真姫「世界の中心で」凛「にゃーと叫ぶ!」 (46)
とあるまきりんの同人誌を読んで、衝動的に思いついたネタです。
シリアスssです
文章力ないけど小説形式でがんばります。
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ーーカサカサ、と
乾いた音を立てて枯れた葉っぱが、冷たい風と共に足元を転がる。
ちょうど昨日で10月が終わり、一応まだ秋ではあるのだけど、その日は真冬のように寒かった。
あれからもう10年か……そんなことをセンチメンタルに思いながら坂を登る。同じような黒い石が並ぶこの場所に、人影は無い。
ーーーいや、一人だけいた。私の目的地の前で、両手を合わせてしゃがみ、目を閉じている、茶髪の女性。
しばらくして彼女は立ち上がり、振り返ったところで私に気付いた。
「ーー真姫ちゃん!」
「ち、ちょっと花陽!危ないでしょ?!走らないの!」
あの頃となにも変わらない笑顔で駆け寄る彼女を慌てて止める。
「大袈裟だよー」なんて苦笑する花陽。当の本人がこんな調子なので、私の方が気が気ではない。フゥと一息ついて少し膨らんだ彼女のお腹を見る。
「ダメよ。転んだりしたらお腹の子が……」
「もぉー真姫ちゃんまで心配しすぎ!穂乃果ちゃんじゃあるまいし、私そんなドジじゃないもん!」
プクッと頬を膨らませ抗議するその姿は本当に子供みたいだ。だから心配になるのだが……確かに穂乃果を引き合いに出されたら頷くしかない。花陽も言うようになったものだ。
しかし、「真姫ちゃんまで」か、大方、旦那さんにも過保護並の扱いを受けているのだろう。あの優しそうな人なら十分ありえる。
ホント、羨ましい限りだ。ご馳走様。
「それより、まだ花陽だけ?みんなは?」
「まだだよ……というか、流石にまだ2時間も前だけど……」
「あっ……」
やばっ、墓穴を掘った。
「真姫ちゃん、ひょっとして1番最初にお参りしにーー
「ち、違うわよ!ただ、そのっーーよ、予定より早く着いただけ!は、花陽こそ、こんな早い時間に着いてるじゃない!」
「私は、真姫ちゃんならもういるかなって……いつも先にお線香が置いてあるの、真姫ちゃんじゃないかなって思ってたから」
「なっ……」
ばれてた。
毎年この日は、私が集合時間の2時間前に来ては先にお参りし、少し時間を潰してから集合時間の10分前に皆と合流するという流れをとっていたのだが……
「……まさか、花陽にばれていたなんて………」
「ふふっ、伊達に10年以上、親友をやってないよ?」
親友。その言葉に少し気恥ずかしくなり、目をそらしてしまう。ハッとして気づくと、左手で髪を弄っていた。やはり直ったと思った癖も、旧友に合うと蘇ってしまう。
「ほら、真姫ちゃんも挨拶しよ?もっとも、月に一度は掃除に来てるみたいだけど!」
「……はぁ、かなわないわね」
墓石が綺麗にされていることから察したのか、花陽はそう言って少しだけイタズラな笑みを浮かべる。
ホント、完敗だ。あの引っ込み思案な花陽がここまで変わるなんて……それとも私が変わってないだけだろうか?
本当はお線香を買ってきていたのだが、あえて花陽の余りを貰って、火を付けると、独特な香りが鼻を突く。線香皿に乗せ、手を合わせてゆっくりと目を閉じ、懐古の念に包まれる。
(凛……)
心の中で、今は亡きもう1人の親友の名を呼ぶ。ふと、近くで猫の鳴き声が聞こえた気がした。
(誕生日おめでとう……)
***11年前***
「逃げられなーい、かーくごしてーよ、羽まみれー♪Angel Beat♪」
最後の決めポーズと同時に会場に大量の白い羽が舞いあがる。同時に湧き上がる歓声。私と凛は汗だくで呼吸も荒いまま、手を振ってそれに応える。「ありがとうにゃー!!」凛が締めの一言を言って、私達は舞台袖へとはけた。
客席から見えない所まで移動すると同時に、後ろから抱きつかれる。
「まーーーきちゃん!!」
「きゃっ?!ち、ちょっと凛!?」
バランスを崩して倒れそうになるもなんとか持ちこたえる。そして凛の額にチョップをかます。
「いったー!何するのー?!」
「それはコッチのセリフよ!急に抱きついてきたら危ないでしょ?!」
「えー!だってすっごい上手くいったから、真姫ちゃんに抱きつきたくなっちゃったんだもん」
「なっ、なにそれ!イミワカンナイ!」
「まぁまぁ二人とも……」
言い合う私達を宥めるように海未からタオルが渡される。まだ少しだけむくれる凛を見て少し強くかったかなと軽く後悔。
「それにしても、二人ともとっても良かったですよ?特に真姫、ダンスのキレがいつもより凄かったです」
「ふっふーん、実は2人で秘密の特訓をー」
「わっ、り、りん!!」
仕返しのつもりか、ニヤニヤと笑っている。もう!子供なんだから!
「ほら、次は雪穂と亜里沙ですよ?2人のユニットの初ステージです!」
海未の指差す方に目を向けると、そこには少し緊張した表情を見せる2人の後輩。
エリー達が卒業してから数ヶ月。私達はμ'sとしてではなく、アイドル研究部のユニットとして活動していた。無事廃校をまぬがれ、一躍有名になった音ノ木坂学園アイドル研究部。もちろん、話題のラブライブ優勝という実績は大きく、入部希望者は30人を超えた。
複数のユニットが出来る中、流石に全員ライブに参加させる訳にはいかず、出場はオーディション製という形をとった。
学校でライブを開き、学生に投票で出場者を決めてもらうというもの。毎回講堂を借りた大掛かりなライブができるわけじゃないから、屋上で数人を集めた小さなライブなんかを開いたりした。
もちろん、そこに先輩後輩は関係なく、私達も先輩として負けるわけにはいかず、全力でオーディションを取りに行った。一応一年生枠を設けており、今回その枠を勝ち残ったのが、雪穂と亜里沙の二人のユニット。
あの二人は、穂乃果と絵里という、先輩の妹という肩書きに恥じることの無いよう、人一倍練習してきたから、当然といえば当然だ。
特に雪穂は、穂乃果が現役なので、「高坂穂乃果の妹」というレッテルを貼られ続けており、そのプレッシャーに苦悩もしていたようだが、今では姉にも負けない、立派なスクールアイドルになっていると、私は思う。
「ホントだ!凛ここで見てる!」
「あんた、次穂乃果とのPassionateじゃない。準備しないと」
「ガーン!!そーだったにゃー!」
頭を抱える凛を見てほくそ笑む。フンっ、さっきの仕返しよ!
ちょっと誰!?今子供って言ったの!
「うー!真姫ちゃんなんて嫌いにゃー!!」
「・ぇぇ!、あ……」
捨て台詞と共に裏へと走って行く凛。残された海未と私に嫌な沈黙が流れる。ふと、海未から視線を感じる。
「……なによ?」
「いえ、別に……」フィッ
なんなのよもう!別に今の私悪くないじゃない!
「ただ真姫は、強気なのに自分の発言を気にする節がありますから、大丈夫かなー、と思いまして」
図星をつかれ思わずたじろぐ。しかし、ここで同様したら負けだと思った。何に対してかはわからないけど……
「べっつに!気にしないわよ!ただちょっとさっき強く叩いちゃったかなとは思ったけど………」
言ってから、いらんことを言ってしまった自分にハッとする。
うぅ、私ってなんかすごい単純……。思わず髪を弄ってしまう。
「ふふ、大丈夫ですよ。二人にとっては、いつものことですし、凛もそこまで怒ってないと思います。それにーーー」
そこで海未は口元に指を当て、優しげな笑みを浮かべる。
「ーーーこの後のことも、ありますしね」
「みんなー!今日は来てくれてありがとーー!!」
全ての曲が終わり、8人が舞台に上がる。
穂乃果が会場にマイクを向けると、観客はそれに大歓声で応える。
この後の流れとして、穂乃果が締めの挨拶をして終わり。
ーーそう、凛には伝えてある。
「ところで!皆は、今日が何の日か、知ってるかにゃー?」
ニコニコ顏の穂乃果がわざとらしい口調で振り返る。ニコニコ、ニヤニヤしている私達の中で、凛だけがキョトンとしていた。
「そう!今日は私達の仲間、星空凛ちゃんの17歳の誕生日でーーーす!!凛ちゃんおめでとーーーう!!」
その言葉を筆頭に、会場から割れんばかりの拍手がおこる。「凛ちゃーーん」「おめでとにゃー」など、様々な賞賛の声があちこちから聞こえる。一方の凛は、しばらくポカーンとしていたが、だんだん状況が飲み込めてきたのか、顔が綻んでくる。
「わぁー!ありがとにゃーー!」と、はしゃぐ姿を見て、このサプライズを提案して、本当によかったと思える。
ふと、穂乃果と目が合った。瞬間。にやぁ、と小悪魔な笑みを浮かべる。なにやら嫌な予感……。
「ち、な、み、にー、このサプライズを考えてくれたのは、真姫ちゃんでーーーす!!ヒューヒュー!」
「ヴえぇ!?」
ちょっ………穂乃果ーー!!?
それは黙ってるって約束だったじゃない!!
穂乃果に合わせて会場からも茶化す声やら口笛やらが聞こえてくる……は、恥ずかしい……。
チラッと凛を見てみると、おそらくずっとこっちを見ていたのか、彼女と目が合った。
「………」ニコッ
「っーーーー」
少しだけ頬を染めて、嬉しそうに笑う凛に思わず目をそらしてしまう。
穂乃果……あとで覚えてなさいよっ……!
そんなことを思っている私の頬がこれ以上ないくらい緩んでいることは、隣に並ぶことりしか知る由はなかった。
この板でこれだけガチのりんまきは珍しいな
期待
にこまき勢が荒らしませんように
「それじゃー、凛ちゃんおめでとうの気持ちを込めて!知っている人は一緒に歌おう!『愛してるばんざーい!』」
ワァーーーっと歓声が鳴り止む頃に、伴奏が始まる。私も気を取り直しで、歌う態勢を整える。
「愛してるばんざーい!ここでよかったー♪私達の今が、ここにあるー♪」
普段素直になれない私だけど、今日は凛に、今までの感謝を込めて歌う。
ふと、一週間前に交わした会話を思い出す。
『プレゼント、イベントとかで忙しくなっちゃうから、今のうちに渡そうと思って』
『ありがとう真姫ちゃん!』
『真姫ちゃん捕まえた!』
『捕まらないわよ、すぐにまた私が年上になるから』
『またすぐに追いつくにゃ』
「愛してるばんざーい!始まったばかりー」
『…ずっと私のこと、追いかけて来なさい』
『…それは、ずっと友達でいてくれるってこと?』
「明日もよろしくねー、まだー♪」
『真姫ちゃんの曲で踊るの、大好きだもん』
「ゴールじゃなーーい♪」
友達になってくれて、ありがとう。
この世に生まれてきてくれて、ありがとう。
『私の曲で踊る貴女が
大好きよ』
……きっとこの先、卒業して、離れ離れになっても。
またこうやって集まって、笑いあって、一緒に年を取っていくんだと……
この時の私はそう思っていた。
今日はここまで!
百合っていうよりは友情物って感じになるかも!
皆良いお年を!
え、今年はここまでなの(絶望)
続きは来年なのか……
>>8
ちょっと修正
「それじゃー、凛ちゃんおめでとうの気持ちを込めて!知っている人は一緒に歌おう!『愛してるばんざーい!』」
ワァーーーっと歓声が鳴り止む頃に、伴奏が始まる。私も気を取り直しで、歌う態勢を整える。
「愛してるばんざーい!ここでよかったー♪私達の今が、ここにあるー♪」
今、会場が一つになり、皆が凛の誕生日を祝福している。
私も、普段素直になれないけど、今日は凛に、今までの感謝を込めて歌おう。
ーーーふと、一週間前に交わした会話を思い出す。
『プレゼント、イベントとかで忙しくなっちゃうから、今のうちに渡そうと思って』
『ありがとう真姫ちゃん!』
『真姫ちゃん捕まえた!』
『捕まらないわよ、すぐにまた私が年上になるから』
『またすぐに追いつくにゃ』
「愛してるばんざーい!始まったばかりー」
『…ずっと私のこと、追いかけて来なさい』
『…それは、ずっと友達でいてくれるってこと?』
「明日もよろしくねー、まだー♪」
『真姫ちゃんの曲で踊るの、大好きだもん』
……ねぇ、凛。
『私もね』
「ゴールじゃなーーい♪」
友達になってくれて、ありがとう。
この世に生まれてきてくれて、ありがとう。
『私の曲で踊る貴女が
大好きよ』
そのまま続きを!(>∀<)
期待
ちょいと投下しやす!
ーー四月
別れの季節が終わり、出会いの季節がやってきた。校庭の桜はヒラヒラと舞い。暖かい風が校舎を包み込む。
そんな音ノ木坂学園の屋上では、今日も乾いた音が鳴っている。
「ワン、ツー、ワン、ツー!雪穂ちゃん、ちょっと遅れてるにゃ!」
「は、はい!」
穂乃果達が卒業して、私達が最上級生。アイドル研究部は今年入部した子も含めて20人前後。
ほとんどの子は予想以上の練習のハードさについて行けず。辞めていってしまった。少しスクールアイドルに対して軽い気持ちで入っていた子も多かったのだ。
しかし贅沢は言ってられない。20人という数字は決して少なくないし、何より後輩がいるというのはいいものだ。
「よーし、じゃあ15分休憩したら、最初から通してみよー!!」
パンっと一際大きくてを叩いて、元気よく告げる凛。すっかりリーダーが板についている。
そんな様子を、私は少し離れたところで腰を下ろして見ていた。
決して先輩風を吹かせてサボっているわけではない。今度、新入部員を含めた全員で歌う曲の作成のため、ちょっと今日はお休みさせてもらってるだけ。
え、結局それもサボってるだろって?
……うるさいわねー、今からやるわよ。
部費で購入した小型の電子ピアノにイヤホンをさす。そのまま目を閉じ、自分の世界に入り込む。
まずは曲のイメージを決める。やはりアップテンポで可愛い雰囲気の……
と、作曲に集中していると、突然首元にヒヤッとした感覚。
「・ぇあ!?」
思わず変な声を上げてしまう。
「ぴゃああ!?」
続いて背後からも変な声。いや、なんであんたも驚いてんのよ!?
「は、花陽!?驚かせないでよ!?」
「ご、ごごごめんなさい!でも、皆も休憩だし、真姫ちゃんも少し休んだらどうかなー、なんて思って」
そう言って水を差し出してくれる花陽。その笑顔はポカポカと陽だまりのようで、この季節にぴったりだった。
……言えない、今まで皆の方見ててサボってたなんて……
「……そうね、ありがと」
素直に水を受け取り、一口飲む。クーラーボックスに入っていたため、冷たくて美味しいけど、働いて無いのに口にするという少しの罪悪感。
「……曲の方はどう?」
「・っ、えぇっと……そ、そうね。イメージは何とか掴めそうなんだ、けど……」
「そっか、何か手伝えることがあったら遠慮なく言ってね!」
隣に座る花陽。ストレートな質問に真っ直ぐな笑顔。
何よ!サボってた私が悪いわよ!文句ある!?
「……そ、それにしても、去年に比べたら減ったほうだけど、やっぱり20人は多いわね」
少し強引に話題転換をして後輩たちの方に目を向ける。友達と談笑する子、ステップの確認をする子、ハードな練習に息を切らして疼くまる子と、それを心配する子。大丈夫かしら……
「……あれ、行ってあげなくていいの?」
「さっき行ってきたよ。どうしても具合悪いようなら、遠慮せずに休んでって言ってたんだけど、「少し休んだら大丈夫です」って本人が言うから、少し様子を見ようかなって」
「……そう」
板に付いてきたと言えば、花陽もそうだ。後輩が出来てから、最初こそ戸惑っていたが、アイドル研究部の部長として、時に暴走する凛を止めたり、先ほどの様に具合の悪い子の心配をしたり、全体を見れる余裕が生まれている。
最初、大きな声も出せず、緊張しぃだった彼女がここまで成長するとは、感慨深い。
……まぁ、成長したのは内面だけの話では無いが……
「………」ジーーッ
「……あ、あの、真姫ちゃん?」
「な、なによ!私だって小さいわけじゃないんだから!」
「えぇ!?何の話?!」
それから数分、花陽と他愛もない会話を続けていると、「それじゃあ休憩終わりにゃー!」と、元気な声が聞こえてきた。まったくー、あいつの体力ってどうなってるのかしら?
「私も行くね」と、花陽が立ち上がり、私もイヤホンを耳につけて作曲に集中しようとしたその時だった。
「ほ、星空先輩!?」
不穏なざわめきが屋上を包む。
花陽と目を合わせ、集団の中へと駆け寄って見ると、凛が驚いた顔をして、鼻を抑えていて、そこから滴る赤い液体が床に斑点をポタポタと作っていた……
「り、凛!?」
「凛ちゃん!?大丈夫?」
慌てて駆け寄る花陽。近くの後輩に何があったか尋ねてみると、どうやら急に凛が鼻血を出したようだ。何の前触れもなく……
「あ、あはは、みんなごめんね……、ち、ちょっと保険室行ってくる!かよちん、あとお願い!」
「え?り、凛ちゃーーー」
花陽の返答も待たず、そそくさと屋上を後にする凛。
ボーイッシュに見えて、実は1番女の子らしい彼女のことだ。単純に鼻血が出たのが恥ずかしかったのだろう。
結局この日は自主練習という形にして、そのまま解散となった。
部活のあと、凛のお見舞いに保健室に行くと、マスクをつけていた。鼻にティッシュを詰めている顔を見られたくないらしい。
「心配かけてごめんね」と、いつになく弱気で謝る彼女。リーダーとして練習を中断させた責任を感じているんだろう。
とにかく、何ともなくてよかったと、その日は三人で一緒に帰った。
次の日から、またいつもの様に元気な様子で練習に励む凛。
その姿に私も花陽も、なんの疑いも無く共に日々を過ごしていた。
朝おきて、一緒に登校して、授業受けて、凛に宿題写させてー!と頼まれて、花陽と一緒にアルパカの世話をして、三人で一緒に曲を作って、アイドル研の練習をして、一緒に帰って、たまに誰かの家に泊まってーーーー
何気ない、けど大切な、宝物のような日々
そんな日々が、突如崩れ始める。
あの日から一ヶ月後
凛が入院した。
書き溜めおわりー!
誰か俺に文才をくれー!
とりあえず本当に今年の分は終わり!更新はまた来年やねー!
では皆、良いお年を!!
あけおめ
続きは来年か
sage忘れすまん
正直面白いとは思えない
面白いからはよ
まだ物語が始まってないじゃんはよ
あけおめっすー
今日の夜には投下しやす!
因みにとある同人誌というのは、
「追いかけて/捕まえて」というタイトルのりんまき同人誌です。
マジ2人可愛すぎなんで、是非読んでみてね!
牛木先生は神
来たか
楽しみにしてます
ーーーーー
「名前はもう決めているの?」
皆が来るまでの間、私と花陽は少し離れた所にあるカフェに来ていた。10年間、1年毎に来る私のことを、店のマスターにも覚えられ、今日は二人で来たことに少し驚かれた。
「ううん、まだだよ。そうだ!真姫ちゃん名付け親になってよ!」
「ヴェエ?!あ、あたし?」
「うん!実はそれを言うために今日は早く来たんだ!」
少し照れた様にいう花陽。私も少し恥ずかしくなって、ごまかす様にコーヒーを一口飲む。ブラックの苦味が落ち着かせてくれる。
「わ、わかったわ……考えておいてあげる……」
名前かぁ、どんなのがいいのかな?
確か女の子だったわね。やっぱり花をつけた方がいいかしら。でも元気な子に育ってほしいって願いを込めて……
まぁ、今パッと思いつくことでは無いわね、帰ってからじっくり考えましょう。
「あ、そろそろ時間だね。もう出よっか」
「そうね。マスター、お会計」
花陽がサービスでもらったフルーツの盛り合わせの最後の一口を平らげると、私達は席を立った。
レジに行くと、今日はマスターの奢りだと言ってくれた。「また来てくださいね」と軽くウインクをする彼に手を振って玄関へと向かう。
その途中で一匹の猫が駆け寄って来た。猫カフェでは無いのだが、店内に放し飼いにしている。よく躾をされている上に人懐っこく、さっきまで私の膝の上に丸まっていた。
「またね」と、喉元を撫でて呟く。車を近くに停めてあるため、花陽を中で待たせて先に外に出る。
空は清々しいほどに快晴。冷たい空気とは対照的に暖かい日差しが街を照らしていたーー。
******
最近夢を見る。
真っ暗で、何処か分からない場所に私は立っていて。少し先では凛が元気に手を振っている。
私も手を振りかえしてそっちに行こうとするその時、凛の背後に何がが現れる。
それは巨大な鎌を携え、黒いマントに身を包む骸骨ーーー死神。
私は走る。凛の名前を叫びながら、届かないとわかっている、手を伸ばしながら。
凛は、何かを悟ったような、何かを諦めたような、哀しげな笑顔で私を見ている。
もう少し、もう少しと、凛に触れられる一歩手前で
死神の鎌が凛の首を通過するーーー。
蝉の鳴き声が響き渡る七月。
夏のラブライブを、奇しくも準優勝という結果で終えたアイドル研究部。その後私は医大に入学するため引退。今は夏期講習の真っ最中だ。
「えー、じゃあ次のページを……西木野、読んでー」
「………」
「…西木野ー?」
「………」
「西木野真姫!」
「ヴェエ!?は、はい!」
大きな声で名前を呼ばれ慌てて教科書を取り立ち上がる。
えーっと次のページ次のページ………っ!
「さ、三国協商とは19世紀から20世紀にかけて、イギリス、フランス、ロシア帝国の各国の間で……」
「………西木野……今は国語の授業なんだが……」
言われてハッとする。開いていたのは歴史の教科書だった。授業を聞いてなかったのがバレバレだ。
「最近たるんでるぞー」なんて呆れる先生の声と、クスクスと笑うクラスメイトの声、普段の私なら恥ずかしさで顔が真っ赤になっていたと思うけど(もちろん普段はこんな間違いをしないが)、私はただ一言「すいません」と言って席に座った。
気まずい沈黙が教室に流れる。先生が気を取り直して後ろの席の子を指名して、授業を再開した。
私は国語の教科書を取り出し、ページを開くが、授業内容なんて頭に入ってこなかった。
あれからずっと、凛は入院していた。ママは大したことじゃない。なんて言っているけど、私もそんな誤魔化しの効く年齢じゃない。
こっそり病院に忍び込んで、凛のカルテを盗み見る。そこに書かれていた病名は、私も知っていた。
"急性白血病"
ドラマや漫画なんかで聞いたことのある名前だ。そして、その病気にかかった登場人物は、私の知ってる中で、全員ーーー。
そんなのはフィクションの中の演出だと、自分に言いきかせた。そうじゃなかったとしても、自分の見ていたものは古い作品だった。進歩した現代医学なら、容易では無くとも治療法が見つかるはずだ。
そして調べ続けて3週間は経っただろうか。寝不足になりながらも、見つかったのは「骨髄移植」「化学治療」等、どれも生存確率の低いものばかり。
……未だに、これは悪い夢なのではないかと思う、けど何度朝目覚めても、いつもの待ち合わせ場所にいるのは、少し元気の無い花陽だけ。
「真姫ちゃーーん!」と、また元気に後ろから抱きつく凛といたのが、酷く昔のことのように感じていたーーー。
「あ、真姫ちゃん!かよちん!いらっしゃいにゃ!」
夏期講習の帰り、花陽と一緒に私は凛のお見舞いに来ていた……のだが、今日は先客がいた。
「やっほー!二人とも久しぶりだね!」
そこにいたのは元μ'sのリーダー、高坂穂乃果。茶色い髪にサイドテールと、あの頃と変わっていないが、少しだけ化粧している。
「穂乃果、どうしたの?」
「ちょうど今帰省中で、穂むらで新商品ができたみたいだから、凛ちゃんのお見舞いついでで持ってきたんだー」
「真姫ちゃんも食べなよー、すっごく美味しいにゃーー!」
穂乃果とは、凛が入院し始めた頃、1度μ's全員で集まって、お見舞いに来て以来だった。凛の手には抹茶色のほむまんが両手に一個ずつ握られている。
「穂乃果ちゃん、大学はどう?」
「うん、すっごく楽しいよ!自分の好きな授業とれるし、2限からの日は朝寝坊できるしー、講義で作ったお菓子は食べられるしー」
「へぇー、いいなぁー!凛も行きたいにゃー!」
「じゃあ早く、治さなきゃね!ファイトだよ!」
「…うん!ありがとう穂乃果ちゃん!」
滅多に会えない穂乃果との再開に、いつもよりテンションの高い凛。μ'sの先輩の中でも特に仲はよかったし、その顔はとても嬉しそうだ。
凛は、病気のことを皆に話してはいない、それか凛本人も聞かされていないのか……いや、「治さなきゃ」という言葉への反応を見るかぎり、きっと……。
「………」
花陽を交えて楽しそうに話している一方、私はいつも通りに振る舞えずにいた。凛は、少し痩せた。元々スレンダーだった彼女だが、少しだけ痩せこけた頬は、不健康な印象を与える。
「真姫ちゃん?」
名前を呼ばれ、我に返る。顔を上げると3人が心配そうな顔で見ていた。
「大丈夫?顔色悪いみたいだけど……」
そう言って凛は私の手を握ってくる。病人に心配されるなんて、何やってんのよ私……
「ご、ごめん、大丈夫よ!ちょっと考え事をーーー」
慌てて取り繕うように言葉を繋ぎ、凛と目を合わす。
ーーー不意に、その背後に死神が見えた気がした。
漆黒の闇を思わせる様な空洞の目で私を見据え、ケタケタとワラッている。
ーーーオマエニハナニモデキナイ
そんな死神の声を聞きながら
私の意識は闇へと堕ちていった。
ちょっと短いかもですが、今日はおしまい!
また次回!
面白い
期待
乙
乙
ちょっとだけ…
ーーーやらせないわ、あんたなんかにっ………
ーーー私の大切なものを、奪われてたまるもんか!!
痛いぐらいに拳を握りしめて、漆黒の背中に向かって叫ぶ。
死神は振り返り、骨だけの手を私に伸ばす。
オマエニハナニモデキナイ
その声は低く、聞いただけで背筋が凍るように悪寒がはしる。
恐怖からか、体を動かせない私の頬を、無垢な子供を愛でるように、優しく撫でる。
オマエハ、タダアイツガオレニコロサレルノヲ、ミテイルコトシカデキナイ
けたけた、けたけた
歯を鳴らしながら、現実を突きつけられる。言い返したいのに、言葉が出てこない。
オマエニハーーー
死神のもう片方の手に何かが乗っている。それをまるで壊れものを扱うようにそいつは両手に抱いた。
ナニモマモレナイ
バレーボールほどの大きさのそれには、見慣れたオレンジの髪がーーー。
「っーーー」
あまりの衝撃的な光景に体が跳ね起きる。それと同時に風景が一変した。
キョロキョロと周りを見渡してみる。女の子らしいベッド、漫画の並んだ本棚、綺麗に整理された机。
何度か来たことがある、あの頃から変わってない、穂乃果の部屋だ。
なぜこんなとこに………と、頭の整理が追いつかないでいると、扉が開き、穂乃果が入ってくる。
「あ、真姫ちゃん。体調大丈夫?」
「穂乃果……私はいったい………」
差し出されるマグカップを受け取りながら聞いてみると、どうやら貧血で倒れてしまったようだ。
最近凛の病気について調べるのと、あの悪夢のせいで全然眠れなかったから、そのせいだろう。
そんな事を思いながら激しく自己嫌悪。お見舞いに来て自分が倒れるなんて、ほんと、バカみたいだ……。
「真姫ちゃん……ずっとうなされてたよ?どうしたの?」
隣に座り心配そうな顔で見つめてくる穂乃果。目を合わせることができず、マグカップの水面に浮かぶ自分の顔を眺める。酷い顔だ。今にも泣きそうで、崩れそうで………
スッと、不意に手を重ねられる。その手は陽だまりにいるように暖かく……気づけば私は全て話していた。夢のことから、凛の病気のことまで……きっと、凛は皆に知られたくなかったのかも、だから黙ってたのかもしれない。
それでも、止まらなかった。次から次へと言葉が溢れだす。
そして何より、私の気持ち。
初めてできた大切な友達ーーー親友がいなくなってしまうかもしれないという恐怖。自分には何もできないという無力感。
私が凛に抱く全ての思いが……言葉となって溢れ出る。
「やだよっーーーりん……」
自分でもわけがわからないほど、涙が溢れ、口から出るのはいつもの強気な口調とは正反対の、本音だらけの、子供のようなーー
「しんじゃやだっーーー!」
その言葉が漏れた瞬間、何かが壊れたように私は大声をあげて泣いた。
続きはまだか
待ってる
ほ
待ってるよ
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