二宮飛鳥「例えば包帯巻いてみたりとかさ」モバP「痛い痛い」 (17)

モバマスの超絶かっこかわいいアイドルこと二宮飛鳥ちゃんとモバPとの雑談メインのほのぼのSSです。
だらだら書いていきますので、もし皆様の暇潰しとなれれば幸いです。

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期待

その1【包帯巻いてみたりとか】

 ボクはアスカ、二宮飛鳥。中学二年生、職業はアイドル、人気はそこそこ、お茶は苦手。

 先ほどから机に向かって、文字通りデスクワークに励んでいる20代男性はプロデューサー、通称P(ボクがそう呼んでいる)。

 その隣で電話対応に追われている緑色の女性が千川ちひろさん、通称緑の悪魔(Pがそう呼んでいた)、またの名を素敵な事務員さんだ。

 おっと、前提の提示が遅れてしまったね、ここは事務所で、時刻は午後三時を回ったところだ。


「暇――だね」

 ちょっと我儘な言葉を吐いてみた。

「ああ、暇だな」

 PCを挟んだ向こうから声、Pのものだ。

「いやいや、キミは仕事中なんじゃないのかい?」

「時計見てみろ、三時だ三時、おやつタイムだよ、仕事きゅーけーい」

 そういって、事務椅子を勢いよく引いて立ち上がると、てけてけと歩いてボクの前に座った。

 小さなテーブルを挟んでソファで対面、ボクの呆れ顔とちひろさんの非難の顔なんてお構いなしだ。

「お、ポテチじゃん。貰っても?」

「……いいけど、ちひろさん電話対応しながら睨んでいるよ? ボクは知らないからね」

「大丈夫だって、この時間は電話対応に追われる時間帯だし、今の相手はいろいろ厄介そうな人だしね」

 それはつまり、大丈夫じゃないよね? だって時間切れが来たら怒られちゃうってことじゃないか。
 
 口に出す前にPは一つまみで器用に三枚のポテトチップスをつまんで口に放り込んでいた。

「ん、唐揚げ味とは珍しい」

 にんまりと笑うP。もう何も言うまい。

すいません、すっかり寝落ちしていました。今日はもう遅いので
明日(今日の朝)以降続きを書いていきたいと思います。

乙乙
期待

支援

おまたせしました、少しづつ投下していきます


 「お前よく珍しい味のお菓子持ち込むよな。そういうのよくコンビニに売っているけれど、俺はどうにも買う気にならないんだよな、やっぱのり塩大安定だって」

 そんなことを言う癖にPの腕はまったく止まらず、どころかハイペースでポテトチップスを口へ運び続けているものだからとうとう銀色の底が見え隠れしだしている。

 ボクの月のお小遣いは決して高くないんだ、やめて欲しい。とはいえ露骨に慌てるのもなんだか格好がつかないから、さりげなくポテトチップスの袋を引き寄せながら口を開く。

「好奇な物は得てして人の目を引く、ましてそれが多感な中学生という時期ならより顕著にだよ。ボクは所詮は大衆と変わらないってことかな、悲しいけれどね」


「ニヒルに笑って黄昏ているところ悪いけれど飛鳥、『好奇な物』なんて言葉はないぞ。好奇の目から連想したのかもだけれどな、間違った言葉はすまし顔で使っても流石にすまされないと思うんだ、いろいろと」


「……っ そ、そのダジャレのほうがすまされないとボクは――」


「あらら、顔真っ赤にして俯いて、やっぱうちのアイドルは可愛らしいわ」


「ちが、あれだよ、ほらこれは……っ! あ! というかさりげなくポテトチップスにトドメを刺そうとしないでくれないかな!? まだボク殆ど食べてないんだけれど!?」


 見れば既に残っているのは数枚になっている、目を離した隙になんてことをしてくれたのだろうか。 


「そっちこそさりげなく話題そらすなよ。さっきからいちいち格好つけた動作でポテチ食べてるから悪いんだ。子供はもっとはしゃぐもんだぞ、ポテチを前にしたら」


「大のオトナがポテトチップス一つでこうも大人げなくなってしまうことにボクは驚きを隠せないけれどね! もう、一口三枚づつなんてずっこいじゃないか、きっちり一枚づつ食べなよ」

 抗議の眼差しを向けながら最後の一枚になってしまったそれをぽりりと噛む。かくしてボクの152円(税込)はそのほとんどを目の前の男に平らげられてしまったのだった。

「これがオトナだ」

「やっぱりオトナなんてロクなもんじゃないね」

 そう吐き捨てるように言うと、ごそごそとポケットをあさるP、ポンと投げられたその小袋には見覚えがあった。

 柿の種、ピーナッツとせんべいの絶妙なハーモニーが特徴のお馴染みアレである。

「そしてこれもオトナだ」

「オトナ万歳だね」

 何を隠そう、嫌いじゃなかったりする。


貴重な飛鳥スレだァ!
支援はまかせろー(バリバリ

古傷が疼くぜ

支援感謝感激です。活力とさせていただきぽつぽつと投下をしていきます。



「そういえばよ、あるあるだよな」

 ポリポリと柿の種のピーナッツを咀嚼していれば、Pがまた声をかけてくる。

「ん? なにがだい?」

「いやさ、『間違った言葉を遣う』っていうの。それもほら、自分で作っちゃったようなやつ。『好奇な物』とか、そういうやつ」

 うぐ。

「……なかなかどうして意地が悪いな今日のPは。人の失敗、それも中学生の失敗くらい理解はしなくとも許容ぐらいしてくれてもいいじゃあないか」

「別に責めてるわけじゃあないさ、ちょっとした出来心というかなんというか。そう、暇潰しのネタと話のタネってやつに一つどうかなって」

「痛いヤツあるあるってことかい?」

「そうそれ、そんな感じのヤツ。そういうの詳しいだろ? なんせ体現しているわけだし」

「そこはかとなく馬鹿にされている気がしてならないんだけれど、怒っていいのかな?」

「勘弁してくれ、ほら人の笑いってもとをただせば人を笑うところからきているっていうし、つまりこの手の話は――」

「――盛り上がる?」

「そそ。だから一つどうだどうせ暇だろ。二宮飛鳥の痛いヤツあるあるのコーナー」

 ん? 案外しっくりくるな今度ラジオでもどうだ?

 そんなことを笑いながら言うPに、苦笑を返す。

 とはいえまぁ、暇であることには変わりないわけで。

「うん、わかった。ちょっとだけなら」

「そうこなくっちゃ」

「でも暇なのはさ、Pが仕事を取ってきてくれないからなんじゃ――」

「はい! 痛いヤツあるあるのコーナー!! いえぇええい!!」

「……ヤケクソ気味だね」

「いえぇぇえい!!!」


 



「でもそうだな……Pの中の痛いヤツってようすれば、『中二病』のことなんだよね?」

 何を語るにもやっぱり前提は必要だからね、そんなことを聞いてみる。
 中二病、なんて、よくボクのような物の考え方をしている人間を指して用いられる言葉だ。
 数々の流行が次々と現れては、トレンドだなんだと騒ぎ、まつりたてられる現代の風習は、悲しいかなポップカルチャー界隈も例外ではなく、ともすれば当然それはボク達の業界にもあてはまる。
 だからそう言った意味で言えば、その言葉は今ちょっとした流行である。アニメだとか漫画だとか、そう言った媒体でもここ最近よくみられるようになったと思う。
 もっとも、ボクとしてはその風潮はあまり好ましくないのだけれどね。なにせ大衆性はボクのタブーとするところなのだから。
 ともあれそれに関してはきっと、いつもの如く流されて消えて行く気がしているのだけれど。流行とは呼んで字の如くなわけであるのだし。

 ――と、あまり関係ないことをつらつらと考えていたらPが不審な顔をしてこちらを見てきたので、今は目の前の彼に集中することにした。

「んー、まぁそうだな。そういえば中二病に関しちゃ、俺にも一家言あるんだぜ実は」


「へーそうなのかい――でもそっか、たしかに、なるほど」

「どうした? なんか意味深だな……」

「束縛のメタファー(キリッ)」

 とぼけた顔にそんな言葉を投げつけてやった。

「うぐっ」

 露骨に顔をしかめる様は、ちょっぴり可愛そうで、とっても面白い。

「実はけっこう、重度の痛いヤツだったわけだね、キミもさ」

「ま、まーな。でも今じゃ立派な社会人――」

「さて、どうだろうね。担当アイドルに向かってキメ顔で束縛のメタファーさ(キリッ)と言える男が、果たしていったい痛いヤツではないと言い切れるの――」

「痛いヤツあるあるのコーナー!! いえぇぇぇい!」

「天丼だね」

「笑いが理解(わか)る男だからな!」

「ダウト」

「……あっ」

 正体見たり。ボクの担当プロデューサーは理解(わかっ)ている人だった。


「ま、まぁ、ほら俺の事は別にいいじゃんか、それより早くあるある話しようぜ。俺からあるある! ノートに書き込んだ大量のオリジナル格ゲーキャラ設定!」

 明らかに話題をそらしているけれど、これ以上の追及は酷だろうから、素直にキャッチボールに興じる。

 けれど、はて、聞きなじまない言葉だね。

「オリジナル格ゲーキャラ設定?」

「あれ? 理解らない? こう、コマンド表とかさ。んー、男の子にしかわかんなかったかな。なんていうか、このキャラはこんなバックボーンで、こんな技が使えてーみたいな?」

 未だよくコマンド表というのはわからないけれど、なんとなく察しがついて、それがどういうものかわかった気がした。

「つまり、蘭子の――彼女の書いた設定入りスケッチブックみたいなもの?」

「ああ、それだそれ。神崎蘭子ちゃんのそれは、俺が言ってるそれに近いよ、すっごく。もっとも、堕天使とか魔王とか常闇とか暗黒とか、そういう類の物じゃなかったけれど」

 あれ、ちょっと妙だ。
 
 彼女のスケッチブックはそう簡単に内容を見れるものではない(おもに彼女が恥ずかしがって見せないため)のだけれどPはなんだか知っているような素振りである。

 ちなみに、蘭子は同じプロダクションの仲間だけれど、担当のプロデューサーは目の前の彼ではない。

「見たことあるの?」

「ん? スケブ? 一度だけな」

「へー、実はボクの知らないところで仲良くしていたんだね、二人は」

「んー、いんや。実際俺と神崎蘭子ちゃんはそこまで面識ないよ。あの娘いい子だからすれ違ったりすると挨拶してくれたりするけれど」

「え? じゃあ、なんで見たことあるんだい」

 誰にでも見せてくれるものじゃなかったはずなんだけれど、仲良くなったから見せたくれたとばかり思っていたから、ちょっとだけ寂しい気もする。

 そんな風に思って問いただす。

「あの娘の担当のPが写メ送ってくれた」

「……むごい」

「あれには流石の俺も苦笑」

「くれぐれも本人には言わないほうがいいよ、思春期のハートはとってもデリケートだから」

「はっはっは、しないしない。ああ言うのを人に見られた時の気持ちは……その、なんだ……………理解してる」

「うわっ、すごい遠い目をしているね。いったいな――」
「察して!」

「察したよ、キミも立派な痛いヤツだったんだね」

 触らぬ神にたたりなし、ああいや、この場合はちょっと意味合いが違うかな。
 
 うわごとのように「違うんだよ兄ちゃん、これは違うんだよ」と呟き続けるPが正常になるまで冷めてしまった珈琲をすすることにいる。

 もちろん、ブラックだよ。

未だスレタイの回収すらできていなくて申し訳ないのですが、睡魔が襲ってきてしまったので本日の投下はここまでとなります
また明日、時間を見つけて書いていきたいと考えています
それではおやすみなさい

まってる

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