李衣菜「んー……」ｶﾞｻｶﾞｻ

凛「…………」


李衣菜「あ」

凛「？」

李衣菜「あと1枚しかないや……半分こでいい？」

凛「ん」ｺｸﾝ

李衣菜「それじゃ……よっと」


ぱきっ

凛「…………」

李衣菜「…………」

凛「……片方大きくない？」

李衣菜「あはは、失敗」


凛「……じゃーんけーん」

李衣菜「ぽんっ」


凛「勝った」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

李衣菜「負けたー」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

凛「甘じょっぱい」

李衣菜「これ美味しいよね」

凛「うん。……お茶、淹れよっか？」

李衣菜「あ、お願い」


こぽこぽ……


凛「はい。熱いよ」

李衣菜「ありがとー。……あちちっ」

凛「だから言ったのに」ｸｽ

李衣菜「ずずず……はふぅ」

凛「……はふ」


李衣菜「…………」

凛「…………」


李衣菜「……まったり、だね」

凛「ね……。最近お仕事、どう？」

李衣菜「おかげさまで、ってとこかな」

凛「そっか」

李衣菜「そっちこそ、忙しいんじゃない？」

凛「うん、おかげさまで」

李衣菜「あ、まねっこだ」

凛「ふふ」

李衣菜「へへ。でも、たまのオフにはこうしてのんびり出来るからいいね」

凛「ん。出かけるのもいいけど……今日はのんびりしたい気分かも」

李衣菜「いつもは何してるの？」

凛「んー……、大体はハナコと遊んだり、うちの手伝いしたり、かな」

李衣菜「ああ、お花屋さんだっけ？」

凛「うん。けっこう楽しいよ、ラジオかけながらさ」

李衣菜「へー……。色んな音楽聴きながらだと捗りそうだね！」

凛「ふふ、意外なジャンルの曲に出会えたりね」

李衣菜「わー、いいなぁ。私もバイトしに行こっかな」

凛「いいよ、歓迎する。……でも、ちゃんと出来る？　接客だよ？」

李衣菜「むっ、出来るよっ」

凛「ほんと？　花の名前覚えたり、今の時期は水が冷たいから大変なんだよ」


李衣菜「……フォローしてくれたら嬉しいです……」

凛「ふふっ、もちろん」ｸｽｸｽ

李衣菜「よ、よし。次のオフの過ごし方、決まったね！」

凛「スケジュール、すぐに合うといいね」

李衣菜「だねー。……うーん、いつになるかなぁ」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

凛「うん、でも……手帳、予定が埋まってると嬉しいよね」ﾍﾟﾗ…

李衣菜「あっ、分かる！　最初はこんなにやることある……って思ったけど」

凛「充実してる感じ……嫌いじゃない、かな」

李衣菜「へへへ、私もっ」

凛「…………」ﾍﾟﾗ

李衣菜「…………」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ…

凛「……負けないよ。ついてこないと、置いてっちゃうから」

李衣菜「見てなよ。すぐ追い越しちゃうからね」


凛「ふふ」

李衣菜「へへっ」

凛「……それとは別だけど」

李衣菜「うん？」

凛「……最近、プロデューサーと話してる？」

李衣菜「あー……。それはお仕事で？」

凛「ううん、プライベートっていうか、雑談とか」


李衣菜「……ここ1ヶ月、お仕事だけ……かなぁ」

凛「……私も同じ」


「「はぁ……」」

李衣菜「寂しいなぁ……」

凛「うん……」

李衣菜「今日だって挨拶しか出来なかったし……」

凛「顔見れただけでもいい方だよ……」

李衣菜「だよね……」

凛「はぁ……プロデューサー……」ｸﾃﾝ

李衣菜「ぷろでゅーさぁー……」ｸﾃｰ

凛「…………」

李衣菜「…………」


凛「……今、何してるのかな」

李衣菜「この時間だと……楓さんとお仕事中、かな……」

凛「……楓さん、か……」

李衣菜「うぅ、強敵……」

凛「私たちに勝ち目あるのかな……」

李衣菜「あ、あるよ！　……たぶん」

凛「う、うん、あるよね。私だってハナコの散歩、付き合ってもらったことあるし」

李衣菜「何それ初耳なんだけど」

凛「言ってなかった？　ふふ、1歩リードだね」

凛（卯月と未央も一緒だったけど）


李衣菜「むむむ……わ、私も！　部屋に招待したことあるし！」

凛「なっ！　私でも店先までなのに……！」

李衣菜（なつきちも一緒だったけど）

凛「…………」

李衣菜「…………」


凛「お互い、もっと頑張ろう……」

李衣菜「うん……あ、でも」

凛「なに？」


李衣菜「何にしても、トップを獲ってからね。……私たちで！」ﾆｯ

凛「……うんっ」ﾆｺ

がちゃ


P「おつかれさまでーす。……ふー、事務所に着くと落ち着くなぁ」


凛「え」

李衣菜「あ」

P「お、凛に李衣菜。おつかれー」


凛・李衣菜「「…………」」ﾎﾟｶｰﾝ

P「あれ？　どした2人とも」

李衣菜「ぷ、ぷぷぷ」ｵﾛｵﾛ

凛「ぷろ、ぷろろ」ｵﾛｵﾛ

P「？」

李衣菜「……こほん。えーっと、プロデューサーですよね」

P「うん」

凛「……本物？」

P「偽物の俺ってなんだ」

李衣菜「うん、本物だ」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

凛「本物だね」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

P「あはははくすぐったいっ、なんなんだよもう」ﾜｼｬﾜｼｬ

李衣菜「あぅ」

凛「んぅ……お、お仕事は？　楓さんと一緒じゃなかったの？」

P「ああ、うん。早めに終わってな、楓さん送ってから資料を取りに戻ってきたんだよ」

李衣菜「そ、そうだったんですか……」

凛「……ふふふ。プロデューサーだ」

李衣菜「えへへ、プロデューサーだね」

P「ん？　にこにこしてどうしたんだ？」

凛「ううん、ちょっとね」

李衣菜「はい、ちょっと。さっきまでプロデューサーの噂をしてただけです」

P「え、俺の愚痴とか？」

李衣菜「あはは、そんなわけないですって。ねっ？」

凛「うん、全然違うよ。ふふっ」

P「えー、気になるなぁ」

凛「教えてあげない。私たちだけの秘密だから」

李衣菜「プロデューサーには内緒ですっ」

P「はは、まぁいいや。……近ごろ忙しいけど、大丈夫か？」

李衣菜「……ん。まだまだ全然いけますよ」

凛「……うん。もっともっと、輝かせてよ」

P「おおっ、やる気充分だな。俺も精一杯頑張らないと！」

李衣菜「へへ、どんなお仕事もやってやります！」

凛「プロデューサーが本気なら、私たちも本気で応えないとね」

P「うん、その意気だ。――っと、そろそろ行かないと。悪いな、ごたごたしちゃって」

凛「ううん、プロデューサーもしっかり休んでね」

李衣菜「体壊さないようにしてくださいね？」

P「ああ、ありがとな。それじゃ！」


がちゃ

ばたんっ


凛「……行っちゃった」

李衣菜「行っちゃったね」


凛「……ふふ」

李衣菜「……えへへ。ねぇ、あのさ」

凛「うん」

李衣菜「私って……すっごく単純かも」

凛「……私も。自分のこと単純だなって思った」

李衣菜「疲れなんて全部吹き飛んじゃったよ」

凛「ふふ、プロデューサーのおかげだね。これでまた明日から頑張れそう」


李衣菜「よしっ。プロデューサー自慢のアイドルとして――！」

凛「トップ目指して走っていこう。……ね、李衣菜！」

李衣菜「おっけー、凛！」



おわり

というお話だったのさ
だりりんがだべってるだけやん……

これがビジネスではない友達か