遊矢&柚子(やってしまった……)(16)

榊家・玄関……

柚子「え? 遊矢、居ないんですか?」

洋子「すぐに戻るとは言ってたんだけどね。そうだ、なんなら上がって待ってる?」

柚子「あ、別に大した用があるって訳でも無いんで……」

洋子「今更遠慮する事なんてないわよ。ほら、上がった、上がった」グイグイッ

柚子「え、いや、ちょっと!?」

遊矢の部屋……

柚子(結局遊矢の部屋まで通されちゃった……もう、おばさんってたまに強引なのよね)

柚子(たまたま遊矢の家の前を通ったからちょっと寄っただけで、本当に用事なんて無いんだけどなぁ)

柚子「それにしても……」チラッ

柚子(何気に遊矢と付き合い出してから初めて入るわね、この部屋)

柚子(少し前まで普通に遊びに来てたし、何処か部屋の様子が変わったって訳でも無いんだけど)

柚子(気のせいかな? 何だか前と違って見える)

柚子(やっぱりこれって遊矢と私の関係が変わったからなのかしら?)

柚子「…………」

柚子「……私ったら何1人で変な事考えてんだろう///」

柚子(何だか落ち着かないなぁ。本来居るはずの遊矢が居ないって事も関係あるんだろうけど)

柚子(やっぱり帰ろうかな? でもここまで来て遊矢に会わずに帰るのも何だかなぁ~)

柚子「早く帰って来なさいよね、遊矢……ん?」

柚子(あれ、何だろう? 枕の下から何かはみ出してる?)

柚子「何かしら、これ……って、え?」

っ『柚子の写真』

柚子(わ、私の写真!? 何で、何でこんなものが遊矢の枕の下にあるのよ!?)ビックリボー

柚子(これって確か1年くらい前に塾で撮った写真だと思うけど……え? 何で? 何で?)

柚子(あ、そういえば前に聞いた事あるかも。好きな人の写真を枕の下に置いて寝ると夢の中にその相手が出て来るって……)

柚子(まさか遊矢、私の写真を使ってそれを実践して……)

柚子「…………///」プシュー

柚子「な、何よ、遊矢ったら……女の子みたいな事して……い、言ってくれればもっと写真映りの良いのをあげるのに……///」ゴニョゴニョ

柚子(何だろう? 今凄い恥ずかしい……だけどにやけた顔が納まらない///)

柚子「落ち着きなさい、柚子。これはたまたまかもしれないし。たまたま遊矢が枕の下に私の写真を置いただけかもしれないし、うん///」

柚子(とにかくこの写真は枕の下に戻しておきましょう。私は何も見ていないという事で)

柚子(そう、枕の下に……)

柚子「……枕、か」ボソッ

柚子(当然だけどこの枕って遊矢が毎日使ってるのよね)

柚子(やっぱり毎日使ってるものだから、その、遊矢の匂いとか沁み込んでいたりするの、かしら?)

柚子「いや、匂いって……思考が変態になってるわよ、私///」ブンブン

柚子(だけど、だけどもしこの枕に顔を埋めて)

柚子(沁みこんだ遊矢の匂いをいっぱい嗅いだら)

柚子(とても幸せな気持ちになれそうな気が、する)

柚子「…………///」ゴクリ

柚子(駄目……何だか今の私、おかしくなってる)

柚子(いくら彼女でも勝手に相手の所有物に何かするのはいけないって分かってるのに……)

柚子(だけど一度欲してしまったら……湧き上がる欲求は抑えきれなくて……)

柚子(遊矢が居る時に頼むとか、そんな恥ずかしい事は出来ないし……)

柚子(やるなら今しか……ちょっとだけ、だから……)



……ポスッ

柚子「……あっ」

柚子(やっぱり……遊矢の匂いがする///)

柚子(やばい……ああ、これ本当にやばいよ)スーハースーハー

柚子(枕に沁み込んだ遊矢の匂いが私の鼻を通って……全身に伝わっていく様な……)

柚子「んっ……ああっ……///」

柚子(頭がぼんやりする……心臓の鼓動も早くなってるのが分かる)

柚子(正直とても恥ずかしい……けど……)

柚子(とても……幸せな気分)

柚子「……遊矢ぁ///」トローン



遊矢「……何してんの、柚子?」

柚子「」ピシィ!!

遊矢「えっと、それ俺の枕だよな?」

柚子「…………」

遊矢「何かしている様に見えたんだけど……俺の枕、どうかしたのか?」

柚子「…………」

遊矢「柚子?」

柚子「……ぴゃ」

遊矢「ぴゃ?」

柚子「ぴゃあああああああああああああ!?!?!?///」

遊矢「!?」ビックリボン

柚子「ち、違うの! 遊矢、これは、えっと! だ、だから違うのよ!!///」アタフタキオン

遊矢「お、落ち着けよ! 違うって何が違うんだよ?」

柚子「ていうか何勝手入って来てんのよ! 入るならノックくらいするのが普通でしょう!!///」

遊矢「そ、そんな事言われてもここは俺の部屋で……」

柚子「とにかく、その、私帰るから! 遊矢の馬鹿! ごめんなさい! トマトゴーグル! もうしないから!!///」ドタドタ

遊矢「怒ってんのか謝ってんのかどっちなんだよ!? おい、柚子!!」

遊矢「言っちまった……何だったんだ、あいつ?」

遊矢「しかし何で俺の枕を……って、この写真は!?」

遊矢「ま、不味い! 今朝枕から取るの忘れてた! まさか柚子の奴、これを見たせいでおかしく……///」

…………

柚子「うぅ、見られた……思いっきり遊矢に見られた……」

柚子「恥ずかし過ぎる……絶対変や奴だって思われたわ」

柚子「ああ、もう! 明日からどんな顔で遊矢に合えばいいのよ!!///」

…………

遊矢&柚子「ああ、やってしまったぁ……///」

<おわり>

読んでくれた人、ありがとうございました。今更ですがこのSSは以下の話の続きとなっております。

『遊矢&柚子(気まずい……)』

『遊矢&柚子(緊張する……)』

『遊矢&柚子(恥ずかしい……)』

『真澄「見せつけてくれるじゃない」』

『アユ「あれ、遊矢お兄ちゃん?」』

『遊矢&柚子(動悸がやばい……)』

もし何処かで見かけたらよろしくお願いします。では。

バカな、後書きで台無しにしないだと・・・!?

なぜ過去作オチがないんだ・・・

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