まな板みたいな鳴き声

実際ニンジャなアトモスフィア重点。女の子ですかね。

「ンアーッ！ンアーッ！」

遊矢「ずっと泣いてるな」

柚子「お腹空いてるのかな？ミルク作らないと」

「ンアーッ！ンアーッ！」

遊矢「どうしたそんなに泣いて？」

「ンアーッ！ンアーッ！」

遊矢「デュエルするか？」

「ンアーッ・・・ファッ！？」

遊矢「あ、おい！それ飲んじゃダメだぞ！」

「・・・」チュルチュルチュル

柚子「どうしたの！？」

遊矢「赤ちゃんが飲みかけのアイスティー飲んで」

「・・・」チュルチュルチュル

「・・・」

柚子「寝ちゃった」

遊矢「あの赤ちゃん男？」

柚子「ううん、さっき確認したら女の子だった」

遊矢「この赤ちゃんの親探さないと」

柚子「もしかして捨て子だったりして」

遊矢「捨て子！？」

柚子「だってあんな所に置き去りにされてるなんて」

「ンアーッ！ンアーッ！」

遊矢「あ、また起きた」

柚子「この子のパパとママを探してあげないと」

「ンアーッ！ンアーッ！」

遊矢「ほら抱っこだ赤ちゃん」

マニッシュボーイか

「ンアーッ！ンアーッ！」

柚子「ほら貸して」

遊矢「あ、ああ」

柚子「大丈夫だよ。お兄ちゃん抱っこの仕方が下手でごめんね」

遊矢「仕方ないだろ俺した事ないんだから」

「・・・」

柚子「な、何だろう少し重くなった気がする。この子」

シャーク「おい！そいつから離れろ！」

遊矢「あれ？確か」

柚子「凌牙さんだったよね？」

シャーク「遅かったか・・・そいつを捨てろ！今すぐに！」

遊矢「どういう事だよ！」

シャーク「そいつはとんでもねえモンスターだ！」

柚子「う、嘘・・・この子が」

遊矢「恐るべきデュエル兵器だったなんて」

シャーク「こいつは突如として現れ短期間で成長しちまうんだ」

遊矢「ま、まさか」

シャーク「嘘じゃねえ！現に遊馬がやられてカイトと手分けしてそいつと同じ奴を探してるんだ」

遊矢「遊馬が！？」

シャーク「カイトの報告じゃ十代と遊星の次元にも現れて戦ってるらしいぜ」

遊矢「遊馬がやられるなんて・・・何かの冗談だよな凌牙さん！？」

シャーク「いや・・・事実だ。それほどの戦闘力を秘めてやがる・・・まさにデュエリストキラーだ」

「ンアーッ！ンアーッ！」

柚子「けど赤ちゃんを」

シャーク「惑わされるな。そいつは赤ん坊の衣を被った野獣だ」

シャーク「お前達がやれないなら俺が」

柚子「待って！」

遊矢「そんなの酷すぎるだろ！いくら何でも」

シャーク「くっ」

遊矢「・・・柚子」

柚子「うん！」

「ンアーッ！ンアーッ！」

シャーク「お、おい！」

遊馬「シ、シャーク・・・」

シャーク「動いても平気なのか遊馬？」

遊馬「あ、ああ」

シャーク「悪りいな逃げられちまった」

遊馬「赤ちゃんが相手じゃ・・・それに遊矢達には酷すぎるぜ」

シャーク「追わなくてもいいのか」

遊馬「遊矢と柚子に任せるぜ」

シャーク「けどあいつらじゃ！」

遊馬「落ち着けよシャーク」

シャーク「・・・」

遊馬「あの赤ちゃんが何であるかまだ何もわからねえだろ」

シャーク「だがお前は」

遊馬「やられたのは俺だけだぜ？それにデュエリストは無防備の相手には手を出さねえだろ？」

シャーク「ああ・・・」

遊馬「少し頭を冷やそうぜ」

シャーク「お前に諭されるなんてな」

遊馬「俺だっていつまでも子供じゃねえんだって事だぜ」

柚子「ねえ遊矢・・・この子」

遊矢「こんな赤ちゃんが成長して遊馬を」ドッ

「ふしゅるる・・・ふしゅ」

遊矢「あ、ごめん」

「ダッ！」サクッ

遊矢「ッッ！」

柚子「遊矢！ちょっといきなり！」

「ンアーッ！ンアーッ！」

遊矢「大丈夫だ！こいつッッ！刃物でも使ったのか・・・？」

「いやこれさ」

遊矢「尖った拳・・・カーヴィングナックルってやつか」

柚子「遊矢！」

遊矢「柚子！赤ちゃんと一緒に逃げろ！このデュエルは俺がやる！」

「お前はその赤ん坊と女の子を！」サクッサクッサクッ

遊矢「くっ！」

「庇って俺とデュエルする気らしいが！俺には通用しない！」サクッサクッサクッ

遊矢「す、凄い斬れ味・・・！」

「ンアーッ！ンアーッ！」

柚子「待ってよ！少しぶつかっただけで！」

「目と目が合う、ぶつかる・・・その時点でデュエルは成立するのがデュエリストじゃないか？」

遊矢「ガッ！」

「おっと」

柚子「何て指の力なの！？あんな所に掴まるなんて」

遊矢「ハァハァ・・・今の俺じゃ十代さんや遊星さんみたいな・・・」

柚子「誰か遊矢を助けて・・・誰でもいいから！誰でも！」

「ンアーッ・・・ンアーッ・・・」

「ンアーッ！ンアーッ！ンアーッ！ンアーッ！ンアーッ！ンアーッ！」

柚子「あ、赤ちゃんの様子が」

「アアーッ！ハァハァ！イキスギィ！イクイクイク・・・アッ！ンアーッ！！！！！！！！」

遊矢「あ、赤ちゃん！？」

「何だいこりゃァ・・・？」

柚子「赤ちゃん・・・？成長しちゃった」

「24歳です」

「24歳・・・デュエリスト・・・？」

「学生です」

「・・・デュエリストならこの少年を先に片付け・・・居ないッッ？どこへ」

「ここ」

「速いッッ！」

柚子「遊矢！」

「彼を傷つけた事を悔い改めて」

「ホラホラホラホラホラ」ドドドドドドドド

「ガハッ！グハッ！」

遊矢「赤ちゃん・・・やっぱり凌牙さんが言ってた通り」

柚子「でも私達を助けてくれてるみたい」

「ダオッ！」

ガッ

「ッッ！？」

「暴れんな！暴れんなよ・・・！」

「この男・・・強い！」

「すっげえ顔が白くなってるハッキリわかんだね」

「とても・・・とてもさっきまでの赤ん坊とは思えないッッ！」バキャッ

「やりますねぇ！」ドボッ

「こ・・・殺・・・される・・・ッッ」

「俺の間合いに入って、どうぞ」

「ヒッ！」

「・・・」

「俺の負けだァッッ！許してくれェッッ！」

遊矢「もういいよ。あんなに怯えてちゃ」

柚子「デュエルは楽しんでやるものなんだから」

遊矢「何者なんだ？どうして色々な次元に」

柚子「教えて」

「私達は次元のバランスを保つ者」

遊矢「次元を？」

「デュエリストがデュエルをしなくなった時に私達は現れる。赤ん坊の姿で」

柚子「そうなんだ・・・」

遊矢「もうやめてくれよ。次元をデュエリストを傷つける事は」

柚子「そうだよ？あなたを抱き上げた時とても暖かかった」

「・・・」

遊矢「生きてるって感じたんだ君を」

柚子「今はデュエルしないけど・・・きっと」

「・・・わかった」

遊矢「それじゃ」

「仲間達を引き上げさせる」

柚子「ありがとう！」

「短い間だったが私を育ててくれてありがとう」

遊矢「今度会うときはデュエルしような」

柚子「バイバイ赤ちゃん」

「・・・」サッー

遊矢「行っちゃったか」

柚子「うん」

遊馬「任せて正解だったろ？」

シャーク「ああ」

遊馬「遊矢もああやって成長して行くんだろうな」

シャーク「どうだかな」

遊馬「きっと俺や十代さん、遊星さんみたいに次の後輩もその次の後輩も助けるんだろうぜ」

シャーク「あいつが？」

遊馬「デュエリストは助け合いだぜ！」

シャーク「・・・そうだな」

遊馬「帰ろうぜシャーク！みんなが待ってる！」

シャーク「帰るか遊馬！」

遊馬「頑張れよ遊矢！俺達はいつもお前を見守っているからな」

数日後

小鳥「大変だったね遊馬も」

遊馬「・・・」

小鳥「な、何だったのあの赤ちゃんは」

遊馬「次元のバランスを保つ者らしいぜ」

小鳥「へえ」

遊馬「デュエリストがデュエルしなくなった時に出現するんだと」

小鳥「そ、それじゃあ」

遊馬「いつかまた何処かの次元に現れるかもしれねえ」

小鳥「・・・」

遊馬「もし道端で赤ちゃんが泣いてたらそれはそいつだ・・・」





終

ンアッー!じゃなくてンアーッ!だから野獣じゃないでしょ。と思って開きました
わかる？この罪の重さ