霧切「"超高校級の希望"…そう呼べるんじゃないかしら」
苗木「…ボクが、希望…?」
江ノ島「~~~~~~!!!」
そう…諦めない、前向きな貴方こそが……!!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416583766
きっ…き、期待
*ダンガンロンパssです。
*初心者です。
*そんなに長くはならない・・・はず。
*批判は甘んじて受け入れます。
不慣れな文章ですが、どうぞ見てやってくだしい。。。
………
苗木「希望は、前に進むんだ!」
江ノ島「何よ…何なのよぉぉぉぉ!」
VOTE
江ノ島 江ノ島 江ノ島
…勝った……
苗木君が、絶望である江ノ島盾子をうち破った…
これで…私たちの勝利…
……長かったわね……
江ノ島「負けた……?」
江ノ島「このアタシが…?コイツに……?」
江ノ島「そんなの……」
江ノ島「そんなのってェェェェエエエ!!!」
十神「…フン、"超高校級の絶望"も、自分に降りかかる絶望には弱かったようだな」
江ノ島「最ッッッッ高じゃなぁぁぁぁい!!!!」ゾクゾク
十神「…なんだと?」
葉隠「うわ…完全にイカれてやがるべ」
江ノ島「だって…だって…こんなに長い時間をかけて用意した計画が崩れたの!最ッ高の絶望だわぁ……!!」ウットリ
江ノ島さんは、恍惚とした顔を浮かべながら、涎を垂らしている。
朝日奈「ダメだ…理解できないよ」
ジェノ「コイツの感覚理解できる方がおかしいっての!ゲラゲラゲラ!」
江ノ島「ねぇ…苗木」
苗木「…何かな」
江ノ島さんは苗木君に近づき、何かを差し出した。
江ノ島「これ…アタシのオシオキのスイッチ」
苗木「……」
霧切「…!」
これは…罠?
江ノ島「あは、疑ってる…?安心しなよ。正真正銘、アタシをオシオキするスイッチさ」
江ノ島「アタシはね…アンタにこのスイッチを押して欲しいんだ」
そんなの…嘘に決まってる!
霧切「苗木君!騙されてはダメよ!」
十神「そんなもの…信じられるか!」
江ノ島「十神に霧切、アタシは苗木が押したスイッチで、絶望しながらオシオキされて死にたいの。それでまた騙すのも絶望的で魅力的だけど、さすがのアタシもそこまで往生際は悪くないよ」
江ノ島「ほら、苗木。押してよ。皆を死に追いやったアタシが憎いでしょ?」
そう言って江ノ島さんは、改めて苗木君の前にスイッチを突き出した。
苗木君は、おもむろにスイッチに手を伸ばした。
十神「おい!苗木!」
霧切「苗木君!」
震える手が、スイッチの上に置かれる。
その時、私の頭にある可能性が浮かび上がった。
もしかして江ノ島さんは、"苗木君にスイッチを押させ自分をオシオキさせることで、苗木君を殺人者にすること"が狙いなのでは―――
霧切「苗木君!それを押したら―――」
…………カチッ……………
スイッチを押す音が響いた。
オシオキを執行する場へ連れて行く鎖が、江ノ島さんを捕らえた。
[エノシマさんがクロに決まりました。オシオキを開始します。]
"超高校級の絶望的オシオキ"
……江ノ島さんは笑っていた。
桑田君を殺した、ピッチングマシーンの放ついくつものボールに打たれても。
大和田君を殺した、高速で回るバイクに乗っていても。
セレスさんを殺した、火に炙られながら消防車に突っ込まれても。
アルターエゴを壊した、ショベルに何度も叩かれても。
そして……
江ノ島「アハハ、アーハッハッハッハッハ!!!」
苗木君を殺そうとした、プレス機へのベルトコンベアーの上でも…
江ノ島「アハハハ、………」
「飽きた」とでも言わんばかりの真顔が一瞬見えた。
ドシャアアアアッッッ!!!!
霧切「……」
苗木「……」
十神「……」
朝日奈「……」
葉隠「……」
ジェノ「……」
私達は、一部始終を見ていた。
彼女の死に際の一部始終。
苗木「ねぇ…」
苗木君が口を開いた。
苗木「ボクは…最後の最後に江ノ島さんの思い通りになっちゃったのかな…?」
霧切「!……」
…気付いていたのね。
霧切「……もう、済んだことよ。気にすることはないわ」
苗木「…そっか……」
でも正直、意外だった。
苗木君なら、江ノ島さんからスイッチを渡されても、拒否して「君も生きてここから出て、今までしてきたことを償うんだ」なんて言うんじゃないかって思っていたのだけど…
さすがの彼も、許せなかったのかしらね。
苗木「じゃあ…もう学級裁判は、終わりでいいんだね…?」
霧切「ええ…そうね」
十神「…そうだな……」
葉隠「おう!この学園ともおさらばだベ!」
朝日奈「うん!これでやっと外に出られるね!」
ジェノ「ま、世紀末だけどね!ゲラゲラゲラゲラ!」
苗木「………そっか………」
苗木「………」
苗木「………………………………………………………………………」
霧切「さあ、ここから――」
苗木「……ふふ」
苗木「正しいクロを暴けませんでした。ミナサンへのオシオキを開始します」カチッ
……ガシャン
あー、そういうパターンね
クロ苗木か、期待
一旦ここまでで。
うわすごい。ssって自分では長く書いてる気がしても、実際はあんまり書いてないんだね。
これは思ったより短くなりそう。
もうちょっと書き溜めしたらまた来るよ。
なんせ初心者なもんで、なんか「もうちょっとここ、こうしたほうが良い」とかあったら教えてほしい・・・かな。
今これの他に「ダンガンロンパ」の世界に「遊戯王」キャラをぶち込んでみた物語をケータイのメモ帳に書いてるんで、そっちにも参考にできるかと。
・・・大学受験生がなにやってんだ。(呆れ)
コメントくれてる人、どうもありがとうっ!!
>>13
きっとどっかで使われてると思ったけど、どうしても書きたい衝動に駆られてしまったんよ・・・
このくらいでいいと思うよ
SSってのはテンポが命だからね
あっ!!!!
*しょっぱなから盛大なネタバレあります。
↑↑↑って書くの忘れてたよ!!!
ダンロンssのお約束じゃないか・・・まあ注意書きの前に本編入れてる時点でネタバレも甚だしいけどね!
とりま足の感覚無くなるまで圧迫してくる。申し訳ない。
そろそろそこらへんにしとけ
あと、とりまとか臭えから二度と使うな
>>19
肝に銘じておきます。
ぼちぼち投下してくよー
突然、足が何かに拘束された。
これは…足枷?
霧切「…は?」
十神「…何?」
朝日奈「…え?」
葉隠「…あん?」
ジェノ「…ああ?」
苗木「……ははっ」
苗木「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」
苗木「残念だったね皆。この最後の学級裁判は"ボク達黒幕側"の勝ちみたいだね」
霧切「!?」
十神「…おい、どういうことだ!説明しろ苗木!」
苗木「だから今言ったじゃないか。"ボク達黒幕側"ってさ。黒幕が1人だけだなんて、誰が言ったの?」
苗木「ボクも"盾子さん"と同じ、皆を学園に閉じ込めた側の人間だったんだよ!」
「「「「「―――――――ッ!!!??」」」」」
苗木「あっはは、それにしても皮肉な話だよね!」
苗木「"超高校級の希望"だなんて言われたボクが」
苗木「まさか!まさかの!絶望側だったなんて!」
ジェノ「ハァァァアアア!!??」
朝日奈「嘘……嘘でしょ」
葉隠「な……苗木っちが……!?」
十神「苗木……貴様………!!」
苗木「あはっ…絶望しちゃった…?」
私は、何も言えなかった。
声が、言葉が、思考が、自分の全てがうまく機能してくれない。
霧切「……どう……して………」
掠れた声が、私の口から出てきた。自分の思考より先に、そんな言葉が口をついて出てきた。
苗木「どうして?そんなことどうだっていいじゃないか!」
霧切「なッッ…」
本当に……?
本当にこれが……苗木君なの?
朝日奈「今までのは……全部嘘で…演技だったってこと…?」
苗木「そうだよ。当然だけど、黒幕側であるボクは2年間の記憶も失っていない」
苗木「だから知ってるのに反応しなきゃいけないようなところとかは、結構盾子さんから指導されたけど」
苗木「流石は盾子さんだよ。こんなボクでも、最後まで皆を欺くことができた」
十神「…クッ……」
朝日奈「うぅ……」
…ようやく頭が回るようになってきた。
霧切「あなたは…あなたが江ノ島さんの仲間なら、どうしてあのスイッチを押したの…?」
…まだ声が震えている。
苗木「ああ、そのことね」
苗木「実は、このコロシアイ学園生活はボクと盾子さんとのゲームに過ぎないんだよ。戦刃さんには秘密にしてたけどね」
十神「ゲーム……だと」
苗木「盾子さんが先に皆を絶望させてボクを殺すか」
苗木「ボクがそれを阻止して、盾子さんを殺すか」
苗木「若しくは、皆がボク達2人の正体を見破ってどちらも死ぬか」
苗木「盾子さんはゲームマスター。ボクはチャレンジャー。」
苗木「君達は、ただの駒だよ」
十神「俺たちが…駒だと?そんなゲームに、俺たちを巻き込んだのか!」
苗木「コロシアイ学園生活にゲームがどうのって言って一番乗り気だった君が言えたことじゃないでしょ…まあいいけど」
苗木「それにしても…恋人同士の2人が、お互いに殺し合うなんて、凄く絶望的だと思わない?」
朝日奈「恋人…同士……?」
苗木「うん、盾子さんとはそういう仲だよ。まさか超高校級のギャルである盾子さんが、ただのくじ引きで選ばれた平凡なボクと付き合ってくれるなんて思ってもみなかったけど、とにかく盾子さんとは恋人同士だ」
苗木「だから……殺し合うんだよ」
今までこのコロシアイ学園生活を共にしてきた彼と同じ人のものとは思えないような、濁った、狂気のようなものが渦巻く目でそう言った。
霧切「…意味が……わからないわ」
苗木「わかる必要なんかないんだよ。こっちだってわかってもらおーなんて思っちゃいないんだから」
苗木「…さてと。喋りたかったことはだいたい喋ったかな?じゃあそろそろ時間だし」
苗木「皆のオシオキといこうか」
霧切「ぐッ!?」
十神「ンなっ…!」
朝日奈「ちょ…ちょっと待ってよ!!」
葉隠「そうだべ!納得いかねーぞぉ!」
苗木君はスイッチを取り出す。
ジェノ「へ……へ………」
……ん?これって…
ジェノ「ぶへっくし!!!」
苗木「え?このタイミングで?」
腐川「………あれ?」
腐川「え?…え、江ノ島盾子は?どうなったの?…あれ、足が動かな…」
腐川「………」
腐川「なっ、ななな何で繋がれてるのよぉぉぉぉぉ!!!!」
腐川さんの金切り声が響いた。
苗木「はぁ……折角の空気が台無しじゃないか…」
腐川「ちょ、ちょっと!何がどうなっているのよ!」
葉隠「え、えと、苗木っちが江ノ島っちとあれこれで苗木っちはその」
腐川「わ、訳がわからないわ!ちゃんと簡潔にまとめなさいよ!」
十神「苗木は江ノ島の仲間だった」
腐川「び、白……え?」
十神「苗木はこれから俺たちを処刑しようとしている」
腐川「………は?」
十神「だが、ここで終わる訳にはいかん…!まだ望みは…希望はある!」
苗木「へぇ…希望が……どうするつもりかなぁ、十神クン。君達は今、足を固定されているんだよ」
そう…私達は足を繋がれて、自由に動くことができない。
十神君は、何を…?
十神「腐川!」
腐川「はいぃぃ!」
十神「今すぐジェノサイダーに代われ!」
腐川「はっ?」
ジェノサイダー翔?
腐川「び、白夜様?なぜアイツが…」
十神「いいから代われ!」
腐川「はいィ!」
ジェノサイダー翔、ジェノサイダー、殺人鬼…
足を固定……足………だけ?
腐川「……クシュン」
霧切「……!」
…まさか……でもそれは…
ジェノ「さっき振りのジェノちゃんでぇーーーす!!」
とんでもない、最後の大博打…
苗木「…!させるか!オシオキを開始する!」
十神「ジェノサイダー!奴にできるだけのハサミを投げろ!」
ジェノ「りょーかい!!」シャキン
霧切「や……やめて!!」
もう、誰に言ったのかさえわからないこの言葉。
苗木「グングニルの槍!!」
ジェノ「あーもうこの枷ジャマ!!」ヒュン
駄目、間に合わな――――
カチッ……
ひとまずここまでで。
うーん、なかなかうまくいきません。
こんなんずっと続けてる人すごいと思うんだ、本気で。
某狛枝ssなんてもう今何スレ目ですか!!
しかもあのss、安価の台詞によって展開変わるから書き溜めもなもかもないじゃないですか!!すごいよ!!
>>29
そういうのいいから
SS書くの初めてでテンション上がっちゃってるっぽいのは分かるから、落ち着いてからコメントした方が良いよ
SS自体は面白いのに作者コメで冷めちゃうパターンの典型になっとる
ぐぬ。なるほど。以後気を付けます。
アドバイスしてくれてる方々、本当に感謝しています。
コメwwwwwwww
くっさwwwwwwwwwwwwww
巣のニコニコ動画に帰れよゴミども
投下します。
ヒュンッ、ビュッ
ザクッ
ザシュッ、ドスドスドスドスッ
苗木「痛っつ……」
十神「……」
ジェノ「……」
朝日奈「……」
葉隠「……」
霧切「……!」
ジェノサイダー翔の投げたハサミは5本。
2本は外れ、1本は頬を掠め、もう1本は右肩に刺さり、最後の1本は、苗木君が防御に出した左腕に刺さった。
ハサミの刺さった腕と肩から流れ出る血が、彼の足元に水溜まりをつくる。
―――でも、それ以上に。
葉隠「…うっ………」
ジェノ「…あ……あ……」
十神「きっ、さ………ま…」
朝日奈「ひ……ど…い…」
槍の刺さった彼らから流れる血の量は、まさに"血の海"という言葉以外ふさわしい言葉が見つからないほど、おびただしい量の血が出ていた。
傷みに呻く者。
苗木君の方へ手を伸ばす者。
そんな彼らも、やがて動かなくなった。
皆……死んでしまった。
私を残して。
私を残して?
私だけ、槍に貫かれていなかった。
苗木「…あ~あ。最後に痛いのもらっちゃったな」
ハサミの突き刺さった腕を押さえながら、彼は言った。
霧切「…どう……して」
苗木「どうして霧切さんだけ生きてるのかって?十神クン達を槍で殺すのは元々決まってたんだけど、全員槍なんて味気ないじゃないか」
苗木「盾子さんと話してたんだ。霧切さんには、アレ見せておきたいよねって」
霧切「アレ……?」
荒廃した外を映していた画面が変わる。
"宇宙旅行"
映っていたのは、目隠しをされ椅子に縛り付けられた男性と、モノクマ。
男性は拘束を解こうともがく。
モノクマがスイッチを押すと、男性は何かを叫びながら、小さなロケットに入れられた。
ロケットは彼らのいた部屋の天上を突き破って上昇し、宇宙空間を模した景色に入ったところで失速、今度はまっ逆さまに落ちていく。
重力による加速に加え、噴射口から炎を噴き出し、より一層加速する。
地面に向かって。
ロケットは猛スピードで出発点と同じ地面に激突した。
衝撃で開いたロケットに男性の姿は無く、元は男性であったはずの骨しかなかった。
霧切「……これは、この人は、…この骨は」
苗木「あ、気付いたかな?説明省けるから助かるよ。」
苗木「君が学園長の部屋で見つけた骨と同じ人のものだ」
苗木「つまり、あの骨は……改めて言ってみようか、誰のものかな、霧切さん」
霧切「…おとう、さん」
苗木「…大正解。因みにこれは余談だけど、学園長を殺すスイッチを押すようにモノクマを操作したのはボクだよ。盾子さんは忙しかったみたいだから、ボクが代わりにね」
霧切「………!」
父は殺された。
私の目の前の彼によって。
ようやくひとつになれたクラスメートも、2年間共に過ごしてきた仲間達も。
私もきっと、これから殺される。
苗木「実はさ、今見た映像に映ってたオシオキのロケットのセット、もう1つあるんだ」
霧切「…」
苗木「霧切さんは特別に、君のお父さんと同じやり方で―――」
苗木「――――――殺してあげるよ」
私に逃げ場はない。
足にされた拘束で、動けない。
投げて攻撃できるものも持ってない。
苗木「…にしてもわらっちゃうな。今こうして君に絶望を与えてるボクが、君から"超高校級の希望"なんて呼ばれたんだから。思わずボクも盾子さんもノっちゃったよ」
ジェノサイダー翔が最期に投げたハサミは手の届かない所。
逃れる術は、なかった。
苗木「終わりだ……これで終わりだ……」
……違う。
苗木君は、こんな人じゃない。
この苗木君は、本当の苗木君じゃない。
根拠もなしに、自分らしくもないけど、何故かそう言い切れる自信があった。
苗木「じゃあ、ボクの正体を暴けなかった霧切さんへのオシオキを――――」ポロッ
苗木「――――え?」
………?
苗木「……え………なんだよ……これ」ポロポロ
苗木「どうして…動かないんだ……」ガタガタ
霧切「……苗木君……?」
………泣いているの……?
彼の目からは涙が溢れ出て、オシオキのスイッチにかざす形におかれた手はガタガタと激しく震えていた。
確信した。やはり私は間違っていなかったと。
霧切「苗木君!もうやめなさい!本当はこんなこと、貴方は望んでなかったはずよ!」
この言葉はもちろん、自分が助かる為に発した言葉ではない。
苗木君の心を、救う為に。
苗木「…ぐ……う」ガタガタ
霧切「ねぇ、そうなのでしょう。自分でも、わかっているのでしょう!」
苗木「………くっ…!」ゴシゴシ
苗木「うるさいッ!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!」ガシッ
霧切「!!」
ジェノサイダーの投げたハサミを振りかざす。
霧切「苗木君!!!」
苗木「うるさいよっ!!!」ブンッ
ドスッ………
苗木「うぅッ……く…」
霧切「……!………!」
苗木君は、ハサミを自分の脚に突き立てていた。彼のズボンが、新しい血でまた汚れる。
苗木「はぁっ、はぁっ、…もう、これで終わらせる……!」
霧切「やめて!苗木く――――」
苗木「オシオキタイム!!!」
カチッ
最後に見えた血塗れの苗木君の顔は、これ以上ない程の苦痛と苦悩に歪んでいた。
小さなロケットの中。
急激に熱くなる機体の中で、私の意識は遠のいていく。
―――――――――
―――――――
―――――
苗木君がいた。
さっきまで見ていた濁った目ではなく、澄んで、純粋な目。
そんな彼が、恥ずかしそうに顔を赤らめて、言う。
苗木『なんか……こういうのって恥ずかしいね』
霧切『………そうね』
私がそれに応えている。
これは……何?
苗木『ボクは、君に出逢えて本当に良かった』
苗木『誕生日おめでとう。』
苗木『……好きだよ、"響子さん"』
霧切『……ありがとう。私もよ、"誠君"』
お互いの顔が、距離が無くなるまで近づいて、彼の顔で視界が埋まった。
―――――
―――――――
―――――――――
今のは、夢?
………違う。夢じゃない。今のが、本当の苗木君。
私の、奪われていた記憶。
霧切「…なえ………誠…君…」
霧切「救って…あげられなくて………ごめ……な…さ……」
薄れゆく意識の中、狭い、灼熱の機内で、呟いた。
霧切「…………………………」
ドゴォォォ-------ン!!!
ここまでーー。
救いなんて、ありはしない。
次の投稿で終わる……と思うよ。
完結はもうしばしお待ちを。
なかなかいい持っていき方が浮かばない……
まっとる
投下しますね。
ドロドロのでろんでろんに仕上がりました(苦笑)
………
霧切さんを乗せたロケットの落下音が鳴り響く。
苗木「はぁ、はぁ、はぁ、…」
ぽたっ
ボクが、殺した。
苗木「……っく……う……」
ぽたっ
十神クンも、腐川さんも、葉隠クンも、朝日奈さんも。
ぽたっ
みんなボクが殺した。
ぽたっ、ぽたっ
このコロシアイ学園生活を計画した時から、そのつもりだった。
ぽたっ、ぽたっ
全ては、盾子さんと絶望の為に。
ぽたっ、ぽたっ
なのに、どうして。
苗木「なんでこんなに……苦しいんだ…」ポロポロ
―――――――――――――
霧切『本当はこんなこと、貴方は望んでなかったはずよ!』
―――――――――――――
苗木「そんな、ハズは」
苗木「ボクは、絶望を…」
苗木「……絶望……を……」
ドロリとした、気持ちの悪い感覚。
ボク達は、これを求めていたんじゃないのか。
―――貴方は望んでなかったはずよ。
苗木「……くそッ」
彼女は何を根拠に…そんなことを。
――――そういえば。
――――――――――――――――――――――
江ノ島『このカギ。渡しておくからさ。最後の学級裁判の時に持ってきて』
江ノ島『万が一よ?万が一、アタシがアンタに負けたら、全員オシオキした後に、裁判場にあるモノクマが座る椅子の下にお宝用意しておいたから、開けて見てみて?』
――――――――――――――――――――――
苗木「……」ゴシ
苗木「くっ……いってて…」ググ
苗木「止血は…しなくていいや」
苗木「えっと……モノクマの椅子の下…っと」ゴソゴソ
苗木「……あった」
苗木「カギは…これか」カチャカチャ、カチャン
箱を開ける。
これは―――――
苗木「………アルバム?」
苗木「いったい、何の写真が――――」パラ
苗木「…………?」
苗木「………」パラッ
パラッ
パラッ パラッ
パラッ パラッ パラッ
苗木「…………全部」
苗木「全部………ボクと、霧切さんの写真」パラッ
ボクと霧切さんが手を繋いでる写真。
ボクと霧切さんが一緒に食事をしている写真。
ボクと霧切さんが顔を近付けて笑い合っている写真。
ボクと霧切さんが――――
苗木「―――――――ッ!!!??」
――――キスしている写真。
苗木「え………なんで?」
なんでこんな写真が撮られたか、ということじゃない。
苗木「……ボク、こんなこと……………したっけ?」
キスだけじゃない。
他の写真に写っているどの場面も、ボクには身に覚えがない。
苗木「何なんだよ…これ……」
苗木「………いや」
苗木「…………合成だ。そうに決まってる」
ボクにはそんなこと、身に覚えがないんだ。記憶にないんだ。
記憶に……
…………まさか。いや、そんなワケ……
苗木「………あれ?」
この写真……
裏に何か書いてある……?
ペラ
―――――――――――
苗木 希望→絶望計画
―――――――――――
苗木「…………は?」
……写真を見ていたままで、どれくらい経っただろうか。
写真を見ながら、考えていた。
この写真は本物なのか。
本物なら、ボクと霧切さんはどんな間柄だったのか。
ボクにその記憶がないのは何故か。
写真の裏に書かれていた"計画"とは、どういうことなのか。
苗木「………もう、いいや」
アルバムを閉じて、最後のオシオキスイッチを手に取る。
苗木「……ナエギクンがクロに決まりました」ボソッ
苗木「オシオキを……開始します」
カチリ
ここで記憶が戻るのかな
ダン
身動きの取れない椅子の上。
苗木「2回目。……モノクマいないけど」
考えないようにしていても、どうしても考えてしまう。
あの写真と、書かれていた計画の意味。
苗木「…そもそも、なんでボクだったんだろう」
このコロシアイ学園生活の実行を補佐するのには、クラスメートの中でボクは一番適任だったと言えるのだろうか。
ダン
苗木「…いや、もっと他にいたはずだ」
ボクよりも計算高い人はいたはず。
関係上、だろうか。
苗木「……関係上」
ボクと盾子さんは付き合っていた。
……いつから?
……思い出せない。
頭の中に靄がかかったように、明確なことがわからない。
苗木「……霧切さん」
彼女の名前を口にする。
自分でもわからない何かを、何かを彼女に求めている。
ダンッ
…それより、何故ボクだったかについてだ。
ボクが彼女の補佐をする役に適任だったわけではないとするなら。
…わからない。何故なんだ?何故ボクが……
―――――――――――
霧切『"超高校級の希望"……そう呼べるんじゃないかしら』
―――――――――――
苗木「―――――――!!」ハッ
まさか。…いやでも、カケラも考えなかったわけじゃない。
ダンッ
―――――――――――
苗木 希望→絶望計画
―――――――――――
認めたくなかった。考えたくなかった。
苗木「盾子さんは……自分に対抗出来うる人をなくす為に……?」
じゃあ……じゃあボクは…
苗木「絶望じゃなくて……希望だった?」
苗木「―――――――ッ!!」ズキッ
――――――――――
――――――――
――――――
苗木『誕生日おめでとう』
苗木『……好きだよ、響子さん』
霧切『……ありがとう。私もよ、誠君』
――――――
――――――――
――――――――――
苗木「………今のって、写真の…」
苗木「……あ、そっか…やっぱり」ポロッ
苗木「ボクも、記憶を消されていたんだね」ポロポロ
>>52 大✩正✩解
ダンッ
よく考えたら、別に不思議なことじゃなかった。
ボクも、みんなに同じようなことをしたんだ。
苗木「…………ごめんなさい」
みんなに対する謝罪の言葉。
苗木「…ごめんなさい……ごめんなさい……」
いくら謝っても、みんなはもう帰って来ない。
苗木「……舞園さん……桑田クン……不二咲クン……大和田クン……石丸クン……山田クン……セレスさん……大神さん……朝日奈さん……葉隠クン……腐川さん……十神クン…………」
ダンッ
身動きは取れない。プレス機は、もう止まらない。
苗木「………響子さん……ごめんなさい……」
全てを引き摺って生きて、償うなんてもう出来ない。
あとは地獄に落ちていくだけ。
苗木「……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさ―――――」
『……………うぷぷぷぷぷ』
苗木「―――――ッ??!!」
今の声は………
聞き間違えるハズもない。
苗木「……え……の………し…ま……ぁ……!!!」
ダ ン ッ !
プレス機はもう間近。
苗木「……あ……あ」
本能的に、汗が噴き出る。
苗木「あ………ああ…」
みんなを殺してしまったことの謝罪、罪悪感、後悔、全てを壊した江ノ島と、まんまと絡めとられた自分に対する、激しい怒り。
苗木「あ」
全てがごちゃ混ぜになって、こみ上げる。
ダ ァ ン ッ !
苗木「ああああああああああああああああああああああああああああああああああッ――――――――!!!!」
ドシャアアアアッッッ!!!!
『うぷぷぷぷ……これぞまさに』
『"超高校級の絶望的結末"…だねぇ』
『うぷぷぷぷ………うぷぷぷぷぷぷ!!』
END
これにて終わりです。
こんな初心者の、稚拙な文章を最後まで見てくださった方々、本当にありがとうございました。
ほんと、どうしようもないストーリーですみませんでした。
html化は、明日の夜依頼したいと思います。
それまで、感想・アドバイス等を頂ければ、とても嬉しく思います。
でも「ベルトコンベア、長くね/遅くね?」だけは勘弁してください。
ちなみに、このssを書くきっかけは、pixivに投稿されていた「クロ木」というタイトルのダンロン漫画です。それ見たらどうしても書きたい衝動に駆られたので、書いてしまいました。なので一部そこのセリフをぱk…参考にしたりしました。
乙。結構この雰囲気好きよ
欲を言うならもう少し長いのが良かったかな。その分楽しめるし
乙。最近苗ノ島が流行ってるし、たまにはこういうダークなのもいいね
長さはちょうどいいと思った。テンポ大事
ただ、地を出すと叩かれそうな作者だから作者コメントは少な目にした方が無難かと
>>60
自分ではちょっと重々しすぎるかなと思っていたのですが、お気に召したようで、何よりです。
当初の予定では、ダンロン霧切視点(クロ木)をクロ木要素をちょこちょこ入れつつやってみようかと思ったりしてましたが、それだと[ゲーム未所持・アニメうろ覚え・霧切さんの動向がわからない・おい、受験勉強しろよ]でエタりそうだったのでこの形に。肉付けが苦手ですみません。
>>61
テンポ・・・下手に肉付けしても間延びしてしまうと逆効果ってことでしょうか。じゃあ今回のはそこそこ良かったのですかね。これからも精進して参ります。
>>地を出すと叩かれそうな作者だから作者コメントは少な目にした方が無難かと
うぎっ・・・ではこれ以上余計なこと言わないうちに・・・。ご忠告ありがとうございます。
コメくださった方々、本当にありがとうございました。
では、またどこかで。
html化スレが開かないのですがどうなってるんでしょう……?
まだ?
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません