作戦①

アスカ「いきなり態度変えられたら、いくらあのバカでも疑うわ」

マリ「まあそりゃそうだろーね」

アスカ「元々、他人の好意には懐疑的だし……信用させるため、まずは少し優しくすること」

霧島「はーい」

アスカ「あ、おはよーシンジ」

シンジ「おはよ。なんでもう起きてるの？」

アスカ「たまたまよ。起きたついでに、弁当作るの手伝ってあげる」

シンジ「アスカが！？」

アスカ「驚きすぎでしょ、失礼ね。いつも任せっきりも悪いし、今日は特別」

シンジ「あ……ありがと」

霧島「シンジ、これあげる」

シンジ「なにこれ？」

霧島「こないだシンジがネルフ行ってて休んでた時の、ノートのコピー」

シンジ「わざわざコピーしてくれたんだ……」

霧島「貸すだけよりそっちのが使いやすいでしょ？」

シンジ「ありがとう、マナ」

霧島「どーいたしまして」

ミサト「こないだ射撃シミュレーションやったでしょ？」

シンジ「え、はい」

ミサト「あれのシンちゃんの成績、前より上がってるって。リツコが褒めてたわよ」

シンジ「ホントですか！？ 良かったぁ」

ミサト「頑張ってるわね……ちょっちこっちおいで。いい子いい子してあげる」

シンジ「い、いいですよ。そんなの」

ミサト「まぁまぁ。私も少しは保護者っぽいことしてみたいのよ。ほれ」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

シンジ「な、なんだか照れちゃいます ///」

ミサト「んふふ。かわいいわね―」

ﾊﾞﾀﾝ

シンジ「……」

シンジ「（なんだか少しだけ、最近みんなが優しい気がする）」

シンジ「（エヴァで頑張れてるから、なのかな……もっと頑張ったら、ひょっとして父さんも……）」

作戦②

マリ「第二段階は、やっぱ告白かにゃー」

霧島「エッチなことだけされても、なんだ？って引かれそうだもんね」

アスカ「どーだか。あいつなら何も考えずに鼻の下伸ばすかもよ」

霧島「じゃあいきなり？」

レイ「やめておいたほうがいいと思う」

アスカ「……念を入れとくか。ＯＫ、次は告白ね」

シンジ「おはよう、トウジ」

トウジ「はよーさん」

ｶﾀﾝ
ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ

シンジ「わっ！？ なにこれっ。なんで僕の下駄箱に？？」

トウジ「どないしたんや」

シンジ「分かんないけど、紙がいっぱい……」

トウジ「んん……？ これ、ラブレターやないか！」

シンジ「ええ！？？ な、なんで？？？」

ヒカリ「あ。それ……昨日何人か話してるの私見たの」

シンジ「なにを？」

ヒカリ「抜け駆け禁止とかもう止める、とかなんとか……だからいっぺんに来たのかも」

ヒカリ「（って言っておけばいいんだよね？アスカ）」

トウジ「はぁ～……ええのう、エヴァのパイロットはモテモテで」

マヤ「シンジ君。なに読んでるの？」

シンジ「えっと、なんだか学校で、手紙たくさん貰っちゃって。読むの大変で」

マヤ「ふーん……あら、これラブレターじゃない！？」

シンジ「ああっ、読まないでください！」

マヤ「あ、ゴメンなさい。でもシンジ君、やっぱりモテるんだ？」

シンジ「そんなこと無いと思います……だとしても、パイロットしてるからで」

マヤ「そうかなぁ。チルドレンでなくても、シンジ君はモテておかしくないと思うけど」

シンジ「……」

マヤ「私も、結構好きかも。シンジ君のこと」

シンジ「か、からかわないで下さい ///」

マヤ「ふふっ」

マリ「―――で？ 全員に返事書いてるわけ？」

シンジ「そりゃ、せっかくくれたのに無視するわけにいかないじゃないか」

マリ「真面目だにゃあ。ほっとけばいいのに。それとも、中にはYESを返す相手がいたり？」

シンジ「いないよ。好きとか、付き合うとか……そういうの、よく分からないし」

マリ「へえ」ﾆﾔﾆﾔ

シンジ「笑わないでよ。悪かったね、お子様で」

マリ「別にバカにしてるわけじゃないって。それだったら、私にもチャンスあるのかな？と思ってさ」

シンジ「え？」

マリ「耳貸して。ワンコ君」

シンジ「う……うん」

マリ「……………………好き」

シンジ「！！」

マリ「私の分も返事、待ってるよ。そんじゃね！」

シンジ「あ……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

シンジ「……」

シンジ「……」

シンジ「……」

シンジ「（寝れない……落ち着かないや。今日みたいなことあったら当たり前か）」

シンジ「……」

ｺﾝｺﾝ

シンジ「？ はい」

アスカ『シンジ。入るわよ』

アスカ「あんたさ。ラブレター寄越してきたうちの誰かと付き合うわけ？」

シンジ「他の人にもそんな事聞かれたけど。多分、誰とも付き合わないと思う」

アスカ「どうして？ もうどっかに好きな人でもいるの？」

シンジ「そういうわけじゃないけど……」

アスカ「いないの？ 好きな人」

シンジ「え？ うん」

アスカ「ふーん」