P「やっぱり俺には……アナタしかいない」 (59)



Pのマンション宅。


ダイニング。

?「――――あの――――ご飯出来ましたよ。プロデューサーさん」



リビング。

P「……ん。もう出来たのか…今行くから」

すたすた



ダイニング。


P「おっうまそうじゃないか。」

?「ふふ…プロデューサーさんのお口に逢えばいいですけど」

P「雪歩の料理が俺の口に合わない訳が無いじゃないか」

雪歩「プロデューサーさん……」


P「じゃあ早速いただこうか?」

雪歩「はい…では――――」


P・雪歩「「いただきます」」


 

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雪歩「どうですかプロデューサーさん?美味しいですか?」

P「ああ。美味しいよ」

雪歩「もう少し…お時間があれば、もっといい物が出来ると思うのですけど……」

P「いやこれで充分―――――」

雪歩「ですから…もうそろそろ、私にこのお部屋の合鍵を渡して…ほしい…です・……」

P「……そういう訳にはいかないよ。お前にこの部屋の鍵を渡して、不用意にここに来る所を誰かに見付かって、撮られでもしたら大変だからな」

雪歩「でも……」

P「今はこういう関係になってしまったが、雪歩。お前は現役バリバリのアイドルなんだ」
雪歩「それは……」
P「それにどこで誰が見ているか分からないし、俺がこんな事を言うのもなんだが、やはり軽はずみな行動は慎んだ方がいい」

雪歩「プロデューサーさん……」

P「それに…お前の『家』の事もある。万が一この事が知れたら……」


雪歩「でも――――私の家の事を知っていて、それでも私を受け入れてくれたのはプロデューサーさんじゃないですか……」




 


P「それは…そうだが……」

雪歩「ふふ…でも大丈夫ですよ。私…髪が短いですし、見た目も地味だから…ウイッグを付けたり、メガネ掛けたりして変装しちゃえば、誰にも判らないですから」

雪歩「プロデューサーさんだって、そうすれば大丈夫って言ってたじゃないですか?」

P「確かに…そうは言ったが……」

雪歩「……もしかしてプロデューサーさん…私のコト…嫌いになったのですか!?」

P「いや…そんな事は……ただ、俺はお前の事が心配で……」

雪歩「ですから、私の事は心配ないですから……ですから合鍵を―――――」

P「だからそれだけは…どうしてもダメだ。どんな予想外の事が起こるか分からないからな」

雪歩「でも――――」

P「雪歩……俺の知っている萩原 雪歩は、そんなに聞き分けのない子では無かった筈だが?」

雪歩「!!」はっ

雪歩「…………済みません……我儘を言いました……」

P「うん。分かってくれればいいんだ。素直な雪歩は好きだよ」にこ

雪歩「!!プロデューサーさん……//////はい……」


 

雪歩なのにプロデューサーさん……?
呼び方最近変わったっけ?

>>4
伏線かも知れないだろ。黙って見ていようぜ?


P「ご馳走様」

雪歩「お粗末様でした」


雪歩「……あの…プロデューサーさん……///////そのお風呂に入ったら……久し振りに……///////」

P「…………済まない。今日は仕事で疲れてるんだ。また今度な」

雪歩「そう……ですか…………」


P「ほら。雪歩だって明日はダンスのレッスンに、ラジオの生放送もあるしな。今タクシー呼ぶから、今日のところははそれで帰るんだ」

雪歩「……でも…今日くらいは――――」

P「家の人に、あまり心配をかけてはいけないよ?」

雪歩「…………分り…ました……今日はこれで失礼します……」

P「俺は…物分りのいい子は好きだよ」

雪歩「……はい」


 



玄関。


雪歩「…………では失礼します……」

P「ああ。気を付けて帰るんだぞ」

雪歩「…………はい。失礼します―――――」

がちゃ…

雪歩「………………」

P「どうした雪歩?立ち止まって。何か言い忘れた事でもあるのか?」

雪歩「プロデューサーさん……」

P「何だ?」

雪歩「私……またここに来てもいいです……か?私…最近…少しだけ不安なんです……抱いて貰えない事が多くて……プロデューサーさんの温もりを感じられなくて……」

雪歩「アナタの温もりを感じないと…私…時折、すごく不安になるんです……」

P「何だ。そんな事か―――――」すっ

ぎゅっ…


雪歩「あっ……///////」

P「こんな事くらいは、何時でもしてやるから心配するな」

雪歩「…………はい//////」こく…


雪歩「では…また明日」

P「また明日」



バタン。



P(…………はー。やっと帰ったか。雪歩は可愛いし、料理やお茶も美味いんだけど、いかんせん…どうも重いんだよな……)うーむ

P(それに……何よりもアレの時がな……それさえ良ければまだいいんだが……)

P(まぁ…かと言ってあっさりと手放すのは、流石に勿体無いし…さて、どうしたものかな…………)




 



――――。


翌日。

レッスン場。


P「よし。みんな。かなり良くなってきているぞ」


P「春香」

春香「はいっ」

P「やよい」

やよい「はい!」

P「雪歩」

雪歩「……はい」

P「それに――――」

P「よく頑張ったな。千早」こく

千早「はい……」にこ


春香「あー千早ちゃんだけズルイ!」

やよい「そーですっ!狡いです!!」

P「はは…そうだな。二人とも頑張ってるよ」すっ…

あたまなでなで

春香・やよい「「えへへへへへ」」



雪歩「……………………」


P「今日のレッスンはここまでだが、良くなっているとは言っても、完璧にはまだ程遠いから、各自…気を抜かない様にな」


一同「「「「はい!!」」」」



 



その夜。

P宅。



?「ねぇ…プロデューサーさん……//////こんなに私を酔わせてどうする心算なんですか?//////」

P「千早…お前こそナニを言ってるんだ?そんな事――――」

ぎゅっ…

千早「あっ…///////」

P「決まってるだろ?」


千早「もう……プロデューサーさんたら――――///////」

ちゅっ…

千早「――――ん……」

ぷはっ…

P「どうした?今日はやけに積極的だな」

千早「今日はそんな気分なんです…………でも私……これでもアイドルなんですよ?それをこんなにして……」

P「何を言ってるんだ。最初に俺を誘ったのはお前だろ?」

千早「それは…そうですけど……」

P「それに――――」

くんくん

千早「あっ///////」

P「こんな甘い匂いの香水まで着けて。俺を誘って……お前の方こそヤル気満々じゃないのか?」


 

クズPじゃねーか
期待

ああ、そういうプレイか

それぞれ並行世界なんだよきっと…



千早「そっそれは―――――/////////」かぁぁぁ

P「でも…この香水の匂い…俺は好きだぞ?」

千早「本当ですか!?嬉しい……」ぱぁぁ…


P「千早が俺の為に色々やってくれているのは、俺としても嬉しいし……」

P「……それに担当アイドルのこういった処も面倒を見て、満足させてやるのも俺の仕事だからな」

千早「もうっ――――口ばっかり上手いんですから……」

P「ははは…」

千早「だったら―――――」すっ…

ちゅう…

千早「ん……」

ぷは…

千早「今夜も…私をめいっぱい可愛がって満足させて下さい……私も精一杯ソレに応えさせて貰いますから……]

P「ああ。判ったよ。俺の可愛い千早……」

ぎゅっ…

千早「…………はい……////////」


――――
―――
――



 

とりあえずこんな感じのお話になります
ではまた

重いのがいやだと言いながら、何故765で重いツートップに手を出すのか



翌日。


765プロ事務所。


千早「あら雪歩。お早う」

雪歩「……おはようございます。千早さん」

千早「あら、元気ないわね。どうしたの?」

雪歩「いえ…別に。そんな事ないですよ」にこ…

千早「ならいいけど……」

雪歩「千早さんは……すこぶるご機嫌みたいですね?」

千早「そう?ふふ…雪歩がそう思うなら、そうかもしれないわね」にこにこ

雪歩「……………」


雪歩「ん?」すんすん

千早「どうしたの?」

雪歩「千早さん…香水を着ける様になったんですか?」

千早「ええ。私もそろそろこういう事をしてみようと思って……どうかしら?おかしくない?」

雪歩「いえ。とっても素敵な香りです」

千早「ふふ…アリガト雪歩」にこ

雪歩「でもちょっと意外です。千早さんは…こう云う甘い香りよりも、柑橘系の香りの方が好きそうなイメージでしたから」

千早「…………そうかしら?でも…これ、お気に入りなの」

雪歩「そうなんですか」

千早「ええ」



千早(―――――プロデューサーさんのね)フフ…



雪歩「………………」



 



その日の夜。


P「ご馳走様」

雪歩「お粗末様です。はい、お茶もどうぞ」すっ

P「ん…やっぱり雪歩の料理は最高だよ。このお茶も…うん。相変わらずお茶を淹れるのも上手いな」ずず…

雪歩「ありがとうございます」にこ


―――


雪歩「あの…プロデューサーさん……」もじもじ

P「ん?何だ?」

雪歩「あの…私…明日はオフなんです……その…家には今日はお友達の家に泊まるって、もう言ってあります……で…ですから――――//////」

P「…………判ったよ。雪歩」す…

ちゅっ

雪歩「……ん//////」


P(まぁ…たまには雪歩にもシテやらないとな……まぁこれもプロデューサーの仕事の一環として…な……)



 



―――


雪歩「…………シャワーお借りしました……」


P「そうか…じゃあ俺もシャワー浴びて来るから、先にベッド(そこ)に入っててくれ」

雪歩「はい……」


――――


ギシッ…

雪歩(プロデューサーさんのベッドに入るの…随分久し振りな気がする……)

ばさ…

ぎゅっ…

雪歩(――――えへへ…このお布団に包まるのも……////////)


雪歩(えっ…!?)

雪歩(この――――――――)



 



P「お待たせ――――ってどうした雪歩?」

雪歩「いえ…何でもありません……何にも…………」

P「そうか…それならいいんだが……」

雪歩「プロデューサーさん……お願いがあります」

P「ん?どうしたんだ。藪から棒に?」


雪歩「…………今夜は他の誰よりも…私の事を……愛して下さい――――――」


 


 

今回はここまでです
それでは

乙です



翌日。


765プロ事務所。


ガチャ

雪歩「お早う御座います」

小鳥「おはようございます。あら雪歩ちゃん?たしか今日はオフだったんじゃ?」

雪歩「ええ。でも少し用事がありまして……」

小鳥「そうなんだ。それで――――」


雪歩「千早さん」

千早「――――――ん?あら。どうしたの雪歩。朝からそんなに怖い貌をして?」

雪歩「少し…お話があります」

千早「私…今日はこれから収録があるのだけど」

雪歩「大事な話ですけど、お時間は取らせませんから」

千早「そんな顔されて言われたら、忙しいからまた今度…って訳にもいかなそうね。判ったわ話を聞きましょう」

雪歩「ありがとうございます」



小鳥「…………」


 



ミーティング室。


ガチャ…

ガチャン…


雪歩「ここなら、誰にも話を聞かれる事はないですから……」

千早「鍵まで掛けて……随分慎重なのね。それで…話というのは?」

雪歩「…………プロデューサーさんの事です」

千早「!?」

千早「…………………」

雪歩「単刀直入に言います―――――」


雪歩「千早さんはプロデューサーさんと、どう言った関係なのですか?」

千早「………………関係ってどういう事?」



 



雪歩「昨日の…プロデューサーさんのベッドのシーツとお布団から、微かに香水の匂いがしました……」

千早「…………それで?」

雪歩「それも千早さんが、その日に使っていたのと全く同じ匂いが……」

千早「……………そっか……雪歩…アナタだったのね。何となく他の女の気配がしていたとは思っていたけど……」


雪歩「やっぱり…………そうだったんですね……」

千早「だから何?言いたい事があるなら―――――」

雪歩「今すぐにでもプロデューサーさんと別れて下さい。いえ、あの人を誑かすのは、もうやめて下さい」

千早「誑かすって…人聞きの悪い事言わないで。それに…元々あの人と私の方こそ――――」


雪歩「―――――――泥棒猫」


千早「なっ!?」



 



雪歩「アナタは私のプロデューサーさんを誑かし、私からあの人を掠め盗ろうとする卑しい泥棒猫です」

千早「雪歩……普段おとなしいくせに、随分と言う様になったわね」

雪歩「当然です。私はあの人の恋人なんですから」

千早「……でもそんな事言って、被害者ぶってるアナタの方こそ…盗人猛々しいとはこの事じゃない?」

雪歩「私が盗人?何を訳の分からない事を言っているんですか?」

千早「そりゃ私があの人の恋人だからよ。寧ろ私にはアナタの方こそ、自分の事を棚に上げた厚顔無恥な事を言っている様にしか聞こえないわね」

雪歩「…………そうですか……」はぁ

千早「何その貌?私がおかしい事でも言っているとでも思ってるの?」

雪歩「その通りですけど…とにかく、あの人の隣りには、私一人がいれば大丈夫ですから」

千早「………………」

雪歩「ですから…千早さんはあの人の事は私に任せて、芸能活動に専念されたらどうですか?」

千早「それはこっちのセリフだわ。それに………………ん?」はっ!

雪歩「?」


千早「はは…そっかぁ…………アレは雪歩の事を言っていたんだぁ」クスクス…


 



雪歩「……アレって、何ですか?」

千早「前にね。あの人が私に話したの――――」

千早「以前好きだった子は料理はそこそこだったけど、夜が受ばっかりで俺に任せっきりで全然詰まらない上に……何よりカラダの相性が良くなかったんですって」クスクス…

雪歩「!?」

千早「その点。私は相性がバッチリだって言ってくれて……事実、私があの人の部屋に通う度に…私を抱いていたから……」

千早「ふふ…あの人、実は凄くせっかちなのよ。もう襲い掛かって来るくらい。アナタは全く知らないでしょうけど」クスクス

雪歩「……………」ブルブル…

千早「アナタ一人で充分?何を言ってるの?アナタじゃ何一つ…あの人を満足させてあげる事が出来ないじゃない」

雪歩「そっそんな事―――――」

千早「まったく…アナタは穴を掘るのは得意だけど、掘られるのには向いて無いみたいn―――――」

バチンッ!!

千早「―――ッ!!?」

雪歩「アナタにそんな事を言われる筋合いはありません!!」キッ

バチンッ!!

雪歩「―――――っ!!」

千早「あるから言ってるのよ。あの人は私のモノなんだから!!」キッ


 



千早(そう…あの人は私だけの……ううん。私とこれから新しく築いていく、家族だけのモノなんだから)


千早(今までの私は…………歌さえあればそれでよかった……)

千早(弟を亡くし、両親とも上手くいってない私にとって、歌しか信じられるものが無かったし、歌が唯一私を支えてくれた……)

千早(だから…歌さえあればそれでよかった……歌だけを信じていればそれでよかった……)

千早(でも私のその想いは…あの人と出逢った事で変わってしまった――――)

千早(あの人はそんな私に厳しく優しく……そして私を正面から受け止めてくれた……)

千早(私の固く閉ざした心は、あの人によって…次第に雪解けの様に溶き解されていった……)

千早(そんな私が…あの人の事を好きになるのは、半ば必然の事だった――――)

千早(そして私は……私からあの人に告白し……あの人は私の想いを受け入れてくれた……)

千早(だから私はあの人にココロもカラダも捧げた―――――)

千早(全てを捧げてもいい程に、あの人を愛してしまったから―――――)

千早(華やかなステージでなくてもいい。アイドルとしてでなくてもいい。唄う事さえ出来ればそれでいい―――――)


千早(私は他の何を捨ててでも、この人ともう一つの…新しい家族を築き上げていきたい―――――)



 



千早「………………………」

雪歩「?……千早さん…どうしたんですか?何を考えているのか知りませんけど、貌が少々歪んでしまってますよ?」

千早「…………………」キッ


千早(そう―――――私にはあの人しかいないのに―――――それなのにコイツは――――――)


千早「…………だったら。直接あの人に二人で訊かない?あの人が私とアナタのどっちを選ぶのか……」

雪歩「……そうですね。やはり…それが一番手っ取り早いですね。いいでしょう。それで千早さんの気が済むというのなら」


――――
―――
――



 



翌日。


765プロ事務所。


ガチャ。

P「おはようございます」

小鳥「おはようございます。今日も一日頑張っていきましょう!」

P「ええ。そうですね」



雪歩「お早う御座います。プロデューサーさん」ぺこり

P「お早う。雪歩――――と…千早?」

千早「…………はい。おはようございます」ぺこり

P「ふむ…お前たちが二人だけでいるなんて珍しいな……ナニかあっt―――――」


千早「―――――プロデューサーさん」


千早・雪歩「「お話があります…………」」



 



ミーティング室。


P「それで…話というのは?」


千早「…………私と雪歩が二人そろって話があるって言ったら、貴方なら十二分に…思い当たる節があると思うのですが?」

雪歩「………………」


P「お…思い当たる節って…何が―――――」

千早「もう。この期に及んでとぼけないで下さい。プロデューサーさんが、私と雪歩に二股をかけていた事は、もう分っているんです」

P「そっそれは……」ちら…

雪歩「………………」じ…


P(うっ――――雪歩……そんな目で俺を見て――――)


P(ば…ばれない様に細心の注意を払って、上手く立ち回っていたと思ってたのに……それなのに、どうしてバレたんだ?)



 



雪歩「大丈夫ですよプロデューサーさん。千早さんの事は一瞬の気の迷いで、魔が差してしまったって事くらいは、分っていますから」にこ

千早「まだそんな事を……もういいわ。だったらこの際、はっきりしてもらいましょう。それでいいわね?」

雪歩「はい。勿論です」こく


P「はっ…はっきりって……?」

千早「ですから。私と雪歩。どちらを選ぶのか、今すぐはっきり決めて下さい。と、言っているんですよ。プロデューサーさん……」


P「そ…それは……」たじ…

ちら…

雪歩「………………」

P(ど…どうする?千早を選べば、この事が雪歩の家の人に知られかねない……そうなったら俺は―――――)

ちら…

千早「………………」

P(雪歩を選んだら…それはそれで潔癖な千早の事だ、俺を糾弾し挙句にこの件を皆に流布されかねない……そうなったら俺は――――)


P(どっちを選んでも、俺は破滅するルートしか、選択肢はないじゃないかーーー!!!)



 



千早「どうしたんですかプロデューサーさん。固まってますよ?まったく…二股なんて馬鹿な事をするからこんな事になるんです」

雪歩「でも私は……私はそれでも信じてますから……」

千早「…………まぁ私を選べば、今回だけは許してあげますから」


P「雪歩…千早……」


雪歩・千早「「………………」」


P「お…俺は…………」

P(一体全体どーすりゃいいんだーーーーー!!!)


千早・雪歩「「……………」」


P「俺は―――――」


雪歩・千早「「…………………………」」



 



P「済まんっ。いきなりの事で頭が混乱して、頭ん中がぐちゃぐちゃなって、訳が分からなくなってるんだ……」

千早「だから…何ですか?」


P「…………だから返事はもう少し待ってくれないか!?」


千早「えっ!?」

雪歩「え……?」


ぱんっ

P「頼む。必ず近い内に必ず返事はするから。今日の所はコレ位にしてくれ」


千早「……そんな手を合わせて、拝まれても…………分りました。少しだけ待ってあげますよ。雪歩も……それでいいでしょ?」

雪歩「…………はい」こく

千早「その代り、大事な事なんですから、必ず返事して下さいね?」

雪歩「………………」こく


P「わ…分った。ありがとう二人とも。必ず返事は返すから。そういう訳でまた今度な」はは…

そそくさ


バタン。



 




千早・雪歩「「……………」」



千早「…………それじゃ…そういう事で」

すたすた…

雪歩「千早さん」

千早「何?」

雪歩「私…絶対にあの人を千早さんに渡したりしませんから」

千早「そう……それは私も同じだけどね…じゃ……」

バタン…


雪歩(そう…これだけは……あの人の事だけは……千早さんにも、誰にも渡したくない―――――)



 



雪歩(男性に事が苦手だった私……その私が初めて心を置かずに、びくびくしないで自然に接する事が出来た男の人が……あの人だった)

雪歩(犬が少し苦手なところも親近感を抱かせたし、私があの人を信頼し、心を惹かれ……)

雪歩(……そして男性として意識して、好きになっていったのは、半ば必然の事だった……)


雪歩(そう…私にとってあの人は、やっと巡り逢えた一生に一度の……たった一人だけの運命の人―――――)

雪歩(だから私は…清水の舞台から飛び降りる覚悟で、あの人に告白し、心も肉体(カラダ)も……私の全てを捧げた……)

雪歩(それだけ…躊躇いもなく…この身を捧げる程に、あの人の事を想い…愛してしまったから――――――)

雪歩(私にはもう…あの人以外考えられない……)

雪歩(私はもう…あの人なしでは生きていけない―――――)



雪歩(もし…あの人が私以外の人の元に行ってしまったら……私は――――――)


―――――
――――
―――
――




 



765プロ事務所。


P「……………」はぁ…

P(取り敢えずあの場は切り抜けたけど…俺はこれからどーすりゃいいんだ?)うー



?「―――――さんっプロデューサーさん!」


P「はっ!!」びくっ


?「もう。どうされたんですか?何度も呼んでますのに、上の空で……」

P「…………音無さん……?いや…済みません。少し考え事を……」

小鳥「…………それって。もしかして雪歩ちゃんと千早ちゃんの事ですか?」

P「えっ!?」ドキッ

P「ど…どうして……?」


小鳥「私はこう見えても事務員として、常日頃から皆さんの様子はよく見てますから。それ位の事は分っちゃうんですよ?」

P「そうなんですか……」

小鳥「それでですね。プロデューサーさん。たしか今日はもうお仕事はないですよね?」

P「はい。そうですけど、それが何か?」



 



小鳥「そうですか…良かった」

P「?良かったって……何が?」

小鳥「一人で抱え込んでも、いい答えは浮かんで粉と思うんです」

P「それは…そうかもしれませんけど……」

小鳥「ですから。もしよかったら、これから私の部屋で何があったのか、私に話してくれませんか?」

P「えっ!?」

小鳥「きっとプロデューサーさんのお力になれると思うんです―――――」


―――
――



 

今回はここまでです
それでは。

正妻の小鳥さんが来てしまったか



小鳥さんの部屋。


P「――――――と、ざっと…こう言う事なんですよ」ぐびぐび

小鳥「……プロデューサーさん、大丈夫ですか?少し飲むペースが速過ぎじゃないですか?」

P「呑まなきゃやってられないですし、そうでもしなきゃ、とてもこん事言えないですよ!!」ぷはー

小鳥「はぁ。まぁ…そうですよね……それで…二股かけたのがバレて、大変な事になっていると?」

P「二股というか…元はと言えば、あの二人が先に…俺に言い寄って来てですね……」

小鳥「そうなんですか。まぁ確かに、二人ともアイドルですから、魅力的な子に間違いはないですけど……」

P「そうなんです。あの二人に誘われて、断れる男なんていませんよ」

小鳥「でも…二人とも正真正銘。現役のアイドルなんですよ?その二人に手を出すのは、アイドルのプロデューサーとしてど
うなんですか?」

P「そ…それは……」

小鳥「寧ろ上手く窘めて躱すのが、アナタの採るべき選択肢なのではなかったんじゃないですか?」

P「……うっ………・・面目ないです」

小鳥「まったく……」はぁ

P「そうですよね……それに…もしこの事がバレた時の事を考えただけで…心底ゾッとしてますよ」

小鳥「……自業自得とは正にこの事ですね」はぁ

P「返す言葉もないです」


小鳥「まぁ。やってしまったものはしょうがないとして……」

P「しょうがないって……それで…俺はどうすれば……?」

小鳥「まぁ…二人を刺激しない様に、別れる方向にもっていくしかないですね」

P「……そうですね…やっぱり、それしかないですよね……」

小鳥「ええ。二人はアイドルなんですから、アナタも判っているでしょうけど……」

小鳥「もしこの事が表面化したら、アナタのクビが飛ぶだけじゃとても済みませんよ?」

P「うっ!!それは言わんどいて下さい……その事は十分承知してますから……」

小鳥「ですから…当然の事ですけど…ここは一線を引くべきです。それがアナタやあの二人のひいては765プロの為になるのですから」

P「…………そうですね…寂しくはなりますが……そうするしかないですよね……」

小鳥「そうです――――――でも――――――私ならアイドルではないですし、何の問題もありませんよ?」

P「えっ!?今…何て……?」

小鳥「ですから。私はあの二人と違って一般人ですから、仮に私とアナタがどうなったとしても、何も問題はないって言っているんですよ」

P「それって……どういう事――――――」

小鳥「今まで大変だったんじゃないですか?あの二人に逢うのも、色々気を使って、周りの様子を窺ったりして……」

P「確かに……そうですが……」

小鳥「でも私なら。こうやって家に通うのも何の問題もないですし、周囲の目を気にすることもない」

P「音無さん……だから何を言って・…………」

小鳥「もう…ここまで言って判らないんですか?でしたら…はっきり言います。プロデューサーさんあの二人の事は諦めて…………」





小鳥――――――――――――――――私に…しませんか?」





P「えっ!?」

がばぁ!!

P「!?」

P(いきなり抱き締められた!?)

P「お…音無さん飲み過ぎですy―――――」

小鳥「…………」すっ…

ちゅうっ

P「!?」

P(えっ!キ…キスされ――――――///////)


す…

小鳥「ふふ…実はですね。私も前々からプロデューサーさんの事を―――――――////////」

P「お…音無さん……」

小鳥「小鳥って呼んで下さい//////」

P「…………こ…小鳥さん…どうして…………?」

小鳥「……ふふ…そうですね……話の続きは…………ベッドの中でしませんか?」


――――
―――
――




P「………ん…ここは―――――」はっ

P(そっ…そっか……俺は昨日、音無さんと……)


小鳥「ふふ…おはようございます。プロデューサーさん」

P「おはようございます。音無――――」

小鳥「小鳥」

P「…………小鳥さん」

小鳥「はい。おはようございます」にこ

P「!!」ドキッ

P(音無…小鳥さんって、こんな表情(かお)をするのか……)

小鳥「顔を洗ったら、ダイニングに来て下さいね。ご飯出来てますから」

P「わ…分りました」


 

やった!ピヨちゃん大勝利!



―――


P「ご馳走様。小鳥さん…料理上手なんですね」

小鳥「ありがとうございます。これでも、一応家事は一通り出来るんですよ?」

P「そうなんですか……」

P(この人と一緒にいると、とても落ち着く……人目を忍ばないといけないアイドルでは、とてもこんな気持ちにはなれないだろうな……)

P(あの二人に比べて…肉体(カラダ)も柔らかくて大人の女性のソレだし……顔だって正にそんじょそこらのアイドル顔負けだ……)

P(何よりアイドルと付き合うよりも、遥かに気が楽で、周囲を窺い…周りに気を巡らせる様な事もしなくていい)



P(俺は…アイドルというブランドに目が眩んで、今までこんな近くに、こんなに魅力的な人がいた何ていう事に全く気付けなかった……)



 



小鳥「ねぇ。プロデューサーさん」

P「はいっ」はっ

小鳥「こういうのって、いいと思いませんか?」

P「えっ?」ドキッ

小鳥「アイドルとでは人目を気にして…秘密にして……中々、安らげる場所もないんじゃないですか?」

P「そう…ですね……」

小鳥「でも…私なら人目を憚る必要もないですし、お互いの部屋の行き来も自由です」

P「…………」

小鳥「ですから…これからは自由に。私の巣に帰って、癒されてくれてもいいんですよ?」

P「…………小鳥さん……俺…小鳥さんの事を――――」がた…


P「好きに…なりました……」

だき…

ぎゅっ…


小鳥「ふふ…私もですよ」にこ


 



――――


P「でも…俺はこれから……どうすれば・……」

小鳥「ですから。昨日も言った様に、無理をする必要はないんですよ?」

P「それって……」

小鳥「私も…あの二人の事は知ってますから…急いては事を仕損じる。と言う言葉もあるくらいですし、ゆっくりと少しづつ事を進めればいいんです」

P「なるほど……確かにそうですね」はっ!

P(そうか――――ゆっくり…ゆっくりか……)ニヤリ


小鳥「………………」


―――


P「ありがとうございます。貴女の御蔭で、見通しが明るくなりました」

小鳥「ふふ…それは良かったです。でも…それでも…もし、どうにかなってしまっても大丈夫ですから」

P「えっ!?どういう事ですか?」

小鳥「私の家系は…実はこの辺りの地主をやってまして、いくつかアパートを経営しているんです」

小鳥「……それで私は父にもよく、そのアパートの管理人をやってくれないかって、言われてるんですよ」

P「そうなんですか……」

小鳥「ですから、万が一何かあったとしても、アナタには帰る場所がありますから、安心して下さいね」にこ

P「………ありがとう。こんな気持ちになったのは初めてだ…アナタに逢えて本当に良かった……」

ことり「ふふ…私もですよ。私もこんな気持ちになったのは初めてです」にこ

 
P「小鳥さん……」すっ…

小鳥「Pさん……」す…



―――――
――――
―――
――



 



――――――

数日後



千早「それで、私と雪歩。どっちを選ぶのか、もう決められたんですか?」

P「…………それはだな……」

雪歩「……………」

千早「私たちも、そんなに暇ではないのですから。さっさと―――――」


P「取り敢えず、俺の話を聞いてくれないか?」

千早「俺の話って……そんなの一言で―――――」

雪歩「…………分りました」

千早「雪歩……」

雪歩「いいですよね?千早さん」

千早「わ…分ったわよ」

雪歩「それで…お話って何ですか?」


P「ああ…あのだな……俺もあれからずっと考えていたんだよ…どうすればいいのかって……」

千早「何か…煮え切らない言い方ですね……」

雪歩「……………」



 



P「だけど…答えは出なかった……俺はお前たちのどちらかを選ぶ事なんて出来ない……どうしても出来なかったんだ」

千早「出来ないってっ!どういう事なんですか!?」

雪歩「プロデューサーさん……」


P「だから…俺は……お前たち二人とも別れるしか……ないと……」

千早「はっ!?そんな…ここまで引っ張っておいてソレが結論ですか!?」

雪歩「そんな…プロデューサーさん……」


P「だから――――――」

雪歩「待って下さいっ!!」

P「雪歩?」

雪歩「それだったら…すぐに決めなくてもいいです……」

千早「えっ!?」

P「……………」

雪歩「これから私と千早さん……どちらか決まるまで…今のままでいいですから……だから別れるなんて事は言わないで下さい……」

P「……………」

雪歩「私は…それで……いいですから…………」

千早「雪歩……」

P「雪歩の気持ちは嬉しい。でも千早は―――――」

千早「……………私もそれでいいです」

P「千早……」

千早「こうなったら、私の方がプロデューサーさんに愛されているって事を証明し、雪歩に思い知らしめてやります」

雪歩「その言葉。千早さんにそっくりお返しします」



 



P「…………お前たち…本当にそれでいいんだな?」

雪歩・千早「「はい」」こく×2


P「分った……」

ぎゅ…

雪歩(あっ……//////)

ぎゅっ……

千早(あっ……//////)


千早・雪歩(…………プロデューサーさんの胸に抱き寄せられて……////////))


P「ありがとう。二人ともこれからも公私共々よろしくな」にこ


雪歩・千早「「はいっ!!」」



P(………………フフフ…計画通り……)ニヤリ…


 



―――――――


小鳥さんの部屋。

ピンポーン

がちゃ…


P「ただいま」

小鳥「お帰りなさい。プロデューサーさん」にこ

P「済みません。今日はもう少し早く帰れると思ったんですけど、急な仕事が入ってしまって……」

小鳥「そうですか…でも私もこの業界の事は分っていますから、大丈夫ですよ」

P「ありがとう小鳥さん」

小鳥「さあ早く入って下さい。ご飯ももう出来てますから……」


P「あの…小鳥さん」

小鳥「はい。何ですか?」

P「その…PIYOPIYOエプロン。とっても似合ってますよ」

小鳥「ぴよっ!?///////」

P「ふふ…可愛いですよ。小鳥さん」にこ

小鳥「もうっ――――恥ずかしいです///////でも……嬉しい///////」ぴよぴよ…



 



―――


P「はぁ…やっぱりここが一番落ち着くなぁ……」ふー

小鳥「ふふ…それで、明日は早く帰れそうなんですか?」

P「…………済みません…その…明日は千早と……」

小鳥「そうですか……」

P「本当に何度も済みません」

小鳥「もう…仕方の無い事とは思いますけど……でも、出来るだけ早く私の巣に帰って、そしてちゃんと定住して下さいね?」

P「小鳥さん―――――」

すっ…

ぎゅっ……



P「やっぱり俺には……アナタしかしない」



P「―――――俺は心から…そう思っています」

小鳥「プロデューサーさん……私もです。私もプロデューさんしかいません…………」


P「小鳥さん……」す…

小鳥「プロデューサーさん……」す…


―――
――




 



P(取り敢えず…落ち着く処に落ち着かせられたし、当面は大丈夫そうだな……)

P(よくよく考えてみれば、たとえこの業界にいたとしても、現役のアイドルを…それも二人と関係持つ事なんて、そうそう出来る事じゃないからな……)

P(それをあっさり手放すなんて、幾らなんでも勿体無いにも程がある……)

P(リスクも考えてこれから、あの二人とは徐々にフェードアウトしていくにしても、上手くやっていけば、まだまだ遊べそうだしな……)

P(最後に小鳥さんの巣に落ち着くにしても、それは…それからでも遅くないだろうし……正直に言って、まだまだ遊び足りないしな……)


P(だから…その時までは精々、この調子でもう少し愉しまさせて貰うとしよう…………)ニヤ…



 



小鳥「………………」

小鳥(プロデューサーさんは、彼なりに何やら思惑があるみたいだけど……)


小鳥(最期は必ず私の元に帰って来てもらいますからね?)


小鳥(…………そう。この歳になって…今まで殆ど何もなかったと言ってもいい私に、やっと巡ってきたチャンス)

小鳥(最初で最後かもしれないこのチャンスを――――恋愛を私は絶対に手放したりなんかしない―――――)


小鳥(必ず成就させてみせるから―――――)


小鳥(だからホントに…少しでも早く私だけのモノになって下さいね。もし何時までも私の元に帰って来ないと―――――)


小鳥(――――――【その時】―――――――は…もうどうなってしまうのか……分かりませんよ?プロデューサーさん)クス…




 


―――――

その頃。


TV局。

TV局AD「今日の収録はこれで終了です。皆さんお疲れ様でしたー」


千早「お疲れ様です」ぺこり


――――

千早(明日は久し振りに、プロデューサーさんと二人っきり……だから…めいっぱい甘えさせてもらいますからね……)

千早(その代り精一杯、アナタの要求に答えてあげますから……///////)


千早(そう私とアナタが、これから築いていく家族の為に―――――)

千早(フフ…ねぇプリデューサーさん…私…もう二人の子供の名前ももう考えているんですよ?)

千早(男の子なら優代。女の子なら優女。フフ…いい名前でしょ?)


千早(これから私たちで幸せな家庭を作っていきましょうね)


千早(でも――――)

千早(それでも…もし、私ではなく…雪歩を選ぶ様であるなら……その時は――――――)





千早(覚悟をしておいて下さいね―――――――――)



 




―――――


その日の深夜。


ラジオ局。


雪歩「―――――ここまでのお相手は萩原 雪歩でした」

雪歩「それでは皆さんまた来週もよろしくっぽー」


ラジオ局D「――――――はいお疲れ様。雪歩ちゃん」

雪歩「お疲れ様です」ぺこり


――――


雪歩(最近…プロデューサーさんと逢えてないなぁ……寂しい…とっても寂しいです。プロデューサーさん……)

雪歩(でも何時の日か――――)


雪歩(アナタと一緒になれる日があると信じて、それまで精一杯頑張りますからね!)

雪歩(でも――――――)


雪歩(…………そんなこと有り得ない…逢ってはいけない事だけど・……)

雪歩(もし…万が一にも千早さんを選ぶなんて事になったら―――――)


雪歩(フフ…プロデューサーさん……)


雪歩(その時は――――――――)






雪歩(【愛する人と添い遂げたくば少し大きな穴一つ】)






雪歩(…………ですからね)クス…





おしまい。



 

これでおしまいです
ありがとうございました

オチは無いのか

結局口調やら呼称がおかしかったのはなんだったんだ

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