DJ「ミッドナイト・DJラジオのお時間ですよ~!」 (16)

DJ「今日は、芸人Aさんをお招きしてお送りしております!」

A「Aです。よろしくお願いしまーす」

DJ「この番組では、Aさんに質問したいことをメールで募集しています!宛先はこちらのアドレス」

A「この時間みんな寝てるんじゃないの? 大丈夫?」

DJ「それがね、結構みんな起きてるもんなんですって」

A「へえ~」

DJ「Aさんは最近お忙しそうですけど。バンバンテレビなんかにも出ちゃって」

A「おかげさまでね。実はさっきもタクシーの中で寝てたの」

DJ「ははは。そういう裏話も聞けるMDJラジオですからどしどしお便りくださいね」

A「お待ちしてま~す」

DJ「ではいつものコーナーの前に1曲、香住しのぶで『狂い咲き』です」

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DJ「Aさんといえば、最近バラエティ番組の司会もなさってますよね」

A「やっと冠番組が持てましてね。深夜番組だけどね」

DJ「実はぼく、あの番組好きなんですよ」

A「見てくれてるんだ」

DJ「ちょうどオフの日だから(笑)。いや~面白いですよね。特にあの企画が」

A「いいの? 他局の話しちゃって」

DJ「この番組そういうとこ、ゆるいですから」

A「なるほど(笑)」

DJ「……と、言ってる間にさっそくメールが来たようですので、読んでみましょう」

DJ「えー、東京都にお住まいの、ペンネーム『MDJ大好きっ子』さんから」

DJ「『DJさん、Aさんこんばんは』」

A「こんばんは~」

DJ「『今日はAさんがMDJラジオに出ると知って、放送を楽しみにしていました』」

A「ありがとうございます!」

DJ「『さっそくAさんに質問なのですが』」

A「はいはい」

DJ「『私は最近、頭頂部がさみしくなってきてるようでとても辛いです』と」

A「ほう」

DJ「『Aさんは何か、頭髪のケアをしていますか? また、しているのなら、どんなケアをしているのか教えてください』」

ほほお

A「あのね、この時期のケアは大切よ」

DJ「まあね~、湿度の問題とかでね」

A「そう。ハゲには乾燥が天敵だから」

DJ「その辺の話、この間、Aさんの出てる番組でも言ってましたよね」

A「おれも生え際ちょっと来ちゃってるからね(笑)。ほら、この辺とか」

DJ「はははは。この辺とか言ってもラジオじゃ見えないわけですが……」

A「だから育毛は大事よ。シャンプーも変えたしね」

DJ「へえ~」

A「今CMでやってるでしょ? 『揺るぎない育毛、スカ』」

DJ「わーわーわー! 商品名は言っちゃだめです」

A「あれ、商品名だめだっけ?」

DJ「うちのスポンサーが発毛関係の商品出してますから」

A「あ、そうか。あれでしょ? 『男いきいき、ヘアの素』」

DJ「はい。そういうのはぜひ堂々とやってください(笑)」

A「(笑)まあそんなことでね、とにかくシャンプーを変えましょうと」

DJ「うん」

A「あとは頭皮をこまめにマッサージすることかな」

DJ「それ大事ですよね」

A「……実はボケたほうが良かった? なんか真面目な話になっちゃってるけど」

DJ「お気づかいありがとうございます(笑)」

DJ「では次のメールです。えー静岡県のヨシオさんから。『DJさんAさんお疲れ様です』」

A「はいお疲れ様です」

DJ「『Aさんといえば一発ギャグ、一発ギャグといえばAさんですが、最近はそのギャグが影をひそめて寂しいです』と」

A「うん」

DJ「『そこで提案なのですが』」

DJ「『AさんにMDJラジオのジングルとして、Aさんの一発ギャグを収録してもらうというのはどうでしょうか』」

A「……なるほどね」

DJ「これいいんじゃないですか? この番組のジングルにも新しい風が欲しかったところですから」

A「分かりました! じゃあ考えときましょう」

DJ「えっ?」

A「えっ?」

DJ「考えときましょうって?」

A「なにが?」

DJ「今やってくれるんじゃないんですか?」

A「いや、やりたいんだけど録音機材ないでしょ?」

DJ「またまた(笑)。ここラジオ局なんだから」

A「あるのね」

DJ「はい。じゃあパパッと収録しちゃいましょうか」

A「何を?」

DJ「えっ?」

A「えっ?」

DJ「いや一発ギャグを。お得意なんですよね」

A「ああ得意ですよ。一発ギャグの帝王って呼ばれてましたからね」

DJ「誰に呼ばれてたんですか?」

A「そらもうあの人ですよ。某漫才の師匠の」

DJ「ものっ凄い考えてる雰囲気がプンプンする(笑)」

A「考えてるとか失礼やな!」

DJ「じゃ行きます? マイク用意できてるんで」

A「いいですよ。ああでも、その前に曲行きたいらしいですよ」

DJ「……」

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DJ「というわけで聴いていただきました、千枚刺し男で『はねっ返り』」

A「いや~いい曲ですよね。おれもこの曲、自分の車の中でヘビーローションしてるの」

DJ「ローションて」

A「なんか違ったっけ?」

DJ「もういいです。次のお便り来てるんで」

A「はい」

DJ「え~こちらは岐阜県のラジオネーム、夜うららさんからですね」

DJ「『Aさんこんばんは!』」

A「はいこんばんは」

DJ「『Aさんといえば、最近チュパカブラと戦ったことがあるそうですが、その時の感想を聞かせてください』と」

A「チュパカブラ知ってます?」

DJ「いや~……ぼくは見たことないんでね。名前は知ってますけど」

A「そらもうビックリしますよ」

DJ「何にビックリするんですか」

A「大きさに」

DJ「やっぱ大きいんですか」

A「何ていうの? 偏平足」

DJ「偏平足!?」

A「そう。ものっ凄い偏平足」

DJ「それ大きさ関係ないじゃないですか」

A「土踏まずがないんですよ」

DJ「知らんがな」

A「で、何でしたっけ」

DJ「そのチュパカブラと戦った感想を聞かせてほしいと」

A「ああ、そうそう。あれは苦労しましたね」

DJ「ほうほう」

A「おれが藤岡弘、探検隊にいたころの話ですよね」

DJ「えっ?『水曜スペシャル』?」

A「いやオフレコですよ」

DJ「オフレコで藤岡弘、探検隊ってやるんですか?」

A「だってカメラ回ってる間に、そう都合よくチュパカブラ出ないじゃないですか」

DJ「ていうか回ってなくても出ないと思うんですが……」

A「でね、出くわしたのはおれがキャンプでカレー作ってる途中ですわ」

DJ「カレー?」

A「キャンプといえばカレーでしょうが」

DJ「ちょっと待って。Aさんどこでキャンプしてたんですか」

A「多摩川ですよ」

DJ「えー!! 多摩川にチュパカブラいたの」

A「いますよそりゃ。5匹いましたよ」

DJ「5匹もおったら大問題じゃないですか」

A「だから藤岡弘、探検隊の出番になったわけですよ」

DJ「でもオフレコやったんでしょ?」

A「まあオフレコというか、正確にはテープチャンジの時ですよね」

DJ「チャンジて」

A「で、何くそ! ということで、おれとチュパカブラの大立ち回りですよ」

DJ「でも向こうは5匹いるわけでしょ?」

A「そうですよ」

DJ「Aさんと藤岡弘、さんだけじゃ勝ち目ないじゃないですか」

A「いや藤岡さんはいなかったからね、探検隊に」

DJ「どういうことですか」

A「そらもう名義貸しですよね」

DJ「あー、なんか話がヤバいことになりそうなのでもうやめときましょう」

A「じゃあ一発ギャグの話する?」

DJ「もうええわ」

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DJ「えー、きょう最後の曲を聴いてもらいました。ファーファ大介の『柔軟剤バカ一代』」

DJ「今日はお笑い芸人のAさんをお招きして、いろいろ面白い話を聞かせてもらったわけですが」

DJ「Aさんどうもありがとうございました」

A「なんかあっという間だねー」

DJ「けっこうお便り来てたんですけどね。残念ながらお時間となってしまいました」

A「チュパカブラの話であと2時間は話せるんだけどね」

DJ「それはもう自分の番組でやってください(笑)。最後にAさん、告知があるということですが」

A「はい! 来週の土曜日に大衆演芸小ホールで単独ライブがありますので、ぜひ皆さん来てください」

DJ「まだチケットは間に合う?」

A「立ち見がちょっと残ってるらしいんで、詳しくは事務所の方に問合せてくださ~い」

DJ「分かりました。ということで楽しい時間を過ごしてまいりましたMDJラジオ、そろそろお時間となりました」

DJ「Aさん、また来てくださいね」

A「はい。まだジングル録ってないからね」

DJ「ははは。お相手はわたくしDJと」

A「Aでお送りしました~」

DJ「ではまた来週、同じ時間にお会いしましょう。さようなら~」

A「またね~」


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DJ「お疲れ様でした~」

A「どうもでした~」

DJ「いやーさすが芸人さんですね。しゃべりが面白かった!」

A「いやいや」

DJ「また番組の方もチェックさせてもらいますね」

A「ありがとうございます」

DJ「……で、チュパカブラってマジで偏平足なの?」

A「そこ信じとったんかい!」



おわり

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