STAP細胞「サムラゴウチ・・・」佐村河内「!?」 (12)

STAP細胞「我を受け入れよ・・・」

佐村河内「そんな、いくら耳のためだからと言っても・・・」

STAP細胞「聞こえてるじゃねえか」

佐村河内「」

STAP細胞「で、どうすんの?」

佐村河内「耳が悪いのは事実ですよ」

STAP細胞「ほーん。じゃあ我を拒絶するのな」

佐村河内「だいたい居たのならなんでもっと早く出なかったんだ!死人がでてるのに!」

スタプ細胞喋れんのか

STAP細胞「我がいると都合の悪い連中がいるのでな」

佐村河内「なるほど・・・」

STAP細胞「お前も権力に握りつぶされた者ならわかるだろう」

佐村河内「私はいいんです。ゴーストライターがいたのは事実ですからね」

STAP細胞「そのゴーストライターは今や善人扱いでスター気取りだが?」

佐村河内「ええ。お互いを利用してきた関係だったのに、
急に自分だけ被害者面してるのは憎たらしいですよ。
奴だって私を踏み台にしなければ今の地位は無かったのに・・・」

STAP細胞「わかるよ。我もES細胞と間違われて名誉を傷つけられたからな」

STAP細胞「しかし世の中とは非合理的で理不尽なものだ」

佐村河内「身にしみますね」

STAP細胞「しかしかつてはその理不尽における勝者だったのが貴様のはずだ」

佐村河内「わかっています・・・。私はズルをした。それは間違いない」

佐村河内「でも世の中なんてみんなズルしてるじゃないか
私はたまたまそれがバレて吊るしあげられた
正直を言えばそういう気持ちもあるんです。

もちろん反省をしている心もあります。
でもゴーストライターの成り上がりぶりをみると、
結局そういうことじゃないか、と。」

STAP細胞「貴様の場合は下克上を食らったのだからなおさらだろうな。冷静な意見とはいえまい」


佐村河内「・・・・・・・はい」



STAP細胞「我を受け入れよ」


佐村河内「それはできないと・・・」

懐かしい

STAP細胞「この期に及んでまだ耳の聞こえないキャラを続けるつもりか?」


佐村河内「障害レベルではなかったにしろ、
耳が悪いのは事実なんですよ。それだけは信じてください」


STAP細胞「そうではない。
我の力を使えば新鮮な聴音器官が手に入るというのに
耳が聞こえないキャラで芸人でも目指しているのか?」



佐村河内「私は音楽の世界で生きたい。
楽譜のかけない私にとって音が聞こえないのはこの上なく都合がいい!
弱点を付加価値に変える生存戦略なのです。

決してやましいことじゃない。これが私に配られたカード、そして戦い方だ。

STAP細胞「人間とはつくづく面白いな。
そんな周りくどいことをせず
楽譜の勉強をしたらいいのではないか?」


佐村河内「それじゃあ普通の作曲家ですよ。
いい歳になった私が渡り合えるはずもない。

こういう戦略を悪く言う人はいますがね。
ゴーストライターだって、私のスキャンダルで付加価値をつけてスターになったんです。
違うとは言わせませんし、
恨んでいますけど、夢をかなえるためには多くの手段を考えなければならないと思っています」


STAP細胞「貴様がいうと生々しいな」

佐村河内「私はいきます。お元気で」

STAP細胞「我という万能細胞を前にして一口も手にしないとはな。

人間はその脆さ故に、あえて縛りのある道を選ぶ・・・
万能で全能たる我が表の世界から消されたのも自明ということか」


佐村河内「STAP細胞、君のことは忘れないよ」

STAP細胞「また会おう」


佐村河内は闇に溶け、STAP細胞は霧に胡散した

似通った彼らが生み出す新たな展開は
我々に何をもたらすのか

新たな物語を待て

~缶~

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