ライナー「今夜は鍋パーティーだ!」 (31)
初投稿です
・現代風世界観
・巨人は出てこない
・とってつけた幼馴染設定
注意書きは以上です。
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アニ「どうしたの、唐突に?」
ライナー「ふふふ、実はこの前買った宝くじが見事当たったんだ!」
ベルトルト「ええ!? 本当かいライナー!」
ライナー「あぁ。 ……まぁ、といっても1万円だけどな」
ベルトルト「それでも当たるだけ十分じゃないか。でもいいのかい?」
ライナー「あぁ、どうせあぶく銭だし、折角だからみんなで楽しむためにパーっと使おうと思ってな」
アニ「それで誘うのがいつもの3人かい? 芸がないね」
ライナー「まぁまぁ、折角だから幼なじみ同士久々に親睦を深めようぜ。それとも、鍋は嫌いだったか?」
アニ「……別に、嫌いじゃないよ」
ベルトルト「ボクは大好きだよ、お鍋」
ライナー「よし、そうと決まれば放課後みんなで買い出しに行こうぜ!」
放課後
ライナー「さて、早速買い物に来たわけだが」
ベルトルト「今日は何の鍋にするんだい?」
ライナー「うーむ、寄せ鍋が無難なところだが、ありきたりだしな。アニ、何かリクエストはないか?」
アニ「カニ鍋」
ライナー「さ、流石にそれはちょっと、予算的に……」
ベルトルト「いいんじゃないかい、寄せ鍋で」
ライナー「そうか? それじゃあまず野菜から買っていくか」
ベルトルト「やっぱり白菜は基本だよね」
アニ「それと、ネギ」
ライナー「白菜と、ネギと。おっ、えのきも買っとくか」
アニ「そういえば、ちゃんこと寄せ鍋って何が違うの?」
ライナー「さあ? 出汁のとり方とかじゃないか?」
ベルトルト「お相撲さんが作る寄せ鍋をちゃんこっていうだけだよ」
ライナー「へー。あ、ニラも入れるか」
アニ「……ニラは息が臭くなるから入れないで欲しい」
ライナー「なんだ、お前でもそんな事気にするのか? 意外としおらしいところもあるんだな」
アニ「……イラッ」 ゲシッ!
ライナー「いだっ! いだい! 脛を蹴るな脛を!」
ベルトルト「今のはライナーが悪いよ。あ、春菊としいたけ入れとくよ」
ライナー「これで4種類か、まぁ野菜はこんなものか?」 ゲシゲシ!
アニ「次は何買うの?」 シュッ! シュッ!
ライナー「次は魚介類だな。というか脛を蹴りながら会話に参加するの止めてくれ」 ゲシゲシ!
ベルトルト「寄せ鍋と言ったら海老が欲しいとこだけど」
ライナー「流石に高いな」
アニ「鱈とかは?」
ライナー「鱈かぁ、俺はあんまり好きじゃないな。あの独特の臭みが好きになれん」
ベルトルト「鱈は足が速いからね。」
アニ「鮪より速いの?」
ライナー「えっ」
ベルトルト「えっ」
アニ「えっ」
ベルトルト「アニ、魚に対しての足が速いっていうのは、だいたい腐りやすいって意味なんだよ」
アニ「——— っ!」
ライナー「なんだ? 顔真っ赤にして。鮪と鱈がかけっこでもしてるところを想像でもしたか?」
アニ「[ピーーー]」 ガスッ! バキッ!
ライナー「痛い! マジ痛い! うなじはやめろって!」
ベルトルト「なんで君はそう地雷を踏みにいくんだ」
ライナー「ほら、ほら! イカ買ってやるから! 蹴るのやめろ!」
アニ「カニも買ってくれたら許す」
ライナー「どんだけカニ好きなんだお前は……」
ベルトルト「次はお肉だね」
ライナー「肉と言ったら牛肉だな」
アニ「鶏肉だろ」
ベルトルト「今回は魚介も入るし、豚か鳥の方がいいと思うよ」
ライナー「おっ、外国産豚肉がグラム80円だってよ。これにしようぜ」
アニ「国産も90円じゃん。こっちにしようよ」
ライナー「10円の差はでかいぞ。だいたい、産地なんてどこでも大差ないだろ」
アニ「味が全然違うよ。そうでなくても、海外産はいい噂聞かないし」
ベルトルト「まぁ、質と安全を取るなら国産だよね」
ライナー「しょうがない、今日くらいは奮発するか。その代わり、鳥は海外産な」
アニ「モモなら許す」
もう進撃じゃなくていいんじゃないかな
ベルトルト「量はどうするんだい?」
ライナー「どっちも1キロずつあれば十分だろ」
アニ「3人だろ? 流石に多すぎないかい?」
ライナー「そうか? 俺は結構食うぞ」
ベルトルト「1日で食べきらなくても、冷凍にすれば次に回せるしね」
アニ「それもそうか。で、具はこんなところかい?」
ライナー「ああ。あとは昆布と豆腐と飲み物と、締めのうどんってところか」
アニ「デザートは?」
ライナー「は、デザート?」
アニ「……いや、なんでもないよ」
ベルトルト「——— フフッ」
アニ「……ギロ」
ベルトルト「! で、デザートは僕が出すよ! ハーゲンダッツでいいかい!?」
ライナー「お、悪いな。じゃあ俺は抹茶で」
アニ「ストロベリー」
ベルトルト「そ、それじゃあ僕はバニラにしようかな (危なかった……)」
ライナー「よし、買い出しはこんなところだな。会計済ませてくるからちょっと待っててくれ」
ライナー家
ベルトルト「おじゃましまーす」
アニ「邪魔するよ」
ライナー「おう、鍋の準備をするから、適当にくつろいでくれ」
ベルトルト「買い物袋はどうする?」
ライナー「どうせすぐ使うから、その辺に置いといてくれ」
ベルトルト「おっけー」 ドサッ
アニ「何か手伝うことはあるかい?」
ライナー「いや、米を研いで野菜を切るくらいだからな」
アニ「じゃあ鍋とコンロの準備だけしとくよ。どこにあるんだい?」
ライナー「お、悪いな。そこの棚に入ってるはずだ」
アニ「どれどれ? お、あった。ガスもちゃんとあるみたいだね」
ベルトルト「じゃあ僕は食器を準備しておくよ。僕とアニの茶碗はここだったよね?」
ライナー「ああ、箸もそこに入ってるぞ」 ザクザク
アニ(早く始まんないかな)カチャカチャ
ベルトルト「あ、アニ。コンロそこに奥なら、ボクはその辺に座るからとっといてね」
アニ「? 広いテーブルでもなし、どこに座ろうと一緒だろ?」
ベルトルト「いやいや、座る位置が重要なんだよ」
アニ「——— ?」
数分後
ライナー「鍋よし! 具よし! コンロよし! 準備完了だな! 飲み物はどうする?」
ベルトルト「あ、僕は烏龍茶で」 ソワソワ
アニ「なっちゃん頂戴」
アニ「ありがと。 ところでもういいかい? いい加減お腹すいたよ」
ライナー「まてまて、こういう時はまず乾杯からだろ」
アニ「いらないよ、面倒くさい」
ベルトルト「まぁまぁ、折角ライナーが企画してくれたんだし、好きにさせてあげようよ」
アニ「……しょうがないね」
ライナー「ごほん、えーまず、こうして幼馴染3人集まってパーティーを開けることを嬉しく思う!」
ベルトルト(うわ、これ長くなるパターンだ)
ライナー「思えば幼い頃から、辛いことも悲しいことも、楽しいことも3人で分かち合い……」
アニ(おなかすいた…… お昼ぬかなきゃよかった)
ライナー「こうして俺が一人で暮らせているのも、一重に二人のおかげだと思う! そもそも———」
ベルトルト「ラ、ライナー、そろそろ乾杯にしようよ?(放っておいたら10分は語りそうだ)」
ライナー「お、それもそうだな。では、3人の変わらぬ友情に、乾杯!」
ベルトルト「乾杯!」
アニ「……よくそんな恥ずかしいこと真顔で言えるね」 カンパイ…
ライナー「よし! では早速鍋の方を——— !」
ベルトルト「ライナー、やるのか!? 今、ここで——— !」
ライナー「ああ! ——— いくぞ、点火ぁ!」 カチカチカチ、ボゥ!
アニ(なにやってんだこいつら)
ライナー「さて、じゃあ早速具を入れていくか!」
ベルトルト「あ、それじゃあ僕が……」
アニ「いいよ、あたしがやるよ」
ベルトルト「え、でも……」
アニ「今日は荷物も持たなかったし、これくらいはやらせてもらうよ」
ベルトルト「そ、そう? それなら任せるけど……」
ライナー「ん? どうしたベルトルト」
ベルトルト「あ、いや別に……」
アニ「? 変な奴だね。それじゃあ、入れるよ」 具材ドバー
ベルトルト「あーーーーーっ!」
アニ「きゃ!?」
ライナー「ど、どうしたベルトルト!?」
ベルトルト「ダメじゃないか! 適当に具を入れちゃあ! あぁあぁ、肉と魚まで一緒に!」
アニ「え、いいじゃない、どうせ一緒くたになるんだし……」
ベルトルト「そういう問題じゃないよ! ほら、はやく取り出して! まだ間に合う!」
アニ「え、でも」
ベルトルト「早く!」
アニ「わ、わかったよ」
ライナー「」
ベルトルト「いいかいアニ? 鍋っていうのは料理なんだ。そして料理というからには、ちゃんとした手順があるんだ」
アニ「そ、そう。知らなかったよ」
ベルトルト「はぁ、これだから……いいかい? まず最初に入れるのはダシの出る具、つまり魚介や鶏肉だよ」
アニ「いや、ダシなら昆布が入って……」
ベルトルト「この魚介や鶏肉のダシが味の決め手になるんだ!」
アニ「は、はい」
ライナー(アニが気圧されている、珍しい……いや、無理もないか)
ベルトルト「ほら、早く入れて」
アニ「う、うん。それじゃあ入れるよ」ドバー
ベルトルト「ダウトォーーーー!」
アニ「ひぃ!?」
ベルトルト「なんだよその入れ方は! 盛りつけもへったくれもないじゃないか!」
ライナー「い、いいじゃないか。どうせみんなでつつくんだし、見た目なんか」
ベルトルト「鍋はまず目で楽しむものなんだライナー!」
ライナー「お、おう……」
ベルトルト「君たちも見たことあるだろう、お店や広告の鍋の写真を」
ベルトルト「美しく、計算された盛りつけ! あの豊潤な光景を目で味わうのが鍋の楽しみの一つなんだよ!?」
アニ(いや、ウチで食べる鍋にそこまで求めてないんだけど)
ベルトルト「ほら、まずは鰆の背を上にして、そうそう次にカニをワイルドに並べて! いいね! レオンハートチックだ!」
アニ(私が作るなんて言わなきゃよかった)
ベルトルト「はい、次は火の通りづらい野菜! 緑が映えるように配置して! あ、ネギは断面を上にするんだよ!」
ライナー(そういえば、鍋を一緒に食べるのは初めてだったな。まさかここまで鍋奉行だとは……)
ベルトルト「次は豆腐! 固くなりやすいお肉なんかは最後だよ! ——— よし、そんなところかな」
アニ「あ、あぁ、もういいかい?」
ベルトルト「うん、見た目もいいね。流石アニ、センスいいよ」
アニ「……どうも (全く嬉しくないよ!)」
ライナー「え、えーと、ベルトルト? 食べる順番は、どうすればいいんだ?」
ベルトルト「食べる順番? ははは、そんなの適当でいいよ。みんなが自由に語らいながらつつけるのが鍋の醍醐味だからね」
アニ(本気で言ってんのか)
ライナー「お、おう! そういうことなら早速食べるか! 腹が減って仕方ないからな!」
アニ「そ、そうだね。あ、ライナー、私ゴマだれで……」
ベルトルト「 ゴ マ だ れ ? 」ゴゴゴゴゴ
アニ「やっぱポン酢で」
ベルトルト「ポン酢はいいよね! 具とダシの味を最大限に引き出してくれる!」 ニコォー
アニ(ただのあんたの好みだろ!)
ライナー(ごまポン酢はありなのだろうか)
アニ「あ、えっと、じゃあお肉もらうよ?」
ベルトルト「ストップ!」
アニ「今度は何!?」
ベルトルト「そのお肉はもう少ししてからが食べごろだよ。はい、このイカなんか食べごろだよ」
アニ「……あ、ありがとう」
ライナー「そ、それじゃあ俺もイカにしようかな?」
ベルトルト「あ、ライナー。そのえのき、今が最高の歯ごたえだよ、ほら、そっちから食べよう」
ライナー(結局自由に食べれないじゃないか!)
アニ(確かに絶妙の火加減で美味しいけどさ……)
ベルトルト「あ、アニ! なにしてるんだ!?」
アニ「な、何が?」
ベルトルト「火が強火のままじゃないか!? ほら、早く弱めて!」
アニ「あ、あのさ、よかったら、ベルトルトに任せよっか?」
ライナー「お、おう! それがいい! ベルトルトは鍋に一家言あるみたいだしな!」
ベルトルト「え、そ、そうかい? まぁ二人がそういうなら、やらせてもらおうかな」ゴソゴソ
アニ(うわ、すっごい嬉しそう)
ライナー(マイおたまとか取り出し始めたぞ。準備万端だったんだな)
ベルトルト「えへへ、あ、食べたいのあったら言ってね。頃合になったらよそってあげるから」
数十分後
ライナー「ふぅー、食った食った」
アニ「締めの雑炊も美味しかったよ、ベルトルト」
ベルトルト「そ、そうかい? 喜んでもらえて満足だよ」
ライナー(しかしこいつずっとアクとってたな)
ベルトルト「あ、食器片付けてくるね」
アニ「いいよ、それくらい私が」
ベルトルト「いやいや、最後まで責任を持つのが鍋奉行の努めだからね」
アニ「あ、そう……」
ライナー「しかし美味かったな。たまにはこういうのもいいだろ、アニ?」
アニ「……ま、たまにはね。ベルトルトのあれは予想外だったけど」
ライナー「なんだかんだで美味かったけどな」
アニ「いくら美味しくてもあれはちょっと……次は鍋以外で頼むよ」
ライナー「お、なんだ? 早速次の機会を楽しみにしてるのか?」
アニ「なっ、別にそういう意味じゃないよ……」
ライナー「任せておけ、今度はエレンたちも呼んで大人数でやろう」
アニ「なんでそこでエレンが出てくるのさ。それよりデザートはまだ?」
ライナー「おぉ、そういえばすっかり忘れてたな。ベルトルトー!こっち来るとき、冷凍庫からアイス持ってきてくれ!」
ベルトルト「わかったー、もう終わったから今行くよー! って、あれ? ライナー、冷凍庫何も入ってないよ?」
ライナー「ん? そんなはずは……」
ベルトルト「そういえばライナー、買い物袋そこに置いといてって言ってから、アイスしまった?」
ライナー「しまった」
アニ「それって、どっちのしまった?」
ライナー「主に、その、失敗の時に使う方の」
ベルトルト「……」
アニ「……」
ライナー「(ゝω・)テヘペロ」
アニ「しね!」
特に理由のある食べ物の恨みがライナーを襲って終了
以上です。
進撃である必要は、ただこの3人が仲良くしてるとこを書きたかった、それにつきます。
お目汚し失礼いたしました。
乙
乙 よかった
乙
乙
こういう雰囲気の話好きだよ
乙 もうちょと続いても良かったと思うなー
中学校みたいなノリで良かった
この3人好きだから嬉しい
乙!
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