真姫「友達に順番ってあると思う?」 (29)

矢澤さんのばあい


にこ「ええぇ~……?」

真姫「………」

にこ「………」

真姫「………」ジッ

にこ「……いちおう最初に済ませとくわよ」

真姫「なに?」

にこ「あんたそれって、私は友達が少ないって皮肉?」

真姫「……違うわよ」

にこ「そうよねぇ」

真姫「分かってたでしょ?」

にこ「まぁ~ね~……」



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「ラブライブ!」二次創作『 真姫「友達に順番ってあると思う?」』

※真姫ちゃん誕生日おめでとう!
※でもスケジュールの関係でフライング……
※まきりんぱなメインでほんのりにこまき色のSSです
※9000字くらいなのであっさり終わります
※Cutie Pantherが輝夜の城に獲物は…君だよ!する展開はありません
※よろしければ少しの間お付き合いください



真姫「それで、友達に順番ってあると思う?」

にこ「順番ってあれよね、大事さの順位とか、どっちを優先するかみたいなこと……かしら?」

真姫「ええそうよ。だから教えて?」

にこ「いやちょっと待って、私ほんとに友達多くないから……ばしっとは答えられないわよ」

真姫「そうなの?」

にこ「まあ自分のやりたいこと優先だし。順番つけたくなるほどに友達とは思えないか……順番なんてつけようがないほど貴重かね」

真姫「そうなんだ」

にこ「まあでも答えになんないわよね」

真姫「そうね」



にこ「アイドル的には順番なんてつけられません~☆……じゃないの?」

真姫「常識的には?」

にこ「いやつけるなんて無粋よ。あーけど、八方美人はよくないとも言うわね」

真姫「個人的には?」

にこ「……んー、やっぱり答えらんない」

真姫「エリーや希のことはどう思ってるのよ?」

にこ「……順番なんてつけなきゃいけない時が来ないことを祈ってるわ」

真姫「………」

にこ「心底ね」

真姫「そう」



にこ「なんにせよ答えられてないわね」

真姫「そうね」

にこ「まぁ他の人にも聞いてみたら? 私なんかより、よっぽどできた答えが聞けると思うわよ」

真姫「……そうする」

にこ「ま、結局は自分で決めることだと思うけど、納得できるようにあれこれ参考にしたらいいんじゃない」

真姫「うん」

にこ「そ、じゃあいってらっしゃい」

真姫「……いってきます」





絢瀬さんのばあい

絵里「友達に順番?」

真姫「ええ」

絵里「……何か困ったことでもあった?」

真姫「別に。そういうわけじゃないのよ」

絵里「……高2病?」

真姫「すっごい遺憾の意を表明したいところだけど、まあそれでいいわ」

絵里「そう」

真姫「うん」



絵里「私は順番をつけたくはないわね」

真姫「それはどうして?」

絵里「だって無粋じゃない」

真姫「じゃあどっちか選ばなきゃいけないようなことがあったら?」

絵里「……それでも、順番なんて考えたくないわ」

真姫「そうなんだ」

絵里「確かに物事に順番をつけることは大事よ? それは多分人間関係だってそう。だけど、どうしてもそうしなければならない時までは、私はそういう問題からは目を背けていたいのよ」



真姫「背ける?」

絵里「ええ、背ける。目を背けるって、確かに逃げることではあるのだけれど、私はそういう逃げも必要かなって思ってる。世の中にはどうしようもないこともあって、ハッキリさせると何かが傷つくこともあって、だからこそうやむやにすべきこともあると思うの」

真姫「……そう」

絵里「まぁ考えても仕方がないことだってあるもの。……ごめんなさいね、なんだか厭世的な話になってしまって」

真姫「別にいいわよ。それに参考になったし」

絵里「そう?」

真姫「現実的で絵里らしいと思う」

絵里「そうなのかしら」

真姫「ええ」

絵里「そう。……でもだとしたら、それが私のダメなところなのかもしれないわね」




東條さんのばあい


希「友達に順番かぁ……それでうちのところに来たん?」

真姫「ええ、意見を聞きたくて」

希「他の人にも聞いたん?」

真姫「そうね、あなたで3人目よ」

希「ふ~ん……それは他の人が何て言ってたか気になるなぁ」

真姫「……別に内緒にしとけとは言われてないけど?」

希「いや、ええわ。デリケートなことやし。それに、まぁみんながどんな風に答えるか予想もつくし」

真姫「そう」



希「それで答えやけど、順番はこっそりと、だけどしっかりつけとくって感じかな」

真姫「それはどうして?」

希「そりゃあ真姫ちゃん、いざっていう時に順番つけとかんと、何が優先か分からんようになるし」

真姫「μ’sのみんなにも順番つけてるの?」

希「……言ったやろ、こっそりって」

真姫「ごめん」

希「ええよ」

真姫「うん」





希「まあでも、質問に遠回しに答えるとしたら、うちは何があってもえりちの味方やって思ってる」

真姫「そう」

希「それに、にこっちが誰かとぶつかるようなことがあったら、例えどんなに敵が多かろうが味方になる思うてる」

真姫「うん」

希「μ’sのみんなのことはとっても大切で、見守って助けてあげたいなぁ」

真姫「ふ~ん」

希「………」

真姫「………」

希「……ごめんなぁ」

真姫「ううん。難しいことだって分かってるから」

希「うちは世界のほとんどの人が敵でも、真姫ちゃんの味方やで?」

真姫「ええ、だからこそ希の優しさは頼りになるし、確かなものなんだと思う」

希「せやろか」

真姫「ええ、そうよ」

希「……それがうちの、薄情な部分でもあるんやろけど」





高坂さんの場合


穂乃果「友達に順番?! そんなのつけらんないよ~!」

真姫「ええそうね。穂乃果に聞いた私が間違ってたわ」

穂乃果「え、ちょっと待ってよ、真姫ちゃん?」

真姫「ううん、いいの。ありがと」

穂乃果「真姫ちゃ~~ん!!」


       ―――


穂乃果「それで、友達に順番をつけるかだよね?」

真姫「……ええ、そうよ」

穂乃果「全員が全員ってわけじゃないけど、私はみんな一番だよ?」

真姫「でしょうね。穂乃果はそんな感じ」

穂乃果「真姫ちゃんだって一番の友達だよ!」モッギュー

真姫「はいはい、ありがと」ヒッペガシ

穂乃果「もう、つれないなぁ」

真姫「もう……」

穂乃果「えへへ」




真姫「でもさ、いざって時に順番がでてきたりしない?」

穂乃果「例えばどんな?」

真姫「友達同士が喧嘩してるとか」

穂乃果「どっちかが悪いなら怒るけど、そうじゃないなら頑張って話し合えるようにするよ?」

真姫「友達が同時にピンチだとか」

穂乃果「両方とも頑張って助ける!」

真姫「はぁ……」

穂乃果「だってみんな大切だもん! 私はがんばるよ!」

真姫「そうね……」



穂乃果「……ってさ、私が思うのは自由だよね?」

真姫「え?」

穂乃果「そりゃあ私が1番と思っていても、相手もそうじゃないと完璧な1番じゃないし、1番と言いながら誰かを選ばなきゃいけないこともあるかもしれないし」

真姫「………」

穂乃果「でもそうであっても、私は大切な友達をみんな1番だと思いたい。そしてそうしようってがんばることは、私の自由なんだと思う」

真姫「完璧にそうはできなくとも?」

穂乃果「うん。そうしようとすることが大事なの」

真姫「へぇ……」

穂乃果「だから真姫ちゃんのことも、私は1番大事だよ」

真姫「……あなたって時々、分からない人ね」

穂乃果「そうかな? えへへ……」



穂乃果「だいたい、みんなそんなに難しく考えてないって」

真姫「そうかしら?」

穂乃果「うん。真姫ちゃんが気にしている人たちも、きっとね」

真姫「………」

穂乃果「友達ってたぶん、ほとんど1番大事だし、たいていの人は普通にそう考えてると思うな」

真姫「そうかしら?」

穂乃果「だと思うけどなぁ。……ま、私そんなに頭良くないし、そのくらいの答えでいいよ」





園田さんの場合


海未「友達に順番、ですか?」

真姫「ええ」

海未「なかなか答えにくい質問ですね」

真姫「そうね」

海未「ですが……真面目な相談なんですよね?」

真姫「……ええ」

海未「分かりました。だったら答えないわけには参りません」



海未「最初に確認なのですが、この場合の友達というのは、知り合い程度やちょっとした仲という意味ではないですよね?」

真姫「そうかもしれないわ」

海未「いわゆる親友というような、とても大事な人たちに対して順番のようなものはつけているか、ですね?」

真姫「そうね」

海未「……私に当てはめるなら、穂乃果とことりの話になるのでしょうか?」

真姫「それは海未しだいだけど、たぶんそう」

海未「分かりました。少し時間をください」

真姫「うん」

海未「………」

真姫「………」



海未「……やはり順番は存在するのではないでしょうか?」

真姫「そうなの?」

海未「順番などつけたくはなくとも、現実には存在してしまう、私にとってはそんな感じです」

真姫「そうなんだ」

海未「穂乃果もことりも大切な友人で、そこに優劣などあるはずないのですが……やはり1番の友達という言葉を使った時に、最初に思い浮かぶのは穂乃果ですね」

真姫「うん」

海未「ことりだって並ぶものがいないほど大事な人ですが、やはり1番が穂乃果である以上、2番目ということになってしまうのかもしれません」

真姫「……そっか」

海未「あまり考えてみて、愉快な気持ちになることではありませんけどね」

真姫「それはごめん」





海未「……でもですね、それでもいいと思ってる部分もあるのです」

真姫「え?」

海未「確かに順番は存在するのですが、それはいわゆる、その、優先順位みたいなものだと思うのです」

真姫「………」

海未「私は小さい頃から穂乃果に手を引かれ、振り回され、いつもその存在に影響を受けてきました。だから穂乃果にためにどうするかというのは、私の人間関係にとって根本的な部分の1つで、優先順位としてはどうしたって1番に来るわけです」

真姫「うん」

海未「ことりも恐らく同様で、彼女も1番の友達は穂乃果で、2番は私と考えていると思うんです。ですがだからこそ私はことりとの関係に安心を感じますし、近しいと人だと感じられもするんです」

真姫「そうなんだ」

海未「だから優先順位としての友達の順番はあっても、想いの大きさに序列があるわけではない。情においてその薄さを恥じる必要はないと、そう結論づけています」

真姫「なるほどね」

海未「例えば何かの目的を抱えた穂乃果が死地に立たされているとして、私は彼女を1番に優先するからこそ、その場を脱して彼女の意志を継ごうとするでしょう」

真姫「………」

海未「ですがそれがもしことりだったら、私は恐らくきっとその場で、彼女とともに果てることを選ぶと思います」

真姫「………」

海未「順番はあっても大事さはそれぞれ。そういう問題に思い悩む必要はないのではないでしょうか」

真姫「……海未ってさ」

海未「はい、なんでしょう?」

真姫「やっぱり中二病?」

海未「な、失礼な! 人が真面目に話したというのに!」



真姫「それについては本当にごめんなさい」

海未「……まぁいいです。確かに変な例えだったことは自覚してきました。あぁ、私は何を言って……」

真姫「でも海未って、やっぱりしっかりしてるわね」

海未「そうでしょうか?」

真姫「ええ……少なくとも私なんかよりはずっと」

海未「ふふ、そんなことはないですよ。……ただ、あなたよりも少しだけ早く、友人の順番という問題に悩んできたというだけのことです」

真姫「そうかしらね」

海未「ええ、そうです。真姫も考えているうちに、きっと納得できる答えを見つけられますよ」

真姫「……だといいんだけど。でもありがとう、参考になったわ」

海未「そうなんでしょうかね。……きっと穂乃果やことりから言わせると、私は考えすぎなのでしょうし」





南さんの場合


ことり「友達に順番?」

真姫「ええ、よかったら教えてくれないかしら?」

ことり「別にいいけど……それって私のことかな? それとも一般的に?」

真姫「より興味があるのはことり自身の考え方ね」

ことり「そっかぁ。うん、分かりました」

真姫「悪いわね」

ことり「ううん、いいんだけど……やっぱりその話って、凛ちゃんと花陽ちゃんと真姫ちゃん、3人のことなのかな?」

真姫「………」

ことり「……ごめん、今のは無しでお願い」

真姫「私こそ……にこちゃんに生意気って言われても、これじゃ言い返せないわね。ごめんなさい」

ことり「……うん、じゃあおあいこだね」

真姫「ええ」



ことり「それで友達に順番をつけるかだけど……」

真姫「うん」

ことり「つけたくはないけど、やっぱりついちゃってるって感じかなぁ」

真姫「そう」

ことり「1番の友達って考えた時に、浮かんでくるのは穂乃果ちゃん。そして次に思い浮かべるのは海未ちゃん。だから海未ちゃんは2番なのかなぁ……」

真姫「そうなのね」

ことり「でも2番だからって大事さが弱いわけじゃないし、μ’sのみんなのことだってとっても大事だよ」

真姫「まぁそうよね」

ことり「………」

真姫「………」





ことり「……あのね、変なこと言うなぁと思われるかもだけど」

真姫「別に気にしないわよ」

ことり「うん。そのね、海未ちゃんもきっと同じことを考えてるはずだから、いいのかなぁ……って」

真姫「……へぇ」

ことり「順番ってなんていうか、その人に受けてる影響の大きさというか、その人の存在の大きさによって決まるのかもって思うんだ。そうしたら、小さい頃からいつも手を引いてくれた穂乃果ちゃんは、どうしても1番になっちゃう」

真姫「うん」

ことり「でも穂乃果ちゃんの空いたもう1つの手は、きっと海未ちゃんの手を引っ張っていて、だから海未ちゃんと私は2番目同士かもしれないけど、だけど1番傍にいるの」

真姫「………」

ことり「だから私にとって穂乃果ちゃんも海未ちゃんもとっても大切で、どちらかがってことはないと思うんだ」

真姫「……なんというかあなた達って、凄いわね」

ことり「ふぇ? どうして?」

真姫「海未もまったく同じようなこと言ってたわよ」

ことり「へぇ~、そうなんだぁ。……えへへ」

真姫「ほんと、嬉しそうに笑うわね」



ことり「参考になったかなぁ?」

真姫「そうね、ありがとう」

ことり「……実はもういっこ考えてることがあって、これはまだまだ考えてる途中って感じなんだけどね」

真姫「へえ、聞かせてはくれるのかしら?」

ことり「うん。えっとね、いろいろ考えてみたんだけど、好きの1番ってたくさんあってもいいと思うんだ」

真姫「1番が、たくさん?」

ことり「そう。何かの基準があって、それで1番の友達ってのはあると思うんだけど、その基準ってのは実際はたくさんあって、それぞれ1番がいてもいいのかなって」

真姫「……?」

ことり「例えば1番に傍に居なきゃって友達は穂乃果ちゃん。だけど1番傍にいてくれる友達は海未ちゃん」

真姫「うん」

ことり「ほかにも1番尊敬できる年上の友達や、1番包んでくれる年上の友達。1番カッコイイなと思える年上の友達。手がかかって可愛い年下の友達。ちょっと自信がなくて背中を押してあげたい友達」

真姫「………」

ことり「他にも本当は優しいのに不器用で、見守ってあげたいなって思う友達」

真姫「……うん」

ことり「色んな友だちがいて、色んな基準や尺度の1番があって、それはその時々で変わって……。1番はたくさんあるの。ある程度大事と思える先には、きっと順番はあっても、たくさんの1番が枝分かれしているの」

真姫「……そうかしらね」

ことり「うん、きっとそうだよ。……だから自分の1番と思える友達が、他の人をより1番と思ってるように見えても、自分が1番と思えるほど仲が良いいだったら、ただその人のある1番が目立っているだけで、他の1番はきっと自分の方に向いている……なんて、なに言ってるのか分かんなくなってきたけど。うーん」

真姫「ううん、とっても参考になったわよ。ありがと」




ことり「ごめんねぇ。海未ちゃんみたいに、分かりやすく自分の考えを言葉にできればいいんだけど」

真姫「海未もたいがい自分の感情に不器用な気がするけどね」

ことり「ううん、海未ちゃんは大事な気持ちはきちんと言葉にしてくれるから」

真姫「あなたもさっきの話、海未に聞かせてあげたら? たぶん泣くわよ」

ことり「ふふ、そうかもね。海未ちゃん、とっても寂しがりやさんだから、こういう話にとっても弱いんだ」

真姫「……ほんとあなた達って、仲いいわね」

ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんのおかげでね。私はハッキリしてくれる穂乃果ちゃんと海未ちゃんの間で、ちょっとずるっこさんだから。もっと言葉にしないと、本当はいけないんだろうけど」




まきりんぱなの場合


真姫「ねぇ、ちょっと……」

花陽「ん、な~に、真姫ちゃん?」

凛「なにかにゃ何かにゃ??」

真姫「んっと……」

花陽「……」

凛「……?」

真姫「……ごめん、なんでもない」



凛「え~?! 言いかけは何か気持ち悪いにゃ~」

花陽「何か言いたいことがあったら、何でも聞くよ?」

真姫「ううん、別にいいのよ」

凛「もしかして、言いにくいこと?」

花陽「な、何か困ってたり……」

真姫「って、そんなん大層なことじゃないわよ。……ただ、何か話そうと思ったけど、話そうと思ったことをど忘れしちゃって」

凛「真姫ちゃんでもど忘れすることあるんだぁ~」

花陽「ええっ、もしかして熱が……」

真姫「ないわよっ! もう、気にし過ぎだから。そろそろ生徒会トリオも来るだろうし、着替えるわよ」ガタッ

花陽「あ、待って~……」

凛「私たちも行こっか。にこちゃん、先に着替えてるね」



にこ「……ちょい待ち」

凛「ふぇ?」

花陽「……?」

にこ「あんた達、ちょっと話があるんだけど……」



西木野さんの場合


真姫「ただいま~……って、何? チェーン??」ガチャッ ガッ

  「(いやなんでチェーン? ふだんかけないのに)」ガタン

ピンポーン

……タッタッタ…ガタッ ガチャッ

真姫ママ「あら、お帰りなさい」

真姫「いやお帰りなさいって、何でチェーンなんかかけてるのよ?」

真姫ママ「それはごめんなさい。ちょっと夜勤の休憩時間にね、することなくてぼんやりテレビを見ていたら、防犯特集とかやっていたのよ。それでこの家の施錠は大丈夫かなーって昼に確かめていたら、そのままにしてたのかしら?」

真姫「何よそれ……。だいたい今さらチェーンがどうとかって防犯してないでしょ」

真姫ママ「それもそうかしらね」

真姫「じゃあ部屋にいるから」

真姫ママ「はい、お菓子とか欲しかったら用意してるからね」

真姫「? お腹すいたら、まぁ取りに行くけど」

真姫ママ「うふふ」



真姫「(いや普段からそんなに間食してないと思うけど)」スタ スタ スタ

  「(アイ活してるのもバレたし、お腹空いてるとでも思ってるのかしら?)」タン タン タン

  「(まぁ辞めろとか言われなかったのはよかったけど、変に気を使われても――)」スタ スタ ガチャ

凛「ふしゃぁ~~!」ネコノテ

真姫「ううぇぇ?!?!」

花陽「あ、おかえり~、真姫ちゃん」

にこ「やっぱギリギリになったわね……」

真姫「え? 3人とも広報部の活動があるから……っていうか私の部屋?? え??」

凛「まぁまぁ、まずは落ち着くにゃ~」

真姫「いや落ち着いてらんないわよ。意味分かんない。説明しなさいよ!」

にこ「いやあんたん家で遊ぼうかと思って」

真姫「じゃあまず私に言いなさいよ。てかどうやって入ったの?」

にこ「普通におば様に話し通したわよ。だって~、にこ~、前に真姫ちゃん家に泊まったとき~、お母様に気に入られちゃって~☆」

凛「にこちゃん、今はそれ余計だにゃ」

にこ「うっさいわね! それに今回は何も誇張してないでしょ!」

凛「普段はそうは思ってるんだ……」

花陽「えっとね、真姫ちゃんのお母さんに、ちょっと落ち込んでるみたいだからビックリさせたいって言ったら、どうぞって言ってくれて……」

真姫「……はぁ、なるほどね」



真姫「(だからチェーンなんてかけてチャイムをならさせたのね。凛のあの仕込みがうまくいくように)」

  「(いやこんなくだんないことに大人が協力しないでよ)」

  「(だいたい最近喜びすぎなのよ。ちょっと友達が家に来るようになったくらいで、年甲斐もなくはしゃいだりして……)」

にこ「ちなみにあんたの後に学校出たのに、先に部屋にいるのは先回りしたからよ」

凛「けっこう大変だったにゃ~……」

花陽「住宅街だから、道に困ったりはしなかったんだけどね」

真姫「あぁ、そう……。それで、どうしてこんなことしたのよ?」

凛「だって真姫ちゃん、練習の前ちょっと変だったにゃ!」

花陽「それでにこちゃんが、真姫ちゃんが落ち込んでるかもっていうから、私たち心配で……」

真姫「いやだからって、練習終わった後に声かければいいじゃない。わざわざこんな家まで来て……」

花陽「だ、だって、真姫ちゃん中々ほんとの気持ち教えてくれないから……!」

凛「そうだよ! だから真姫ちゃんが落ち込んでる時は、もう最優先だから! 泊まり込みで徹底抗戦だよ!」

真姫「へ?」

花陽「えっとね、真姫ちゃんが落ち込んでる時とかね、なかなか気づいてあげられないから、分かった時は何かしたいなって」

凛「うんうん。なかなかしっぽをださない真姫ちゃんのしっぽを掴んだんだもん、とにかく突撃だにゃ!」

真姫「………」



凛「ねぇねぇ、だから真姫ちゃん、何か言いたいことがあるなら話してよ~」

花陽「そうだよ。私なんかじゃ頼りないけど、ええと凛ちゃんもにこちゃんもいるし……」

凛「だからねぇ、真姫ちゃん!」

花陽「真姫ちゃん!」

真姫「……いや、あんた達、ほんとバカね……。」

凛「え~、ひどいにゃ~……」

真姫「確かにちょっと落ち込んでたけど、なんか寂しいなとか、将来どうなるのかなって、そういうことぼんやり考えてただけだから」

花陽「そうなの?」

真姫「うん。深刻な悩みなんかじゃなくて、本当は問題なんて何もないのに、ふと不安になっちゃったってだけの、そんな、どうでも、いいこと……」

にこ「………」

  「あ~、にこお腹空いちゃったなぁ~」



凛「え?」

にこ「おば様もお菓子ご用意してくれてるって言ってたし~、せっかくだからごちそうになりたいなぁ~って」

花陽「そ、そんなにこちゃん、もう少し遠慮したほうが……」

にこ「だから真姫ちゃん。一緒に下にお菓子と飲み物取りに行こっ?」

真姫「……そうね」

凛「あ、真姫ちゃ~ん」

花陽「真姫ちゃん」

真姫「……すぐ戻るから」

ガタン


真姫「………」

にこ「………」

真姫「……にこちゃん」

にこ「なによ?」

真姫「……余計なお世話」

にこ「……あんたあんまりそれすると友達なくすわよ」



真姫「どこまであの2人に言ったの?」

にこ「別に。ただ落ち込んでるかもって、何も相談受けてなくったって2人に話したぐらいのことしか言ってないわよ」

真姫「そう」

にこ「あの2人が来たいって言ったのよ。ここに」

真姫「……誘導はしたでしょ?」

にこ「多少はね」



真姫「私って、馬鹿みたいね」

にこ「別にそうとは思わないわよ。みんな色々悩んでたんじゃないの?」

真姫「……そうね」

にこ「にこもあの後考えたんだけどね」

真姫「うん」

にこ「1番とか2番とか、そういうの考える暇があったら、遊んだらいいんじゃないって答えしか出てこなかった」

真姫「ふ~ん」

にこ「根本的な解決にはならないけどね。まぁ、考えても仕方ないことの部類な気がするし、実際にあの子らの好き好きビーム浴びてたら、すぐに忘れるでしょ? 1番とか2番とか」

真姫「……そうね」

にこ「……ま、あんま理屈っぽいこと言えないのは悪いとは思うけど」

真姫「ううん、にこちゃんらしいと思う」



にこ「それで、真姫ちゃんは何か答えは見つかった?」

真姫「まだ、かな。μ’sのみんなの話を聞いて、いろいろ参考になったけど、どれが私の答えになるってわけじゃないし、その辺はおいおい私の答えを見つければいいんだと思う」

にこ「そっか。……よかったね」

真姫「うん」

にこ「じゃあ真姫ちゃん……おかえりなさい」

真姫「……ただいま。あと」

にこ「ん?」

真姫「…………ありがと」


はい、たったこれだけです;

真姫ちゃんのことを考えたとき、ピアノのことや家のこと(あとにこちゃんのこと!)は自分で何とかするだろうと考えて、にっちもさっちも行かなくなるのはりんぱなのことだと思います。
2年トリオが盤石で、3年トリオもなんだかんだうまくいきそうな一方で、どうにもまきりんぱなは成立が難しそう。
りんぱなが2人で完成しすぎてるからで、じゃあ真姫ちゃんは仲間はずれかというとそうじゃなくて、なんて妄想してたらこんなssにw

読んでくださった方、本当にありがとうございました。


あと個人的にはよくことうみが2番目同士って言われますが、それに対する自分なりの妄想もまとめたかったりw
そういえば前にssを書いたとき、海未ちゃんが頑張り過ぎで心配とか言いましたが、2期でさらにやること増えましたね;
でも2話で楽しそうな様子だったので何よりです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月19日 (土) 08:55:17   ID: I0u98err

やっぱりにこまきりんぱなの1年生カルテットは最高やで!!

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