ピンポーン

ツァン「あ、来たね。その子は？」

カイト「俺の弟だ」

ハルト「元人気AV女優のツァン・ディレさんだ！始めまして僕の名前は天城ハルトです！」

カイト「それでコナミは」

ツァン「今日も帰りが遅いみたい」

カイト「そうか・・・以前お前は料理教室に通っていてコナミも心配していた。その類じゃないのか」

ツァン「そう思いたいんだけどさあいつの服から毛があったんだ多分女の人のだよねこれ？」

ハルト「浮気調査ってやつだよね？」

ツァン「う、浮気・・・」

カイト「シッ」

カイト「まず心がけを教えよう」

ハルト「うん！」

カイト「この仕事に大事なのは推理力だ」

ハルト「遊馬達も？」

カイト「遊馬と凌牙はどちらかと言えば肉体派の役目だ」

ハルト「兄さんは頭脳派なの？」

カイト「ああ、俺が推理し凌牙が相槌を打ち遊馬が納得する。いつもこうだ」

ハルト「でも今日は一人なんだよね」

カイト「一人じゃないハルトが居る。頼りにしているからな」

ハルト「ワアーイ！」

カイト「・・・コナミが来たようだ」

ハルト「物陰に隠れればいいんだね」

カイト「次に相手の尻尾を掴む事が大事だ」

カイト「あれは女だ」

ハルト「服にくっ付いてたらしい毛と同じ色の髪色だね」

カイト「そうだな」

ハルト「捕まえるの？」

カイト「いや尾行しよう」

ハルト「どうして？」

カイト「まだ浮気しているとは断定できんからな」

ハルト「うん」

カイト「何者なんだ」

ハルト「ねえオービタルをどうして連れてこないのいつも」

カイト「奴は奴で子育てに忙しい」

ハルト「ロボットの繁殖力って凄いよね」

カイト「ああ・・・追うぞハルト」

ハルト「うん」

シャーク「何やってんだあいつは」

ドルべ「推測だが弟の面倒を見ているのだろう」

ミザエル「さすがはカイトだと言うべきか」

アリト「あれコナミだよな？どうするよ」

ギラグ「どうするナッシュ」

シャーク「せっかく兄弟水入らずで何かしてるんだそっとしといてやろうぜ」

アリト「そうだな」

カイト「・・・」サッササ

ハルト「・・・」サッササ

コナミ「ん？」

カイト「カーカー」

ハルト「カーカー」

コナミ「何だカラスか」

ハルト「危なかったね兄さん」

カイト「ああ」

カイト「ここはハートランド学園」

ハルト「遊馬が通ってる学校だよね」

カイト「コナミめ何を考えているんだ」

ハルト「潜入しよう！」

カイト「待つんだ状況を判断してから行動するんだ」

ハルト「状況って？」

カイト「ああ！」

ハルト「そうか！制服を着て内部に潜入するんだね！」

カイト「偉いぞハルト」

ハルト「でも制服なんてそう簡単に手に入るかな？」

カイト「奥の手を使おうか」

ハルト「奥の手？」

カイト「そう奥の手だ」

ハルト「まさか更衣室から制服を取るなんて」

カイト「今日は休日だが部活動をする生徒も居るはずだ」

ハルト「さすが兄さん！」

カイト「しかしコナミを見失ってしまったな」

右京「おや？君は確か遊馬の友達の」

カイト「こいつは遊馬の担任の」

ハルト「ち、違うよ！僕たちは別に侵入したわけじゃないんだよ！」

カイト「ハルト！」

右京「なるほど・・・何か事情があるようだね？」

カイト「1組の新婚夫婦の運命がかかってるんだ」

ハルト「コナミさんって人を見ませんでした？」

右京「コナミくんなら校長室に行ったような」

カイト「そこだ」

ハルト「ありがとう先生！」

右京「あ、一つだけ聞いてもいいかな？」

カイト「ああ何でも聞いてくれ」

右京「もしもAV女優が教師になったら君はどうする」

カイト「言わなくても分かるだろ」

右京「おやおや、どうやら考えは大人も子供も同じのようですねぇ」

カイト「フッ」

コナミ「それでは失礼します」

ハルト「見つけた！どうするの兄さん？」

カイト「今こそ問いただす時だハルト！」

ハルト「うん！」

カイト「コナミ！」

コナミ「カイト！？どうしてここに」

カイト「その女は・・・こいつは」

ハルト「今一番人気のAV女優の藤原雪乃さんだ！！」

雪乃「あら？可愛い坊やねぇ・・・」

カイト「説明しろコナミどういう事だ」

コナミ「実は・・・」

カイト「何？藤原雪乃をこの学園の教師に！？」

雪乃「ええAV女優として頂点に立った私だけど昔から教師に憧れてたの」

コナミ「俺と彼女は昔ながらの付き合いだから」

カイト「ここを紹介したのか」

雪乃「ここには青臭い初心な坊やがいっぱい居るわ。だから私の女優力を高めるために」

カイト「考えが読めたぞ童貞狩りか」

雪乃「ふふ噂通りの推理力ねこの坊や」

ハルト「僕の童貞も狩ってくれるの？」

雪乃「坊やはもっと大きくなったらね」

ハルト「やったー！兄さんも狩ってあげて欲しいなぁ」

雪乃「貴方はどうかしら？中々いいモノを持ってそうだけど」

カイト「お前は一番のAV女優だ・・・だがそこに愛がなければ意味はない」

雪乃「そんな事を言ってたら一生童貞よ」

カイト「構わん。俺は俺の信念を貫く」

雪乃「・・・」

ハルト「本当に浮気じゃないよね？」

コナミ「そうだよ。俺は妻しか経験がないからね」

カイト「ならさっさと帰るぞ」

ピンポーン

ツァン「や、やっと帰ってきた」

カイト「こいつはAV女優の藤原雪乃に仕事を紹介してた」

ツァン「あの子引退でもするの？」

コナミ「いや彼女は昔から教師に憧れてたろ？だから」

ツァン「そっか・・・なら心配ないか」

カイト「用事は終わったな帰ろうハルト」

ツァン「あ、ちょっと待って！」

カイト「？」

ツァン「こ、これお世話になったお礼」

カイト「肉じゃがだと？俺は別にこんな物が欲しいわけじゃ」

ツァン「いいから受け取りなさいよ！」

ハルト「貰っちゃおうか？」

カイト「そうだな・・・食べ終えたら返しに来る。またな」

ハルト「バイバイ！」

ハルト「夕日がやけに目に染みるね兄さん」

カイト「ああ」

ハルト「ツァンさんいいお母さんになりそうだね」

カイト「母さんか・・・」

ハルト「兄さん？」

カイト「帰るか」

ハルト「うん！」

カイト「今日はどうだった？」

ハルト「楽しかったよ！」

カイト「カイトも大きくなったら俺のような仕事をしたいか？」

ハルト「うん！兄さんみたいになりたい！」

カイト「なれるさきっとハルトは俺の唯一無二の弟だからな」

数日後

遊馬「ってハルトが昨日話してたぜ」

小鳥「小さいのにカイトのお手伝いするなんて偉いね」

遊馬「ハルトもそれだけ成長したって事だぜ！」

小鳥「そう言えばAV女優の藤原雪乃さんはいつ着任するの？」

遊馬「・・・」

小鳥「遊馬？」

遊馬「何か引っかからねえか？」

小鳥「え？」

遊馬「だってAV女優が教師になるんだぜ？おかしいだろ普通」

小鳥「あ・・・」

遊馬「神聖な学び舎に何でAV女優なんてくるんだよ」

小鳥「・・・」

遊馬「もう少し考えてほしいもんだぜ常識ってやつをよ。だからこの国の学力は年々低下してるんだ」


終