【ラブライブ×サイコパス】凛「見てかよちん! 凛の色相イエローグリーンだって!」 (165)

・ラブライブとPSYCHO-PASSのクロスSS

・時間軸はラブライブ→劇場版後、
PSYCHO-PASS→アニメ2期

・細かい設定等、把握しきれてない部分があるのであしからず

・凛ちゃんの語尾にゃ率が激しいです

軽い感じで進めていきますのでよろしくです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1557534069

花陽「えぇっ!?」

凛「凛が好きなイエローが入ってるにゃ! 縁起がいいにゃ!」

花陽「ま、まずいよ凛ちゃん! その色相かなり濁っちゃってるよ!?」

凛「にゃ? にこちゃんがどうしたにゃ?」

花陽「にこっちゃってるじゃなくて濁っちゃってる! ふざけてる場合じゃないよ凛ちゃん!」

美佳「失礼します」ガラッ

凛「にゃ?」

花陽「!?」

美佳「公安局です。こちらの方で微弱ですがエリアストレスの悪化を確認しました」

宜野座「この子か?」スチャ

『犯罪係数 オーバー140 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「にゃ!? いきなり銃向けてきたにゃ!」

花陽「ピャッ・・・!」

美佳「間違いないようね。宜野座執行官、速やかにパラライザーで無力化を」

宜野座「いや、しかし・・・」

美佳「即時量刑、即時処刑がシュビラの鉄則でしょ? 何を躊躇っているの」

花陽「ちょっ、ちょっと待ってくださいっ!」

美佳「?」

花陽「こ、この子に抵抗の意思はありませんので、どうか任意同行という形にしていただけないでしょうか・・・?」

宜野座「・・・」

美佳「犯罪係数が規定値を越えてるんだから、任意同行も何もないでしょう?」

花陽「で、ですけど・・・」

凛「え~、かよちん、どこに行くかは知らないけど凛は行きたくないにゃ~」

花陽「なんで凛ちゃんそんなに落ち着いてるのっ!?」

美佳「はぁ・・・。バカなことに付き合ってる暇はないんだけど?」カチャ

凛「にゃ!? この子も銃持ってるにゃ!」ビクッ

花陽「り、凛ちゃん!」

宜野座「・・・待て」スッ

美佳「っ! なんのつもりよ執行官!」

宜野座「この子の言う通り、対象に抵抗の意思はない。無力化の必要はないだろう」

美佳「なに甘いこと言ってるのよ! 潜在犯にそんなこと・・・」

宜野座「星空凛さん、だったね? 君のサイコパスは現在野放しにできない状態にある。すまないが我々と共に来てもらえないか?」

凛「えー・・・、やだって言ったらどうなるにゃ?」

宜野座「その場合は、すまないがこの銃で君を裁くことになる」

花陽「凛ちゃん・・・」

凛「んー、わかったにゃ。一緒に行くにゃ」

宜野座「そうか」

美佳「・・・」

凛「かよちん、よくわからないけどちょっと行ってくるにゃ!」

花陽「凛ちゃん、必ず帰ってきて・・・」

美佳 (ここまで濁って、帰って来れるわけないでしょ)

───更正施設

凛「にゃー・・・、暇にゃー・・・」ゴロゴロ

職員「ちょっとあなた、もう少し真面目にしなさいよ。色相浄化する気あるの?」

凛「毎日同じことしてても飽きるにゃ~。お姉さんこそ真面目に更正させる気あるの?」

職員「し、失礼ね! 私だって真面目にやってるわよ!」

凛「結果が出なければ意味ないにゃ~」ゴロゴロ

職員「こ、この子はホントに・・・」イライラ

凛「にゃ~・・・」ゴロゴロ

職員「・・・真面目にやったら、今日の夕食はラーメンにしてあげるわ」

凛「ホントかにゃ!?」バッ

職員「お腹いっぱい食べたければ、ちゃんと真面目にやることね」

凛「わかったにゃ! 凛がんばるにゃ!」

職員「まったく・・・」クスッ

後輩職員「すみません、先輩」

職員「ん? どうしたの?」

後輩「星空さんに面会希望の方がいらしています」

凛「にゃ? お客さんかにゃ?」

───面会室

朱「あなたが星空凛さんね?」

凛「そうだにゃ。凛が凛にゃ。お母さんとμ'sのみんな以外のお客さんは珍しいにゃ」

宜野座「・・・」

凛「あっ! あの時のお兄さんにゃ! 久しぶりにゃ!」

宜野座「こんな場所でも元気そうだな、君は」

凛「元気とかよちんへの愛が凛の取り柄にゃ」

朱「挨拶が遅れたわね。私は常守朱。公安局の監視官よ」

宜野座「俺は宜野座伸元。執行官だ」

凛「凛になにか要にゃ?」

朱「単刀直入に言わせてもらうわ。あなた、執行官になるつもりはないかしら?」

凛「?」

宜野座「シュビラが君に執行官の適正ありと判断した。君にその意志があれば、君はここから出て我々と同じ職場で働くことになる」

凛「職場? 凛はまだ学生だにゃ」

朱「特例措置ということになるけど、ウチでは珍しいことではなくなってきているわ。恥ずかしい話だけど、人手不足が深刻でね」

凛「ブラックかにゃ?」

宜野座「まぁ、かなりブラックだな」

凛「凛は教育過程が終わったらかよちんと同じお仕事をするって約束してるにゃ。職業適性が合わなきゃだけど」

朱「残念だけど、今のあなたのサイコパスでは、お友達と一緒に仕事をするのは難しいと思うわ」

凛「え~・・・」

宜野座「実際のところ、色相が浄化してこの施設から出ることが出来たという事例はほとんどない。このままここにいても、君が友達と一緒になれる可能性はゼロに近い」

凛「でも、執行官になったらそれこそ誰にも会えなくなるんじゃないかにゃ? 缶詰状態のブラック企業なんでしょ?」

宜野座「確かに、俺たち執行官の拘束は厳しいな。監視官の同伴がなければ自由に外に出ることもままならない」

凛「それじゃあやっぱりイヤにゃ」

宜野座「話は最後まで聞け。言った通り、監視官の同伴がなければ外に出ることは出来ない。だが逆に言えば、同伴があればある程度の自由がきくという訳だ」

凛「にゃ? お姉さんと一緒ならみんなに会えるのかにゃ!?」

朱「潜在犯である以上、無闇に一般市民に接触することは避けなければいけないわ」

凛「やっぱりダメなのかにゃ~・・・」

朱「だけど、相手の方が会いたいと言うのであれば、それを妨げるつもりは私にはないわ」

凛「にゃ・・・」

宜野座「要はこの面会室と同じだ。節度を保てば一般市民と潜在犯の接触は可能ということだ」

凛「・・・」

朱「選ぶのはあなたよ。ここで色相浄化に努めながらお友達と面会室の壁を挟みながら会い続けるか、執行官になってお友達に迫るかもしれない犯罪と戦うか」

凛「・・・」

朱「・・・」

凛「・・・わかったにゃ」

宜野座「!」

凛「凛なるにゃ。執行官になって、かよちんや真姫ちゃんを守るにゃ!」

朱「・・・そう」ニコッ

宜野座「そうと決まれば、早速手続きが必要だな」

凛「手続き?」

朱「執行官としてのシュビラへの登録とか、諸々ね。早めに済ませるつもりだけど、もう少し待ってもらうことになるわ」

凛「ん、わかったにゃ。待ってるにゃ」

宜野座「常守、先に車に戻っていてくれ。少し彼女と話したいことがある」

朱「? わかりました」

ガチャ

宜野座「・・・」

凛「凛に話ってなんにゃ?」

宜野座「君は確かスクールアイドルだったね?」

凛「そうにゃ。μ'sの一員にゃ。今はもう解散したけど」

宜野座「シュビラシステムが普及して以来、多くの市民に影響を及ぼすメディアの規制はかなり厳重になった」

凛「知ってるにゃ。芸能人とかアイドルとか、そういうのは本当に一部の人しかなれないってにこちゃんが言ってたにゃ」

宜野座「その通りだ。そういったものの職業適正は、省庁クラスの適正よりも厳しいものとされている」

凛「だけどにこちゃんはアイドルになるために頑張ってるにゃ。この間は中間考査でD判定が出たって喜んでたにゃ」

宜野座「D判定・・・。確かにすごいな。俺が学生の頃、その項目でE以外の判定は見たことがなかったからな」

凛「にこちゃんすごい天狗になってたにゃ」

宜野座「話を戻そう。そういったものの規制はメディアだけに留まるものではない。少なからず市民に影響を及ぼすスクールアイドルも規制と対象になった」

凛「そうにゃそうにゃ。メンバーが9人集まってからもいろいろと審査が必要とかでたいへんだったにゃ」

宜野座「その審査で振り落とされるグループがほとんどだ。そのお陰で、現存するスクールアイドルの数は多いとは言えない」

凛「だけどμ'sはかなり順調に審査を通ったって絵里ちゃんが言ってたにゃ」

宜野座「そうなのか?」

凛「なんか理事長がいろいろ手を回してくれたらしいにゃ」

宜野座「教育者の側がスクールアイドルに肯定的というのは珍しいな。それは有り難く思った方がいい」

凛「みんなでお礼言ったにゃ!」

宜野座「スクールアイドル活動で生徒や観衆のサイコパスに影響が出たりしたら大事だからな。普通なら教育者側は関わりたくない話のはずだ」

凛「穂乃果ちゃんは最初、学校を守るために生徒を集めようとしてスクールアイドルを始めたにゃ。けど理事長は自分たちのためにスクールアイドルをやりなさいって背中を押してくれたにゃ」

宜野座「それは教育者としてとても立派な方だ。なおさら感謝の念を忘れないでいることだな」

凛「だけどお兄さん、なんだかスクールアイドルのことにすごく詳しいね?」

宜野座「要するにだ」

凛「・・・」

宜野座「・・・」







宜野座「今度真姫ちゃんのサインを貰ってきてくれないか?」

凛「お兄さんは真姫ちゃん推しかにゃ」

───公安局

凛「今日から執行官として配属になりました、星空凛です! みなさんよろしくにゃ!」ビシッ

宜野座 (激しくスーツが似合ってないな)

六合塚 (この子はμ'sの・・・)

東金 (もともと黒いのなら、染める価値はないな)

雛河 (・・・)

朱「霜月監視官と同じで未成年の採用という形になります。みなさんにはいろいろフォローしてもらうことになると思いますが、よろしくお願いします」

美佳 (執行官と同じにするなっての・・・)

凛「にゃ? あなた確か凛を捕まえた人にゃ。久しぶりにゃ!」

美佳「気安く話かけないでよ執行官。私はあなたの上司なんだからね?」

凛「凛もただ挨拶しただけにゃ。かよちんを怖がらせるような人に、必要以上に話かけることはないにゃ」

美佳 (こ、こいつ・・・)イラッ

朱「当面は宜野座さんか六合塚さんとペアになって行動してもらうことにします。鹿矛囲という人物の行動が予測できない以上、星空さんに限らず単独での行動は控えるように。監視官の同行も含めて最低3人以上での行動を心掛けてください」

───星空家

凛母「今日はわざわざ娘のためにごめんなさいね? お忙しかったんじゃないかしら?」

朱「いえいえ、これも職務の一環ですので」

凛「お姉さん優しいから大丈夫にゃ!」

凛母「そういう問題じゃないでしょうが、まったく。ちゃんとお仕事するのよ?」

凛「もう、何度も言わなくてもわかってるにゃ」

朱「私も出来る限りのフォローはさせていただきますので、ご心配だとは思いますがお任せください」

凛母「本当にありがとうございます。どうか娘をよろしくお願いします」

朱「はい」

凛「それじゃあお母さん、また来るにゃ!」

凛母「たまにでいいわよ。あまり常守さんに迷惑かけちゃダメよ?」

宜野座「母親とは話せたのか?」

凛「もちろんにゃ。心配してくれてたみたいだし、お仕事がんばるにゃ!」

朱「ふふっ、頼もしいわね。だけど無理はしちゃダメよ?」

凛「了解にゃ」

宜野座「君には辛い話になるだろうが、君が潜在犯になった以上、君の家族は周りから批難を浴びることになるかもしれない。俺の家族がそうだったからな」

凛「お母さんなら大丈夫にゃ。そういうの全然気にしないし。それに仲良しのかよちんママがいるからきっと大丈夫にゃ」

宜野座「そうか」

朱「次は音乃木坂でよかったかしら?」

凛「はいにゃ。かよちんと真姫ちゃんと会う約束をしてるにゃ」

宜野座「遂に来たか。この時が」

朱「? 宜野座さんどうしたんですか?」

宜野座「こちらの話だ。気にしないでいい」

朱「はぁ」

凛「お兄さんすごい楽しみにしてたもんね」

宜野座「今日、君と非番が重なったことを天国の父に感謝する」

音乃木坂───

凛「かよち~ん、真姫ちゃ~ん。久しぶりにゃ~!」

花陽「凛ちゃん!」

真姫「なによ、けっこう元気そうじゃない」

凛「凛はいつでも元気にゃ!」

宜野座 (生真姫ちゃんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!)

朱「はじめまして。私は常守朱、公安局の監視官よ」

真姫「凛の上司さんね。凛がお世話になってます」ペコリ

凛「お世話になってるにゃ!」ペコリ

朱「ふふっ」クスッ

花陽「あっ、そちらの方はこの間の・・・」

宜野座「俺は宜野座伸元。執行官だ」

真姫「執行官・・・」チラッ

宜野座 (いい視線だ。冷たい火傷を教わりたいところだ)

花陽「真姫ちゃん大丈夫だよ。このお兄さんは凛ちゃんのことを守ってくれたから」

真姫「別に警戒している訳じゃないわ。今は凛だって執行官な訳だしね」

凛「そうにゃそうにゃ。それにこのお兄さんは真姫ちゃんの大ファンにゃ」

真姫「そうなの?」

朱 (そうだったんだ・・・)

宜野座「その通りだ。初対面で恐縮だが、ぜひ君のサインをいただきたい」

真姫「まぁいいけど」カキカキ

宜野座「ありがとう。これでこれからもこの仕事を頑張っていけそうだ。それからかよちん」

花陽「はい?」

宜野座「出来れば君のサインもいただきたい。親父が君のファンだったものでな」

花陽「わ、私なんかのサインでよければ・・・」カキカキ

真姫「ファン『だった』?」

宜野座「俺の親父は、もうこの世にいないんだ。生粋の刑事だったが、最期は俺を守って、父親として死んだ」

花陽「そうだったんですか・・・。こんなもので、天国のお父さんが喜んでくれるなら」

宜野座「ありがとう、かよちん。次の休みに、早速親父に見せに行かせてもらうよ」

凛「ホントに見せるだけにした方がいいにゃ。お墓に置いて帰ったら盗まれる可能性があるにゃ」

宜野座「そうか。気を付けよう」

凛「みんなは元気にしてるかにゃ?」

花陽「うん。相変わらず絵里ちゃんたちはたいへんそうだけど、みんな元気だよ」

真姫「穂乃果たちもよろしく言ってたわ。今度はちゃんと会いましょうって」

凛「予定が合わなかったのは残念だにゃ」

宜野座「まったくだ」

朱「また都合がいいときに会いにきましょう?」

凛「そうするにゃ。またお願いするにゃ!」

朱「えぇ」ニコッ

───公安局 総合分析室

凛「失礼しますにゃ!」

志恩「あら? ずいぶん可愛らしいお客さんねぇ」

凛「新しく執行官になった星空凛です! よろしくお願いしますにゃ!」ビシッ

志恩「あぁ、聞いてるわよ~。私は唐之杜志恩。あなたと同じ潜在犯よ。よろしくね」

凛「お世話になりますにゃ、志恩お姉さん!」

志恩「ふふっ、ホントに可愛いわね~。ちょっと味見したくなっちゃうわ」

弥生「なに馬鹿なこと言っているの、志恩」スッ

志恩「あら、弥生」

弥生「まったくあなたは。いきなり新人に手を出そうとしないでくれる?」

志恩「もう、わかってるわよ~」

弥生「どうだか」

凛「あっ、執行官のお姉さんにゃ」

弥生「私は六合塚弥生。よろしくね」

凛「よろしくお願いしますにゃ。弥生お姉さんでいいかにゃ?」

弥生「構わないわ」

凛「弥生お姉さんにも、いろいろお世話になりますにゃ!」ビシッ

弥生 (可愛い)

志恩「・・・」ジィ~

弥生「・・・なに?」

志恩「別に~?」

凛「?」

───メンタルケア施設内

青柳 (行方不明の酒々井監視官が指定した場所はここだけど、彼女の姿は見当たらないわね・・・)

真姫 (パパの言っていた施設はここね。はやくお使いを済ませて帰りましょう)

美馬「ダメなんだよ、こんな薬じゃあ!」ダンッ!

青柳「?」

職員「し、しかしマニュアルでは・・・」

美馬「こんなものでは、人の心を破壊するだけなんだよ!」ガッ!

職員「ぐあっ!」

青柳「っ! 止めなさい!」ダッ

真姫「なにごと?」

青柳「公安局よ! 大人しくしなさい!」スチャ

『犯罪係数 アンダー80 執行対象ではありません トリガーを ロックします』

青柳「えっ?」

美馬「私の邪魔をするな」ガッ!

青柳「っ!?」

ガシャーーン?

青柳「ぐっ・・・」バタッ

患者1「うわっ!?」

患者2「ヒィッ・・・!?」

真姫「あれは痛そうね」

───メンタルケア施設 外

美佳「どういう状況なの、これは?」

須郷「酒々井監視官からの連絡を受けて青柳監視官が施設内に入ったのですが、突然シャッターが閉まって連絡がつかなくなりました・・・」

蓮池「エリアストレスは上昇する一方です。執行対象だらけになっていてもおかしくないですよ?」

凛「シャッターをこじ開けて突入した方がよくないかにゃ?」

弥生「同感です。密室状態に閉じ込められたままでは、どのみち中の人達の色相悪化は避けられません」

美佳「いいえ、このまま待機です。犯罪係数が上がっているというならば、解放すればさらに悪化する可能性もあります。まずはストレスの原因を探るのが優先です」

凛「中の様子が分からなければ原因の調べようもないにゃ。バカなのかにゃ?」

美佳「うるっさい! 口を慎みなさいよ執行官っ!」

凛「あなたの方がよっぽどうるさいにゃ~」

───メンタルケア施設内

美馬「私は告発する。人の心を破壊するメンタルケアの実態、ユーストレス欠乏症を!」

真姫 (! ユーストレス欠乏症・・・)

患者3「な、なに言ってるんだよ・・・」

患者4「ユーストレス欠乏症なんて、ただの都市伝説でしょ・・・?」

美馬「誤ったメンタルケアの末路、一切のストレスをなくした人間の成れの果てを!」

真姫 (・・・)

美馬「私は救世主になりたいんだ、鹿矛囲のように!」

美佳「なんなの? スピーカーまで用意して・・・」

凛「鹿矛囲って、いま凛達が追っている人の名前だよね?」

弥生「この状況に鹿矛囲が関わっているとすれば、なおさらここで足踏みしている場合ではないのでは?」

美佳「でも、そんな要請は受けてないし・・・」

凛「もうめんどくさいにゃ。雛河のお兄さん、この近くにホロをまとった人はいないかにゃ?」

雛河「えっ?」ビクッ

弥生 (そういえば居たのね・・・)

凛「鹿矛囲が関わってるなら、本人が近くで見ているかもしれないにゃ」

弥生「なるほど、それなら鹿矛囲は必ずホロをまとって変装しているはず・・・」

雛河「わ、わかった。探してみる・・・」ジィ...

美佳「ちょっと、 勝手な行動は慎みなさい! この現場の指揮をとっているのは私よ!?」

凛「その指揮がないから自分で考えて行動してるんだにゃ。凛達はカカシじゃないにゃ」

美佳 (こ、こいつ・・・っ!)ギリッ

───メンタルケア施設内

美馬「君達は生きている。生きる喜びを失うことの苦痛を知るべきなのだ!」ダンッ!

患者5「ヒィっ!?」

患者6「た、助けて・・・!」

青柳 (くっ・・・、ドミネーターが使えない状況で、いったいどうすれば)

美馬「ただ薬浸けにするだけのメンタルケアこそ、生きた屍を生み出す悪なのだ!」

真姫「その通りだわ」

美馬「むっ?」

青柳「っ!?」

真姫「あなたの言っているのことは間違っていないわ」

青柳「や、止めなさい! すぐにその男から離れて・・・」

美馬「君は・・・」

真姫「西木野真姫よ」

美馬「えっ、真姫ちゃん?」

青柳「えっ?」

真姫「あら、私を知っているの?」

美馬「もちろんだとも。私は君の大ファンだからね」

真姫「もうμ'sは解散しているというのに、ありがたい話ね」

美馬「君は知っているのかね、ユーストレス欠乏症を?」

真姫「以前、パパの部屋にあった資料で見たことがあるわ。パパには見てはいけないと言われていたけど・・・」

美馬「・・・」

真姫「そこには現在のメンタルケアの実態が記されていたわ。過度の投薬治療が人間の生きていく上で必要なストレスまで消失させてしまい、心を破壊すると。そしてそれこそがユーストレス欠乏症であると」

美馬「君のお父さんはお医者さんかね?」

真姫「えぇ。父はそのユーストレス欠乏症の治療法を研究しているわ」

美馬「なに?」

真姫「もちろん、表向きにそんなことをすれば間違いなく逮捕されてしまうわ。厚生省はユーストレス欠乏症の実態を表沙汰にしたがらないからね」

美馬「秘密裏に研究していたとしても、サイコパスの悪化は避けられないだろう?」

真姫「えぇ。定期検診の度に、パパの犯罪係数は上昇の一途をたどっているわ」

美馬「そこまでして何故?」

真姫「私もママも止めたわ。でもパパは研究を続けている。この問題を研究する人間が自分以外にいないからと」

美馬「・・・」

真姫「それからは、私もママもパパのやることを否定しなくたった。むしろママはパパの研究の手助けをするようになったわ」

美馬「・・・」

真姫「私は将来、医者の道を志すつもりよ。シュビラの職業適性なんて関係ない。もしパパ達が研究の末に潜在犯になったとしても、私はその意思を継いで研究を続ける」

美馬「真姫ちゃん・・・」

真姫「医者は患者の身体だけでなく、心も救わなければならない。私はずっとパパにそう教えられてきたわ」

美馬「こんな時代に、そのような意思に基づき事を為す医者が存在したとはな・・・」

真姫「あなたもユーストレス欠乏症の患者なのでしょう? 健康的な身体に見えるけど」

美馬「その通りだ。ある者からもらった特別な調合薬で症状を抑えている」

真姫「悪くない処方だと思うけど、それではダメね。その場凌ぎの処方では、長い目で見てその患者を救うことにはならないわ。そうね・・・」スッ

職員「な、なにを・・・?」

真姫「あなたがこの人に処方しようとした薬、量も効能も過剰すぎるわ。これでは患者の体への負担が大きすぎる」

鹿矛囲 (ほう・・・)

真姫「既存の薬でも、組み合わせを変えるだけでだいぶ違いが出るわ。そうね、この薬なら、これと・・・」

美馬「この薬はどうかね?」

真姫「いいわね。それからこれと・・・」

美馬「そこに~座るだけでもわかる~♪ 君は~ヤバイ状態なんだよ~♪」

真姫「やがて~ふたりきりになりた~い♪ 病気にな~る~ 甘い~薬を上げましょう~♪」

真姫美馬「Beat in Angel~♪」

青柳 (なにこれ?)

───メンタルケア施設 外

雛河「この近くには、ホロをまとった人はいないみたい・・・」

凛「それじゃあ中にいるに違いないにゃ。突入にゃ」ガララッ

弥生「私も行くわ」ガララッ

美佳「ちょっと!? なに勝手な行動してるの!!」

凛「ずっと待機なんて凛の性に合わないにゃ。それに今日の夜は希ちゃんと海未ちゃんと一緒にラーメンを食べに行く約束をしてるから早く終わらせたいにゃ」

美佳「なに馬鹿なこと言ってるのよ! それにそんなことが許可できるわけないでしょ!?」

凛「朱お姉さんに言ってあるから大丈夫にゃ。一緒に来てくれるにゃ」

弥生「私もご一緒していいかしら?」

凛「もちろんにゃ。せっかくだから志恩お姉さんも誘うにゃ」

美佳「あぁ~、もうっ!!」イライラ

───メンタルケア施設内

凛「公安局にゃ! どういう状況かにゃ?」

真姫「あら? 凛じゃない」

凛「真姫ちゃん! なんでここにいるにゃ?」

真姫「ちょっとパパのお使いでね」

弥生 (ここの人達、執行対象とまではいかないけど、犯罪係数がかなり危険な状態ね・・・)スチャ

青柳「六合塚執行官、星空執行官・・・」

弥生「青柳監視官! 怪我を・・・」

青柳「私のことはいいから、あの男を・・・!」

美馬「・・・」

弥生「彼を?」スチャ

『犯罪係数 アンダー80 執行対象ではありません トリガーを ロックします』

弥生「・・・?」

青柳「この現状を作り出したのは彼よ。なぜか犯罪係数は規定値以下を保っているけど・・・」

弥生「えぇっ・・・!?」

美馬「その通りだ」

弥生「っ! 凛、その子と一緒に下がって!」

凛「真姫ちゃん、一緒にこっちに来るにゃ!」

真姫「彼なら大丈夫よ。抵抗の意思はないわ」

凛「えっ?」

美馬「真姫ちゃんの言う通り、私は君達に歯向かうつもりはない」

弥生「・・・」

美馬「私はこの社会に絶望していた。命の価値を軽んじる社会を変えたいと思っていた。だか、どうやらそれは私の思い上がりだったようだ・・・」

青柳「・・・」

美馬「真姫ちゃんのご両親の意思、そして真姫ちゃん自身の意思を知り、私はこの社会に希望を見出だすことができた。私は生きる実感を取り戻すことができた」

真姫「あなた・・・」

美馬「君に会えてよかったよ、真姫ちゃん。やはり君は人々に幸せをもたらす、素晴らしいスクールアイドルだ」

真姫「・・・」

弥生「ご同行願えますか?」

美馬「畏まる必要はない。今、私は特殊な投薬で犯罪係数を抑えているに過ぎない。薬が切れれば、実際の犯罪係数も分かるはずだ」

弥生「現在の犯罪係数が規定値を下回っている以上、任意同行という形になります。よろしいですか?」

美馬「かまわんよ。私は罰を受けなければならない」

弥生「わかりました。霜月監視官、彼を公安局までお願いします」

美佳「・・・はい」

青柳「須郷くん、蓮池くん。今ここにいる患者達は色相がかなり悪化しているわ。すぐにセラピーを受けさせる必要がある」

須郷「! 了解しました」

蓮池「青柳監視官こそヤバいんじゃないですか? その怪我だし、サイコパスだって・・・」スッ

青柳「私のことはいいから。それとドミネーターは向けないで。あなたの違反データを削除するのも面倒なんだからね?」

蓮池「へいへい。相変わらずお優しいことで」

朱「ごめんなさい、遅くなったわ!」

宜野座「状況は!?」

凛「もう大丈夫にゃ。真姫ちゃんが解決してくれたみたいだにゃ!」

朱「えぇ!? どういうこと?」

宜野座「真姫ちゃん!? なぜ君がここに・・・」

真姫「野暮用でたまたま居合わせたのよ。それに、別に私は何もしてないわ」

青柳「いいえ。あなたがいなければ、ここにいる人達全員のサイコパスが悪化して、最悪全員が執行対象になっていた可能性もあるわ。公安局を代表して、あなたに感謝の意を示させてもらいます」

真姫「ヴェェ・・・。まぁ、そこまで言うなら・・・///」

宜野座「とにかく真姫ちゃんが無事で何よりだ。君にもしものことがあったら、俺の犯罪係数は観測史上最高値を叩き出していたことだろう」

凛「お兄さんは相変わらずだにゃ」

弥生「あの、実は私も真姫さんのファンなんです」

凛「弥生お姉さんも!?」

弥生「あなたが作る曲にはいつも感銘を受けていました。よろしければサインお願い出来ますか?」

真姫「し、仕方ないわね///」カキカキ

凛「やっぱり真姫ちゃんは人気者だにゃ」

宜野座「六合塚、実は俺は先日真姫ちゃんに会って、先にサインをもらっていたのだ」ドヤッ

弥生「はぁ、そうですか」

東金 (出番がないな・・・)ハァ

凛「にゃ? これは何かにゃ?」

朱「! これは・・・」

『WC』

凛「マジックで書いてあるにゃ」

弥生「なんかダサいわね」

凛「WC? トイレかにゃ?」

宜野座「やっぱりそう思うよな?」

朱「いいえ、これは恐らくwhat colorの頭文字。何色かという意味よ」

凛「色? なんの話かにゃ?」

朱「・・・」

どっちも好きな作品だから期待

>>50
コメサンクスです(`・ω・)

───公安局

美佳「軍事ドローン開発施設の視察、そんな大所帯で行く必要あったんですか? 1~3係の共同捜査なんて・・・」

朱『人員については局長の指示よ』

美佳「増田代議士の聴取にメンタルケア施設の調査、それにホロの解析まで・・・、こちらのやることが多すぎます」

朱『それぞれ仕事を割り振ってあります。十分こなせると判断しました』

凛「弥生お姉さん、ここの操作はどうやるのかにゃ?」

弥生「ここをこうして・・・、ほら」

凛「おぉ! ありがとにゃ!」

弥生「いつでも聞いて大丈夫よ」ニコ

雛河 (なごむ・・・)カタカタ

美佳「負担が重すぎるんじゃないかと聞いているんです」イライラ

朱『現場に到着。切ります』

美佳「ちょっ・・・、もう!」

凛「なにイラついてるにゃ?」

美佳「うるさいっ! 黙って仕事をしなさい!」

凛「こっちは弥生お姉さんのお陰で順調にゃ。あなたも無駄話してないで早く仕事するにゃ」

美佳 (ホントにこいつは・・・!)イラッ

───局長室

禾生「何の用だね、霜月監視官」

美佳「常守監視官の問題行動について、ご一考していただければと」

禾生「彼女の行動のどこに問題があると言うのかね?」

美佳「いきすぎた現場主義や執行官の危険性を軽視した態度など、将来的に大きな問題に発展しかねないと判断します」

凛「そうかにゃ? お姉さんはみんなをしっかりまとめていて凄いと思うにゃ」

禾生「その通り、彼女の統率力は目を見張るところがある。ドローンに頼り切らない現場主義の姿勢も、監視官の職務としては評価されるべきものだ」

凛「マニュアルばかりに頼っていては現場じゃ何も出来ないにゃ」

美佳「・・・って、何でアンタがここにいるのよ!?」

凛「にゃ?」

美佳「執行官のアンタが局長に会うなんて・・・! 申し訳ありません局長!」

禾生「別に構わんよ。先のメンタルケア施設での一件、彼女の行動力が解決の一端を担ったことは聞いている。よくやってくれたな、星空執行官」

凛「照れるにゃ」

美佳「なっ・・・」

弥生「凛! 何をしているの!」ザッ

凛「あっ、弥生お姉さんにゃ」

美佳「ちょっ!? 六合塚さんまで・・・!」

弥生「申し訳ありません、禾生局長。すぐに戻らせますので」

禾生「うむ。下がりたまえ」

弥生「はい、失礼します。ほら行くわよ」

凛「わかったにゃ。失礼しますにゃ!」フリフリ

禾生「・・・」フリフリ

美佳「・・・」

禾生「どうした? まだ何か用があるのかね?」

美佳「・・・先程話した件については、どうかご考察ください」

禾生「あぁ、わかった。考えておこう」

美佳「・・・失礼します」




禾生「ふむ、星空執行官か。流石はμ'sのメンバー、可愛さがダンチだな」

───公安局 専用宿舎 東金自室

美佳「・・・ここね」スッ

『監視官権限により ロック解除』ウィン

美佳 (東金執行官、最近ぜんぜん目立ってないけど、先輩に対する視線がいやらしいのよね・・・。何か問題にでもなったら面倒だし、少し調べてみましょう)

美佳 (にしても殺風景な部屋ね。普段なにしてるのかしら。ん? この引き出しは・・・)ガラッ

美佳「っ! なに、これ!? 先輩の写真が大量に・・・!」

凛「うわっ!? こっちには朱お姉さんの女の子の日の周期が書いてあるにゃ! キモいにゃ!!」※公式設定

美佳「パソコンには先輩のサイコパスのデータが1日単位で・・・、キモすぎでしょ!?」

凛「美佳ちゃん、これ朱お姉さんに報告した方がよくないかにゃ?」

美佳「バカっ! こういうことは慎重に見定めないと・・・。と、とにかくこのことは私とアンタだけの秘密! いいわねっ?」

凛「わ、わかったにゃ」

美佳「・・・って!? なんでアンタがここにいるのよっ!?」

凛「今さら? それに同じ反応じゃつまらないにゃ」

美佳「あぁ~ん、もうっ!!」イライライラ

prrrrrrr...

美佳「なによっ!」ピッ

志恩『わっ、いきなり何を怒ってるのよ? とにかく凛ちゃんと一緒にすぐに来て。先輩のピンチよ?』

美佳「えっ?」

凛「にゃ?」

───公安局 情報分析室

美佳「捜査中の軍事施設のドローンが乗っ取られたですって!?」

志恩「えぇ、国防省管轄のドローンが乗っ取られて、不特定多数の一般市民にコントロールされるっていう前代未聞の事態だわ」

弥生「おそらく一般市民に自覚はない。保護プログラムでドローンの操作を携帯端末ゲームに見せかけてる」

凛「お姉さん達は大丈夫なのかにゃ!?」

志恩「今のところはね。だけど現場から離れない限り、それも時間の問題だと思うわ」

弥生「霜月監視官と共に、現場に向かいます」

凛「凛も行くにゃ!」

朱『ダメよ! 敵は酒々井監視官のドミネーターを所持している可能性がある。執行官は来るべきではない』

凛「でもっ!」

朱『命令よ、星空執行官。あなたはそこで私達のバックアップをお願い!』

凛「っ! わかったにゃ・・・!」

志恩「どうにかしてドローンを操っているプロキシサーバを見つけないと・・・」

凛「ぷろきしさーば? それって国防相とは別の場所にあるものなのかにゃ?」

志恩「そりゃあここまで綿密なテロを計画しようっていうんだから・・・。いや、もしかしたら直接国防相のサーバを使用している可能性も・・・?」カタカタ

凛「?」

志恩「ビンゴ! 本当に国防相のサーバを使ってるわ! お手柄よ凛ちゃん!」

弥生「すごいわよ凛!」

凛「なんかよく分からないけど照れるにゃ!」

美佳「( ゚д゚)」ポカーン

朱『早急に解決策を見つけてくれたことは何よりです』

志恩「だけど国防相のプログラムとなれば解除に時間がかかるわ。もう少し持ちこたえて!」

雛河「ぼ、ぼくもやる・・・」

弥生「(いたのね・・・) 私もサポートします!」

凛「それじゃあ凛は踊ってみんなを応援するにゃ!」サーユメヲー♪

宜野座『何っ!? μ'sの生ライブだと!? クソッ、俺も居残り組だったら・・・!』

須郷『宜野座執行官! 今は現場に集中してください! 下手したら死にますよ!?』

宜野座『馬鹿者! 真姫ちゃんを残したまま死んでたまるか!!』

美佳「何やってんのよあいつ・・・」

凛「ほらっ! 美佳ちゃんもボーッとしてないで凛と踊るにゃ!」ソーアノヒー♪

美佳「踊らないわよっ! あと美佳ちゃんって呼ぶなっ!」

雛河「す、すごい・・・。μ'sの歌で、どんどんハイになっていく・・・!」

美佳 (なんかヤバい薬みたいになってるけど・・・)

雛河「出来たっ!」

美佳「はやっ!?」

志恩「オッケ~! それじゃあ、イっちゃおうかしら!」ポチッ!

朱『! ドローンの動きが止まりましたっ!』

凛「やったにゃ!」

弥生「よかった・・・」ホッ

宜野座『いや、待て・・・。なんだ!? 今度は警備ドローンが暴れだしたぞ!?』

美佳「えぇっ!?」

───市街地

絵里「な、何よこれ!?」

希「エリチ走って!」ダッ

絵里「え、えぇ!」ダッ

にこ「なんで警備ドローンが・・・!?」ダッ



海未「こ、来ないでくださいっ!」

警備ドローン「ウミチャアアァァァァンッ!!」ガガガガッ

穂乃果「海未ちゃんっ! ことりちゃん、ゴッドバード!」

(・8・)「チュン!」ゴオオォォォォォォッ!!

ズガァァァァァァン!!

穂乃果「海未ちゃん大丈夫!?」

海未「あ、ありがとうございます。穂乃果、ことり」

ことり「今のうちに逃げよう!」ケホッ

───公安局 情報分析室

美佳「内にまで仕込んでいたって言うの!?」

凛「ど、どうするにゃ!?」

雑賀「プロキシサーバの場所、灯台もと暗しなんじゃないのか?」ザッ

志恩「そんなのとっくに解決済みよ!」

雑賀「えっ、そうなの?」

凛「おじさん! たいへんなことになってるにゃ!」

雑賀「ふむ・・・、なるほどな。これはもう、実際の映像をコントローラーである一般市民に見せるしかないだろう」

美佳「はぁ!? そんなことしたら、エリアストレスが急激に悪化するじゃない!」

雑賀「そこら辺はお前さんの仕事だろう。それに現状ドローンによる被害は最小限だ。直接映像を見たところで最悪の事態にはならんさ」

弥生「議論している暇はないわ! 志恩、ホロの除去プログラムは?」

志恩「もう翔くんが作成済みよ。それっ!」ポチッ!

美佳「ちょっ!?」

───市街地

絵里「と、止まった・・・?」

希「・・・みたいやね」

にこ「た、助かった~~・・・」ヘタッ



穂乃果「ことりちゃん、ブレイブバード!」

(・8・)「チュン!」ゴオオォォォォォォッ!!

海未「ちょっ、もう大丈夫みたいですよ!? 穂乃果っ! ことりぃぃぃぃぃっ!!」



市民1「なんだ!? 急にゲームの映像が変わったぞ!?」

市民2「ここに映ってるのって・・・、海未ちゃんじゃん!?」

市民3「こっちには絵里ちゃんと希ちゃんが映ってる!?」

市民4「のぞえり最高おおぉぉぉぉぉっ!!!」

───公安局 総合分析室

志恩「あら、思ってたよりもエリアストレスの上昇は大したことないわね?」

弥生「一部では逆にエリアストレスが良化しているわ。なんなのかしら?」

凛「何もないならそれに越したことはないにゃ」

雑賀「ふむ」

美佳「よ、よかった~・・・」

朱『こちらもドローンの動きが止まりました。みなさん、ありがとうございました』

凛「お姉さん達が無事なら何よりにゃ!」

志恩「だけど、ゲームが現実のものと分かった上でドローンの操作を続けているやつもいるみたい。放っておけば間違いなく被害が出るわ」

弥生「私達の出番ね。行きましょう、霜月監視官。凛も準備して」

美佳「は、はい!」

凛「了解にゃ!」

志恩「! 朱ちゃん、酒々井監視官のドミネーターの反応が港に向かってる。海路で逃げるつもりかも知れないわ」

朱『っ! そこに鹿矛囲が・・・』

青柳『常守監視官! ドローンの実弾銃なんて持ってどこに行くつもり!?』

朱『皆さんは直ちに公安局に戻ってください! 監視官、執行官問わずセラピーを受けるように! 人的被害がなかったとはいえ、色相への影響は少なからず出ているはずです! 』

宜野座『それはお前だって同じだろう! 常守っ!』

───港

鹿矛囲「・・・」

朱 「鹿矛囲っ!」ザッ

青柳「酒々井監視官っ!」ザッ

酒々井「っ! 」

鹿矛囲「公安局・・・」

朱 (・・・やっぱり、サイマティックスキャンが認識しない)

鹿矛囲「計画は失敗だ。まさか、こんなにも早くドローンが無力化されるとは思っていなかった」

青柳「公安には優秀な人材が揃っているわ。あなたの思い通りにはならない」

鹿矛囲「そのようだ。先のメンタルケア施設の件でも、こちらの計画は失敗に終わった。僕達は現在、何もかもが後手に回っている」

酒々井「鹿矛囲・・・」

朱「降伏しなさい。あなたの考えは、公安局で聞かせてもらいます」

鹿矛囲「裁きたければ裁くがいい。無論ドミネーターでは無理だろうが、そのもうひとつの武器なら、この場で僕を裁けるはずだ」

朱「・・・っ!」グッ

鹿矛囲「無理だろうね、君には・・・。さらばだ」

青柳「っ! 船が・・・!」

東金「監視官、それを!」ザッ

朱「東金さん!?」

東金「やっと出番が・・・!」スチャ

朱「! ダメっ!!」ガッ

東金「えぇ? また見せ場なしぃ?」

鹿矛囲「・・・」

ザアアァァァ......

青柳「取り逃がしてしまったわね・・・」

朱「・・・」

東金「はぁ・・・」ショボン

───市街地 マンション一室

市民5「花陽ちゃ~ん、花陽ちゃんはどこかなぁ~~?」スマホポチポチ

ガチャッ

美佳「公安局です!」

市民5「うわっ!? 公安!?」ダッ

凛「かよちんに手を出そうとはいい度胸にゃ」スチャ

『犯罪係数 オーバー130 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「執行にゃ!」キュイン!

市民5「えっ!? μ'sの凛ちゃガッ!」バタッ

凛「クリア」

弥生「次のエリアストレス警報は、ここから8㎞離れた商業エリアです」

美佳「あ~、もうっ! キリがない・・・!」

凛「ぐずぐずしてなれないよ! 被害者が出る前に急ごう!」ダッ

美佳「ちょ、ちょっと! 一人で行ったら危ないからっ!」ダッ

弥生「凛っ、あまり先走ってはダメよ!」ダッ

サイコパスは知らないけど面白い

>>75
コメント感謝
更新まちまちで申し訳ない

───市街地 住宅

美佳「公安局ですっ!」バッ

市民6「ふぇあっ!? 公安!?」

『犯罪係数 オーバー150 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「執行!」キュイン!

市民6「μ'sの凛ちゃん!? あ、あのサインをガッ!!」バタッ

弥生「各地のエリアストレス警報もかなり沈静化してきました」ピッ

美佳「もうヘトヘトなんだけど・・・」

弥生「恐らく次で最後です。エリアストレス警報はここから4㎞先、音乃木坂の───」

凛 (!? そこって・・・!)

───音乃木坂 小泉花陽 自宅

花陽 (ど、どうしよう・・・。テレビではこの近くの住人は避難するようにって言ってるけど、お母さん達もいないし、無闇に動かない方が安全なのかな・・・?)

───ガタッ

花陽「っ!」

花陽 (今の音は・・・。お母さん、帰ってきたのかな・・・?)

───ギィ...



男「・・・」ヒタッ

花陽「ひっ!? だ、誰っ!?」ガタッ

男「フフッ、本当にいたよ・・・、μ'sの花陽ちゃん♪ ドローンの映像越しに一瞬花陽ちゃんみたいな人が見えたから、もしかしてって思ったけど・・・」

花陽「えっ、あっ・・・、えぇ!?」ガタッ

男「会いたかったよ、花陽ちゃん♪ 僕のこと分かるよね? キミのライブにはいつも応援に行っていたからね!」ヒタッ

花陽「ヒッ! あ、あの・・・!」

男「あれぇ? 分からないはずないよね? ほらっ、僕だよ、僕っ!」ヒタッ ヒタッ

花陽「い、いやぁ・・・っ!」ガタガタ

コラッ ダカラヒトリジャアブナイッテ!
リンッ!

───バンッ!

凛「かよちんっ!」バッ

男「っ!」ビクッ

花陽「り、凛ちゃん!」グスッ

男「おぉ♪ 凛ちゃんまでいるなんて!」

凛「こいつっ!」スチャ!

『犯罪係数 216 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「かよちんから離れろっ!」キュイン!

男「ガッ!」ビクンッ

花陽「ヒャッ!?」

凛「かよちんっ、大じょ・・・」

───ダンッ!

男「・・・ぐぅっ!」ググッ

凛「!? ・・・えぇっ!?」

男「ふぅ・・・! ふぅ・・・!」

凛「そんな・・・、パラライザーが効いてない!?」

美佳「星空執行官!」ザッ

弥生「この男、興奮剤か何かを使っているようです!」

凛「くっ、だったらもう一発・・・」スチャ

男「おっと!」ガッ

花陽「きゃあっ!?」

凛「かよちんっ!」

男「ほら凛ちゃん、撃ってもいいんだよ? 僕を撃ったら花陽ちゃんに当たっちゃうかもだけど♪」

弥生「! あの子を囮に・・・!」

美佳「こいつ・・・っ!」ギリッ

花陽「り、凛ちゃん・・・」

凛「くっ・・・」スチャ

『対象の脅威判定が更新されました 犯罪係数328 執行対象です 執行モード リーサル エリミネーター』

凛 (!? エリミネーター!? どうしよう、もし撃った瞬間にかよちんを盾にされたら・・・!)

弥生「凛っ、落ち着きなさい!」

美佳「潜在犯! その子を離しなさいっ!」

男「撃たないの? それじゃあ今のうちに花陽ちゃんをいただいちゃおうかな~♪」サワッ

花陽「ひぃっ!? り、凛ちゃ・・・」ポロポロ...




凛「」ブチッ

───ダッ!

凛「かよちんから離れろぉっ!」ガッ!

男「ガハッ!?」バタッ

花陽「きゃあっ!」

美佳「!? 星空執行官っ!」

弥生「! 銃身で直接・・・!?」

凛「こいつっ! こいつっ! こいつっ!!」ガッ! ガッ! ガッ!

男「がっ! ぐっ、がはっ・・・!」

花陽「凛ちゃんっ!!」バッ

弥生「凛っ! やめなさいっ!」

凛「こいつがっ、こいつがかよちんをっ!」ガッ! ガッ!

男「ぐっ・・・、ぐぅ・・・!」ビクッ ビクッ

弥生 (いけない、このままじゃ凛の犯罪係数が・・・!)

花陽「凛ちゃん! もうやめてっ!!」




『犯罪係数 252 刑事課登録執行官 任意執行対象です』

───キュイン!

凛「に゛ゃあ!?」ビクンッ

弥生「!?」

凛「」バタッ

花陽「り、凛ちゃん!?」バッ

美佳「・・・」

弥生「! 霜月監視官・・・!」

男「・・・ぐっ、お前らぁ!」グッ

美佳「六合塚さん、その子を!」

弥生「っ!」バッ

花陽「ヒャッ!」

美佳「・・・」スチャ

『犯罪係数 349 執行対象です 執行モード リーサル エリミネーター 落ち着いて標準を合わせ 対象を排除してください』

美佳「・・・!」ドヒュン!

市民7「ぐうっ・・・!? があぁぁっ!!」

───ドチャアッ!

美佳「・・・」

花陽「な、なにが・・・」グッ

弥生「! 見てはダメっ!」

花陽「ひっ!? 人が・・・っ、血が・・・っ」バタッ

弥生「花陽さん! くっ・・・」

美佳「・・・六合塚さん、私は星空執行官を回収します。六合塚さんはその子をお願いします」

弥生「っ! 了解しました」

弥生 (すぐにセラピーを受けさせないと。サイコハザードでこの子のサイコパスまで・・・)スチャ

『犯罪係数 アンダー20 執行対象ではありません トリガーを ロックします』

弥生 (アンダー20!? この状況で、サイコパスをクリアに保っている・・・!?)

花陽「・・・凛ちゃん」クタッ

───公安局 医務室

凛「・・・んっ」パチッ

凛「・・・ここ、どこにゃ?」

美佳「起きた?」

凛「・・・! 美佳ちゃん」

美佳「大丈夫?」

凛「う、うん。大丈夫・・・、くっ!」グッ

美佳「こら、まだ寝てなさい。無理しないでいいから」

凛「かよちん・・・、かよちんは大丈夫かにゃ?」

美佳「あの子なら大丈夫よ。ケガもないし、サイコパスへの影響もなかったわ」

凛「よ、よかったにゃ・・・」

美佳「まったく、人のことより自分の心配しなさいよ。あなた、下手したら犯罪係数300越えてたんだからね?」

凛「・・・ごめんなさいにゃ」

美佳「まぁ、あの時の犯罪係数の上昇は一時的だったみたいだし、もう元の数値に戻ったみたいだから、今は落ち着いて体を休めなさい」

凛「・・・なんだか美佳ちゃんが優しいにゃ」

美佳「どういう意味よ。私はもう行くから」

凛「うん・・・」




美佳「・・・いきなり撃って、ごめん」

凛「・・・!」

───ガチャ

凛 「・・・」

弥生「起きたのね、凛」スッ

凛「! 弥生お姉さん」

弥生「体は大丈夫?」

凛「うん。まだ痺れた感じだけど、けっこう大丈夫にゃ」

弥生「霜月監視官に感謝しなさい。狙って脊髄を避けて撃ったみたいだから」

凛「・・・撃たれて感謝するのもどうなのにゃ?」

弥生「仕方ないでしょ? あのままだったら、あなたの犯罪係数が大変なことになってたんだから」

凛「うん、わかってるにゃ。美佳ちゃんには感謝してるにゃ」

弥生「今はゆっくり休みなさい。もうすぐ志恩も来るから」

凛「わかったにゃ」

───公安局 専用宿舎 弥生自室

美佳「・・・」

弥生「・・・大丈夫?」

美佳「はい」

弥生「無理しないでいいのよ?」

美佳「・・・潜在犯を執行するのに躊躇いなんかないはずでした。実際、あの潜在犯をエリミネーターで執行するのに迷いませんでした」

弥生「・・・」

美佳「それなのに、あの子を撃ったことには、今でも罪悪感みたいなものがあって・・・」

弥生「・・・」

美佳「監視官失格ですよね? あの男のことはエリミネーターで排除しても何も思わないのに、あの子を撃ったことにはこんなに・・・」

───ポンッ

美佳「・・・!」

弥生「あまり自分を責めてはダメよ?」ナデナデ

美佳「・・・」

弥生「監視官にだって心はある。迷うことは間違いではないわ」

美佳「・・・はい」

弥生「そして、それは執行官も同じ。あの子はまだ心も未成熟だし、今回の件は仕方なかったことだと思う」

美佳「・・・あんな無邪気な子が潜在犯になってしまった理由、わかったような気がします」

弥生「そうね。あの時の凛の様子を見たら・・・」

美佳「・・・」

弥生「あの子の愛情は、時に凶器にさえなり得るものなのかもしれないわ」

美佳「・・・私は監視官です」

弥生「・・・」

美佳「担当の執行官がこれ以上問題を起こさないよう、しっかり近くで見ていようと思います」

弥生「・・・そうね」ニコッ

───公安局 専用宿舎 東金自室

東金「・・・」

ゴチャァ...

東金 (忍び込んだならもう少し片付けていけよ・・・)ハァ

───公安局 フリースペース

美佳「東金執行官のパソコンからコピーしたデータ・・・、人事ファイル?」

美佳「っ! 何このデータ?今公開されてるものとはまるで別物・・・。 13年前に執行官として配属されてる。当時18歳・・・。えっ、アイツって今20代じゃないの!?」

美佳「職務中に犯罪係数が急激に悪化した担当監視官をエリミネーターで執行・・・、同じ事例が5件!?」

美佳 (なんなのコイツ!? ヤバい、コイツは本当にヤバい・・・!)

───公安局 総合分析室

朱「雛河くんのお陰で、鹿矛囲が使用しているホロが15年前の航空機事故の被害者を元にしていることが判明しました」

宜野座「そしてこの事故で唯一生き残った被害者の名前が・・・」

東金「鹿矛囲桐斗・・・」

朱「私たちは、前提条件から間違っていたようね。着目すべきは被害者個人ではなかった」

凛「美佳ちゃんが雛河のお兄さんの報告書をしっかり確認しないからいけないのにゃ」ヒソヒソ

美佳「う、うるさいわねっ。進展があったんだからいいでしょ?」ヒソヒソ

弥生 (なんだか最近仲良くなってきたかしら?)ウンウン

志恩「鹿矛囲桐斗個人のデータは公安の権限でも閲覧出来ないわね。理由は医療上の機密保持のためってなってるけど」

美佳 (医療上の機密保持ということは、薬剤特許絡みかしら。そういえば、今この国でかなりの薬剤特許を抱えてる財団って確か・・・)チラッ

東金「・・・」

志恩「あら、でも当時の執刀医さんがご存命だわ。枡嵜葉平、今も現役みたい」

朱「すぐに向かいます。星空さんは同行を」

凛「了解にゃ!」

朱「他の皆さんはそれぞれ割り振らせてもらった仕事をお願いします」

───車内 枡嵜葉平確保後

凛「やっと捜査が進展した感じだにゃ。よかったね朱お姉さん!」

朱「えぇ。だけど油断は禁物よ? 枡嵜医師は鹿矛囲と今でも通じているかもしれないわ。聴取で偽りの証言をする可能性もある」

凛「なるほど~。それじゃあ一応、鹿矛囲の治療記録も調べて裏をとっておいた方がいいかにゃ?」

朱「そうね。病み上がりのところで悪いけど、公安局に戻ったらお願いできるかしら?」

凛「任せるにゃ!」ビシッ

朱「ふふっ、よろしくね?」

───経済省 特許局 記録保管室

美佳 (東金財団の所有する薬剤特許。この中に・・・)カタカタ

『鹿矛囲桐斗』 検索結果 1件

美佳「あった・・・」

美佳 (航空機事故被害者184名の遺体を繋ぎ合わせる多体移植技術、摘出した脳を分解して繋ぎ合わせる技術。・・・あれ? このデータ、閲覧履歴がある。閲覧した人物は・・・)

美佳 (っ! 航空機事故の被害者の名前。ということは、このデータを閲覧したのは鹿矛囲!?)

美佳「鹿矛囲がここに来た。何のために・・・?」

美佳 (鹿矛囲が閲覧したデータは東金財団が特許申請したもの。これらの特許技術は鹿矛囲の多体移植手術に使用されている)

美佳「鹿矛囲は、東金財団に復讐しようとしているの・・・?」

美佳 (だけど、なんで東金財団はこんな技術を所有していたのかしら。特許出願者の名前は・・・、東金美沙子!? 東金朔夜の母親・・・)

美佳 (すでに亡くなっているみたい・・・。父親は?)

『この情報は封印措置されています』

美佳 (封印措置!? 東金朔夜の出生にも薬剤特許が絡んでるの・・・?)

美佳 (サイコパスに関わる特異体質『AA』の先天性実証例。この項目は・・・)

『この情報は封印措置されています』

美佳「あぁ、もう。イミワカンナイ・・・」

美佳 (この情報、禾生局長に伝えてみようかしら。事件に関わっている情報なら、人員増加してくれるかもしれないし・・・)

美佳 (いや、だけどこの情報を上手く使えば、東金朔夜を危険視しない先輩を更迭させることも・・・)

美佳 (だけど、先輩の行動が鹿矛囲の存在を明らかにしたのは確かだ。刑事課の人達が命を落としてもおかしくなかった現場でも、皆を統率して生存させている。あの子の機転もあったけど・・・)

美佳「・・・」




美佳「・・・先輩のことは気にくわないけど、今は事件解決が先よね」

───公安局 刑事課 取調室

枡嵜「・・・」

雑賀「ふむ、嘘の証言をするつもりはなさそうだな」

枡嵜「その通りだ。私は事故被害者184名の体と7人の脳を使い鹿矛囲を治療・・・いや作り出し、今でもなお彼に手を貸している」

雑賀「手を貸すとは、具体的にどんなことだ?」

枡嵜「ドミネーターを使用許諾者以外でも使用できるよう、監視官の網膜パターンをトレースした生態コンタクトを作成した」

雑賀「酒々井監視官だな。それで鹿矛囲はドミネーターを扱えたというわけだ」

枡嵜「本来彼は先に起こした事件でドミネーターを複数手に入れているはずだった。だがどれも公安の手に阻まれ、計画は失敗に終わっている」

雑賀「・・・」

枡嵜「彼が成そうとしている革命はドミネーターなしでは実現できない。もはや、彼に出来ることは何もないはずだ」

雑賀「革命・・・。シュビラシステムの打倒か」

───公安局 総合分析室

宜野座「しかし、ドミネーターを使ってシュビラシステムを倒すとは、どういった考えなんだ?」

朱 (鹿矛囲の狙いは、恐らく・・・)

弥生「鹿矛囲の目的がドミネーターなら、ドミネーターの使用は控えるべきでは?」

朱「そうね。武装が限られてしまうけど、逆に言えばこちらが動かなければ鹿矛囲は何も出来ないということになるわ」

───公安局 局長室

禾生「なるほどな。君が集めた情報はとても興味深いよ、霜月監視官」

美佳「鹿矛囲の目的は東金財団への報復と考えられます。財団の関連施設の監視を含めて、捜査人員の増強を要請します」

禾生「その前に、君はこの『AA』とは何か分かるかね?」

美佳「いえ、鹿矛囲と東金財団を結びつける何かであるとは考えていますが・・・」

禾生「この『AA』とは所謂オープンデータと言われるものだ。簡単に言えば機密情報を暴こうとする逸脱者を誘き寄せる罠だ」

美佳「えっ・・・?」

禾生「さて、その罠に掛かった逸脱者である君の処分はどうしたものか・・・」

美佳「え、ちょ・・・!?」

───スチャ

美佳「ひっ・・・!」

東金「ほう、この状況でもサイコパスをクリアに保つとは・・・」

美佳「あ、アンタ・・・」

東金「母さん、こいつはいずれシステムを公開する時の模範として使えます」

美佳「か、母さんって・・・、東金美沙子!?」

禾生「そうね。だけど、それは彼女がシュビラの真実を知ってなおサイコパスを保てるならばの話。・・・そうね、試してみましょうか」スッ

美佳「な、なにを・・・!?」グスッ

禾生「霜月監視官、貴女にこの世界の真実を・・・、シュビラの正体を見せて上げる」

美佳「い、いやあぁぁぁ・・・っ!」




凛 (美佳ちゃん・・・! な、なんなのこれ・・・!?)ヒソッ

───東京某所 病院

東金 (霜月監視官から聞き出した、常守朱の祖母が入院しているという病院はここか・・・)

東金 (ヤツは幼少の頃から祖母と過ごす時間が長かった。その祖母を手に掛けられれば、流石の奴のサイコパスも黒く染まるはずだ・・・)

東金 (ククッ、老いぼれ一人嬲るだけでサイコパスを濁らすことが出来るなら安いものだ・・・)

東金 (・・・ここか)

───ギィ...




凛「これがレインボーブリッジにゃ!」ビシッ!

碧「まぁまぁ、 凛ちゃんはアヤトリが上手だねぇ」ニコッ

凛「照れるにゃ!」

東金「」

凛「それじゃあ次は~・・・」

東金「・・・星空執行官」

凛「にゃ?」

碧「おや? またアーちゃんのお仲間かい?」

東金「・・・」

凛「あっ、東金のおじさんにゃ! こんな所で奇遇だにゃ!」

東金「おじっ・・・!? 星空執行官、君は宜野座執行官のことはお兄さんと呼んでいたよな?」

凛「それがどうしたにゃ?」

東金「俺は彼と年齢は変わらない。なのに俺だけおじさんというのは失礼じゃないか?」

凛「んー・・・。でもおじさん、なんだか凛のお父さんと同じくらいな気がするんだよね。40歳くらい?」

東金 (っ! なかなか鋭いな・・・)

───ガチャ

青柳「ジュース買ってきたわよ~・・・、って、東金執行官?」

東金「っ! 青柳監視官、なぜここに・・・?」

青柳「この子が急に常守監視官のお婆様に会いたいって言うから、当直の常守監視官の代わりに連れてきたのよ。私も久々の非番だったしね」

凛「璃彩お姉さんがいてくれて助かったにゃ。ありがとにゃ!」

青柳「ふふっ、これくらい別に構わないわよ? ほらジュース。お婆様もどうぞ」

碧「おや、わざわざありがとうね」ニコッ

東金「」

青柳「それよりも、あなたの方こそ何でここに? まさか執行官一人で来たわけじゃないんでしょ?」

凛「・・・」ジィ...

東金「え、えぇ。霜月監視官と任務でこの近くまで来ていたんですよ。常守監視官からこの病院にお婆様がいらっしゃると伺っていたので・・・」

青柳「お婆様に何か用でもあったの?」

東金「先の事件でこの病院の警備ドローンも暴走したということでしたので、その件について少しお話を聞かせてもらえればと・・・」

青柳「なるほどね。だけど同伴とは言え、監視官の監視下を離れて単独で行動するのは感心しないわね。霜月監視官は車の中?」

東金「えぇ、任務で疲弊したということでしたので、車内で待機しています」

青柳「それは監視官としても意識的な面で問題があるわね。後で常守監視官から注意してもらわないと・・・」

東金 (あの娘には後で口裏を合わせておかないとな・・・)

凛「・・・」

東金「・・・ご入用の様子ですし、私はこれで失礼させていただきます」

碧「おや、何か私に聞きたいことがあったんじゃないのかい?」

東金「事件の詳細については病院の関係者の方から先に伺いましたので・・・」

青柳「そう。それじゃあ凛ちゃん、私達もそろそろ行きましょうか? あまり長居したらお婆様が疲れてしまうかもしれないから」

凛「えぇ~? 凛はもう少しお婆ちゃんと遊びたいにゃ」

碧「ふふっ、私は構わないよ。アーちゃん以外にこんなに可愛いお客さんが来てくれることなんて滅多にないからね」ニコッ

凛「やったにゃ!」

青柳「まったく・・・」クスッ

東金「・・・失礼します」

凛 (・・・)

───ガチャ

東金 (クソッ・・・、計画は失敗か。星空執行官、あのガキが来てから予定が狂ってばかりだ・・・)

───千代田区 セントラルホール(国交省 会合場所)

鹿矛囲「・・・すまない、計画は失敗だ。これでは、シュビラシステムの位置を特定することは出来ない」

桑島「そうか・・・。俺達の望みは叶わなかった訳か」

鹿矛囲「まだ諦めたつもりはない。僕達の悲願を遂げるまでは・・・」

桑島「その気持ちがあるだけで、俺はまだ生きていける。航空機事故直前に転校して生き延び、仲間たちへの罪悪感で押し潰されそうになっていた俺を、お前は救ってくれたのだからな・・・」

鹿矛囲「国交省の役人共、今日始末するのか?」

桑島「あぁ。奴らこそが事故の元凶だ。大義を成すのは先になっても、奴らに審判を下すのは今日と決めていた。お前と違って、こんな汚れ仕事しか、俺に出来ることはないからな」

鹿矛囲「・・・君はあの日よりもずっと前から、僕達の仲間だったよ」

桑島「・・・後は頼んだぞ、桐斗」

───公安局

朱「先日の千代田区セントラルホールでの火災で、放火を自首してきた国会議員の桑島浩一の取調べは一係が担当するようにとの通達がありました」

宜野座「桑島浩一、若手の議員としてはかなりの期待株だったらしいが、何故こんなことを・・・」

弥生「! 常守監視官、これを」

朱「どうしたの?」

弥生「この桑島という男、例の航空機事故の被害を受けた学校の児童だったようです。事故が起こる1週間前に転校していますが・・・」

宜野座「直前で事故を免れたということか。鹿矛囲との繋がりがありそうだな」

朱「雑賀先生と共に、すぐに取調べを行います」

───取調べ室

桑島「・・・」

雑賀「ふむ、お前も偽りの証言をすることはなさそうだな」

桑島「偽りなど話す必要はない。我々は常に正義と共にある」

雑賀「ほう、国交省の高官達を一人残らず葬ったことがお前の正義であると?」

桑島「奴らはあの航空機事故を黙認し、それを利用して今の地位を手に入れていた。裁かれて当然の者達だ」

雑賀「まぁ、役人達がどうなろうと俺の知ったことではないのだが、今お前は我々と言ったな?」

桑島「・・・」

雑賀「お前は鹿矛囲と繋がりがあると判断していいかな?」

桑島「鹿矛囲は俺の・・・、俺達の希望だ。この社会を正し、新しい秩序をもたらすための」

朱「しかし、あなた達の計画は失敗した。複数のドミネーターを手に入れない限り、あなた達の革命は起こせない」

桑島「君は、鹿矛囲の計画の全貌を暴いているのか?」

朱「予測の範囲ではあるけど、恐らくは」

桑島「・・・出来るなら、会話が外に漏れない状況で、君と二人で話をさせてもらいたい」

朱「・・・」

宜野座『常守、そんな要求を飲む必要はない。密室で何を仕出かすつもりか分からないぞ』

桑島「・・・」

朱「・・・」




朱「・・・いいでしょう」

宜野座『常守っ!』

弥生『常守監視官、せめて私だけでも立ち会いを・・・』

朱「それは許可できません。雑賀先生も、申し訳ありませんが」

雑賀「構わんさ。こいつにお前への敵対意思はないようだし、お前に任せた方が話は進展しそうだからな。宜野座、この部屋の通信を切れ」

宜野座『先生まで何を・・・!』

朱「宜野座さん、これは命令です。この取調べ室の通信を全て切ってください」

宜野座『っ! ・・・勝手にしろ』

朱「・・・」

桑島「要求を受け入れてくれたことに感謝する」

朱「話というのは?」

桑島「君は鹿矛囲の計画を暴いていると言うが、その内容を聞かせてもらえるか?」

朱「・・・複数のドミネーターを一気に動作させることでシュビラに膨大なデータ処理を行わせ、その処理のためにバイパス経路を使わせることでシュビラシステムの場所を特定しようとしていた」

桑島「・・・」

朱「そしてドミネーターを連続して使用するためには執行するための潜在犯が大量に必要になる。それもパラライザーの対象になる比較的軽度の潜在犯。重篤な潜在犯では弾数制限のあるエリミネーターが発動してしまうから、連続での使用が出来なくなる。恐らくは一般市民を密室空間に閉じ込めるなどして、発作的に犯罪係数を上げることで計画は実行しようとした」

桑島「流石は公安局の常守朱監視官だ。そこまで読み切っていたとはな。だが、これで確信した・・・」

朱「・・・」

桑島「君は、シュビラの正体を知っているのだな?」

朱「・・・何の話かしら?」

桑島「隠す必要はない。システムの正確な位置の特定こそ出来ていないが、鹿矛囲もまたシュビラシステムの正体を暴いている」

朱「・・・!」

桑島「彼はそれを知った上で、システムに問おうとしている。自分の色を、そしてシュビラ自身の色を・・・。そして常守朱、少なからず君にもあるはずだ。シュビラへの疑念が」

朱「それを聞いて、あなたはどうするつもりなの?」

桑島「俺のことなどどうでもいい。頼む。鹿矛囲を・・・、桐斗をシュビラシステムのもとへ連れて行ってくれ」

朱「そんな要求を受け入れるとでも?」

桑島「無理は承知の上だ。だが分かってほしい。桐斗は復讐のためにシュビラを裁こうとしているのではない。この社会に、人々のための新たな『法』を生み出すために自分達の存在を懸けているのだ」

朱 (『法』・・・)

桑島「もう知っているのだろう。鹿矛囲はあの航空機事故の被害者184人の身体と脳を繋ぎ合わせた、言わば集合体的な存在だ。個人を徹底的に管理するシュビラシステムでは、彼を認識することも裁くことも出来ない」

朱「・・・」

桑島「彼の存在を認めさせること、それは言い換えれば・・・」

朱「・・・集合的存在であるシュビラシステムもまた、裁きの対象になる」

桑島「頼む、君に少しでもこの社会の秩序に対する疑念があるのなら、どうが・・・!」グッ

朱 (・・・私は)

───東京都某所 廃墟

prrrrrrr...

鹿矛囲 (・・・浩一から?)ピッ

朱『・・・鹿矛囲桐斗ね?』

鹿矛囲「っ! 君は・・・」

朱『私は公安局刑事課一係所属、常守朱』

鹿矛囲「驚いたね・・・。浩一はどうしてるかな?」

朱『彼からあなたの目的を聞きました。鹿矛囲桐斗、あなたにその覚悟があるのなら、これから指定する場所まで来なさい。この世界の真実へと案内します』

鹿矛囲「・・・君は、シュビラシステムを?」

朱『もちろん、これはあなたを逮捕するための罠という可能性もある。信じるかどうかはあなた次第よ』

鹿矛囲「いや、君を信じさせてもらうよ。どの道、もう僕達に残された手段はないからね」

朱『・・・地図のデータを送ります。その場所まで、必ず一人で来なさい』

鹿矛囲「わかった」ピッ

酒々井「鹿矛囲・・・」

鹿矛囲「・・・君には本当に申し訳ないことをしたと思っている」

酒々井「いいえ。私の方こそ、何もあなたの役に立てなくて・・・」

鹿矛囲「それでよかったんだ。本来の君の色を、別の色に染めずに済んだと思っている」

酒々井「・・・」

鹿矛囲「僕は行くよ。この世界の真実のもとに。君も、在るべき場所へと戻るんだ」

酒々井「・・・忘れないわ、あなたのこと」

鹿矛囲「ありがとう。その言葉は、僕という存在の証になる」

酒々井「・・・さようなら」

鹿矛囲「新しい世界で、君の色が美しくあり続けることを願っているよ」

───東京都某所 地下水路

朱「・・・!」

東金「監視官」

朱「東金さん、何故ここに?」

東金「局長からの命令です。ここに鹿矛囲が現れる可能性があると。どんな根拠からなのかは存じませんが、ここで奴を仕留めるようにと」

朱「・・・お芝居はもう止めませんか、東金さん?」

東金「っ!」

朱「あなたが隠匿していた本当の経歴データは霜月監視官の報告書で知りました。過去に担当となった監視官の犯罪係数を意図的に悪化させ、潜在犯に陥れて執行してきたと・・・」

東金「知っていたのか」

朱「あなたは私を黒く染めるため、私の祖母を手に掛けようとした。未遂で終わったようだけど・・・」

東金「・・・」

朱「大人しく拘束されなさい。でなければ、ここであなたを執行します」

東金「馬鹿が、貴様を黒く染めるまで誰が・・・」




「───彼女は、君程度では染められないよ」

東金「っ!」

鹿矛囲「・・・」

朱「鹿矛囲桐斗・・・」

東金「遂に現れたか。貴様の存在が、母さんを貶める。だから・・・」スッ

───ダッ!

東金「貴様は存在してはならないっ!!」

鹿矛囲「・・・」スチャ

『犯罪係数 769 執行モード リーサル エリミネーター』

執行官「散れ、執行官」グッ

朱「っ! ダメっ!」バッ

東金「ぐっ・・・!」

鹿矛囲「っ!」

東金「離せ小娘がっ!」ガッ

朱「きゃっ!?」バタッ

東金「先ずは貴様から・・・!」




「───待つにゃ!」

朱「えっ・・・!?」

東金「っ!?」

鹿矛囲「君は・・・」

凛「星空凛だにゃ!」

朱「星空さん!? 何故ここに・・・」

凛「話は後にゃ! このおじさんは凛に任せるにゃ!」

東金「このガキっ、また俺の邪魔を!」

朱「ダメよ星空さん! すぐに逃げて・・・」

凛「朱お姉さんこそ、早くそのお兄さんを連れて行くにゃ! 早くしないと局長が邪魔しにくるかもしれないにゃ!」

朱「っ! 星空さん、あなた、シュビラの正体を・・・?」

東金「貴様、あの時の会話を聞いていたのか!?」

凛「急いで! 凛は大丈夫だから、お姉さんはお姉さんのお仕事をするにゃ!」

朱「っ! ・・・死んではダメよ。生きて帰って、またμ'sの皆に会いに行きましょう」

凛「当たり前にゃ!」

朱「・・・鹿矛囲、行きましょう!」ダッ

鹿矛囲「・・・」

凛「にゃ?」

鹿矛囲「美しい色だ。ドミネーターを向けずとも、君の色はハッキリと分かる」

凛「凛の色相はイエローグリーンにゃ! イエローは凛の、グリーンはかよちんの好きな色にゃ!」

鹿矛囲「ふっ、そうか・・・」ダッ

凛「・・・」

東金「ガキが・・・。貴様程度が俺の相手になるとでも思っているのか?」スチャ

凛「凛の運動神経を舐めてもらっちゃ困るにゃ。おじさんこそ体を労った方がよくないかにゃ?」

東金「だからおじさんじゃないと言っているだろうがぁ!」キュインッ!

凛「っ!」バッ

東金「チィッ、ちょこまかと!」キュインッ!

凛「・・・!」スチャ

『犯罪係数 769 執行対象です 執行モード リーサル エリミネーター』

凛 (769・・・っ! ホントにヤバい数値にゃ。エリミネーターじゃ4発が限界。無駄撃ちはできないにゃ)ダッ

東金「逃げてばかりではどうにもならんぞ!」キュインッ!

凛「くっ・・・!」ドヒュンッ!

東金「おっと!」ザッ

凛 (くっ、当たらないにゃ・・・!)

東金「執行官になって日も浅い貴様では相手にならんぞ! さっさと死ねっ!」キュインッ!

凛「ギィッ・・・!?」バタッ

凛 (やばっ・・・! 肩にかすって痺れが・・・)

東金「チッ、エリミネーターなら今ので片付いていたものを・・・。だがこれで」シャキン

凛 (っ! ナイフを・・・!)ジリッ...

東金「俺の邪魔ばかりしやがって・・・、ここでくたばれっ!」バッ

凛「っ!」ギュッ






「───凛っ!」

ドヒュンッ!

東金「っ!?」バッ

凛「にゃ・・・」

美佳「っ!」ドヒュンッ!

東金「ちぃっ!」バッ

凛「美佳ちゃん・・・」

美佳「大丈夫っ?」ザッ

凛「どうしてここに・・・?」

美佳「そんなことは後よ。立てる?」

凛「・・・うん! まだまだイケるにゃ!」ザッ

東金「小娘、貴様・・・! 俺がシュビラの声であることを忘れたか!? 俺に銃を向けるということは、この社会の秩序を否定するということだぞ!」

美佳「何がシュビラの声よっ! 罪のない人を黒く染めることのどこに秩序なんてあるのよっ!」

東金「なにぃ!?」

美佳「今でも自分が許せない・・・! この子がいなかったら、私は先輩のお婆さんを見殺しにしてた。サイコパスが濁るのが怖くて、シュビラの意思に従おうとしてた・・・」

凛「・・・」

東金「お前は何も間違っちゃいない。シュビラに従えばサイコパスは美しく保たれるんだ!」

美佳「違うっ! 私わかったの・・・。例えサイコパスが濁っていても、この子や六合塚さんみたいに優しい心を持ってる人がいる・・・。私の友達を奪った潜在犯は許せないけど、すべての潜在犯を恨むのは間違っているって!」

凛「美佳ちゃん・・・」

東金「馬鹿が。そんな考えをしていたら、貴様のサイコパスは・・・」スチャ

『犯罪係数 オーバー140 刑事課登録監視官 執行対象です』

東金「ククッ、自ら黒く染まるとは・・・」

凛「っ! 美佳ちゃん!」

美佳「構わないわ! 私は私の意思で自分の在り方を決める。だからここで、お前を執行するっ!」スチャ

東金「調子に乗るなよ小娘がぁっ!!」スチャ

美佳「星空執行官! あなたは左からヤツを、二人掛かりで仕留めるわよっ!」ダッ

凛「了解にゃ!」ダッ

東金「ちぃ・・・っ!」キュインッ!

美佳「っ!」バッ

凛「にゃっ!」ドヒュンッ!

東金「ぐっ・・・!」バッ

美佳「そこっ!」ドヒュンッ!

東金「ヂィっ! 先ずは貴様からだっ!」スチャ

美佳 (やばっ! 射線に・・・っ!)

東金「もらったぁ!!」グッ

凛「美佳ちゃんっ!」






『犯罪係数 アンダー90 刑事課登録監視官 警告 執行官による反逆行為は───』

東金「なっ・・・!?」

凛「っ! トリガーにロックが・・・!」

美佳「っ!」スチャ

───ドヒュンッ!

東金「がああぁっ!!?」

───ドチャッ!

東金「ぐっ・・・、くぅぅ・・・!」バタッ

美佳「はぁ・・・、はぁ・・・」

凛「美佳ちゃん、やったにゃ・・・!」

美佳「えぇ・・・」

東金「ぐぅぅっ・・・! 馬鹿な・・・。何故ヤツは白く・・・、母さんの意思は・・・!」ガハッ

美佳「その傷で、まだ生きているなんてね」

凛「・・・」

東金「ぐっ、ククッ・・・。ここで俺が死んだとしても、シュビラの・・・、母さんの意思は存在し続ける。いずれにせよお前達は、システムから逃れることは出来ない・・・」ハァ ハァ

美佳「・・・」

凛「にゃ・・・」

東金「精々、シュビラを美しく在り続けるためだけに生きるがいい・・・。自らが濁ることの恐れを抱きながらな・・・」ハァ ハァ

美佳「・・・私はもう恐れない。数値よりも大切なものを知ったから」

東金「・・・フッ」ガクッ

凛「・・・」

美佳「・・・っは~!」ヘタッ

凛「美佳ちゃん、大丈夫かにゃ!?」

美佳「腰抜けたぁ・・・」

凛「ふふっ、何だかおばさんみたいだにゃ」

美佳「なんですって!?」ガッ

凛「冗談にゃ。だけど、たんで美佳ちゃんがここに?」

美佳「先にいなくなったのはあなたでしょ? 監視官の同行もなしに行動しようとするんだから」

凛「うっ・・・、ごめんなさいにゃ」

美佳「ホントよ、もう・・・」

凛「だけど、美佳ちゃんがいなかったら凛はきっと死んでたにゃ。本当にありがとにゃ」

美佳「・・・私だって、あなたがいなかったら、取り返しのつかない罪を犯していたわ」

凛「・・・」

美佳「・・・」

凛「・・・今回はお相子ってことでいいかにゃ?」

美佳「・・・そうね」

凛「そういえば美佳ちゃん」

美佳「なに?」

凛「助けに来てくれたとき、凛のこと名前で呼んでたよね?」

美佳「はぁ? 呼んでないし・・・」

凛「いやいや、絶対呼んでたにゃ!」

美佳「うるさいわね!呼んでないって言ってるでしょ!?///」

凛「照れてるにゃ! やっぱり呼んでたにゃ!」

美佳「あ~~ん、もぅっ!///」




「凛っ! 霜月監視官っ!」

凛「! 弥生お姉さん!」

弥生「大丈夫?」

美佳「はい、なんとか・・・」

宜野座「これは・・・、東金執行官!? どうなっているんだ!?」

美佳「東金執行官は反逆行為を起こしたから、その場で執行した・・・」

弥生「えぇっ!?」

凛「本当にゃ。美佳ちゃんが来てくれてなかったら、凛はおじさんに殺されてたにゃ」

弥生「そんなことが・・・。ふたりとも、怪我はない?」

美佳「この子が少しパラライザーを食らったみたいですけど・・・」

宜野座「なにっ!?」

凛「凛は大丈夫にゃ。もうぜんぜん平気にゃ!」

宜野座「そうか。君にもしものことがあったら、俺は真姫ちゃんに顔向けすることが出来ん」

凛「ホントにお兄さんは相変わらずだにゃ」

美佳「・・・六合塚さん。私のサイコパス、見てもらってもいいですか?」

弥生「えっ・・・?」

美佳「・・・」

弥生「・・・」




───スチャ

『犯罪係数 アンダー30 刑事課登録監視官 警告 執行官による反逆行為は───』

弥生「・・・キレイなものね」ニコ

美佳「・・・」フッ

───公安局 局長室

禾生「・・・集合的サイコパスの認識、そして鹿矛囲の死亡。まぁ、報告書などなくても、私自身も直接見ていたことなのだがな」

朱「鹿矛囲の自害は意味のあるものだった。新たな秩序を生み出した代償に、自らの罪を清算した。復讐の念に囚われず、最後まで自分達の信念を貫いた」

禾生「そんなものは、我々には関係のない話だ。重要なのは、その新たな秩序の創造に君が大きく関与したということだ」

朱「もう私の存在は必要なくなったかしら?」

禾生「その逆だよ。我々の中に、君を迎え入れてはという意見も出ている」

朱「そんな気は毛頭ないくせに。だけど、あなた達が真の意味でこの社会から必要なくなったら、その時は一緒に地獄に行ってあげるわ」

禾生「個人としてはクリアでも集団としてはクリアではない可能性、人々の疑心暗鬼が大量虐殺へと変貌を遂げるかもしれない集合的サイコパス・・・。その新たな扉を開いたのは君だ。この事を忘れるな」

朱「あなたに言われるまでもないわ」

禾生「一つだけ聞いておこう」

朱「なに?」






禾生「君はμ'sのメンバーでは誰推しかね?」

朱「・・・」

禾生「・・・」

朱「私は箱推しよ」

禾生「やはり君は優秀だよ、常守監視官」

朱「話は終わりかしら?」

禾生「・・・μ'sの小泉花陽、彼女の監視を一係に命じる」

朱「? いきなり何を言っているの?」

禾生「六合塚執行官のドミネーターを介して得た情報だが、彼女は免罪体質者である可能性が高い」

朱「!?」

禾生「本当にそうであるのか判断する必要がある」

朱「待ちなさい! もし本当に彼女があなた達と同じ免罪体質者なら、システムに取り込むつもり!? そんなこと・・・」

禾生「君は何か勘違いをしているようだな」

朱「えっ?」






禾生「かよちんはこの社会に舞い降りた女神だ。彼女の存在は、民衆の標であってこそ輝きを増すというものだ」

朱「・・・えーっと?」

禾生「ある都合により、かよちんの通う学院にはスキャナを設置出来ていない。よって直接彼女を監視する必要がある」

朱「・・・システムに取り込むつもりはないのね?」

禾生「無論だ。かよちんは個を失ってはいけない女神。これは我々の総意だ」

朱 (あいつら全員花陽ちゃん推しなのね・・・)

朱「だけど学院で直接監視なんてどうすれば・・・」

禾生「星空執行官がいるだろう。彼女を学院に戻して監視させればいい」

朱「本気で言ってるの? 彼女は潜在犯なのよ?」

禾生「サイコパスはこちらで操作する。本来の数値は潜在犯だが、表面上はサイコパスが回復した者として振る舞ってもらう」

朱「・・・平等なシステムが聞いて呆れるわね」

禾生「全てはかよちんのためだ。手続きはこちらで済ませる。頼んだぞ、常守監視官」

朱「・・・失礼します」

「───南です」

禾生「・・・入れ」

───シュンッ

理事長「随分と思い切った選択をしましたね。集合的サイコパスの認識・・・。議論が為されていた問題とはいえ、正直驚きました」

禾生「これも一つの進化と捉えたまえ。これで我々はさらに完璧なシステムとして存在し得るのだからな」

理事長「完璧であるものに進化があるという考えについては、興味深いところです」

禾生「・・・相変わらずの減らず口だな。生身の肉体を保ったままとはいえ、君もシステムの一部であることを忘れるなよ?」

理事長「承知していますよ。μ'sがスクールアイドルとして審査を介さずに承認して頂けたのも、あの生徒数で学院が存続できていたのも貴方達のおかげですからね」

禾生「君の脳波はシュビラシステム、とりわけドミネーターとその使用者のリンク構築において欠かせない役割を有している。システムへの外部からの干渉を例外的に認めているのもそのためだ」

理事長「私自身、今でもよく理解出来ていないのですけどね。私としては、生活に支障をきたしている訳でもありませんし」

禾生「君はただシステムと思考を共にするだけでいい。本来ならば我々のユニットに加わるべきところなのだが・・・」

理事長「それに関しては毎回のことですが、お断りさせて頂きます。免罪体質とはいえ、私は元々サイコパスを濁らせるようなことをするつもりもありませんし、個の存在を否定される謂われはありません」

禾生「分かっているさ。言った通り君の存在は我々とって欠かせないものだ。下手に強制して君にもしものことがあればそれこそ問題だからな」

理事長「ご理解いただけているようで助かります」

禾生「しかし、今回の選択で我々には多くの空席が生じた。集合的サイコパスを成立させるデータ処理には君の思考も参加してもらうことになるかも知れんが、その事は理解しておいてくれたまえ」

理事長「出来れば遠慮したいものですが、仕方ありませんね。その進化とやらでこの社会がより良いものとなることを祈ります」

禾生「恐らく、君の望みとは逆の未来がくると現状の我々は予想しているのだがな・・・。話は以上だ、下がりたまえ」

理事長「失礼します。星空さんと小泉さんのことはお任せください。二人ともこちらで責任を持って預からせていただきます。彼女達には、残りの学生生活を謳歌してもらわないと」

禾生「スキャナの設置を拒否している張本人がよく言ったものだが、よろしく頼むとしよう。あぁ、それと・・・」

理事長「?」

禾生「君はμ'sのメンバーでは誰推しかね?」

理事長「私はもちろん娘推しです」

禾生「ふっ、その俯瞰とは程遠い思考を持ちながら我々と存在を共にしていることに、我々自身が理解に苦しむところだよ」

理事長「そういう貴方達だって小泉さん推しでしょう? 平等のシステムが聞いて呆れます」

禾生「聞き覚えのある言葉だが、かよちん推しは我々の総意だ。そして、かよちんの可愛さはこの世界の秩序そのもの。故に我々のシステムに何ら影響をきたすものではない」

理事長「はぁ、そうですか」

禾生「呼び止めてすまなかったな。下がりたまえ」

理事長「失礼します」

───音乃木坂 星空凛自宅

凛「それじゃあお母さん、行ってくるにゃ!」

凛母「車に気をつけるのよ~」

凛「今の時代に交通事故なんてそうそう起こらないにゃ」

凛母「それでもよ。この世界に絶対なんてものはないんだから」

凛「は~い、わかったにゃ。それじゃ、行ってきます!」

凛母「えぇ、行ってらっしゃい」ニコ

凛「かよち~~ん、真姫ちゃ~~ん!」

花陽「凛ちゃん、おはよう!」

真姫「おはよ。朝から元気ね」

凛「久々の学校だから楽しみにゃ!」

花陽「うん! 私も久しぶりに凛ちゃんと学校に行けてうれしいな。真姫ちゃんもだよね?」

真姫「ま、まぁね///」

凛「あっ、真姫ちゃん照れてるにゃ!」

真姫「て、照れてないわよっ!///」

花陽「ふふっ♪」

凛「だけど本当に久しぶりにゃ。はやく穂乃果ちゃん達にも会いたいにゃ!」

花陽「絵里ちゃん達も予定合わせてくれたから、週末に会えるよ?」

凛「やったにゃ!」

真姫「けどあなた、執行官になってからも結構みんなと会ってたわよね?」

凛「・・・確かにそうにゃ。朱お姉さんにはいっぱいお世話になったにゃ」

真姫「まったく・・・。いくらいい人だからって、ちゃんと相手の迷惑も考えなくちゃダメよ?」

凛「耳が痛いにゃ」

花陽「でも、執行官として会うのと学生として会うのとじゃ、やっぱり違うはずだよ!」

真姫「確かにね。実際、サイコパスが回復するなんて思ってもみなかったし。本当によかったわ」

花陽「きっと何かの間違いだったんだよ。凛ちゃんが潜在犯になるなんて、私は信じられなかったもん」

凛「・・・うん、ありがとう。真姫ちゃん、かよちん」

凛 (本当はまだ潜在犯のままだし、学院に戻ったのはかよちんの監視のため。ふたりを騙しているという事実はとても胸が苦しいにゃ。だけど・・・)

花陽「ほら凛ちゃん、もうすぐ音乃木坂学院だよ! またみんなで一緒に頑張ろうね!」

真姫「そうね。やっぱり凛がいてくれた方が、私も嬉しいから・・・」

凛「・・・うんっ!」

凛 (かよちんや真姫ちゃんのことが大好きっていう気持ちは変わらないにゃ。凛はこれからも、絶対にみんなのことを守って見せるにゃ)

凛 (そう、美佳ちゃんとも約束したから・・・)

───公安局 刑事課

ダッテパーティートーマラナイー♪

宜野座「これが真姫ちゃんのセンター曲だ」

蓮池「うわっ、みんなメッチャ可愛いじゃないっすか!」

須郷「少し衣装が際どい気もしますが・・・」

宜野座「それを着こなしているのも彼女達の魅力ということだ」

須郷「なるほど・・・」

須郷「! も、申し訳ありません、霜月監視官!」

蓮池「いいじゃないっすか。それに今日は俺達非番っすよ?」

美佳「だったら宿舎にいなさいよっ! ていうかアンタ達は二係でしょ! なんでウチにいるのよ!?」

蓮池「だって宜野座さんが一緒じゃないとμ'sのライブ映像見せてくれないって言うし・・・」

宜野座「俺がそれぞれのライブの見所をふたりに説明してやっているんだ。少しくらい許してやってくれ」

美佳「それならアンタの部屋で見ればいいでしょ!?」

宜野座「職務中に持ち場を離れる訳にはいかんだろう?」

美佳「アンタは非番じゃないのかよっ!?」バンッ!

宜野座「朝から居ただろう・・・。っ! お前達、真姫ちゃんのソロパートだ! 集中しろっ!」

須郷「! 了解ですっ」

蓮池「スゲー歌上手いっすね~」

宜野座「自らが紡ぎ出した曲を、その美しい歌声で奏でる・・・。やはり真姫ちゃんは女神だな」

美佳「本当にコイツは・・・」ハァ

弥生「お疲れ様です。お茶をどうぞ」コトッ

美佳「あっ、ありがとうございます六合塚さん」

弥生「宜野座さんも、凛がいなくなって少し淋しいみたいですね」

美佳「だからって、流石にあれはダメでしょ・・・」ハァ

弥生「霜月監視官は大丈夫ですか?」

美佳「私ですか?」




弥生「・・・あの子がいなくなってから、時々遠い目をしていることがあるわよ?」

美佳「っ! わ、私は別にそんな・・・」

弥生「隠さなくてもいいわ。私も同じだから」

美佳「六合塚さんも?」

弥生「なんだか騒がしかった妹が急にいなくなってしまったような、そんな感じかしら」

美佳「妹、ですか・・・」

弥生「あなたの場合は、妹というよりも友達かしら?」

美佳「友達って・・・。わ、私は一応あの子の上司なんですからね?」

弥生「ふふっ、そうだったわね」

美佳「・・・でも」

弥生「?」

美佳「あの子と一緒にいると、昔の友達を思い出したりします。今は天国にいってしまったけど、楽しかった時のことを思い出させてくれます・・・」

弥生「・・・そう」ニコ

──ティロン♪

美佳「んっ、メール? 誰から・・・」カタカタ

『美佳ちゃん、今日お仕事終わったらみんなでラーメン食べに行くにゃ! 凛』

美佳「・・・またアイツは」

弥生「あの子から?」

美佳「はい。まったく、あの子はホントに・・・」

───ウィーンッ! ウィーンッ! ウィーンッ!

美佳「っ!」

宜野座「なんだ!?」

弥生「これは・・・」

朱「みんな、揃っているかしら?」ザッ

美佳「先輩、事件ですか?」

朱「えぇ、中野区でエリアストレス警報、規定値超過のサイコパスを計測したわ」

美佳「了解です。私が六合塚さんと雛河を連れて現場に当たります」

雛河「えっ、ぼく?」ビクッ

六合塚 (いたのね・・・)

朱「大丈夫?」

美佳「この程度のエリアストレスなら、私でも対応出来ます」

朱「わかったわ。お願いね?」ニコ

美佳「はいっ」ビシッ

宜野座「仕方ない、俺の出番のようだな」ガタッ

朱「宜野座さんには、これを」バサッ

宜野座「これは?」

朱「職務怠慢に関しての反省文をお願いします。字数は8000字以上で、今日私が上がる前までに提出してください」

宜野座「」

須郷「反省文・・・」

蓮池「うひー、宜野座さんお疲れ様です」

朱「あなた達も非番なら宿舎に戻りなさい。青柳監視官と酒々井監視官に報告しますよ?」

須郷「!? そ、それだけは・・・」ダッ

蓮池「勘弁してくださいよ! すぐに戻りますからっ!」ダッ

美佳「なにやってるんだか・・・」

弥生「行きましょう、霜月監視官」

美佳「あっ、はい。ちょっと待ってください・・・」カタカタ タンッ!

弥生「雛河も、もたもたしてないで早く準備しなさい!」

雛河「ヒイぃ・・・!」ビクッ

美佳「よしっ。それじゃあ先輩、行ってきます!」

朱「気を付けてね?」

美佳「了解っ!」ダッ





『定時に終わらせてみんな連れてくから、ちゃんと準備して待ってなさい! 美佳』

Fin

これにて完結です
やっぱりちゃんと展開を決めてから書かないとダメですね
思ったよりラブライブ成分少なかったです

サイコパスの2期は自分的にあまり好きじゃなかったのですが、先日ちゃんと見直してみたら結構面白いことに気付きました(笑)
まぁ美佳ちゃんの扱いはどう見ても酷いけど・・・

読んでくださった方、コメントくださった方ありがとうございました
サイコパス好きな方、3期に期待しましょう( *・ω・)ノシ

原作と違って全てがハッピーエンドでほっこりした@ことり推し

ミスありました
>>153>>154の間に美佳ちゃんのお叱りの言葉が入ります

>>162
コメ感謝!

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