洋子「にしてもどうしたの急に？」

美世「ほら、あたし達ちょっと前に大人の女子会トークねだられたことあったじゃない？」

洋子「あーあったねー！」

比奈「あの時痛感したんスけど」






美世・比奈「「嘘…私達の女子力低過ぎ…！？」」

洋子「……あー確かに」

比奈「納得しちゃうんスね」

美世「まあ実際事実だけどさ」


美世「そこで！このままではいけないとあたし達は一念発起したの！」

比奈「この機会に女子力を付け、アイドルとして更に輝くっス！」

洋子「それならみやびぃとかみさきちに頼んだ方が良いんじゃない？」

比奈「いや、あそこまでハードル高いのはさすがに…」

美世「慣らし運転って大事だよね」

洋子「初っ端から先行き不安なんだけど…」

洋子「というか私も女子力高いかって言われたらそうでもなくない？」

美世「この面子で言うと女子力一番高いの洋子さんなんだよ！」

比奈「比較対象が低過ぎるだけかもしれないっスけど実際そうなんス！！」

洋子「だって趣味とか半身浴だよ？女子力というよりは健康長寿の秘訣っぽくない？」

比奈「漫画描くってのよりは健康的でいいと思うっス。私のだと上がるパラメータ(腐)女子力っス」

美世「あたしの車いじりだと女子力(物理)が上がるんで…」

洋子「･･･まあ言われてみればそうかも」

美世「というわけでどうか女子力を教えて下さい！」

洋子「難しいこと言うなぁ…」

比奈「イメージは分かるんスけど具体的にどうしたら良いやら…」

洋子「確かに今は何でもかんでも女子力って感じするよね」

美世「ドライブ(女子力)」

比奈「同人(女子力)」

洋子「さすがに無理があるなー」

美世「ぶっちゃけ女子っぽい趣味ではないしなぁ」

美世「最近は男性でも車好きってあんまり見かけないし」

洋子「語ってる時の美世ちゃんは可愛いんだけどね」

比奈「愛が迸ってるっスよね」



洋子「んーじゃあ趣味のことを前面に出さず会話してみれば良いのかな？」

比奈「趣味のこと抜きっスかー」

洋子「まずはお試しということで」

美世「それ結構名案かも」

比奈「そっスね、ちょっとやってみまスか」

洋子「………」

比奈「…………」

美世「…………………」







洋子（かっ、会話が始まらない！）

美世（どうしよう、会話が続かないってのは聞いたことあるけど、会話が始まらないなんて前代未聞だよ！）

比奈（自分から話始めるのって結構難しいもんスね…しかも半ば相手のこと知ってるだけに振れる話題が趣味関連ばっかっス！）

洋子（共通の話題じゃなくてもいい、何か…何か無いの！？…っ！そうだ、）

洋子「きょ、今日はいい天気だね？」

比奈「っ！！そ、そうっスね！太陽もサンサンでスし！」

美世「そうだね！こんな日は海岸沿いをドライブと洒落込んで…あっ」



洋子「デデーン」

比奈「原田、アウトー」

美世「いや…つい、天気が良いからさ」

比奈「つい、で済んだら警察はいらないんス」

洋子「じゃあお約束の罰ゲームといこうか」

美世「えっ！聞いてないよ！？」

洋子「今決めたからね」

比奈「擽りかなんかで良いっスか？良いっスね」

美世「ちょ、あたし擽り弱い！というか比奈ちゃんノリ良すぎない！？」

洋子・比奈「「覚悟ー」」ﾜｷﾜｷ


ｺﾁｮｺﾁｮｺﾁｮｺﾁｮ

ｱｯﾋｬｯﾋｬｯﾋｬｯ

美世「」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

比奈「やり過ぎたっスかね？」

洋子「まあ放っておけば復活するでしょ」




洋子「ともあれこの路線は無理っぽいねー」

比奈「美世サンの尊い犠牲は忘れないっス」

美世「ちょっと！それじゃあたし擽られ損じゃん！」ｶﾞﾊﾞｯ

洋子「あっ復活した」

比奈「天に祈りが届いたんスね、おめでとうっス」

美世「うんありがとう、あんまり嬉しくないや」

美世「じゃあ茶番はここら辺にして、そろそろ本題に入ろっか」

比奈「茶番って言い切ったっスこの人」

洋子「今までのは本題じゃなかったの！？」

比奈「半身浴教わるって目的だったっス」

洋子「いつの間にそんな目的が」

美世「というか教わるほど難しいことなのかな？」

比奈「それ言っちゃおしまいっス」

洋子「せっかく教えるなら半身浴よりはヨガの方が女子力高いかな？」

美世「ヨガ！良いねヨガ！」

比奈「リア充オーラ全開な響きっスね」

洋子「まあ私もかじった程度だから詳しくは教えられないけど」

比奈「十分過ぎるっス」

美世「あたしレッスン場借りてくる！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ




洋子「美世ちゃんがパッションじゃないのが不思議でならない」

比奈「同感っス」

レッスン場


美世「空いてて良かったー」

洋子「じゃあとりあえず軽く柔軟から始めよっか」

比奈「ういっス」




比奈「あーずっと篭ってたんで身体ばきばきっス…」

美世「あたしもずっと車乗り回してたから結構キてるわ…」

比奈「もうこれで解散でよくないっスか？」

洋子「ダメ」

比奈「ああ、いけずっス…」

美世「洋子さんは平気そうだけど最近何か運動したの？」

洋子「えーっとボルダリングでしょ？マラソンでしょ？それから…」

美世「OK分かったありがとう」

比奈「私の一生分くらいの運動してるっスね…」

洋子「あ、あのCMにも出たよ」

比奈「あのCMってどの？」

洋子「リ○D」

美世・比奈「「！？」」

洋子「じゃあ早速始めようか」

美世「よろしくお願いします」

比奈「よろしくお願いしまス」


洋子「とりあえず簡単なポーズから」

洋子「山のポーズ」



美世「ただ立ってるだけだよねこれ」

洋子「普段から姿勢よく立ってないとこれだけでも効くんだよ、ほら」

比奈「うあー背中がミシミシいってるっス…」

美世「マジですか」

比奈「今日がレッスンじゃなくて助かったっス…」

洋子「立ち木のポーズ」



美世「これテレビでよくやってるやつだね、っと」

比奈「ゲームのCMでも使われてたっスね、とと」

洋子「バランス取るのが意外と難しいよね…よっと」

美世「昔こんなポーズする芸人さんいたっけね」

比奈「今も現役っス」

洋子「鷲のポーズ」



比奈「なんだかビーム打ちそうな格好っスね」

洋子「パッションビーム！」ｼｭﾋﾞｯ

美世「なんの、キュートウェーブ！」ｼｭﾊﾞｯ

比奈「小学生っスか」

洋子「三角のポーズ」


洋子「上に引っ張られるようにやるのがコツね」

美世「あ゛ーこれ効く」

比奈「アイドルが出しちゃダメな声出してるっス」

美世「やってみ？ホンマに出るって」

比奈「何で関西弁なんスか…」






比奈「あ゛ー効くっス」

洋子「チャイルドポーズ」



美世「プロデューサーが時々ちひろさんにやってるやつだね」

洋子「それ聞きたくなかったな」

比奈「チャイルドポーズ(意味深)…あっ違うっスねこれ」

洋子「猫のポーズ」

洋子「背骨を一個一個意識してー」

美世「こ、これ汗吹き出るね…！」

比奈「美世サンすっごいセクシーっスよ。このポーズ、グラビアに載せてもらったらどうっスか？」

美世「さすがにこの顔撮られるのは避けたい…！」

洋子「死骸のポーズ」



美世「小梅ちゃんが喜びそうな名前だね」

比奈「といってもただ寝っ転がるだけっスね」

洋子「今度誘ってみようか？」

美世「ヨガやる小梅ちゃんって想像つかない…」

洋子「とりあえず以上かな、どう？」

美世「うーん、思ったよりグロッキーではないかも」

比奈「日頃のレッスンの成果が出てるんスかね」

洋子「まあ運動というよりストレッチの延長みたいなもんだし」

比奈「こんなストレッチ毎日してたら持たないっス」

比奈「ところでこんなものを持ってきたんスけど」

美世「あ、オ○ナインC」

比奈「是非消費にご協力下さいっス」ﾄﾞｻｯ

洋子「どうしてこんなたくさん…」

比奈「アニメとタイアップしてたもんでつい…」

美世「あーコラボ商品ってやつ？」

洋子「栄養ドリンクなら私も持ってるよ！」ﾄﾞｰﾝ

美世「出た、リ○D！」

比奈「なんで張り合ったんスか、というか何で持ってるんスか」

洋子「CM出た時に貰ったんだ！」

美世「ああ、そういうこと」

洋子「箱で」

比奈「箱で！？」

洋子「まあ大半は、ちひろさんと志希ちゃんが持って行ってくれたから困ってないんだけどね」ｸﾋﾟｸﾋﾟ

美世「何に使われたのか非常に気になるところだね」ｸﾋﾟｸﾋﾟ

比奈「知りたいようなそうでもないような…って感じっス」ｸﾋﾟｸﾋﾟ







洋子「というか改めて思うとどうなのこの状況は」

美世「どうとは？」

洋子「女3人汗だくで」

比奈「ちょっと官能的っスね」

美世「周りには栄養ドリンクの空き瓶が散乱」

比奈「かなり怠惰的っスね」

洋子「さらに皆揃って死骸のポーズ」

比奈「女子力絶望的っスね」

美世「バッテリー上がっちゃった感じ？」

比奈「生命力は残しておいて欲しいっス」

洋子「せっかくだしこの流れで半身浴行っちゃおっか！」

比奈「あ＾～いっスね＾～」

美世「悪路の後の洗車ほど気持ちいいものはないからね！」

洋子「この流れを洋子メソッドと名付けよう」

比奈「学会で大絶賛間違いなしっス」

美世「ノーベル女子力賞も夢じゃないよ」

洋子「適当に振ったの私だけど返し雑過ぎない？」

ｶﾎﾟｰﾝ


美世「あ゛ーー生き返るー」

比奈「あ゛ーーたまらねぇっスー」

洋子「あ゛ーーこれだよこれー」


美世「やっぱ運動した後はお風呂に限るねー」

比奈「半身どころか全身浴っスけどねー」

洋子「まーこれはこれで最高だし」

比奈「それにしてもお二人サンはスタイルいいっスねー」

美世「そっかな？普通だよ普通」

洋子「私は結構運動するからあんまり太らないんだよね」

比奈「意識の差が酷いっス」

美世「でもあたしも筋肉なら自信あるよ、色々運ぶし」

洋子「おっ、言うねー！出たら腕相撲でもしてみる？」

美世「汗かくのやだし指相撲にしない？」

洋子「そーだねー」

比奈「筋肉の意味全くないっスね」

洋子「比奈ちゃんは運動好きじゃないの？」

比奈「嫌いってわけじゃないんスけど引きこもってる方が性に合うっスね」

美世「引きこもるのはあたしも好きだよ」

比奈「えっそうなんスか」

洋子「意外だね」




美世「ガレージにだけど」

洋子「さすがブレないね」

比奈「夏場とかヤバそうっス」

美世「すっごいよ？冷房付けてても服が汗でびっしょびしょで絞れるもん」

比奈「その汗集めたらちひろさん辺り高く買ってくれそうっスね」

洋子「あり得ない話じゃないのが怖いね」

比奈「美少女塩、的な」

美世「発想が女子じゃないよねこれ既に」

ｷｭﾎﾟﾝ
ｺﾞｯｺﾞｯｺﾞｯｺﾞｯ


比奈「ぷっはー！やっぱ風呂上がりはコーヒー牛乳っスねー！」

美世「フルーツ牛乳も結構イケるよ！やっぱこのだだ甘さがたまらないねー！」

洋子「瓶っていうのもツボ押さえてるよね！やっぱ銭湯はこうでなくっちゃ！」



比奈「よく考えたらアイドルが昼間っから銭湯って大丈夫っスかね」

洋子「それ言ったら腰に手を当て牛乳飲むのもアレかも」

美世「女子力のみならずアイドル力まで低いのはやだなぁ」

洋子「ま、各々の魅力があるってことで良いんじゃない？」

比奈「そっスね、正直こればっかりは止められないっス」

美世「じゃああたしも独自のアイドル力を高めていくね！」

比奈「それはちょっと自重した方が良いかもしれないっス」

美世「のんびりしてたらもうこんな時間かー」

比奈「でも結構明るいっス、日が伸びてるからっスかね？」

洋子「そうかも、夏至も近いし」

美世「そろそろ夏かー…今年はどんなお仕事になるんだろ」

比奈「一応全員水着は経験済みっスからね、今度はどうなるやら」

洋子「グラビアだと体型絞らなきゃいけないのがねー」

比奈「まあ、どうせまだ先のことっスから今から気にしてちゃ疲れるだけっス」

洋子「言われてみればそうだね！どうせなら今のうちにパーっと食べちゃおう！」

美世「おっいいね！実はこないだ近場に美味しいお店見つけちゃってさー！」

比奈「それ気になるっスね！早速行くっス！」

洋子「よっしゃー今夜は無礼講だー！」

翌日




洋子「あ゛ーー頭痛い…」

比奈「調子乗って飲み過ぎたっスね…」

美世「正直事務所来るので限界…ぶろろろろ…」




洋子「結局女子力とかどっかいっちゃったね…」

比奈「少なくとも二日酔いでダウンしてるのは女子力低いと思うっス…」

美世「しょうがない…美味しいもんはしょうがない…」

比奈「お…一句出来上がったっすね…」

洋子「名句だわ…」

美世「あっおはようPさん……うぇっ！今日マストレさんのレッスンなの！？聞いてないよ！！」


比奈「しかも3人揃ってスか！？冗談っスよね！？」


洋子「夏に向けてシェイプアップって！まだ良いよねって昨日話してたのに！！」






　　　　「「「そんなー！！！」」」





　おわる