幼女「人生詰んだかしら」天使「…おいおい」(43)

幼女「…あら天使さん?」

天使「あいよ、天使さんだよ」

天使「どーした? そんな歳で?」

幼女「貴方に話しても意味ないわ」

天使「…まあ、こっちも事情は知ってるからなあ」

幼女「ロリコンの義父とdvの実母」

天使「児童相談所は?」

幼女「…私みたいな存在、珍しくないでしょ?」

天使「蜘蛛の糸は順番待ち、か」


幼女「…家出しても縁も所縁もない土地では、ナマポか水商売が良いとこ。最悪段ボール小屋で春を売る隣の国みたいになるだけでしょ?

天使「反論出来ねぇのが辛いな」

幼女「だから死のうかと」

天使「良いんじゃね? 尊厳死は犯罪かもしれんが」多分人間的には正解だ

幼女「でも、合法化すると底辺ビジネスの温床か、悪用する人間がいるはずよ」

天使「…お前本当に幼女?」

幼女「ええ、平成xx年製造よ?」

天使「うっわー、製造と来たよこの幼稚園児」

幼女「…幼稚園なんか、最近行ってないの知ってるでしょ?」

天使「『生傷が消えるまで』だっけ?」

幼女「消える日が来ると思う?」

天使「…いんや、悪いが思わん」

幼女「でしょ? ほらどいて、ガス管が抜けないわ」

天使「本気かよ?」

幼女「…冗談に見えて?」

天使「…………」

幼女「それとも、私を抱いてくれるの?」

天使「ハグなら喜んで。 性的なら物理的に無理」

幼女「なさけないのね」

天使「うっさいわ」


幼女「確か自殺者は地獄行きだっけ?」

天使「基本はな」

幼女「基本? 例外もあるの?」

天使「俺らみたいなのが見えて、向こうで上役が認めれば」

幼女「なんだ、運か」

天使「…割りきり方が怖ェよ」


幼女「で、貴方は何しにきたの?」

天使「一応、説得役だよ」

幼女「なら無意味ね」

天使「そうみたいだな」

幼女「ねぇ、地獄って今より辛い?」

天使「ダンテ読めよ。 お前ならベアトリーチェになれるぜ?」

幼女「…次に図書館へ行けたらそうするわ」

天使「すまん、失言だった」


幼女「ほら、ガス管が抜けたから隣の部屋に行くわよ」

天使「まぢかよ」

幼女「後は扉に仕掛けを施し、密室にガスが充満すれば…」

天使「誰かが玄関開けただけで部屋ごとドカーン。ぞっとしねぇな」

幼女「推理小説って便利よね」

天使「…江戸川乱歩ェ」


幼女「…これなら、『事故死』であって『自殺じゃない』と言い張れるわ」

天使「生まれる時代を間違えたな、お前」

幼女「? それも運でしょ?」

天使「…………」

幼女「せっかくだし、あの世について聞かせてよ」

天使「やだよ、怖いよ」

幼女「この臆病者」

ひとつのスレにまとめろバカガキ


天使「…天国は慢性的人材不足で、滅多に人に出会わん。痛みも苦しみも無ぇ世界だよ」

幼女「最高じゃない!」

天使「だが、今回のお前のケースだと、多分恐らく無明地獄に行く可能性が高い」

幼女「?」

天使「…上手い日本語が無いが、まあこの地獄も何もない」

幼女「じゃあ、同じってこと?」

天使「さてな、俺も地獄には縁がないからさっぱりだ

幼女「ふーん」


天使「他に何か聞きたいことあるか?」

幼女「…特に無いわ」

天使「そっかそうだな、向こうじゃ元気でな」

幼女「うん、バイバイ」

コツコツ…

天使「おっ、最高のタイミングだな。お袋さん帰ってきたぞ」

幼女「そう…」


幼女「あ、最後に一つだけ」

天使「どした?」

幼女「…私、何か悪いことした?」

天使「…自殺じゃね?」

幼女「うん、そだね」クスクス


おわり

すまん、どーにも思い付きなもので。
次ぐらいからはそうする。


医者「人生終わったな…」
天使「あきらめんなよ!」


医者「君は誰だね?」

天使「泣く子も黙る天使さまよ(オライッオライッ」

医者「…遂に私も幻覚が見え始めたか」

天使「オウコラ、誰が幻想の産物やねん(オライッオライッ」

医者「まあ、いいさ」

天使「それでどーしたよ? 何があった?」


医者「つい先程、二人の急患が運び込まれてね」

天使「そら病院だもんなあ」

医者「…患者のうち一人は救急車の中で既に亡くなっていて、もう一人は瀕死の重体だ」

天使「それで?」

医者「問題なのは、その親族がこの辺りで有名なモンスターペイシェントだと言うことだ」


天使「…………」

医者「はっきり言ってわりたくないんだよ」

天使「応招の義務はどーしたよ」

医者「幻覚の癖に、痛いところを…」

天使「…何、生き残りさんは助かんないの?」

医者「いや、現代医療技術的には、何とか一命は取りとめるだろう」


天使「だったら御の字じゃん」

医者「…まあな」

天使「奥歯に物が挟まった言い方すんなよ、職業病って笑われるぜ?」

医者「君は全身やけどの人間を、完璧に以前の状態に戻せると思うかね?」

天使「熱傷何度?」

医者「3度。体表面の7割が水脹れを起こし、一部は炭化している」

天使「…よく生きてんな、そいつ」

医者「神の奇跡かもな」


天使「…要するに、その親族ってのがギャーギャー喧しいのか?」

医者「喧しい所ではなく、元通りにしろと暴れて警察を呼ぶ事態になったさ」

天使「でも、その様子だと直ぐに戻ってきそうだな?」

医者「…その通りだ」

天使「きっとそいつ、火傷の跡を見たらまた騒ぐぜ?」

医者「否、訴えるとまで明言されたよ」

天使「あちゃー」



医者「だからこそ、院長は雇われの私に執刀医という名のスケープゴートを命じたんだ」

天使「何が起ころうと当院は関与せず、っすか?」

医者「…ははっ、そうらしいな」

天使「凄まじきは宮仕えっすね」


医者「さてそろそろ時間だ」

天使「結局行くんかよ?」

医者「これでも医者の端くれ、やることはやるさ」

天使「いてら」

ガチャリ

医者「幻覚とは言え、最後に話せて楽しかったよ」

天使「…だから幻覚じゃねーよ」

医者「ははは」

ニート「人w生w詰wんwだwww」
天使「何wがwあwっwたwww?」

ニート「俺wネwオwニwーwトwww」

天使「うwはwーwww」

ニート「fwxw、2w時w間wでw2w千w万w解wけwたwっwたwww」

天使「すwーwげwーwww」

ニート「明w日wかwらw食wべwるwパwンwツwもwなwいwww」

天使「嫌wなwスwコwッwトw隊www」

ニート「アwムwンwゼwンw乙www」

天使「どwうwすwんwのwww?」

ニート「返w済w不w可、自w己w破w産wだwろwjwkwww」

天使「おw前w何w回w目ww?」

ニート「3w年wでw3w回www」

天使「多wいwかw少wなwいwかwピwンwとwこwなwいww」

ニート「少wしw弱wいw中wボwスww」

天使「wwww

ニート「でwもw次、元w金w用w意w出w来wなwいww 」

天使「名w義w止wめww」

ニート「俺wオwワwタww」

天使「定w職w付wけww」

ニート「無w理w、コwミwュw障w舐wめwるwなwしww」

天使「救wえwなwいww」

ニート「こwのwまwまwじwゃw腹w減wっwてwもwピwザw頼wめwぬww」

天使「引wきwこwもwりww」

ニート「そwもwそwもw今wがw何w曜w日wかwもw怪wしwいww」

天使「モwグwラw生w活ww」

ニート「悪wいwけwどw金w貸wしwてww」

天使「嫌wでwごwざるww」

ニート「たwはwはww」

天使「っwて、そwろwそwろw夜wがw明wけwそwうww」

ニート「俺w人w間w辞wめwたwいww」

天使「勝w手wにwしwろww」

ニート「手w厳wしwいww」

天使「んwじwゃwなw、カwーwテwンw開wけwとwくww」

ニート「うwわwーw、溶wけwるwーw」


シャッ
…チュンチュン…ブロロロロ…

ニート「あれ? 先刻まで誰かが居たような?」

ニート「…いや、多分気のせいだな」

ニート「…朝日なんて久しぶりだ」

ニート「…………」

ニート「ん、しゃーない。気出して外出てみるかあ」

白人女性「人生終わりまシタ」
天使「ん、コーカソイド?」

白人女性「…アンゲル?」

天使「日本担当の天使たあ、俺のこと」

白人女性「ヤポンスキーはブッキョウでしょ?」

天使「ん、難しいこたワカリ↑マセーン↓」

白人女性「ふざけてるノ?」

天使「つか、ここ何処? なんで首輪してんの?」

白人女性「…奴隷よ」

天使「? ひょっとしてロシア人?」

白人女性「イイエ、カフカス」

天使「でも、自己紹介にはロシアって書いてあんぞ?」

白人女性「…その方がフカカチが高いのヨ

天使「旧共産圏の底辺ってとこ?」

白人女性「…………」

天使「その顔は騙されたな?」

白人女性「…答えるギム無いわ」

天使「ああ、ここホテルかマンションか。随分眺めが良い」

白人女性「逃がさないタメだもの」

天使「ふーん」

白人女性「アンゲルは何しにキタノ?」

天使「散歩だけど?」

白人女性「助けてくれナイ?」

天使「悪いが物理的干渉は認められてない立場でな」

白人女性「オヤクショ仕事?」

天使「そのとーり」

白人女性「なら、早くキエテ。私を惨めっぷりをミタイノ?」

天使「…ん、まあ興味ないけどさ」

白人女性「ケド?

天使「少し聞きたいことがあるかも?」

白人女性「ナニヨ?」

天使「あんたが今殺したいのは、売春業者? 自分自身?」

白人女性「前者ヨ」

天使「…因みに、あんたは2年ほど使われて、金持ちなaids患者に買われる運命だが?」

白人女性「最悪」

天使「どうしても死にたいなら手を貸すぞ?」

―後日―

天使「なあ無職童て…、いや只の無職野郎」

男「んだよ、不良天使。そして現在も俺は絶賛童貞中だが? 」

天使「それはどうでも、良いから質問に答えやがれ」

男「…言ってみろよ」

天使「今の人間の幸せって何よ?」

男「…は?」

男「藪から棒にどうした?悪いもんでも食ったか?」

天使「違ぇよ、お前みたいな連中を見てて、ふと疑問に思ったんだわ」

男「幸せって言われても人それぞれだからな」

天使「…いやいやなんつーかホラ、二世代前の日本人の憧れてた理想像ってはっきりしてたじゃん?」

男「?」

天使「バブル期だっけ? とにかく即物的で刹那的なのが蔓延したの?」

男「否定はせんが言葉は選べよ? クソ天使」

天使「なら、勢いだけの時代」

男「まあマシな表現だな」

天使「ん、そんときって、やれ車だの女だのが幸せの象徴だとか、結構喧しかったじゃん?」

男「…らしいな」

天使「ならよ? 今の日本人の幸せの象徴て何だ?」

男「…………」

天使「何を目指して生きてんだと思う? クソ無職」

男「…お前アニメとか見るか?」

天使「くーるじゃぱん、ってか?

男「いやいや、俺は学が無いから良く解らんがよ、最近のアニメって日々平凡でどうでも良い日常が描かれたのが人気あるらしい」

天使「で?」

男「元々アニメや漫画は、その時代に合った思想や理想が形になったものだと俺は思う」

天使「なんだそりゃ?」オタク論理?


男「…話を続けるが、平凡平均平坦な日常が幸せじゃないのか?」

天使「…………」

男「フツーに飯食って、フツーに嫁さん貰って、フツーにガキ作って、フツーに死ぬ。それ以上の幸せってあるか?」

天使「いやまあ…、そうなんだけどな」

男「だろ? 」

天使「でもよー、ほらあるじゃん? もっと金が欲しい、女が欲しい」

男「…お前なあ、俺の日常全否定すんの?」


天使「たしかに、万年金欠の無職童貞が夢見る日常ってのは限界があるわな」

男「ぐぬぬ」

天使「…分かったよーな分からんよーな」

男「文句あんのか?」

天使「三十路越えで参考文献がサブカルチャーってどうよ?」

男「そりゃまあ、…そうなんだけど」

天使「サブカルを馬鹿にはせんがよ? うーん」

男「じゃあよ、今のメインカルチャーって何だよ?」

天使「…知らねーよ。答えは?」

男「俺も知らん」

天使「使えねー」

男「無茶言うなよ、メインカルチャーの牽引役だったマスコミ様も回答に困る質問だぜ?」

天使「そーなん?」

男「ああ、個人で携帯可能な情報タブレットが一般的になったからな」

天使「情報の多様化と、情報発信源の複数化かあ」

男「…今時、大晦日にでもならんと視聴率も稼げねぇ」

天使「ふーん」

男「だからと言って、後戻り出来んしよ」

天使「そりゃそーだ」

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