賢者「毎日楽しけりゃそれでいいよね」(315)
賢者「そう思わないかい?」
街人「え、そうですね…」
賢者「通りすがりなのにありがとう」
街人「い、いえ…」トコトコ
賢者「今!!私は!!自由だっ!!」ドーン
賢者「な~にをしよ~かなっと」テクテク
街娘「…」テクテク
賢者「むっ」キラーン
賢者「おっとそこのお・ね・え・ちゃん!!」チョンチョン
街娘「え?」
街娘(あらやだかっこいい人)
賢者「ボクと一緒に楽しくおしゃべりしないかい?」
街娘「貴方と?おしゃべりだけ?」
賢者「だったらお食事でもどうかな」
街娘「いきなり怪しすぎなーい?」
賢者「いやぁごめんよぉhahaha」
賢者「あまりにその立ち振る舞いが可愛かったから…」フゥ
街娘「あはは、うまいこといってー」
賢者「でも本当だよ?どうだい?」
街娘「んーかまわないわよ」
賢者「よっしゃー!!じゃあさっそくいきましょー」
-1時間後-
街娘「ちょっと飲みすぎちゃったわぁ」フラフラ
賢者「おっと…hahaha」ガシッ
賢者「んじゃちょっと…休んでいくかい?」クイッ
『宿屋』『ご休憩おk』
街娘「は~い」フラフラ
賢者「優しく介抱してあげるからね~」ニヤニヤ
どんがらがっしゃあああああああん!!
街娘「ちょ、え!?なに!?」←完全酔いがさめた
賢者「うん?どうしたんだい?」
街娘「だって────いじゃない!!」
賢者「うん」
街娘「それに……変態っ!!」
賢者「ひどいなぁ、けど感じちゃう」ビクンビクンッ
街娘「いやああああああたすけてえええええええ!!」
ドタバタ
バタン!!
賢者「ありゃ逃げられちゃった」
賢者「もうちょっとだったのに…」
賢者「やれやれ」
賢者「他になんかないかなぁ」テクテク
賢者「うーん…」テクテク
少年「…」テクテク
賢者「…」テクテク
少年「…」テクテク
少年「!?」キョロキョロ
賢者「後ろだ少年っ」スッ
少年「え!?」クルッ
ユビブスリ
少年「…」ホッペプニプニ
賢者「引っかかる子って意外といるんだねぇ」ニヤニヤ
少年「っ!?」バッ
賢者「人の後ろついてきて何する気だったんだい?」
少年「…べつに」
賢者「そうかそうか」マントヒラリ
ドサドサ
少年「えっ!?えぇっ!?」ゴソゴソ
賢者「こんなに持ってるから取るの大変だったよ」
賢者「ひったくって持ったままとかありえないわぁ」
少年「っ…」
賢者「貧しいのは分かる」
賢者「だからといってやって良い事ではない」
少年「…だったらどうしろっていうんだよ」
賢者「少年」ゴゴゴゴ←上げた片手から特大火の玉
少年「!??!」
賢者「なんてな」ポヒュン
賢者「懲罰とか嫌いなんだ」
賢者「でも…メッ!!」ゴチン
少年「いたいっ!?」
賢者「よし返しに行くかね、それ」
少年「…」
賢者「しょーねーん…」ゴゴゴゴ←(ry
少年「わ、わかったよ!!」
賢者「そぉい!!」ゴチン
少年「いだぁ!!」
賢者「目上の人には敬語のほうがいいよ」ニコリ
少年「…すいませんでした」ガクガク
少年「本当にすいませんでした…」フカブカ
賢者「本気で反省してるようなので」
賢者「許してあげてもらえませんかね?」
街人「賢者さんがそういうならかまいませんが」
街人「お金も全額ありますし…」
賢者「よかったなー少年っ!!」グイ
少年「おい!!やめ…ろ゛!?」ガツン
賢者「敬語は?」ニッコリ
少年「すいませんでした気をつけます」ガクブル
賢者「ではこれで失礼しますね」
街人「え、えぇ…」
バタン
街人「賢者さん…先生みたいね…」クスクス
賢者「よしこれで全部かな」
少年「うん…っ!?はいっ」
賢者「それぐらいかまわないよ」フフッ
賢者「さて…もうやっちゃだめだぞっ」ツーンツーン
少年「わ…わかりました」グラグラ
賢者「そんじゃはい」ポーン
少年「?これは…?」ガシッ
賢者「中、見てみな」
少年「…」ゴソゴソ
少年「え、これ…宝石…」キラキラ
賢者「錬金術の真似事してたら出来た代物さ」
賢者「あげるよ」
少年「いいの…?」
賢者「どうせそこら辺の石混ぜてたらできたモノだし」
賢者「あまり採れない宝石らしいから結構値はする」
賢者「売って少しでも美味しいもの食べるといいさ」
賢者「家族みんなでね」ニコリ
少年「あ…」ポロポロ
賢者「謝るの頑張ったご褒美だよ」ナデナデ
少年「ありがとう…ございます…」ポロポロ
賢者「意外と時間食っちゃったな」テクテク
賢者「面白かったからいいけど」
幼女「ぐすんぐすん」
賢者「おっとー…どうしたのかな?」
幼女「おようふくやぶれちゃったの」
幼女「せっかくかったばかりなのに…」グスグス
賢者「はぃはぃ…こりゃまた派手にまぁ」ペラッ
賢者(コイツはさすがにここじゃ直せないぞ…)
賢者(幼女まっぱにしちまうしなぁ…)
賢者(こんな所でストリップさせる趣味はないぞっ)
賢者(うちでいいか)
賢者「よーし賢者さんが直しちゃうぞ~」
幼女「グス…なおるの?」
賢者「直る直るっ」
賢者「じゃあちょっとついてきてー」
幼女「…じー」
賢者「おや、どうした?」
幼女「パパとママがいってたの」
幼女「しらないひとについてっちゃダメってー」
賢者「なんとっ」
賢者(できた親御さんじゃないか)
賢者(そしてこの子もよく訓練されておるっ)
賢者「えっと、賢者さんはお城から来た人なんだ」
幼女「…ホント?」
幼女「へいしさんみたいにわるいひととかつかまえるの?」
賢者「そういうのはあまりやってないけどねーw」
賢者(さっきやったけど)
賢者「でも別の形で色々やってる人なんだよー」
幼女「うぅ~」
賢者(ダメか?)
幼女「だったらだいじょうぶ!!」
幼女「けんじゃさんについてくー」オテテギュー
賢者「じゃいこっか(ほっ)」ギュ
おまわりさんこのひとです
-街の外れ 賢者の家-
賢者「はーいとうちゃくー」ガチャ
幼女「おじゃましまー」
賢者「じゃあ直しちゃうからその服脱いじゃって」
幼女「…」ジー
賢者「ちゃんと直してあげるから」
賢者「賢者さんとお話してたらすぐだよ」
幼女「わかったー」ヌギヌギ
賢者(幼女の裸…なかなか悪くないっ)キラーン
賢者「それじゃあ準備するからちょっと待ってね」
幼女「はーい」
賢者(よく考えたら一歩間違えたらこれ誘拐だよね?)
賢者(変な事するわけじゃないからいいか)
賢者(眼福ということで…)
賢者(裁縫道具…裁縫道具…っと)
賢者「それで侍女が『小さい子は私の嫁!!』って」ヌイヌイチクチク
幼女「あっはっは~」
賢者「そのままお城中ドタバタドタバタ」ヌイチクヌンキャクチクチクヌヌーイチク ピンッ
賢者「できた!!」バサッ
幼女「わぁ!!」
賢者「じゃあちょっと着てみて」
ゴソゴソ
幼女「どうかな?」
賢者「うん大丈夫そうだ」
賢者「可愛さ100点だ」ビシッ
幼女「えへへ~」
幼女「それじゃかえるね」
賢者「うん」
幼女「けんじゃさんありがと~ばいば~い」ガチャ パタパタ
賢者「ばいばい」フリフリ
賢者「ふぅ」
賢者「今頃だが…」
賢者「我ながらハイスペックすぎないか?」
賢者「何言ってんだ、ハハこやつめ」
賢者「…虚しい」
賢者「常に一緒にお話できる可愛い子がほしいな…」
賢者「もう夕方か」
賢者「この調子で飯でも作りますかー」
賢者「…それだけはやめろと本能が警笛をっ」
賢者「料理だけは出来ないんだよね、私」
賢者「どこかで食べてくるかな」ガタッ
賢者「どこで食べるかが問題…ん?」
少女「よいしょよいしょ」ズリズリ
賢者(あの少女…えらいでかい荷物背負ってるな)
賢者(とゆーか引きずってるな…)
賢者(怪力少女っ!?)
賢者(でも嫌いじゃない)
賢者「へーいそこの彼女っ」
少女「よいしょっよいしょっ」ズリズリ
賢者「」ヒュ~
賢者(ちょっと遠かったかっ)
賢者(ならば横から抉りこむように打つべしっ)
賢者「ねぇ~かーのじょっ」ズイッ
少女「うん?」クルリ
賢者「ぐぴょっ!!」ゲシッ
少女「こえきこえたけど、きのせいかな?」ズリズリ
賢者(まさか声をかけた反対側を向くとはっ)
賢者(おじさん裏かかれちゃったっ)
賢者(策士や!!あの子は策士やっ!!!!)
賢者(…)
賢者(もう普通でいいや…)
賢者(心ん中ではしゃぎすぎて疲れたわ)
賢者「お嬢ちゃんちょっといいかい?」
少女「うん?」
賢者「そんな重そうなの持ってどこ行くんだい?」
賢者「なんなら手伝おうか?」
少女「だいじょうぶだよー」
賢者「でも大変じゃない?」
少女「ひとりでがんばらないとだめだからー」
賢者「でも…」
少女「あたし、ゆうしゃなんだ」
賢者「えっ!?」
賢者(勇者だって!?)
賢者(いるのは知っていたがこんな幼い子が?)
賢者「お嬢ちゃん、本物の勇者なのかい…?」
ゆうしゃ「そうだよーほらー」ボウッ メラメラ
賢者(手から青い炎が…)
賢者(聖なる命の炎…これは勇者の証)
賢者「他に誰も一緒にいる人いないのかい?」
ゆうしゃ「いないよー」フルフル
ゆうしゃ「でもね」
ゆうしゃ「あたしがんばらないとみんなこまっちゃうの」ムムッ
ゆうしゃ「だからみんなのためにゆうしゃとしてがんばるんだ!!」ニッコリ
賢者「っ!?」
賢者(こんな小さな子が…)
賢者(人々のために頑張るとか言って…)
賢者「お嬢…じゃなくて勇者ちゃん」
ゆうしゃ「うん?」
賢者「お城で言われたの?」
ゆうしゃ「さっきまでいってたんだー」
ゆうしゃ「そこでおうさまがねっ」
ゆうしゃ「まおうをたおしてくるんじゃーって」
ゆうしゃ「そういわれたからいまからたびだちますー」
賢者「そう…」
賢者(やはり言われたからなのか)
賢者「今何歳なのかな?」
ゆうしゃ「はっさいっ!!」
賢者「…8歳?」
ゆうしゃ「?」
賢者(たった8歳の子供が…)
賢者(こんな一生懸命に世界の事を…)ポロポロ
ゆうしゃ「あ…」
ゆうしゃ「どうしたの?おなかいたいの?」ポンポン
賢者「っ…ごめんっ大丈夫だよ」ゴシゴシ
賢者「とりあえずお腹すいてない?」
ゆうしゃ「ぺこぺこ~」スリスリ
賢者「じゃあ一緒にご飯食べない?」
賢者「お金は気にしないでいいよ」
ゆうしゃ「ほんとにいいの?」
賢者「いいよ」ニコ
ゆうしゃ「ありがとーおねーちゃん」ニコー
賢者「…勇者ちゃん」ダラダラ
ゆうしゃ「うん?」
賢者「何で私が女の子だって分かったんだぃ?」
ゆうしゃ「ん~」
ゆうしゃ「おねーちゃんだもん」ニコニコ
賢者「…そっか」
賢者(9割方男モードの着こなしなのに)
賢者(何故一瞬でバレたし…)
賢者(これが勇者の直感っ?!)ビクンビクンッ
ちょっとここで投下一時止めますね。
1時間後ぐらいに再開予定death。
まってる
期待
賢者「うはーくったくったー」ポンポン
ゆうしゃ「くったくったー」ポンポン
賢者「これからどうしますかな…っと」
ゆうしゃ「はっ」
ゆうしゃ「はやくまおうたおしにいかなくちゃ!!」
ゆうしゃ「じゃあおねーちゃんごはんありがとー」ポテポテ
賢者「こらこら」グイ
ゆうしゃ「きゃうんっ」ドサッ
賢者「荷物忘れてるよ」グイッ
ゆうしゃ「そうでした」テヘヘ
賢者「あとそこまで急がなくてもいいっしょ」
ゆうしゃ「でもみんなこまって…」
賢者「だからといって今出て行くのは感心しないね」
ゆうしゃ「なんで?」
賢者「夜は魔物が頻繁に活動しだすんだ」
ゆうしゃ「でもあたしゆうしゃだよ?」
ゆうしゃ「そんなのバッサバサ…」
賢者「バックバク食べられちゃうぞ君が」
ゆうしゃ「え」
賢者「剣って今まで持ったことあるかい?」
ゆうしゃ「…んーん」
賢者「…だったらなおさらダメだよ」
賢者「魔物はね本当に危ないんだ」
賢者「ちゃんとお勉強と訓練してないと戦えない」
ゆうしゃ「あぅ…」
賢者「あと出るのダメな理由は」
賢者「兵士さんがお外に出してくれないんだ」
ゆうしゃ「でもゆうしゃだよ…?」
賢者「勇者だけど君はまだ子供だ」
賢者「子供には絶対出させてくれない」
賢者「昼なら出れるかもしれないけどさっき言ったとおりさ」
賢者「意地悪で言ってるんじゃないんだよ」
ゆうしゃ「でも…でもっ…」グスグス
賢者(冗談じゃないぞ国王)
賢者(何でこんな幼くて何も知らず)
賢者(勇者の血引いてるってだけで旅に出させるんだっ)
賢者(途中の過程ぶっ飛ばして行かせたら)
賢者(どう考えても無駄死にするだけだろうがっ)ギリッ
ゆうしゃ「ごめんなさいごめんなさいぃ…」ボロボロ
賢者「あっ…」
賢者(いつの間にか怖い顔してたか)
賢者「勇者ちゃん」ギュッ
ゆうしゃ「グス…」
賢者「お姉ちゃん別に君に怒ってるんじゃないんだよ」
賢者「君は優しくてとても勇気のある子だ」
ゆうしゃ「おね…ちゃん…」ギュ
賢者「今日はもう遅いからお姉ちゃんのお家においで」
ゆうしゃ「でも…」
賢者「んー泊めるというか」
賢者「しばらく住んでもらおうかな」
ゆうしゃ「?」
賢者「勇者ちゃんは気にしなくていいんだよー」
賢者「お姉ちゃんにまかせるといいよー」
ゆうしゃ「ありがと…」
賢者「可愛いなこいつめっ」ギュー
ゆうしゃ「うにゅう~」ジタバタ
賢者(勇者はしばらく家でなんとかしないといけないな)
賢者(あまり会いたくないけど)
賢者(一応、国王に話しつけておくかな)
-次の日-
賢者「ちょっとこのお姉ちゃんと遊んでてね」
ゆうしゃ「はーい」
賢者「お願いするよ侍女」
侍女「任せてよ賢者さん」
賢者(間違っても変な事教えないように)
侍女(変な事?はてどんな事でしょ?)
賢者(やったら泣かせるからなロリコン侍女さん)
侍女(やーんこわーい)
-王の間-
賢者「突然申し訳ありません」
国王「おぉ賢者か」
国王「研究は捗っておるかね?」
賢者「ボチボチやらせてもらっております」
国王「よいよい」
国王「また良い報告を期待しておるよ」
賢者「おまかせください」
賢者「それより国王様」
国王「む?」
賢者「勇者を…旅に出したそうですね」
国王「うむ」
国王「ついにあの魔王を倒せる時が来たのじゃ」
国王「彼女には頑張ってもらわねばの」
賢者「その勇者なのですが…」
賢者「まだ8歳の幼子ではないですか」
国王「そうじゃな」
国王「だがあの子も勇者」
国王「きっと魔王を…」
賢者「国王様」
賢者「それは無理な話であります」
国王「なんじゃと…」
賢者「私は昨日、偶然あの子と出会ったのです」
賢者「聞けば、戦いはおろか」
賢者「剣すら握ったことないと言っておりました」
賢者「これで行かせては無駄死にするだけです」
国王「そうなのか」
国王「うぅむ、それは知らんかったわい」
賢者(知らんかったじゃねーよジジィ)
賢者(あの子見ただけで分かるだろjk)
賢者「それで提案というかお願いなのですが」
賢者「私にあの子をまかせてもらえないでしょうか」
国王「賢者に…か」
国王「ふむ…お主なら知識も経験もある」
国王「分かったお主が見てやってくれ」
賢者「ありがとうございます」
賢者「あともうひとつ」
国王「なんじゃ?」
賢者「あの子が十分戦える状態になるまで」
賢者「討伐は数年待ってもらえないでしょうか?」
国王「なに?」
国王「向かいながらではいかんのか?」
賢者「お言葉ですが国王様」
賢者「勇者といえど人の子」
賢者「そんなすぐ鬼神のごとく強さになれるわけがないのです」
賢者「お願いです…10年…いえ8年だけでも…」
国王「…あいわかった」
国王「お主の頭脳・知識はわしも認めておる」
国王「8年で良いなら待とうではないか」
賢者「あ、ありがとうございます!!」
賢者(何とかなったか…)
賢者(8年…)
賢者(頑張ってもらわなくちゃな…)
-城 中庭-
賢者「どうしてこうなった」
侍女「はひ…はひ…あの子すごいわ…」グッタリ
ゆうしゃ「きゃっほー」ポタタタッ
賢者「足はやっ」ガビーン
侍女「追いか…けっこしたら…死ぬかと…」
賢者「お疲れさん…あとで甘いの買ってくるわ」
侍女「わーい…がくっ」バタリ
賢者(身体能力は基本高いのか)
賢者(それならどんな相手にも負けやしなくなるだろう)
賢者(鍛えればね…)
ゆうしゃ「あ、けんじゃおねーちゃんだ」ポテポテ
賢者「ハーイ用事終わったからかえろっか」
ゆうしゃ「うんっ」
賢者「じゃ侍女、またあとでね」
侍女「」フリフリ
賢者(意識㌧㌦のに手を振ってる…)
-賢者の家-
賢者「勇者ちゃんここ座って」
ゆうしゃ「?はぁい」ポテ
賢者「さっき王様にお話してきたけどね…」
ゆうしゃ「うん」
賢者「しばらく勇者ちゃんはここで修行する事になりました」
ゆうしゃ「うん…うん?」クビカシゲ
賢者「えっと…」
賢者「私が剣の使い方とか色々教える事になったの」
ゆうしゃ「そうしたらおそとにでていける?」
賢者「いけるいける」
ゆうしゃ「わぁ!!」
賢者「でもちょっと時間かかっちゃうけどね」
ゆうしゃ「そっかぁ…」
賢者「それにしばらくはここで住まなきゃいけない」
ゆうしゃ「うん」
賢者「…お家に帰りたい?」
ゆうしゃ「んーん」フルフル
ゆうしゃ「まおうたすまでおうちかえらないってきめたの!!」
賢者「…」
ゆうしゃ「おとうさんとおかあさんにあえないのは」
ゆうしゃ「ちょっとさみしいけどね」ショボン
賢者「君は強い子だな…」ナデナデ
ゆうしゃ「んっ」
賢者「なら明日から修行始めるから」
賢者「頑張って強くなろうね」
ゆうしゃ「がんばるっ」ニギニギ
賢者(この子なかなか萌えるぅ!!)ビクンビクンッ
-お風呂-
ゆうしゃ「ひゃっほーい」ヌギヌギ
賢者「嬉しそうだね」
ゆうしゃ「おふろだいすきなんだっ」ジャーン
賢者「そりゃよかった」
賢者「うちのは改造して露天風呂になってる」
ゆうしゃ「えっ」キラキラキラ
賢者「笑顔が眩しすぎて直視できない…」クッ
ゆうしゃ「おねーちゃんはやくはやくっ」グイグイ
賢者「ちょ…待って、下着引っ張らないで…」
ゆうしゃ「うわーおそとがほんとにみえるー!!」
賢者「すごいでしょ」
賢者「こう広々としたの好きなんだよね」
ゆうしゃ「すごーいすごーい」パタパタ
賢者「ほらほら走ると転んで痛いよ」
ゆうしゃ「いたいのはいやであります!!」ソロ~リ
賢者(素直だけど時々暴走する子だな)メモメモ
ゆうしゃ「むん」チョコン
賢者「もしかして待っているのかな?」
ゆうしゃ「えへへ~洗って?」
賢者「はぃはぃ」
賢者(あと誰にでも懐く&甘える)
賢者(ちょっと変わった子かもしれない)
賢者「ふぅ~」チャポ
ゆうしゃ「ほねみにしみますなぁ」
賢者「おっさんかっ」ツッコミ
ゆうしゃ「えへ」
ゆうしゃ「…おぉ」ジー
賢者「どうしたの?」
ゆうしゃ「…」ジー
賢者(人の体をじーっとみている)
賢者(特に傷とかそういうのはないんだけど…)
ゆうしゃ「ねぇおねーちゃん」
賢者「なんだぃ?」
ゆうしゃ「あたしもこれほしい」
賢者「ちょ…」
賢者(どう見ても二つの山です)
賢者「もうちょっと大きくなったら」
賢者「勇者ちゃんだって同じぐらいには…」
賢者(ならん場合もあるけどw)
ゆうしゃ「ふーん」ジー
賢者「みるなえっち」
ゆうしゃ「?」
賢者(反応がないのは寂しいぞ)
賢者「勇者ちゃんはまだこれからさ…」ナデナデ
賢者(『色々と』ね…)
-賢者の部屋-
賢者「修行か…」
賢者「8年あるんだ」
賢者「あの子に少し厳しくしてでも」
賢者「ゆっくり確実に成長させていくか…」
賢者(しかしあれだね)
賢者(16歳の小娘が8歳の少女に修行て)
賢者(なかなかないパターンだよね?)
賢者(天才と呼ばれた私)
賢者(この年齢にして覚えた知識が尋常ではない)
賢者(そのせいかどこへ行っても優遇されてしまう)
賢者「最初は面白かったんだけどなぁ」
賢者(成長するにつれて)
賢者(興味をもつものがなくなってしまった)
賢者(それを分かっているってのは面白くないんだ)
賢者(でも唯一分からないのがあった)
賢者(そう、人間だ)
賢者(自分の事は知ってるわけだから面白くない)
賢者(だけど他の人は違う)
賢者(考え方も行動も姿もそれぞれだ)
賢者(だから私は時々城を飛び出して)
賢者(他の人を観察して遊んでいるわけ)
賢者(得るものはないかもしれない)
賢者(でも面白いんだ)
賢者「はっ」
賢者(何を一人で語っているんだ私は)
賢者「ねよ…」ゴソゴソ
─……し…う…な
賢者「?」
賢者(隣から声が聞こえる)
─ど…し…うかな…
賢者「…」ムクリ テクテク
賢者「そぉい!!」バァン!!
ゆうしゃ「にゃあああああ!!」ポテッ
賢者「なーにやってんだい」
ゆうしゃ「びっくりしたよぉ~」ドキンコドキンコ
賢者「『どうしようかな』って聞こえたんだけど」
ゆうしゃ「あ…うぅ…」モジモジ
賢者(何かに困っていたのだろう)
賢者(それは何?)
賢者(よく見ると勇者ちゃんは枕を抱いたまま)
賢者(そして何故か私の部屋の前にいた)
賢者(何か私に言いたい事があるのは確かだ)
賢者(この子の性格考えたら…)
賢者「勇者ちゃん一緒に寝よう」グイ
ゆうしゃ「わっ」ズルズル
賢者「おいでおいで」モゾモゾ
ゆうしゃ「おねー…ちゃん?」
賢者「いいから、ほら」ファサ
ゆうしゃ「し、しつれいしまーす」モゾモゾ
賢者「変なところで遠慮する子だね」
賢者「話してごらん」
賢者「さっき言いたかった事」
ゆうしゃ「…」
ゆうしゃ「あのね」
ゆうしゃ「じぶんのおうちにいるときはね」
ゆうしゃ「おとうさんとおかあさんのまんなかにねてたの」
賢者「うん」
ゆうしゃ「でもいまはひとりなの」
ゆうしゃ「あったかくなかったの」ギュ
賢者「そぅ」
賢者(親のぬくもりが…か)
賢者(強がってもやっぱり幼子なんだね)
賢者「もっとこっちおいで」
ゆうしゃ「?」モゾ
賢者「…」ギュウ
ゆうしゃ「んっ」
賢者「これで少しは暖かくなった?」
ゆうしゃ「ん~」ギュー
賢者(答えてはくれなかったけど)
賢者(強く抱きしめ返してくれたからいっか)
賢者(でも…)
賢者(私がいなければひとり)
賢者(どこかで寂しく震えながら寝ていたのかもしれない)
賢者(偶然出会えてよかった)
賢者「それじゃあ寝るよ、おやすみ」
ゆうしゃ「うん、おやすみぃ…」
賢者(私なりにやっていこう)
賢者(この小さな勇者と共に…)
-近所の空き地-
賢者「剣の使い方についてだけど」
ゆうしゃ「はい、せんせいっ」
賢者「ごほん…(先生で間違ってはないけど…)」
賢者「正直、私は専門外でもあるんだよね」
ゆうしゃ「じゃあわからないの?」
賢者「いや、分からなくても…」スッ
シュバッ
ズパァン!!
ゆうしゃ「うわ、き(木)がバラバラにっ」
賢者「ある事知っていればこんな風に出来るよ」
賢者「…あとさっきのは魔法とか使ってないからね」
ゆうしゃ「でもバラバラになったよ?」
賢者「勇者にもいつかできるようになるよ、うん」
賢者「武器=傷つける物」
賢者「これはさすがに分かるよね」
ゆうしゃ「うん」
賢者「でも知るべき所は武器の事だけじゃないんだ」
賢者「構え方とかそういうのを普通習うんだろうけど」
賢者「私の場合ね」
賢者「武器を使う標的の事を知ったんだ」
ゆうしゃ「わかんない」クビカシゲ
賢者「つまり~」スッ
賢者「標的は勇者ちゃんだとする」チャッ
ゆうしゃ「う?うん」
賢者「そしたら勇者ちゃんの体を調べるわけだ」
賢者「ここはプニプニ、ここはカチカチだ…ってね」
賢者「そうして弱点…よわ~いところを見つけちゃうんだよ」
ゆうしゃ「しんぞーとか?」
賢者「それは中身だね…でもそうだよ正解」ナデナデ
ゆうしゃ「わ」ポワーン
賢者「んで、その弱点をうまく突いちゃうと…」ツーン
スパーン!!
ゆうしゃ「わ、またっ!!きがバラバラにっ!!」
賢者「こうなるんだ」
ゆうしゃ「弱点ってすごいんだね」
賢者「うん」
おもしろい
賢者「ある程度剣の使い方分かれば」
賢者「いらない事覚える必要ないんだよ」
ゆうしゃ「ムッキムキにならなくてもいいの?」
賢者「いらんっ!!必要ないっ!!萌えないっ!!」
賢者(この子がムキムキだと…可愛くないじゃないかっ)
ゆうしゃ「わわ、すっごくそくとーされちゃった」
賢者「ごほん…振り方とかはさすがに大切だから」
賢者「それを練習し続けてたら大丈夫だよ」
ゆうしゃ「はーい」
賢者「じゃあ木の枝で振り方練習してみようか」
ゆうしゃ「わーい」ブンブン
賢者「すでに振っている…だと…」
-緑いっぱいの広場-
賢者「はい、お勉強の時間です」
ゆうしゃ「わくわくっ」キラキラッ!!
賢者「だからその楽しみ光線やめれっ!!眩しいわっ!?」
賢者「魔物について教えようか」
賢者「魔物には色々違う種族が存在します」
賢者「種族が違うという事は体型とかだって違います」
ゆうしゃ「おおきかったりちいさかったり!!」
賢者「そうだよえらいえらい」ナデナデ
ゆうしゃ「えへへ~」
賢者「それらと戦わないといけない時」
賢者「全部同じように戦っちゃダメなんだ」
ゆうしゃ「なんで?」
賢者「みんな同じ様に動かないからさ」
賢者「人間だって誰も同じ動きしてないでしょ?」
ゆうしゃ「うん」
賢者「だからこの種族は~こういう動きだとか」
賢者「そういうのを覚えておかないといけない」
賢者「ここまで分かったかな」
ゆうしゃ「はぁい」
賢者「じゃあ次に…」
勇者は幼いながら一生懸命に知識を得ようとしている
力だって頑張ってつけようとしているんだ
頑張ろう?
私が傍にいて力になってあげるから
魔王を倒してお家に帰ろう
お父さんとお母さんが待ってるんだから…ね
そして8年の月日が経った─。
-街中-
盗賊「おらどけーっ!!」ダダッ
街人「誰か捕まえてくれ!!」
「また盗賊か…以外と治安悪いなここ」モグモグ
「行ってくる」スッ
「放っておけばいいのに」
「そんなわけにもいかないよ」
盗賊「捕まるわけねーだろっ」
盗賊「俺様はつえーんだぜ!!はははっ!!」ダダダッ
「失礼だけどそんなに強そうには見えないよ?」トトトッ
盗賊「なんだと!?」クルッ
盗賊(女?女の癖になんだこいつはっ)
「はい、女の癖にって思ったなっ」グッ
盗賊(!?心を読まれた!?)
盗賊「見ただけで勝敗分かるだろっハッハー」
「そうだね」ニッコリ
バキッ!!!!
ガシャァァァァァァァン!!!
盗賊「」ピクピク
街人「ありがとう…って君は勇者ちゃんか」
勇者「はいおじさん、取り返したよ」
街人「うんありがとうな」
賢者「まーた派手にやっちゃって」モグモグ
勇者「加減難しくって…って、あーっ!!」
賢者「?」モグモグ
勇者「あたしのまで食べてるしっ!!もー!!」
賢者「でてったからもういらないかと」ゴクン
勇者「もういいもんっ」プイッ
賢者「あれ怒った?」チョンチョン
勇者「つーん」スタスタ
賢者「もー怒ってるのも可愛いな」ビクンッ
賢者(あれからついに8年)
賢者(あんな小さかった勇者は立派に成長した)
賢者(あの頃の私と同じ年齢だっけか)
賢者(そろそろ旅に出なければならない)
賢者「食べ物の恨みは恐ろしいってか?」
賢者「ケーキでも買って帰るかな」
全力で支援いたす
賢者「ただいまー」ガチャ
賢者(勇者は…いるな)
勇者「…」ムスッ
賢者「あー勇者」
勇者「…」
賢者「えっと」
賢者「明日、魔王討伐に出ようと思う」
勇者「えっ!?」クルッ
賢者「約束してた事だしねそろそろ行くとしよう」
勇者「…うん」
賢者「ふふっ」
勇者「…なに?」
賢者「言うタイミング悪すぎたなと思って」
勇者「別にいいよ」
勇者「それはずっとあたしもいつにしようって悩んでたから」
勇者「だからといってあたしはまだ機嫌良くならないよ」プイッ
賢者「もぅそこまで怒らなくたって…」コトッ
賢者「全部食べていいよ」
賢者「部屋にいるから」キィ パタンッ
勇者「…」カサカサ
勇者「ケーキだ…」
勇者「賢者はいっつもこうだよね…」モグモグ
勇者「おいし」
賢者「こんなもんかな」ゴソゴソ
ガチャ
勇者「賢者」コトッ
賢者「全部食べていいって言ったはずだけど?」
勇者「美味しいものは共有したかったの」
賢者「そっか…ありがとう」パクッ
賢者「うまー」
勇者「準備してたの?」
賢者「ふぉーだよー」モグモグ
勇者「ついてきてくれるんだ…」
賢者「ゴクン!!そりゃ放っておけますかってのっ」
賢者「こんな可愛い子一人で旅させるのは危険だ!!」
勇者「…明らかに意味が違ってるよね」
賢者「何故分かったっ」
勇者「わからいでか…」
勇者(8年いたらさすがに変態だったって分かるよ…)
賢者「まぁ冗談抜きで私の魔法は役に立つと思うよ」ニコ
勇者「分かった、一緒に行こう」
賢者「なら準備済ませちゃうんだ」
勇者「はーい」
ー街の外ー
勇者「とうとう街を出ちゃった…」ドキドキ
賢者「初々しいのぅ」
賢者「さてまずどこに向かうかな」
勇者「あれ魔王城じゃないの??」
賢者「直、魔王城行こうとするアホの子な勇者大好き」
勇者「アホの子…」ズーン
賢者「場所だって分からないんだ」
賢者「情報を集めながら行かなきゃいけないんだよ」
勇者「そっか」
賢者「とりあえずここからしばらく行ったら村がある」
賢者「そこまでまず行こうか」
勇者「うんっ」
-とある村-
勇者「のどかな所だなぁ」キョロキョロ
賢者「あまりキョロキョロすると田舎者と思われるぞぅ」
勇者「え、それおかしくない!?」
村人a「もうダメだ!!」
勇者「ビクッ」
賢者(口でビクッて言った勇者かーわいいっ)
村人b「くそどうすりゃいいんだ…」
勇者「あの…どうしたんですか?」
村人a「他所もんには関係ない話だ」
勇者「そんな事言わないでくださいよ~」
勇者「あたし、これでも勇者なんです」
村人b「勇者・・・?」
村人a「おいおいマジかでこんなのが勇者かよ」
勇者「こんなの…」ズーン
賢者「ほーらそのぐらいで落ち込まない」ポンポン
賢者「こんなでも本物なんです」
賢者「話すだけ話してもらえませんか?」
村人a「…分かった」
村人b「本当に話すのかよ?」
村人a「俺達じゃどうにもならないんだぞ…」
村人a「わずかな希望に賭けたっていいじゃないか…」
村人b「そうだな…ここじゃなんだ、俺んちまで来てくれ」
勇者「分かりました」
賢者(コイツは勇者の初仕事になりそうだねぇ)
賢者(色んな意味でね)
村人a「随分前からこの村の畑を荒らす魔物が現れたんだよ」
勇者「魔物…」
村人b「畑の農作物は俺達にとって数少ない資金源であり食料だ」
村人a「このままだとこの村全体飢えてしまう」
賢者「そいつは死活問題だねぇ」
勇者「魔物っていつ現れるんですか?」
村人a「いつも深夜に複数で現れては荒らし回っていきやがるんだ」
村人b「1匹なら俺達で撃退できるんだけど数が多いんだよ」
賢者「あんたら」
村人a「なんだ?」
賢者「多分ソイツらは生きるためにやっているんだ」
村人b「…こっちだって同じだ」
賢者「そうだね」
賢者「でも、他に『何か』やってんじゃないのかな?」
賢者「そこんところどうなんだぃ?」
村人a「…」
勇者「ね、ねぇ賢者…どういう事?」
賢者「いや、普通畑荒らしってのは」
賢者「食料とるためだけにやってきて」
賢者「いるもんとったらはいさようならだ」
賢者「ただし、罠とかそういう物があるところは」
賢者「なるべく回避するものだ」
勇者「うん、リスク犯してまでやりたくないもんね」
賢者「そう」
賢者「でもおかしいんだよ」
賢者「さっき見た感じだと罠は十分設置されている」
賢者「それでも荒らされているのは見たら分かった」
賢者「魔物だって賢いのがいる」
賢者「ここまで抵抗するには何かあるんじゃないか」
賢者「そう思ったのさ」
勇者「なるほど…」
勇者「あの…荒らされるってやっぱり物取ったりされるんですか?」
村人b「最近はぐちゃぐちゃに踏み荒らされるのが多いだけだな」
村人a「もうほとんど畑は使ってないんだ」
賢者「どうせ直しても同じだから…か」
勇者「…」
賢者「勇者、どうしたの?」
勇者「ちょっと畑見せてください」
村人b「あ、あぁ…」
おお?
勇者「…」
賢者「何か分かったかぃ?」
勇者「賢者…」ボソボソ
賢者「…了解」テクテク
村人a「何か分かったのか?」
勇者「いつまでも荒らされる原因が分かりました」
村人b「!?」
勇者「今知ってる事言っておいたほうがいいと思います」
村人b「なんだってんだ…」
村人a「…」
勇者「…」
勇者「前に一度」
勇者「ここでその魔物の一匹殺しませんでしたか?」
村人b「あぁ逃げ遅れた奴を袋叩きにしてやった」
勇者「やっぱり…」
勇者「あの畑…血のにおいが染み付いてました」
村人a「あぁやっぱりそういうことなのか…」
村人b「おい…?」
勇者「荒らしている魔物は仲間意識が強い種族です」
勇者「彼らはおそらく人間に抵抗するほどの力はないはずです」
勇者「だから人間を別の形で追い込もうとしたのです」
村人b「それが畑荒らしってか…随分と頭が働く魔物だな」
村人b「お前…!!」ガッ
村人b「んな事知っててなんで教えやがらなかった!?」
賢者「それ分かったら何か出来てたのかい?」ザッ
村人b「それは…」
勇者「賢者、どうだった?」
賢者「うん見つけたよ」
賢者「魔物の墓」
村人b「墓…?」
賢者「彼なりに本当に後悔してたんだよ」
賢者「随分と丁重に供えてあった」
村人b「…」
勇者「そっか」
勇者「今からでも遅くないと思います」
勇者「殺しちゃったものはどうにもならないけど」
勇者「償ってみるのはどうかな?」
勇者「自分達に出来る形で…」
村人a「…そうだな」
村人b「俺も何か出来るならするよ」
勇者「頑張ってね」ニコ
賢者「無駄な時間とっちゃったな」
勇者「…大丈夫かなあの人たち」
賢者「まったくあんたって子は…」
賢者「なんでこんなに優しすぎるかな」ナデナデ
勇者「そうかな」
賢者「あのタイミングでお墓探して来い言われるとは思わなかったわ」
勇者「あると思ったんだもん」
勇者「あの人何か隠してるみたいだったし」
勇者「それにあの畑血のにおい染み付いてたから」
勇者「殺してどこかに埋めたんだって思ったの」
賢者「なかなかの推理力じゃないかい」
賢者「誰に似たんだか」
勇者「じー」
賢者「こっちみんな」プイッ
賢者「ほら、次行くよっ」
勇者「はぁい」
-大きな街-
勇者「ほぇ~人がいっぱいだぁ」
賢者「一応ここ世界で一番でかい街だからね」
勇者「すごーいすごーい」キョロキョロ
賢者(またキョロちゃんになってるな…)
賢者(こうして世界を知っていくといいよ)
勇者「?」パタパタ
賢者「って!?勇者どこ行くのっ!?」
勇者「こっちの方かな?」
僧侶「…」
勇者「もしかしてさっき呼んでたの君?」
僧侶「…はい呼んでました」
僧侶「私こう見えても神に仕えるものなんです」
勇者「うん」
僧侶「貴方に幸福が訪れるように祈らせてもらえませんか?」
勇者「かまわないよー」
賢者「ゆ~しゃぁ~」ズカズカ
勇者「あ、賢者」
賢者「あ、賢者…じゃなーい!!」
賢者「勝手に歩きまわらないっ」
勇者「ごめんなさいー」
僧侶「…睡眠魔法」ボソッ
賢者「!?」グラグラ
賢者(これは魔法…!?不意に対処できなかった…!!)ガクッ
勇者「あ…れ…」ガクン
賢者「すーすー」
勇者「くぅくぅ」
僧侶「…」
-どこかの牢獄-
ピチョーン ピチョーン
勇者「ん…」パチッ
勇者「ここ…どこ…?牢屋?」
賢者「ごめん…勇者…」
勇者「え、賢者どこにいるの??」
賢者「隣の牢」
賢者「完全に油断したわ」
勇者「あたし達何があったの?」
賢者「さっきの聖職者のせいさ」
勇者「え?」
賢者「睡眠魔法かけられた」
勇者「なんで!?」
賢者「そこまでは知らないよ…」
勇者「あ、ごめん…」
賢者「怪しいの分かってて油断した私が悪いわ」
勇者「でも…」
賢者「大丈夫よ」
賢者「何があっても勇者には手を出させないから」
賢者(でも、今はちょっと難しいか…)
賢者(魔封のリング…これが邪魔すぎる)ガシガシ
賢者(こちらが魔法使えることは分かっていたってわけか)
コツーンコツーン
男「おい、出ろ」ガチャ
賢者「…あら怖い、何されるやら」
男「何されるか分かってんじゃないのか?ヒヒヒ」
勇者「賢者ぁ…」
賢者「待ってて、絶対助けに来るから」ニッコリ
賢者(勇者に何かあったらすべてを消滅させる)
賢者(それぐらいの覚悟はできている)
男「しっかしあんたすっげー美人だなぁ」
賢者「…」
賢者「そりゃどーも」
男「そりゃ奴らがほしがるわけだ」
賢者(ただの体目的の下衆共か…)
賢者(でもこのままだとコイツらに汚されてしまうな…)
賢者(どうにかして逃げないと…)
男a「うほぉマジ上玉じゃねーか」ジュル
男b「やべぇもう勃ってきやがったっ」ゴソゴソ
男c「おいおいお前ら落ち着けよ…」シコ・・・シコ
男ab「お前が一番落ち着けwww」
賢者「…」
賢者(男はやっぱりダメだわ…)
賢者(汚らわしい…)
男b「しかし何もしゃべらねぇな」ジロ
男a「そりゃ今から犯られんだから気が気じゃないだろ」
男c「俺、もう一人の子食いたいからソイツはまかせるわ」シコ…シコ
賢者「っ!?」
賢者(勇者…)
男a「お?えらい反応したな」
男a「もう一人の子が心配か?」
賢者「…」
男a「おーその顔いいねぇそそるわぁ」
男b「安心しろ」
男b「アンタ犯った後、目の前でめちゃくちゃになるの見せてやんよ」
賢者「っ!?ふざけるなっ!!」
賢者「あの子には絶対手を出させないっ!!」
男a「でもアイツがもう予約済みだしなぁ」
賢者「わ…私はどうなってもいいから…あの子だけは…」プルプル
男b「おー健気だねぇ」
男b「だったら…」
ビリィッ!!
賢者「!!」
男b「あんたが俺らを満足させられたら考えてやるよっ」グシュ
賢者「…っ!?」ピクッ
男b「お、コイツもう濡れてやがるぜ…」
男a「もしかしてこの状況で興奮してるのかぁ」
男a「まぁ軽く一発目いきますか…」ズイッ
賢者「…っ」ガクガク
賢者(嫌だ嫌だ…怖い怖いよ…)
賢者(こんなところで初めてを散らされるなんて)
賢者(やだやだやだやだぁぁぁぁぁ)
-その数分ほど前-
勇者「賢者…やだよ…」カタカタ
勇者「賢者が嫌な目に合うなんて…」
カツーン
勇者「賢者!?」
僧侶「…」
勇者「君は…」
勇者「出してっ!!」
僧侶「…だめ」
勇者「大切な人が危ないのっ!!お願いっ!!」ガシャッ
僧侶「…あの人はめちゃくちゃにされる」
勇者「そんなのやだぁ!!」ガシャガシャッ
僧侶「…運が悪かったね」
勇者「何でこんなことするの!!ねぇっ!?」ガシャンッ
僧侶「…あの人たちの考えることは私には関係ない」
勇者「…お願いだよぉ」ズルズル
勇者「うっ…くっ…」
僧侶「…」
勇者「…さない」ガシッ
僧侶「…?」
勇者「…たいに……さない…」ググッ
僧侶「…そんなことしても開かな」
勇者「絶対に賢者を傷つけたら許さないからぁっ!!!!」バキバキバキィ
ドガシャアアアアアン!!
僧侶「…!?」ペタリ
勇者「…」ヒタヒタ
勇者「絶対…助ける…」ヒタヒタ
僧侶「…ひっ!!」
スッ ヒタヒタ カツーンカツーン
僧侶「…怖かった」チビ
ドガシャアアアアアン!!
男b「な、なんだ!?何の音だよ!!」
男a「もーいいところで・・・」ムクリ
賢者「…ゆう…しゃ」ガクガク
カツーン カツーン
男a「あの小娘、ちゃんと仕事してんのか?」
男b「あの娘の監視させてるはずだけど…」
ヒタ…ヒタ…
男c『あ、お前どうや』
グシャアアアアアアア!!
男b「え?男c?」
男a「なにがあったんだよ…」
ヒタ…ヒタ…ヒタ…
ドゴオオオオオオオオン!!
ヒタ…ヒタ…ヒタ…
ドゴオオオオオオオオン!!
男a「何が起こってるんだよぉ」カタカタ
男b「ばか、落ち着けよ」
賢者「…まさか」
男b「あんなヒョロヒョロの小娘がそんな強いわけ…」
ドゴオオオオオオオオン!!
男a「ヒィッ!?」
勇者「やっと…みつけた…」ズルリ
賢者「勇者…」ポロポロ
勇者「もうこれ以上何もさせないからね」ニコ
男a「お、おい…どうやってここまで来たんだよ…」
勇者「この人に…まだ何も…してない…?」
男b「聞けよ!!どうやって…」
ドガアアアアアアアアン!!
男b「ひぃぃぃぃぃ!!」
賢者(何だあの力…)グスッ
勇者「何も…してない…?」
男a「ししししてないっ!!」
男a「やってないっ!!神に誓うっ!!」
勇者「」フラリ
グシャアアアアア!!
男a「」ズルリ
賢者(何この力…どう考えてもリミッターが外れてる)
勇者「服…破かれてる…うそつき…」
男b「は…あ…」ガクガクガク
勇者「あたしの大切な人に汚い手で触れたな…」フラリ
男b「許して…ゆる…」
グチュウウウウウ!!
男b「」ピクピク
勇者「…」ペタリ
賢者「勇者…」
賢者(あの人外の力はなんだったんだろう…)カタカタ
賢者(はっ!?)カタカタ
勇者「賢者…大丈夫…?」
賢者「う…うん…」カタカタ
賢者(私は今…勇者を恐れている…)カタカタ
勇者「賢者…」
勇者「ふぅ…ごめんっ!!びっくりさせたっ!!」
賢者「!?」
勇者「賢者のこと考えてたら夢中になっちゃって」
勇者「知らない間にすっごい怖い事してたね…」ニ、ニコ…
賢者(この子…私を怖がらせないように…)カタ…
賢者(私のバカッ!!)パーン
賢者「ゆーしゃっ」ガバッ
勇者「わ…」
賢者「まさかこっちが助けられるとは思わなかった」
賢者「ありがとねっ」ニッコリ
勇者「賢者ぁ…」フルフル
賢者「ほらすぐ泣こうとしない!!」
勇者「で、でもぉ」グス
賢者「いやマジな話、ギリギリで私助かっちゃったんだわ」
賢者「あの数秒できったないもんぶち込まれるところだったわっ」hahaha
勇者「怖かったよね…?ね?」ギュッ
賢者「うん…怖かった」ギュッ
勇者「もうこんな目に合わせたりしないからっ」
賢者「…元はといえばあんたのせいだったけどね」
勇者「すいませんっしたっ」ドゲザー
賢者「さて…あとやる事といえば…」
勇者「あの子?」
カツーンカツーン
勇者「よかったまだいたんだ」
僧侶「…っ!?」ガタガタ
勇者「大丈夫だよ、君にはあんなことしないから~」
賢者「でもあんたのした事は許されることではない」
賢者「…分かるね?」
僧侶「…」
賢者「何か言いなさい」
僧侶「…」
賢者「言いなさいっ!!」
僧侶「…ごめん…なさい」ズズッ
賢者「あんたは何をやってるんだ」
僧侶「…え」
賢者「それすら気がつかないのかぃ?」
僧侶「…」
賢者「お嬢ちゃん」
僧侶「…?」
バシーン!!
賢者「勇者に謝れって言いたいんだよ私はぁっ!!」
バシーン!!
勇者「ちょ…賢者…」グイ
賢者「勇者止めるな」
賢者「この何も知らないって外顔が気に食わないんだよっ!!」バシーン
賢者「こっちがどれだけの目に合ったと思ってる!?」バシーン
賢者「えぇ!?20も生きてない小娘がっ!?」バシーン
僧侶「…」ガタガタガタ
勇者「結局、私怨じゃん」ボソリ
賢者「…」
賢者(意外と冷静だねこの子は…)フッ
賢者「もう疲れた…外に出る」
勇者「はーい」ニコ
勇者「君もいこっ」グイッ
僧侶「…」
賢者「…」
勇者「ごめんね…さすがにやりすぎたよ…」ホワァ
僧侶(頬の痛みがなくなった…)
僧侶(回復魔法…)グッ
勇者「賢者はとっても嫌な目に合ったんだよ、分かる?」
勇者「君は同じ目に合った時、それを許せる?」
僧侶「…」
勇者「ふぅ…」
勇者「神に仕えるものが人が傷つけられるのを見てるだけなの?」
僧侶「…っ」
僧侶「…本当は聖職者じゃない」
勇者「そうなの?」
僧侶「…元はそうだったけど」
僧侶「…」
勇者「むむっ…だったらちょっとまずかったかな」
勇者「ごめん、さっきのなしね」
僧侶「…どうしてそんなに」
勇者「えっ?」
僧侶「…あんな事した私に優しくするの?」
僧侶「…二人を売ったのは私」
僧侶「…めちゃくちゃになるのを分かっててやった」
僧侶「…なのになんでそんなに優しく…できるの…」ポロ…
勇者「そうだねぇ…」
勇者「はじめてあった時」
勇者「何か泣きそうな顔だったから」
勇者「気になってたんだ」
僧侶「…やめて」ポロポロ
賢者「それ…私すら気づかなかったんだけど…」
勇者「あたしを怒る事でいっぱいだったからじゃない?」ニコニコ
賢者「底知れない子だねアンタは…」
僧侶「…もう私に優しくしないで」
賢者「何も言わないつもりだったけど」
賢者「この子に優しくするなといっても無駄だよ」
賢者「この子の半分は優しさでできてるんだから」
賢者「一度捕まれば逃げられやしないよ」
勇者「それなんかひどくない…?」
勇者「あたしが言いたいのはね?」
スッ
勇者「何があったかなんて分からない」
勇者「君が今までどう苦しんできたのかは知るすべもない」
勇者「教えてなんて言わない」
勇者「でも、出来たら私はそれを癒せる存在になりたい」
勇者「傍にいるだけで癒しになれたらいいと」
勇者「あたしは思う」
僧侶「…」ポロポロ
ギュッ
勇者「苦しかったんだね辛かったんだね」
勇者「傷が塞がるまであたしは傍にいてあげる」ナデ
僧侶「…」ポロポロポロ
賢者(私の癒し勇者が…)ガ-ン
賢者(仕方ない…今日は貸してあげる)
賢者(でもそれでも声は出さないか…)
賢者(この子もまた強い子なのかもしれないな…)
賢者(でもこういう時は無理をするから)
賢者(勇者のような癒しの存在が必要だったんだろうね)
賢者(どっちが聖職者やら…)
勇者「と、いうわけで仲間になってください」ペコリ
僧侶「…」パチクリ
賢者「おーい勇者さんやーい…」
勇者「だって僧侶ちゃんこのままにしておけないし」
僧侶「…別に私は独りで生きていける」
勇者「だめだよっ!!」
僧侶「!?」
勇者「一人だったら誰が癒してあげるの?」
僧侶「…」
賢者「えー…」
賢者「私には勇者がいるから大丈夫、フヒヒ」ギュー
勇者「ちょ…賢者何するのー」ギュム
僧侶「…」ポカーン
僧侶「…」ポカーン
賢者「あー癒されるわぁ」スリスリ
賢者「一人じゃ有り余るほどの癒しだよこれは」チラッチラッ
僧侶「…もぉ」ギュッ
勇者「僧侶ちゃんまでくっついたっ」
僧侶「…勇者の癒しに負けました」
僧侶「…不束者ですがよろしく」ペコリ
勇者「やったぁ」
賢者「やれやれ」
『僧侶が仲間になった!!』
本日はここまでっ!!
続きは夜あたりにでも投下予定です。
途中の支援とか感想とかありがとう。
のんびり続き投下するのを待っててください。
男共が誅されたのに僧侶だけお咎めなしなのか
今まで僧侶に売られて酷い目にあってきた女性達が可哀想
特にこれが何度目とは言ってないだろ
もしかしたら初めてかもしれない
投下の時間がまいりました。
ではぼちぼち投下していきますね。
>>127 何度目かはご想像にお任せということで。
-道中-
勇者「次はどこまで行くの?」
賢者「さっきの街で得た情報によると」
賢者「山を越えた先に変わった所があるらしいわ」
勇者「変わった所?」
賢者「なんでも…」
僧侶「zzz」
賢者「…その前にどうにかならないのかぃ?コレ」
勇者「疲れてたみたいだから」
勇者「そっとしてあげて…っと」ドッコイショ
賢者「いや…」
賢者「なんで勇者がおんぶしてるんだっ」
賢者「そこが気に食わない!!」
勇者「文句あるのそこなんだ…」
勇者「無駄に力有り余ってるからいいよ別に」ニコニコ
賢者「だからといって…はぁ」
勇者「続き…続き話そっ?」
賢者「仕方ないねぇ」
賢者「なんでもある魔族が住んでる所があるんだってさ」
勇者「魔族…」
賢者「噂によるとエルフ族」
賢者「ただし実際に見たという人はなし」
勇者「ホントに噂程度の情報なんだね」
賢者「そういうこと」
賢者「これを信じるかどうかは任せるよ」
勇者「行ってみようよ」
勇者「何もないならそれでいいし」
勇者「本当にあるならあたしは会ってみたい」
賢者「人と違う存在だから…かぃ?」
勇者「魔族とかじゃなくて…」
勇者「個人的な考えがあってお話したいんだ」
賢者「…ホント立派になったねあんたは」
勇者「そ、そうかな」テレテレ
賢者「まぁそう言うなら行ってみようか」
勇者「いつもわがまま言ってごめんね?」
賢者「かまわないよ」
賢者(むしろわがままな方がいいんだよ)
勇者「それじゃレッツゴー!!」
僧侶「…んぅ」zzz
賢者「やっぱそれ自力で歩かせない?」イライラ
勇者「だいじょ~ぶだってぇ~」ドッコイショ
賢者(ずっと勇者のぬくもりを…)グスン
勇者「もーどいてっ」ズパッ
魔物「ギャー」ドサッ
賢者「山入ったら急に魔物が増えてきたねぇ」ヒョォ~
魔物「」ピキーン
勇者「…一掃していい?」ゴゴゴッ
賢者「あんたの魔法加減きかないからやめてくれる?」
賢者「ここら一体丸裸になる」
勇者(´・ω・`)
僧侶「zzz」
賢者「そこ、いつまで寝てるんだっ」パカーン!!
僧侶「…お」
賢者「起きたかね」
僧侶「…おやつの時間はまだ」zzz
賢者「…今ここで珍しい氷像が出来ることになった」コオォォォォ
勇者「僧侶ちゃんに絶対氷結魔法撃とうとするのやめて~」パタパタ
魔物「ガアァァァ!!」
勇者「しまっ…」クルッ
僧侶「…聖光魔法」カッ!!
魔物「ピャアアァァァ・・・」シュウン
賢者「…寝たふりかよ、嬢ちゃん」
僧侶「…もう食べられたいよ」ムニャムニャ
勇者「自分が食べられるんだ…」
賢者「い・い・か・げ・ん・にしときなよ」ゴゴゴゴ
賢者「これ以上手を焼かすと」
賢者「牢での続きをしないといけなくなる」ユラァ
僧侶「!?」
賢者「あんたは甘えすぎだ」
勇者「ちょ、賢者…」
賢者「勇者、あんたも甘すぎだっ!!」
賢者「この子、さっき攻撃しただけでまったく何もしてないじゃないかっ!!」
賢者「さすがにここまでされるとキレるわけよこっちはっ!!」
勇者「…」
僧侶「…」
賢者「説明しただろう、私達は遊びで旅してるわけじゃない」
僧侶「…ごめんなさい」
賢者「謝るんなら最初から動いてくれないと…」
僧侶「…」ポテポテ
賢者「ちょ…どこいくのさっ!?」
勇者「賢者」
賢者「待ちなさいっ!!」
勇者「賢者」
賢者「なによっ!?」
勇者「ちょっと待って」
賢者「…」
勇者「僧侶ちゃん!!ちゃんと戻ってきてねっ!!」
勇者「約束だよっ!!」
僧侶「…」コクリ
賢者「あんた何を…」
勇者「これでちゃんと戻ってきてくれるよ」
勇者「何か考えがあるんだと思う」
賢者「そんな根拠どこに…」
勇者「仲間だから信じてる」
賢者「…あぁもぉっ!!」
賢者「あんたらわけわかんないっ!!」
勇者「ごめんね」
賢者「もういいわよっ」プイッ
勇者「でもここで待ってたらいいのかな?」
賢者「しらないわよっ」
勇者「うーん、さっきから賢者が別人みたいだ」
賢者「ぁ…」
勇者「今までそんな賢者知らなかったなぁ」
賢者「…これが本来の私よ」
賢者「普段からおチャラけた部分しか見せないようにしてる」
勇者「昔、何かあったの?」
賢者「んーん全然」ケロッ
勇者「えぇぇぇぇぇっ!?」
賢者「こんなんじゃ全然面白くないじゃない」
賢者「だから普段は変態淑女or紳士で通してるわけよ」
勇者「紳士て…」
賢者「あんたには一発で淑女なのバレたけどね」ハハッ
勇者「自分で淑女いうな」
-山の中-
僧侶「…」ポテポテ
僧侶「…甘えてちゃダメだった」
魔物「グルルルル」
魔物「ギィギィ」
ゾロゾロゾロゾロ…
僧侶「…あんなに優しくされたの初めてだったから」
僧侶「…どこにもいかないでほしい」
僧侶「…だから」
僧侶「…」カッ!!
シュゥゥゥゥゥ!!
魔物「ギェェェェェ!!」ドサッ
僧侶「…っ!!」バッ
メリメリッ!!
魔物「ギャアアアアア!!」バタバタ
僧侶「…頑張るから」
僧侶「…捨てないでっ」ポロポロ
ー3時間後ー
勇者「もう暗くなってきちゃったんですけど」
賢者「マジであのアホはなにやってんだ」イライラ
勇者「あ、戻ってき…た…」
賢者「おい…この嬢ちゃん…マジで何やってたんだ」
僧侶「…約束どおり…戻った」フラフラ
勇者「どうしてこんなボロボロになってるのっ」ダキッ
僧侶「…動いてきた」
賢者「はぁ?」
僧侶「…山の魔物殲滅してきた」
勇者「えぇ!?」
賢者「…な」
賢者(やけに魔物の気配が急激にいなくなったと思ったら…)
賢者(この子…本気で…)
賢者「あんた…」
僧侶「…もうサボったりしない」
僧侶「…一緒に行かせてください」ズリッ
賢者「…勇者、野宿の準備お願いね」
勇者「う、うんっ」パタパタ
賢者「そこに座りなさい」
僧侶「…」チョコン
賢者「あんた仮にも聖職者の端くれでしょ」
僧侶「…『元』聖職者」
賢者「元でもいいわ、自分の身体ぐらい守りなさい」コォッ
僧侶(…傷が治っていく)
僧侶「…回復魔法使えないから」
賢者「なんだって?」
僧侶「…私生まれた時に呪われてたんだって」
僧侶「…人を癒す事が出来ない子として嫌われてた」
賢者「と、いうことは親が何かしたのか」
僧侶「…禁忌を犯したとか言ってた」
賢者「そうかい」
賢者(外面じゃなくて内面の呪いか)
賢者(だったら解く事はできないね)
ゴチンッ!!
僧侶「!!…いたい」
賢者「使えないなら、んな無茶するな」
僧侶「…ごめんなさい」
賢者「回復は私と勇者が使えるから問題ない」
賢者「できることをやってくれるならいいわ」
僧侶「…攻撃と補助ぐらいなら」
賢者「十分じゃん、さっきの聖光魔法はなかなかよかった」ニコ
僧侶「…うん」
僧侶「…回復使えないから一生懸命勉強して覚えた」
賢者「その努力に免じて今回の件は許すっ」ナデナデ
僧侶「…」モジモジ
賢者「で、一部魔法以外で倒したっぽいけどどうやったのさ?」
僧侶「!?」
僧侶「あなた何者…ですか…」
賢者「おかしな音がしてたのは聞こえてたからね」
僧侶「…罠仕掛けてハメ殺した」
賢者「ハメ殺したですって、卑猥っ!?」
僧侶「…あなたの頭の中いい加減おかしい」
勇者「ハーイ、ご飯がもうちょっとで出来るよー」
賢者「はやっ」
僧侶「…10分も経ってないよね」
勇者(火力の加減が出来なくて一瞬で出来たとか言えない)
勇者(こっちに聞き耳立てちゃったし)
勇者(二人ともごめんね)
勇者「早くしないと冷たくなっちゃうよー」
賢者「そんじゃ話はこれぐらいにして…お?」
僧侶「…仲良くなった証拠見せる」ギュッ
勇者「わーいいなぁ仲良しさんだ」ニコニコ
賢者「ほらご飯食べるよ」プイッ
-次の日-
勇者「ホントにどこにも魔物いないね…」
賢者「あんた就いた職業間違ったんじゃない?」
僧侶「…盗賊のほうがよかった?」
賢者「聖なる魔法使う盗賊とか嫌だ…」
勇者「魔法使いなら納得できる気もするけどねぇ」
賢者「罠を張る魔法使いだと…」
僧侶「…萌える?」
賢者「やりようによっては萌える」
勇者「…賢者は職業『変態』でいいよもう」
賢者「何その扱い!?でも感じちゃうっ」ビクンビクンッ
僧侶「…何かいる」
勇者「え?」
賢者「ふぅん…えらい魔力持ってる敵ね」
勇者「もしかして!?」ダッ
賢者「ちょ…またか!?」
賢者「勝手に行くな勇者ぁ!!」ダッ
僧侶「…敵意がない」ポテポテ
勇者「あ…あれ…いつの間にこんなところに…」
賢者「ったく…ホントにあったみたいね」
賢者「エルフの村」
勇者「うん…」
ザワ…
賢者「こいつはまずいかもしれないねぇ」チャッ
僧侶「…大丈夫」
僧侶「…警戒してたの最初だけ」
勇者「えっ?」
エルフ「勇者様ですよね?」
勇者「う、うん」
勇者「そうだけど…」
エルフ「ホントに本物が来るなんて!!」
勇者「??」
賢者「…」
賢者(何か裏があるんじゃないだろうか…)
エルフ「大丈夫ですよ、何も悪い事考えていません」
賢者「!?」
賢者(心を読んだ…?)
エルフ「私達は相手の深い感情まで読めるのです」
エルフ「勇者様の心の中で青い炎が燃えておりました」
エルフ「これは勇者様の証拠ですよね?」
勇者「そうだよ、ほら」ボウッ
僧侶「…魔族なのにそれでいいの?」
エルフ「魔族でも勇者様を慕っている方もおられますよ?」
エルフ「その純粋な心のおかげでしょうね」
勇者「会った事もないのに…」
賢者「気持ちは分からなくもないけどね」
僧侶「…」コクリ
賢者「それより話したいことあったんじゃないの?」
勇者「あ、そうだ」
エルフ「?」
勇者「エルフさん達に聞きたいことあったんだよ」
エルフ「なんでしょう?」
勇者「えっとね…」
-道中-
勇者「ぐすっ…」
賢者「あんたが泣いてもしょうがないでしょ」ナデナデ
勇者「だってひどすぎるよぉ…」ポロポロ
勇者「なんでエルフさん達だけそんな扱いされるの?」
僧侶「…見た目だけならすごく綺麗だからね」
賢者「エルフは奴隷として一番扱いやすいらしいわ」
賢者「荒っぽさもない、とにかく大人しい」
賢者「そんな種族狙わずにはいられないだろうね」
勇者「エルフさん達だって生きているんだよ!?」
勇者「なのに本人達は諦めてるって…」グスッ
賢者「あんたがまさかそんな事知ってるとは思わなかったわ」
勇者「街で時々見てたから…奴隷にされてるの」
僧侶「…」
勇者「絶対許せないよね…」ポロポロ
賢者「『エルフ達の奴隷について本人達の意見を聞きたい』か」
賢者「あんたどんだけ周りの者に優しいんだよ」
勇者「だって…だってぇ…」
僧侶「…奴隷制度をなくすしかない」
僧侶「…でも始めたのはほぼ個人だって話」
賢者「まー取り扱ってる人間全部どうにかしないとダメだってことよ」
勇者「いつかさ…」グシグシ
勇者「そんなことやめさせる…」
勇者「絶対っ!!」
賢者「頑張れ」
僧侶「…ファイト」
勇者「ごめん…今やれることをやっていこう!!」
賢者「私にモフモフタイムとか!?」ドキドキ
勇者「あんたは何言ってるんだ」
僧侶「…ちゅーの準備はできてる」ンー
勇者「なんでこんな人ばかりあたしの所に集まるんだろう…」
-麓の村-
勇者「もうすっかり夜になっちゃったね」
賢者「今日はここで泊まろうか」
僧侶「…山だけで4日かかったから」
僧侶「…布団が恋しい」
勇者「あはは、そうだねー」
賢者「宿は…あった」
僧侶「…布団」ネムネム
勇者「僧侶ちゃん、ちゃんとお布団はいって寝ようね…」
賢者「しょうがない子だね」
親父「おう、泊まるのか?」
賢者「えぇ、部屋空いていますか?」
親父「個人部屋じゃなきゃ空いてるぞ」
賢者「それでお願いします」
親父「はいよ!!一人おねむか」
親父「もう部屋はいってかまわねーぜ」
賢者「すみません」
賢者「勇者、僧侶運んどいて」
勇者「はーい」
賢者「眠かったら勇者も寝てていいよ」
勇者「うん、そうするね」パタパタ
僧侶「…勇者が波立ってきた」ズルズル
賢者「幻覚、見えてないか…?」
親父「ねーちゃん、保護者か?」
賢者「そんな感じですね」
親父「旅してるにしては緊張感ないな」ハハッ
賢者「うちはこんなもんですよ」ニコ
賢者「ところでここ酒場ってあります?」
親父「酒場なら隣の建物がそうだぜ」
親父「ねーちゃんのようなべっぴんは気をつけろよ」
親父「変な連中多いからなこの村は」
賢者「忠告どうもです」テクテク
賢者(魔法を封じられても負けることないよう)
賢者(もっと鍛えるべきだね…)
賢者(もう勇者にあんな事させないんだ)
賢者「んっ!!ふっ!!」シュッ!!シュッ!!
賢者「ふぅ…ふぅ…」カシャン
賢者「勇者の剣拝借してきたけど」
賢者「意外に重いね」
賢者(よくこんなの振り回せるもんだ…)
賢者(でもさ…こんなの振ってたらいつか…)
賢者「マッチョなんて可愛くないぃぃぃぃ!!」
賢者「絶対この旅終わったら剣は触らせないっ」
賢者「決めたぞ…うん」グッ
賢者「んっ!!んっ!!」シュッ!!シュッ!!
賢者(こいつを普通に振れるぐらいになれば)
賢者(きっとどんな状況でも打破できそうなんだ…)
賢者「かといってっ!!この姿っ!!見せたくないけどっ!!」ブゥン!!ブゥン!!
賢者「恥ずかしいもん…ねっ!!」シュバッ!!
時系列どうなってんのかよくわからん
-酒場-
賢者「…」
賢者(剣振りすぎて手が痺れる…)
賢者(ちょっと休憩がてら情報収集しよう)
カラーン
店員「いらっしゃーい」
ハッハッハ モットノメヤ コッチツイカネー
賢者(えらい賑やかだ)
賢者(これならそれなりに情報集まるかね)サワッ
賢者「っ!?」ビクッ
男a「おっとかわいこちゃんいたからつい手がぁ」
男b「なにやってんだよかわいそうだろガハハ」
賢者(我慢だ…あの程度で…)ブルブル
>>161 話中の途中のって事?それなら分かりにくくて申し訳ないっす。
全体的にだったら最後に言うつもりだったけどは前作の昔ってことになってます。
男c「おねーちゃん俺と一緒にのまねーかぁ?」
賢者「いえ…遠慮しておきます」
男d「断られてやんのーヒャハハ!!」
賢者(次、やったら容赦しないからな)
賢者(酔っ払いどもめっ)ドサッ
マスター「何か飲むかい?」
賢者「じゃあ軽いやつお願い」
マスター「あいよっ」
??「マスター!!アタシロックね!!」
マスター「おいおい戦士、さっきからどんだけ飲んでるんだよ」
戦士「いやぁどうもアタシには水にしか感じなくてね」
マスター「相変わらずとんでもないなお前さんは」
賢者「…」
戦士「お?」←目が合った
戦士「おねーちゃん見ない顔だなぁ!!」
戦士「旅の人?」
賢者「そうよ」
戦士「いいなぁ!!いいなぁ!!」
賢者(何だこの女は)
賢者(えらく馴れ馴れしいな)
戦士「アタシの夢さぁここ出て色々歩き回りたいのさっ」
賢者「はぁ」
マスター「ほい、できたぜ」カランッ
賢者「どうも」
戦士「アタシのはー?まだー?」
マスター「うるさいな、ほら」カランッ
戦士「ひゃっはー酒だ酒だー!!」グビグビ
賢者(情報収集したいけど…)ゴクッ
戦士「なーにチビチビやってんのさー」ズイッ
賢者(この小娘、すごく邪魔だ…)
戦士「もっとグイッといっちゃいな!!」ドンドンッ
賢者「ちょ、やめ…」
バシャッ
賢者「あ」ビシャ
戦士「あれま」
賢者「…」
戦士「ご…ごめんこ」ニ、ニコッ
賢者「別にかまわないよ」フキフキ
マスター「あーあ、ちょっと待っててな」パタパタ
戦士「いや、マジ申し訳ないわぁ」
賢者(周りに人いなかったらはっ倒してる所だわ…)
マスター「ほら、これで体ふきな」ファサ
賢者「どうもです」フキフキ
戦士「アタシが拭くわ!!」ガシッ
賢者「ちょ…」
バシャッ
戦士「あれ、アタシの酒が」
賢者「……」ビッショリ
戦士「あ、あはははは…」
賢者「泣きたい…」
戦士「もーしわけないっ」フキフキ
マスター「酒はまた作ってやるからしばらく拭いてやりな」
戦士「今日は何か調子狂うなぁ…」ポリポリ
賢者(そりゃこっちの台詞だ)
賢者(これだけ酒臭くなってあの子達になんて言われるか…)
-一方 宿屋-
僧侶「zzz」
勇者「賢者遅いなぁ…」
勇者「どこ行ったんだろ?」ペラ…ペラ… ←本読んでる
勇者「大人だからやっぱりお酒飲んでるのかな?」
勇者「あたしも飲んでみたいなー」ペラ…ペラ…
賢者「もういいわ」
戦士「マジでごめんな?」
賢者「ほらお酒きてるわよ」
戦士「ひゃっはー」グビグビ
賢者「…はぁ」グイッ
賢者(もう今日はどうでもいいわ)
賢者(これ飲んだら帰ろう…)
男d「最近、この辺で人が消えるんだとさ」
男c「マジかよ?人攫いとか?」
男d「この村、むさくるしい奴しかいないんだぜ」
男d「攫っても得なんかねぇはずなのにな」
男d「だから何か別の何かじゃねぇかな」
男c「別って何だよ?」
男d「分かるわけねぇだろ」
賢者(人が消える?)
賢者(確かに得は何もない)
賢者(と、いうことはもっと他の…)
戦士「なーに難しい顔してんだよっ」
戦士「酒は楽しく飲もうぜ!!」ガシッ
賢者「もーなんなのよー!!」グイグイ
賢者(そこで話が変わったから詳しくは聞けなかった)
-宿屋-
勇者「むぅ」プクー
賢者「…」
賢者「何、その顔」
勇者「ずるい」ボソリ
賢者「ずるい?」
勇者「自分だけお酒飲んできてずるーいっ」プンスカ
賢者(やっぱり匂いでバレたか)
賢者「大人だから別にいいでしょ」
勇者「あたしも飲みたーいっ」
賢者「却下」
勇者「ちょっとでもいいから飲みたーいっ!!」
賢者(珍しくわがままモード入ったね)
賢者「…ほら、おみやげあげるから」ポイッ
勇者「お饅頭?」パシッ
賢者「何か知らないけどもらったからあげるよ」
賢者(酒引っ掛けたお詫びらしいけど)
勇者「ありがとー」パクッ
パタリ
賢者「は?」
賢者「ちょ…勇者、どうしたのよっ」ユサユサ
勇者「zzz」
賢者「寝てる…?」
賢者(顔が心なしか赤くなってる)
賢者(この饅頭は一体…)
パクッ
賢者「…あのアマ、今度会ったら泣かす」
賢者(こんなものにまで酒入れているとは…)
賢者(何だこの尋常じゃないアルコール度は…)
賢者(私は酒耐性半端ないから大丈夫だったけど…)
勇者「お目目がくるくるですよ~」ムニャムニャ
僧侶「ワハハハ…」グーグー
賢者「こんなのに囲まれて寝ろと?」
-次の日-
勇者「頭がいたいよー」ズキズキ
賢者「…今日は休んでていいよ」フラフラ
勇者「昨日、何か口にしてから覚えてないんだけど~」
賢者「忘れんしゃい」ナデナデ
賢者(一口で二日酔いとか危険すぎる)
賢者「僧侶、今日は休養の日にするわ」
僧侶「…勇者がこれじゃしかたないね」
賢者「あと、そこの白いモン食べちゃダメよ」
僧侶「…ものすごく危険な香りするから後で捨てておく」クンクン
賢者「さすがね…よろしく…」フラフラ
僧侶「…賢者も寝たほうが」
賢者「いや…やることあるから」フラフラ
賢者「ちょっとでかけてくる」ガチャ バタン
僧侶「…すごく眠そうだった」ナデナデ
勇者「あーうー」ズキズキ
-宿屋からちょっと離れた場所-
賢者「…」フラフラ
賢者(失敗したかも…)
賢者(酒飲んだ挙句、無睡はさすがにやばい…)
戦士「お?おーい、おねーちゃーんっ!!」
賢者(一番会いたくない奴に会った)
賢者(とりあえずお礼しとくか)グッ
戦士「やけにフラフラしてるけど大丈夫か?」
賢者「問題ない、それより…」
賢者「帰りに持たせたアレはなんのつもり?」
戦士「酒まん?うまくね?」
賢者「やばくね?の間違いじゃない?」
賢者「うちの妹に食べさせたらぶっ倒れたんだけど」
戦士「ありゃ普通の子だと引っくり返るよ、はっはっは」
ガシッ!!
賢者「変なもん持たせるな」ギリギリ
戦士「す、すいませんでしたいたいたいもげるっ」
賢者「ったく…」パッ
戦士「おねーちゃん、アタシより戦士に向いてるんじゃない?」
賢者「荒っぽいのは好きじゃないんだよ」
戦士「じゃあさっきのはなに…」
ガシッ!!
賢者「このまま昇天させるぞ小娘っ」ギリギリギリ
戦士「ぎにゃあああああああああああ!!」
賢者「あー眠い…」フラフラ
戦士「顔が…」
戦士「あーそれよりあまりこの辺うろつかないほうがいいぜ」
賢者「なんでさ?」
戦士「人が消えてるんだってさ」
賢者(昨日聞いたアレか)
戦士「アタシはその原因を調査中なのさっ」
賢者「あんたはここの自衛官か何か?」
戦士「んーただの便利屋かな?」
戦士「ここで問題起きてるのに黙っていられないだけさ!!」
賢者「ふぅん」
戦士「興味なさげっ!?」
賢者「眠いだけ」
戦士「帰って寝るといいさ!!」グイグイ
賢者「…だったら帰らせてくれるかな?」
戦士「おねーさん、頭良さそうだから教えてほしいんだっ」
賢者「なにをさ?」
戦士「いつここで人がいなくなるかっ!!」
賢者「あんたアホなの?」
戦士「なんだとぅ?!」
賢者「はぁ…」テクテク
戦士「教えろよー?」ジタバタ
賢者「多分、一人の時が一番何か起こる確率が高い」
戦士「へーそうなのかー」
賢者「他は詳しく分からないけど場所的にそうだと思う」
賢者「さすがに限界だから…じゃ…」トボトボ
戦士「さんきゅーおねーちゃんっ!!」ブンブンッ
賢者(また何も情報聞けなかった…)
-夕方 宿屋-
賢者「…ん」パチ
賢者(朝よりはマシになったか)
僧侶「…起きた?」
賢者「あんた、何してんの?」
僧侶「…ご飯作ってた」コーネコーネ
賢者「どこぞの黒魔術にしか見えなかった」
僧侶「…ひどいわぁ」グスン
僧侶「…と、いうわけでいただきましょ」ドン
賢者「このドロリとした黄色い物体は…」
僧侶「…芋粥らしい」
賢者「『らしい』ってあんた…」
賢者「適当かっ!!」ツッコミ
僧侶「…ツッこみが鋭い、結構復活してる」
勇者「おいしそうなにおいがする…」ズルズル
賢者「さながらゾンビのように勇者が起きた」
僧侶「…でもそんな姿も可愛らしい」ポッ
賢者「分かってるじゃない」ガシッ
僧侶「…ニヤリ」ガシッ
勇者「ご-はーんー」チンチンッ
賢者「さぁ勇者たんにおまんまを与えるのだっ」
僧侶「…らじゃー」
ドスンッ!!
賢者「まさかの鍋ごと」
賢者「しかも業務用」
勇者「もきゅもきゅ」
勇者「もきゅもきゅ」
…
勇者「おかわりぃ」ズイッ
賢者「…」
僧侶「…ちょっと待って」ゴソゴソ
賢者「二日酔いにもかかわらず業務用鍋を空にした…だと…」ポカーン
僧侶「…病気の時はお腹がすくのか」メモメモ
賢者「普通逆だっ!!」
僧侶「…ですよね」ドスッ
勇者「きた~」
勇者「もきゅもきゅ」
賢者「それの製造過程が見えなかったんですけど…」
僧侶「…気にしたら負け」
僧侶「…私達も食べる」ゴトッ
賢者「鍋でくるかと思った…」モグモグ
僧侶「…最初、鍋ネタしたら本気で食べられたので」
僧侶「…ネタなくなっちゃった」ショボン
賢者「この子はボケ殺しスキルもあるからねぇ」
僧侶「…意外と出来る子だ」
勇者「もきゅもきゅ」フラフラ
賢者「これで半分寝てるからさらに怖いわぁ…」シミジミ
-酒場-
カラーン
賢者(結局、また夜になってしまった)
マスター「お、今日も来たのかぃ」
賢者「どうも」
男「こんなところにいい尻が…」
スッ
男「えうぃふげうfぇヶfkjf!!」バリバリバリィ!!
ゴトリ
賢者「今日は甘い奴ください」バチバチ
マスター「あ、あぁ…」
賢者(私に二度目は・・・ないよ)
マスター「魔法使えるのかい」
賢者「えぇ、一通りは」チラッ
男達「」ビクッ ガタブル
マスター「はははっ、これならもう誰も近づかないだろう」
賢者「それはそれで困るんですけどね」
マスター「ん?何か用事でも?」カランッ
賢者「旅してるのでこの辺の情報でもと思いまして」グビッ
マスター「そういうことかい」
マスター「でもこんな田舎じゃ何の話も入ってきやせんよ」
賢者「うへ…」
賢者(予想外だったな)
賢者(これじゃもっと先へ進まないとダメかな)
客「マスター、そういえば戦士ちゃんはどこ行ったんだ?」
客「今日全然見てないんだけど」
マスター「そういやここにも来てないな」
マスター「いつもなら昼にはここにいるんだけどな」
賢者「…」
賢者「あの小娘なら朝見ましたよ」
賢者「それからは知らないけど」
客「昨日今日でもう小娘呼ばわりかよー」ワッハッハ
マスター「日課のように来てたのに急に来ないと気になるな」
戦士『人が消えてるんだってさ』
戦士『ここで問題起きてるのに黙っていられないだけさ!!』
賢者「まさかね…」
賢者「誰か失踪事件について詳しく知りませんか?」
客「この辺で起きてるってあれかい」
マスター「あの子が消えたってのか?」
賢者「何かその件で探ってたみたいだから」
客「ありゃただの夜盗とかじゃあない」
客「人を選ばないからな」
客「誰でもかまわないのかもしれん」
賢者「でも何故無差別に…」
マスター「そうだなぁ…」
マスター「人が必要な何かしてるとか?」
賢者「人が必要な…奴隷…実験…」
客「そいや怪しい実験してたジジイがいたっけ」
マスター「あーあまりにひどい事してたから追い出されたってヤツか」
賢者(城にいた頃に聞いたことがある)
賢者(人体実験とか繰り返して)
賢者(魔族だとか散々言われた上に)
賢者(国外追放された博士がいるとか)
賢者「その人、この辺に住んでいたのですか?」
客「おーちょっと離れた所に家建てて住んでたんだわ」
客「追い出したから家はそのまま放置されてると思うけど」
賢者「ありがとうございます」ガタッ
マスター「まさかそこに行くってんじゃないだろうな?」
賢者「自称・村の便利屋さんを探しに行くだけです」ニコ
賢者(まずはやる事やっておきますか)
-離れの廃屋-
賢者「予想はしてたけど…」ギッシギッシ
賢者(えらいオンボロねぇ)
賢者(人の気配はまったくない)
賢者(背後に『何か』いるけど…)
賢者(…)
賢者「そぉい!!」カッ!! バキバキ
賢者(一応調べてみよう)
賢者「特に怪しいところはなかった」
賢者「ここじゃなかったかな…ん?」
賢者「足元から光が漏れてる…」
ズリズリ
賢者「板で階段隠していたのか」
賢者(村の中で失踪しているなら間違いなく近くにいると思った)
賢者(こんな人が来ない場所なら余計に見つかるはずがない)
賢者「降りてみるかね」チラッ カツンカツン…
??「…」ポツーン
賢者「…」コソコソ
戦士「いい加減ここから出せよー!!」
博士「いっひっひ…もうすぐじゃからおとなしくしておるがいい」
戦士「変なもん混ぜてるだけじゃねーかよ!!」
戦士「アタシ関係ないなら出せよぉ!!」
博士「昼からずっとそう叫び続けてよー疲れんわい」
戦士「体力には自信あるのさっ」
博士「なら好都合じゃわい、いっひっひ…」
賢者(予想通り…か)
賢者(まぁ小娘が無事で良かったわ)
博士「さぁできたぞぃ」ボコボコ
戦士「おい…それで何するってんだ…」
博士「頭悪そうだから簡単に言ってやるわい」
戦士「なんだとー」
博士「コイツを飲むと狂戦士になれるんじゃ」
博士「痛みがなくなり限界以上の力を出せるようになる」
戦士「そ、それすごくない?」
博士「そうじゃろうそうじゃろう」
博士「じゃからおぬしに実験してほしいんじゃ」
賢者「そいつは飲めば元の身体に戻れなくなるんでしょ?」
博士「まぁな、一生最強の戦士として働くんじゃ」
賢者「ある意味奴隷と同じじゃない」
博士「って、何じゃおぬしは!!何故ここが分かった!?」
賢者「勘」
戦士「さすがおねーちゃん!!」
賢者「探ってて自分が捕まるとかありえないでしょ」
戦士「油断したんだもん!!」
賢者「『したんだもん』じゃないわよ…」
博士「まぁいいわい、実験体がまた増えただけのこと」
賢者「噂どおりのマッドっぷりね」
博士「わしを知っておるのか?」
賢者「人を人と思わない実験が好きな変態」
戦士「変態だってププーッ」
賢者「あんたは黙ってろ」
博士「変態とは言うてくれるのぅ」
博士「わしは自分の成果が認められたいとは思わん」
博士「ただわしはただの力もない人間が」
博士「わしよりえらそうにしておるのが許せんだけじゃ」
博士「この実験が成功すれば」
博士「すべての人間共を恐怖に震え上がらせられる」
賢者「それじゃ魔王と同じじゃない」
博士「魔王?いっひっひ」
博士「魔王なんてわしの手にかかればすぐ潰せるわ」
賢者「すごい自信ね」
賢者「今すぐその自信潰してあげる」スッ
博士「邪魔するのならばわしの狂戦士を倒してからにするといい」ピッ
ガシャーン!!
狂戦士達「ガアアアアッ!!」
賢者「これは…」
戦士「村にいた人たちじゃねーかよ…」
博士「ここの村人はいい実験材料になってもろたわ」
戦士「お前…ふざけんなよ…っ!!」ギシギシッ
戦士「いい人たちばかりなんだぞこの村の人たちは!!」ガシャガシャ!!
戦士「そんな人たちを実験材料だとぉ!!」ガシャガシャガシャ!!
戦士「絶対ゆるさねぇぞっ!!」
賢者「あのじいさんぶん殴りたいかい?」ポンポン
戦士「当たり前だっ!!っていつの間にここに?!」
シャキン
戦士「ほわっ」パラパラ…
戦士「魔法を使いそうだったのに短剣で鎖切った!!」
賢者「無駄撃ちはしない主義なんだ」カチャ
戦士「でもすげーっ!!」
賢者「とりあえず…これらをどうにかしようか」
狂戦士「グゥゥゥゥゥ!!」
戦士「やっぱり倒さないと…」ギリッ
賢者「もう人に戻れないだろうしね」
賢者「私達ができることは」
賢者「この人達を眠らせてあげること」
戦士「…分かった」
賢者「ほら、貸したげる」スッ
戦士「おねーちゃん、アタシが戦えるって…」
賢者「そりゃ分かるわ」
賢者「見た目以上に鍛え上げられた体してるし」
賢者「だが、それがいいっ!!」グッb
戦士「あんたは何言ってるんだっ」
賢者「ごほん…まぁ行くよ」
戦士「まかせろ!!」
博士「こやつらは普通の10倍程度の力を持っておる」
博士「おぬしらに倒せ…」
シュバッ
狂戦士「カッ…」ゴトリ
戦士「おせぇ!!」シュババッ
狂戦士「」ボトボト
博士「なんじゃこやつ…」
賢者「高熱魔法」ジュアッ
狂戦士「オォォォォォ」グシャァ
賢者「狂戦士?そこらの魔物と大して変わらないじゃない」
博士「なっ・・・」
賢者「まぁ元人間って考えたら」
賢者「胸糞悪いけどっ」カッ
ドガァァァァァッ!!
博士「ひぃ!?」
博士「まだまだ数はいるんじゃ!!」
戦士「もう全部排除したぜ」シュッ
博士「嘘…嘘じゃ…!?」
賢者(この子結構強いじゃない)
賢者「まぁこの程度のことする人なら当たり前の末路よね」ツカツカ
戦士「おい、ジジィ!!」
博士「よ、よるなっ」ズルズル
賢者「ここは全部壊させてもらうわ」カッ
バキバキバキッ!!!!
博士「わ、わしの研究所が…研究書が…」
戦士「これだけですむと思ってんのか?」シャキ
博士「い、命だけは…」カタカタ
戦士「どうする?」
賢者「まかせるわー」
賢者「面倒事嫌いなんだわ」
賢者「国にでも引き渡したら?」
賢者「一応手配書にあった気がするから報酬もらえるよ」
戦士「んじゃそうすっかな」
博士「…まだじゃ」カチッ
ボフッ!!
戦士「なっ…なんだぁ!?」
賢者「落ち着いて、ただの煙よ」
博士「いっひっひ、捕まってたまるかっ」ダダッ
戦士「あっ!!」
賢者「大丈夫よ」
賢者「前に対策なしで酷い目にあったから」
賢者「今回は対策済み」
戦士「へっ?」
-廃屋の外-
博士「あの娘共めっ」
博士「ここから即効性の毒散布してくれるわっ」
博士「そして、あの身体を使えば…すごいのができそうじゃ」
僧侶「…それっておいしいの?」
博士「いっひっひ…当たり前じゃ」
博士「わしの世界征服も夢じゃなくなるのじゃ…」
僧侶「…ふーん」
僧侶「…『罪深き者に天の裁きを』」キラキラ
博士「はっ?」
僧侶「…真っ黒ジジィは消えて」ピッ
カッッッッ!!
博士「」プスプス
賢者「お疲れさん」
僧侶「…呼ばれたから来てみたら」
僧侶「…真っ黒ジジィ焦がす役とは思わなかった」
賢者「変な役頼んで悪かったよ」ポンポン
戦士「仲間いたんだなぁ…」
賢者「何かあったときのために呼んでただけだけどね」
僧侶「…じゃあ想定外のことしちゃった?」
賢者「じいさんに裁きは必要だったからオッケー」
戦士「仲間もすげーっ!!」
僧侶「…コレ誰?」
戦士「戦士さんだっ!!」
僧侶「…とりあえず覚えた」
戦士「ありがとうっ!!」
賢者「まぁこの焦げじいさん、あんたにまかせるわ」ゲシゲシ
戦士「了解!!」ズルズル
賢者「じゃあ私達は帰ろっか」
僧侶「…勇者が待ってる」
賢者「まさか…何も言ってないだろうね?」
僧侶「…もうあんな怖いの見たくない」ガタガタ
賢者「あのジェノサイドがすでにトラウマになっとんかぃ」
今日はここまで。
今日で終わらせようと思ったけど予想以上に長いわ…。
と、いうわけで続きはまた夜に!!
おつー
前にnipで
魔王「暇だな」とか書いてた人?
続き、投下していくます。
>>213 残念、それは私とは別人だ。
-次の日-
勇者「ふっかーつっ!!」
僧侶「…看病したかいがあった」
勇者「ありがと僧侶ちゃーん」ギュー
賢者「私も私もっ」ハァハァ
勇者「賢者、ほとんど姿見えなかったからダメー」
賢者「そ、そんなっ」ガックリ
勇者「自分だけお酒飲んでいたみたいだしっ」プイッ
賢者「う…」
僧侶「…お酒よりお茶のほうが好き」
勇者「お茶美味しいもんねー?」ギュー
賢者「く、くやしくなんかないもんねっ」ギリギリッ ダラダラ
僧侶「…賢者の口から血が」
勇者「どれだけ噛み締めてるんだよ…」
賢者「出る準備しておいて…代金払ってくる…」トボトボ
勇者「あたし、なんか悪いことした?」
僧侶「…大好きな勇者に抱いてもらえなかったから」
勇者「そんなのしょっちゅうされてるんだけどなー」
賢者「じゃ行きますか」ドヨーン
僧侶「…何か情報得られた?」
賢者「んぁ?」
賢者「昨日の焦げじいさんの話だけだった」ハァ
勇者「何の話?」
僧侶「…暇見て情報集めてたんだって」
勇者「あ、そうだったんだ」
賢者「それじゃ次の街まで行きましょか」ショボン
勇者「けーんじゃっ」ギュ
賢者「!?」ギュウ
賢者「ど、どうしたのさ」スリスリ
僧侶「…瞬間的に抱きしめ返す賢者が怖い」
僧侶「…頬ずりまでしてるし」
勇者「いつも色々ありがとね」
勇者「遊んでると思っててごめん」
賢者「そりゃいつもそう見えるようにしてるんだから」
戦士「普段から真面目にやってろよー」
賢者「真面目になると怖いんだよね」
勇者「なんで?」
賢者「まぁそんな楽しい話じゃないさ」
戦士「そりゃ悪い事言っちゃったかな」
賢者「気にしなさんな」
賢者「僧侶、とりあえずやっちゃって」
僧侶「…『罪深き者に天の裁きを』」キラキラ
戦士「え、なに!?何が起こるの!?」
勇者「この人誰?」
賢者「見ないでいいよ勇者」
僧侶「…焦げるだけだよ」スッ
戦士「怖いよやめてっ!?」
賢者「で、あんたここで何してるのさ?」
戦士「もう旅に戻るのか?」
賢者「この子の体調治るまでだったし」ポンポン
勇者「だーれー?」
戦士「戦士ちゃんだ!!」
賢者「可愛く言ってもダメだ」パチンッ
僧侶「…『罪深き者に…』」
戦士「もうそれやめてっ!?」
賢者「私達に何か用でも?」
戦士「あ、あぁ…アタシも連れて行ってくれぇ!!」
賢者「…地獄にかぃ?」パチンッ
僧侶「…」スッ
戦士「もうそれはいいってっ!?」
戦士「酒場で言っただろ?アタシの夢」
賢者「世界一の酒豪になるんだっけ?」
戦士「ちっがーうっ!!」
戦士「ここで生まれて外出たことなくて」
戦士「外の世界見て回りたいんだよっ」
賢者「お断りします」
戦士「そのタイミングで言うの酷くない!?」
賢者「私達は目的なしで旅してるわけじゃない」
賢者「遊び半分でついて来てもらっても困る」
戦士「で、でも…」
勇者「お断りしますっ!!」
賢者「勇者…あんた私より鬼畜ね…」
勇者「断るのをお断りしますって事だよ」
賢者「は?」
勇者「外の世界見たいって素敵なことじゃない」
勇者「見せてあげようよっ」
戦士「魔物に襲われても戦えるぞっ」ギラッ
賢者「そりゃ昨日の見てたら分かるけど…」
戦士「前衛は任せろ!!」
勇者「頼もしいなぁ!!」
賢者「ちょ…勝手に話進めないで…」
僧侶「…」
賢者「あんたも何か言ってあげなさい」
僧侶「…本音を言うと」
僧侶「…私にそこまで発言権ないから」ショボ…
賢者「…まだあの事引きずってんのかぃ」
賢者「それに散々発言してるじゃないか」
勇者「もうみんな許しちゃうから」
勇者「楽しく行こうよぉ…」
賢者「魔王倒しに行くのに楽しくも何も…」
戦士「あ、そんな目的だったんだ」
勇者「おっと戦士さん逃がさないよっ」ガシッ
戦士「何で離れようとしてたの分かった!?」
僧侶「…その子それでも勇者だから」
僧侶「…直感だけはすごい」
勇者「…『だけ』?」
戦士「そうなのか」
戦士「だったら冗談抜きで仲間にしてくれよ」
戦士「助けてもらったし、手を貸したい」
賢者「死ぬかもしれないよ」
戦士「かまわないさ」
戦士「お願いだ、連れて行ってくれ」
賢者「ふぅ、仕方ないね」
勇者「やったー仲間がまた増えたー」
僧侶「…よかったね勇者」
戦士「よろしくたのむよ!!」
勇者「よろしくー」ギュッ
戦士「うわっと」
戦士「勇者ってなんか可愛いなぁ」ナデナデ
賢者「…」
僧侶「…『汚い手で勇者に触れるな』」
僧侶「…って言ってる」
戦士「えぇ!?」
勇者「?」ギュウ
賢者「は、はは、は…そんな事思ってないさ」
僧侶「…『今夜のご飯は焼肉だー、ひゃっはー!!』」
僧侶「…って言ってる」
戦士「え、それどこの肉なの!?ねぇっ!?」
『戦士が仲間になった!!』
-密林地帯-
戦士「戦闘だ戦闘だっ!!」シャキンッ
魔物「ブオォォォォ!!」
賢者「そこ!!勝手に始めようとするなっ!!」
賢者「あんた1人じゃないんだぞっ!!」
僧侶「…脳筋はこれだから」
勇者「大丈夫だよ、賢者」
勇者「2人はあたしが守るから」ニッコリ
賢者「いや、そういう問題じゃなくてだね…」
魔物「ウゴッ!!」ブンッ
賢者「!?」
戦士「おらぁっ!!」ドシュッ!!
魔物「ガアアアア!!」ドシャ!!
戦士「後ろ2人はそこ動かないでおくれよっ!!」ダダッ
僧侶「…思ったよりいい動き」
賢者「ただの脳筋じゃなかったようだね」ハァ
勇者「結構ひどいね、二人とも」
賢者「しっかしこりゃ敵さん多いねぇ」ゴォッ!!
魔物「イギィィィィィィィィィィ…」ジュアッ
勇者「このままじゃ囲まれちゃうね」キンッ シュバッ!!
戦士「どうするっ!?」グキョ!! バキャ!!
勇者「まかせてっ!!」ダダダッ
賢者「勇者!?突っ込むなっ!!」
勇者「こんなときに役に立てなくて…」コォォォォ
勇者「何が勇者だっていうんだよっ!!」カッ!!
バリバリバリバリッ!!!!
賢者「あのバカッ!!」スッ
賢者「対魔障壁魔法っ」シュイ-ンッ
僧侶「…何が起こるの」
賢者「とんでもない無差別破壊だよっ」
賢者「戦士もこの中に入るんだっ!!」
戦士「え?わ、分かったっ!!」ダッ
賢者「早くしないとここら一帯消し飛ぶよっ!!」
戦士「ちょ…まてぇぇぇぇ!?」ダダダッ!!
ドオオオオォォォォォォォォォォォッ!!!!
僧侶「…!?」
戦士「セーフッ」ズザーッ!!
賢者「使うなって言ったのに…ばかっ…!?」
ビリビリッ!!
僧侶「…障壁が」
賢者「ギリギリ保つよ、安心しなさい」
戦士「これが勇者の魔法かぁ…」
賢者「力より魔法が優れてる子なんだよ勇者は」
賢者「ただ、抑制させるのが苦手なんだよ」
僧侶「…あのすごい力だけじゃなかったんだね」カタカタ
シュゥゥゥゥゥゥゥ…
賢者「とりあえず…」ダダダッ
勇者「あ、賢者」
勇者「魔物すべて倒し…」
バシッ!!
勇者「っ」
賢者「あんたはどこまでヌケてるんだっ!!」
賢者「私らごと消し去る気かっ!!」
勇者「え…あっ…」
賢者「無闇に使うなて言っただろうおバカっ!!」
賢者「あれは自分以外は平気で消し飛ばすんだよっ!!」
勇者「ご…ごめんなさい…」
戦士「アタシらは何も言えないな…」
僧侶「…一応これも教育なだと思う」
戦士「教育ねぇ…」
賢者「ホントにあんたはこういう時ろくな事しないねぇ!!」
勇者「ごめっ…ひっく…ごめんなさいぃ…」ポロポロ
僧侶「…もうやめてあげようよ」ポン
賢者「っ!!…ぁ」
戦士「ほら、みんな無事だったんだから」
戦士「とりあえず謝っておけ」ポンポン
勇者「ごめんなさいでしたぁ…」ズリズリ
賢者「ぅ…」ダッ
僧侶「…賢者っ」
戦士「アタシが行ってくるわ」
僧侶「…うん」ナデナデ
勇者「うぇぇぇぇぇ…」ポロポロポロ
僧侶「…あの人、本気だとすごく怖かったんだよね」ナデナデ
僧侶「…引っぱたかれたの思い出しちゃった」
勇者「すんっ…それだけ…悪い事…したから…」
僧侶「…そうだね」
僧侶「…さっきのはやってはいけない事だった」
僧侶「…でも嫌いになっちゃダメだよ」
勇者「あたしのせい…だもん…」
僧侶「…これから気をつけたらいいんだよ」ナデナデ
賢者「はぁはぁ…」
賢者「くそっ!!」ガスッ!!
賢者「あそこまで言うつもりじゃなかったんだ…」
戦士「…賢者」
賢者「泣かせるつもりではなかった」
戦士「まぁあれは仕方ないだろ」
賢者「優しいお姉さんで通してたんだけどねぇ…」
戦士「変態お姉さんだろ?」ニシシ
賢者「こんなときに冗談はやめておくれ」
戦士「何言ってんだよ」
戦士「こんな時こそ冗談だろ?」
賢者「…」
戦士「あんた何も悪い事してないだろっ」
賢者「…っ」
戦士「過ぎた事は冗談で笑わせてなくしちまえばいいじゃん」
戦士「アタシはバカだからこれぐらいしか言えない」
戦士「戻ってるよ」テクテク
賢者「あんたらは私の事どう見てるんだい?」
戦士「優しいお姉さん」クルッ ニッ
戦士「怒るのは相手を愛してるからこそ」
戦士「…と、どこかの本に書いてあった」ダラダラ
賢者「…ぷっ」
賢者「あんた思ったよりやっぱしっかりしてるわ」グイッ
戦士「そうか?」
賢者「顔洗ってから戻るから先行ってて」
戦士「はーいよ」テクテク
勇者「…」フーラフーラ
戦士「で、泣き止んだら膝抱えて舟こぎですか」
僧侶「…落ち込みようが半端じゃなかった」
戦士「ん?」
僧侶「さっき吊ってくるって言って」
僧侶「ロープ持って木に登ろうとした」
戦士「こえぇ…」
勇者「…」フーラフーラ
賢者「…」ザッ
僧侶「…おかえり」
賢者「…」
賢者「1人ずつ…かかってきなさい」
戦士「はぁ?」
勇者「…」ピタ
賢者「私を倒せる奴かかってきなさいっ」クイクイ
僧侶「…ショックで頭のほうが」ナムナム
勇者「…」スッ
賢者「おっ?」
タッタッタ
勇者「…どーんっ」ボフッ
賢者「はい負けたー」ギュウッ
戦士「なんのこっちゃ」ニッ
賢者「ごめんよぉ怒りすぎたよ」スリスリ
勇者「…こっちこそごめんね」ギュッ
僧侶「…ならば罰を受けなさい」ワキワキ
勇者「え、なに?」
戦士「アタシも罰与えるわぁ」ワキワキ
賢者「ふっふっふ、覚悟なさい」コチョコチョ
勇者「ちょ、やめっ…あっはははひゃははっ!!」
勇者「みんなっ…くすぐった…はははははははっ!!」
勇者「しぬっ!!しぬっ!!あはははははははははっ!!」
-深夜 森の中-
パチパチ
勇者「いやぁひどい目に合った…」
僧侶「…勇者が悪い」
勇者「はい…すいませんでした」ドゲザー
勇者「でもこうしてるのって何だかすごく楽しいっ」
戦士「そうかー?」
僧侶「…家畜…仲間が増えたからね」
戦士「間違えたってレベルじゃないよそれっ!?」
賢者「…」スースー
勇者「賢者が一番先に寝てるって珍しいなぁ」
僧侶「…疲れてたんじゃない」
僧侶「寝ずに情報集めてた時あったみたいだし」
勇者「うぅ…あたしがバカじゃなければ」
勇者「迷惑かけなかったんだけどなぁ」
戦士「年長者ってそんなもんじゃねー?」
勇者「そうかな?」
戦士「そうそう!!アタシより上だしなーっ」
戦士「…多分」
勇者「戦士さん何歳?」
戦士「19」
勇者「僧侶ちゃんは?」
僧侶「…17」
勇者「あたしが一番下だと…」
戦士「賢者って何歳?」
勇者「…それは答えられない」
戦士「なんでさー?」
勇者「殺される」ガタガタ
僧侶「…ある程度いったら隠したくなる法則」
戦士「そうなのかー」
戦士「アタシゃ気にしないけどなーっ」
勇者「戦士さんはもうちょっと気にするべきだと思う」
戦士「ま、年齢なんか関係ないさー」
戦士「頼りになるんだよ賢者って」
賢者「目上には『さん』をつけろデコスケ野郎!!」クワッ
戦士「ひぃ!?すいませんっ!!」
賢者「スースー」ゴロン
僧侶「…寝言だったみたい」
戦士「心臓が口からはみ出るかと思った」ドキドキ
勇者「あははっ、でも確かに頼りにしちゃうんだよね」
僧侶「…みんなの事ちゃんと考えてくれてる
戦士「こんなお姉ちゃんほしかったなぁ」
勇者「そうだねぇ」
戦士「あれ、勇者って賢者の妹じゃないの?」
勇者「違うよ?」
戦士「確か妹がどうとか言ってたんだけどなぁ」
僧侶「…妹って言っていいぐらい大切なんじゃない?」
勇者「そっか…賢者そんなこと言ってたんだね」ニッコリ
賢者「んぅ…勇者ぁ」
勇者「あたしにとってもお姉ちゃんみたいなものだよ」ナデナデ
賢者「んふふ…全身なめまわしてあげるぅ…」
勇者「…」スッ
僧侶「…私はこんな変態いらない」
戦士「変態なのか?」
勇者「うん…末期…」
勇者「こんなでもあたしの恩人なんだ」
勇者「いつも近くにいて楽しくしてくれる人」
僧侶「…私もそういう人いれば良かった」
勇者「賢者ならなってくれるよ」
戦士「アタシ仲間になってよかったわぁ」
戦士「みんな暖かいしなぁ」
勇者「そうかな?」
僧侶「…戦士の暖かいのはそのでっかいもののせい」ニギニギ
勇者「むっ」ニギニギ
戦士「おい…あんたら人の胸見ながら近づくなっ」
戦士「おいぃぃぃぃぃぃ!!」
-とある都市-
戦士「うほーっ!!人!!建物!!」
勇者「ホントに外出たの初めてなんだね」
戦士「おうっ!!」キョロキョロ
賢者「はしゃぐのはいいけど」
賢者「ここで本格的に魔王城についての情報集めるから」
戦士「らじゃー」ビシッ
僧侶「…各自で聞いてまわるの?」
勇者「そのほうが効率よさそうだねー」
賢者「それでお願いするわ」
戦士「じゃあ解散!!」ドカドカ
僧侶「…集合場所は噴水のところ?」
賢者「それでいいよ」
僧侶「分かった」テクテク
勇者「今まで休んだ分頑張ろうっ」
賢者「気合入れすぎてドジ踏まないように」
勇者「はーい」テクテク
賢者「さてと…」
賢者「一番こういう情報持ってるのはやっぱり酒場かねぇ」テクテク
-酒場-
マスター「すまないねまだ開いてないんだ」
賢者「oh…」
賢者「普通、酒場って夜なのね…」
兵士「あれ」
賢者「?」
兵士「賢者じゃねぇか!!」
賢者「あら、こんなところで会うなんて思わなかったわ」
兵士「いっつも城にいたしなぁ」
賢者「こんなところで何してるの?」
兵士「ははっ…ここ俺の故郷なんだ」
賢者「里帰りでもしてるの?」
兵士「城の兵士やめてきたんだわ…」
賢者「へ?」
賢者「あんたいっつも兵士長に上りつめるって」
賢者「息巻いてなかった?」
兵士「あそこではもうやってられなくなった」
賢者「随分深刻そうな顔ね」
賢者「何かあったの?」
兵士「…あんたにはなるべくなら話したくないな」ハハッ
賢者「話してくれないとどういう顔すればいいのか分からないんだけど」
兵士「どういう顔でもいいさ」
兵士「冗談抜きであの国はもうダメかもしれん」
賢者「え?」
賢者「何よ、国王がらみの話なの?」
兵士「その国王が原因だよ…」
賢者「話しなさい」
兵士「話聞いても何かしようと思わないでくれよ?」
兵士「そうなるの嫌だから話したくないんだよ」
賢者「分かったわ、落ち着いて聞くから」
兵士「だったらここじゃなんだから…」
兵士「マスターちょっと中借りていいか?」
マスター「かまわねぇけど…」
兵士「すまん、今度飲みに来てやるから」
賢者(どんな話が飛び出すのだろう?)
賢者(正直、あの国王自体好きではなかった)
賢者(一体あの男は何をしたのだろうか…)
賢者「…は」
兵士「以上だ…」
賢者「ちょっと…何の冗談よ?」
兵士「…」
賢者「私を驚かせようとしてもダメだよ…」
兵士「嘘じゃないんだ」
兵士「俺はこの目で見ていたんだよ」
賢者「…あ…う…」
賢者「勇者の…両親が…処刑された…」
賢者「これが嘘と思わずに何と言えば…」
兵士「あんたは勇者とずっと一緒にいたんだよな」
兵士「だからこそ言いたくなかったんだよ」
兵士「あんな幼い子旅に出させる親がいるわけない」
兵士「文句ひとつでこのザマだぜ…」
賢者「だってあの子言ってたんだよ?」
賢者「魔王倒すまでお家に帰らないって」
賢者「帰って待ってる両親のためにも頑張ってたのよ?」
賢者「なのにこんな事って…」ポロポロ
兵士「…」
賢者「何で国王がこんなことするのよ…」ポロポロ
兵士「だからこそ俺はあそこにいるのをやめたんだ…」
賢者「勇者ぁ…」ポロポロ
-露店街-
勇者「あ、これ美味しそう!!」
店の親父「おう、嬢ちゃんお目が高いね」
店の親父「そいつは今朝取れたばかりの新鮮なやつさ」
勇者「これいくら?」
店の親父「50gだが嬢ちゃんかわいいから30gにしてやろう!!」
勇者「買った!!」チャリン
店の親父「毎度ー」
勇者「あとでみんなで食べよっと」
勇者「う~やっぱり情報集めとか苦手だし」
勇者「せめてこういうのでみんなの疲れを癒してあげなくちゃ」ガサガサ
-裏通り-
僧侶「…」
男「おう、お嬢ちゃんこんなところで何してるんだぁ?」
男「俺がいい事教えてやろうか?」ポン
僧侶「…うるさい、さわんなハゲ」
男「なんだとぉ、ちょっとこいやっ」
男「口の聞き方っての教えてやるぜ」グイッ
戦士「残念だけど引っ張ったそれは別人だ」グッ
男「あれ」
ゲシッ!!
男「」ボテッ
戦士「なーに妙なのに絡まれてんのさ」ブンブン
僧侶「…もうちょっとで聞き出せたのに」
戦士「あほっ、聞くというかさっきのは…」
僧侶「…人知れず自白剤口にねじ込んで…」
戦士「さっきの奴より悪いこと考えてたっ!!」
僧侶「…そっちは何か分かった?」
戦士「魔王城の場所は分かったぜ」
僧侶「…意外と役に立つ雌豚だ」
戦士「お前、口悪すぎだろう…」
戦士「もう戻る?」
僧侶「…慈善活動してから行く」スッ
男「」ゴソゴソ
戦士「おいどこが慈善活動だ!!強盗じゃねーかっ!?」
僧侶「…これ」スッ
戦士「あん?…なんじゃこりゃ」
僧侶「…人を駄目にする粉」
戦士「マジ?」
僧侶「…これはマジ」
僧侶「…いろんなところで出回ってるんだって」
戦士「何でこんなもん回収してんだよ?」
僧侶「…この世にいらないものだから」
戦士「ふーん…僧侶っていいところもあるんだな」
僧侶「…いいところしかないよ、でか乳魔人」
戦士「おい、なんでそこでそういうこと言うんだ!?」
戦士「台無しだよっ!?」
-噴水前-
勇者「誰も戻ってこない」ポツーン
賢者「そう思ったかっ」ダキッ
勇者「うわっ!?」
勇者「あれ?」
賢者「ん?」
勇者「何かあった?」
賢者「どうしてだい?」
勇者「何か賢者がいつもと違う気がする」
賢者「そんな事ないよ、いつもどおりさっ」クルクル
賢者(いつもの癖で指クルクルしちゃったわ)
賢者(まぁ気づかないっしょ)
勇者「…そっか」
勇者「じゃあお疲れ様、はいっ」
賢者「おや、美味しそうな果物だね」
勇者「食べてー」
賢者「それじゃいただくよ」シャクッ
賢者「うん、おいしい」
勇者「…賢者?」
賢者「さっきから何よ?」
勇者「泣いてるからどうしたのかと思って」
賢者「え…」ポロポロ
賢者「あっれーおっかしいなぁ…」グシグシ
賢者「目にゴミでも入ったかな」グシグシグシ
勇者「大丈夫…?」ポンポン
賢者(勇者…あんたの両親はもう…)
賢者(あまりに酷すぎる…)
賢者「…」
サワサワ
勇者「ひゃっ!?」
賢者「これはいいケツをしておるフヒヒ」ワキワキ
勇者「も、もぉ!!さっきからなによぉ!!」
賢者「勇者を油断させるためさっ」
勇者「本気で心配したんだよっ」
賢者「ごめんごめん」
賢者(この事は私だけで留めておこう)
賢者(いつか話せるときが来るまで…ね)
-宿屋-
勇者「パーティだよパーティ!!」
戦士「ひゃっはー!!」
僧侶「…これパジャマパーティっていうんだって」
勇者「へ~僧侶ちゃん賢いなぁ」ナデナデ
僧侶「…ぶいっ」
賢者「───」
戦士「ところでアレどうしたのさ?」
勇者「無理に誘っちゃったから怒っちゃったのかな」
僧侶「…反応させればいい」ギュー
勇者「わっ」
賢者「…」ピクッ
戦士「勇者触ればいいのか?」ナデナデ
勇者「ちょ、どうしてこうなった」
賢者「…」ピクピクッ
僧侶「…普段より反応が薄い」
僧侶「…勇者」ゴニョゴニョ
勇者「う、うん…やってみる」
勇者「賢者ぁ~」ギュウ
賢者「!?」
勇者「もふもふ~」スリスリ
賢者「あ」
賢者「離してよぉ…ゆうしゃぁ…」モジモジ
僧侶「…誰だお前は」
戦士「あれおかしいなすごく可愛い気がする」
勇者「どうしたの賢者~?」ギュウッ
賢者「ダメにゃくっついちゃダメにゃ…」
勇者「…」ポカーン
僧侶「…勇者すら引くほどの変貌ぶり」
戦士「えっと…酒飲んでないよなぁ…?」
勇者「何も飲んでなかったよ」
賢者「あぅぅ…」
戦士「じゃあいつもと違うとこ見つけたらどうよ!!」
勇者「パーティ」
僧侶「…お菓子をつまみながら談話」
戦士「意外と深夜の時間」
勇者「どこにおかしくなる要素が?」
戦士「何が違っておかしくなるって言うんだよ~」
戦士「勇者をもっとおとなしくした感じだぜっ?」
賢者「…」プルプル
僧侶「…違うこと…おとなしく…」ムムム
勇者「何か分かった?」
僧侶「…胸バカさん」
戦士「もしかしてそれアタシの事か!?」
僧侶「…賢者をこっち向かせて」
僧侶「…無理矢理に」キラーン
戦士「いいけどあとが怖いんだが…」
勇者「何か分かるかもしれないから戦士さんお願いっ」
戦士「はいはいわぁーったよ」
戦士「おらっこっち向け…よっ!!」グイッ
賢者「あっ!?」
勇者「…」
僧侶「…ナイスバカ力」グッ
戦士「全然うれしくねぇ…」
賢者「~~~~~///」バッ
勇者「そういうことだったんだ」
戦士「あれ、何か納得してるしっ」
僧侶「…多分恥ずかしがってるだけ」
戦士「へっ?」
勇者「けーんじゃっ」ヒョコ
賢者「ダメだって…」
勇者「パジャマかわいいよっ」
賢者「かわいくないかわいくないっ」ブンブンッ
戦士「パジャマが恥ずかしいだけだったのか…」
僧侶「…もぉ」
僧侶「…話が進まないからいい加減にしてよ」
賢者「うぅ…」オドオド
賢者「こんな格好屈辱だ…」
勇者「可愛い格好してお話しするだけだよ?」
勇者「怖くなんかないってば~」
戦士「習うよりよりなめろって言う言葉があってだね…」
僧侶「…それ違う」
勇者「よーしお話しようお話っ」
僧侶「…どういう話する?」
戦士「こういう時はひとつしかないだろう!!」
勇者「なになに?」
戦士「こ・い・ば・な」
僧侶「…来いバカ?いい度胸だ」ワキワキ
戦士「違うからっ!!こっちくんなっ!!」
勇者「どういう話~?」
僧侶「…無垢すぎる子がここにいる」
戦士「要は男と女の恋愛模様の話だ!!」
勇者「わーお」
賢者だったもの「」チーン
戦士「話以前に石化してる奴がいるぞっ」
僧侶「…恥ずかしくて死んだようです」
勇者「仕方ない…のかな?」
勇者「とりあえず三人で話そうよ」
戦士「よっしゃ、じゃあ最初僧侶な」
僧侶「…うまく逃げたな双子山女」
戦士「段々名前の難易度上がってるぞ!?」
僧侶「…でもそういうの今までなかった」
僧侶「…おわり」ドヤッ
戦士「…」
勇者「せ、戦士さんは?」
戦士「アタシか?そうだなぁ…」
戦士「ガキだった頃に一度だけあったかな」
勇者「聞かせて聞かせてー」
戦士「アタシは昔からこんなでさ」
戦士「可愛いなんて言葉が似合わない奴だったのさ」
僧侶「…今でもじゃない」
戦士「だまらっしゃい!!」
戦士「でも気になる男の子がいたんだ…」
勇者「どきどき」
僧侶「…勇者の口から心音が漏れてる」
戦士「んで、思い切って気持ちを伝えたのよっ」
勇者「ど、どうなったの」ドキドキ
戦士「『俺、熊女はさすがに好きになれない』って言われた」ズーン
勇者「なにそれひどい」
僧侶「…熊wwwww女wwwwwwぴったりwww」プークスクス
戦士「毒吐き女っ自重しろっ!!」
途中トリップ消えてた…。
勇者「でも、あたしもそういうのあればよかったなぁ…」
戦士「なんだ、初恋すらまだかい?」
勇者「だって修行で精一杯だったから」
勇者「それどころじゃなかったもん…」
賢者「…」ピクッ
僧侶「…珍しく反応した」
賢者(ある意味自由を奪っていたんだよね、私)
賢者(悪い事しちゃったな…)
勇者「じゃあ賢者はないの?」
賢者「くぁwせdrftgyふじこlp;」バタバタバタ
戦士「いい加減慣れろよ…」
勇者「それで好きな男の子とかいなかったの?」
僧侶「…今の状況だと会話すら危ういと」
賢者「…」スッ
賢者「…幼馴染が故郷にいた」
勇者「あ、語りだした」
戦士「まさかソイツとすでにアレな関係なのか!?」
賢者「好きかどうかは分からなかった」
賢者「ただ私の事を気にしてくれる奴だった」
僧侶「…フラグ立ってるかもしれない」
勇者「その人まだ故郷にいるの?」
賢者「多分元気でやってると思う」
戦士「そうか…何も言うことがねぇ…」
僧侶「…意外な人から話が聞けたね」
勇者「さすがにあたしも聞いたことなかったなぁ」
戦士「まだ時間遅くないから他のネタいく?」
勇者「さんせー」
僧侶「…実際にあった怖い話」クワッ
僧侶「回復魔法の使いすぎでえらい事になった人がいて…」
勇者「そういうのはやめて!?」
今日はここまでっ!!
多分、明日終わると思います。
では、また夜に…。
生々しいww
あっと…
おつー
おつ!
続きの投下の時間です。
-道中-
賢者「昨日はひどい目に合った」
勇者「可愛い賢者見れてよかったよっ」
賢者「言うな」ギュムッ
勇者「ちゅぶれる~」ギュギュッ
戦士「ここからどう進むんだ?」
僧侶「…ついに魔王城分かったし」
賢者「んー」
勇者「次の街着いたらそこから直接向かおう」
賢者「珍しく勇者が意見した」
勇者「さすがに勇者だもん」
勇者「目的近づいてるし本気でやらなきゃ」
戦士「かっこいいぞー」
僧侶「…可愛くて強い勇者だもんね」
勇者「そ、そんなことないよ~」テレテレ
賢者「一瞬で緩みきってしまったじゃないかっ」
勇者「いけないいけない」キリッ
勇者「みんな」
勇者「本当に最後まで一緒にいてくれるの?」
戦士「ここまで来ておいてそりゃないぜ」
僧侶「…最初からそうするって決めてた」
賢者「生半可な気持ちじゃないってのはもう分かってるでしょ」
賢者「みんな、あんたに力を貸すためににここにいるんだ」
勇者「…そうだね」
勇者「ごめんっじゃあ残りちょっと頑張ろう!!」
賢者(目的地近づいて不安になってきたか)
戦士「もっと魔物ぶった切らせろー」
勇者「何か怖い事言ってますけどっ!?」
僧侶「…野蛮な胸圧はダメね」
戦士「もはや意味すら不明なんだが!?」
賢者「あんたら落ち着け…」
賢者(今頃だけど…)
賢者(このメンバーはまったく噛み合ってない)
賢者(でも何故かそれでも安定してるから不思議だ)
賢者(バラバラなところに勇者が加わるだけ)
賢者(それだけでバッチリそろう)
賢者(やっぱり勇者は普通じゃないのかね)
勇者「っくちゅん!!」
勇者「何か鼻がむずむずしたぁ」ズズー
僧侶「…何をしても勇者は可愛い」キュン
賢者「どんな時でも萌えを発生させる生き物だからねぇ」
戦士「ある意味危険な存在だよなぁ」
僧侶「…骨抜きにされるから怖い」
勇者「あたし普通だよっ」
勇者「僧侶ちゃんだって戦士さんだって可愛いじゃない」
賢者「あるぇー?私はー?」
勇者「変態は変態」
賢者「なん…だと…」ガックリ
戦士「一体どんだけ変質的行為し続けたんだよあんたは」
戦士「この勇者にまで変態呼ばわりされるってよっぽどだろ」
僧侶「…末期患者だからよくあることー」
賢者「愛ある変態のどこが悪いっ!?」
勇者「ダメだこの人…早くなんとかしないと…」
-なんとか街 宿屋-
戦士「旅最後の宿屋ってか?」
賢者「そんな悲しいこと言いなさんな」
僧侶「…楽しかった」シミジミ
賢者「あんたらねぇ…」ハァ
勇者「…」ニコニコ
戦士「もちろん4人部屋だよな?」
賢者「そうよ」
僧侶「…今日はお話しまくる」
賢者「昨日散々話したじゃないか」
僧侶「…まだネタはあるよ」ワクワク
賢者「もうパジャマはやめてよね…」
戦士「ホント可愛いの苦手なんだなー賢者はっ」
賢者「あーん?」ゴゴゴゴ…
戦士「ここで隕石落とすのやめてくれっ!?」
勇者「…」ニコニコ
賢者「勇者、あんたなんとか言ってやりなさい」
勇者「え?賢者の可愛いパジャマ姿また見たいなっ」
賢者「いや…そういうことじゃなくてね…」
僧侶「…早く部屋に行こう」ワクワク
賢者「もうアレは勘弁ね…」
戦士「よっしゃ!!今回はアタシもネタだしてやんよ!!」
勇者「みんな相変わらずだなぁ」ニコニコ
私はこの時、まったく気づかなかった…。
勇者の決意を…。
-深夜 宿屋-
戦士「ぐがーぐがー」
僧侶「…ん」
賢者「…」
勇者「…」ムクリ
スッ パタン
勇者「ごめんみんな…」
勇者「やっぱり危険にさらされるのはあたし一人で十分だよ」
勇者「元々勇者のすることだったんだ」
勇者「みんなを巻き込むのはダメ…」
勇者「でもここまでみんなといられて楽しかったなぁ」ポロポロ
勇者「僧侶ちゃんは口悪いけど可愛らしい子だった」
勇者「戦士さんは男勝りで突っ込み上手で面白い人だった」
勇者「賢者…あたしをずっと守っていてくれてありがとう」
勇者「あなたがいなかったらあたしはここにいなかった」
勇者「もう誰にも会えないかもしれない」
勇者「あたしという存在を忘れないでほしいな…」
勇者「…」グイッ
勇者「元気でね…」
コツコツ
-早朝 宿屋-
戦士「ふぁぁぁぁぁ」
戦士「昨日はつい夢中になって話しすぎたぜ」
僧侶「…うるさぁい」ムニャ
戦士「ほれ、朝だぞ起きろっ」
僧侶「…あと1年寝かせて」ゴロン
戦士「腐るぞぉー?」
僧侶「…苗床にはなりたくない」ムクリ
戦士「キノコでも生えてくるってか?」
賢者「…」
戦士「あれ、賢者起きてたのか」
僧侶「…なにがあったの?」
賢者「…とんでもない裏切りを受けた」スッ
戦士「え?…手紙?」
僧侶「…これ」
みんなへ
ごめん!!一人で魔王倒してくるよ!!
やっぱりこれ勇者の仕事だから
みんなを巻き込むのはやめにしたんだ
ここでパーティは解散ということで
みんなの自由にしてほしい
あたしはやる事はきっちりやってくるから
遠くで応援しててほしいな
みんなに会えてあたしは幸せでした
ありがとう さよなら
勇者
戦士「何やってんだよ…」
僧侶「…」
戦士「賢者!!今から追いかけようぜっ!!」
賢者「…」
戦士「おい…動こうぜ…じゃないとよ…」
僧侶「…おそらく深夜に行動したと思われる」
僧侶「…追いついた頃には魔王とぶつかってるはず」
戦士「なんだよそれ…行っても手遅れってことかよっ!?」バンッ
賢者「こういうのは今までなかったわけじゃない」
戦士「え?」
賢者「軽くケンカした時」
賢者「よく何も言わずにいなくなることがあった」
戦士「そん時はどうしてたんだ?」
賢者「探したよ」
賢者「見つけるたびに泣いて謝ってくるんだよ」
賢者「ただ今回は今までと全然違うんだよ」
賢者「手紙を残した事」
賢者「一度聞いたことがある」
賢者「『飛び出した時に何故何も言わないで出て行くんだ?』と」
賢者「そしたらさ『心配して見つけに来てくれるから』だって」
戦士「探しに来てくれること前提ってか」
賢者「可愛い子だろう?」
賢者「だから、今回手紙を残しているという意味を考えたんだ」
賢者「こんな事なかったからさ…」
賢者「私の理解の範囲を超えてるんだよ…」
賢者「本気で刺し違えてでも魔王を倒すつもりなんだろうね…」
賢者「そんな事分かっても…」
賢者「もう…どうもしてやれないんだ!!」バンッ!!
賢者「私の傍で笑っていてくれたらよかったんだよっ!!」
賢者「魔王なんか倒せなくてもよかったっ!!」
賢者「いつものドジを見せながら」
賢者「怖くない顔で怒ったりして」
賢者「あたふたしながら困った顔して」
賢者「成長していく姿を見ていられたらよかったんだ…」ポタリポタリ
僧侶「…賢者」
戦士「本当に勇者のお姉ちゃんみたいだよな」
賢者「私はあの子を本当の妹だと思ってるよ…」
僧侶「…だったら泣いてる場合じゃないと思う」
賢者「え…」
僧侶「…そこまで大切な人なら最後まで一緒にいてあげるべき」
戦士「そうだなぁ…行ってやりなよ」
賢者「でもあの子は…」
僧侶「…勇者がいなくなってもいいの?」
僧侶「私はやだっ」
賢者(今までそんなに強く言わなかった僧侶が…)
戦士「アタシだって嫌だよ、大切な仲間いなくなるのはっ」
賢者「…そうね」
賢者「なんとしてでも追いかけるわ」
戦士「アタシ達は待ってるわ」
賢者「え、なんでさ…」
僧侶「…足手まといになるから」
賢者「そんなこと…っ」
僧侶「…本気出したら普通より早く行けるんでしょ?」
賢者「そこまで知ってたのかぃ」
賢者「分かったよ、あんたらは留守番してて」
賢者「あのアホの子、引きずってでも連れて帰ってくるわ」
僧侶「…ホントは賢者好きだった」
賢者「そこで告白するんじゃないよっ」
僧侶「…勇者も優しいけど賢者も優しかった」
賢者「全部過去形なのは気になるけどありがとね」ポムッ
戦士「アタシも助けられたし好きだぜ」
賢者「はいはい」ポンポン
賢者「あんたらも立派な妹達だよ」
戦士「そんなわけだから早く行ってきなっ」
賢者「はいよ」
賢者「見つけたら即連絡する」シュゴォォォォォ
僧侶「…勝手にでてったから頬引っ張っておいて」
賢者「ふふっ、了解した」
賢者「じゃあまたあとで」
シュターーーーーーーンッ!!
戦士「行ったかぁ…」
僧侶「…私達は待とう?」
戦士「そうだな…賢者にすべてまかせたんだしな」
僧侶「…」グ…
戦士「…もう聖職者じゃないんじゃなかったか?」
僧侶「…祈るのはどんな人にだって出来るんだ」
戦士「ガラじゃないけどアタシも祈るかな」スッ
僧侶(…神様…おられるのなら私の祈りを…)
僧侶(私達の祈りを無駄にしないでください…)
僧侶(人を癒せない私の最初で最後のお願いです…)
私達の大切な人を無事にお返しください───。
賢者「毎日楽しけりゃいいよね」
おしまい
えっ
終わりでございます。
前作 まおう「よくきたな、ゆうしゃっ」勇者「何これかわいい」
まおう「よくきたな、ゆうしゃっ」勇者「何これかわいい」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1353157883/l50)
↑の過去編として書きました。
一応、前作につながる部分もわずかにあるけど次から投下しよう。
-魔王城-
勇者「やっとここまで着いた…」
勇者「胸が…」ドクドクドク…
勇者「すぅ~はぁ~」
勇者「よしっ行こう」
ギギィ~
勇者「…静かだ」
勇者「生き物の気配がまったくしない…」
勇者「何でだろう…」
勇者「でも、絶対どこかに魔王がいるはずなんだっ」コツコツ
-魔王城 2f-
勇者「結局ここまで魔物も何もいなかった」
勇者「何かおかしい気がするよ」
勇者「強大な魔力は感じられるんだ…」
勇者「この先から…」
スッ
勇者「…これで終わりにするんだ」
勇者「すべてを置いてきてまでここまで来たんだ」
勇者「ふぅ…」
勇者「開けよう…」
ギィィィィィ!!
勇者「!?」
魔王「───、────」
勇者「─────」
おわる
これでホントに終わりです。
何か中途半端な終わり方で申し訳ない。
変に盛ると無駄な会話が増えすぎるのでこういう終わり方にしました。
次回予告
魔法使い「えへへ、頑張りますっ!!」
魔法使い「えへへ、頑張りますっ!!」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1353505955/)
いやーおつおつ
乙
乙
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