【艦これ】提督「俺自身がサンタとなることだ」 (40)

艦これのSSです。以上。

クリスマスってことで一発ぶっ込ませていただきたく。
わりと即興なんで質は期待しないでね。
あとタイトルは適当。

クリスマスを題材にした小話みたいなのを投下します。
一応メインヒロインみたいなの付けようかなと思ってるんで安価で一人決めます。
対象となるキャラはクリスマス専用ボイスorグラフィックのあるキャラです(以下の中から一人)。
日向/Bismarck/蒼龍/飛龍/飛鷹/瑞鳳/古鷹/Prinz Eugen/大淀/吹雪/初雪/深雪/叢雲/磯波/朧/曙/漣/潮/初春/子日/浜風/秋月/野分/朝雲/那珂/長門/木曾/龍驤/時雨/間宮/伊良湖
北方棲鬼……だと今考えてる案が全部使えなさそうなので今回は勘弁してください。

そんなわけで安価>> 1(無効の場合はその下)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419399166

ビスマル

時雨

ほっぽちゃん

曙。

ビスマルクですねー。
出先なので投下は夜になります。

限定ボイスとか意外といるんだな。
もっともウチの主要艦娘が一人もいない訳だが。

sage忘れすまん。

ほっぽちゃんは鬼でなくて姫でね
SSには関係ないけど

俺がサンタだ!!!

私こそがサンタなんだと!

これから6時間は“あの時間”ですね……。
まあ私やリアルタイムでこのスレを読んでいる人達には関係のない話ですがね……。

途切れ途切れですが投下していきます。
ちなみに数レスごとにキャラをとっかえひっかえイチャイチャエピソードを書く系じゃないので、そういうの期待してたらすみません。
ギャグ系の軽いノリで進んで行く系ですハイ。
あと、微妙に今日中に完走できるか怪しいです。
眠気が来たら切り上げますが……とにかく投下していきます。

円卓に座る提督と数名の艦娘。

プロジェクタによってホワイトボード上に投影されている映像を元に説明をするビスマルク。

提督「さて本題だ。ビスマルク、例の件について……首尾は?」

顔の前で手を組んでいる提督。

Bismarck「先日データの集計が終わったわ」

提督「して、その結果は?」

Bismarck「質問1から順を追って話をするわね」

Bismarck「質問1『貴方はサンタクロースの実在を信じますか?』……」

Bismarck「信じると答えた艦娘は70%。主に駆逐艦の子たちの票が大きいわね」

Bismarck「それ以外の票は30%。この30%の中には、『サンタクロースの正体は提督』と答えた者や、そもそもクリスマスを理解していない者も含んでいるわ」

Bismarck「しかし……質問内容が直球すぎやしないかしら。勘づかれるんじゃない?」

提督「……察しの良い者に計画が知れること自体は問題ではない」

真剣な面持ちで眼鏡をクイと持ち上げる提督。

提督「だが…………『サンタクロースは居る』と信じている者の想いを踏み躙ることだけは絶対に避けなければならない」

唾を飲む一同。

提督「しかし……30%か。厄介だな」

提督「3割も居れば、無垢な駆逐艦たちにサンタなど居ないと流布する不届き千万な輩が出てきてもおかしくない……」

提督「厳戒態勢を敷く。該当する30%の艦娘たちの動向に注視しろ」

提督「不穏な動きがあれば即刻報告願いたい。場合によってはその場での処分も辞さない」

龍驤「処分て……物騒やなぁ。ま、ウチらがしばらくの間秘密警察っちゅーことやな」

提督「緊張感に欠ける発言は控えてくれ」

提督「当たり前だが処分といっても始末しろと言っているわけではない」

提督「ただ、お喋りな口を封じる為ならばある程度の行動は認可しようというだけだ」

時雨「それにしても……どうして呼ばれたのが僕と龍驤が呼ばれたのかな」

時雨「ビスマルクは秘書艦だから当然だし、大淀が呼ばれたのもなんとなく察しがつくけど」

提督「第一に、練度だ。君ら二人の練度はこの艦隊の中でも上位だ。いかなるトラブルにも対応出来るほどの力量がある」

提督「第二に、政治力だな。時雨は駆逐艦の中ではエース級の戦果があり、人望も厚い」

提督「軽巡連中……特に、厄介な大井や龍田にすら割って入ることの出来る駆逐艦は君だけだ」

提督「龍驤も普段から洗濯板だのギロだのバカにされているが」

龍驤「バカにしてるのはキミやろォが!」

提督「……失礼。まあ、反り立つ壁君もかなりの実力者だ」

提督「軽空母でありながら正規空母連中からも一目置かれているのは君か鳳翔ぐらいだしな」

提督(鳳翔の場合、我々の胃袋を掴んでいるという別の理由だが……)

提督「第三に……君ら二人はこのアンケートの欲しい物の項目欄に『提督』と書いているという報告を聞いている」

提督「私はそういう冗談が嫌いだ。よって君たちにはタダ働きの刑を現在進行形で執行しているというわけだ」

時雨(本気なんだけどな……)

龍驤(本気なんやけど……)

提督「この会議が終わり次第きちんとした欲しい物を考えておくように」

提督(もっとも……他にも欲しい物に『提督』と書いていた者が居たのだが)

提督(あまり役に立たなそうだからな……)

提督「さて、話が逸れてしまったな」

提督「ビスマルク。質問1の艦種別の情報を知りたい」

Bismarck「では戦艦から。戦艦は30%が実在派……というか、実質金剛型ね」

提督「なるほど、金剛型の連中は敵に回すと厄介だからな。しかし……」

提督(長門が真実を知っているのは意外だったな……)

提督(オフの日はピンクのフリフリを好んで着ている長門だったから、一縷の望みを抱いていたのだが……)

Bismarck「どうしたの?」

提督「いや、なんでもない。次に進んでくれ」

・・・・

Bismarck「空母に関しては……正規空母・軽空母合わせて実在派が80%を占めているわ」

時雨「随分高い割合だね」

提督「うむ。空母内で高い政治力を誇る一航戦の二人がサンタを信奉しているのが主な要因だろうな」

龍驤「ええっ! あのナリで!?」

提督「やかましいぞ。サンタクロースは存在を信じていれば何歳であっても訪れるものなのだ」

龍驤(えぇ……)

提督「少なくともこの世界ではそういうことになっているのだ」

大淀「提督、メタ発言はまずいです」

提督「失敬。……空母に関しては安心そうだな」

Bismarck「ええ。ただ、一部の艦は欲しい物の項目に『日本酒』『酒のツマミ』などと書いていたけれど……」

提督「龍驤。うちの艦隊のアルコール中毒患者共をしっかりマークしておくように」

提督「私の方でも、今後しばらく奴らを出撃作戦に組み込むようにする」

提督「奴らに酒を飲む暇も与えないくらい働かせてやる」

龍驤(ご無体な……隼鷹・千歳、堪忍なぁ)

Bismarck「で、彼女達へのプレゼントはどうするつもりなの? 石炭でも渡しておく?」

提督「いやいや、確かに良い子にしてたとは言えんような奴らだが……」

提督「もちろん皆にプレゼントを渡すさ。慰安と功労も兼ねているからな」

提督「だが、クリスマスプレゼントに酒瓶を渡すサンタは居ないだろうからな。何か別の物を考えておこう」

提督「重巡・軽巡・潜水艦と続いていったが……やはり気になるのは駆逐艦だな」

Bismarck「駆逐艦は、90%の勢力がサンタを信じているようね」

提督「残り10%の中には……ここに居る時雨も含まれるとはいえ、多すぎやしないか?」

龍驤「ところで、なんで時雨はプレゼントを配る側なん? さっき言った理由があるのは分かるんやけど」

提督「この計画の草案時点で俺の動きを察知してきたのだ。こいつを野放しにしておくわけにはいかんと判断した」

提督「それに……駆逐艦にしてはませすぎている」

時雨「? これぐらい普通だよ」

時雨「クリスマスは、愛し合う男女が夜な夜な……キス、するんだよね」

龍驤(アカン)

Bismarck(確かにませているわ……)

提督「時雨。それ以上はもうやめてくれ……先行きが不安になる」

大淀(良かった……キスまでしか知らないのね)

時雨「大丈夫だよ。僕の周りの子は皆プレゼントのことしか知らないって」

時雨「あ、でも、秋雲や夕雲は『キスの先』がどうとか言ってたっけな……」

提督(うおおおおおおおおおおおお!?)

Bismarck「きっ、気にしない方が良いと思うわ」

提督「そうか。10%の勢力の中には夕雲型が居るのか……」ブツブツ……

大淀「警戒対象がどんどん増えていきますね……」

提督「夕雲型および秋雲の警戒には君が当たれ、龍驤! うちの時雨に何か吹き込まれては困る」

時雨「はははっ、提督。なんだか僕のお父さんみたいだね」

提督「お父さんでもなんでもいいッ! 俺には君らを迫り来る魔の手から守る義務がある!」

龍驤(親心スイッチ入ったな……)

・・・・

提督「失礼。取り乱した」スーハーッ

Bismarck「夕雲型の他には一部の陽炎型なんかも含まれているわね」

Bismarck「あとは、サンタを信じているけれど自分は貰えないかもしれないと思っている艦娘も居るようだわ」

提督「……うちの駆逐艦にサンタからプレゼントを貰えないような悪い子が居るはずないじゃないか。皆良い子に決まってる」

Bismarck(うちのアドミラールって……いわゆるロリコンなの?)ヒソヒソ

大淀(さ、さぁ……そんなことは無いと思いますよ。ちょっとキャラ崩壊してますけど)ヒソヒソ

提督「……私語は慎みたまえ。しかし、それは深刻だな」

提督「自分がプレゼントを貰えないと分かっているクリスマスほど虚しいものはない」

提督「後でその自分が悪い子だと思い込んでいる艦娘のリストをくれ。精神的なケアが必要だろう」

提督「さて……だいぶ質問1に時間を取られてしまった気がするが……」

提督「最後の質問である『クリスマスプレゼントに欲しい物は何ですか?』についての発表を頼む」

Bismarck「分かったわ。と言っても、全てを紹介していたらキリが無いから、実現が難しそうなモノだけ挙げていくわね」

Bismarck「記入者、日向。内容『晴嵐または瑞雲12型(六三四空)』」

時雨「どうしたの提督? 露骨に渋い顔をして」

提督「ぐぬぬ……。後者はランカー報酬だから伊401レシピで回すしかないな……間に合うか?」

提督「2%しか成功報告が無いんだぞ……? 仮に建造出来たとしてどれだけの資源を消費する……?」

提督「改にするためのレベリングの時間も考慮すると……」ブツブツ

龍驤(めちゃくちゃ深刻な顔しとる……)

提督「瑞雲12型で妥協していただこう」キリッ

大淀「……ですね」

・・・・

Bismarck「記入者、足柄。内容『クリスマスを一緒に過ごす彼氏が欲しい』」

龍驤「無理やな」

大淀「難しいですね……」

提督「君達……残酷だな」

時雨「提督が彼氏になってあげたらどうかな?」

提督「難しいな。限りなく無理に近い難しいだな……」

龍驤「じゃあ無理やな」

大淀「足柄さんは口では彼氏が欲しいって言ってますし、実際彼氏も頻繁に作ってはいるみたいですけど……」

大淀「あまり長続きしないようですね。戦場に居る方が性に合ってるみたいですよ」

大淀「彼女に関しては、もっと前線に出してあげた方が喜ぶかと」

提督「ワーカーホリックだな……。では、プレゼントは改二への改造……でいいのだろうか」

提督「12/26実装だからクリスマスからは遅れてしまうが……」

大淀「良いんじゃないでしょうか」

Bismarck(段々メタ発言を自重しなくなってきたわね……)

龍驤「所で、足柄に彼氏がおったって話やねんけど、そういう淀っちはどないなん? クリスマスを一緒に過ごす彼氏はおるん?」

大淀「……ノーコメントで」

Bismarck「記入者、清霜。『戦艦になりたい』」

提督「……クリスマスを七夕か何かと勘違いしてないか?」

時雨「清霜らしいといえばらしいね」

龍驤「夕雲型の良心やなぁ」

提督「なぁ、ビスマルク。何を彼女にプレゼントしたら良い?」

Bismarck「どうして私に聞くのよ」

提督「戦艦だからな」

Bismarck「無茶なこと言わないでよ……」

Bismarck「うーん、そうね。戦艦にはなれなくても立派なレディにはなれるんじゃないかしら。私のように」

提督(最後の一言が余計だな……)

提督「ふむ、まぁ確かに。駆逐艦の中には立派な女性になることに憧れを持っている者も多いからな」

提督「清霜が戦艦に憧れるのも、そういう方向なのかもしれん……」

提督(上半身ほぼ半裸の奴やデースデースとけたたましいエセ外人に憧れる気持ちは俺にはよく分からんが……)

Bismarck「しかし、物となると難しいわね。純粋に子供が喜びそうなもので良いじゃないかしら。ヌイグルミとか」

提督「えっ……さっきまで言ってたことと違うのでは……」

Bismarck「無理してレディになる必要なんて無いのよ。一歩一歩着実に大人になっていけばいいのよ」

提督「そ、そうか……戦艦のビスマルクが言うなら……そうなんだろう、か……」

提督(良いこと言ってる気はするが……)

提督(なんか腑に落ちない)

Bismarck「記入者、伊19。『提督の……』」

提督「どうしたBismarck。顔を赤くして」

アンケート用紙を時雨以外に見せるBismarck。

クリスマスプレゼントに欲しい物の欄には『提督のおっきい魚雷が欲しいの』と書かれている。

提督「……オリョール海出撃の回数を増やすか」

龍驤(あちゃー……攻めに出過ぎたな。提督はそういう冗談ダメやからなぁ)

時雨「どうして僕には見せてくれないの?」

提督「見る必要が無いからだ」

時雨「そうやって僕を子供扱いして! 僕だってその気になれば……」

提督「いや、その気にならないでくれ。頼むから」

Bismarck「む、無理してレディになる必要は無いのよ」

時雨「もういい。イクに直接聞くから」

提督「いや、いや、いや、いや、それは」

提督(まずいことになった……。ええい、ままよ!)

ピラッ

時雨「ええと、何々……提督の魚雷っていうのはつまり……?」

提督「俺は普段魚雷型の抱き枕を愛用しているんだが、どうやら奴はそれを狙っているらしい」

時雨「ふーん。……なんか嘘ついてない?」

提督「自分なりの正義に従っている」

時雨「質問の答えになってないけど」

提督「と、とにかく……この話はここまでだ」

時雨「ま、良いけど。あんまり僕のこと除け者にするのはやめてよね」

提督「そういうつもりではなかったのだが……すまないな」

アンケートの結果を読み進める作業は熾烈を極め、長時間に渡る大激論の末、ようやく一応の終結を見せた。

提督「えらく時間がかかったな……。時雨なんて疲れて途中から寝てしまったしなぁ」

Bismarck「皆、お疲れ様。……もう五時ね。デイリー任務更新の時間だわ」

龍驤「もう解散でええか? うちクタクタや~」

提督「……待った! 鼠がいる」

提督、執務室のツリーを一瞥。耳を澄ましてみるといびきが聞こえる。

大淀はツリーに近づくと、見覚えのあるオレンジ色の服を目にする。

大淀「おはようございます」ポンポン

那珂「おはようございまーす! 那珂ちゃ……」

那珂の顔から血の気が引いていく。さながら寝起きドッキリを食らった芸人のようだ。

那珂「あはは……オハヨ……那珂ちゃんだよ……」

提督「会議中はいかなる用件でも立ち入りを禁じると言っていたが?」

那珂(しまった! 提督たちが緊急会議だなんて、絶対何か面白いことを企んでると思って忍び込んでたけど)

那珂(会議が長すぎて寝ちゃってた! どうしよー)

大淀「あっ、そういえば……デイリー更新ということは、解体任務もこなさなければなりませんね。提督」

那珂「待って! 解体はやめてぇ!!」

那珂「興味本位で気になっただけだから! 許して下さい!」

提督「……どこまで聞いていたんだ?」

那珂「会議の最初から、欲しい物の話の途中あたりまでかなー」

提督「そうか」

Bismarckは、顔に手を当てあーぁと言わんばかりの表情をしている。

大淀は無言で那珂を部屋の外に連れ出そうとする。

提督「プライバシー保護が騒がれるご時勢だからな……それに君は軍事機密に触れてしまった」

那珂「ごめんなさあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛」

Bismarck「その辺にしておいた方が良いんじゃないかしら」

手を止める大淀。

那珂(本気で解体されるかと思った)

提督「やれやれ……面倒な奴に嗅ぎつかれてしまったな」

那珂「面倒とは失礼な! 那珂ちゃんだってやる時はやるんですよ?」

提督「俺も解体する時は解体するぞ」

那珂「冗談でも怖いから! やめて!!」

提督「うむ……。まぁ一応軍規違反だからな。減給ぐらいで許しておくとする」

那珂(減給はされちゃうんだ……トホホ)

那珂「あっ、あのっ!」

那珂「那珂ちゃんも、そのクリスマスプレゼントを配るの……やっちゃダメかな!?」

提督「どうした急に? 妙な物でも食べたのか」

那珂「失礼な! いくら提督相手でも怒りますよ!」

那珂「那珂ちゃん……皆を笑顔にしたくてアイドルになったんだよね……」

那珂「それで、提督やビスマルクさんが真剣に皆の為に話してるのを見て……」

那珂「那珂ちゃんも、一緒にやりたいなって思ったんですっ!」

那珂「那珂ちゃんにも、サンタさんをやらせて下さい! お願いします」

頭を下げる那珂。

提督「分かった。良いだろう……だが給与は上げんぞ」

那珂「やったああああ! 那珂ちゃん、頑張っちゃいますね! キラーン」

龍驤「やれやれ……また妙なのが増えたな~」

那珂が『X-Operation』※参加メンバーに加わってから数日後、執務室で曙と話す提督。

※説明しよう! X-Operationとは!
さっきまでの会議に参加していた面々が計画していたプレゼントを艦娘たちに配るための作戦である!
英文法的にはOperation Xなのでは無いか? という声も上がったが、
Extra Operationと掛けているからこれで良いんだという結論になったっぽい!
ちなみに名前を考えたのは提督で、発表直後その場に居た艦娘一同から「えぇ……」という微妙な表情をされたっぽい!
でも他に名前の案が出なかったから結局これに決定したっぽい!

提督「曙よ……」

曙「何よ! クソ提督!」

提督「そうツンケンするんじゃない……君はクリスマスのアンケート用紙を憶えているか?」

提督「欲しい物の項目が空欄だったが……一体どうしたんだ? プレゼントは要らないのか?」

曙「ち、近いのよクソ提督! 顔近づけんな!!」

提督「まぁそう唾を飛ばしながら激昂するんじゃない。俺の任務は君の欲しい物をサンタさんに伝えることだ……」

提督「ホラ、何が欲しいか言ってごらん?」

曙、提督の顔にビンタを見舞う。

曙「あ、アタシは……悪い子だから、サンタさんなんて来ないのよ!」

そのまま走り去ろうとするも、提督にグイと襟首を引っ張られる。

提督「まぁ待ちたまえ。ゆっくり話をしようではないか曙よ……」

曙「キモいのよ! 離して!」

曙をグイと自分の胸元まで引き寄せる。

提督「少し落ち着きたまえ」

椅子に座っている提督。膝の上には曙が乗っている。

提督「精神的に動揺した時は呼吸を整えることが大事だ……」

曙「何よ……何がしたいのよ」

提督(あんまりキャラじゃないからやりたくないんだけどなこれ……)

提督「ちょっと真面目な話をするよ」

提督「その、なんだ。簡単なこと」

提督「曙は悪い子じゃないとサンタさんに伝えるのが俺の使命だ」

提督「だから欲しい物が何かを教えて欲しい」

曙「何よ、それ……」

曙「私はっ、プレゼントなんて要らないし! 良い子なんかじゃないしっ!」

曙「さっきだって、提督を叩いちゃったし……」

提督「それがどうした。……曙は真っ直ぐで優しい、良い子だよ」

曙「優しくなんか……」

提督「俺を叩いたことを後悔しているじゃないか。それは、人の痛みが分かる証拠だ」

提督「誰かを傷つけてしまって、すまないと思える心こそが優しさなんだよ」

提督「君は素直になれないから人を傷つけてしまうことが多いけれど」

提督「本当は心の底で後悔してるんだろう? いつも、すまないすまないと思っているんだろう」

提督「サンタさんはきっと君の優しさを知っているよ」

曙「うっ……うわあああああああああああああああん……」

・・・・

曙「クッ……クソ提督……ぐすっ……」

曙の頭を撫でる提督。

提督「ほら、もう泣かない。俺が曙の欲しい物をサンタさんに伝えておくから」

曙「……ひっぐ、ありがと」

バタンとドアを閉める曙と入れ替わりにBismarckが部屋を訪れる。

提督(やれやれ……まーた柄にも無い事をやってしまった)

Bismarck「ちょっと! さっき曙が泣きながら部屋から出て行ったけど!」

提督「ん? うむ」

Bismarck「前々からその気があるのかと疑ってたけど……! 駆逐艦に手を出すなんて最低ね!」

提督「ちょっと待てビスマルク! 君は何か大きな誤解しているぞッ!」

執務室に轟音が響き渡りましたとさ。

乙乙
ここの提督は何故かDIOとかプッチ神父が日本人になったような外見を想像してしまうw

もうちょっとだけ続くんじゃが飯を食わせとくれい
というわけでコンビニ言ってくる

一旦乙
今日は何故かわからないけどコンビニでチキンを大量に売ってたな

12月23日夜。集まって話し会いをする提督・Bismarck・龍驤・那珂。

提督「さて……いよいよ最後の準備日になるな」

提督「一応、各員問題なしとの報告は聞いているが」

那珂「完璧でーすっ! プレゼントもリストにある全員の分買ってあるよっ」

提督「不安だな……確認させてくれ」

Bismarck「問題ないわアドミラール。那珂はきちんとやってくれたわ」

那珂「那珂ちゃんだって、やる時はやるんですよーだ!」

提督「プレゼントに関しては問題ないな。食材は?」

龍驤「食材もバッチリやで!」

提督「そうか……あとは間宮さんを待つのみだな」

時雨「提督! 間宮さんを連れてきたよ」

提督「おお、よくぞ参られた! わざわざご足労頂き申し訳ない」

Bismarck「どうして間宮に対してそんな態度なのアドミラール」

提督「間宮さんだ! さんをつけろ!」

提督「間宮さんはわたくしめが逆立ちしても勝てないほどの仁徳と力量を持っていらっしゃる」

提督「間宮さんがその気になればこの鎮守府の覇権を握るなど容易い……」

Bismarck「……この鎮守府の提督は貴方しか居ないし、誰も貴方の代わりになんかなれないわ」

Bismarck「それに私そういう冗談嫌いよ。真面目にやって頂戴」

提督「うぐっ……」

龍驤「おぉ~これは手厳しいなぁ」

那珂「でも、確かに提督の言ってることも一理あるかもだねっ! 間宮さんは、ある意味皆のアイドルだよ」

間宮「うふふ、ありがとう。でも、私たち、こういう時でないと皆さんの役に立てないですから」

提督「いや、そんなことはない。貴方にはいつも助けられていますよ」

間宮「折角のクリスマスですものね。皆さんに美味しい料理を提供出来るよう頑張ります」

提督「さて、作戦についてだが……」

時雨「お腹いっぱいにして眠気を誘うって……えらくシンプルだね」

Bismarck「アドミラールにしては誰でも思いつくようなことを考えるのね」

提督「……さすがに料理に睡眠薬を仕込むわけにもいかんだろう」

提督(俺は料理に媚薬を盛られたことがあるが……)

提督「おい龍驤。その手があったか! とでも言いたげな顔やめろ」

龍驤「いや~、そっちの方がええんとちゃうん?」

提督「倫理的にまずいことはやらんよ。第一間宮さんに汚名を被せるわけにはいかん」

Bismarck「確かにお腹いっぱいになったら眠くはなるし、間宮の料理ならたくさん食べたくなるのも分かるけれど……それだけじゃ不十分じゃない?」

提督「……いくつか策は練ってある」

提督「今、大淀にリラックス作用のあるお香や照明・バスグッズを買いに行かせている」

提督「最近空調の整備をしただろう。あれも明日のためだ」

提督「消灯時間から逆算して、鎮守府の全フロアを寝るのに心地よい気温に設定しておくためだ」

提督「もちろんクリスマスイブおよびクリスマスは出撃もない。不眠の元となるストレスは徹底的に排除する」

提督「仮眠をされて夜更かしされると困るから、昼に一度集会を開き、昼寝を阻止する」

提督「あとは俺と君たちの当日の立ち回り次第だな。精神的に満ち足りて程よく充足した一日を過ごせれば眠気も訪れることだろう」

提督「……無論、これだけやっても完璧には程遠いが、な。イレギュラーがある前提で動くべきだ」

提督「だからこそ君たちが必要になる。イレギュラーに出くわした時必要なのは機転だ」

提督「サンタの存在を信じる者の希望を守ることが俺の使命……すまないが協力して欲しい」

那珂「もっちろん! 那珂ちゃんに任せてよね!」

龍驤「アホやなぁキミは……そのアホに付き合うウチもアホやけど……」

龍驤「乗りかかった舟や! 任しとき!」

提督「恩に着る」

時雨「ところで、このプレゼントや食費って誰が出してるのかな?」

提督「ん、俺だが」

Bismarck「ちょっと待って!? あれだけの量のプレゼントよ!?」

提督「元帥なのだからこれぐらいのことやれて当然だろう(……月末には大将に格下げされてそうだが)」

龍驤「やっぱ提督ともなると持ってるんやな~」

提督「やらしい笑みを浮かべるな」

提督「第一、これだけの額ともなると経費で落とすのは困難だろう」

提督「俺は豪華な服や時計など必要無いし、金は食うに困らない分だけあれば十分なのだ」

提督「俺はかつて、今よりももっと多く金を持っていた……提督になる前の話だ」

提督「使い切れないほどの金を持て余していた……まぁ有形の財産ではなかったが、金に換えれば莫大な資産になるものだった」

提督「だが、紆余曲折あって結局水の泡と消えた」

提督「金稼ぎに必死だった俺が無一文になってが学んだことは、金は他人を幸せにするために使った方が有意義だということだ」

提督「もっとも、自分が幸せになるための最低限度の金は要るがな」

Bismarck「アドミラール……ちょっと見直したわ」

提督「ふっふっふ……(滅茶苦茶脚色したんだがな……)」

那珂「提督は、ビスマルクさんの事好きなんだねっ! 今、露骨に機嫌良くなったもん」

Bismarck「えっ! そうなのかしら……」

顔を赤らめるBismarck。

提督「那珂……雉も鳴かずば撃たれまいという言葉を知っているよな?」

那珂「解体はやめてええええええ゛え゛え゛え゛」

執務室から各艦娘に指示を出す提督。那珂・龍驤・時雨が各部屋にプレゼントを配って回っている。

大淀とBismarckは部屋で待機している。

提督「さて……色々あったが、作戦決行だな」

提督「那珂は燃料4弾薬6鋼材34ボーキサイト20になってしまったが……尊い犠牲だったな」

那珂「なってないよ!! 勝手に解体されたことにしないで!」

提督「やかましい。あの川内ですら寝静まっているんだぞ、少し音に気をつけろ」

那珂(ひどいよー)

時雨「こちら時雨。今のところは問題ないよ!」

時雨「いや…………! 海上に敵襲!」

提督「何!? 敵の規模は!?」

時雨「あれは……北方棲姫だ!」

提督「マァジで!? マジで言ってますかそれ!?」

Bismarck(口調変わるほど同様してる)

提督「作戦変更! 那珂・時雨・大淀・ビスマルクは北方棲姫を退けてくれ!」

Bismarck「プレゼントはどうするの!?」

提督「龍驤と俺で何とかする!! プレゼントの袋は中庭に置いておいてくれッ!」

提督「やってやる……やってやるぞ……」

提督「俺がッ! 俺がサンタだッ!!」

提督「くっ……なんつー量だ……」

提督「とてもじゃないが配り切れない……というか、袋を持って歩くことさえ辛いぞこれは……」

???「フォッフォッフォッ……」

提督「お、お前はッ! まさかッ!! そんなはずはッ!!」

提督「サンタクロースッ!」

提督(一体なぜ本物のサンタクロースが……!?)

提督(しかも、殺気をビンビン感じるぞ……どういうことだ)

サンタ「良い子にプレゼントを与えに……そして、“モグリ”を始末しに来た」

提督「なん……だと……」

提督「バカなッ!? グリーンランドからこの日本までッ!? 国際サンタクロース協会の資格を送り込んできたというのかッ!!」

サンタ「グリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロース四箇条」ゴゴゴ……

宙に浮いていたサンタが突然提督の頭上に高速落下していく。すんでのところ回避する提督。

提督「うおっ!」

サンタ「その1.結婚していること」

サンタの拳をかわすも、その拳の風圧で頬の皮を切る提督。傷口から血が流れている。

サンタ「その2.子供がいること」

提督の足を踏みつけようと大地を強く蹴るサンタ。蹴った先の地面が隆起し、吹き飛ばされる提督。

サンタ「その3.これまでにサンタクロースとしての経験があること」

吹き飛ばされていく提督に追いつき、腹を思い切り殴りつけられる提督。

サンタ「その4.サンタクロースに相応しい体型であること」

パンパンと手の埃を払うサンタ。破壊した建物の瓦礫に埋もれる提督。

提督(危ないところだった……艦娘の寮の方向に飛ばされないで良かった)

サンタ「君は全ての項目を満たしていない。君のサンタ活動を認めるわけにはいかんのだ」

提督「お前が何を思ってここに来たのかは分からない……」

提督「どうして俺をこんな風に攻撃してくるかも分からない……」

提督「だが! 世界の誰が何と言おうとッ!」

提督「この鎮守府では俺がサンタだッ! 俺こそがサンタだ! お前ではないッ!」

サンタ「ならば見せてみろ……! 君がサンタだというその証明を、私に示してみろ! 力でだッ!!」

漣「うへえ……なんか物音したと思ったら」

漣「ん? 枕元にプレゼントが。キターッ!!」

漣「ってか外うるっさ! 何バシバシ鳴ってんの!? 何で皆爆睡なの!?」

漣「ちょっと様子見に外に出てみますか~。ご主人様のギシアンタイムが見られたりして……デュフフ」

漣「あっ、せっかくクリスマスですしサンタコスして行きますか~」

・・・・

提督「うおおおおおおおおおおおおおおッ」

サンタ「はああああああああああああああッ」

拳と拳がぶつかる。瞬間的に時空の歪みが起きるほど強い衝撃が互いの腕を伝う。

提督「はぁ……はぁ……はぁ……」

サンタ「ワシの負けじゃよ……もう次に攻撃する力は残っておらん」

サンタ「見せてもらった……真のサンタ魂ってやつをな……」

サンタ「やはりワシの目に狂いは無かった……これをやる。使え」

サンタ「サンタに代々伝わる霊薬……『ソーマ』じゃ」

提督「どう見てもシャンメリーなんだが!?」

サンタ「まあ騙されたと思って飲んでみい」

提督「おおっ!? 体の傷が全快した!? みるみる力が戻ってくる」

提督「しかし、アンタは大丈夫なのか……?」

サンタ「いやワシの分もあるし」

提督「えぇ……」

サンタ「人間でいうところの応急処理女神みたいなもんじゃな」

提督「ちょっと待て!? アンタなんでダメコンなんて知ってるんだ!? ひょっとしてよその鎮守府の提督か!?」

サンタ「ふぉっふぉっふぉっ……メリークリスマス!」

空からやって来たトナカイに乗り、飛翔するサンタ。

サンタ「一つ良いことを教えてやる若き半人前サンタよ」

サンタ「君たちの鎮守府に現れた北方棲姫は、深海棲艦の姿こそしているが、深海棲艦ではないのじゃ」

サンタ「分かりやすく言うと……亡霊みたいなもんじゃな」

サンタ「プレゼントを貰えないまま海に沈んだ艦娘の、不憫な亡霊みたいなもんじゃよ……」

サンタ「あの子にもプレゼントをあげてやってくれ」

サンタ「では、さらばじゃ……ほっほっほっ」

漣「なーにやってだ」

提督「漣……!? 起きてしまったのか」

漣「まぁ、ご主人様のことですし、隠れてコソコソ何かしてるんだろうなぁとは思ってましたけど」

漣「水臭いじゃないですか~。せっかくの『祭り』ですよ!? どうして私を入れてくれないんですか!」

漣「それに、プレゼントに欲しい物を『ご主人様』って書いたのに、なんで来てくれないんですかーやだー」

提督(あぁ……よりにもよって一番めんどくさい奴に……)

漣「初期艦の私を差し置いて~……このこの」

提督「待て! 漣、今はそれどころではないのだ!」

漣「三行」

提督「
・プレゼント
・配らなきゃ
・やばい


漣「うはwwwおkwww把握www」

提督「俺も、一つ用事を済ませたらプレゼント配りに加勢するが……それまで待ってくれないか」

提督「それから……龍驤! 今すぐこっち来てくれ! 烈風持ってな!」

龍驤「ハァ……何言っとるん? まぁええわ! 分かった!」

漣(いやーこのドタバタ感。提督が初めてここに来た頃を思い出しますなぁ……)

・・・・

時雨「提督! あの北方棲姫、妙だよ。あまり攻撃して来ないし、それにこっちの攻撃が全く効かないんだ!!」

提督「各員! 中庭に行きプレゼント配布の任務を遂行せよ! ここは俺が引き受ける!」

Bismarck「その顔……何か考えがあるのね」

大淀「行きましょう! 日の出まで時間がありません!」

那珂「一応起床のベルは切っておいたけど……急がないと皆起きちゃうかもしれないね! よしっ! 那珂ちゃんダーッシュ!」

龍驤「キミ一体どうしたん!?」

提督「烈風をこっちに!」

龍驤「? はい」

提督「すまないね……君を敵だと思って攻撃してしまった」

提督「でも、本当はプレゼントが欲しかっただけなんだろう」

提督「ほらっ、この烈風を君にあげよう」

北方棲姫「アリガトウ……」

北方棲姫は、烈風を夜空に飛ばすと、それを追いかけて海の果てに消えていった。

提督(メリークリスマス……)

龍驤「あぁん! ウチの烈風がァ!」

提督「うるさい! 烈風ならまた造ればいいだろ! それよりもプレゼント配りだッ! 急ごう!」

漣「ご主人様ァ! こっちの寮配り終わりましたよー!」

時雨「こっちもバッチリだ……ようやく終わったね」

那珂「ふー! 那珂ちゃん頑張っちゃった! でもっ、これからもっと頑張らなきゃ」

大淀「那珂さん、クリスマスのお願いにクリスマスライブを開きたいって書いてましたもんね」

龍驤「いやーウチはもうクタクタや……あー後、後でちゃんと烈風返してなー」

提督「分かった分かった」

提督(終わったな……)

・・・・

Bismarck「お疲れ様。本当に、お疲れ様ね」

提督「ああ、お互い。お疲れ様」

Bismarck「そういえば、貴方の靴下にクリスマスカードが入っていたわよ」

提督「ん? 俺はプレゼント用の靴下など吊るしていなかったはずだが」

Bismarck「私が吊るしておいたのよ」

提督「余計なことを……。なになに……」

提督「『見事なサンタ魂だった。だが、君がサンタを名乗るにはまだ早い。まず、来年までに結婚して子供を作ること』」

提督「『それが出来なければサンタ失格とする。あと、太るのは数十年後で構わんぞ』」

提督「『メリークリスマス   ~サンタクロース、もとい横須賀鎮守府元帥 三田 拓朗』」

提督「あぁ……道理でどっかで見たことある気がする太った白髭だと思った。俺の師だよ」

提督「ま、そんなことはどうでもいい。俺はさすがに疲れた。寝るとする」

Bismarck「ま、待ちなさい! レディに恥をかかせるつもりかしら!」

提督「ん」

Bismarck「サンタさんも結婚して子供を作ることって書いてあったじゃない」

Bismarck「だから……その……」

Bismarck「私が……貴方のプレゼントになってあげるわ!」

提督「フッ……愛い奴め」

この後滅茶苦茶昼戦した。

なんだこれ
なんだこれ

雑かッ
いやでもわりと推敲なし書き溜めなしならこんなもんじゃろ……

クリスマスの存在さえ知らなかったけどサンタに感銘を受けて激励の手紙を書き始める叢雲とか
クッキーを作る吹雪型とか、Bismarckの惚気を聞くオイゲンとか書きたかったけど気力の限界が訪れたようじゃ

メリークリスマス
じゃあの

おつおつ
>>1にもサンタが来ますように

>>1
良いクリスマスを

乙乙
メリークリスマスでち

乙カレー

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