秋月です。インテリ系で痩せ型な司令が力んだと思ったら、次の瞬間筋肉ムキムキのゴリマッチョになってました。綺麗な逆三角型の体型で、今にも上着がはち切れそうになっています)
秋月(……あれ? 司令ってこんな筋骨隆々としてたっけ? というか力んだだけでどうしてこうなるの? あれ? あれ?? あれ???)
提督「では、まずドリルを持って……むぅんっ!」ガシッ
【ジャパーン!】
提督「ふっ……くっ……妖精さん、こんなものでしょうか?」グググッ
緑メット「いや、もーちょい上! そうそうその辺り! そのまま固定!」
青スパナ「少し傾いています。軸の角度を仰角に一度程」
茶メット「……おっけー、それで大丈夫です!」
提督「有難う、御座います……っ、秋月君、ドリルを」グググッ
秋月「……ふぁ、あ、はい! ドリルですね! どうぞ!」カチャッ
提督「そのまま、暫く待機して下さい……」グググッ
秋月「は、はい……」
提督「……すぅ……はぁ……よし、今っ!」バッ
秋月「!?」
秋月(ど、ドリルを放り投げた!? でも、そんな高さじゃ直ぐに落ちて……)
提督「秋月君、有難う」カチャッ
秋月「え……あ、ドリル」
提督「それでは、やりましょう……」
提督「そぉゐ!」カッ
---
秋月(それから起きたことは、正直、今でもよく分かりません。唯、司令がドリルを手にして、何かを呟いた瞬間、辺りが、ドリルから溢れ出る緑色の光に包まれました)
秋月(そして、それを持った司令は、落ちて来る巨大ドリルへ突っ込んでいって……気が付いたら、ドリルは母艦の艦首にくっついてました。それで司令はいつも通りに戻ってました)
秋月(……アレですね。漣ちゃんの言ってた『ぽるなれふ状態』というのは多分これを言うんですね。本当に何がなんだか分からない。妖精さんがあぁ言うのも納得ね、これ)
提督「ふぅ……いや、久し振りにやると疲れますね。取り敢えず、これで完成の筈ですが」
赤ツイン「どれ……あー、大丈夫。回路とかは全部繋がってる。この繋がり方だと、多分、艦橋で直接操作出来る筈だな」
緑メット「……うん、いきなり外部から無理矢理重たいのをくっつけた筈なのに何故か船体に異常はないよ。そうだろうとは思ったけどね」
茶メット「相変わらずの滅茶苦茶っぷりですねー。何をどうすればこんなことが出来るんです?」
提督「端的に言えば、気合いです」
青スパナ「またそうやって誤魔化して……長い付き合いなんですし、少しは教えてくれてもいいんじゃないですか?」
提督「いえ、別に誤魔化している訳では……本当に気合いと言うのが近いんですが」
提督「あぁ、そうだ。秋月君、いいですか?」
秋月「……あ、はい。何でしょう」
提督「君の意見を聞きたいのですが、改造は、これで終わりでいいでしょうか?」
秋月「……と、言いますと?」
提督「先は、僕も色々と理屈を並べましたが、やはり理屈は理屈です。実戦でその通りにいくとは限りません。抑止力としてのドリルだけで、母艦の改造を終えても大丈夫でしょうか? 艦装歩兵として、何か意見があれば、お願いします」
秋月「……うーん。そうですね……『コンマ安価:>>42』です」
コンマ安価です。>>42で、下二桁が00-49で装備追加無し、50-99で装備追加ありとします。
尚、追加ありの場合、>>43、それが駄目なら直下のレスを拾います。
ほい
ほいっほい?
んぅ
空を飛べる装備
マルチプルパルス(分類:対空砲)
お船が飛んだらガンダムになるっほい
秋月「空を自由に飛びたいな……なんちゃって」
提督「……ほう?」
秋月「あ、でも、ふざけてる訳じゃないです。ちゃんと理由はありますよ」
提督「聞きましょう」
秋月「例えば、空を飛べるとなったら、普通は、海上を行くよりも早く動けますよね? それは、それだけで、戦術や戦略に幅を持たせることになると思うんです」
提督「ふむ」
秋月「艦娘の離発着の時だけ着水するなら、戦力の展開にも支障はないと思いますし。それに、最終手段で、いざとなったら敵に空から突っ込んでいくとか! そういうことも、出来るんじゃないかなぁ、なんて……あ、でもこれは流石に」
提督「……いい」
秋月「へ?」
提督「実にいい。素晴らしい。秋月君、君は浪漫の何たるかが分かる娘の様です。合理性を追求しつつ、魂の滾る要素を忘れない。中々現代では見ない逸材です」
秋月「あ、はぁ……有難うございます」
提督「では、次の改造はそれをすることにしましょう。流石に今すぐは出来ませんが、その時までに、此方で手配はしておきます」
秋月「分かりました」
提督「……ふふ。空飛ぶ艦か。いい。実にいいですね」フフフフフフ
秋月「……し、司令?」
---提督I・その一終了---
第九基地
秘書艦:秋月
改造内容:艦首ドリル(艤装済) 飛行用装備
協力者:厚化粧のオカマさん
という訳で、今日はここまでです。
次に書く提督ですが、これまで出てきた内の誰かにしようと思います。第一、第六、第十三基地から一つ選んでください。
直下5レス分で多数決です。
以降、既に出た基地→新しい基地で繰り返します。出尽くしたら、後は既存の基地を回していきます。
1
第一
13
1
1
---某日 舞鶴鎮守府第一基地---
提督「……」カキカキ
Z3「……あ、提督。弾薬の補給なんだけど」
提督「ん、どれ……あー、成る程。いや、これは気にすんな。ほら、あれだ、陸の友達から徹甲弾融通してもらった分、普通の補給が天引きされてんだ」
Z3「……海と陸では、弾薬の種類は全然違うでしょう?」
提督「まぁそうだが。この一件が上に暴露たかな。陸と仲良くしてる罰ってことかも__」
茶メット「たたたたた大変ですよ提督さぁぁぁん!?」バァン!
提督「うぉう!?」ビクッ
Z3「ひっ」ビクン
提督「……な、何だ。工廠の妖精さんか」
Z3「い、一体、どうしたの?」
茶メット「そ、それが、こないだから取り掛かってる母艦改造なんですけど、あの時、高速建造材担当の娘がいなかったじゃないですか」
Z3「……そういえば、そうだったかしら」
茶メット「彼女、一人だけ仲間外れにされたからって、母艦に無茶苦茶なことしちゃったんですよ!」
提督「無茶苦茶……? 具体的には?」
茶メット「『安価:>>56』ですよ! 兎に角、来て下さい!」
踏み台
>>44を搭載
連装パルスレーザを両舷に65基…?
乙ー
---艦装歩兵母艦船渠---
提督「……」ポカ(゚д゚)ーン
Z3「……」ポカ(°・・°)ーン
茶メット「ね!? 大変なことになっちゃってますよね!?」
提督「いや……大変っつーかお前……」
Z3「これは……その……」
提督「全身隈無く針鼠じゃねーか! 艦橋の側面まで何か箱みたいのがくっついてるぞ!?」
Z3「既存の設備の稼働を邪魔しないギリギリの所まで、びっしり付けられてるわね」
茶メット「だから大変だって言ったでしょ!?」
Z3「それは間違いないけれど……でも、本当に何これ」
提督「おい建造材の妖精さん! こりゃ一体全体何なんだ! どうしてこんなことした! 言え!」
赤ツイン「べっつにー? 対空兵装が要るって言ってたから、用意しただけですけどー?」
提督「何っ?」
Z3「……対空、兵装? これが?」
赤ツイン「そ。マルチプルパルスってって……まぁ、この箱一つ一つがビーム砲なんだよ、要は」
提督「び、ビーム砲だぁ?」
Z3「……本当?」
赤ツイン「自分の仕事で嘘はつかないっての。知らない? 技研がその手の奴開発してるって話」
提督「いや、それは、聞いたこと位はあるが、あんなの唯の都市伝説の類だと」
Z3「……私に到っては初耳なのだけれど」
茶メット「あ、私達は聞いたことあります。光学兵器とか粒子兵器とか、幾つか開発中だって……」
赤ツイン「ま、それを貰ってきてくっつけたって訳だ。これがありゃ、対空はバッチリの筈だし……」
提督「筈だし?」
赤ツイン「これで、『産業廃棄物』の処理は先送りだよなー?」ニヤリ
提督「……ああっ!? くそっ、それが一番の狙いか!? 折角のアレを処分する機会がぁぁぁぁぁあ! おのれ妖精さん、ユ"ル"サ"ン"ッ"」ゴゴゴゴゴゴ
赤ツイン「お? やるか? あたしのバーナーが火を噴くぞ? 黒焦げになっても知らねぇぞ? お?」ジャキ
茶メット「ちょ、赤何やってるの!?」
Z3「二人とも、落ち着きなさい」
提督「上等だオラァッ! やれるもんならやってみやがれっ!」
赤ツイン「よーし言ったな。黒焦げと言ったがあれは嘘だ。最大火力で灰にしてやんよ」
茶メット「あわわ……」
Z3「……二人とも」
提督「はっ! そんな口叩けんのも今の内だけだ! 俺の必殺ストレートで一発ノックダウンしてやらァ!」
赤ツイン「ひょろひょろのもやしが抜かしてんじゃねえよ!」
Z3「(プツッ)……落ち着きなさいと言っているでしょう」Feuer
提督「あいんすっ!?」ドカン!
赤ツイン「イテッ!」コン
提督「いでで……おいマックス何すんだ!? 俺はこの赤いのを痛い目に合わさなきゃ」
Z3「何か言ったかしら?」ガシャコ
提督「いえ何でもありませんマム」
赤ツイン「へ、へん。ざまぁ見ろってんだ。秘書艦に脅されてやんの」
Z3「貴女もよ」ギロ
赤ツイン「スミマセン」
茶メット「……同僚が済みません」
Z3「いえ、貴女は悪くないわ。悪いのは、直ぐに取っ組み合いを始めようとするこの人達だから」
提督「……オマイウ」ボソッ
Z3「……言っても分からなければ、身体に分からせるしか無いでしょう?」ジャキ
提督「イエスマム」
Z3「……あのね、提督。装備に関しては、別に工廠で廃棄処分しても構わないでしょう。対空は何とかしてくれたんだし、何をそんなに怒る必要があるの?」
提督「いや、だって……任務以外で装備廃棄するのって勿体無くてなぁ」
Z3「……こういうのをケチって言うのね、きっと」
茶メット「まぁ、それは確かにそうかも」
Z3「……兎に角、装備は廃棄すれば良いんだし、使えなかったからって不貞腐れるのは筋違い。分かります?」
提督「……まぁ、うん」
Z3「それと、貴女も。貴女を無視してしまったのは、私達が悪いわ。御免なさい。でも、勝手にこういうことをするというのは、規律を乱すということなの」
赤ツイン「……」
Z3「軍組織に於いて、それがどれだけ悪い事か、分からない筈はないでしょう?」
赤ツイン「……悪かったよ」
Z3「反省してくれたなら、それでいいわ。次からは、こういう事があったら私に言って。然るべき対応を取りますから」
赤ツイン「……へーい」
茶メット「は、はーい、それじゃあ仲直りです! ね、今は母艦の事について考えないといけない訳ですし! ね!」
提督「……悪かった」
赤ツイン「……こっちこそ」
Z3「子供じゃないんだから、二人とも、次からはもうちょっと考えて欲しいわね」
乙ー
マックスに叱られたい
Z3「……ところで妖精さん。この……マルチプルパルス?は、ちゃんと使えるの?」
赤ツイン「……ん? どういう意味?」
Z3「だって、ビームよ? 私達が一度も使ったことのない、未知の兵装。正直、心配なのよ。ちゃんと扱えるかどうか」
提督「……そういやそうだな。最低限の事は知らなきゃ、道具は使えないしな」
赤ツイン「あー……そういや、貰ってくっつけたはいいけど、あたしも性能知らねーや。対空に使えるのと、威力だけは間違いないそうだが」
茶メット「ちょ、赤? それじゃ、万一不具合があったらどうするの?」
赤ツイン「なーに、あたしがやったことなんだし、そん時ゃ修正するよ」
提督「……妖精さん、今から母艦動かしても大丈夫か?」
赤ツイン「ん? あぁ、問題は無いぞ。取り付けは終わってるし、これまで通りに使える様にちゃんと調整はしてあるからな」
提督「なら、これから表に引っ張っていって、試射してみよう。もう付けたもんは仕方がないから、こいつを使うとして、どんな風なのか見ておきたい」
Z3「取り付けた本人もスペックが分からないなら、調べないといけないしね」
赤ツイン「あいよ。そんじゃ、一寸母艦の奴ら呼んでくるわ。何かあんなら、先に準備しといてくれよ」
茶メット「失礼しまーす」テテテ
提督「……んじゃ、行くかな。的になる艦載機は、どうすりゃいいかな」スタスタ
Z3「ホウショウに頼んでみたらいいんじゃない? あの人のアカトンボなら、並みの戦闘機と同じ位の機動は出来ると思うけど」トコトコ
提督「……成る程。鳳翔の練習機か。まぁ、それならボーキサイトもそう痛まねぇし、いいかな」スタスタ
---数十分後 波止場付近 艦装歩兵母艦『まいづる-1』 艦橋---
操艦妖精さん「……よーし、艦の位置はこれ位で大丈夫でしょ」ボァーッ
電探妖精さん「対空電探、感度良好! 赤トンボのデータを仮想敵として識別したよ!」
電算妖精さん「火器管制系、武装と繋げた。これで電算機が一括して制御出来る筈」
通信妖精さん「提督さん、準備、オールオッケーでーす!」
提督「あんがとな、妖精さん。で、鳳翔の方はどうだ?」ザザッ
鳳翔《現在、沖合いに10キロの所です。何時でも発艦出来ます》
提督「了解。じゃ、もう飛ばしといてくれ。上空で編隊を組んで、別命あるまで旋回待機」
鳳翔《分かりました》ザザッ
Z3「……基地を背にして、沖から向かってくる敵を迎撃する、か。余りこういう状況に陥ることはないと思うのだけど、どうしてこうやって試験をするの?」
提督「ん? あぁ、それか。自分の基地の中ってのは、全力で戦闘するには全く向かない場所だ。迂闊に撃つと、弾が施設に当たったりもするからな。こういう場所で問題無く使えれば、沖では何処でも大丈夫だろ、と思ってな」
Z3「ふぅん。成程ね」
緑メット《おーい。聞こえてる?》ザザッ
提督「っと、何だ?」
青スパナ《実機の方も一通り点検が終わりました。外装部と接続部には問題ありません》
茶メット《内部は、リバースエンジニアリング禁止ってことなので、詳しくは見れてませんが、多分大丈夫です》
赤ツイン《そっちの電算系は準備出来たんだろ? こっちも問題無いから、何時でもいけるぞー》
提督「分かった。そっちはもう降りといてくれ。実験が終わった後でまた点検してくれ」
赤ツイン《あいよ》
提督「じゃ、早速始めるかな……鳳翔!」
鳳翔《はい。皆さん、順次攻撃行動を開始してください》ザザッ
【ブロロロロ……】
提督「さて。どうだ?」
電探妖精さん「早速反応あり! きっかり予定のルートを進んでます!」
Z3「流石の腕ね」
提督「よーし、マルチプルパルス起動! 電探・想探と連動して、射界に入り次第ぶっ放せ!」
電算妖精さん「了解。マルチプルパルス起動、電算機との連携を開始……」
【ヴォーン! ヴォーン! ヴォーン!】
《WARNING! WARNING! WARNING!》
提督「!?」
Z3「!?」
艦橋妖精さん's「!?」
-----------------------------------------------
警告
不明なユニットが接続されました
システムに深刻な障害が発生しています
直ちに使用を停止してください
-----------------------------------------------
提督「な、何だぁ!?」
Z3「妖精さん! どうなっているの!?」
電探妖精さん「わ、分かりません! 急にシステムが……あっ!? 電探も想探もおかしくなってる!?」
操艦妖精さん「こっちも! 舵が勝手に動いて……っていうか、増速してる!? 最大戦速まで急加速してます!」
通信妖精さん「うぎゃーっ!? 通信機からノイズが、み、耳がぁぁ!?」Gyyyyyyyy!!
電算妖精さん「っ……これ、マルチプルパルスの兵装システムからハッキングが掛かってる。本来別の、多分陸に作った正規の本体に換装して使う所を、無理矢理艦のコンピュータを弄って使ってる」カタカタカタカタカタカタカタ
提督「何ィ!?」
電算妖精さん「……この兵装は、事前のプログラムに忠実に稼働している。艦が動いてるのも、赤トンボを迎撃する為に近づいていってる。多分これは、設定した目標を全て破壊しないと停止しない」カタカタカタカタカタカタカタ
Z3「そんな……何て滅茶苦茶なの」
電算妖精さん「……! 主機出力急激に上昇、オーバーロード。拙い。このまま放置してると、五分で主機が爆発する。そうなったらこの艦も誘爆して御陀仏」カタカタカタカタカタカタカタ
Z3「なっ」
電算妖精さん「……此方からの制御を全く受け付けない。もう、これが赤トンボを制限時間内に全て撃墜してくれるのを祈るしかない」ッターン!
提督「クソッ! こんなもん掴ませやがって、技研の奴らいつか絶対に叩きのめしてやるぅぅぅ!」
【ヴゥゥゥゥゥゥゥン】
電探妖精さん「あっ! 提督さん、目視範囲内に赤トンボ! もう直ぐそこ!」
提督「マジか!? よっしゃ間に合った!」
操艦妖精さん「あわわ……速い、速過ぎるよー!?」
通信妖精さん「ふびゃあぁぁぁぁ耳がぁぁぁぁぁぁ!?」Gyyyyyyyy!!!
【ガコン、ゴゴゴゴゴゴ】
Z3「……この音は?」
電算妖精さん「……起動音。電力、急激にマルチプルパルスに集中。ギミック作動、粒子砲塔展開、エネルギーチャージ。射撃まで五秒」
提督「頼む、この際威力とかどうでもいいから早く撃ってくれ!」
電算妖精さん「四……三……二……一……」
Z3「……」ゴクン
電算妖精さん「発射」
-----
----
---
--
-
-
--
---
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-----
提督「」
Z3「」
艦橋妖精さん's「」
電算妖精さん「……射撃終了。赤トンボ、全機撃墜を確認。マルチプルパルス、射撃態勢及びハッキング停止、休止状態へ移行。主機稼働状況通常に復帰、全システム復旧完了」
提督「……何だ、ありゃ」
Z3「空が、緑の雲に包まれたみたい」
電算妖精さん「……プログラムを改変して、此方のシステムで制御出来る様にしておきたい。毎回あんな綱渡りをする兵器とは、付き合いたくない」
操艦妖精さん「提督さん! お願いしますよぉ!」
通信妖精さん「あ"ー……もうあんな鼓膜破れる様な音聞きたくな"い"ー」
電探妖精さん「いや、ちょっと本当にお願いします。これじゃまともに使えやしない」
提督「……あぁ。そうしてくれ。もうこうなったら分解禁止とか知ったことか。安全性も確保出来ん武装を改良せずに使う気は更々ないぞ」
Z3「全くよ。本当に、死ぬかと思ったわ」
Z3(……けど、何でしょうね。あの警報音、ディスプレイやシステムのノイズ……何か、いい。イイわ)ゾクリ
提督「……取り敢えず、帰投しよう。工廠の妖精さんと、色々と話し合わにゃ……あぁ、その前に、鳳翔にも連絡して回収しよう」
艦橋妖精さん's「宜候!」
Z3「Jawohl」
乙です
---舞鶴鎮守府第一基地 艦装歩兵母艦船渠---
赤ツイン「……」アセアセ
緑メット「……」ジトー
茶メット「……」ジトー
青スパナ「……えぇ、と。色々と彼女に言いたいことはあると思いますが、提督さん、まずはお疲れ様です。御無事で何よりでした」
提督「あぁ、有難う。しかし、大概偉い目にあったな……」
赤ツイン「……正直、済まんかった。まさかあんなバケモンだったとは思わなかったんだよ」シュン
Z3「勝手な改造行為と含めて、今回だけは見逃します。次回以降絶対にこういう事の無い様にしなさい。命に関わってくるから」
赤ツイン「あぁ……」
提督「……確かに、威力だけは折り紙付きだ。あれなら要塞級やらレ級やらの艦載機だって一網打尽だろうし、最終手段としてはいいと思う。唯、使うとあぁなる以上、少なくとも普段から使う訳にはいかん。普通の対空兵装として、やっぱり例の産廃を取り付けてくれ」
青スパナ「はい、承りました」
緑メット「あ、それと、そろそろ例の機銃が完成しそうだよ。精度は落ちたけどその分射撃速度は上がってるから、牽制には丁度いいと思う」
提督「分かった。ま、当たるとヤバイ弾が雨霰と降ってきたんじゃ、奴らもそうそう近づけやしないだろうな」
---舞鶴鎮守府第一基地 艦装歩兵母艦船渠---
赤ツイン「……」アセアセ
緑メット「……」ジトー
茶メット「……」ジトー
青スパナ「……えぇ、と。色々と彼女に言いたいことはあると思いますが、提督さん、まずはお疲れ様です。御無事で何よりでした」
提督「あぁ、有難う。しかし、大概偉い目にあったな……」
赤ツイン「……正直、済まんかった。まさかあんなバケモンだったとは思わなかったんだよ」シュン
Z3「勝手な改造行為と含めて、今回だけは見逃します。次回以降絶対にこういう事の無い様にしなさい。命に関わってくるから」
赤ツイン「あぁ……」
提督「……確かに、威力だけは折り紙付きだ。あれなら要塞級やらレ級やらの艦載機だって一網打尽だろうし、最終手段としてはいいと思う。唯、使うとあぁなる以上、少なくとも普段から使う訳にはいかん。普通の対空兵装として、やっぱり例の産廃を取り付けてくれ」
青スパナ「はい、承りました」
緑メット「あ、それと、そろそろ例の機銃が完成しそうだよ。精度は落ちたけどその分射撃速度は上がってるから、牽制には丁度いいと思う」
提督「分かった。ま、当たるとヤバイ弾が雨霰と降ってきたんじゃ、奴らもそうそう近づけやしないだろうな」
茶メット「私からは、本体の分解調査の結果と、艦橋組のプログラムの解析結果を報告しますね」
Z3「お願いね」
茶メット「まず、本体の方ですけど、やっぱり、色んなところが艦に載せるには不適格ですねー。特に、動力関係の構造が異常に大きくて、信じられないくらいエネルギーを使うのは間違いないです。接続部の規格も変わってて、本来は専用のものに繋ぐところを、無理矢理母艦に使える様にしてあるみたいです」
提督「成る程。他に、構造に変わったところなんかは?」
茶メット「いえ、それが……ビーム用の粒子の生成ユニットとか、それを射出する機構とか、肝心な所はすんごい封印がされてます。多分、専門の工具で開けないと開きません。なので、これ以上の情報は、私達からは……」
Z3「仕方ないわね。一番の機密だもの」
茶メット「それと、アレの兵装システムのことなんですが……怠惰は、流石の腕でしたね。前以ての見込み通りの結果が出ました」
提督「見込み、というと、ハッキング云々か」
茶メット「はい。今の自動化された艦だからこそ出来る芸当ですけど……中央の機関制御を乗っ取って、過剰稼働で必要なエネルギーを無理矢理生産させる。それに伴って、攻撃に必要な他の部分も奪って、事前に登録された対象を殲滅する。本来の使い方とは違うからだとはいえ、装備された母体を使い潰すっていうんですから、かなり危ない兵器です、アレは」
提督「……聞けば聞く程、正気とは思えないな。技研の奴ら、本当に何でそんな仕様に……」
Z3「というか、そもそも、本来の用途とは違うのに寄越してきた、というのがおかしいわ。別にこれが欲しいって言った訳じゃないのに……普通、こんな危ないものを渡さないわよね」
茶メット「うーん……その辺りの事情は、赤に聞いてみないと……」チラ
青スパナ「ほら、ご指名よ」
赤ツイン「いや、それはあたしも分からないんだ」
提督「何だって?」
赤ツイン「あたしは、向こうに連絡して、適当な装備を送ってくれって言っただけなんだ。その時に、何も条件は付けてない」
茶メット「……益々分かりませんね。なら、何で態々こんなものを」
緑メット「……あ」
青スパナ「どうしたの?」
緑メット「いや。考えてみたら、技研って陸派閥だよね。結構バリバリの」
Z3「……そうなの?」
提督「……そうかもしれん。海、特に艦娘部隊は、基本的に妖精さんが装備を揃えるからな。鎮守府の中だけで完結した技術があるから、他所と云々することは余りない」
Z3「つまり、普段から関係が薄い、と。それに、見方によっては、妖精さんは仕事を奪った奴ってことになるのかしら」
赤ツイン「……って、ことは、もしかして」
提督「……内ゲバェ……」
青スパナ「まさか、そんなくだらない事で嫌がらせを?」
緑メット「分解禁止ってのも、多分その為だろうね。事前にバレちゃまずいし」
茶メット「……情けないなぁ」
Z3「……権力争いは何処にでもあるとは言え、人の命にも関わるというのに」
提督「……悪いな、マックス。身内の恥を晒す様で」
乙ー
赤ツイン「……兎に角、まずい点はこっちが全力で直す。あたしが好き勝手やった所為でもあるし」
Z3「お願いするわ……でも、困ったわね。結局、これの部品とかは技研が持ってる訳だし、このままだと、壊れた時にどうすればいいのか」
提督「……いや、待て。それについては任せろ、一つ案を思いついた」
Z3「え?」
提督「例の、徹甲弾を工面してくれた陸の友達なんだがな。彼奴には、偉いコネがあるんだよ」
緑メット「コネ? 技研に、ってこと?」
提督「いや、違う。目上、良くても同格の技研に直接文句を言っても始まらない。更にその上から言ってもらうんだ」
青スパナ「更に上って……」
提督「ま、これは任せてくれ。実際にやるのは彼奴だが」
提督(……命に比べれば、彼奴に『夏』だ『冬』だの荷物持ち任される方が何十倍もマシだしな)
茶メット「お願いしますね。このままだと、色々と大変なんで」
Z3「……これで、やらないといけないのは全部かしらね」
提督「の、筈だ」
緑メット「お疲れ様。後は、この絡みでやれることはないと思うから、二人とも休んでたら?」
提督「あぁ、そうさせてもら……」
Z3「待ちなさい」
提督「ん?」
Z3「私達は仕事中に抜けてきたのを忘れたの? 残りを片付けるのが先よ」
提督「……そうだったぁ」orz
Z3「……私も疲れてるから、早く終わらせて今日は休みましょう。だから、ほら」
提督「……うへぁ、面倒臭ぇ……」ノソノソ
Z3「改めて、妖精さん達、宜しくね」
茶メット「はーい。無理なさらないでくださいねー」
提督「おーぅ……」
---提督A・その二終了---
第一基地
秘書艦:Z3
改造内容:徹甲弾使用の人間大機銃(完成間近) マルチプルパルス(改造必須)
協力者:陸軍のオタク士官
今回はこれで。
次の提督の秘書艦を安価(>>83)で決めます。前スレを含めて、既に出た者も含めて、『艦娘』です。
踏み台
由良
今日から一週間以内に投下する予定ですが、時間の都合がつきません。もう少しお待ち下さい。
待ってる
提督「由良ー。由良ー?」キョロキョロ
由良「何ー?」ヒョコ
提督「あぁ、居た居た。これ、ちょっと見てみてくれない?」パサッ
由良「えっと……提督さんへの書類だよね? 見ちゃってもいいの?」
提督「構わないわ。というより、秘書艦の貴女に、是非見て欲しいの」
由良「そ、そう? じゃ、失礼して……」ペラペラ
由良「……ふーん。母艦の改修かぁ」
提督「今回、急に言われたことだから……余り良いアイデアも無くて。由良は、何か無いかしら?」
由良「アイデア、ねぇ。そうねー……」
提督「……」
由良「……ん!(ピコン!) じゃ、>>88なんてどうかな?」
ステルス迷彩
緊急用自爆装置
提督「……はい?」
由良「だから、自爆装置」
提督「……御免なさい、ちょっと待って」
由良「はい?」
提督「……」ジー
由良「?」キョトン
提督「……いつも通りの由良、ね。何か、変なもの食べたりした?」
由良「え? いいえ、特に。普通に、食堂で美味しく頂きましたけど」
提督「成る程」
由良「……提督さん?」
提督「……何回も御免、もう一度だけ言ってくれる? 母艦に何を取り付ければ良いって?」
由良「……自爆装置?」
提督「」ズコッ
由良「???」
提督「……あのね、由良。今回必要なのは、母艦を襲う深海棲艦への対処法なの。分かる?」
由良「う、うん」
提督「それがどうして自爆装置になっちゃうの。別に責めてる訳じゃないわ。ただ、理由があるなら教えて欲しいの」
由良「あ、そういうこと? えっと、理由は……」
提督「……」
由良「……何か格好良いから?」
提督「」
由良「っていうのは冗談。半分くらい」
提督「……もう半分は本気なのね」
由良「まず、深海棲艦が母艦を狙うのは、それが効果的だから、っていうことがあるでしょ?」
提督「……そうね。それで基地機能一つが大幅に制限される訳だから」
由良「でも、もしそうじゃなくなったらどう? 例えば、艦娘や提督だけが逃げ出した後の母艦を自爆させて、攻撃してきた深海棲艦が全滅する。そんなことが何度もあったら?」
提督「……確かに、抑止の効果は見込めるかもしれないけど……それは、母艦が簡単に造れる艦だったらの話よ。一隻建造するのに、一体幾ら必要になるか。時間もかかり過ぎるわ」
由良「ほら、そこはアレよ。新・○本武尊みたいに、中身だけ抜き出す方式にすれば良いし」
提督「……つまり、二重構造にした上で外殻部分に自爆装置を仕込んで、何かあったら中身だけが逃げ出す、ってこと? 蝉モード、だったかしら」
由良「うん。それか、○咫烏みたいな木造艦とか。木を削り出して加工して組み立てるだけの簡単なお仕事よ?」
提督「非常時にはオートパイロットにした後、内火艇で脱出……確かに、多少はマシかもしれないけど……」
---ユーラシア東岸 某港---
欧系壮年将官「ふぅ……軍縮会議も終わった。後は、超兵器封印についてか……」
【ジリリリリリ……】
壮年将官「……む? 電話か」ガチャ
壮年将官「もしもし。こちら……あぁ、貴官か。久し振りだな」
壮年将官「……ほう。少将に昇進か。おめでとう。きっと、大佐も喜ぶことだろう。あぁ、彼ももう『少佐』ではない。このままいずれ、我が軍を背負って立つことになるだろうな」
壮年将官「で、用件はなんだ? ……あの艦をか? まぁ、今は問題無いが。何を生産するのだ?」
壮年将官「……大型駆逐艦に、新型前後艦橋。 ガスタービン駆動だな。補助装置は? ……無用、と。武装は……無くていいのか? いや、構わないが……」
壮年将官「……何? 二重船殻構造? おいおい、幾ら万能工作艦とはいえ、其処までは……」
壮年将官「……いや、確かに、ドリル戦艦などというゲテモノも製造出来るが……はぁ。分かった。試すだけは試してみよう」
壮年将官「……まだあるのか? ……木造艦だと? ……見た目は先のと同じ、中身に離脱可能な核を仕込む……」
壮年将官「……分かった。それなら二重構造よりはマシだ。ただ、木材は陸から搬入しなければならない。一両日は待っていてくれ」
壮年将官「完成したら、北極海の歪みに置いておこう。直に其方へ辿り着くだろう。それで構わないな?」
壮年将官「……うむ。ところで、偶には此方へ来てみてはどうだ? 大佐も、また逢いたいと零していたが……そうか。其方はまだ戦乱の中か。無理を言ったな、済まない」
壮年将官「……あぁ、しっかり伝えておこう。それではな」ガチャン
壮年将官「……さて、行くか」コツコツ
提督「……何方にしても、まずは試してみないと何とも言えないわね。自爆って手段は少し考えものだけど、抑止は悪くないかもしれないし」
由良「でしょ?」
提督「仕方ないわね。他に思いつくものも無いし、取り敢えずそれで行きましょう」
由良「やった!」
提督「……ところで由良。貴女、さっきの理屈、適当に作ってたでしょう」
由良「え? あ、いや、まぁ……えへへ」
提督「……まぁ、いいわ。じゃ、早速やってみましょうか。由良、貴女は工廠に行って、自爆装置の開発を頼んできて」
由良「了解……だけど、提督さんは?」
提督「私達の母艦をいきなり自爆させる訳にはいかないでしょう。テストの為の艦体を用意してくるわ」
由良「艦を、用意する? でも、今から作り始めても、結構時間がかかるんじゃ」
提督「伝があるのよ。まぁ、また後でね」ツカツカ
由良「? はぁーい」
乙です
---
提督「……よし。こんなものかしら」プツッ
提督(艦体は、明日、北方海域に行くついでに取りに行けばいいわね。残るは自爆装置だけど、開発にも時間掛かるだろうし、通常業務に戻って……)
由良「提督さーん、自爆装置開発出来たってー」テテテ
提督「えっ!? 早っ!?」
由良「出来たっていうか、出来てた? 『こんなこともあろうかと』って言いたくて、前々から開発してたんだってさ」
提督「……普通は自爆装置でそんなこと言わないと思うけど……まぁいいわ。なら、早速見させてもらわないとね」
由良「じゃ、こっちこっち。船渠で実験の準備中なんだって」
提督「あら、手際が良いのね……ん? 実験?」
由良「そうだよ?」
提督「……船渠で?」
由良「うん」
提督「……まさか」モワモワ
---
工廠妖精さん's「ふはははは! 母艦をボッカーンと大爆発させてやれー!」ポチッ
【ボッカーン!】
提督「」
由良「」
---
提督(……なんて事になってるんじゃ)ガンメンソウハク
由良「……提督さん? 顔、青いけど……」
提督「……止めなきゃ」ダッ
由良「えっ? ちょ、どうしたのー!?」
---艦装歩兵母艦船渠---
提督「ちょっと妖精さん達っ!?」バァン!
工廠妖精さん's「ん?」
提督「じ、自爆装置の試験を此処でやるってどういう事! まさか、今使ってる母艦を爆発させる気じゃ」
赤ツイン「はい?」
緑メット「……誰がそんな事言ったのさ」
提督「……え?」
青スパナ「此処には、一度集まっただけなんですが……」
茶メット「母艦に乗って、沖合でテストしようと思ってて……」
提督「……そういえば、実験の準備をするとは言ってたけど、其処で実験するとは言ってなかったわね……」
赤ツイン「うん。あたしもそう由良に伝えたぞ」
提督「……勝手に早とちりしてたわ。御免なさい」
由良「はぁ、はぁ……待って、提督さ……」タッタッタッ
提督「……あ、御免なさい由良。置いてけぼりにしちゃって」
由良「はぁ、はぁ……ううん、それは良いんだけど……突然どうしたの?」フゥ
提督「……気にしないで。私の勘違いだから」
由良「……そう?」
乙ー
緑メット「……でー? 聞きたいことがあるんじゃないのー?」ニヤニヤ
提督「……えー、うん、そうね。由良から、自爆装置の開発はもう済んでると聞いたのだけど、本当?」
緑メット「……ぬふふふ。そだよそだよ。もうパーペキに出来ちゃってるよ」ニヘェ
提督(……ちょっとキモいわ)
緑メット「いやー、やっぱ自爆は浪漫だよねぇ。ゲッ○ーロボとか勇者ロ○とかボ○ボロットとか。夕張に勧められてスパロ○やってから、インスピレーションのままに作ったのが、まさか役立つなんて……」ヌヘヘ
提督「……」ヒキッ
赤ツイン「あー、ちょっと今コイツ話にならないから、あたし達の方から軽く説明するわ」
由良「お、お願いね」
赤ツイン「要点だけ言うと、自爆装置は完成してる。艦橋から直接指令を飛ばすタイプだけど、無線式にしてリモコン起爆も出来るようにしてるから、その辺りは心配ない」
青スパナ「艦一つを叩き折るくらいの威力はある筈ですから、自爆装置としての役目は十分果たせると思います。まぁ、シミュレーションしかしていないので、実際はどうなのか分かりませんが」
茶メット「それを確かめる為に、今から母艦で洋上に出て、試験起爆をする……って予定なんですけど、此処までは大丈夫ですか?」
由良「うーん。由良は分かったけど、提督さんは?」
提督「……そうね」
選択安価です。>>101で、以下の選択肢から一つ選んでください。
1.無線起爆……?
2.艦一つ……?
3.母艦で……?
4.……特に無いわね
4
2
2
緑メット「……でー? 聞きたいことがあるんじゃないのー?」ニヤニヤ
提督「……えー、うん、そうね。由良から、自爆装置の開発はもう済んでると聞いたのだけど、本当?」
緑メット「……ぬふふふ。そだよそだよ。もうパーペキに出来ちゃってるよ」ニヘェ
提督(……ちょっとキモいわ)
緑メット「いやー、やっぱ自爆は浪漫だよねぇ。ゲッ○ーロボとか勇者ロ○とかボ○ボロットとか。夕張に勧められてスパロ○やってから、インスピレーションのままに作ったのが、まさか役立つなんて……」ヌヘヘ
提督「……」ヒキッ
赤ツイン「あー、ちょっと今コイツ話にならないから、あたし達の方から軽く説明するわ」
由良「お、お願いね」
赤ツイン「要点だけ言うと、自爆装置は完成してる。艦橋から直接指令を飛ばすタイプだけど、無線式にしてリモコン起爆も出来るようにしてるから、その辺りは心配ない」
青スパナ「艦一つを叩き折るくらいの威力はある筈ですから、自爆装置としての役目は十分果たせると思います。まぁ、シミュレーションしかしていないので、実際はどうなのか分かりませんが」
茶メット「それを確かめる為に、今から母艦で洋上に出て、試験起爆をする……って予定なんですけど、此処までは大丈夫ですか?」
由良「うーん。由良は分かったけど、提督さんは?」
提督「……そうね」
選択安価です。>>101で、以下の選択肢から一つ選んでください。
1.無線起爆……?
2.艦一つ……?
3.母艦で……?
4.……特に無いわね
1
提督「つまり、使っても母艦を破壊することしか出来ない、ってことかしら」
茶メット「まぁ、そうなりますね」
青スパナ「それが、何か?」
提督「いや、由良の提案通りに行くと、自爆した後、周りに被害が及ばないと意味がないのよ。攻撃したら逆に全滅するっていう、脅しとしての効果も期待してるから」
赤ツイン「あー、成る程。自分だけ沈んでも意味無いな。沈没した時の渦潮に巻き込む手もあるけど、彼奴らそもそも海の底から来てるんだから効果無いし」
由良「でも、艦一つ吹き飛ぶくらいなら、艦体の欠片とかが周りに散らばるでしょ? 破片手榴弾みたいにして攻撃出来ないかな?」
提督「……それだと、多分威力が足りないわ。当たりどころが悪ければ大破、ってくらいでしょうね」
由良「うーん。それじゃ、爆発自体をもっと強化するしか無いかなぁ」
緑メット「……爆発の、強化」ピクッ
赤ツイン「あっ、馬鹿そんなこと言ったら」
由良「……ふぇ?」
緑メット「……ヌルフフフフフフフフフフフフフフフフ」
提督由良「ひっ!?」
茶メット「あー、やっちゃった」
青スパナ「また病気が始まりましたね……」
このSSまとめへのコメント
いつかゲッター2とかガイキングにならないか、この2人目の提督は