勇者「違う！人間全体の望みじゃない」


魔女「それがどうした？所詮異種族、その差は埋まらないのさ。故に認められない認められないから争う、最早どっちが先なんて関 係ない」


勇者「それじゃダメなんだ」


魔女「だったらどうする？」

勇者「止める！」

魔女「ほう、どうやって？魔王という象徴を倒し、神々の加護を失った……言うならば元勇者、君になにができる？」


勇者「」


魔女「もう魔族側にシンボルはないぞ？なら次は人間側だな 」


勇者「おおう 」

魔女「え」


勇者「王をヤればいいんだな！それはそれで楽だな」


魔女「」


魔女「えっ」

勇者「よし！じゃあちょっくらやってくるわ！人間側の王なら今の俺でも別に余裕だし」


魔女「いやいやいやいや」


勇者「じゃ」ｽﾀｺﾗｻｯｻ


魔女「行っちゃった」


魔女「行っちゃったよ！？」

王「勇者よ久しぶりだな」


勇者「よーっす。元気してました？」


王「まあ上々じゃの」

勇者「ふいー。そりゃ良かった」


王「して、なにようじゃ？わしは魔王残党軍のせいで色々と忙しいのじゃ」


勇者「あー、それね。やめてくれませんか？」

王「なぜじゃ？」

勇者「いやそんなことやってるとねいつまでたっても平和になんないんすわ」

王「しかしのう、魔族は我々と敵対しておる。あやつ等を放っておくと後に大変な脅威になるのじゃ」


勇者「うーん」


王「そうなったあとでは遅いんじゃよ」

勇者「そりゃそうだけどさー、それやってると憎しみの連鎖がメビウスじゃん？やばいじゃん？」

王「仕方ないんじゃよ。わしとて争いたくて争ってるわけじゃない……全ては民草のため 」


勇者「ふーん。わかった 」ﾁｬｷ


王「ん？なぜ剣を抜く？もしやそなたも民のために再び魔族と闘ってくれるのか？」


勇者「ちげえよ」ﾌﾞﾝｯ

ｶﾞｷﾝ

王「ぬううっ……」


勇者「へぇ。老人とはいえ流石は王！なんか杖みたいな変なので俺の剣を防いだか」


王「ぐぬぬ、なんのつもりじゃ？元勇者殿！？」


勇者「いやね、あんたの首を差し出せば魔族はシンボルを無くす！イコール戦争なくなるイコール平和！！って進言してくれた人がいてね」　　

王「なんじゃそれは！？そんなのめちゃくちゃじゃ！わしが死ぬくらいで争いは終わらんぞ？」


勇者「ほんとにー？」


王「そうじゃ！それになにも我ら人間側のシンボルはわしだけじゃない、勇者！貴様も」


勇者「あ」


勇者「あ」


勇者「そっか」