DJ「今日は、芸人Aさんをお招きしてお送りしております!」
A「Aです。よろしくお願いしまーす」
DJ「この番組では、Aさんに質問したいことをメールで募集しています!宛先はこちらのアドレス」
A「この時間みんな寝てるんじゃないの? 大丈夫?」
DJ「それがね、結構みんな起きてるもんなんですって」
A「へえ~」
DJ「Aさんは最近お忙しそうですけど。バンバンテレビなんかにも出ちゃって」
A「おかげさまでね。実はさっきもタクシーの中で寝てたの」
DJ「ははは。そういう裏話も聞けるMDJラジオですからどしどしお便りくださいね」
A「お待ちしてま~す」
DJ「ではいつものコーナーの前に1曲、香住しのぶで『狂い咲き』です」
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DJ「Aさんといえば、最近バラエティ番組の司会もなさってますよね」
A「やっと冠番組が持てましてね。深夜番組だけどね」
DJ「実はぼく、あの番組好きなんですよ」
A「見てくれてるんだ」
DJ「ちょうどオフの日だから(笑)。いや~面白いですよね。特にあの企画が」
A「いいの? 他局の話しちゃって」
DJ「この番組そういうとこ、ゆるいですから」
A「なるほど(笑)」
DJ「……と、言ってる間にさっそくメールが来たようですので、読んでみましょう」
DJ「えー、東京都にお住まいの、ペンネーム『MDJ大好きっ子』さんから」
DJ「『DJさん、Aさんこんばんは』」
A「こんばんは~」
DJ「『今日はAさんがMDJラジオに出ると知って、放送を楽しみにしていました』」
A「ありがとうございます!」
DJ「『さっそくAさんに質問なのですが』」
A「はいはい」
DJ「『私は最近、頭頂部がさみしくなってきてるようでとても辛いです』と」
A「ほう」
DJ「『Aさんは何か、頭髪のケアをしていますか? また、しているのなら、どんなケアをしているのか教えてください』」
A「あのね、この時期のケアは大切よ」
DJ「まあね~、湿度の問題とかでね」
A「そう。ハゲには乾燥が天敵だから」
DJ「その辺の話、この間、Aさんの出てる番組でも言ってましたよね」
A「おれも生え際ちょっと来ちゃってるからね(笑)。ほら、この辺とか」
DJ「はははは。この辺とか言ってもラジオじゃ見えないわけですが……」
A「だから育毛は大事よ。シャンプーも変えたしね」
DJ「へえ~」
A「今CMでやってるでしょ? 『揺るぎない育毛、スカ』」
DJ「わーわーわー! 商品名は言っちゃだめです」
A「あれ、商品名だめだっけ?」
DJ「うちのスポンサーが発毛関係の商品出してますから」
A「あ、そうか。あれでしょ? 『男いきいき、ヘアの素』」
DJ「はい。そういうのはぜひ堂々とやってください(笑)」
A「(笑)まあそんなことでね、とにかくシャンプーを変えましょうと」
DJ「うん」
A「あとは頭皮をこまめにマッサージすることかな」
DJ「それ大事ですよね」
A「……実はボケたほうが良かった? なんか真面目な話になっちゃってるけど」
DJ「お気づかいありがとうございます(笑)」
DJ「では次のメールです。えー静岡県のヨシオさんから。『DJさんAさんお疲れ様です』」
A「はいお疲れ様です」
DJ「『Aさんといえば一発ギャグ、一発ギャグといえばAさんですが、最近はそのギャグが影をひそめて寂しいです』と」
A「うん」
DJ「『そこで提案なのですが』」
DJ「『AさんにMDJラジオのジングルとして、Aさんの一発ギャグを収録してもらうというのはどうでしょうか』」
A「……なるほどね」
DJ「これいいんじゃないですか? この番組のジングルにも新しい風が欲しかったところですから」
A「分かりました! じゃあ考えときましょう」
DJ「えっ?」
A「えっ?」
DJ「考えときましょうって?」
A「なにが?」
DJ「今やってくれるんじゃないんですか?」
A「いや、やりたいんだけど録音機材ないでしょ?」
DJ「またまた(笑)。ここラジオ局なんだから」
A「あるのね」
DJ「はい。じゃあパパッと収録しちゃいましょうか」
A「何を?」
DJ「えっ?」
A「えっ?」
DJ「いや一発ギャグを。お得意なんですよね」
A「ああ得意ですよ。一発ギャグの帝王って呼ばれてましたからね」
DJ「誰に呼ばれてたんですか?」
A「そらもうあの人ですよ。某漫才の師匠の」
DJ「ものっ凄い考えてる雰囲気がプンプンする(笑)」
A「考えてるとか失礼やな!」
DJ「じゃ行きます? マイク用意できてるんで」
A「いいですよ。ああでも、その前に曲行きたいらしいですよ」
DJ「……」
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DJ「というわけで聴いていただきました、千枚刺し男で『はねっ返り』」
A「いや~いい曲ですよね。おれもこの曲、自分の車の中でヘビーローションしてるの」
DJ「ローションて」
A「なんか違ったっけ?」
DJ「もういいです。次のお便り来てるんで」
A「はい」
DJ「え~こちらは岐阜県のラジオネーム、夜うららさんからですね」
DJ「『Aさんこんばんは!』」
A「はいこんばんは」
DJ「『Aさんといえば、最近チュパカブラと戦ったことがあるそうですが、その時の感想を聞かせてください』と」
A「チュパカブラ知ってます?」
DJ「いや~……ぼくは見たことないんでね。名前は知ってますけど」
A「そらもうビックリしますよ」
DJ「何にビックリするんですか」
A「大きさに」
DJ「やっぱ大きいんですか」
A「何ていうの? 偏平足」
DJ「偏平足!?」
A「そう。ものっ凄い偏平足」
DJ「それ大きさ関係ないじゃないですか」
A「土踏まずがないんですよ」
DJ「知らんがな」
A「で、何でしたっけ」
DJ「そのチュパカブラと戦った感想を聞かせてほしいと」
A「ああ、そうそう。あれは苦労しましたね」
DJ「ほうほう」
A「おれが藤岡弘、探検隊にいたころの話ですよね」
DJ「えっ?『水曜スペシャル』?」
A「いやオフレコですよ」
DJ「オフレコで藤岡弘、探検隊ってやるんですか?」
A「だってカメラ回ってる間に、そう都合よくチュパカブラ出ないじゃないですか」
DJ「ていうか回ってなくても出ないと思うんですが……」
A「でね、出くわしたのはおれがキャンプでカレー作ってる途中ですわ」
DJ「カレー?」
A「キャンプといえばカレーでしょうが」
DJ「ちょっと待って。Aさんどこでキャンプしてたんですか」
A「多摩川ですよ」
DJ「えー!! 多摩川にチュパカブラいたの」
A「いますよそりゃ。5匹いましたよ」
DJ「5匹もおったら大問題じゃないですか」
A「だから藤岡弘、探検隊の出番になったわけですよ」
DJ「でもオフレコやったんでしょ?」
A「まあオフレコというか、正確にはテープチャンジの時ですよね」
DJ「チャンジて」
A「で、何くそ! ということで、おれとチュパカブラの大立ち回りですよ」
DJ「でも向こうは5匹いるわけでしょ?」
A「そうですよ」
DJ「Aさんと藤岡弘、さんだけじゃ勝ち目ないじゃないですか」
A「いや藤岡さんはいなかったからね、探検隊に」
DJ「どういうことですか」
A「そらもう名義貸しですよね」
DJ「あー、なんか話がヤバいことになりそうなのでもうやめときましょう」
A「じゃあ一発ギャグの話する?」
DJ「もうええわ」
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DJ「えー、きょう最後の曲を聴いてもらいました。ファーファ大介の『柔軟剤バカ一代』」
DJ「今日はお笑い芸人のAさんをお招きして、いろいろ面白い話を聞かせてもらったわけですが」
DJ「Aさんどうもありがとうございました」
A「なんかあっという間だねー」
DJ「けっこうお便り来てたんですけどね。残念ながらお時間となってしまいました」
A「チュパカブラの話であと2時間は話せるんだけどね」
DJ「それはもう自分の番組でやってください(笑)。最後にAさん、告知があるということですが」
A「はい! 来週の土曜日に大衆演芸小ホールで単独ライブがありますので、ぜひ皆さん来てください」
DJ「まだチケットは間に合う?」
A「立ち見がちょっと残ってるらしいんで、詳しくは事務所の方に問合せてくださ~い」
DJ「分かりました。ということで楽しい時間を過ごしてまいりましたMDJラジオ、そろそろお時間となりました」
DJ「Aさん、また来てくださいね」
A「はい。まだジングル録ってないからね」
DJ「ははは。お相手はわたくしDJと」
A「Aでお送りしました~」
DJ「ではまた来週、同じ時間にお会いしましょう。さようなら~」
A「またね~」
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DJ「お疲れ様でした~」
A「どうもでした~」
DJ「いやーさすが芸人さんですね。しゃべりが面白かった!」
A「いやいや」
DJ「また番組の方もチェックさせてもらいますね」
A「ありがとうございます」
DJ「……で、チュパカブラってマジで偏平足なの?」
A「そこ信じとったんかい!」
おわり
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