時は王国歴322年。
王国は広大な領地を持ちながらも魔王国を制圧できないでいた。
長年戦闘状態にある魔王国魔王軍に対し、再三再四討伐隊を送り込むが
魔王国に迫りながらもことごとく弾き返され痛手を負っていた。
大昔、とある勇者と名乗るものが地表に現れ、魔王国を滅ぼしたのが今から300年前…
そして今から22年前、再び強大な兵力と武力を持ち魔王国が建国された。
魔王軍と王国軍の戦闘は次第に拡大し、全土に飛び火、凄惨な戦いが何年も続く。
一進一退を繰り返す両軍は互いに疲弊し、王国歴321年、王は最後の希望として
第36回魔王討伐軍を進軍させた。結果、魔王国魔王城に迫るも討伐軍は壊滅。
そして再び…討伐軍が編成され出発しようとしていた…
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謁見を控えた前日
港町酒場
バニー「パフパフしていかない?」
勇者「パフパフ?本番じゃなきゃいかねーよ!」
バニー「うちはパフパフだけよ!」
勇者「なら向こうに行け!ばばぁ!」
職業:勇者
300年前の魔王を封印した勇者の末裔。童貞。
王国の庇護の元、裕福な暮らしを約束された一族。
実戦経験:なし
賢者「口を慎みなさい!」
勇者「え?あぁ?」
賢者「あなたって人は!」
勇者「俺にかまうんじゃねーよ!」
職業:賢者
先祖代々から賢者稼業。
厳格な家庭に育つ生まれながらの賢者。
実戦経験:なし
パラ「どんな田舎者が来ているかと思いえば…」
勇者「あ?あ?なんだ?喧嘩売ってんのか?」
パラ「その格好で王様にお会いするのか?」
勇者「わるいかよ?」
職業:パラディン
家柄を守る為に冒険に出たお坊ちゃま。
王国の大臣の息子。
実戦経験:なし
バト「だまれうるせぇガキども!」
勇者「うるせぇぞおっさん!」
バト「一回も戦場見た事ねぇひよっこが騒ぐな!」
勇者「なんでもやってやんよ!」
職業:バトルマスター
流れ者の傭兵、以前は正規軍を率いる師団長だった。
実戦経験:第19回~第30回魔王討伐軍参戦
魔法「やれやれw」
勇者「笑うな!」
魔法「そうやってすぐ人に突っかかるんだから」
勇者「んなことねーぞ!」
職業:魔法使い
勇者とは幼馴染、魔法学校首席卒業。
実戦経験:魔法学校時に魔物を用いた模擬戦闘でチームを優勝に導く。
レン「あれ?魔法使いさんじゃないですか!」
魔法「あー!久しぶり!」
レン「スライム狩り以来ですね~」
魔法「うんうん、会えてうれしー」
勇者「ちっ!!」
職業:レンジャー
色々な街、洞窟、塔を歩きまわり世界の地理を知り尽している達人。
小さい村から大きい街まで地理を知る。
実戦経験:街周辺の魔物討伐
盗賊「こんにちは」
勇者「盗人が入る店じゃねーぞ!」
盗賊「そんな…ひどい」
勇者「泥棒は向こう行ってろ!」
賢者「口を慎みなさい!」
職業:盗賊
先祖代々泥棒稼業。王国内では泥棒として虐げられて生きる。
実戦経験:謎
旅芸人「お久しぶりだね」
バト「討伐軍依頼だな」
旅芸人「弟殿は元気かい?」
バド「いや…」
職業:旅芸人
以前の職業はバトルマスター。バトルマスターとは戦友。
パーティーの隊長的存在。
実戦経験:不明
勇者「お前達参加するのか?」
賢者「諸先輩方を前にその口の効き方はやめなさい!」
レン「威勢のいい子だねw」
バト「こういう奴が一番早く死ぬ」
盗賊「まぁ落ち着いて下さい」
魔法「そうよ、揉めないで!」
旅芸「戦場は厳しいからなぁ」
バト「あの頃を思い出すな…」
勇者「んなもん、ちゃっちゃ殺して魔王殺せば英雄wちょろすぎワロタ」
パラ「そうは言ってもね…」
ガタン!ガラガラ!
衛兵「明日!朝9時!王様が謁見される!一同身なりを整え集合せい!」
賢者「わかりました」
チュンチュン♪
勇者「あーねむー」
魔法「早く!間に合わないよ!」
勇者「お、おぅ」
賢者「早く下着をつけなさい!」
チャラララーン♪チャラララーン♪
衛兵「一同!武器は持ってないな!よし!」
勇者「あのファンファーレはなんだよwくそがww」
衛兵「黙らんかそこ!王様の謁見であるぞ!」
ガタガタ。ゴトン。
王様「おっほん!」
衛兵「表をあげい!」
王様「よいよい、皆の者ようきてくれた」
王様「さてな、昨年送り出した第36回魔法討伐軍じゃが…全滅だってさ」
ざわっ。ざわざわ。
衛兵「静かにせんか!」
王様「でね、また行ってもらいたいのね、第37回魔王討伐軍としてね」
ボソボソ。
バト「全滅…」
旅芸「まさか…」
王様「最後の魔法郵便によると、魔王の城1キロ手前で黒い霧に包まれてという所までじゃ」
バト「王様!」
衛兵「黙れ!」
王様「よいよい、なんじゃ」
バト「全滅とは…確か第36回には弟のバトが…そしてその婚約者の魔法も…」
王様「すまんのうぅ」
王様「もう誰も死んでほしくないんじゃ」
王様「今回で最後にしたいと思っておる…頼むぞ英雄たち!」
衛兵「出発は明日だ!今日は王様の心使いで特別に部屋を与える!」
ガチャ。
勇者「おぉ!酒も御馳走もいっぱいだ!おぃ女がいねぇぞ!」
パラ「君はいつもそうじゃないか、田舎者だな」
勇者「てめーこそ!親のすねかじりだろうが!」
パラ「やれやれ、失礼な勇者様だ」
旅芸「すまない…弟殿が参加していたなんて…」
バト「かまわんよ」
旅芸「今回の遠征で終わらせよう」
バト「弟の仇をうってやる!」
賢者「回復呪文を復習してきます!」
魔法「あっ!私も攻撃呪文を!」
レン「僕も手伝うよ魔法さん」
魔法「ありがとう!心強い!」
勇者「ちっ!!」
コソコソ
盗賊「おっ!賢者殿は!こんなイヤラシイ下着を!!」
勇者「おぃ!なに人の荷物漁ってんだよ!」
盗賊「あww」
勇者「あ、じゃねーだろ!チクるぞお前!」
盗賊「いやいや、それはダメです勇者様」
勇者「こういう時だけ様付けてんじゃねーよ」
盗賊「魔法使い殿のもお見せしますんで是非内緒で」
勇者「お!じゃ見せて見ろ!」
盗賊「これが魔法使い殿の下着で御座います」
勇者「え?」
盗賊「はい、白一色で、えーっと…グンゼと書いてあります」
勇者「そ、そうか…」
一同「ぐぅzzzすぴーzzz」
ガチャ。ドカン!
衛兵「討伐軍の出陣である!!」
住民「打倒魔王!がんばれー!」
住民「いけー!パラ様かっこいい!」
住民「魔法さんもっと胸みせてー!」
住民「レンジャーさん素敵~」
勇者「俺に対する声援がねぇ…」
住民「童貞野郎だwww」
勇者「コノヤロウ!」
バト「やめろ!お前は一番先に死にたいのか?」
勇者「うるせぇ!黙れ!」
レン「まぁまぁ落ち着いて」
衛兵「城門ひらけー!ひらけー!」
ゴゴゴゴゴゴゴ、ゴゥゥゥン。
レン「早速だが、最前線に行くにはこのメンバーではきつい」
レン「前線より少し前の街に行こうか」
賢者「そうですね」
ギュルールールールー。
補給基地兼砂漠の街入口
ドサッ!
勇者「おぃ!もう少し優しいルーラってないのかよ!」
賢者「あなたに言われたくありません!」
パラ「仕方がないじゃないか、まったくもう君は田舎者だな」
盗賊「いててて、あっ!鍋フタ!後で売ろうっと!」
バト「待て!なんか雰囲気がおかしい…静かすぎる」
旅芸「確かに…」
ジャリ…カサカサ…
魔法「誰も…いない」
バト「下がれ!来るぞ!」
ギャーギャーギャー!
魔物1「うぴぴぴ!」
魔物2「もにゅー!」
旅芸「待ち伏せだ!全員戦闘態勢を取れ!」
勇者「くそ、くそ、くそ!」
旅芸「魔方陣を張れ!賢者!下がって回復を準備しろ!」
バト「こっちは引き受けた!後は頼むぜ!」
盗賊「後ろに回って援護します!」
レン「僕も後ろへまわるよ!」
魔法「いくよ~!」
旅芸「来るぞ!!!」
ギャオー!ギャギャ!グゥワー!
旅芸「来たぞパラディン狙いだ!」
バト「そうはさせねぇ!」
パラ「ひぃぃぃぃぃぃ!!」
バト「叩き切れパラディン!!」
パラ「おわっ!ひぃぃぃぃ」
バト「間に合わん!!!」
魔法「メラゾーマぁぁぁ!」
ドドドドドド!びぎゃぁー
ドーン!プスプス。
旅芸「もう一匹!どこだ!」
バト「もう終わった」
旅芸「流石だなバトの一太刀は」
勇者「ガクガク、ブルブル」
パラ「ガクガク、ブルブル」
バト「ひよっこめ!役に立たん!」
勇者「こ、こわ、怖すぎ、ワロ、ワロエナイ」
旅芸「無理もないですよ、初戦ですし」
バト「死ぬなよ」
魔法「今のよかった?」
レン「いい一撃でしたね!」
勇者「ちっ!!」
賢者「ガクガク。ブルブル 腰が抜けちゃって…」
盗賊「どうぞ、背中貸してあげます」
賢者「すいません」
盗賊「あれ?おんぶしたらちょいとお尻が濡れてるかも、うししし」オモラシ?
レン「いいかい、相手の強さに合わせて魔法を撃つんだ」
魔法「はい」
レン「でないとあっという間にMPが無くなるからね」
魔法「はい!(レンさんカッコいい!」
勇者「ちっ!!」
盗賊「うししし」ペロペロ
勇者「おぃ、なに指舐めてんだよ気持ち悪いなお前」
盗賊「いや、そうじゃなくてですね勇者様」
勇者「様を付けるおまえは何か隠してる!」
旅芸「いくぞ!街を探索するんだ」
砂漠の町
レン「まさか…これは」
バト「襲われたな、それも大規模な軍団だ」
パラ「お、お、おえぇぇぇ」
勇者「お、お、おえぇぇぇ」
賢者「お、お、おえぇぇぇ」
バト「はははははww吐いてんじゃねぇひよっこ共!」
パラ「だって…こんなにひどいなんて…ぐすん」
バト「なら帰るか?ママに言いつけに行くか?」
盗賊「おっと!これも貰おう、あ、これも!」
レン「亡骸からお金を取るのは頂けないな」
盗賊「こうでもしなきゃ僕たちは生きていけない!」
レン「僕は見なかったことにする」
魔法「それにしても悲惨…女子供まで」
旅芸「そうだな…」
魔法「補給部隊も全滅…となると最前線はどうなっているの?」
旅芸「補給が切れた部隊は孤立し、最後は全滅する…」
旅芸「初戦にはショックが大きすぎた様だ、少し早いがここで野営しよう」
勇者「…」
旅芸「どうしたんだ?」
勇者「あまりにも酷い、これが魔王軍のやり方なのか?」
旅芸「いや、同じだ」
勇者「同じ?」
旅芸「王国正規軍も魔王軍の街で同じ事している」
勇者「そ、そんな!」
勇者「じゃ、じゃぁあんたも同じ事をしてきたのか!」
旅芸「…そうだ」
勇者「お前ら外道だ!魔王と変わりないじゃないか!」
旅芸「そうだ!!変わりない!!それを心に刻み込め!」
勇者「ぐっ!」
バト「奴にはまだ荷が重すぎる」
旅芸「だが乗り越えなくては…」
パチパチ。もわもわ。パチパチ。
レン「持ち回りで見張りをしよう」
魔法「じゃ私はレンジャーさんと」
勇者「ちっ!!」
旅芸「僕はパラディン君とするよ」
パラ「ひぃぃぃ」
旅芸「大丈夫さ」
パラ「はい…」
盗賊「じゃ僕は賢者さんと」
賢者「宜しくお願いします」
盗賊「大丈夫だよ(パンツ濡れてんだろうなぁ」
賢者「夜はまた一段と怖いですね」
パチパチ。
バト「じゃ俺はひよっことだな」
勇者「お、おぅ…」
バト「ビビったのか?」
勇者「違う!そんなんじゃねーよ!」
バト「じゃ最初の盗賊、賢者!頼んだぞ!」
盗賊「お任せを!」
パチパチ。
盗賊「今日会った魔物…」
賢者「はい」
盗賊「あれは喋らなかった」
賢者「え?」
盗賊「魔物の中には僕たちと同じ言語の者もいる」
賢者「意思疎通が図れると言うのですか!」
盗賊「僕は遠い村で会った事がある、僕らより賢い魔物に…」
賢者「すると和平も可能ですね」
盗賊「そうかな、僕たちはお互い殺し過ぎたのかもしれない」
賢者「22年も戦ってるのですものね」
盗賊「これから次の前線基地に行けば魔物はもっと賢くなる」
賢者「人を騙す事も可能だとお思いですか?」
盗賊「そう、夜な夜な聞こえてくるんだよ、魔物の歌や咆哮がね」
賢者「そ、そうですか…」
盗賊「あw怖がらないで、大丈夫だよ…キットネ」
賢者「…」
パチパチ。
バト「俺達の番だ、おぃ起きろ!」
勇者「う~ん」
バト「おぃ焚き木をくべろ」
勇者「なんで俺が!」
バト「つべこべ言わずやれ!」
勇者「なんだよくそ!」
バド「おぃ!どこへ行く!うろちょろするな!」
勇者「うるせーよ!しょんべんだよ!」
トコトコ。ガサガサ。
勇者「ったくうるせーおっさんだぜ!やってられねーよ!」
ジョボボボボボボ
勇者「ふぅ~すっきりだ~」
ガサガサ!!
勇者「誰だ!」
ガサゴゾ!!
勇者「出てこい!誰だ!」
魔物1「ひょーwww美味しそうな肉み~っけ」
魔物2「おぃおぃ横取りすんなよ、俺が見つけたんだぜ」
魔物3「仲良く分けるにはちと小さいな」
魔物4「俺内臓、俺内臓、俺内臓、俺内臓」
勇者「う、やばい!」
勇者「おっさん!たすけ…ぐふぅ」
魔物2「よそ見すんなよなw」
勇者「うがぁぁぁ」
魔物1「はっはっww腕が千切れそうだぜ」
魔物3「うひゃー美味そう!」
魔物4「俺内臓!俺内臓!」
勇者「はぁはぁ…気絶したら終わりだ」
勇者「うぐぐっ腕が…」
魔物2「終わりだ小僧w」
ゴギャン。
バト「手を煩わせんな!」
勇者「お、おっさん!」
バド「敵襲!」ピーーフィッ!!
勇者「死ぬのか…」
盗人「よいしょっと…」シュパ!!
魔物1「うぐっ、ど、毒だ」
レン「魔人切り!!」
魔物2「うぐぉぉぉあぁ!」
賢者「ベホイム!!」
勇者「あぁ腕が…治ってゆく…温かい」ドピュドピュ
魔法「ルカナン!!」
旅芸「今だ!守備力が減ったぞ!行けパラディン!」
パラ「うおぉぉぉぉ!」
魔物3「ぐがぁぁ」
バト「あいつ、必死な中で一閃づきしやがったw」
旅芸「成長した?かな?w」
バト「来るぞ!」
魔物4「内臓なくなった…」
魔物4は逃げ出した。
旅芸「周りの防備を固めろ!上からくるかもしれないぞ!」
魔法「ふぅ、勇者!大丈夫?」
勇者「う、うるせぇ!触んじゃねぇ!」
魔法「あんた…人に助けてもらってそれはないんじゃない?」
勇者「誰が助けろって言ったんだよ!」
ボゴォ。
勇者「いってぇ!おっさん!何すんだよ!」
バト「お前…そんなに死にてぇのか…」
バト「お前、賢者がいたから腕が動かせるんだろうが!」
ボゴォ。
賢者「バトさん止めてください、私は私の仕事をしたまでです!」
バト「お前、お嬢ちゃんに救われたな。次はお前が守れよ」
勇者「くそっ!なんだよ皆で寄ってたかって!」
賢者「血が出てる口元も治しておきますね、ホイミ!」
レン「おぅ!パラディン君頑張ったね!すごいよ!」
旅芸「うんうん、いい一突きだった!速かったし!」
パラ「え。でも足手まといで…」
バト「大丈夫だ、アイツよりは役に立つ」
勇者「ちっ!!」
チュンチュン♪
旅芸「さぁ次の街へ行こう、食料補給だ」
バト「剣の切れ味を増したいな」
レン「次の街ならありそうですよ!大きい街ですし」
魔法「わ~い!お風呂入れるかなぁ?」
盗賊「さてと、盗品売らなきゃw」
賢者「いけない事してますねーー」
盗賊「うるさいなぁエロパンツ」
賢者「はい?何か言いました?」
盗賊「なんでもないです」
賢者「(確か今エロパンツって言った気が…)」
レン「勇者君、もっと素直にならないと仲間と上手くやっていけないよ」
勇者「俺は仲間だと思ってねぇし!」
レン「そうか、じゃこのパーティからは抜けないとね」
勇者「なんでだよ!」
レン「戦場で僕は君に自分の背中を任せる事は出来ないよ」
勇者「レンジャー…」
レン「何が気に入らないかは判らないが、信頼関係が無いならパーティにはいらない」
勇者「判った、抜けるよ」
レン「そうやって逃げてばかりなんだな君は」
勇者「出てけ!っていうから抜けるだけだろ!」
レン「そうやって人のせいにばかりして、今まで自分で戦って来なかった」
勇者「そんなこと…ない!」
レン「パラディン君を見てごらん、あの一戦後の自信のある顔を」
勇者「なんだ!あんなスカした奴なんか!」
レン「でも今の君より僕は背中を任せてもいい、それは逃げないからだ」
勇者「もっと強くなりたい…それだけだ」
レン「でも今の君はこれ以上強くなれない」
勇者「どうすれば!どうすればいいんだ!教えてくれ!」
レン「そうだね、まずはみんなの信頼を得ることだ」
勇者「わ、わかった…」
魔法「わぁここね、大きいお城ね」
レン「昔は王様の御静養地だった、今は魔王軍と戦う前線基地になっているんだ」
魔法「スウィーツあるかなぁ?」
レン「いい店を知ってるよ、あとで行こう」
勇者「ちっ!!」
前線基地
旅芸「たのもー!開門たのもー!」
衛兵「誰だおまえらは!薄汚い格好しおって!」
旅芸「魔王軍討伐隊の者だ!たのもー」
衛兵「そんな話は聞いとらん!」
旅芸「怪しい者ではない、たのもー」
衛兵「しばし待たれい!」
バト「いれねぇと城門ぶっ壊すぞ!」
衛兵「まって!まって!今開けるから!」
ガゴゴゴゴゴゴゴ。
盗賊「さすが防衛施設、門も頑丈ですね」
バト「以前に一度魔王軍に乗り込まれたけどな」
盗賊「そうなんですか!」
バト「俺も弟もここで防衛任務についてた」
盗賊「すごい!」
バト「大勢死んだ…仲間も…魔物もな」
テクテク。トコトコ
歩兵「あ、あなたは!」
バト「なんだ?」
歩兵「バト兄様ではないですか?」
バト「なぜそれを知っている?」
歩兵「バト弟様の部下だった者でございます」
バト「で、弟はどこだ!」
歩兵「た、大変ざ、残念ながら…」
バト「やはり!」
歩兵「弟様は黒い霧に巻き込まれ帰らぬ人に…うっうっ」
バト「泣くな、あいつもそれは判っていたはずだ」
バト「おぃ、剣を研磨できるか?」
歩兵「はっ!こちらへ!街の研磨屋よりも軍直属の研磨師が居ます!」
バト「そうか、案内してくれ。酒でも飲もうや、なぁ戦友」
歩兵「ありがたき幸せ!」
テクテク。トコトコ。
盗賊「さてと、僕は道具屋に行ってきますね」
旅芸「後で酒場で落ちあおう」
コンコン。
盗賊「こんにちは」
トルネコ「なんだい?」
盗賊「これ売りたいんですが」
トル「盗品は買わないよ」
盗賊「え?盗品じゃないですよ!」
トル「どうみても盗品でしょ、血とかついてるし」
盗賊「頼むよオヤジ」
トル「なんか他にあります?」
盗賊「こんなのはどうです?うししし」
トル「こ!これは!」
盗賊「でしょ~でしょ~?判るよね、目利きのオヤジなら判るよね?」
トル「エロパンティ!!それも賢者殿が穿いてると言う…」
盗賊「証明書付けちゃうけどw」
トル「まじ?」
盗賊「まじ!(鼻血拭けよオヤジ)」
トル「5000Gでどう?」
盗賊「え?何が5000Gなんだい?」
トル「パンティが4950G、後は50Gだね」
盗賊「ぜってぇ売らねぇ、お前には売らねぇ!」
トル「頼む!それだけは売ってくれ!」
盗賊「全部で12000G、びた一文負けない!」
トル「どっちが道具屋なんだよ」
盗賊「いいだろ?な?賢者様のエロパンティだぞ!」
トル「仕方ない、12000Gで手を打つよ!」
盗賊「よし、決まりだ!じゃまたな!」
トル「うしししのし!今日の夜は捗るぜ!」
賢者「こんにちは~」
トル「はいはい(こ、これは!エロ下着賢者様!)」
賢者「あの~天使のすずはありますか?」
トル「あ~今品切れなんすよ~はぁはぁ」
賢者「(なんかこの人はぁはぁしてるキモイ)」
トル「他にはありますか?」
賢者「あれ?(この人の持ってる下着っぽいのって私の勝負下着じゃ)」
トル「上薬草か特薬草ならお安くしときますが」
賢者「え?(あ!絶対私の!フリルついてるし!)」
トル「後は何にします?」
賢者「その右手に持っている白い布を下さい!」
トル「(しまった!!いちもつに巻き付けとけばよかった!)」
賢者「それです!」
トル「これですか?」
賢者「貸してください(元はと言えば私のものじゃない!)」
トル「貸すだけですよ(これでプレミアもんだぜぇ)」
賢者「リレミト!!」
トル「あっ!消えた!ドロボー!下着ドロボー!」
賢者「ふぅ、やっと取り返したわ、誰かしら私の下着を売ったの?」
テクテク。トコトコ。
旅芸「なぁパラディン君」
パラ「はい」
旅芸「この店で遊んでいかないか?」
パラ「え!ここは大人の…」
旅芸「戦いには慰安も必要だろ?」
パラ「はい確かに、でも僕初めてですし」
旅芸「大丈夫さ、御代は俺持ちだ」
パラ「え、あ、そんな無理です」
ガラガラ。
旅芸「よぉ久しぶりだなルイーダ」
ルイーダ「久しぶりね旅芸人さん」
旅芸「今日は一人の若者を男にしてやってくれないか?」
ルイ「いいわよ?貴男は?」
旅芸「俺か?俺はとっくの昔に男を捨てたよw」
ルイ「あら、じゃ今日はやめとくわw」
旅芸「今日はこいつだ」
パラ「あら?かわいい坊やね」
旅芸「ルイーダ、今日は誰が空いているんだい?」
ルイ「そうね、ロクサーヌなんかどうかしら?」
旅芸「おぅ!それはいい!大人なしい清楚な彼女はぴったりだ」
ルイ「私だって清楚でおしとやかよ」
旅芸「それはどうかな?」
ルイ「いじわるっ!」
旅芸「パラディン君にはビッチなサンディは手におえんだろう」
パラ「え、あ、何処に行けば…」
旅芸「奥の部屋だ、俺はここで酒でも飲んでるよ」
ガガガガガ。
ロクサーヌ「いらっしゃい坊や」
パラディン「はい、どうも」
パラ「ど、どうすれば」
ロク「私の言う通りにすれば大丈夫」
ロク「脱いで!全部!」
パラ「え!ダメです!ダメです!女の人の前で脱ぐなんて!」
ロク「めんどくさい子ねぇ~」
パラ「あっダメ!あっ!あぁぁぁ!」
ロク「こんなになってて何がダメなのよ!!いただき!!」
パラ「お、おかあさぁぁぁん!」
ティリリ♪リッティッティッティー♪ パラディンのレベルが上がった。
さみだれづきを覚えた。スクルトを覚えた。
ガガガガガ。
旅芸「おぅどうだった?だいぶげっそりしてるが…」
パラ「え、えぇとても…よかったです」
旅芸「おぃルイーダ、あんまり新入りを虐めないでくれw」
ルイ「虐めてなんていないわ、彼を気に入ったのよロクサーヌが」
ロク「またね、坊や」
パラ「ひ!ひぃ!」
旅芸「よし酒場に戻ろう」
ルイ「私も後で行くわ」
テクテク。トコトコ。
レン「ここが人気のスウィーツ店だよ」
魔法「レンジャーさん凄い!(イケメンだし)」
レン「なに食べる、僕はいつもの「スライムベスの卵」かな」
魔法「え?なにそれ…」
レン「おいしいよ、プルンとしていて甘みがあって」
魔法「私は…メタルスライムの涙で!」
レン「おっ!がっつり行くね~」
魔法「えへへ(やばい!大食いと思われちゃったかも!)」
レン「君は何故魔法使いに?」
魔法「昔から街では魔法使いが一人いなくてはならなくて」
レン「そうなんだ」
魔法「それで私しか街には女の子がいなくて」
レン「ほうほう」
魔法「それで仕方なくだったんだけど、勉強したら面白くなって」
レン「そうか、それで魔法学校の推薦があったんだね」
魔法「無理矢理推薦してもらってw」
レン「いや、魔法学校首席だったって聞いたよ」
魔法「勇者の面倒みなきゃならないし…」
レン「幼馴染だったよね」
魔法「そう、でも勇者はああいう性格だしなかなか皆と馴染めないし」
レン「彼は平気さ、強くなれる」
魔法「そうかな?みんなに迷惑かけてばかりいて…」
レン「大丈夫さ、彼は必ず強くなれるから」
魔法「そんな事より!!レンジャーさんのそれ、ちょっと味見させて下さい!」
レン「いいよw」
魔法「(あぁーやっちゃった、大食い女確定だわコレ)」
テクテク。トコトコ。
勇者「道場はここか」
コンコン。
謎「だれだ」
勇者「勇者と申します」
謎「なんの用だ」
勇者「強くなりたくて…」
謎「一日では強くならん!馬鹿者め!」
勇者「でも、少しでもいいんです!仲間の為に!」
謎「ならば…開けるがよい、そこ代わり逃げ出す事は許されんぞ!!」
勇者「覚悟を決める…いくんだ俺!」
ガラガラ。
レオコーン「よく来たな若者よ」
勇者「ひぃ!ひぃぃぃぃ!」
レオ「逃げ出せないぞ」
勇者「あっダメです!無理です!」
レオ「さぁ修行をつけてやろう」
勇者「殺される!」
レオ「逃がさんと言っただろう?ふふふふ」
勇者「間違ってました!強くなんてなりたくありません!」
レオ「またお前は嘘を塗り固めて逃げるのか」
勇者「違う!俺は…」
レオ「いずれお前のせいで誰かが死ぬ、お前は能無しだからな」
勇者「死…」
レオ「能無しめ!叩ききってやる!」
勇者「ひぃぃぃ!うわぁ!」
ボゴォ!
ドゴォ!
バキィ!
勇者「はぁはぁ、歯が立たない」
レオ「弱いのぉ、それで仲間と一緒にいて恥ずかしくないのかお前は」
勇者「どうすれば…」
レオ「お前は目の前の事から逃げようとしてばかりだ」
勇者「どうすれば…」
レオ「覚悟を決めろ!仲間の為、世界の為!覚悟を決めるのだ!」
勇者「覚悟って言われても…」
レオ「それ、いくぞ!若造!」
バキィ!
ボキィ!
ダキィ!
レオ「逃げるだけか?本当の戦いでも逃げるのか?逃げ回るのかっ!!!!!!」
勇者「無理だ、俺には無理だ…」
レオ「帰るがよい。王国にな」
勇者「ぐっ」
レオ「いつまで経っても逃げる奴はどの世界にもいる、それは恥じる事ではない」
勇者「…」
レオ「だが仲間には迷惑がかかる、即刻パーティーを抜けろ」
勇者「もう一度!もう一度お願いします!」
レオ「無駄じゃ!」
勇者「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」
キンっ!
レオ「ほう、やりおる」
勇者「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ボコッ!
バコッ!
ベコッ!
勇者「まだまだぁぁぁぁ!」
レオ「こんな力があろうとは、わしも迂闊だったわ」
ビギィ!
バギィ!
ボギィ!
勇者「はぁはぁはぁ」
レオ「立ってるのもやっとじゃな、次は手加減せんぞ!!」
勇者「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」
ドガァ!!!
レオ「そうじゃ!己の全てを掛けた一撃を見舞うのじゃ!」
勇者「こ、これが俺…」
キーン、ぐわっ!
レオ「油断するな!相手は一人とは限らんぞ!」
勇者「そうだ、相手は一人じゃない…」
レオ「それ、いくぞ!!」
勇者「ここだぁぁぁ!!!!」
レオ「ぐふぅぅぅ」
勇者「やった!」
レオ「甘い!!!」
勇者「うぎゃぁ」
勇者「意識が…」
バシャ!
レオ「起きろ、起きるのじゃ」
勇者「俺…」
レオ「立ったまま気絶しおったw」
勇者「そんな!」
レオ「剣術はまだまだじゃ、だがこの剣を授けよう」
勇者「いいのかおっさん!」
レオ「おっさん言うな!!」
勇者「レオコーン様!」
レオ「仲間を信じ、仲間から信頼される戦士となれ!」
勇者「はい」
レオ「今は足手まといかもしれん、でもいずれ成長し必ずや信頼を勝ち取れる」
勇者「はい」
レオ「焦るでないぞ、その時は必ずや訪れる」
勇者「この剣は…」
レオ「メタルキングの剣じゃ」
勇者「こんな高価な物を貰えない!」
レオ「いいんじゃよ、私ももうすぐお迎えが来る、最後の希望をお前に託すでな」
勇者「ありがとう…また必ずもどってくる!」
レオ「出来ない約束はしない主義なんじゃがなw仕方あるまい」
勇者「約束する!」
レオ「お前のを見てると昔の私の様だな、ぶっきら棒で無愛想で喧嘩早く、童貞」
勇者「パ!パフパフ位したことあるわ!」
レオ「ふははははははw さらばじゃ若造!私はもう寝る」
勇者「あ、りがとう先生」
テクテク。
勇者「いててて、あのじじぃやり過ぎなんだよ、いててて」
勇者「酒場はどこだ?」
勇者「おぃそこの人!酒場はどこだい?」
ポンビキ「はいはいお兄さん!調子はどうだい?」
勇者「いや、酒場はどこ?」
ポン「いやいやいや、その前に!一発きれーーに抜いてこ!ね?」
勇者「いや酒場いきてーんだよ」
ポン「なに言ってるのおにーさん!巷じゃ酒場前に一発!コレ常識!」
勇者「マジ酒場どこよ!」
ポン「一回お触り10G!揉んで触って20G!後はお好み100G!」
勇者「困ったなぁ」
ポン「ね?ね?こっちよ!こっち!大丈夫だから!ぼったくりなし!ね?」
勇者「なぁこんな暗い所に店なんかあるのかよ?」
ポン「ないよw」
勇者「ないのかよ!(はっ!!)」
ポン「有り金全部置いてって、ちなみにその高そうな剣もね」
勇者「人は切りたくない」
ポン「だめ、だめ、俺も剣の使い手相手にならないよ」
勇者「ほんと止めてくれ、人は切れない」
ポン「じゃ俺が切るからじっとしててね!」
シュっ!
ポン「いたい!」
盗賊「だから一人で夜はダメですよ勇者さん」
勇者「盗賊!」
盗賊「後はお任せを」
勇者「頼む、殺さないでくれ」
盗賊「それはどうかなぁ、悪人は死んでもらいますよきっと」
ポン「おぃ、おまえらそんな所でコソコソしてんじゃねーよ!」
盗賊「あっ待ってね!今話し中」
ポン「隙あり過ぎ、馬鹿共め!」
シュッ!
ポン「うぎゃぁぁぁぁ」
勇者「おぃ大丈夫か!おぃ!」
盗賊「うるさい口ですね、塞いじゃいましょう」
ゴキッ!
ポン「う…」
勇者「殺したのか!おぃ!殺したのか!」
盗賊「あんたに何がわかる?」
勇者「殺す事無いだろう!」
盗賊「こうでもしなきゃコイツは他の人にも同じことをする!」
勇者「でも何故殺すんだ!」
盗賊「あんたはなんにも判っちゃいねぇ」
勇者「なんだと!」
盗賊「優しさと甘さは違う!そしてそれだけじゃ生きていけない世界もあるんだよ」
勇者「でも殺す事はないだろう!!」
盗賊「貴男とは意見が合わないみたいだ、仕方がない」
勇者「おぃ、待て!」
盗賊「あんたみたいな甘ちゃんな勇者様とは違うんだよこっちは」
勇者「教えてくれ!」
盗賊「盗賊というだけで虐げられてきた俺達の気持ちなんてな」
勇者「そ、そんな!」
盗賊「勇者一族はあんたみたいな甘ちゃんでも生かしてくれる」
盗賊「なんせ王国の庇護のもと贅沢暮らしだもんな」
盗賊「冒険ではくを付けようって魂胆か?これは冒険じゃない、殺し合いだ」
盗賊「最後までお前には判らないだろうな、下界の暮らしなんてよ」
シュン!
勇者「くそ…どうなってる」
ガチャ。ガヤガヤ。
旅芸「おぅ!勇者君!こっちだ!」
盗賊「どうぞ、ここ。僕は向こうへ」
勇者「あぁごめん、ありがとう(こいつ!さっきと全然態度が…)」
賢者「どうしたのこの傷」
勇者「ちょっと転んで」
賢者「ホイミ!」
勇者「自分で治せるよ」
賢者「私が居ないと傷治せないくせに!」
バト「おぃ!その剣はどうした?」
勇者「これ、そこで修行したらくれたんだ」
バト「良い剣だ、見せてくれ」
勇者「おぅ、でも重いんだよね」
バト「これは!よく磨かれたメタルスライムの剣か?」
勇者「うん、道場のオヤジはそう言ってた」
バト「あのレオコーンの所へ行ったのか?」
勇者「そうだよ」
バト「よく行く気になったなw」
勇者「なんで?」
バト「あいつが人と喋るなんてめったにないぞ!」
勇者「そうなんだw」
バト「だってあいつ幽霊だもん」
勇者「え?え?えぇぇぇぇ!」
魔法「やっと笑ったね勇者」
勇者「うるせぇぞブス!」
魔法「あー!イオナズンぶち込むよ!」
勇者「え?」
レン「あれ?パラディン君、なんか顔つき変わったね?」
パラ「そうですか?」
レン「自信に満ち溢れた感じがするよw」
パラ「実は…」
旅芸「まぁ言わなくても判るだろう?レンジャーw」
レン「そう言う事かw了解隊長」
賢者「え?なんですか?」
魔法「そう、なになに?」
バト「お子ちゃま達は黙ってろってこったw」
盗賊「(賢者様は処女か!)」
旅芸「よし、明日からまた戦いが始まる!」
旅芸「ゆっくり休む事!」
旅芸「防具等ちゃんと揃えておくんだぞ!誰も死なせない!いいな!」
勇者「お、おぅ…」
シーン。キンキン。カンカン。
勇者「むにゃ、おしっこ!おしっこ!」
勇者「ん?こんな暗闇で何やってんだ?」
レン「違う!もう少し腰を捻るんだ!」
パラ「はい!」
レン「そこで突き刺せ!」
パラ「はい!」
レン「いいぞ!そして相手が怯んだ隙に一閃づきかさみだれづきだ!」
パラ「はい!」
勇者「あいつこんな夜中まで…」
勇者「ん?こっちにも」
バト「いいか、お前のは短剣だ!それはMPが尽きた時大事になる」
魔法「はい!」
バト「アサシンアタックが出来るか?」
魔法「できます!」
バト「思いっきり掛ってこい!」
魔法「うおぁりゃ!」
キンっ!
バト「いいぞ!いい踏込だ!」
魔法「はい!」
バト「踏み込んだ瞬間にMPが回復してたらメガライヤーでも叩き込め!」
魔法「はい、わかりました!」
バト「よし、じゃ一からもう一度やるぞ!」
魔法「お願いします!」
勇者「あいつらまで…」
盗賊「いいですか、あなたは弱い」
賢者「はい」
盗賊「杖で叩いても魔物は怯まないでしょう」
賢者「はい」
盗賊「そこで、戦場での立ち回りが重要です」
賢者「はい」
盗賊「なるべく下がり、状況を把握し適所で回復系や麻痺系を打込む」
賢者「でもそれだと逃げるみたいで…」
盗賊「いいんです、あなたが死んでしまったらパーティーが危機に瀕してしまいます」
賢者「はい」
盗賊「回復系の司令塔となり、絶えず戦況を見回す練習をしましょう」
賢者「はい!」
盗賊「いいですか、いきますよ!」
賢者「ひゃ!」
賢者「早過ぎて見えません!(今お尻触ったよなコイツ)」
盗賊「目で追ってはダメです、感じるのです」
盗賊「いきますよ~」
賢者「あっ(絶対触った!絶対!今揉んだし!)」
盗賊「すぐには慣れません、毎日練習することです」
賢者「はい!(毎日お尻触りたいだけだろうが!)」
勇者「あっ!あいつまた手の匂い嗅いでる!」
勇者「俺は…やっぱり仲間ではないのか…」
ガタっ。
旅芸「どうした、こんな夜中に」
勇者「旅芸人!」
旅芸「焦ってるのか?」
勇者「そんなんじゃない!トイレに起きただけだ」
旅芸「嘘だ!君は焦っているんだろう?仲間に認められないから」
勇者「違う!」
旅芸「でも自分から仲間に教えてくださいとは口が裂けても言えない」
旅芸「だから幽霊のオヤジの所に修行に行った。そうだろう?」
勇者「うるさい!」
旅芸「少し昔話をしてやろう」
勇者「いらねぇよそんなの!」
旅芸「まぁ戯言だ、独り言と思ってもらっていい」
旅芸「俺が軍隊に入った頃まだお前よりも若かった。今でも覚えてるのは
王国軍第11遠征師団だった。度重なる魔王軍との戦いで多くの戦友を失った。
その後部隊長としてバトルマスターになり、魔王討伐軍に従軍した。
ある街での事だ。俺達分隊は街外れの監視塔に居た。今日みたいな夜だった。
部下にはお前みたいな跳ねっ返りが何人もいて士気は高かった。
若いのが一人、「魔物です」っていうんだよ。当然戦闘態勢になる。
だが魔物は道に迷ってしまっただけの子供を連れた母親のキメラだった。
俺達は街から出てキメラ親子を囲んだ。
だが奴らは喋るんだよ!わかるか?「助けてくれ」「見逃してくれ」って
俺達に嘆願するんだ!」
勇者「…」
旅芸「俺達にはどうする事もできない。殺すしかないんだ。
若いのが涙流しながらキメラ親子に剣を振りかざした。
「すまない」「すまない」と言いながら魔物を殺すんだ。判るか?
そして次の日の夜、キメラの大軍勢が街に押し寄せた…
街は火の海と化し、女子供含めて殺された。あるものは焼かれ
あるものは食われ、街の石畳は人の臓物と血と、魔物の内臓で赤く染まった。
その臓物の中を這いずりまわりながら俺と部下はなんとか生き延びた。
夜明けの街…それは地獄だった。部下の一人は狂気に満ちた目で
魔物の亡骸に延々と剣を振り下ろしていた。駆け寄って止めた瞬間彼は死んだよ。」
勇者「何故だ…」
旅芸「何故か?…か。理由なんてない。これが戦争だ。
記憶しておけ、俺達の相手はただの魔物じゃない。
知恵を持ち、俺達と同じ様な言語で話、そして家族も、仲間も
同じ様に軍隊もある。そしてお互いが思う。我が正義だと。
だが正義なんて何処にもない。話がそれてしまったな…」
旅芸「俺の部隊はこの街… そうこの街に配属された。
そこで隣の師団長だったバトルマスターと出会った。
そしてあの夜、俺達は仲間たちと陽気に討伐軍司令部で酒を交わしていた。
城門の一つからメキメキという音が聞こえ始めた。
考える間もなく城門は音と共に崩れ去った。
そして今でもぞっとするあの光景があった。暗闇に無数の光り輝く目だ!
暗闇に蠢き、殺す殺すと訴えてくるその眼光は人々を威圧し凍りつかせる。
一斉に飛び出した俺達だったが、そこに居たのは人を掴み投げ飛ばし
怪力で家々を破壊して回るあの忌々しいイボイノスだった。」
旅芸「戦闘は3日間続いた。あの時と同じだった。石畳は赤く染まり
城壁には血飛沫が舞い、人々は逃げ惑った。明けても暮れても魔物達は
怯みもせず昼夜を続けて攻勢をかけてきた。4日目の朝…
ついに王国軍はイボイノスを仕留めた。奴の最後の言葉はこうだ…
「いずれまた会おう」だった。俺は脚に重傷を負い意識を失った。」
旅芸「目が覚めた時、部下は一人も生き残っていなかった。
王国軍はこの攻撃で半数の兵力を失った。魔王軍もそれ相当の消耗を強いられたはずだ
この時俺は軍を辞めた。旅芸人となり各地を放浪した。
今でも思う、あの時俺は死んで当然だったんだ。
俺の脚に槍が刺さる瞬間、俺を突き飛ばした部下が居た。
そう、お前と同じくらいの若造で名前はロビンと言った。
奴は気さくで面倒見がよく、次期部隊長に推薦されていた。
そんな奴を、二本の槍が貫いたんだ…」
勇者「それで彼は…」
旅芸「もちろん、死んだ。
そして三本目の槍が俺の脚に刺さってた。俺は奴を抱きかかえたまま意識を失った。
ロビンの最後の言葉は「母親にこれを…」と出した従軍記章だったよ。
いいか、俺は誰も死なせたくはない。これ以上誰もだ!
だがお前は無茶な事して人を!仲間を!危ない目に合わせる様なら俺はお前を
メンバーから外す。」
勇者「わかった…」
旅芸「これからが本当の地獄だ。耐えられるかは自分に聞くんだ。
時には人すらも切らなきゃならない。そうなった時お前はどうする?
人は切れません、どうぞ殺してくださいか?」
勇者「わ、わからない」
旅芸「非道になれとは言わない… ただ、優しさは時に災難を自分に
持って帰って来る。それだけは憶えといてくれ、戯言が過ぎたな、おやすみ」
勇者「あ、あぁ、おやすみ」
パタン。
勇者「眠れる訳がない…」
チュンチュン♪
旅芸「よし!準備をして出発だ!城門前に武器屋があるそこで装備を整えよう!」
バト「武器屋かwまだあのばばぁ元気かな?」
旅芸「あぁ彼女は死にそうにないw」
ガチャ。
ソナ「あら、久しぶりね」
バト「よぉばあさん、何年振りだ?」
ソナ「知らないわw」
旅芸「元気そうだ」
ソナ「まだ死ねないもの」
旅芸「早速だが、この人達に最適な装備を揃えてくれないか?」
ソナ「高くつくわよ~」
旅芸「あぁ王様のこの無料カード使えるんだろう?」
ソナ「そんな古びたカードなんて使えないわよ!」
勇者「やろう!あのクソ王!騙しやがったな!」
盗賊「でしょ?でしょ?だから僕の出番でしょ?」
賢者「ん?大丈夫なんですか?」
盗賊「みんな僕が盗賊してたら文句言ってたけどさぁ~」
レン「すまん…あやまる」
盗賊「いえいえ、ここは一つ僕が「貸し」ておきましょう!」
魔法「けち臭!!」
盗賊「え?魔法さんまでそう言う事言うんですか!」
魔法「ここは男らしくバーン!といきなさいよ!」
盗賊「困りましたね…う~ん、仕方がない12000Gは奢りです!」
賢者「すごい!盗賊さんすごい!」
盗賊「(あなたのエロパンティのお蔭です!)」
旅芸「じゃ魔法さんから選ぶよ」
魔法「お願いします!」
ガララン。
旅芸「よしこれでみんな揃ったね!」
バト「いいか、気を抜くなよ」
門番「お気をつけて!開門!!!」
ちゃーらーらー、らららーらら、らぁららぁらーー♪
旅芸「バト、どう思う?」
バト「なんだ?」
旅芸「もう少し経験を積ませたいんだ」
バト「だな」
レン「レベル上げの洞窟ならこの先にありますよ」
旅芸「ほう、ならこの際腕試しといきますか?」
レン「で、洞窟を抜けると最果ての塔がありますが…」
旅芸「あぁ!あそこは強すぎるな」
レン「でも、ここで経験を積まないと魔王城まで持ちませんよ」
バト「死ななきゃいいが…」
洞窟入口
勇者「うわ!暗い!」
魔法「それに臭い!」
バト「文句言うなひよっこめ!」
旅芸「松明を作ったから平気だよ、さぁ行くよ」
ザッザッザッ。
盗賊「宝箱!宝箱!」
レン「あるかね?」
盗賊「B2Fより下ですね、きっと」
レン「なにが出るか毎回楽しみなんだけど時々さぁ」
盗賊「そうですねw時々あいつが住んでるんですよね!」
レン「でしょ?あれ嫌い」
盗賊「ミミックですね、あれは死にますからね」
レン「以前食らって酷い目にあったよ」
どよ~ん。
旅芸「来るぞ!」
魔法「この臭いは…」
バト「くさった死体だ!」
パラ「お、おえぇぇぇぇ!」
盗賊「がいこつ兵もセットだ!」
旅芸「戦闘配置だ!」
魔物1「うへへへーうえー」
魔物2「うひゅ、うぴゅ」
レン「弓で蹴散らすぞ!さみだれうち!」ヒュンヒュン
魔物3「むひょー!」
魔物4「うごーー!」
旅芸「ねむり打ち!どうだ?」スパッ!
魔物5「zzzz」
魔物6「zzzz」
バト「この二匹は頂くぜ!うりゃぁ!」
バゴォォォ!
魔法「どいて!撃つわよ!イオラ!!」
ギュイーン。ボコボコボコ。
勇者「うわ!狭い洞窟で火炎系撃つなよ!」
賢者「スクルト!」
盗賊「今です!パラディンさん!」
パラ「うおぉぉぉぉぉ!どりゃ!」
ボガァァァ!
バト「お前の番だ、いけ!」
勇者「お、おぅ」
勇者「うぉぉぉ!」
バト「ダメだ、腰が引けてる!」
勇者「このやろー!」
バト「引け!死ぬぞ!」
盗賊「お任せを!おとしあな!」
凹!
勇者「うわぁぁぁぁ」
バト「今だ!レンジャーとどめだ!」
レン「うりゃぁぁ!」
ドスっ!
旅芸「皆怪我はないか!」
勇者「いてて、落とし穴があった」
バト「腰が引けてる、穴が無きゃ今頃死んでる」
勇者「…」
盗賊「まぁ気にしない、気にしない」
魔法「あんた…マジで足手まといなんじゃ…」
勇者「うるせー!」
盗賊「おっ!階段ですね、行ってみましょう。」
ザッザッザッ。
勇者「おっ!おおお!宝箱!」
盗賊「開けちゃダメです!」
勇者「そうなのか?いいじゃん!」
盗賊「ミミックだったらヤバいですから」
盗賊「絶対に!開けちゃダメです!これは本当です」
勇者「ケチケチすんなよ!」
盗賊「本当に!だめです!」
勇者「はぁ?お前に命令されたくないし」
勇者「宝物かも知れないだろ!!どれどれ~」
レン「やめろ!」
ドギャン!!
勇者「わわわ!あぁ!」
旅芸「ミミックだ!強敵だぞ!」
っがぁぁぁぁぁ!
バト「ひよっこ共は後ろへ下がれ!来るぞ!」
どひゅん!どひゅん!
レン「うわぁ!」
パラ「うぐぐぐ!」
バト「賢者!二人がやられた!頼む!」
賢者「はい!」
盗賊「どりゃ!」
キンっ!
どひゅん!どひゅん!
盗賊「うわぁ!」
魔法「痛い!うぐぐぐ」
旅芸「賢者!ベホマラーだ!」
魔物「みみーーーーー!ラリホー」
ムムムム!ムム!
賢者「zzzz」
魔物「みみーーーーー!メラミー」
ムムムム!ムム!
どごぉん!どごぉん!
勇者「うわぁ!うううわぁ!」
旅芸「まずい!全滅するぞ!やつの呪文を止めるんだ!」
バト「うおぉりゃぁ!」
ドゴォォ!
バト「かてぇぞ!」
魔法「撃つよ!」
旅芸「待て!バトにバイキルトをかけろ!」
魔法「了解、バイキルト!!」
旅芸「間に合うか…」
魔物「みみーーーーー!ザキー!」
ムムムム!ムム!
パラ「うっ…」ガクリ。
魔物「みみーーーーー!」
バコォ!ボコォ!
レン「うがぁぁぁ」ガクリ。
盗賊「起きて!賢者さん!起きて!」
旅芸「ザラキを唱えられたら死ぬぞ!」
勇者「このやろー!」
旅芸「下がれ!お前じゃ歯が立たん!」
ティリリ!ミス!
盗賊「賢者さん!起きて!(この際だ揉め!揉みまくれ!)」
魔物「みみーーーーー!ザキー!」
ムムムム!ムム!
旅芸「ヤバい!」
魔法「うっ」ガクリ。
旅芸「まだ来るぞ!」
魔物「みみーーーーー!!」
ボコォ!ゴバァ!
バト「うぐ、耐えられん!」
賢者「(誰?私の胸を揉みまくっているのは!)」
賢者「へ?あっ寝てました!」
盗賊「早く、賢者さん!」
賢者「え!いつの間にこんな惨状に…」
盗賊「何か呪文を!!!」
賢者「イオグランデ!!!」
ひゅーん。どごぉぉぉぉぉん!
パラパラ。
盗賊「(いきなりイオグランデはねーだろ普通!)」
旅芸「大丈夫か?」
勇者「ゲホ、ゲホ、ゲホ」
勇者「賢者!いきなり何の呪文だよ!」
ボゴッ!!!
勇者「いってーなぁ!」
バト「てめぇー3人死んでんだぞ、下手すりゃ全滅だ」
勇者「ぐっ!」
旅芸「何故開けたんだ!!盗賊君はダメだと言っただろう!」
賢者「魂よ、もう一度戻りたまえ!神よ力を!ザオリク!」
賢者「はぁはぁ」
盗賊「少し休んでからでないと…」
賢者「いえ、魂が抜けた後時間が経つと治らないんです!」
賢者「魂よ、もう一度戻りたまえ!神よ力を!ザオリク!」
旅芸「俺がザオラルを唱えてみる、後は休んでくれ」
魔法「ありがとう賢者!」
パラ「有難う御座います賢者さん」
旅芸「ザオラル!」
バト「ダメだ…」
旅芸「くそ!もう一度だ!ザオラル!」
レン「ううううっ」
盗賊「薬草を!」
レン「相変わらずコレは美味しくないな」ムシャムシャ
旅芸「はぁはぁ、なんとか生き返ったか…」
盗賊「一回洞窟を出ましょう!体勢を整えないと」
旅芸「そうだな、リレミト!!」
ザッザッザッ。
バト「俺はもうコイツとは一緒に行きたくない」
勇者「こっちも頼んでねぇよ!」
旅芸「あれだけ俺が言ったのに君の心には届かなかったみたいだ、残念だよ」
魔法「あんた本当にこれでいいの?馬鹿なの?」
勇者「うるせー!」
賢者「誰でも間違いはあります。そして皆さん生きて帰れました」
盗賊「僕も反対だな。仲間を危険に巻き込むだけで後は役立たずじゃ…」
パラ「僕は初心者だけど、君ほど馬鹿じゃない。人の言う事を聞けない奴は一緒に旅は出来ない」
レン「僕はまだやれそうな気がするけどね、うるせーなんてwガッツは認めるよ」
旅芸「この洞窟ですらままならないなら魔王は倒せない!死ぬだけだ!」
バト「いったん街まで戻ろう。いいよなレンジャー」
レン「はい、構いませんよ」
レン「でも、僕の知ってる村に行ってみませんか?」
盗賊「どこですか?」
レン「ここから東に行った所にある村で、のんびりした村だよ」
魔法「(スウィーツないし!)」
レン「じゃ近くまでキメラの翼でいくよ」
ぎゅるーん、るーん、るーん。
東の村
宿主「いらっしゃい!一晩120Gだが泊っていくかい?」
旅芸「あぁ、泊らせてもらおう」
バト「今日はヘトヘトだぜ、あの馬鹿のせいでよ!」
勇者「んだと!」
レン「君は怒る権利はないよ、実際危険にさらしたんだろう?」
勇者「…」
盗賊「勇者さん、僕と散歩に行きませんか?」
勇者「なんでお前と行くんだよ!」
魔法「なに尖がって粋がってんの?馬鹿みたい」
勇者「ぐっ」
レン「気晴らしに行くと良いよ、この辺は魔物も少ない」
勇者「わ、わかったよ!行けばいいんだろ!」
ガチャ。
勇者「なんで散歩なんか…」
盗賊「なんで?」
勇者「そうだ」
盗賊「別にあんたなんかと歩きたかねぇよ」
勇者「じゃなんで!」
盗賊「話がしてぇと思ってさ」
勇者「話?」
盗賊「あぁ、あんた今まで何回殺されかけた事ある?」
勇者「そ、そんな事ない!」
盗賊「そうか、ないか」
勇者「なんだそれ」
盗賊「俺はなぁ、今まで生きてきて20回は殺されかけた事がある」
勇者「そ、そんなにか!」
盗賊「あぁ、あんた一族を守るためにな」
勇者「お、憶えてない!」
盗賊「そりゃそうだろう、お前はまだ赤ん坊だ」
勇者「俺の一族だって?」
盗賊「うん、そうだよ。そのお蔭で俺の父親は死んだ。おふくろも死んだ。
じいちゃん、ばあちゃんも死んだ。弟も姉貴も死んだ。」
勇者「お、おれのせいだっていうのか!」
盗賊「いやいや、あんたのせいだなんて言ってないよ」
勇者「何がいいたいんだ」
盗賊「あんたは城の外の豪華な邸宅に住んでた…真っ白な家だ。だろう?」
勇者「確かに家は大きかった…」
盗賊「その家の警護は俺達の役目だったんだよ、盗賊という名でしか
世間では知られてないけどな、裏じゃボディーガートみたいなもんさ。」
勇者「そうだったのか…」
盗賊「まぁ話を聞いてくれよ。その家は魔王軍の暗殺者に狙われていたんだ。
22年間ずーっとだ。その間俺達はあんたの家、家族を守り通した。
あんたの家は勇者一族だ。昔から守られて血を絶やさずにいられた。
安全な中で暮らし、おまえが外の遊びに行くときは俺達一族の誰かが
遠巻きでおまえを警護してた。魔王軍の襲撃を悟られない様に
秘密裏に暗殺者を処分した。その戦いの中で俺達一族は殺されていった」
勇者「俺にどうしろと言うんだ!無理だ!」
盗賊「どうもしないさ、俺はただあんたがもっとまともに育ってると思ってた。
でも、今日のいままでの行動で只の馬鹿だと判った。
なぁ、その馬鹿を守るために何故俺の姉貴や弟は死ななきゃならなかったんだ?
なぁ教えてくれよ!なぁ!おぃ!なんで…。なんで俺の姉貴が殺されなきゃならなかったんだよ!
教えろよ!おまえ!」
勇者「す、すまない」
盗賊「すまない?簡単に謝ってんじゃねーよ!糞野郎!どんな思いで弟が死んでったか判るか!
暗殺者の毒にやられて一週間も苦しみもがきながら、勇者様をお守り出来た!と
笑いながら死んでいった人の気持ちが判るかおまえには!
次に馬鹿な事してみろ!俺はお前を殺す!後ろから一思いに叩き切ってやる!」
勇者「…」
盗賊「今の話は忘れてくれ…すまん」
勇者「盗賊!」
盗賊「僕はいつもの僕に戻るよ、それじゃぁな」
勇者「俺は…どうすればいいんだ!」
賢者「勇者さん!」
勇者「お、おぅ」
賢者「どうしたんですか?暗い顔して」
勇者「ちょっとな、今日失敗ばかりでごめん」
賢者「誰でも失敗はありますよ」
勇者「でも俺のせいで全員が死にかけた…」
賢者「そうですね、みんな死にそうでしたね」
勇者「どうすればいい、俺は…」
賢者「そんなの私に聞かれても…」
勇者「そうだよね、自分で考えるんだよな」
賢者「その為のお手伝いはしますよ」
勇者「ありがとう」
賢者「いえいえ」
勇者「ところで何を買ったの?」
賢者「(ドキっ!この間汚れた勝負下着の買い直しとは言えないわ!)」
勇者「?」
賢者「チーズです!チーズ!」
勇者「そうか、美味しいそうだ」
コソコソ…
盗賊「むむむ、さては新しいエロパンティを買ったな!」
食卓
わいわい、がやがや。
旅芸「この街に一週間程滞在しようと思う」
バト「おぃ、急がなくていいのか?」
旅芸「急いで全滅するよりはマシだ」
魔法「修行付けてもらえますかバトさん!」
バト「おぅいいぜ!」
魔法「レンさんもお願いします!」
レン「僕で出来る事があれば何でも」
魔法「(やった!倒れたフリして抱き付いちゃお!)」
賢者「盗賊さん、私も修行いいですか」
盗賊「いいですよ(また尻揉みしてやる!)」
賢者「でもお尻触るのはなしです!」
盗賊「え?(うっ!前より見えてやがる!)」
パラ「僕も一緒にお願いします」
レン「あぁ頑張ろう!」
ガチャ。
旅芸「勇者君はどうするんだい」
勇者「俺は…パーティーを抜けます」
旅芸「そうか、残念だが…」
旅芸「キメラの翼をあげよう、これで家に帰れる」
勇者「はい…あの、皆には…」
旅芸「あぁ、皆には誤魔化しておくよ」
勇者「ごめん…なさい」
旅芸「いいか、死ぬなよ…」
ぎゅるん、ぎゅるん、ぎゅるん、
ドサッ!
勇者「いてて」
勇者「ここは?あれ?」
勇者「あれ?城は?家は?」
謎「誰だ!煩いな!」
勇者「ん?海の匂い…ここは!島だ!狭い島…」
勇者「誰だ!」
謎「誰だじゃない!勝手に人の島に着といて誰だじゃないだろう馬鹿者!」
勇者「あんた誰だ!」
謎「馬鹿者!人に尋ねる前に自分を紹介しない馬鹿なのかお前は!」
勇者「う!ゆ、勇者と言います」
謎「馬鹿者!言いますじゃないだろう!申しますだ馬鹿!」
勇者「馬鹿馬鹿うるせーなおっさん!」
謎「馬鹿だから馬鹿なんだよ馬鹿!」
勇者「なんだよくそ!」
謎「ほほぅ、馬鹿はなんでここに来たのじゃ?」
勇者「キメラの翼で…」
謎「そうか、誰から貰った?」
勇者「旅芸人だ」
謎「旅芸人さんだろうが!馬鹿!」
勇者「そしたらここに…」
謎「そうか、じゃ仕方ない、ここは馬鹿しか来ない所じゃ」
勇者「なぜだ!」
謎「人にモノを聞くときは何故ですかだろうが!馬鹿者!」
勇者「なぜですか」
謎「お前はあの旅芸人に貰ったキメラの翼と言ったな」
勇者「はい」
謎「あれには特殊な魔法が掛っていて一箇所にしか行けない様になっておる」
勇者「それがここ?」
謎「そうじゃ」
勇者「なんで…」
謎「旅芸人がお前に託したものを見せよう、こっちにこい」
勇者「あなたはどなたですか?」
謎「わしか?わしはキャプテン・メダルじゃ」
勇者「変な名前ですねw」
メダル「笑うでない!」ボコッ!
勇者「杖痛い!杖!」
メダ「さぁ入れ」
勇者「はい」
メダ「旅芸人がお前に託した物だ」
勇者「これは!!!」
メダ「思い出したか?」
勇者「これは!!!旅芸人の命を救った…ロビンの従軍記章!」
メダ「話は聞いておる様じゃの」
勇者「それじゃ…あなたは…ロビンの…」
メダ「ああ?父親じゃないぞ!」
メダ「ロビンは旅芸人の弟だ!」
勇者「そんな!聞いてない!嘘だ!」
メダ「信じなければそれでよい」
勇者「ぐ…まさか!」
メダ「おまえとロビンが重なったんじゃろう」
勇者「俺はここで何をすれば…」
メダ「後ろに井戸がある、そこに一週間入れ」
勇者「えっ!」
メダ「食料と薬草は投げ入れてやる」
勇者「そんな!」
メダ「まぁなんかの漫画みたいに一週間入ったら一年間分過ごせるとかないから」
勇者「まぁそれはないにしても…」
メダ「戦うのじゃ、己の弱さ、浅はかさ、甘さと!」
勇者「でも…」
メダ「なんの為にその剣をもっておる!いらんならわしがコレクションしたい」
勇者「これは、道場のおっさんとの約束の剣なんだ」
メダ「そんなのは知っておる!いいか、井戸に入り自分を磨くのじゃ!」
勇者「ううう」
メダ「だが…良い方へ転ぶか、悪い方へ転ぶかはお前次第じゃ」
勇者「悪い方?」
メダ「一週間がたった時、悪い方ならわしがお前を切り捨てる。それだけじゃ」
メダ「はよ行け!馬鹿者!」
ひゅーぅ。
勇者「うわっ!真っ暗だ!」
メダ「松明投げるよー」ポイッ
勇者「あち!うわっ!あっち!松明あっつ!」
メダ「食料と薬草なげるねー」ポイッ
勇者「いた!いたた!」
うぅぅぅぅ!!
勇者「わ!なんだ!唸り声がする!」
うがぁぁぁぁ!!
勇者「な!なんでこんな所にドラゴンがいるんだよ!」
ボバァァァァァ!
勇者「うわ!あっつ!炎あっつ!」
メダ「それね、わしが錬金したドラゴンなのね」
勇者「こんなの作ってんじゃねーよ!」
メダ「一日でどんどん強くなってくからね」
勇者「まじで!」
メダ「殺されても知らないよ」
勇者「ちょい!まって!キャプテン!まって!」
メダ「止めを刺すには一週間生き延びる事だけね」
勇者「うおー!やべぇ!」
・一日目
勇者「はぁはぁ、ヤバい血が止まらない!」
勇者「薬草は…あったこれだ!」ムシャムシャ
がおぉぉぉぉぉぉ!
勇者「もう生き返りやがった!」
勇者「このやろう!どりゃ!」
メダ「どれどれ?あぁー血でてるねー死んじゃうかもなぁ」
メダ「そろそろレベルアップしてもいい頃だけどね~」
勇者「ここだ!ドラゴン斬り!」ブシュァァァァァ!
どあぁぁぁぁぁぁ!
勇者「やべぇ!急所外した!どがぁぁぁ」ボコォォォ
メダ「まだまだじゃの、さてパフパフTVでもみるかの」
・二日目
勇者「はぁはぁ…寝られない…一晩中戦って眠れない」
メダ「おはよー」
メダ「死んだ?」
勇者「まだまだぁ!」ブシュゥゥゥゥ!
メダ「飯食えよちゃんと」
・三日目
勇者「もう…だめだ!」
メダ「おはよー」
メダ「あれ?死んでる?」
メダ「あwwまじ死んでるし」
メダ「よいしょっと。世界樹の葉を無理やり口につっこんでと!」
勇者「ごふ!ごふごふ!」オエェェェ
メダ「ちゃんとやれよ!」
勇者「はぁはぁ…ヤバい意識が…」
・四日目
勇者「もう三日も寝てない…」
勇者「ドラゴンはもう今までの手が通用しない!」
勇者「よしこれだぁぁぁぁ!はやぶさ斬り!!!」
ぐおぉぉぉぉぉぉ!ん!
勇者「はぁはぁ…血が足りない!もっと早く!」ムシャムシャ
勇者「キャプテン!」
メダ「なんじゃ」
勇者「もっと薬草をくれ!」
メダ「言い方が気に入らないヤダ」
勇者「お願いだ!薬草を!ごふぅぅぅ」
メダ「お、今の尻尾の一撃はきついな」
勇者「うがぁぁぁ腕が!もげた」
メダ「しょうがないなぁ…これっきりだからね!ベホマ!!」
勇者「うっ、嘘つき…」
メダ「ありゃ?マホバリアだったか?」
勇者「意味ない…うがぁぁぁ」
メダ「すまんのぅ、歳とってくると魔法唱えるのも一苦労だで」
・五日目
勇者「あぁもう死ぬ。ほんと死ぬ」
くぎゃぁぁぁぁぁ!
勇者「ごぼぉぉぉ!」
勇者「ダメだ、強すぎる!今ので肋骨何本か飛ばされたし」
メダ「あれ?死んだ?」
メダ「心を澄ませ、何も考えるな、本能のまま突き進むのじゃ!」
勇者「うりゃぁぁぁぁぁぁ!」
メダ「おっ!光った!ミラクルソードじゃね!おっ!おっ!」
勇者「おぉ!切りつける度に身体が…回復して、おがぁぁぁ」
メダ「油断するでない!馬鹿者め!」
・六日目
メダ「もしかして立ったまま寝てる?」
メダ「あやつ、無意識に剣を…」
勇者「むにゃ~」
勇者「殺してやる!殺してやる!殺してやる!」
メダ「あっいかん!意識に悪が!」
メダ「ラリホーマ!!!」
勇者「zzzz」
がおぉぉぉぉぉ!
メダ「まて、まてドラゴン、わしじゃ!」
メダ「ったく世話の焼けるやつじゃわ」
メダ「少し口の中に薬草突っ込んでおこう」
メダ「よし!ザメハ!!」
勇者「おえぇ、ごふ、ごふ!」
メダ「行けドラゴン!」
がぁおぉぉぉぉぉぉ!
メダ「久しく使っとらんなぁこんな魔法」
メダ「そうだ、使ったのは…う~ん、あぁバニー眠らせて…うししし、あ、いかん、また死んだ」
・七日目
勇者「今日で終わりだ…今日なのか?曜日の間隔か…」
勇者「糞尿垂れ流しで一週間、攻撃されて寝られなかった…」
勇者「何回死んだかもわからない。痛みは増してゆくばかりだ」
勇者「蘇生やりすぎでもう何本かの骨が上手く戻らない」
勇者「あと何回出来るんだろうか…」
メダ「おはよー」
メダ「今日は死ぬなよ、もうそろそろ身体の蘇生が限界だからさ」
勇者「判った…」
ぐらぁぁぁぁぁぁ!
勇者「来い!」
うごぁぁぁぁぁぁ!
勇者「うおぉぉぉぉ!ギガスラッシュ!!」
メダ「お!いいんじゃね!いいんじゃね!」
勇者「浅いか…」シュンシュン!
ごがぁぁぁぁぁぁ!
メダ「なに!!!振り向きざまにあの速さではやぶさ斬りだと!!!」
うがががが…ドシーン!!
メダ「倒したのか!おぃ!返事をしろ!」
勇者「…」
メダ「立ったまま失神しとるわw」
トントントン
メダ「ったく背負って上がるこっち身にもなれ」
メダ「お疲れね、ドラゴンちゃん、土に返っていいぞ」
メダ「泥のドラゴンを魔法で扱うのは難しいんだからな、まったく!」
メダ「でもまぁ生きてて良かったなぁ勇者よ!」
勇者「ガツガツ!モフモフ!ガツガツ!」
メダ「慌てんでもよい!まだ飯はある!」
勇者「俺…」
メダ「なんじゃ」
勇者「強くなったかな、キャプテン」
メダ「あぁ、確実に」
勇者「本当に?」
メダ「後は…心の問題じゃ」
勇者「心か…」
メダ「よいか、強いだけじゃダメなのじゃよ、勇気、優しさ、そして決断力」
勇者「そうか」
メダ「それには犠牲もある…それを受け入れられるかどうかじゃ」
勇者「俺…仲間に戻りたい」
メダ「まぁ予想はしとったがなwそれ、キメラの翼じゃ」
勇者「ありがとう、キャプテン・メダル!」
メダ「また来い。次は二週間閉じ込めてやるでな」
勇者「俺、俺、」
メダ「何も言うでない、行くのじゃ!仲間の元に!」
ぎゅるん~ぎゅるん~ぎゅるん~
最果ての塔
旅芸「強い!」
魔法「あんなに修行したのに!」
盗賊「今回の魔物は知能が違う!」
魔物1「お前達は何者だ?」
魔物2「ここがお前たちの墓場だ!」
バト「そ、そうはさせるか!」ハァハァ
賢者「動かないで!傷口が開いちゃう!」
レン「そろそろパラディンを生き返らせないとますいぞ」
旅芸「万事休すか!」ハァハァ
魔物3「俺はその赤い鎧の女貰っていいだろう?」
魔物4「あぁ好きにしろ、どうせいたぶって殺すんだろw」
魔物3「な~に、ちょこっと串刺しにするだけさ」
魔物4「じゃ俺もあの緑の法衣の女だな」
魔物5「それは俺のだぞ」
魔物6「それよか全員いっぺんに鍋に入れようぜ!」
魔物1「行くぞ!人間ども!」
魔法「マヒャド!!!」
ガラガラガラ!
魔物3「うわ!つべた!」
魔物4「お前の相手は俺だ!」
レン「くそっ!うがぁぁぁぁ」
魔物5「惨劇の始まりだなwとぅ!」
盗賊「うぐぐぐっ」
魔物6「苦しんで死んでもらわないとなぁ、ほらよ!」
賢者「うあぁぁぁぁぁぁぁ!」
魔物2「どうする人間ども?逃げるか?さぁ死ね!」
魔法「うぐっ…」ガクッ。
魔物1「さぁ聞かせろ、お前達は何者だ?」
旅芸「魔王討伐隊だ!」
魔物1「はははははw聞いて飽きれるw魔王様の討伐隊?嘘だろう?」
旅芸「まだ終わらん!」
魔物1「魔王様は尊大な方だ、その方を討伐する?許されん今すぐ死ね!」
旅芸「もはやこれまでか!」
・・・
ヒュン!
魔物1「何者だ!」
勇者「俺?」
勇者「名もなき勇者だ!うぉぉぉぉりゃぁぁぁ!」
魔物1「うがぁぁ、馬鹿な!速い!」
魔物2「誰が来ようがこの絶望的状況からは変わらんな」
勇者「行くぞ!」
魔物2「お前!」
勇者「魔法を殺したのはお前だな」
魔物2「あぁ、後で尻から食ってやる!」
勇者「なら先にお前が死ね!」ザグリッ!
魔物2「馬鹿な!ノーモーションからの急所を…うぐ、ごはぁぁ」
魔物1「小癪な!」
魔物3「おのれ!」
勇者「怖いのか?纏めてかかってこい!」
勇者「遅い!!」シュパン!サランッ!
魔物1「うぎゃぁ」
ドサ、ドサ…
勇者「どうした?後三匹!まとめて相手してやる!」
魔物6「ごあぁ!」タン!トン!シュパ!
ドサ、ドサ、ドサ…
賢者「勇者様…怖い…」
旅芸「話は後だ!二人を蘇生するんだ!」
バト「お前…魂売ったのか…」
盗賊「速く、そして強烈な一撃、旅芸人!!勇者に何をした!」
レン「僕や盗賊君よりも速い、この短期間で何をしたんだ…」
魔法「う、うううん…賢者!ありがと」
魔法「あれ?勇者!どうしてここに…」
パラ「戻ってきたのかい?」
勇者「みんな…ごめん…俺…」
旅芸「何も言うな、みんな判ってくれる」
盗賊「いったい何を彼にしたのか聞きたい!」
旅芸「特に何も…俺の修行の地に行かせたんだ」
バト「まさか!あのメダルじいさんの所か!」
旅芸「そうだ、彼をメダルの所に送り込んだ、一か八かだった」
バト「おまえ…あそこはロビンとの思い出の…」
旅芸「そうだが…その話はよそう」
旅芸「よく戻ってきてくれたな、ありがとう」
勇者「俺は…迷惑ばかりで…」
旅芸「いいんだ、今はもう立派な勇者だ!」
魔法「あんたいきなり抜けてなにやってんのよもう!!グスン」
勇者「ごめん、あの時は皆に会せる顔が無くて…」
バト「歓迎するぜ、勇者」
勇者「おっさん」
ヒソヒソ。コソコソ。
賢者「あれは…勇者様じゃない…心が暴走してる」
盗賊「確かに…以前のあいつなら殺すなんて口にしなかった…」
賢者「盗賊さん、何かおかしいです」
盗賊「そうだね、彼は怒りをコントロール出来ないでいる」
賢者「このままだと感情に呑み込まれてしまいます」
盗賊「最後は僕が止めます、その時はザオリクしてくださいねw」
旅芸「さぁ行こう!次の街へ!」
テクテク。テクテク。
パラ「ん?あれはキャラバンじゃないですか?」
盗賊「あぁ用心棒まで雇ってる大規模な商隊だね」
バト「酒でも買うかw」
魔法「まほうの聖水あるかなぁ」
レン「よし、声を掛けてみよう!おーい!おーい!」
商人「こんにちは、珍しいですね、こんな所で会うのは」
レン「そうだね、商品を見せてくれるかな?」
商人「その前に、やはりこういう所なのでGをお見せ頂かないと…」
レン「まいったなw」
盗賊「レンジャーさん貸しですからねw」ジャラジャラ
バト「酒はあるか?」
商人「ございます」
レン「毒矢が欲しいんだが」
商人「これですかね」
パラ「僕は爆弾石がほしいなぁ」
商人「おっ!一個だけありました!」
コソコソ。
旅芸「勇者、盗賊、バトお前達剣を抜けるようにしておけ!!」
バト「OK」
盗賊「ハイ」
勇者「ム!」
旅芸「なぁ商人」
商人「はい!」
旅芸「この後ろの幌馬車は何が入ってる?」
商人「え?そ、それは寝床ですよ(ギクッ!)」
旅芸「そうか、寝床か、なら一晩何Gで泊らせてくれるんだ?」
商人「そ、そんな!汚い寝床ですので、人様にお貸しするなんてとんでもない!」
旅芸「さっきから幌の中からウーウー聞こえるのは羊か?牛か?」
商人「いえ、ね、ねこを数匹飼っておりまして」
旅芸「そうか、ならいいんだけど」
コソコソ、ヒソヒソ
商人「先生達にお伝えして、こいつに見破られそうだと」
丁稚「はい」
商人「御嬢さん方!、こちらの鎧なんて如何でしょうか?」
魔法「あー!青い鎧カッコいい!」
商人「賢者様もこのような法衣がよろしいかと」
賢者「こ、これじゃ裸同然じゃないですか!」
商人「いえ、これはイケナイ水着と危ない水着を組み合わせた物でして」
賢者「イヤラシイですわ!」
商人「これにてっぺきレギンスを組み合わせることでマニア様には大変好評でして…」
盗賊「(こいつ!極めてやがる!)」
商人「イケてるミュールなんかの組み合わせもいいですね!」
賢者「いりません!」
商人「では今、一番のこれ!如何ですか!カラフルチュチュ!クリア特典ですしレアですよ!」
盗賊「(賢者様の貧乳にチュチュを着せろとかどんだけエロいんだよおやじ!)」
商人「賢者様の体形なら!これ!さとりのワンピース!如何ですか!」
賢者「いりません!」
盗賊「そうですよ、こんないかがわしい服!(エロパンティはいてる癖にいりませんとかww)」
商人「そうですかぁ…バニースーツもあったんですけどねぇ~いやぁ残念」
ガサ、ゴソ。
警備1「あーそろそろ出発なんでいいですかね?」
旅芸「そうか、邪魔したな」
警備2「離れてくれ!」
旅芸「なにかイケナイものでも入ってるのか?」
警備3「離れろ!」
旅芸「おぃおぃ、そんなに熱くなるなよ」
警備4「離れろと言ってるのが判らないのか!」
旅芸「ちょっと中を覗きたいだけだぜ、どうした?そんな熱くなって」
警備5「おぃ!怪我したくなかったら離れろ!」
旅芸「OK、OK!おぃおぃ剣先を俺に向けないでくれよ」
警備6「変な事すると弓で射抜くぞ!」
旅芸「だから落ち着けって!な?落ち着けよ!」
旅芸「バト!ギガスラッシュで幌馬車の後ろを薙げ!」
バト「おうよ!」ズバァァァァ!
盗賊「人攫いか!くそ!」
旅芸「おぃ、これはどういう事だ?」
商人「隣村で買ったモノでございますよ」
旅芸「おまえの店は人を買うのか?」
商人「止むを得ずでございますニタァ」
旅芸「若い女だけ買うのもおかしいな」
レン「お前、まさか…魔王軍に売りつけるつもりか!」
商人「売りつけるだなんて、正当なお取引と仰って頂きたい」
レン「外道め!」
商人「はいはい、動いたらいけませんよ。お嬢様達にしっかり弓矢が狙いをつけてます」
商人「動くとお仲間が死にますよ。射抜くのは心臓…そうです蘇生出来ない様にね」
旅芸「馬鹿なw俺達の動きは弓矢より速いぞ」
商人「試してみますか?旅芸人様、心臓と眉間、この二つなら蘇生は無理です」
旅芸「くっ!」
魔法「メタパニで切り抜けられるかしら」
賢者「唱える間もなく射抜かれます」
商人「ならこのお嬢様お二人も頂いていきます。高く売れそうですし」
盗賊「お前、自分が何をやってるのか判ってるのか?魔王に魂売ったのか!」
商人「御冗談をホッホッホッ 私は商人です。儲かる仕事をするまでです」
旅芸「一ついいか」
商人「なんでしょうか?」
旅芸「魔王に会った事あるか?」
商人「いえ、魔王様にはお会いしたことありません」
旅芸「じゃ誰と取引する!」
商人「う~ん、では冥土の土産でお聞かせしますね」
旅芸「確かに、冥土の土産だ、すぐ忘れられる」
商人「魔王国領内のある街で、ある方をお待ちして引き渡すのです」
旅芸「誰だ!」
商人「お名前は言えません。ですが、ある人です。」
旅芸「人だと!馬鹿な!」
商人「驚くのも無理はない。私も初めてお会いした時は殺されるかと思いましたからね」
商人「彼女は…おっと口が滑りました」
バト「俺が弓矢一本なら止められる!」
盗賊「僕が一本」
レン「僕も一本」
勇者「俺もなんとか…」
バト「4本止められれば後は暴れられる」
バト「どうする?やるか?」
旅芸「まて!俺が合図したら一斉にやってくれ」
旅芸「女の人買いかwおもしろい、会いたくなった」
商人「まぁ仮に会ったとしても殺されますけどね」
旅芸「すまんwもう一つだけいいか?」
商人「わがままな方ですね、いいでしょう」
旅芸「その女魔物ちゃんは可愛いフリフリのブラジャーしてるのか?ん?」
商人「下品な方だ!仕方がないですね、お嬢様達も一緒に冥土に行ってもらいますね」
旅芸「おぃおぃ、早過ぎだぜ、商人さん!」
商人「問答無用です!」
旅芸「ちゃんと下着は交換してるのか?女魔物はw」
商人「下品な!」
旅芸「いけ!」
シュ、シュ、シュ、シュ。
商人「ななんと!弓矢を素手で!」
旅芸「後は好きにやらせてもらう!殺すな!」
うわぁ!あぎゃ!ひぃ!ぼこぉ!あぁ!ぎゃぁ!
商人「うぐぐぐ」
勇者「選ばせてやる」
商人「何を…」
勇者「首を斬り落とすか、脚先から切り刻んでいくか選べ」
商人「そんな…女たちは返します!商品も全部あげます!お許しを!」
勇者「お前の恐怖なんか、あの女たちに比べれば半分以下だ!」
商人「すいません、もうしません」
勇者「口先だけ嘘をいいやがって!何人売ったんだ!言え!チクッ」
商人「いたい!いたい!20人です!20人売りました!」
勇者「外道が!今すぐ殺してやる!」
バト「おぃやめろ!」
勇者「はなせ!」
バト「(なんて力だ!)」
旅芸「様子が変だぞ!」
バト「旅芸人!勇者を止めろ!」
盗賊「暴走してる!賢者さん!」
賢者「はい!」
盗賊「まだらくもいとを使おう!」
レン「落ち着け!殺すな!」
勇者「こいつは外道だ!殺してやる!」
盗賊「今だ!」ヒョイ
シュルルルルルル~
勇者「うぐぐぐ!」
賢者「今です!」
バト「うおぉりゃ!」
商人「あーーーれーーーーー」ヒューン。
グサァ。
魔法「あいつ…地面を刺してる…」
勇者「あれ?え?皆どうしたの?」
魔法「あんた今…人を殺そうとした」
勇者「俺が?そんな訳ないだろう?」
魔法「盗賊さんがまだらくもいとを投げ、バトさんがあいつを投げなければあんた…」
勇者「そんな…皆違うだろ?なぁ?」
旅芸「確かに君は殺そうとした、また心が制御できていない」
旅芸「急に強くなり、自信がついたのは判る。だがその強さに自惚れてる」
パラ「そんなんじゃ危なくて近寄れないよ」
勇者「ごめん…気を付ける」
旅芸「一人では戦うな!必ず誰かをパートナーにするんだ!いいな!」
旅芸「みんなも必ず勇者に付いている様に!」
勇者「俺は…強くなったはずなのに…俺は…」
賢者「まぁ私が付いてますから大丈夫ですよ」
旅芸「よし!幌馬車で隣村までこの女の子達を返しに行く!出発だ」
パカパカ。パカパカ。
レン「くそ!あと1キロって時に…」
魔物1「うがぁぁぁぁ!」
魔物2「うぴゅぴゅーーー!」
バト「でかいな」
盗賊「あぁでかい」
魔法「一気に沈めますか」
賢者「幌馬車上から撃ってみましょう」
魔法「じゃ、私は右、賢者は左で」
賢者「いきますよ!ドルマドン!!」
盗賊「顔に似合わず闇系の魔法ですか!」
ぎゅーん、ドンドン!ぼかぁ!
魔法「撃ちます!メラゾーマ!!」
バフッ。
魔法「あれ?」
魔法「メラゾ-マ!!」
バフッ。
魔法「あれぇ!」
レン「こっちに来るぞ!」
パラ「きたきた!」
レン「魔法!早く撃つんだ!」
魔法「メガライアぁぁぁぁぁー!!!!!」
ぎゅるるるる。ちゅどーん。
パラ「あっあぶね!いたい!石いたい!」
レン「わっ!わっ!幌馬車に燃え移ったぞ!」
盗賊「わぁー燃えてる燃えてる!」
魔法「どうしよう!どうしよう!」
旅芸「何騒いで…わぁあっち!」
バト「あちちちち!」
勇者「頭が!頭あっつ!あっつ!」
旅芸「レンジャー!手綱を切れ!全員飛び降りろ!」
旅芸「バト!盗賊!勇者!彼女たちを救え!」
旅芸「無事か?」
魔法「すいません…」
旅芸「構わんが…戦闘中に不発はゴメンだな」
隣村
村人「ありがたや、ありがたや」
村人「これで娘が…ううううっ」
村人「どうぞ、どうぞ泊って行って下され」
バト「遠慮なく泊まらせてもらうぜ」
魔法「賢者ちゃん、後で付き合ってほしいんだけど…」
賢者「いいですよ」
村はずれ。
魔法「なんで不発だったんだろう」
賢者「MPの感じはどうでした?」
魔法「足りてたと思う」
賢者「軽く撃ってみては」
魔法「うん、メラゾーマ」
ぼがん!
賢者「大丈夫ですね」
魔法「おかしいなぁ、賢者ちゃんはそう言う事ある?」
賢者「MP不足以外ですと…杖が合わないとか」
魔法「でも私、短剣じゃん?」
賢者「そうですよねー」
魔法「なんでだろう…」
賢者「私も一度だけありました!」
魔法「なに?なに?」
賢者「幼馴染に恋をした時…一時的に魔法力が下がりホイミさえ唱える事が」
魔法「恋?///」
賢者「え?魔法さん恋しているのですか?」
魔法「そ、そんな!勇者になんて恋してないし!」
賢者「(バレバレすぎだし!)」
賢者「(え?ちょっと待って!私だって勇者さんの近くに居たいのに!)」
魔法「賢者ちゃん?」
賢者「はい、あっすいません」
賢者「私も撃ってみます!!」
魔法「どうぞ」
賢者「はぁぁぁぁぁ!マダンテ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ。
魔法「でかすぎ!デカすぎだって!やばい!離れなきゃ!」
賢者「負けない!私、負けない!はぁぁぁぁ!」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!どごーーーーーーーん!
パラパラ…パラ…
魔法「クレーター出来てるけど…それに人の家の畑っぽいよ…」
賢者「いけない!MPが0に!」
魔法「変な子…」
隣村
レン「そう気を落すな」
勇者「すいません」
レン「君は成長しているよ」
勇者「でも、強くなろうと思ったのに…」
レン「大丈夫さ、みんな付いてるよ」
勇者「心が…一瞬切れるんです」
レン「今の自分に自惚れちゃダメだ、でないと取込まれちゃう」
勇者「取り込まれる?」
レン「うん、自惚れが過ぎて自分が一番強くなった気になると
周りからの意見にも耳を貸さなくなる。
そうなると仲間も、信頼も、そして自分も見えなくなる。
その果ては…魔物以下に成り下がるのかもしれない。
幸い僕はその手前で止められた」
勇者「そうなんですか」
レン「僕はね、小さいころから父親にレンジャーという職業を
教えられてきた。ある日、魔物の山狩りについて行った帰りさ
相手は何でもない魔物だった。弱く、脆く、群れてないなんでもない魔物だ。
川原に来た時だ、僕は水が飲みたかった。それで父親に川に行くと伝え崖を降りた。
だが、その下には魔物が群れていたんだ。何十匹じゃない、何百匹だった。
一斉に僕に向けられる視線。僕は叫んだ「お父さん!」と。
急いで降りてきた父親は僕を守る為一生懸命戦った。もちろん僕も戦ったさ
でも、多勢に無勢、段々と押されていった。
そしてMPもHPもつきる頃、父親は言った「逃げろ」と。
そして最後のMPで僕にベホイムを放ったんだ。僕は走った。助けを求めに。
だが、助けが来た頃には父親はもう帰らぬ人になっていた。
僕はその場で、何回もザオラルを唱えた。でも生き返らなかった。」
勇者「そんな事があったんですか」
レン「それから僕は死にもの狂いで勉強し、レンジャー学校に入り
魔法の精度の他に弓矢の使い方をマスターした。
気が付けば山一番のレンジャーだった僕は、仲間が父親を殺したと思って
仲間を他人を見下し、貶し尊大な態度をとっている嫌な奴だった。
山狩りでも他人の言う事は聞かず、一人で行動した。
何か言われれば反対し、すぐに力の勝負事に持ち込もうとした。
ある日。近所のレンジャー学校の研修を山で行っていた。
僕はそれを横目に山に入ったがいつもと様子が違っていた。
新人レンジャーじゃ敵いもしない魔物が出現していたんだ。
高慢だった僕は一人で倒そうと考えていた。
対峙し、気が付いたときには地面に叩きつけられていた。
その時!声がしたんだ、レンジャー学校の生徒達だった。
みんな必死に魔物を威嚇し、僕から気をそらせようとしていた。」
勇者「それで…」
レン「中には覚えたての魔法を唱えてる子もいた。
僕に、この僕に必死になってホイミを唱えてるんだ…
その時思ったんだよ、自分がいかに愚かで馬鹿だったのかと…
僕はそれで自惚れに飲み込まれずに済んだんだ。
僕は学生達に走り寄り、すぐさまキメラの翼をかざした。
僕一人を残して皆移動されたよ…
そして一人で魔物と戦った。自惚れなく、自然に体が動いた。
気持ちは殺してやるではなかった。自分のテリトリーへ帰れという
願いだったのかもしれない。ただ言える事は…あの時救ってくれた
生徒たちに感謝しているという事だ」
レン「下らない話をしてしまったね」
勇者「いえ…」
レン「君は大丈夫だよ、自惚れや恐怖をコントロールすることだ」
勇者「出来ない時は…僕を…殺してください」
レン「殺しはしない…でも止めて見せるよ」
旅芸「パラディン君」
パラ「はい!」
旅芸「あれからロクサーヌには会ったかい?」
パラ「いえ…」
旅芸「そうか、可哀想に、会ってあげれば?」
パラ「そんな…僕はまだひよっこですし」
旅芸「立派な男だろう?」
パラ「僕は…自分に自信が無いんです」
旅芸「性的にって訳じゃないだろう?」
パラ「はい…僕は昔から自信が無くて…
親は僕の事を凄い大物みたいに言いますが、僕はそれに対して報えない。
気が小さくて、この討伐軍だって参加すれば家名にハクがつくからと
父上から言われ、でも僕は最初は行きたくなかったんです。
パラディンって言っても父上から勝手に与えられた称号ですし
軍隊の槍兵よりも下で、今まで訓練も何もしてこなかった。
毎日遊んで飲み歩いて、女の子に声かけてって…
知らない人たちと旅するのも苦手でいつ逃げ出そうか考えていました。
でも勇者をみたら「こんな自由な奴もいるんだ」って…
あいつの家は元々勇者一族として豪華な暮らしです、でもあいつは
馬鹿だけど、強くなって、皆から認められようとしている。
恥ずかしい話ですが、嫉妬してしまうんです。」
旅芸「君だって十分素質があるよ、この間だってちゃんと対処出来たじゃないか」
パラ「そんな事ありません。バトさんの背中にいつも隠れてて
行け!って言われないと動けなくて。それでも怖くて、怖くて…
内緒で何回も漏らしました。それを洗ってる自分が情けなくて…」
旅芸「考え過ぎだよ、俺も初めての時は漏らしたんだぞ!それも大きい方だ!」
パラ「まさか!そんな旅芸人さんがそんなはずないですよ!」
旅芸「いや、まじだ」
パラ「そうだったんですか!」
旅芸「だから俺より君のほうがマシだw」
パラ「なんか…ありがとうございます」
旅芸「一歩、一歩だよ、明日はまた早い、寝よう」
パラ「はい!!」
ゴソゴソ。
盗賊「さてと!そろそろみんな寝たかな」
ゴソゴソ。
盗賊「お、おぉぉぉ!この間賢者殿が買ったのは!」
ゴソゴソ。
盗賊「これは!こんなケシカランおパンティを!」
ゴソゴソ。
盗賊「聖職者たるものこんなものを履いてはいけません!!没収します!!」
賢者「もしもし!」
盗賊「ひゃぁ!」
賢者「あなたですね、いつも漁っているのは!」
盗賊「違います、違います、今日が初めてです!」
賢者「いいえ、嘘です!」
盗賊「はじめてです!」
賢者「(言い切りやがった)」
盗賊「なにも見てません!」
賢者「(開き直り!)」
賢者「相談があるのですが!」
盗賊「なんなりと!」
賢者「あの~恋ってしたことあります?」
盗賊「えー!賢者殿が恋ですか?」
賢者「いいえ、盗賊さんが恋をした事あるか聞いているのです」
盗賊「そうですねー行きずりの恋は何度かw」
賢者「え?行きずりとはなんですか?」
盗賊「(めんどくせー!)」
盗賊「えーっとですね、そのー女の子のいる店で~とか」
賢者「はい、肉便器なクソビッチの溜まり場ですね」
盗賊「(そんな言い方ねーだろうが!)」
賢者「そこでビッチと恋をしたと?」
盗賊「いえ、間違えました!そんな事実はありません!」
賢者「あーよかった、盗賊さんに限ってそう言うのはないと思ってたんですよ」
盗賊「なんででしょうか?」
賢者「えーだって、モテなさそうっていうか、脂ぎってるっていうか…」
盗賊「酷過ぎw」
勇者「あいつら仲良いね」
魔法「だね」
勇者「俺が暴走したらメガライヤー撃ちこんでくれよな」
魔法「うん、遠慮なく打込むよ」
魔法「死なないで…ね」
バト「ロマンスだねぇ~え~旅芸人よ!」
旅芸「そうか?」
バト「え?お前はほんと昔からロマンス無いもんな」
旅芸「え~そうか?w」
バト「まぁこれからは…厳しい話だが…」
旅芸「あぁ」
バト「誰かしら死ぬ…俺かも知れんしお前かもしれん」
旅芸「あぁそうだな」
バト「俺が死んだら、弟の隣に埋めてくれ」
旅芸「俺が死んだらな…メダルのおっさんに送ってくれ」
バト「もちろん、若い奴は死なせたくねぇ」
旅芸「先は判らん…だが、俺もお前もそして若いのも死なせん」
隣村 -朝-
村人「おはよーごぜーやす!」
村人「ゆうべはお楽しみでしたね」
勇者「誰がだよ!」
旅芸「よし!行くぞ!」
バト「今日は何処まで行くんだ?」
旅芸「レンジャー君!ガイド頼む!」
レン「はい、今日は山の中腹まで行き、明日登頂、きっとそこから魔王城が見えるでしょう」
レン「ここからは…未知の領域です」
旅芸「こころしてかかれ!行くぞ!」
パラ「ヤバい…死ぬかもしれないガクブル」
魔法「確かに…今までとは空気が違う様な」
賢者「怖いですね」
盗賊「僕とレンジャーさんが先に偵察行きますから大丈夫ですよ」
勇者「俺の身体…大丈夫なんだろうか…」
賢者「大丈夫ですよ!治してあげますから」
勇者「あ、あぁ頼むよ賢者」
賢者「(頼むよ!だなんて!頼られてる私ステキ!)」
テクテク。トコトコ。
バト「段々寒くなってきたな」
レン「この辺は特に雪の多い地域みたいですからね」
パラ「ガクガク。ブルブル」
魔法「ガクガク。ブルブル」
賢者「ガクガク。ブルブル」
魔法「こうなったら…と」
魔法「こうして、ああして、よし出来た!」
魔法「この中に…それ!メラ!」
ぽわわわ~ん。
パラ「あっ!暖かい!流石魔法さん!」
賢者「私だって!ほら!」
パラ「ん?何も起きませんね」
賢者「あれ?」
パラ「暖かくないですね、コレ」
パラ「もしかして…イオ系を閉じ込めたんじゃ…」
賢者「だめね。もう捨てる!」ポイッ!
ころん。。。。。。ドンッッ!
パラ「危ないじゃないですか!」
パラ「もし握ってたら…手首もげてた…」
賢者「私には無理ですよ~だ!」
魔法「(なんか拗ねてるな…)」
レン「この中腹辺りが寒いですが守りにも良さそうですね」
バト「ここに野営しようか」
旅芸「そうだな」
ブォォォォォ!ヒューーーー!
勇者「凄い吹雪になってきたな」
盗賊「この辺は魔物も多いしね、氷系の魔物の棲家なんだよね」
勇者「そうなのか、出なきゃいいけどなぁ」
ジリッ。ジリジリ…ヒタヒタ。ヒタヒタ。
盗賊「ん!」
バト「ん!」
レン「ん!」
勇者「これは!」
旅芸「お出ましだ」
魔法「きゃっきゃwきゃっきゃw」
賢者「ははははw」
パラ「うしししw」
バト「そこだ!」シュキン!
魔物「うがぁぁぁ」ゴボゴボ
パラ「わぁぁぁぁ!」
魔法「なに?何が起きたの?」
賢者「うー」
旅芸「敵の数が多い!賢者!全員にスクルトをかけろ!」
賢者「はっ!! スクルト!!」
ムムムム!ムム!
旅芸「魔法!炎系の魔法が頼りだ!温存しつつ撃ちまくれ!」
バト「行くぞ!若造!」
勇者「おぅ、おっさん!」
レン「ほぅ、珍しいゴールデンスライムだ」
盗賊「儲けにはなるかな」
賢者「きゃぁ!」
レン「あんこくまじんに足掴まれたか!叩き切るんだ!」
勇者「うりゃ!」ブツリ!
勇者「こっちだ賢者!」
賢者「(やばっ!今ので濡れたかも)」
旅芸「何匹だ?」
レン「8匹かと」
旅芸「ムチで蹴散らす、その後個別に叩き潰そう」
旅芸「いくぞ!」ビシビシビシ!
魔物「うがぁ~」
魔物「うおぉぉ」
バト「飛びやがった!くそっ!」
パラ「上は僕が!ここだぁぁぁ!」グサリ。
盗賊「後ろからよいしょっと…それ!」グサリ。
レン「一番最後列を狙うよ!」ヒュン!グサリ!
魔法「撃つわよ!メラゾーマ!!」
ぐるるるる… ドーン!
勇者「まだいる!」
賢者「ピオリム!!」
ムムムム!ムム!
バト「飛べ若造!」
勇者「おぅ!」ヒュン!
旅芸「そのまま突き刺せ!」
勇者「うおぉぉぉぉ!」
どしゅーん!
勇者「スライムだらけだwベトベトだよ」
盗賊「これにはコツがあるんですよ~あぁもう~Gまでスライムまみれだ」
レン「いい、剣捌きだね」
勇者「ありがとう」
バト「魔物の内臓だらけだ…くそ!臭って仕方がねぇ」
パラ「僕もです…」
バト「上空の魔物によく狙いがついたな、大したものだ」
パラ「う、うれしいです」
ヒタヒタ。ヒタヒタ。
旅芸「まだか…」
魔物「うがぁぁぁぁ!」
イエローサタン「こら、吠えるんじゃない」
盗賊「注意しないと…話せるのが相手だ」
魔物「うがぁぁぁぁぁ!」
イエ「黙れと言っただろう!」
イエ「こんばんわ、討伐軍一同様」
魔物「うがぁぁぁぁぁぁ!」
イエ「この馬鹿垂れがぁ!」ピシピシ
魔物「うぐっ」
イエ「失礼。こんばんわ諸君」
ヴァルハラー「どもども」
レン「二人と後ろの魔物相手じゃきついぞ…どうする」
盗賊「う~ん、爆弾岩を仕掛けておきますか」
イエ「先程は挨拶も出来ない部下が失礼した」
ヴァ「ほんとごめん」
イエ「私がこの山を管轄している魔王軍山岳師団長のイエローサタンだ」
ヴァ「私はその部下。ヴァルハラーです」
イエ「君たちは我が軍のテリトリーにて行動している事は御存じか?」
旅芸「あぁ、知っている」
イエ「それが敵対行為であることもか?」
旅芸「あぁ、申し訳ないがそう言う事だ」
イエ「即刻立ち去れと言っても戦いになるだけだな」
旅芸「そうだな…やるかやられるかだ」
イエ「どうだろうか?ここは明日まで休戦をしてはどうだろう?」
旅芸「休戦だと?ふっ、誰がそれを証明する」
イエ「それはお互い様だ。信じるもよし、信じないもよし」
旅芸「じゃ今日は枕高くして寝られるなw」
イエ「私の部下たちには一切手を出させない」
旅芸「信じられるか!」
イエ「その代り…君たちも手を出さないくれ」
ヴァ「できる?ん?出来ちゃう感じ?」
バト「判った…攻撃してこない限り手出しはしない」
旅芸「けれど、もし指一本でも触れたなら全力で叩き潰す。いいか?」
イエ「構いません。所で仲良くお酒なんて飲めないですかね?」
盗賊「何言ってるんだコイツ!」
ヴァ「いやいや、うちのボスね、酒好きで平和主義なんすわ」
パラ「出来れば殺したくない、戦いたくないという事ですか?」
イエ「もともと山岳地域は人間との棲み分けが出来てましてね」
イエ「こちらも入らない、人も入らない干渉地域があったんですよ」
イエ「ある日、人間の子供が迷い込んでですね、魔物の地域まで
来てしまったんですよ。ガラの悪い魔物は食べたり引きちぎったりしますが
私達はそんな野蛮ではありません。主食が氷ですから」
魔法「主食がかき氷!すごい」
イエ「そこで人間村に手紙を書きましてね。誘拐とかじゃないよ!
ちゃんと安全に預かって怪我はないよ!だから中間地点まで来てくれたら
襲ったりしないで子供を渡すよ。と。
そしたらですね!なんとびっくり!村人総出で来たんですよ!武器もなしに!
こりゃー私もビックリしましてね、お土産なんか頂いちゃってw」
賢者「そんな事があるんですね」
イエ「そのお土産に所謂お酒が入って居まして、これがオイシイのなんの!
また手紙で使いの者を出して買うから!ってね。それから少しずつですが
人間村と交流しましてね、今じゃ立派な貿易、取引相手ですよ!」
ヴァ「まぁ使いの者ってのは俺っちなんすけどね、あ!あごがとれそう」
盗賊「あ、ありえない…罠だ!」
イエ「う~ん。そう思う人もいますからねぇ~人それぞれ、魔物それぞれってね」
盗賊「俺の姉貴や弟はお前らに殺されたんだ!」
旅芸「落ち着け盗賊!」
盗賊「仲良く酒だと!ふざけるな!叩き潰してやる!」
旅芸「落ち着け!」
イエ「そうですか、そんな悲しい事がありましたか…」
イエ「私の弟も人間に殺されました。」
イエ「山で川遊びをしていただけなんですよ、危害もなにも加えてない」
レン「ま、まさか!」
イエ「私の弟をご存じで?」
レン「いや、ありえない!」
イエ「人違いだと、いやいや魔物違いだと良いんですけどね」
レン「あれは…いや…違う…」
イエ「まぁ詳しくは聞きません。それにもう戦いはコリゴリです」
イエ「多くの部下を失い、家族とも会えない日は続き、食料も何も届かず
飢えていく部下たちを見ていると心が痛い。」
旅芸「それはこちらも同じだ」
イエ「なら、何故戦う必要があるのでしょうか?どちらかを滅ぼす必要があるのでしょうか?」
盗賊「戯言だ!お前達は散々村を襲い、人を食い殺し、好き放題侵略した!」
イエ「もちろんです。それが戦争です。でも今日は…今日だけは戦いたくないなぁと思いまして」
ヴァ「俺っちもさぁ疲れちゃってさぁ」
イエ「酒を飲もうなんてのは冗談ですが、今日だけは休戦にしませんか?」
旅芸「わかった…背中から撃つようなことはしない」
イエ「そうですか!それは良かった!実はお酒も持ってきたんですけどね」
魔法「用意がいい魔物さんだこと!」
イエ「それが指揮官たる者の務めですから」
盗賊「今日は引いてやる、次会った時は容赦はしない!」
イエ「そうですね、次にお会いした時こちらも全力で戦います」
イエ「お互い会わないといいですね、でもそれもちょっと寂しいかなぁ~それでは」
イエ「敬意を表して頂いたお礼にお酒置いていきます、毒なんかはもちろん入ってません!」
イエ「それでは、御武運を!」
イエ「あっ最後に!いいですか?」
ヴァ「いいっすかね?」
旅芸「なんだ」
イエ「そのー、その剣を持つ君!」
勇者「俺か?」
イエ「失礼、勇者殿。私は特にあなたとは戦いたくありません」
勇者「どういう事だ!」
イエ「なんと言いますか…まだ強さに取込まれています、暴走癖と言いますか」
勇者「…」
イエ「本当の勇者になった時お会いしたいものです」
勇者「わかった…」
イエ「じゃ!失礼した」
ザッザッザッ。
勇者「変わった奴だな」
旅芸「ああいうのが厄介なんだ…」
勇者「やっかい?」
旅芸「あいつに…今話したあの戦いたくないという魔物にお前は剣を突き立てられるか?」
勇者「確かに…」
バト「そうだ、戦いたくないという相手を真っ二つに切る…確かにそれが戦争だ
だが、その戦争の中でも一番つらいのはああいう相手と対峙した時だ」
勇者「俺は…無理っぽいな」
盗賊「俺は…殺す!」
賢者「盗賊さん?」
盗賊「お、おぉこれは賢者殿、失礼しました」
パラ「僕も無理だ…気が引けてしまう」
旅芸「それを乗り越えろとは言わない、出来れば俺も会いたくないんでな」
チュンチュン♪
バト「あいつから貰った酒うめーのなんの!」
パラ「飲んだんですか!」
バト「毒は確かに入ってないが…」
パラ「ないけど?」
バト「強すぎる!胃が焼けるわ!」
旅芸「おかしなやつだ、まったくw」
レン「じゃ、山頂目指して行きましょう!」
テクテク、トコトコ。
勇者「バトのおっさん!」
バト「なんだ?」
勇者「あれ見て!あれ!」
バト「ありゃ、煙が出てるな」
レン「少し遠いがあそこは…魔物の村だ!」
レン「正規軍が攻めてるのか?」
旅芸「昨日のイエローサタンがいる所か?」
レン「いや、それとは正反対の村だ」
旅芸「どうする?様子を見に行くか?」
バト「俺は構わない」
魔法「私も構いません」
盗賊「ついて行きます」
サッサ、サッサ、サッサ。
小さい魔物の村
パラ「おえぇぇぇぇぇ!」ゲロゲロ
魔法「おえぇぇぇぇぇ!」ゲロゲロ
賢者「おえぇぇぇぇぇ!」ゲロゲロ
バト「吐くのも無理もない…凄惨だな」
旅芸「酷すぎる、ここの指揮官は誰だ!」
商人「あれ?またお会いしましたね」
旅芸「貴様か!」
商人「そんな怖い顔しないで下さいよ」
旅芸「即刻やめさせろ!」
商人「この村はまったくもって非協力的でしてね」
旅芸「虐殺をやめるんだ!」
商人「一応、私達パーティーも王様の許可を頂いてましてねぇ~ニヤニヤ」
レン「王国と魔王国両方にいい顔してるクズか…」
商人「なんと手厳しいお言葉、この村はしんかのひせきが取れるんですがね
なかなか取引に応じようとしない。更に私どもキャラバンに石を投げつけてくる。
そこで私は王様より許可を得まして、こうしてパーティを組み商売しに来た訳です。」
レン「商売じゃないだろう!これは虐殺だ!」
商人「いやですね~そういう言い方は。ビジネス的には「排除」って言うんですよ」
旅芸「最後の警告だ、これ以上はやめろ!」
商人「おやおや、脅しですか?魔物を目の前にして人間同士で殺し合いですか?」
勇者「それ以上やるなら、遠慮なくやるだけだ」
商人「ほっほっほっ!お互い王国の許可があるのにあえて争う事もないでしょう?」
盗賊「女子供ばかり殺しやがって胸糞悪いなお前、殺すぞ」
商人「逆にあなたたちが殺されちゃったりしてwテヘペロ」
商人「まぁたかだか8人に何ができると言うんですか!こっちは倍以上いるんですよ」
魔法「みんな逃げて!お願い逃げて!」
妖女イシュタル「はぁはぁ!やめて!」
パーティー員1「おぃ、おぃ待てよ~ニタニタ」
イシ「やめて!触らないで!」
パ2「いいじゃねーか、魔物と人間のコラボレーションしようぜwウヒヒヒヒ」
イシ「いやぁ!」ビリビリ
パ2「なんだよ、魔物の割にはいい身体つきじゃねかウシシシ」
イシ「あんたなんか殺してやる!」
パ2「おぃおぃ終わってからも同じ事いえんのかぁ~ジュルリ」
パ2「どんな子供が出来るのかなぁ~エヘヘヘヘ」
イシ「うぐっ」
パ2「生身の女と同じかなぁ~ヘヘヘヘ、今すぐ天国連れてってあげるからねぇ~ヒヒィ」
イシ「死ね!クサレ外道が!」
パ2「いいよ、いいよその顔!ウシシ 苦痛に歪む顔を早くみてぇんだよ~ククク」
イシ「や、やめろぉぉぉ!」
パ2「あがぁぁぁぁぁ」ピクッピクッ
勇者「大丈夫か」
イシ「はい」
勇者「これ毛布…」
イシ「はっ!///」
勇者「早く逃げて!」
パ1「おぃおぃ、うちの戦闘員に何してくれちゃってる訳おまえ!」
勇者「お前達は魔物を犯すのか?」
パ1「そんなの冗談に決まってるだろ!だがな良い事教えといてやる!」
勇者「なにを!」
パ1「あのイシュダルはな、人間とほぼ構造がかわんねぇんだよ、判るかその意味?」
勇者「貴様…」
パ1「てーことはだよ?な?な?わかるだろ?童貞かお前w」
勇者「…」
パ1「そうか!童貞か!初めてが魔物ってもの記念にはいいかもなぁ」
パ1「どうだ?一人捕まえて3人で楽しんじゃうってのは!いい考えだろう?フヘヘヘヘ」
パ1「この間のイシュダルは最高だったぜ!泣き喚きながらだから余計興奮しちまうキャキャ」
勇者「やめろ、これ以上はやめるんだ」
パ1「あぁもう一つ教えといてやる、俺の剣ははえぇよ!」シュパ!
勇者「(遅っ!!)」
パ1「今のは運が良かっただけだがなw行くぜ童貞!」シュパシュパ!
勇者「(遅すぎワロタw)」ヒョイヒョイ
パ1「てめー馬鹿にしてんのか!」
勇者「ちょっと待て!人と戦うには許可がないと切れない!」
パ1「戦場に許可もなにもあるかよ!」シュパ!
旅芸「あれを見ろ!」
商人「あぁおたくの勇者君ももう終わりですね」
旅芸「一つ聞く、俺は人は殺したくない。これ以上やるなら交戦許可を出す。」
旅芸「その際死人が出ても文句は無いな」
商人「死人?はっはっ!8人の死体ですか?そりゃ凄い!どうぞご自由に」
旅芸「よし判った、バト!」
バト「ピーフィ!!」クチブエデス
勇者「いくぜ!」シュパ!
パ1「な、なに!」
パ1「うがぁ腕がぁ」ボトッ
魔法「砕け散れ氷柱と共に!マヒャド!!」
パ3「わっ!なんだ!これは!うがぁぁ」
パ4「に、にげろ!うわぁぁぁ」
魔法「逃がさない!降り注げ氷の刃よ!ヒャダルコ!!」
パ4「うがぁぁぁぁぁ!」ガクリ。
賢者「頭に来てます!女性をおもちゃにするなんて許せません!」
パ5「お嬢ちゃ~ん、僕たちといいことしない?w」
パ6「胸大きくしてあげるからぁぁヒャッヒャッ」
賢者「神よ!今ここに集いたまえ!イオナズン!!」
ゴゴゴゴゴゴ。ちゅどーん。
パ5「あっつ!あっつ!うわぁぁぁ」
パ6「馬鹿な!そんな貧乳に出来る訳がない!うぎゃあぁぁぁ」
盗賊「お前1週間寝込んでみるか?」シュパ
パ7「うるせーよ馬鹿…ん?」
パ7「あっ痺れて動け…ない…」
盗賊「後ろから刺される気分はどうだ?なぁ?」
パ7「やめてくれ!悪かった!謝るから!やめてくれ!」ブクブクブク
盗賊「なんだよ、泡吹いて気絶してやがる」
パラ「いくら魔物と言ってもまだ子供だぞ!」
パ8「はぁ?カッコつけんなキザ野郎!」
パラ「串刺しにしてやる!」シュンシュン。
パ8「簡単に避けられる槍なんて意味ねー!!んだ?よ…うがぁ」
パラ「さみだれづき!」
バト「さぁはじめようぜ」
パ9「うるせぇよ木偶の坊」
パ10「でけぇだけの能無しめ!」
バト「御託はいいさっさと掛ってこい!」
パ9「いくぜ!」シュパン!
パ10「どりゃ!」シュパン!
バト「遅い!」ブルン!
パ9「うきゃぁぁ、くっ脚が!」バタバタ
パ10「ぐがぁぁぁ、手が…取れ…」ピクピク
レン「レディによくもそんな酷い事を…」
パ11「ははは、お前も参加してーだろ?」
パ12「おかまか?おめーついてねーんだろ?」
レン「これ以上話ししても無駄な様だな」シュンシュン!
パ11「いっぺんに…2本の矢を…あがぁぁ」
パ12「見えない…早すぎる…ががぁ」ガクッ
旅芸「俺は指揮タイプなんであんまり戦わないんだがな」
パ13「うるせぇよ!ビビってんじゃねーのか?あぁ?」
パ14「返り血浴びてやんよ!」
パ15「ボッコボコにしてやんよ!」
旅芸「あんまり人間相手には使いたくないんだが…」
旅芸「風神が分け与えし風!バギクロス!!」
びゅーーーーーー。
パ13「わっ!わっ!身体が浮いて!あ!ぁぁぁ」ヒューン
パ14「に、にげろ!わぁぁぁ」ヒューン
パ15「ダメだ…」ヒューン
商人「ひ、ひぃぃ」
商人「あっ、8人さんに給料弾みますから!是非お願いしたい!」
バト「おせーんだよお前!」
レン「仲間たちは重症だがなんとか大丈夫そうだが、あれ?一人はダメかな」
レン「街の病院前までルーラさせとく」
レン「これでよし!と。キメラの翼を握らせてと、3.2.1それ!」ヒューンヒューン
商人「そんな、私はどうなるのですか!」
旅芸「お前はあいつの相手だよw」
破壊の女神フォロボシータ「先程から見ていたが…すまない旅の者」
商人「ひぃ、ひぃぃぃ!」
フォ「貴様…私の可愛い娘たちをだいぶいたぶってくれたようだな」
商人「ちがいます!、ちがいます!絶対違います!」
フォ「そうか、違うのか?」
商人「人違いです、はい、間違いなく人違いです!」
フォ「そんな小細工が効くと思っているのかお前は!」
商人「ひ、ひぃぃぃ!」
フォ「旅の者、助けてくれてありがとう。お主らとは剣を交えたくないものだ」
旅芸「そうだな」
フォ「あやつは殺さないが、こちらで引き取ってよいか?」
旅芸「構わん、好きにしてくれ」
商人「そんな!助けてくださいよ!ちょっと!」
盗賊「あんだけ酷い事しておきながらどの口が言うんだ?」
フォ「フフフフ、生気が無くなるまで搾り取ってそれでも生かしておく」
パラ「じ、地獄だ…」
フォ「地獄?むしろ快楽だ。毎晩私が相手だ、死ぬまで、いや死してもなおだ」
パラ「(絶対むり!死んでもむり!)」
盗賊「(俺も無理!臭そうだし!)」
旅芸「(流石に俺も無理!立つのかよ!)」
バト「(くぅー羨ましい拷問だぜぇ~くぅー)」
賢者「(毎晩って…私も勇者さんと毎晩…なんてウフ)」
レン「(母さんに似てる…無理だ)」
魔法「(毎晩快楽…毎晩快楽…毎晩快楽…)」
商人「いやだ!帰りたい!やめて!助けて!」
フォ「お前はそう泣き叫ぶ娘たちに何をした?許したか?」
商人「うわぁぁぁぁん、帰りたいよおぉぉぉ」
フォ「さぁこっちにこい」ドッコイショ
商人「20万G出します!助けて!50万Gでもいいです!」
旅芸「自業自得だ、もう奴は終わりだ」
レン「地図からこの村は消しておこう…人のエゴが強すぎる」
旅芸「そうだな、行こう」
テクテク。タカタカ。テクテク。
頂上。
勇者「疲れた!登りきつーー!」
レン「ルーラ使えば良かったね」
勇者「それ…早く言わないと…」
バト「見えたぞ…あれが魔王城だ」
勇者「でかい!王国の城の3倍はある!」
旅芸「後は下りだ、少しは楽だな」
バト「ところで…どうやって攻める」
旅芸「正直攻めようがない、鉄壁だ」
レン「上空からならなんとか…」
バト「俺は飛べないからなぁ」
レン「みんな飛べませんよw」
テクテク。テクテク。
盗賊「この辺からかな…感知装置がついてるはずです」
勇者「そんなものあるのか?」
盗賊「はい。以前に聞いた話では魔物の目を魔法で復活させ繋ぎ合わせるとか」
勇者「おえっ」
盗賊「なので、この手前で野営しましょう、火は使えないですが」
盗賊「僕が一通り感知装置を潰してきます」
旅芸「よし、周辺を偵察。魔物には気を付けるんだ」
ガサ、ガサガサ、ガサガサ。
スライム1「よぉお前!」
スライム2「何してんだ?」
スライム3「ねぇ構えよお前!」
スライム4「話を聞け!」
勇者「なんだ?弱そうな奴らだなw」
スライム5「弱いだと?」
スライム6「確かに弱いな」
スライム7「ぼよよ~ん」
スライム8「ぼよよ~ん」
勇者「わっ!ぼよよんするな!」
勇者「戦うのか…」
スライム1「戦わないよ」
スライム2「痛いのやだし」
スライム3「何しに来たの?」
スライム4「魔王に会うの?」
スライム5「魔王いうなよ、魔王様だろ」
スライム6「ぼよよ~ん」
スライム7「あそぼーぜー」
スライム8「ぼよよ~ん」
勇者「だから、わっ!やめろ!ぼよよんするな!」
勇者「なんなんだこいつらは!」
スライム1「僕らは」
スライム2「偵察」
スライム3「スライム!」
スライム4「特殊部隊!」
スライム5「シャキーン!」
勇者「特殊部隊?」
スライム6「これから」
スライム7「指揮官に」
スライム8「報告するんだ」
勇者「そうはさせるか!」
スライム1「はっ!!」
ぽよん、ぽよん、ぽよん、ぽよん…
勇者「おぉ!スライムがタワーに!」
スライム1「スライムタワー!」
勇者「崩れそうだけど」ツンツン
スレイム3「あっやめろ!不安定なんだから!あっ」
ひゅーん、ひゅーん、ぽよんぽよん。
勇者「いたた!振って来るな!いたい、いた!うわぁ!うわわ!」
スライム5「ぼよよ~ん」
スライム8「じゃーねーまた遊ぼうね~」
ぴょん、ぴょん、ぴょん。
へなへな…
勇者「い、いま!スライムの特殊部隊と会った!」
魔法「そんなのいる訳ないじゃない!」
勇者「ほんと!偵察特殊部隊だって!まじで!」
魔法「それなら空を飛ぶでしょ普通は~」
勇者「本当なんだって!」
魔法「夢よ夢w」
旅芸「なに!スライム特殊部隊だって!」
勇者「はい」
旅芸「それはまずい…」
勇者「え?」
旅芸「彼らは確か…城の警護隊長直轄だ」
勇者「え、えぇ!」
旅芸「来るぞ…今夜、みんな集まれ!」
バト「特殊部隊?」
盗賊「警護直轄か…今夜くる!必ず!」
旅芸「周辺に罠を張り巡らせよう、盗賊君とレンジャー君に指導してもらう」
レン「盗賊君は爆弾石と落とし穴で、僕はまもりのきりとオオカミアタックでなんとか」
魔法「私もメラミを埋めとく」
賢者「私はイオラを大量に!」
旅芸「よし、空いてる者は手伝うんだ!」
勇者「魔法!手伝うよ」
魔法「ありがと」
勇者「あっ」
魔法「(手が触れた!やばぁ!!)」
盗賊「ちょっと!ちょっと!バトさん落とし穴掘り過ぎですよ」
バト「え?浅くないか?」
盗賊「いえ、深さじゃなくて数ですよ、これじゃ味方も落ちちゃいます」
バト「そうか…」
賢者「うんしょ、うんしょ」
パラ「ここ辺りでいいですか?」
賢者「うんしょ、うんしょ」
パラ「(聞いてねぇ…)」
パラ「け、賢者さん?」
賢者「うんしょ、うんしょ」
パラ「(1箇所に!!20個も埋めてる!)」
賢者「うんしょ、うんしょ」
レン「この辺でいいかな」
旅芸「そうだな」
レン「じゃぁもう1個あっちだな」
旅芸「なぁレンジャー」
レン「ん?」
旅芸「今回の戦い、越えられそうにない気がする」
レン「指揮官が弱気な」
旅芸「魔王軍は強大だ、たかだか8人では無理がある」
レン「奇襲しか方法は無いですね、真正面で張り合えば押される」
旅芸「その為には見取り図がいる!」
レン「そうですね、でも流石に僕でも魔王城の地図は無理です」
旅芸「敵から聞きだすか、拷問は好かんが…」
レン「まずは今夜を凌ぐしか方法は無さそうですね」
旅芸「あぁ、そうだな」
旅芸「集まってくれ」
旅芸「いいか、仲間とはぐれるな、回復は各自早めに」
旅芸「今夜必ず奴らは来る!死ぬな!いいな!」
シーン。
ヒソヒソ。
レン「もし僕が無事に帰れたら、広大な牧場と山の裾野に家を建てて」
魔法「いいですね、夢があって」
レン「そこで一緒に暮らさないか?」
魔法「え?(え、えぇ!二股だし私!)」
レン「あはは、忘れてくれ。突拍子もない事を言ってしまった。」
魔法「はは…(悩むー!イケメンレンジャーと馬鹿な幼馴染悩むー!)」
ヒソヒソ。
勇者「なぁパラディン。」
パラ「なんだい」
勇者「最初から突っかかって悪かったな」
パラ「僕こそ田舎者なんて言ってごめんよ」
勇者「お互い生きて帰ろうな」
パラ「僕はダメかもしれないな」
勇者「そんな事言うなよ」
パラ「僕は君に比べればすごく弱いし」
勇者「そんな事無い!君は俺なんかよりも心が強い!」
パラ「まぁ…お互い頑張ろうね」
パラ「ただ、僕が死んだときは、王国でおっきいパレードしてもらいたいなぁ」
勇者「大丈夫、死なない…」
ガサ、ガサガサ、ガサゴソ。カサカサ。
旅芸「来たぞ…」
旅芸「まだだ、まだ動くな」
ゲルニック将軍「この辺りに隠れている者共!」
ゲル「私は魔王軍、魔王城警護部隊のゲルニック将軍だ!」
盗賊「あいつはヤバイ!」
ゲル「殺しはしない!速やかに投降しろ!国に帰してやる」
ゲル「しかし、少しでも刃向かえば皆殺しとする!」
ゲル「今から10分やろう、いいか、慎重に考えろ」
ゲル「私の後ろには100体近い狂暴な魔物が控えている、逃げられると思うな」
バト「一人12体かそこらだろ?いっちょ暴れてみるか?」
盗賊「あいつは凶悪すぎる!魔物の中でもとくに有名なやつだ」
レン「同胞ですら恐れると言うあのゲルニックか!」
旅芸「当初はあいつが魔王だと思われていたんだ!」
旅芸「よし、引け!少しずつ後ろへ下がれ!」
旅芸「レンジャー!準備はいいか?」
レン「高い木なんで大きく視界が開けてます!」
旅芸「盗賊!勇者!」
盗賊「爆弾石もセットおっけ!」
勇者「盗賊と側面から切り込みます」
旅芸「バト!パラディン!いいか」
バト「あぁ、いつでも」
パラ「なんとか…」
旅芸「魔法!陣は張ったか!」
魔法「はい!」
旅芸「よし、いつでも撃てるようにしろ!」
旅芸「賢者はいるか?」
賢者「はい!」
旅芸「よし、俺について的確に回復系を撃つんだ、いいな」
賢者「はい」
ゲル「ほほぅ、我らに盾突く気か?馬鹿者め」
ゲル「あと1分だ。さてどうなるかな?クックックッ」
ゲル「あと30秒…」
ゲル「20…」
ゲル「10…」
ゲル「5.4.3.2.1…愚か者めが!」
ゲル「もの共!八つ裂きにしろ!生きて返すな!」
魔物「うごがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ドドドドドドドド!
旅芸「来たぞ!」
レン「さみだれうち!」ヒュンヒュンヒュン
魔物「うぎゃ!」プス
魔物「なぁ!」プス
魔物「あぁ!」プス
ちゅどーん!ちゅどーん!
魔物「うがが」
魔物「うぎー」
ちゅどーん!ちゅどーん!
盗賊「おっ!爆弾石いいですね」
ゲル「無駄な事だ、ハハハハハ」
ボム!ボム!ボム!
魔物「うぎぎ」
魔物「あおー」
ボムボムボム!
魔法「メラミ爆弾どうよ!」
ゲル「ほほぅ、やりおる」
どーーーーーーん!どーーーーーん!
ゲル「なに?なに?爆発でかくね?」
どーーーーーーん!どーーーーーん!
賢者「入れすぎたかな…」
パラ「やっぱり賢者さんの爆弾でかすぎ!」
旅芸「突破してくるぞ!」
バト「数は減ったか?」
パラ「よく見えないんですが、だいぶ黒い影は減りました」
勇者「だいぶ倒したね」
盗賊「イヤ、まだだ、魔王軍はこんな数じゃない」
魔法「撃つわよ!メラゾーマ!!」
賢者「行きます!スクルト!!」
旅芸「敵の動きが速い!行けバト!」
バト「行くぞ!パラディン!俺の後ろなら死なない大丈夫だ!」
パラ「はい!いきます!」
盗賊「僕たちもいきますか…」
勇者「そうだね、なぁ盗賊」
盗賊「なんですか?」
勇者「俺が暴走したら…殺してくれ」
盗賊「えぇ、遠慮なくw」
勇者「助かるよ」
バト「うりゃぁ!」ドサリドサリ。
パラ「わぁぁ!」シュンサクサク。
勇者「うおぉぉぉぉ!」シュパシュパ!
盗賊「それ、ほほいのほい!」ドサドサドサ
ガサガサ!
魔物「うぅ?うひひ、賢者か?おごぉぉ!」
旅芸「ダメだ、お前らには触らせん」ピシ!
魔物「う、う、うがやぁぁぁぁ」ピクピク
勇者「魔法が砲台になってていい感じだ!」
盗賊「だめだ!あれじゃ狙われる!今すぐ行くんだ!」
勇者「わ、わかった!」
ゲル「あの魔法砲台を潰せ!!」
魔法「調子がいいわ!ほら!メガライヤー!!」
ガサガサ。
魔物「忌々しい魔法砲台はここか!」
魔物「食ってやる!頭からなウシシシ」
勇者「そうはさせるかよ!」シュパ。ドサ
魔法「勇者!」
勇者「俺の事はいい、早く撃つんだ!」
魔法「よくも!ここまで来てみなさいよ!イオナズン!!」
魔物「うじゃぁ」ドス
魔物「うきゃぁ」ドス
ゲル「くっ小癪な!小娘め!」
ゲル「食らえ!バギマ!!」
ひゅーん、ひゅーん。ぼごぉ!
魔法「あんな遠距離から!凄い魔力だわ」
ゲル「ちっ!外したか!」
ゲル「MP使い果たすまで撃ちこんでくれるわ!バギマ!!バギマ!バキマぁ!!!」
魔法「きゃぁぁ」
勇者「魔法!しっかりしろ!」
魔法「大丈夫!反撃するわよ!」
賢者「旅芸人さん!!」
旅芸「大丈夫だ、かすり傷だ、はぁはぁ」
旅芸「さぁ来い!魔物ども!賢者には指一本触れさせん!」
魔物「うがぁ!」
魔物「こーろーすぅー」
賢者「今ベホイムします!」
旅芸「後だ!魔法に打込まれてる攻撃呪文を!あれを何とか…ぐふっ」
賢者「はい!マジックバリア!!」
賢者「敵が多すぎます!」
旅芸「大丈夫だ、君なら出来る!呪文を複合させろ」
賢者「ど、どうやって…」
旅芸「考えるんだ」
賢者「はっ!!そうか!!」
旅芸「うぐっ!くぅそぉ!俺はここだ!俺を狙え!」
魔物「うぴー!」
魔物「うひゅー!」
賢者「神の言葉…受け入れよ魔物達よ!ディバインスペル!!」
魔物「?」
魔物「はにゃ?」
旅芸「いまだ!」
賢者「炎の神より授かりし力今解き放たん!イオグランデ!!」
ふごぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ゲル「な、なんだと!」
ドッドッドッドッ…
ゲル「まさかここまでとは!」
魔物「あっつ!あっつ!うがぁ」
魔物「ひゃーうききー」
旅芸「ふぅ…」
賢者「ベホイム!」ホワン
魔法「賢者ちゃんありがと!」
魔法「にゃろー!何発も撃ちやがって!ごらぁ!マヒャドデス!!」
勇者「(こんな言葉使いだったか?)」
レン「あっ揺らすな!木から落ちちゃうだろう!」ユラユラ
魔物「ゆらゆら!」
魔物「おちろー食う食う」
バト「待たせたな!レンジャー」ギャリン!
魔物「うぎゃ!」ドサ
レン「あぁ!」ヒューン、ドシン!
レン「木ごと根こそぎ切る事無いでしょ!」
バト「すまんw」
盗賊「あらかた片付きましたね」
パラ「ううううっ」
盗賊「どうした!パラディン!しっかりしろ!」
盗賊「くそっ!背中に弓矢が刺さってる!」
バト「抜けるか?」
盗賊「ダメだ、これを抜いたら即呪文じゃなきゃ間に合わん!」
レン「大丈夫だ!落ち着け、いいか、盗賊が抜くと同時に僕がベホイムをかける」
バト「大丈夫だ!しっかりしろ!」
盗賊「判りました、いいですか… 3.2.1」ボシュ
レン「ベホイム!」ホワン
パラ「うぐぐぐっ!」
バト「よし!大丈夫だ!助かるぞ!」
ゲル「なかなかやりますね。でもこれで終わりじゃないんですよ皆さん」
旅芸「な、なに!」
ゲル「だから言ったでしょ、降伏しなさいって」
ゲル「もう一度同じ規模で攻撃されたら耐えられますか?クッククク」
盗賊「な、なんだと」
ゲル「はっはっはっはっ!さぁもの共!殺戮しろ!」
魔物「ききー!」
魔物「うごぉぉぉぉぉぉぉ!」
ゲル「その前に、貴女はとても邪魔なので、死んでください!」
ゲル「メラミ!!バギマ!!」
ちゅどーーーーん。
魔法「うわぁっぁぁぁ」
勇者「魔法!!!!」
ゲル「それに部下達がやられるのも防がないとね、マホカンタ!!」
ゲル「さぁこれで対等かな?wウフフフ」
魔法「はぁはぁ…」
勇者「しっかりしろ!」
魔法「ヤバいか…も…」ガクッ。
勇者「待ってろ!今すぐ生き返らせてやる!」
ゲル「そんな事はさせませんよ!いけ!!!」
れんごくまちょう「キキー!」バッサバッサ
勇者「うがぁ!」ガシッ!!
勇者「待て!何処に連れてくんだ!」
ゲル「遠くの山にでも捨ててきますかね、カッカッカッ!」
レン「バードショット!!」
れん「うぎゅ!」ヒラヒラ
ゲル「余計な事しおって!!どりゃ!」
レン「うわぁ!」
ゲル「まぁ…木の上だしまぁいっか」
勇者「お前どこまで糞野郎なんだ」
ゲル「お褒めの言葉と受け取っておきますホホホホ」
勇者「殺してやる!首ごとねじ切ってやる!」
ゲル「やれるもんならいつでもどうぞ!」
勇者「うおぉこわぁぁぁ!」
賢者「いけない!勇者様の感情が!」
旅芸「落ち着け!落ち着くんだ!」
ゲル「さぁ!行きましょう!殺戮の世界へ!」GO!
魔物「うぎゃぁぁぁぁ!!!」
魔物「肉!にぐぅ~」
勇者「殺してやる!叩ききってやる!」シュパシュパシュパ
盗賊「速い!速すぎる!」
旅芸「くそぉ!、バトいったん戻れ!」
バト「おぅ!」
旅芸「体勢を立て直して再び攻めるぞ!」
勇者「お前か!お前が指示したのか!」
ゲル「あら、けっこうヤバいかも」
ゲル「もの共!あいつを蹴散らしなさい!」
魔物「うきゃー!」
魔物「うぐぐー!」
勇者「邪魔だ!!!」シュパシュパ
ドサッ、ドサッ。
旅芸「勇者の援護だ!廻れ!」
旅芸「パラディン!魔法を助けに行ってくれ!」
パラ「はい!」
旅芸「バト!!賢者に背中に乗せろ!」
バト「いいぞ!乗れ!」
バト「これで移動砲台だ、撃ちまくれ!」
賢者「では遠慮なく」
賢者「う~ん、何撃とうかな!ドルマドン!!」
魔物「う…ううう…」
魔物「うぎゃぁぁぁ」
ドサッ、ドサァ
レン「僕もしばらく呪文使ってないからなぁ」
レン「周りからは使えない奴と思われてるんだよね」
レン「って思ったけど使える攻撃呪文ないんだよね」
盗賊「(なら言うなよ!俺なんて一つも無いんだぞ!)」
勇者「へへへ、お前か!」
勇者「魔法を殺したのはお前だな!」
ゲル「え?忘れました」
勇者「苦しみもがきながら死ね!」シュパ
ゲル「うがぁ」ドサリ
勇者「どうだ?片腕がもげた感想は?ん?」
ゲル「外道め!」
勇者「うるせーなー」シュパ
ゲル「うがぁ」ドサリ
勇者「これで飯食う腕が無くなったなぁ鳥さんよ」
ゲル「一思いに殺せ!」
勇者「いいや、殺さない。」シュパシュパ
ゲル「うごるぁぁぁ」ドサリドサリ
勇者「これで歩くことも出来なくなったなぁヘラヘラ」
ゲル「うがうが」
勇者「もがくなよ、鎧が汚れるだろ!」
ゲル「ぐぐぐ!殺せ!」
勇者「ははははは!はははははは!」
ゲル「く、狂ってる」
旅芸「だめだ!奴は生かしておくんだ!」
レン「じゃないと内部の構造が判らない!」
パラ「よいしょ!よいしょ!」
パラ「いた!魔法さんだ!」
パラ「ぐぐぐっ!おもたいな!」ムニュ
パラ「ごめんなさい!ごめんなさい!胸触るつもりなんて無かったんです!」
パラ「ん?そっか、今は死んでるんだもんな…」
パラ「ムニュ…」
パラ「ムニュムニュ…」
パラ「ムニュ!…はっ!僕はなんてことを!」
パラ「さぁ仲間の元へ行きましょう!よいしょっと」
魔物「うけけ、やっぱり馬鹿が取に来たぜ!」
パラ「くそぅ!来るな!向こう行け!」
魔物「そうはいかねぇ、お前ら殺せば俺は褒美も貰えるしな」
パラ「ちょっと待ってて下さいね」ムニュ
パラ「さぁ掛ってこい!」
魔物「甘ちゃんだ」シュン!
パラ「うがぁ!」
魔物「俺が褒美を独り占めだヘヘヘ」
パラ「どりゃ!」ヒラリ!
魔物「どこ見てんだよ愚図め!」ヒュン!
パラ「うごぉぉ!はぁはぁ」
魔物「もう終わりか?おぃおぃもうちっと骨のある奴かと思ったんだがな」
パラ「さぁ来い!けものづき!」ヒラリ!
魔物「遅いよ、遅いよ、攻撃ってのはねこうだよ!」シュシュン!
パラ「げほぉぉ、うぐぁ…はぁはぁ」
パラ「まだだ!来い魔物め!」
魔物「うへへ、雑魚が頑張っちゃってさぁ」ヒュン!
パラ「ぼかぁぁぁ…これまでか…はぁはぁ、でも…みんあの足手まといには…」
パラ「旅芸人さんが僕に任せてくれたんだ、ここで止まる訳にはいかない!」
パラ「うぉぉぉぉぉぉ!」シュン!
魔物「え?早くなった?」
パラ「魔法さんも僕も…仲間の元に帰るんだ!!うおぉぉぉぉぉ!一閃づきぃぃぃ!」ズブリ!
魔物「う、うがぁぁぁぁぁ」
パラ「はぁはぁ、引きずってでも帰りますよ魔法さん!」ムニュ
盗賊「パラディンだ!」
バト「賢者!はやくザオリクを!!」
賢者「はい、いますぐ!御霊よ今一度戻りたまえ!ザオリク!!」
盗賊「だめかっっ!」
パラ「魔法さん!」
魔法「ん?むむっ!魔物か!メラゾーマ!!」
盗賊「うわっ!あぶね!」
バト「わっ!あっつ!あっつ!」
盗賊「まずいです!パラディン君が!」
賢者「はい!神をも癒す純白の精霊達よ!今ここに来たれ!ベホイム!!」
パラ「う、ううう」
盗賊「大丈夫?!」
パラ「胸が…ムニャぁ~柔らかくて…ウフフフ」
賢者「今のは魔法ちゃんには言わない事にしましょう」
盗賊「そうだな…(胸か!くぅ~)」
旅芸「やめろ!殺すんじゃない!」
勇者「最後の言葉を聞いてやる、言え!」
ゲル「ぐぐぐっ…魔王様はお強いぞ、フフフ苦しむ姿が目に浮かぶわ!!!」
勇者「そうか?じゃ死ね!」ズブリ!!
レン「やめろーー!」
勇者「はっ!!!お、おれは…」
レン「間に合わなかったか…」
勇者「俺は何を…」
レン「怒りに飲み込まれたんだ、将軍をなぶり殺しにした」
勇者「そんな!」
レン「目の前の奴を見て見ろ!」
勇者「う、うう、そんな…また幌馬車の時と同じだ…」
レン「休め、少し休むんだ、いいな」
旅芸「なんとかしのいだが…あのレベルが何体も出てきたら敵わないな」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
魔王「そうか、ゲルニックを倒したか…」
謎「はい」
魔王「お前も気になるか?」
謎2「いえ、私には関係ない事でございます」
魔王「嘘をつくな、顔に出ているぞ」
謎2「夕食の用意が御座います、失礼します」
魔王「まったく、くえない奴だなフッ」
魔王「何の用だ?」
謎1「はい、次は誰を向かわせますか」
魔王「お前が行きたいのか?」
謎1「いえ、まだお城には強いお方が何人もいらっしゃいます」
魔王「そう謙遜するな、お前ほど腕の立つ奴もおるまい」
謎1「ありがいお言葉で御座います」
魔王「もう少し様子を見たい、ここまで来るようなら大したものだ」
謎1「魔王さまに万が一の事があれば大変な事でございます」
魔王「案ずるな、私に負けは無い」
謎1「ごもっともでございます」
魔王「下がってよいぞ」
謎1「失礼致します」
魔王「フフッどいつもこいつも食えん奴だ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
盗賊「城壁が高すぎる」
レン「それに城門も見当たらない」
盗賊「やつらは何処から来たんだ?」
レン「どこかに大きい城門があるはずなんだが…」
盗賊「シッ!!」
レン「んっ!」
盗賊「火が見える!」
レン「たき火か?」
盗賊「むむむ!女が一人…」
レン「こんな所で何をしている!」
盗賊「なんだこの匂いは…」パタン
レン「ダメだ!嗅いではいけない!幻術に嵌ってしまう!」コテン
呪幻師シャルマナ「あら、あら、人間GET!だわ」
シャ「可愛い男が2匹も取れたウフフ」
シャ「さっそく目玉から頂こうかしらウフフ」
シャ「いや、待つのよシャルマナ!考えるの!目玉じゃなくて…」
シャ「そうね!今日は耳にするわ!ジュルリ」
盗賊「う、う~ん」
レン「うむむ」
盗賊「レンジャーさん起きて!」
レン「OK、大丈夫だ」
盗賊「あいつなんか一人で話してる」
レン「魔物にしては人間っぽいな」
盗賊「前の妖女イシュダルと同じ系統かな?」
レン「油断は出来ないね、幻術は怖い」
シャ「あら、お目覚め?」
シャ「あんまりもがくと余計縄がくい込むわよ」
盗賊「うぐっ!」
シャ「どっちを食べようかしらねぇ~」
シャ「イケメンにしようか、油ぎってるやつにしようか…」
盗賊「うるせぇ!!」
シャ「生意気だからあなたからね、イケメンは後でゆっくりウフフ」
盗賊「おぃ!俺を食べる?笑わせるな、お前を食ってやるよ!」
シャ「いいわ!いい!その刃向かうパワーを私に頂戴!」
盗賊「でもお前は硬そうだからな、思いっきりガブっと行くぜ!」
シャ「あぁ!堪らない!!お願い噛んでみて!ほら!」クネクネ
レン「なんだかあいつ様子が可笑しいぞ」
盗賊「うん、僕が挑発するとなんだか変に感じるみたいですね」
レン「面白そうだな、もっと言ってみてよ」
盗賊「はい」
盗賊「おぃ!糞ビッチ!がんがん攻めてアヘ顔にすんぞ!」
レン「(アヘ顔って…)」
シャ「ステキ過ぎるわ!アヘ顔にして!はやく!」クネクネ
レン「お、おぃ… アイツ…一人でなんかしてないか?その…性的な意味で」
盗賊「こっち向いてやれよ!見せて見ろ!肉便器!ダブルピースしてみろ!」
シャ「あぁぁぁぁぁ!凄すぎ!」ダブルピース
シャ「もうイケメンの方はいらないわ!あなただけいればそれでいい!」
盗賊「レンジャーさん、隙を見て逃げて!」
レン「お、おぅ、応援呼んでくる!」ヒョン
盗賊「そんなに見て欲しいなら縄を解け!逃げないから!」
盗賊「(縄はとっくに切ってあるし、近づいたら殺すか)」
シャ「お願い!もっと罵倒して!責めて責め抜いて!」
盗賊「罵倒してやるからこっちこい!」
シャ「あぁ!最高よ!」クネクネ
盗賊「よし!全部脱げ!話はそれからだ!」
シャ「はい」ヌギヌギ
盗賊「エロい身体しやがって!尻だせ!お仕置きしてやる!」
シャ「はい、お願いします!」パシーン、パシーン
盗賊「どうだ!もっとか!」
シャ「もっとお仕置きお願いします!」パシーン、パシーン
シャ「あぁぁひぃぃぃぃ」
シャ「(あれ?なんでお尻叩けるのかしら?あら?)」
レン「盗賊の奴…けっこう素質あるな」
レン「(もう少し見ていよう)」モッコリ
盗賊「あっばれた?」
シャ「勝手に縄を解いてなにしてる!」
盗賊「何してるってあんたが叩いてくれって言ったんじゃないか!」
シャ「え。いや、その…ついね、最近こういうの無いしさ」
盗賊「魔物にはそう言うの無いのか?」
シャ「あるけどさ、こういうのってなんていうの?特殊っていうかさ」
盗賊「そうだな、アブノーマルだもんな」
シャ「だから理解してくれる魔物もいないって感じ?」
盗賊「人間だってそうだぞ!俺の性癖なんて誰も理解しないしな」
シャ「どうする?しちゃう?」
盗賊「するしかないか…」
シャ「じゃちょっと待ってて!今日汗かいたし、川で身体洗ってくるから!」
盗賊「ちげーよ!戦闘だよ!」
シャ「え?あなたの言ってるのはベッドでの戦闘?それとも戦いの戦闘?」
盗賊「殺しあいだよ…」
シャ「戦いたくないなぁ~だって私にピッタリだし」シュン
盗賊「俺達は魔王を倒しに来たんだぞ?それでも戦わないのか?」
シャ「あぁ、別に魔王様が全てじゃないし、普通に暮らしたいのもいっぱいいるし」
盗賊「そうだな、山の駐留師団でも同じく戦いたくないって魔物が居たな」
シャ「みんなそうよ、戦いが好きなのは昔から馬鹿だけ」
盗賊「だけど、お前さっきまで食べようとしてたろ!」
シャ「あぁーそれはね、一応さ、魔物=人食べるって思わせとかないとさ」
盗賊「食べないのか?」
シャ「そう思わせとかないとまた攻めてくるじゃん?」
盗賊「確かに…」
誰が誰だか…
盗賊「今回は見逃してやる、ただ次現れたら戦闘だ」
シャ「優しいのね、あなた。悪い事はしない、毒も盛らないし幻術もしない」
シャ「お酒でも飲まない?」
盗賊「お前達は本当に酒が好きだなw人と変わらないな」
シャ「変わらないわ、なにも。姿形が違うだけよ」
レン「(マジかよ!魔物とさし飲みとか)」
レン「(まぁ盗賊君なら大丈夫かな)」
盗賊「レンジャーさん、僕は情報集めてみます、先に帰ってて下さい」
レン「(バレてる!あれだけ気配消したのに!)」
レン「了解した」ヒラリ!
盗賊「そもそも、ここはなんなんだ?」
シャ「魔物の店よ、スナック「シャルマナ」って」
盗賊「え?屋根は?」
シャ「雨降らないし、露天よ」
盗賊「他の魔物は来るのか?」
シャ「今日はあなた達が散々大暴れしたからね、外出禁止令よ」
盗賊「そうか、酒でも飲もうか」
シャ「何に乾杯?魔物との出会い?w」
盗賊「人間との出会いだろ?」
シャ「どっちでもいいわ」チンッ
盗賊「俺の親兄弟は魔物に殺された…」
シャ「そう、私の兄も親も同じ、人間に殺された…」
盗賊「そうか…」
盗賊「こういう夜もいいもんだな」
シャ「そうね、今は休戦しましょ」
…ギシギシ…アンアン…ギシギシ…アンアン…ウッ
シャ「私…立てないわ」
盗賊「たばこあるか?」
シャ「はい」ジュポ
盗賊「ふーーー」
シャ「シャイなのね」
盗賊「寡黙と言ってくれ」
シャ「あんなに激しくしといて?」
盗賊「ふーーー」
シャ「また会える?戦いが終わったら…」
盗賊「あぁ、死ななければな」
シャ「1キロ上流に入口があるわ、私達みたいな非戦闘員が出入りする所」
盗賊「川の上流か」
シャ「そう、そこなら…」
盗賊「いやダメだ。戦わない魔物も殺してしまう」
シャ「判った…じゃ知り合いに頼んでみて」
盗賊「いや、なんとかするよ自分たちで」
シャ「無理よ!中には3,000人以上いるのよ!」
盗賊「そ、そんなにいるのか」
シャ「伝書鳥を飼ってる知り合いがいる、彼なら助けてくれるわ」
盗賊「空か!」
シャ「それなら一直線で行けるでしょ?」
盗賊「そうだな」
シャ「川を下って行ったら鳥小屋があるわ」
盗賊「名前は…」
シャ「ハヌマーンよ」
盗賊「そうか、ありがとう、もう行くよ」
シャ「待って!もう一度…熱くさせて!」クネクネ
盗賊「ふぅ~生気が…昼間なら空が紫色だぜ」
レン「お!盗賊君!大丈夫か!」
盗賊「大丈夫ですよ、いろいろ情報貰いました!」
レン「どうやって!」
盗賊「内緒です!」
レン「(言い切りやがった!内緒って!)」
旅芸「大丈夫か?」
盗賊「はい、下流に伝書鳥を飼っている魔物がいるそうです」
盗賊「その魔物なら助けてくれると」
旅芸「空から行くのか!」
盗賊「そう彼女は言ってました」
勇者「(ん?魔物と言わずに彼女と言った…)」
盗賊「さぁ行きましょう」
バト「罠の可能性は?」
盗賊「罠なら僕を殺してください」
バト「判った…お前を信じる!」
テクテク。
パラ「夜が明けてきましたね」
魔法「もう夜間戦闘はイヤよ」
パラ「あっ魔法さん…」
魔法「どうしたの?そんな赤い顔して?熱でもあるの?」
パラ「いえ」
魔法「助けてくれてありがとう」
パラ「当然の事しただけです」
魔法「ううん、でも嬉しかったよ」
パラ「ありがとう」
魔法「(なんか下半身の鎧が盛り上がってんだけど…)」
テクテク。
勇者「盗賊!あの家じゃないか?」
盗賊「のようですね」
盗賊「万が一の為に警戒態勢で!」
旅芸「わかった、中には俺と盗賊、勇者だけでいく!」
旅芸「後は距離を置いて見張りだ」
コンコン。
盗賊「こんにちはーーハヌマーンさん?」
ハヌ「人?人間か?」
盗賊「シャルマナさんから頼まれてきました」
ハヌ「ん?奴からだと!」
盗賊「武器は置いてきました、開けてください」
ハヌ「待て。今いく」
ガチャ。ギィー
盗賊「(でけー!)」
ハヌ「で?何用?」
旅芸「変に思わないで貰いたいのだが、我らは魔王討伐隊の者だ」
ハヌ「なに!」
ハヌ「そんな奴らが俺に何の用だ!」
盗賊「協力をお願いしたいと思いまして」
ハヌ「俺に?」
盗賊「はい」
ハヌ「まぁ…座れ」
勇者「(椅子でかすぎワロタ)」
ハヌ「シャルマナに会ったのか?」
盗賊「はい」
ハヌ「よくお前らを許したなハッハッハッ」
盗賊「と、いいますと」
ハヌ「人間嫌いでな、俺と同じだ」
ハヌ「ここ1年でこの国は大きく変わってしまった」
盗賊「え?」
ハヌ「昔は魔王討伐隊なんて来ても、国境線で蹴散らして
それで終わりだった。もちろん大きい戦いもあった、凄惨な戦場も多々あった。
だが、魔物とて争いを好んでいた訳ではない。
何回かは和平に向けて動きがあった。魔王国とて一枚岩ではないのだ。
外で見張ってるバトルマスターとあんただ、見覚えがある」
旅芸「俺か?」
ハヌ「そうだ、あんたとあのバトルマスターには何回か戦場で会った。
強い軍勢を引き連れていた。あぁ、戦の殺った殺られたの恨み言を言うつもりは無い」
旅芸「あんたも軍隊にいたのか…」
ハヌ「そうだ、だが討伐軍が30回を迎える頃に、年齢を感じ辞めた。
1年前の事だ。第36回魔法討伐軍とやらが来たと言う話で魔王国は騒然となった。
なんせ、今までの討伐軍とは勢い、士気がまったく違っていた。
魔王城に1キロと迫る勢いだ。少数精鋭で弓矢を放ち、突撃してくる。
特殊な能力の奴らいっぱい居てな、支援物資なんかは人間で言うルーラという
呪文で一気に王国がら飛ばしてくる。さらに、新兵やら古参兵までも
短時間で装備まで揃え出撃してくる。」
旅芸「ん?確か…バトの弟殿の婚約者は魔法マスターだったはず」
ハヌ「そうだ、綺麗な女魔法指揮官だったと聞いた。
そして魔王と対峙した時、黒い霧が辺りに立ち込めた。
両軍は前も見えない状態になり乱戦状態。
霧が明けたころ、残されたのは無数の両軍の死体だけだった。
討伐軍指揮官と魔法指揮官と魔王の亡骸だけは見つからなかったと聞いた」
勇者「じゃおっさんの弟が魔王を倒したって事じゃないか!」
ハヌ「だが、魔王は生きていた。それも残虐で非道の限りを尽くす王になっていた。
この1年で軍隊は急激に増強され、魔物の小さい村でさえ魔王軍の管理官が住み
間違った事があれば村ごと焼き払われる…」
勇者「同胞を殺すのか…」
ハヌ「そうだ、さらに、裏取引の様な事をし、人間の若い娘をさらい
奴隷の様に扱い、魔王の周りの事をやらせている。
それも魔王の側近が手を貸している!こんな馬鹿な事があるか!」
旅芸「あぁその商人なら、もう商売出来ない様にしといたよ」
ハヌ「ありがたい!この1年で魔王国はおかしくなってしまった。
我々の中には戦いたくない魔物が大勢いる。家族があり、暮らしがあり
そして喜びも、悲しみもある。確かに人を襲う様な魔物がいるのは判る。
ただ、共存は無理ではないと私個人は思っている。」
盗賊「まぁそんな話はおいといて…」
ハヌ「失礼した。」
盗賊「伝書鳥を貸して欲しいんです」
ハヌ「何に使う?」
盗賊「これで魔王城に乗り込む、そして魔王を倒す」
ハヌ「…わかった…協力しよう」
ハヌ「だが一つだけ約束してほしい」
旅芸「出来る約束と出来ない約束があるが…」
ハヌ「戦う意思のない魔物は殺さないでほしい…たのむ」
旅芸「わかった…」
ハヌ「じゃぁ早速鳥小屋に行こう、こっちだ」
ガチャ。
にじくじゃく「うきーうきー!」バッサバッサ
ハヌ「これ、大人しくせんか」
ハヌ「これに乗って行こう、乗れるか?」
旅芸「こりゃ…苦労しそうだ」
ハヌ「乗れるまで私の家に居たらいい」
ハヌ「私も腕に覚えがある、修行に付き合ってやってもいい」
シーン。
旅芸「夜はまだ冷えるな」
ハヌ「ここは高地だからな」
旅芸「あとどれくらい掛る…」
ハヌ「バトが重くて運べるかどうか」
旅芸「痩せさせるかw」
ハヌ「ははははw」
パラ「ここは魔王軍に見つからないのかな?」
勇者「怖いな、いきなり襲いかかられそうだ」
ハヌ「ここには来ない。偵察ルートはこの山の向こうだ」
旅芸「明日も乗る練習だ、朝は早いぞ!」
勇者「はい」
シーン。
コソコソ。
盗賊「くそっ!頭から離れない!魔物なのに!くそっ!」
盗賊「イシュダル…何故だ…」
盗賊「よし気分転換だ!」
ガチャ。ギィー
盗賊「外はまだ寒いな、はぁー」ゴシゴシ
ガサガサ!
盗賊「む!」
イシュダル「盗賊…」
盗賊「イシュダル!」
イシ「ごめんなさい、心配で…」
盗賊「いいんだ、僕も会いたかった」
イシ「お願い!死なないで!」ムニュ
盗賊「熱いなおまえ…」ムニュ
…ギシギシ…アンアン…ギシギシ…アンアン…ウッ
旅芸「ったく、あの馬鹿」モッコリ
レン「まぁ彼のお蔭ですからね」モッコリ
旅芸「でも盗賊はあいつの正体しってんのか?」
レン「?え??」
旅芸「テンツクだぞ」
レン「!!!」
旅芸「内緒な、絶対言ってはいけないぞ!絶対言うなよ!」
レン「墓場まで持ってきます隊長!」
レン「なんかガックリだ、寝よう寝よう」
シーン。
ガサガサ。
賢者「今こそ想いを伝える時!!!」
ガチャ。
賢者「まだらくもいと!」
勇者「う、う~ん」
賢者「勇者様!」
勇者「ん?け、賢者!」
賢者「私は!」
勇者「それより、なんでまだらくもいとを?」
賢者「動かない様にというか逃げない様にと言うか」
勇者「く、くるしいよ」
賢者「今しばらく!」
勇者「?」
賢者「好きです!勇者様!」チュチュュ
勇者「ん~~~~」
賢者「好きで~す」チュチュチュ
勇者「(息が…吸えない)」
賢者「はぁはぁ、口づけは苦しいものですね」
勇者「え?なんで…なんで脱ぐの?」
賢者「愛し合う者同士、裸で!」
勇者「ちょっと待って待って!」
勇者「賢者、急すぎるよ!」
賢者「明日死ぬかもしれぬ身!御覚悟を!」
勇者「え?なんなん?え?え?」
賢者「二人で御子を育てましょう!」
勇者「ストップ!ストップ!」
賢者「どうしたのですか?この下着が気に入らないとか」
勇者「(うわースケスケのとんでもない下着じゃん!)」
賢者「胸が小さいからですか?」
勇者「違う違う!こう言う事にはちゃんと順序があってね」
賢者「わかりました、さて…ではどうしましょうか?」
勇者「まだらくもいとを取って!」
賢者「え~だって逃げるじゃなですかぁ~」
勇者「逃げないよ」
賢者「我儘ですね~勇者様は」ヨイショヨイショ
勇者「ふー楽になった」
賢者「でもこの辺は楽そうじゃありませんよ」ツンツン
勇者「わっ!」
賢者「この辺は苦しそうですよ」ツンツン
勇者「あっやめて!」
賢者「え?もっと?」ツンツン、パクン
勇者「あっ!あっ!あぁぁぁぁ!」ドピュドピュ
賢者「ごくっ!!ごくっ!!MP回復!」
勇者「げっそり…」
賢者「仕方がないですねー今日はもう寝ます!」
勇者「(なんて自分勝手な!)」
シーン。
コソコソ。
魔法「私…どっちが好きなんだろう」
魔法「レンジャーさんと勇者…」
魔法「(揺れる恋心、私って乙女!)」
魔法「でもなぁ~レンジャーさん金持ってそうだしなぁ~」
魔法「でも勇者、馬鹿だけど歳近いしなぁ~王様に気に入られてる一族だしなぁ~」
魔法「貴族って意味ならパラディンでもいいんだけどなぁ~でもあいつ弱いからなぁ~」
コソコソ。
パラ「とんでもない事を独り言で喋っている!」
コンコン。
魔法「はい、だれ?」
賢者「私です」
魔法「どうぞ」
賢者「すいません」
魔法「どうしたの?」
賢者「お話が…」
魔法「う、うん」
賢者「勇者様を…勇者様を私に譲ってください!」
魔法「えぇ?」
賢者「あなたが勇者様をお慕いしているのは知っています。」
魔法「や、やだぁ、わたし、そんな!」
賢者「誤魔化してもだめです!勇者様はあなたの事になると暴走してしまいます」
魔法「え?そんなことないよ」
賢者「あなたがゲルニックに殺された時…その一瞬で勇者様の暴走が始まりました」
魔法「何かの間違いだよ!」
賢者「間違いなんかじゃありません!」
賢者「お願いです、勇者様を諦めて貰えないでしょうか!」
魔法「そ、そんな…」
魔法「わ、わたしは幼馴染ってだけで…」
魔法「でも…諦めない…諦めたくない!」
賢者「あなたはズルいです!」
魔法「なにがよ!」
賢者「レンジャーさんに恋心を抱きながら…それでも勇者様を…なんてズルすぎます」
魔法「そ、そんな!違うわ!」
賢者「私が人の心も読めない未熟な賢者だとお思いですか?」
魔法「それは…」
賢者「私の気持ちはお伝えしました…取り乱して申し訳ありません!それでは…」
ガチャ。
魔法「いきなりそんな事言われたって!私だって!私だって!!」
勇者「うるさいぞ!眠れないじゃないか!」
魔法「ゆ、勇者!」
勇者「なんだよ、いきなり。あんまり騒ぐなよ」
魔法「ううん、ごめん…なんでもない」
勇者「どうしたんだ?俺の…暴走した事か」
魔法「ねぇ勇者、私の事好き?」
勇者「なんだよいきなり」
魔法「聞いてみただけ…」
魔法「私と…賢者…どっちが好き?ねぇ!答えてよ!」
勇者「どうしたんだよ、おかしいぞ魔法!」
魔法「私は好き!あんたが好き!生きて帰りたい…グスン」
勇者「大丈夫だよ、俺が守る」
勇者「(もしかして!もしかして!コレ童貞喪失プラグじゃね?)」
勇者「(あっ!さっき…賢者にぱっくんちょされたし…これは言えない…)」
魔法「ごめん…なんだか寂しくて、ごめん」
勇者「ちゃんと帰ったら話そう!な?」
魔法「う、うん」
ガタン。ギィー
勇者「外で頭を冷やそう」
勇者「ふぅ…変な二人だ…」
勇者「え?あ!旅芸人さん!」
旅芸「シッー!黙れ!シー!」
勇者「なんですか?」
旅芸「うるさい!静かにしろ!」
勇者「え?」
旅芸「あれを見ろ!ウヒヒ」
勇者「!!あぁ!!」
旅芸「うるさい!」
勇者「あれは!」
旅芸「言うな!」
勇者「あんな…こと…」
旅芸「黙れ童貞!」
勇者「え?あ?あんなとこ入れちゃうんですか?」
旅芸「質問は後!」
勇者「え?だいぶグロテスクな感じですね?魔物だからですかね?」
旅芸「質問は後だって!」
勇者「あぁ!なんか早いですね!あんな風に動かすんだ!」
旅芸「素直に感心してんな!」
勇者「すごいな…」モッコリ
旅芸「だろう?」モッコリ
勇者「(隊長は覗き見好きなんだな…)」
旅芸「そろそろ終わりだなフッ」
勇者「どうして判るんですか?」
旅芸「え?そりゃあの動き見りゃわかるだろ」
旅芸「はい!おわりぃ~」
旅芸「あー面白かった、寝よう寝ようっと!」
勇者「俺も…してみたい…な…」
ドラクエ9が元か
ちなみにメガライヤーじゃなくてメラガイヤーね
バト「よし!俺の勝ちだ!」
パラ「あぁーまた負けた!」
バト「だからな、UNOってのは頭使うんだよ」
パラ「あぁ!もう一回!」
バト「うひひひ、そろそろGが底をつくぞ!」
パラ「大逆転してみせます!」
バト「面白い話をしてやろう!」
パラ「はい、なんでしょう」
バト「村の村長の息子で金持ちの奴がいた。いいか?」
パラ「はいはい」
バト「嫁が欲しいと思い、村中から三人の女が選ばれた」
パラ「ふむふむ」
バト「だが性格も何もわからん、そこで息子は女たちに10000Gを渡し、こう言った
好きに使ってよい!と」
パラ「大金ですね!」
バト「三人はみな美人で息子も選びようが無かったんだな、きっと」
パラ「あはは」
バト「1人目の女は、街まで行き高価な服や散髪屋に行って自分を綺麗に着飾って
10000G全部使っちまった!そして村長の息子にこう言ったんだ。
私は息子さんを愛している。だから村一番の美人と結婚したとみんなに思ってほしい。とな」
パラ「10000Gじゃ凄い綺麗になりそうですね!」
バト「2人目の女はな、息子の為に新しい洋服を仕立て、幌馬車を買い、馬小屋を新しくした。
それに10000Gを使っちまって、こう言ったんだ!
私は息子さんを愛している。だから全部息子さんの為に使ったのよ!とな」
パラ「いいなぁ~そんな嫁来ないかな!」
バト「そして3人目の女だ。彼女は10000Gを銀行に預けた。そしたらまぁ
俺もしくみ良くわかんねぇが、株とかなんだで投資したらなんと!20000Gになっちまった!
そして女は言ったんだ。私は息子さんを愛している。息子さんのお金を浪費しない
賢い女あることを判って欲しいと!とな」
パラ「あぁ~こんな人も良いなぁ~家もそろそろお金が尽きそうだし」
バト「じゃここからが本題だ、いいか?息子は誰と結婚したと思う?」
パラ「え~っと賢い女!」
バト「違うな」
パラ「え!じゃ幌馬車買った女!」
バト「違うな」
パラ「え、えぇ!綺麗な女ですか?」
バト「違う!」
パラ「え?」
バト「誰かは判らない」
パラ「そんな!」
バト「誰かは判らないけど、息子は一番おっぱいの大きい女と結婚した」
パラ「はははははは」
バト「はははははは」
バト「要は、男はそっちしか見てねぇって例えよw」
パラ「確かに!」
バト「はははははは」
パラ「はははははは」
バト「少しは気楽にいけ、パラディンよ」
パラ「はい!(魔法さんと賢者さんだったら…確かにおっぱいだな)」
チュン、チュン♪
ハヌ「さぁ今日こそは乗れるようになるんだ」
パラ「昨日落ちて腰が…」
勇者「おっ!おっ!乗れた!」バッサバッサ
魔法「私も!見てみて!」バッサバッサ
賢者「あぁ!なんとか!」バッサバッサ
バト「俺だけ乗れん!!!」ドサッ
ハヌ「仕方がないのぉ、お主は乗らないで吊るして行こう」
バト「怖くないか?」
ハヌ「まぁ落ちたら助からんじゃろ」
バト「そんな!」
旅芸「明日…いけるな」
レン「えぇ」
盗賊「ついに来たか」
旅芸「(こいつ昨日あんだけ頑張っといてケロっとしてやがる)」
レン「盗賊君と話し合った結果だが…魔王の根城はもっとも奥にある」
レン「その城の内部は不明だが、そこに着けば少数の方が有利だ」
翌朝朝方。
バッサバッサ!バッサバッサ!
ドサッ
バト「いたたた!痛い!痛い!」
旅芸「着いたぞ」
盗賊「誰もいない、不気味ですね」
魔法「もう罠の中なのかも…」
レン「風の流れからすれば、この奥だな」
てくてく。てくてく。
ドドドドン!
盗賊「デカい扉ですね」
勇者「この中に…魔王が!」
レン「開かないな…」
バト「ぶん殴ってみるか?」
旅芸「いや、自然に開くはずだ、魔王は俺達が来たのを知っている」
ゴッゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
魔法「あいた!」
賢者「どうやって…」
パラ「でかすぎる!」
旅芸「いくぞ!」
チラチラ…
魔王「遂に来たか魔王討伐軍」
謎1「はい」
魔王「ならば私が出迎えよう」
謎2「それはいけません魔王様!」
魔王「案ずるな、蹴散らしてくれるわ!」
謎1「御意に」
魔王「開門だ!」
謎2「ハッ!」
テクテク。
勇者「ひろいなー」
賢者「すごい!何LDKっていうんでしょうね?」
勇者「(え?それ?)」
勇者「こんな所で暮らしたら迷子だね賢者」
賢者「(私と勇者様が一緒に暮らす!あーん最高!!完全濡れた、マジやば)」
賢者「私が見取り図書きますよ」
勇者「部屋中に貼っとかないとね」
賢者「(あぁもう我慢できない!ガオーってしたいしたいしたい!!!)」
デデンデンデデン!
魔王「よくここまで来たな、褒めてやろう」
旅芸「あいにく旅好きなもんでね」
魔王「私が相手してやろう!」
旅芸「イヤ…あんたの後ろに居るのは2つの気配は誰だ?」
魔王「ん?気が付いたか。流石だな」
旅芸「(三人相手は無理だ!)」
魔王「奴らは観客に過ぎん」
旅芸「そうか、観客か…手を出す過激なファンじゃなきゃいいが…」
魔王「臆したか勇者共!」
勇者「いや、このために、この日の為に来た」
魔王「ほほぅ、大した度胸だ」
魔王「殺戮の限りを尽くす我が憎いか?」
勇者「いや…憎さは消えた…ただ悲しいだけだ」
魔王「なに?悲しいだと」
勇者「お前は悲しい魔物だ、誰からも愛されず誰からも頼りにされない悲しい魔物だ」
魔王「口が過ぎるぞ小僧!」
勇者「旅の途中でいっぱいの魔物と会った、だが戦いたくない魔物もいた!」
魔王「そんな臆病者が我が軍にいようとは不覚だな」
勇者「魔物の村もあった、それを助けた事もだ!」
魔王「礼を言わなきゃならんなフォフォフォ」
勇者「貴様が元凶だ!叩き潰してやる!」
魔王「威勢が良いのぉ~ どこからでも掛って来るがよい!」
旅芸「挑発しすぎだ、いきなり撃ってくるぞ!」
魔王「けたたましいおたけび」ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
魔法「ひっ!」
パラ「ひっひぃぃぃ!」
旅芸「耳を塞げ!」
魔王「弱いのぉ~人間どもは!イオナズン!!」
ズズズズズズ…ドゴーン!
バト「くっ!けた違いだぞ!」
盗賊「うぐっ!」
賢者「あぶな!あぶなぁ!」
魔王「ドルマドン!」
レン「うがぁぁ」
勇者「うりゃぁぁ!」
ティリリ♪ミス
バト「こっちだぁ!どりゃ!」
ティリリ♪ミス
魔王「はぁぁぁぁぁぁ」タメル。
旅芸「まずい!溜めてるぞ!」
賢者「スクルト!!」
レン「ニードルショット!」
魔王「ん?爪楊枝?」
盗賊「ポズンダガー!」
魔王「それ毒?HP回復しちゃうよ?」
魔王「ふぅ~行くぞ愚民ども!」ビシ!バシ!
勇者「うぐっ!なんてパワーだ!」
パラ「うがぁ」
勇者「しっかりしろ!」
パラ「う、うごけない」
勇者「撃つんだ!」
パラ「一閃づきぃぃぃぃ!!!!!」バゴォ
魔王「いた!いたた!脛とか痛いじゃねーか!」
魔法「そっちがイオナズン撃つなら、こっち撃つわよ!イオナズン!!」
賢者「私も撃ちます!イオグランデ!!」
魔法「(なに張り合ってんのよ!)」
賢者「(私の勝ちよ!)」
ずごぉぉぉぉぉん!!!
バト「やったか?」
旅芸「そんな軟じゃない、撃ってくるぞ!」
魔王「なかなかやりますね~さみだれ斬り!」
旅芸「うわぁ!」
盗賊「うぐっ!」
バト「ぎゃ!」
勇者「ぐぅ!」
魔王「もういっちょ!さみだれ斬り!」
賢者「きゃぁ!」
魔法「げぼぉ!」
レン「ぐがぁ!」
パラ「げろぉ!」
魔王「さぁ死ね!まじん斬り!!!」
パラ「こ、これまでか…」
バト「うおーりゃぁー!」キンッ!ガシィィィ!
バト「ゴボォ… へっ…しくじっちまった…」
パラ「盾になってくれたんだ…くそぉ!」シュパシュパ
魔王「死ねば楽になれたものを!邪魔だ小僧!」
パラ「うがぁ!」
魔王「死ね!クックックッ」
旅芸「バトは俺が回復させる!勇者行け!」
勇者「うおぉぉぉぉ!はやぶさ斬り!」シュンシュン
パラ「負けるか!うぉぉぉぉぉ!」シュ!
魔王「いたっ!」
勇者「今だ!奴の懐に叩きこめ!」
魔法「了解!!マヒャドデス!!!」
ムムムム、ムム!
魔王「なに!!」
魔王「うごがぁぁぁぁぁぁぁ」プスプス
バト「回復しねぇ…いてぇだけだ」
旅芸「そんな馬鹿な!」
魔王「あら?忘れてた?魔王城内は回復系は殆ど効かない」
旅芸「盗賊!薬草ぶちこめ!」
盗賊「はい!」モゴモゴ
バト「食いきれない!」モゴモゴ
賢者「そうかしら?」
魔王「おぅこれは高貴な賢者様」
賢者「あなたは殆ど効かないと言いましたね」
魔王「そうじゃが?」
賢者「私のこれを見なさい」
賢者「神をも癒す純白の精霊たちよ!!!力を!!!ベホマラーぁぁぁ!!」
魔王「なに!まさか!」
ムムムム、ムム!
バト「楽になったぜ、賢者ちゃん!」
魔王「おまえは!」
賢者「そうです、あなたのお気づきの通り」
魔王「クククッそうか!お前はあの一族の生き残りか!」
賢者「今こそ、我が一族の誇りを守る時!!」
賢者「もう一度味わいなさい、炎の神より授かりし力今解き放たん!イオグランデ!!」
グゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
旅芸「伏せろ!デカいぞ!」
バト「勇者!賢者を守れ!!デカすぎる!」
勇者「おぉぉぉ!」カブリ
ドドドドドドドドドド!!!!ちゅどーーーーん!
魔法「うそ!うそ!こんなの撃てないよ!」
パラ「凄まじい威力だ!」
盗賊「怒らせたら怖い人だな…」
勇者「大丈夫か!賢者!」
賢者「ゆ、勇者様」ガッシリ
勇者「ちょ、くっ付き過ぎだし」
賢者「私もうだめ!」ガッチリ
勇者「え?あ!」
賢者「あぁ!もうだめ」ホールド
魔王「うぐぐぐぐっ!き、貴様ら!よ、よくもワシの片腕おぉぉぉ!」
旅芸「まだ生きてやがる、信じられん!」
バト「後は俺に任せろ!ギガスラッシュ!!!!」ズブリ
魔王「うがぁぁぁぁ!」
バト「まだだ!もう一度撃ってやる!ギガスラッシュ!!!」バサリ
魔王「ううううっ!!」
レン「しぶとい!」
レン「うぉぉぉぉぉ!ニードルショット!!」プス!
魔王「な!わしが!このわしが負けるだと…」
魔王「こんな弱い人間どもに負けるだと!ありえん!ありえんぞぉぉぉぉ!」
盗賊「僕の出番ですね」
旅芸「頼んだ!」
盗賊「アサシンアタック…」シュパ
魔王「ぐがぁぁぁぁぁぁぁ!負けん!負けるわけにはいかんのだ!!!」
旅芸「見苦しいぞ魔王!」
魔王「ふははははは!また復活してくれるわ!貴様たちをなぶり殺しにしてくれる!」
旅芸「復活だと!」
魔王「この心臓さえあればまた生き返る!」
旅芸「勇者!心臓を突き刺せ!復活したら終わりだ!」
パンパン!
謎2「はい、そこまで!」
旅芸「なっ!!邪魔だ!手出しはしない約束じゃないのか?」
謎2「すいません、あまりに見苦しい戦いだったもので」
旅芸「命がけと言ってほしいな」
謎2「それは失礼」
魔王「ぐぐぐぐ、助けるのだ!わしを助けるのだ!」
謎2「煩い魔物だ。消えろ!」ボワァ!
魔王「ん、な!なに!なにをしておる!おぃ助けるのだ!」
謎2「貴様なんぞに復活の価値はない、死ね」シュパ!
魔王「うがぁぁぁぁ、裏切りおって!うがぁぁぁぁぁ」ガクリ
勇者「な、なに!」
旅芸「どういうことだ!」
バト「ん?おまえは…」
謎2「バト様、旅芸人様、お久しゅう御座います」
バト「ば、ばかな!」
バト「生きている訳がない!お前は死んだはずだ!」
謎2「誰が死んだと?私はこの通り生きていますよ」
バト「何故…何故だ!バーバラ!」
バー「そんな驚かれなくても、感動の再会ですわ」
勇者「バトのおっさんの弟の婚約者…」
パラ「伝説の…女性魔法指揮官」
バー「まぁ伝説なんて、でも嬉しいですわ」
旅芸「まさか!」
バー「旅芸人さん、少し太られたかしら?」
旅芸「まさか!生きていたとは!」
バト「弟は!弟はどこだ!」
謎1「兄者…元気そうだな」
バト「は!ハッサン!!!!」
ハッ「驚くのも無理はない、私も兄者との再会に嬉しさが込み上げてくる」
旅芸「バトには失礼だが…まさかあんた達が魔王軍を率いてたのではあるまいな?」
ハッ「そんな!恐れ多いハッハッハッ」
バー「私はここで楽しく暮らしていただけですわ」
旅芸「だまれ!」
ハッ「これはこれは、旅芸人殿相変わらず恐ろしいハハハハ」
バー「お変わりありませんね、旅芸人さん、あの頃と同じ…」ニコリ
バト「弟よ!本当の事を言ってくれ!何故ここに居るのだ」
旅芸「答えによっては…戦うしかない」
ハッ「兄者!憶えているか?あの討伐軍の事を」
バト「あぁ、お前が指揮官でバーバラが魔法指揮官となり討伐軍を編成した…」
ハッ「そうだ兄者!鍛えた士気の高い最精鋭部隊だった。
魔法部隊も初めて編成し、降り注ぐ矢を、火炎をそして氷撃をいとも簡単に
撃破できる最強部隊だった。」
バト「なぜだ!なぜ負けたのだ!」
ハッ「負けた?ハハハハハ!兄者も冗談が過ぎるなハハハハハ」
旅芸「全て計画通りだったという事か…」
ハッ「さすが旅芸人殿、話が早い。兄者は堅物でしてね」
ハッ「魔王城まで後1キロと迫った時だ、黒い霧に覆われた」
バト「そうだ、魔法郵便にはそう書いてあったと王が仰っていたし
前線基地のおまえと同じ隊にいた兵士の生き残りも同じ事を言っていた」
ハッ「あの霧はバーバラの仕業だ。」
バー「あの霧で魔王は何処から攻めてくるのかさえ判らず右往左往し始めた」
勇者「じゃ、おっさんの弟は…魔王を倒したんじゃないか!」
ハッ「そう、倒したさ、簡単にね」
勇者「すげー!!」
ハッ「図体だけ大きい魔物だった」
勇者「でもさっき倒した奴は…」
ハッ「あれ?あれは偽物だ、魔王になりたい魔物は幾らでもいる」
ハッ「あの霧の中、私とバーバラしか見えない視界の中で魔王を一突きして終わり
簡単な事だ。だが…魔王は死ななかった、なんと!面白い事に殺さないでくれと
懇願してきたのだ!」
バー「私もみた、そして聞いた。魔王は確かに命乞いをしていた。そしてある条件を
私達に提示した」
ハッ「その条件とは、私達二人が魔王としてこの国を治めてもよいという条件だった」
勇者「そ、そんな馬鹿な!」
ハッ「馬鹿だと?こんな都合のいい話はないだろう?一夜にして広大な国が私達の物だ」
勇者「でも魔物が…」
ハッ「そんなのは問題ない、魔王配下の者を脅せばすぐに魔王の変わりはいたんだ」
バー「私たちは魔王を消し去った。そしてこの国を貰い受けた」
ハッ「私だって平和に事を運ぼうとした!」
ハッ「だがどうだ?戦争は一向に止む気配がない、さらに王国は軍隊を用い
国境線近くで村ごと焼き払い、人質を容赦なく殺し、また次の村へと殺しに行く…」
バー「私達は何度も停戦を呼びかけた。和解すら譲歩した…」
ハッ「だが毎回返って来る答えは同じだ、弓矢と火矢をもった軍勢が
国境線に現れ、再び殺戮を繰り返す」
ハッ「私はもう我慢できない。共存共栄もあり得たはずのこの魔王国と王国。
だが、それを望まないのは魔王国ではなく王国であることを私は確信した!」
バト「聞いてない…そんな話は私は聞いたことが無い!」
ハッ「では何故だ兄者!何故選ばれた!軍隊を退役した戦力外の兄者が
何故選ばれたと思っているんだ?偶然か?いや違う!」
ハッ「勇者殿も同じだ…そして旅芸人殿も、今回の討伐軍に選ばれている
人それぞれが王国の陰謀に何かしら関わっている」
バー「あなた達…それを偶然だと思ってここまで来たのですが?」
ハッ「王は…奴は悪魔の化身だ…私は決意したのだ…あの日から」
バト「なぁ弟よ!魔王は倒した…一緒に家に帰ってもいいだろう?」
ハッ「帰る?私の家はここだ」
勇者「あの日って何があったんだ…」
バー「勇者君…あなたは王家の庇護の下で栄光の勇者一族、そして
その勇者一族の中であなたが初めての討伐軍、なにか感じない?」
勇者「特には感じないけど…」
バー「意外に馬鹿なのね」
盗賊「ぷっ!」
バー「あら失礼、私とした事が馬鹿だなんて…ごめんなさい」
勇者「ぶつぶつ」
バー「なぜ今までの討伐軍に一族は一度も参加しなかったの?」
勇者「それは…王様から止められていたんだ」
バー「あら、不思議ね。魔王を誰だって早く倒したければ勇者一族を送り込むのが
一番手っ取り早いと思わない?」
勇者「そ、そうだけど…」
バー「もうね、勇者一族は存在しないのよ」
旅芸「なに!」
盗賊「な!」
バー「もう200年以上前に途絶えてるのよ。何故か…わかる?」
勇者「そんな馬鹿な!」
バー「それはね、王自らが下した命令で勇者一族は抹殺されたの」
勇者「何故だ!何故!」
バー「そんなに強大な力を持っていたら、王国が勇者一族に乗っ取られる事を恐れてよ」
旅芸「出まかせを言うな!」
バー「信じる信じないは任せるわ、でもね、今の勇者一族は飾り…王国民の象徴なだけ…」
勇者「お!俺の家には代々の家系図がある!」
バー「そんなものはお飾り、誰でも作れるのよ…」
勇者「嘘だ!父親は正当な継承者だと言った!」
バー「じゃ何故正当な後継者を生んだ、由緒正しいお父様が討伐軍に呼ばれないの?」
勇者「…」
バー「今回こうやって呼ばれたのね、勇者の後継者が戦いで死んでしまえば
これ以上勇者一族を養う必要が無いからよ、最初から王は討伐できるなんて思っていないわ」
勇者「そんな馬鹿な!」
バー「王国民は象徴が無くなれば嘆き悲しむけれど、その反面、王に期待する者も現れる
戦争で疲弊した国を纏めるには戦いの神扱いの勇者一族が邪魔なの」
バー「そ・れ・に!あなたのお父様は熱烈な王様信者でしょ?そのお父様で勇者一族は終わりよ」
勇者「うぐぐ」
バー「じゃ、次!いいかしら、パラディン君?何故参加したの?」
パラ「僕は…」
バー「言わなくても判るわ、由緒正しいパラディン家のお坊ちゃま」
パラ「え?」
バー「あなたも同じよ、パラディン家の跡取りを無くし、王国での権力を弱める事。
パラディン家は今では王国の半分近くの利権を握っている。それを王は快く思っていない」
パラ「家の事は…よくしらない」
バー「あなたが戦いで死ねば、パラディン家の勢力を急激に弱める事が出来る」
パラ「そ、そんな…」
バー「だからあなたは呼ばれたのよ…この戦いに」
パラ「うぐぐ」
バー「じゃ次は…盗賊さんね」
盗賊「判ってる…俺は判ってる」
バー「物わかりがいいわ」
盗賊「勇者一族の護衛…勇者一族が居なくなるのであれば護衛もいらない」
バー「そうね」
盗賊「一族が消されるなら、その一族を守っていた者達も同時に消す…」
バー「信じるかはあなたに任せる…」
バー「そうね、次は…賢者さんね」
賢者「はい?私は知りません!」
バー「そう?私には判るけど…」
賢者「知りません!」
バー「さっきの戦いでの回復呪文…ここでは半減するもしくは殆ど効かないと
言ったのに、あなたの呪文だけは効いたわ、これがどういう事か知ってるでしょ?」
賢者「知りません!」
バー「私は訪れた事がある…賢者の里。そこでは素質のある者が日々賢者となるべく修行をしていた
私も呪文を鍛えるためにあなたの故郷を訪れた」
賢者「賢者の里を!」
バー「えぇ、そこで知らされた事はあなたはもう判ってるはずよ!先祖代々宿る
比類なき呪文パワーはその秘密から来ているはずだという事を」
賢者「え…」
バー「あなたの遠い祖先は…魔物との子」
賢者「そうです…」
バー「だからあなたは魔王城のこのパワーにも負けない、いや融合できる」
賢者「だからって、私が呼ばれた理由にはなりません!」
バー「いいえ、あなたが死ねば賢者の里は跡形もなく無くなるわ」
賢者「なぜですか!」
バー「人間と魔物が相容れる事を王国が許さないからよ」
賢者「そんな!」
バー「王国はそれを口実にあなたの故郷は無くなるわ」
賢者「ぐぬぬ」
ハッ「もういいだろうバーバラ、あんまり若い者達を落胆させるな」
バー「でも…彼ら達は知るべき立場にあるのよ」
レン「ぼ、僕にも…あるのか?」
魔法「私にもあるってこと…だよね」
旅芸「ないのは俺だけだな」
バト「俺だって…」
バー「レンジャーさん…あなたは大きな事を隠しているわね」
レン「なに?」
バー「あなたの故郷の話をしてちょうだい」
レン「僕の故郷?あぁ…山だ、山しかないと言っても過言じゃない
小さい廃れた街で僕は育った。魔物に父親を殺され、自暴自棄になったが
それでも今の村が好きだ。広大な野原、切り立った崖や美しい小川がある」
バー「そこで生まれたもう一人の子を知っているんじゃないかしら?」
レン「あぁ、思い出せないんだ。だが小さい僕の傍らにはいつも誰かが居た…」
バー「あなたに妹がいると言ったら?」
レン「そんな馬鹿な!僕は一人っ子だ」
バー「いいえ、あなたには妹がいたのよ、それも今あなたの隣に居る」
レン「馬鹿な!魔法さんが妹な訳が…証拠など何もない!」
バー「証拠…そうね、右耳の後を見てみて」
レン「見えん!見てくれ勇者!」
勇者「う~ん、なんかほくろが3つある」
レン「そうなのか?」
バー「そのほくろは三角形に並んでいるかしら?」
勇者「あぁ、そんな感じだ」
バー「じゃ魔法さん、左耳の後を見てみて」
魔法「見えないわ!勇者みて!」
勇者「あっ!同じ様なほくろが3つある…」
バー「同じ様にあるのね?」
勇者「あぁ、同じ間隔で同じ大きさで…」
バー「レンジャーさん、それが証拠よ」
レン「信じられん!嘘だ!」
バー「レンジャーさんの村では2人目の子供は里子に出すの、そうでしょレンジャーさん?」
レン「いや…里子なんか出さない!」
バー「じゃ何故、村には一人っ子の家族しかいないの?」
レン「それは…偶然だ!」
バー「偶然なんかじゃないわ!あなたの村では昔からレンジャー一族は
一族の一人の者にしか継承しない」
レン「そんなはずは…」
バー「生まれたばかりの魔法さんは里子に出された…」
レン「そんな馬鹿な!」
バー「そして、また巡り合う時に近親相姦を避けるために親は目印を付ける…」
レン「嘘だ!」
バー「信じるか信じないかはあなた次第…でもそれが事実」
レン「それと討伐軍に呼ばれた理由が関係あるのか?」
バー「あるわよ、優秀なレンジャー一族を抹殺する為…」
レン「そんな!僕達一族は王国との関係は薄いはずだ、山で暮らしている自由人みたいな者だ」
バー「それが王国には困るのよ、魔物を操る術を心得てるあなた達は邪魔なのよ」
バー「それに…魔法さんの故郷も同様…王国はそれに秀でた一族を滅ぼしたいのよ」
バー「魔法さんね、ショックなのも無理はないわ。恋心が見え隠れしているのも判る…」
バー「魔法さん、あなたの勇者君と幼馴染と言ってたわよね」
魔法「はい…」
バー「でもそれは事実よ幼馴染は本当、でもあなたの親は違う…」
魔法「なんとなく…判ってました」
バー「ごめんなさい、ショックな事を言って…」
魔法「かまいません、でも…秀でた一族を滅ぼしてまで王国は何がしたいのですか!」
バー「それはね、魔王国を絶えず敵として王国民を洗脳して、王国及び周辺部族の統合。
強いては大帝国の建立よ」
旅芸「そんな、根も葉もないうわさを信じろと言うのか?」
ハッ「旅芸人殿ならお判りだろう」
旅芸「俺は旅芸人だ、政治の事はよくわからん」
ハッ「諸国を旅しているからこそ貴殿は判っているはずだ」
旅芸「なんの話だか…」
ハッ「あなたが隣国の王の使いであることはすでに判っている」
旅芸「そ、そんな…冗談も休み休みに言え!」
ハッ「いいえ、あなたが選ばれた理由、それは王国に隣国の密偵とバレた為だ
その為に戦いにおいて死ねば王国も殺したことにはならない」
旅芸「たしかに、俺は隣国の傭兵にはなった!だが密偵などという事はしていない!」
ハッ「もちろん、正義感の強いあなたはいずれ傭兵に雇われていた国にも魔王軍が
来るのではないか?と心配しての事だと推察できる」
旅芸「そうだな、俺は軍隊を去った後、各地を放浪し今の隣国に住み着いた
だが、隣国では魔物討伐の話は一切聞こえてこない…
魔物がいるのか?いないのか?それすらも判らない。
そこで俺は軍に話をしに行った、そこで雇われて王国に様子を見に来た
するとどうだ…魔物に怯えているのは王国民だけで他国民は全くと言っていい程
知らせれていない。隣国の王と言っても王国に比べたら屁みたいな国だ
納めている王は王家の出でもなく、農民出の村長みたいな者だ。
その国の名は「日出国」と言うが、極東の小さい島国だ。」
ハッ「それで結論はお出になりましたか?旅芸人殿」
旅芸人「結論、あぁ、俺の推測だが… 王国はあえて魔王国との戦争状態を継続させて
自国民を恐怖に陥れておく、そうする事で王国への求心力は高まり、国の運営に反対する者は
いなくなる… 秀でた者を殺し、王国に反論できる武力を持つものをなくし、後は…恐怖政治だ。
王国は魔王軍を滅ぼすつもりなど毛頭ない。国境線で抑えておけばよい。
定期的に送り出す討伐軍は…秀でた者を殺すためだ」
ハッ「流石だ旅芸人殿!」
旅芸「だが、この一年、お前達のやってきた虐殺行為は許される事ではない!」
バー「仕方がないのです!」
旅芸「仕方がないで殺されて良い者など!どこにもいない!」
バー「これは王国に対する意思表示なのです!」
旅芸「意思表示?それでどれ程の魔物が犠牲になった!どれ程の人間が犠牲になったんだ!」
ハッ「残念ながら、私たちの思想に合わない魔物達もおります。その場合は
仕方なく粛清されるのです」
旅芸「戦いたくない魔物も粛清されるのか?」シャキン!
ハッ「そうですね、私達の思想に合わなければ致し方ない」ジャリ!
勇者「ちょっとまってくれ弟さん!あの日ってのはなんなんだ!」
勇者「さっきから、あの日、あの日と言うけれど、それがあんた達に何をしたんだ?」
バー「あの日…私達は王に密使を出した…」
ハッ「帰ってきたのは、密使の首だ」
ハッ「そして王は知っている、私達がこちら側に居る事を!!!」
旅芸「知っている!知っているのかっっ!!」
ハッ「知っていて、それでも兄者達を送り込んでくる」
ハッ「その密使とは…シャルマナという娘の兄だった…」
盗賊「なに!」
ハッ「彼は人とあまり変わらない外見の魔物だ」
盗賊「貴様!」シャキン!
ハッ「まて!殺したのは私じゃない!王だ!君たちを派遣した王だ!!」
盗賊「知っていて送り出したんだろうが!」
ハッ「違う!断じて違う!」
ハッ「あの日から私は変わった…王国を滅ぼさねばと」
ハッ「あの野蛮な王一族が居たのでは王国民、魔王国の繁栄は無いと」
ハッ「私は王を葬る…」
ハッ「討伐軍の方々よ!どうかこの国の安泰を願ってほしい!」
魔法「ちょ!ちょっと待って!情報が多すぎて混乱してる」
賢者「(ほんと馬鹿ね~)」
魔法「あれ?今馬鹿っていったの誰?」
賢者「誰も言ってませんよ」
レン「妹と今まで一緒に戦ってきたのか…」
魔法「お兄さんだったなんて…」
勇者「俺は勇者一族ではない…とっくに滅びたのか」
勇者「じゃ弟さん!王は、王は俺達を殺そうとして送り込んだんだな!」
ハッ「そうだ、秀でた者を殺し、自分の言いなりになる王国民を増やすためだ」
勇者「信じられない!あのデブな王がそこまで考えるだろうか?」
バー「もちろん王だけじゃないわ、その側近も含めてよ」
勇者「俺達がこのまま帰ったらどうなる?」
バー「国境で殺される…」
勇者「そうなのか?どうなんだ旅芸人!!!!」
旅芸「こいつらの言っている事が本当なら、魔王討伐完了の魔法郵便を送った時点で
国境には師団級の軍勢が待ち構えている、俺達の立場は魔王と通じた逆賊としてだ!」
勇者「そんな馬鹿な!」
勇者「戦わないで切り抜ける方法はないのか?」
旅芸「残念ながら…引いても押しても戦うしかない」
バト「弟よ!これからどうするつもりだ!」
ハッ「私はバーバラと共に強大な魔王国を築き、王国を併合する!」
ハッ「そして、魔物と人間が共存できる国を目指す!」
旅芸「それまでに何人死ぬ?」
ハッ「それは関係ない!より良い国を作る代償なのだ!」
旅芸「どうやら意見が合わないらしい」
ハッ「そうですね、やりますか…」ジャリ!
旅芸「やりたくはない…」シャキン!
バト「まて!待つんだ二人とも!戦う必要はない!」
ハッ「兄者は相変わらず脳が固い」
バト「俺はお前と斬り合いたくはない」
ハッ「ならば…兄者。私と共に魔王国をもっと強大にし、王国を併合しよう!」
ハッ「兄者とならば心強い、兄者がいれば私も安心できる」
バト「…ダメだ弟よ、それだけは…」
旅芸「王も悪魔なら…お前も魂を悪魔に売った外道だ」
ハッ「失礼な!私の理想は壮大だ!こんな小さな戦いにかまけている暇はない!」
バー「残念ね…せっかくお兄様とお会いできたのに…」
ハッ「致し方ない、これも…犠牲…いや代償なのだ」
旅芸「バト、おまえには無理だ」
バト「ぐぐぐぐっ弟を斬れというのか!我が剣で弟を葬り去ろうというのか!」
ハッ「ん?私を倒そうというおつもりで?」
バト「場合によってはだ」
ハッ「無理だ兄者。あの頃の私とはまったく別次元にいる」
バト「フッ 久々に兄弟喧嘩でもしてみるか弟よ」
盗賊「いったん引きますか?」
旅芸「許してはくれんだろう」
盗賊「しかし…2人いっぺんでは敵いっこない」
旅芸「そうだな、2人相手ではこっちが殺される」
勇者「さっきから聞いてんだけどさ、あんた達馬鹿なのか?」
ハッ「フハハハハハハ!これは勇者殿、厳しいご意見だ」
勇者「まぁいいや、悪い奴を倒すって事しか俺には頭にない」
ハッ「私が悪い奴だという事ですかな?」
勇者「別に俺が勇者一族じゃなくてもどうでもいいよ」
勇者「俺が生きて来れたのは盗賊一族のお蔭だしね」
勇者「それに、今まで殺されてきた人間や魔物もこれ以上死んでほしくない」
勇者「王が悪ければいずれ王国民に引きずり下ろされる」
勇者「併合なんて口では言うけど、これから始まる虐殺にうずうずしてるんだろ?」
ハッ「嘘は言いません、うずうずとは違いますが…熱く滾ります」
勇者「魔物も人間も自然ときっとお互いが通じるようになるのに
強制的に恨みを買う様なやり方で併合するだなんて…だから馬鹿なのか?って聞いたんだ」
勇者「それに近隣の村から女を攫って奴隷させる…寂しいんじゃないか?
人間に会いたくても友達居ないから攫ってくる。ただの独りぼっちの寂しがり屋じゃん」
魔法「あんた何煽ってんのよ!」
勇者「だってさ、馬鹿なんだもん!おっさんの弟」
バト「フハハハハハハハハ!!!そうだな奴はもう俺の弟じゃない」
バト「悪魔に心を侵された虐殺好きの糞野郎だ」
旅芸「ここで死ぬかねw」
レン「望む所です」
盗賊「仕方ないか…」
ハッ「私が直接手を下したくはない、バーバラも同じだ」
ハッ「全滅したら明朝には大軍勢が王国を併合するだろう」
ハッ「せっかく知り合えたのに残念だ、本当に残念だ」ガチリ!
旅芸「待て!おぃ!」
イエローサタン「どうも、お久しぶりです」
勇者「おまえは!」
イエ「山岳師団のイエローです!どうも」
勇者「元気だったのか?」
イエ「副長のヴァルハラーも一緒ですよ」
勇者「あの時はありがとな」
イエ「いえいえ、お互い様です。あの時戦っても私達は勝てなかったでしょう」
勇者「そんな事は無い、お互いの為だった」
イエ「ですが…今日はどうもそうはいかないみたいなんですよね」
勇者「そうだな…」
旅芸「やるしかないのか…」
イエ「魔王国を守る為に私も頑張らなくてはなりません」
魔法「だめ!戦っちゃだめ!」
イエ「残念ですねほんと…私も戦いたくないんですよ」
旅芸「防備を固めろ!山岳師団相手だ!上から来るぞ!」
イエ「いきますよ、御覚悟を!」
シュパーーーーーン
イエ「ぐはぁぁぁぁぁ」ピクピク
旅芸「な、なに!」
魔法「イエローさん!!!」
ハッ「おやおや、なかなか戦いが始まらないと思ったら裏切り者が居た様だ」
盗賊「貴様!」
バー「いけない魔物にはお仕置きが必要なのよ」
勇者「やめろ!イエローはもう戦えない!」
勇者「大丈夫か!イエロー!」
イエ「いいんですよ、こうなる運命を知ってて来たんです」
イエ「魔王様が居ないし、おかしいなぁーなんて思ってたんですよエヘヘ」
勇者「いいんだ、もう喋るな!賢者!頼む!ベホイミを!」
バー「そういうおいたはいけないわ」シュ!
賢者「きゃぁぁ!」
勇者「しっかりしろ!」
イエ「きっと、いつか、お酒飲みたいですね~みんなで…ヘヘヘ」
勇者「イエロー!おぃ!目を覚ませ!魔物の癖に死ぬな!おぃ!」
イエ「皆でわいわいして、馬鹿みたいに笑って、魔物の子供と人間の子供が
楽しく遊んでいて…ゴフッ、私たちは酒を飲みながら笑い合ってる…」
イエ「そんな世界、いいですねーゴフッ」ニコリ
イエ「さよならですね、勇者殿」
勇者「おぃ!ダメだ!賢者!!早くベホイミを!」
賢者「う、うごけない…」
勇者「邪魔だどけ!ばばぁ!!!!」
バー「ばばぁじゃないわ!バーバラよ!」
イエ「…良い国にして下さ…い…ね…」ガクリ
勇者「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!殺してやる!」シュン!
旅芸「速い!!」
バー「え?!私でも見えなかった!」キキン!
勇者「このまま殺してやる、覚悟しろ!」ギリギリ
バー「そう簡単には殺されないわ」シュン!
旅芸「避けた!あの剣を避けたのか!」
バー「逃げ足は早いわね」
賢者「大丈夫!勇者様の心は離れてはいない」
盗賊「あれでか?」
賢者「怒りに取込まれるのではなく、取込んでる」
ハッ「ちっ!小賢しい!」
旅芸「動くな、あんたはこっちが相手だ」
ハッ「相手?馬鹿なハハハハハ」
ハッ「足元にも及ばぬわ虫けらめ!」ザンッ!
バト「うぐっ!!」ギシギシ
ハッ「兄者邪魔をするな!」
バト「ここからは兄弟喧嘩だろう?なぁ弟よ」
勇者「イエローはな、戦いたくないって酒まで持ってきた…」
勇者「それをお前達は簡単に斬り捨てた…」
勇者「許さねぇ、許さねぇぞ、うがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」シュパシュパ
バー「馬鹿な!私が押されるなんて!」キン!キン!
バー「このままじゃ…スカラ!!」
ムムムム、ムム!
勇者「呪文だろうがなんだろうが打ち砕いてやる!」
勇者「魔物を操って王国で人殺ししようなんて…食らえ!」ジュギン!
バー「うぐぐっ」ポタポタ
勇者「おまえみたいな奴でも血は赤いんだな」
バー「くそっ!」
バー「手加減してればいい気になって!」
バー「お前だけ強くても意味は無い、死ね屑共!ザラキ!!」
勇者「くそっ!」
パラ「うがぁ」ガクリ
魔法「うぼぉ」ガクリ
盗賊「ぎゃっ」ガクリ
勇者「どこまで外道なら気が済むんだ…」
賢者「お任せを!!!」
勇者「頼んだぞ!」
賢者「(頼んだぞ!だなんて!ステキ過ぎる!軽く飛んだわ)」
魔法「イタタタ…よくも…もう怒った!!!」
魔法「くたばればばぁ!勇者!撃つよ!」
勇者「おぅ!」
魔法「マヒャドデス!!」ピキィ!
魔法「三連発!!!」パシィ!
バー「な!そんなのは無理だ!」
どーん。どーん。どーん。パラパラ
勇者「まだだ!うおりゃぁぁぁぁ!」キン!
バー「うがぁ」ポタポタ
バー「このパワー!呪文じゃ止められない!」
勇者「イエローがどんな思いで…くそぉ!!!」ガシガシ!
バー「うっ!」キンキン!
勇者「俺が好きで人を斬ってると思うのか!」パシパシ!
バー「負けるわけにはいかない!」ギシギシ
勇者「こっちも同じだ!」
バー「これでおまえも終わりだ、ベホマ!!」
ムムムム、ムム!
バー「な!なに!」
賢者「まふうじのつえ…」
賢者「神聖なる我の力で勇者様を守りたまえ…マジックバリア!」
勇者「助かった!」
賢者「(あー完全にヤバイわ、軽くイったし)」クネクネ
旅芸「おまえの婚約者殿は苦戦している様だな」
ハッ「まぁ仕方がない。負けるようならそれまでの女だ」
旅芸「貴様…そこまで落ちたか!」
勇者「終わりはおまえだ!」ザシッ!
バー「うぐぐぐ」ハァハァ
勇者「終わりにしよう、決着はついた」
バー「冗談じゃないわ!ここで倒れてはならないのよ!」
勇者「やめろ!動いたら死ぬぞ!」
バー「ここで…終わる…訳に…は…ゴボォ」
勇者「終わりだ、バーバラ」
バー「うぐぅ…」パタリ
ハッ「また代償を払ってしまいましたが…致し方ない」
勇者「おまえ…そんな言い方って…」
勇者「バーバラはまだ死んでいない、手当てすれば助かる!」
ハッ「いいんですよ、そんな事は」
勇者「おまえの婚約者だろう!」
勇者「いま手当すれば助かる!おっさんと一緒に故郷に帰るんだ!」
ハッ「手遅れですよ…私はもう昔には戻れない」
旅芸「寂しい奴だな…バド」
バト「あぁ…俺も寂しいよ」
ハッ「憐みなど必要ない!!!全力で行くぞ!」
ハッ「うらぁぁぁ!」シュパン!
バト「俺が先だ!」キン!
ハッ「久々ですね、兄者とこうして剣を交えるのも」
バト「殺し合いは始めてだな弟よ」
ハッ「行きますよ兄者!」シュパ!
バト「甘いな弟!」シュキン!
ハッ「兄者の剣術は見事だ、だが魔法は使えない…」
ハッ「飛べ!マヒャド!」
ムムムム、ムム!
バト「うがぁ!」
バト「お前なんぞに呪文なぞ無くても問題ないわ!」
ハッ「強がりが過ぎますよ兄者!」ブルン!
バト「うぐっ!」
ハッ「潰せ!マヒャドデス!」
ゴゴゴゴ…
バト「くそっ!こんなもの!」シュパーーーン!
ハッ「なるほど、さすが兄者だ、呪文ごと跳ね飛ばすとは」
バト「あぐっ!」ハァハァ
ハッ「やはり貫いたかフフフフ」
バト「おまえ…なかなかやるな、昔みたいに泣いてばかりじゃないな」
ハッ「戯言はもうたくさんです!イオラ!イオラ!イオラ!」
バト「うがぁ!ごぼぉ!うぎゃ!」ハァハァ
ハッ「まだ立っていられるのですか?さすがは兄者だ」
バト「剣が砕けるまで戦うまでよ」
バト「いくぞ!」
パラ「僕も!」
バト「まて!俺の戦いだ!」
ハッ「ほぅほぅ、熱い友情だ!素晴らしい!」シュパ!
パラ「うがぁ!!」
旅芸「残念ながら総力戦だ!行くぞ!」
レン「さびだれうち!」ヒュンヒュンヒュン
盗賊「タナトスハント」シュピン!
魔法「メガライヤー!!!」
賢者「スクルト!!」
勇者「うおぉぉぉぉ!」
ハッ「うがぁぁぁぁぁ黙れ!虫けら共!薙ぎ払ってくれるわ!!」
賢者「きゃぁ!」
盗賊「一撃で全ての攻撃を跳ね返すのか!!」
ハッ「調子に乗り過ぎですね、絶望を味あわせてあげましょう」
ハッ「ふん!!!ふん!!!」グワングワン
盗賊「ぐはぁ!」
レン「うがぁ!」
旅芸「なんだあの一撃は!」
ハッ「甘いな討伐軍は!ふん!!!」グワン
魔法「きゃぁ!」
ハッ「あんまり婦人は攻撃したくないのでね、呪文で」
ハッ「焼け!メラゾーマ!」
魔法「うわぁぁぁぁ」プスプス
勇者「魔法!くそっ!こっちだ!相手はこっちだ!」
ハッ「君は最後に取っておきたいのです」
勇者「そうはいくかよ!」シュパ!
ハッ「そこに居なさい!」グワン!
勇者「うがぁぁぁぁ、うぐぐ」パタリ
ハッ「くそ!強く殴りすぎた…死んだか」
魔法「そ、そんな!勇者!立って!」
ハッ「邪魔だ、こいつを一番先に殺す事にした」グサリ
勇者「ぐふぅ!」ピクピク
魔法「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
ハッ「これでもまだやると言うのか!」
賢者「戦力もそがれどうやらここまでの様です…」
ハッ「さすが物分りがいいですね、賢者殿」
賢者「一つお願いがあります」
ハッ「なんでも」
賢者「私の全身全霊の呪文をお受け出来ないかと…」
ハッ「それはそれは、その小さい身体からまだMPが?」
賢者「いえ、先程三人も生き返らせたのでほとんど…」
ハッ「足手まといは困りますね~お互いハハハハハハ」
ハッ「そこまで言うのなら、全て受け切りましょう」
ハッ「ただ、受け切って私が生きていたならば死ぬのはお前だ!」
賢者「いいでしょう、パーティーとお別れになるのは寂しいですが…」
賢者「これが私の全身全霊です!」
賢者「秘めたる力よ!神の息吹で今ここに蘇れ!マダンテ!!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ…
旅芸「でかい!」
ハッ「はははははは!ここまでとは!恐れ入った!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!ビシャァァァァァァ!!!
ハッ「うううううう、うごぉぉぉぉぉ!吸い取ってくれるわぁぁぁぁ!」
旅芸「呑み込んでいく…」
賢者「やはり…今の力では…だめでしたか…勇者様…」ガクッ
パラ「賢者さん!しっかり!」
旅芸「今甦らせてやる!」
ハッ「ぐがぁぁぁぁぁ」ボチュン!!!
ハッ「邪魔するな!小汚い人間共め!」プチュン!
旅芸「こ、これは!飲み込み過ぎて…身体が…」
ハッ「これ程までとは、さすがだな賢者殿」フラフラ
旅芸「お前…腕が…」
ハッ「剣など両腕もいらん!片腕だけあれば十分」フラフラ
旅芸「やつは体内のMPを制御できないでいる!」
旅芸「俺が生き返らせる間に時間稼ぎだパラディン!」
パラ「でも…旅芸人さん!賢者さんの身体が…」
旅芸「な、なんだ!砂の様に消えてゆく」サラァサラサラァ
旅芸「くそぉ!なんだこれは!これじゃ呪文が効かない!」
旅芸「バト!」
バト「うがぁ…なんとか動けるが立ち上がれん」
旅芸「盗賊!レンジャー!」
盗賊「無理だ、脚が折れてる」
レン「同じだ…両腕が動かない」
旅芸「魔法!」
魔法「…」
旅芸「魔法!こっちだ!」
魔法「はっ…」
旅芸「勇者は生きてるか!!」
魔法「ううん、でももうダメ」シクシク
勇者「…」ピクピク
旅芸「俺とパラディンだけか…」
旅芸「万事休す…か」
パラ「そろそろ僕の出番だね」
旅芸「やめろ!」
パラ「足手まといな僕をここまで連れて来てくれてありがとう!」
旅芸「やめるんだ!」
バト「や、やめろ…」ヘトヘト
盗賊「だ、だめだ…」ヘトヘト
レン「彼の決意か…」ヘトヘト
パラ「僕をずーっと仲間と思ってくれた…」
旅芸「やめろ!皆を引き連れて城を出るんだ!」
パラ「いつか役に立ちたいと思っていたけど弱気な僕は…」
パラ「特訓もしてくれた、食事もわいわい楽しかった…」
パラ「こんな性格がねじ曲がった奴でも相手にしてくれた」
パラ「ありがとう!」
パラ「旅芸人さん、僕が時間稼ぎをします!皆をルーラで戻してください!」
旅芸「やめろーーーーー!」
パラ「いくよ!弟さん!」
ハッ「馬鹿な、ひよっ子に何が出来る!」
パラ「温室育ちのお坊ちゃまでもね、役に立ちたいと初めて思ったんだよ!」
パラ「お前はこれで滅ぶんだ!!博愛と共にある使命いまこそ!!メガンテ!」
ハッ「馬鹿な!こんな小僧がこんな呪文だと!」
ドンドンドンドンドンドンドン…キラーン!!
ハッ「な!こんな…」
ハッ「白い…温かい呪文なぞ聞いた事も無い」
ハッ「包まれるようだ…」
パラ「さよなら、みんな」ドサァ
ハッ「うわぁぁぁぁぁ」フラフラ
旅芸「まだ…あれ程の攻撃を食らってまだ立ってるというのか!」
ハッ「うがっ、うひゅ、うぴぃ」フラフラ
旅芸「もう自我が崩壊しかけている!」
ハッ「行くぞ!全滅させてくれるわ!」
旅芸「賢者が居ない今、ザオラルでの確率は1/2だ」
盗賊「もう誰も動けない…」
ハッ「最後まで立っているのは私だ!」フラフラ
旅芸「最後だバト!勇者を高く放り投げろ!」
バト「おう!」ヒョイ!ブン!
旅芸「上手く行ってくれ!!!生き返れ!勇者!ザオラル!!」
ムムムム、ムム!
盗賊「ダメか…」
勇者「ううううっ」
旅芸「いまだ!魔法!!!」
魔法「最後のMP叩き込むわ!力を頂戴!バイキルト!」
ムムムム、ムム!
勇者「こ、これは!」
魔法「いけー!勇者!」
勇者「おぅ!」シャキン!
ハッ「無駄な事をフッ」フラフラ
勇者「うぉぉぉぉぉ!全ての力を賭けてやる!」ズズズズズ
ハッ「薙ぎ払ってくれるわ!」シュン!
勇者「うぉぉぉぉぉぉ!」
ハッ「な、なに!剣が!」パキン!!
勇者「剣ごと叩き斬ってやる!!!」ズバシッ!
魔法「はぁはぁ」ヨロヨロ
旅芸「はぁはぁ」ヨタヨタ
盗賊「はぁはぁ」ヨロヨロ
バト「はぁはぁ」ヘナヘナ
旅芸「だめ…か…」ドタッ
盗賊「もう少しだったか…」ドタッ
魔法「これで終わり…な…の…」バタッ
バト「全滅かっ!」バタッ
ハッ「ぐがぁぁぁぁ、まだ死なんぞ!」
勇者「甘い!!」シュパシュパ
ハッ「この状態から!その剣捌きだと!!」バサバサ
勇者「お前の一突きはこの記章が逸らしてくれたんだ!ロビンの従軍記章がな!」
ハッ「な、なにを!!くぉぉぅ」ハァハァ
勇者「終わりだ…」シュパ!
ハッ「うがぁ!」
ハッ「はぁはぁ…判った私の負けだ…頼みがある」
勇者「いまさらなんだよ」ヨロヨロ
ハッ「バーバラと…バーバラの隣に行かせてくれ」
勇者「わ、わかった…」ズリズリ
ハッ「ありがとう…勇者殿、もう終わりだ」
勇者「おまえの言っていた事、ちゃんと伝えるぜ…」
ハッ「そ、そうか、ハッ…思えば我ながら馬鹿な事を考えていたものだ」
勇者「発想は良いんだけどさ、中身がさ」
ハッ「これで良いのかもしれんな、心のどこかで人間が…討伐軍が来るのを
楽しみにしていた自分が居た。偽れ無い物だな心とは…」
勇者「あんたがバーバラの事好きなのも偽れないと思うけどね俺は」
ハッ「ははははは、いいんだこうやって二人で死ねる…」
勇者「もっとあんたとは話がしたかったな」
ハッ「ありがとう若者よ、兄者を頼む!さらばだ…」ガクリ
勇者「勝者なんて何処にもいないかったんだよ、ハッサンのおっさん」
勇者「俺達も全滅だもん…」
ガラッ…
ガラガラッ…
勇者「わぁ!崩れるぞ!」
勇者「起きて!早く起きて!」
旅芸「ううううっ…勝ったのか?」
勇者「あぁ…お蔭様で」
旅芸「他は?」
勇者「みんな…」
旅芸「なんとか生き返らせるぞ!」
勇者「あぁ…でも賢者はもう…」
旅芸「そうだな…彼女はもういない…」
旅芸「レンジャー!ハヌマーンの所までルーラできるか?」
レン「あぁなんとか…」
旅芸「なんとか…頼む!」
レン「腕が動かないんだ!勇者君ここからキメラの翼を出してくれ」
勇者「はい…これだね…ウッ」ドサァ
旅芸「やばい!勇者も致命傷だ!」
旅芸「いまだ!やれ!」
ヒューンヒューンユーン。
ガラガラガラ…。どどどーーーーーん。
ドサ、ドサ、ドサ。
ハヌ「どうしたんじゃ!」
旅芸「危うく全滅しかけた!早く回復させるんだ!」
旅芸「やれるところまでやってみる!MP回復剤あるか?」
ハヌ「あるとも」ゴソゴソ
旅芸「ガブ飲みしてでもやってやる!」
旅芸「はぁはぁ…」
ハヌ「賢者を除いて…殆どが深い眠りについている様だ」
旅芸「賢者だけは救えなかった…」
旅芸「誰も死なせない約束だった!!」
ハヌ「それが戦いだ」
旅芸「パラディンの様子はどうだ?」
ハヌ「うむ…彼が一番の重傷かもしれん」
旅芸「賢者とパラディンの一撃か無かったら全滅してた…」
旅芸「大した奴らだ」
ハヌ「それを指揮していたあんたもな」
旅芸「俺は傍観者さ」
旅芸「寝かせて…く…れ…zzzzzz」
ハヌ「あぁ…いつまでも休んでいいぞ」
チュンチュン♪
レン「腕が…動く!」
盗賊「脚が…動く!」
バト「身体が…軽い!」
勇者「いててて!全身がいたい!」
魔法「う~ん、まだ眠い」
パラ「あれ?僕生きてる!!」
勇者「ハヌのおっちゃん!旅芸人は?」
ハヌ「あやつならリビングでまだ寝とるわい」
ハヌ「夜通しでMP回復剤をたらふく飲んでベホイミとザオラルを繰り返しておった」
勇者「旅芸人…」
勇者「賢者…」
ハヌ「さぁ、いっぱい食べ物を用意したぞ、食べるのだ」
ハヌ「考えるのはその後じゃ」
ハヌ「ところで勇者、魔王は倒したのか?」
勇者「あぁ…魔王も人も…」
ハヌ「詳しくは聞かん、平和になるとよいがな」
旅芸「うがぁ、身体が…」ゴキゴキ
旅芸「みんなよく聞け…ハッサンが言っていた事が本当なら…」
盗賊「僕たちは用済みですね」
旅芸「そこで…俺はパラディン大臣に送ってみようと思う」
パラ「父親にですか?」
旅芸「あぁ、彼はまだ良心を持っていると信じたい…」
レン「魔法郵便なら僕が準備するよ」
パラ「なんて書けば…」
旅芸「起こった事をありのままでいい、長くなるがありのままだ」
パラ「わかりました」
勇者「俺は…賢者の故郷、賢者の里に行こうと思う」
旅芸「あぁそうだな…俺も行く」
バト「俺もだ…」
魔法「私も…」
盗賊「みんな同じ考えだと思う」
ハヌ「盗賊よ!シャルマナが来てる」
盗賊「なに!」
シャ「盗賊!」ガシッ
盗賊「シャルマナ!」ガシッ
旅芸「俺達は邪魔だ、引っ込もう」
レン「(とかいいつつ覗き見するくせに!)」
パラ「できました!」
旅芸「よし!」
レン「括りつけて…と、あて先はパラディン大臣だな」
レン「よし!飛んでけ!」ヒュンヒュン
旅芸「どういう結果になるか…」
旅芸「そして偽の手紙をもう一通」
レン「王に送ると言うのですか?」
旅芸「そうだ、本当なら軍勢は大挙してやってくる!」
レン「やってみましょう!」
レン「なんて書いたんです?」
旅芸「魔法討伐完了、前線基地まで近し!それだけだ」
レン「釣られますかねぇ?」
旅芸「一発で当たりだ」フフッ
レン「じゃこれも括り付けてと…それ」ヒュンヒュン
ヒュンヒュン、ヒュンヒュン、ポタッ
パラディン大臣「おや?」
パ大「おぉ!息子からだ!元気で討伐してるといいが!」
パ大「なになに?」
ふむふむ、うんうん
パ大「なに!!!」
パ大「馬鹿な!」
パ大「まずいぞ、まずい!」
パ大「王に謁見する!支度をしろ!」
ヒュンヒュン、ヒュンヒュン、ポタッ
王様「ん?ついに!」
王様「討伐完了じゃ!」
側近「それは素晴しい!!」
王様「だが…悲しいかな、この郵便は偽物じゃ!」
側近「そ、そんな!」
王様「討伐軍は魔王に寝返った!魔王国に居座り王国を攻撃すると書いてある」
側近「まさか!」
王様「前線基地が危ない!軍を進めぇい!」
側近「軍と言いましても…」
王様「全軍進軍させよ!」
側近「全軍ですか!それでは城の守りが…」
王様「構わん!魔王に寝返ったが強力な討伐軍には変わりはない!」
王様「叩き潰すのだ!」
側近「判りました…全軍出撃の命を出します」
ガチャ。
パ大「王様!お待ちください!」
王様「なんじゃ!今は忙しい」
パ大「討伐軍の事ではないですか?」
王様「そうじゃが?」
パ大「まさか…全軍出撃されるおつもりで?」
王様「うむ、やつらは寝返ったのじゃ!」
パ大「いけません!王様!彼らを殺してはいけません!」
王様「おまえも奴らの味方か!」
パ大「いいえ、王様…私はこの王国の味方です!!」
王様「何を馬鹿な事言っておる!息子が討伐軍なのを忘れるでない!!」
パ大「息子が王国を裏切る事などあり得ません!」
王様「えーい!邪魔だ!側近!全軍準備いたせ!」
パ大「やはり…彼らの言っている事は本当だったのですか…」
王様「な、なに?」
パ大「秀でた者を殺し、魔王国との緊張状態を継続させ、国を意のままに操る…」
王様「そんな戯言誰が信じるか!」
パ大「王様…今回は軍を引いて頂きたい…」
王様「貴様の身分で私に!王に!命令だと!衛兵!!!こいつを拘束しろ!」
パ大「いや…衛兵達も騎馬隊も重装甲兵も弓兵も…もはやあなたの軍ではない」
王様「なにを!!馬鹿な!!衛兵!構わん、こいつを殺せ!」
パ大「彼らを軍で口封じしようなどとは…言語道断!」
パ大「さらに!魔王がもう居ないのを良い事にそれに乗じて国を!王国民を操ろう等と
画策するわ一国の王にあらず!」
王様「私が直に制裁してやる!」プヨン
パ大「馬鹿な…国政もせず食べるだけ食べ、贅をつくし前線には一度も赴かない」
パ大「魔王が亡き今、訪れる和平への道程をその肥えた醜い塊で閉ざす事は出来ません」
王様「なにを!」プヨン
パ大「王様、最後に剣を持ったのはいつですか?王国の繁栄を夢見たのはいつですか?」
王様「お前に何が判る!!」プヨン
パ大「魔王を倒した勇敢なる討伐軍を迎えようともせず己の野心のみに奔走する
その姿…あなたこそ魔王と呼ばれてもおかしくは無い!」
王様「くっ!衛兵!衛兵はどこじゃ!」
衛兵「はっ!」
王様「そこにいるパラディン大臣は解任した、殺せ」
衛兵「できません!」
王様「ならお前も解任だ、大臣になりたい奴はおるか?」
衛兵「王様…」
王様「こいつを殺せば大臣にならせてやる!誰かおらんのか?」
パ大「衛兵!」
衛兵「はっ!」
パ大「王様は体調がすぐれない様だ」
衛兵「はっ!医務室を開けてあります!」
王様「なにを!お前達!裏切ったな!」
パ大「いいえ、裏切ったのはあなたです王様!」
パ大「歴代の王は勇者一族を滅ぼした…あなたは知っていたはずだ!」
王様「知らん!そんな話は知らん!」
パ大「衛兵!王様を医務室へお連れしろ!」
王様「さ、さわるな!やめろ!うわっ!やめ!」ジタバタ
パ大「鍵を閉め、誰も近寄らせるな!いいな!」
衛兵「はっ!」
ガチャ!
パ大「王位は不在とし、臨時に私が直々に指揮をとる」
側近「はい」
パ大「権力を振おうなんて思っておらん、混乱を鎮めるのだ」
側近「わかりました」
パ大「全軍を後退させ、魔王軍との直接交渉をする!」
側近「しかし…」
パ大「全ての軍を前線から遠ざける、魔王軍に魔法郵便を送れ」
側近「はい」
パ大「これ以上王国軍に死者を出す訳にはいかんのだ」
側近「わかりました、では早速!失礼!」
パ大「まて!」
側近「はい?」
パ大「おまえも同罪だ!連れてけ!」
衛兵「はっ!」
側近「私はなにも!」ジタバタ
ガチャ。
パ大「息子よ…成長したな…」
ハヌ「また会おう」
旅芸「そうだな」
勇者「じゃぁな!」
ハヌ「元気でな」
ハヌ「どうせなら伝書鳥に乗ってけ」バッサバッサ
旅芸「いいのか?」
ハヌ「戻れと命令すればまたここに戻ってくる」
旅芸「ありがたい!恩に着る!満足な礼も出来ずすまない」
ハヌ「なに、また来ればよい」
バッサ!バッサ!バサバサ!
パラ「うほー!飛んだぁ!」バッサバッサ
盗賊「相変わらず高いな」バッサバッサ
旅芸「ん?盗賊!シャルマナはいいのか?」バッサバッサ
盗賊「あぁ、落ち着いたらまた来るよ」バッサバッサ
旅芸「お前が魔物とねぇ…」バッサバッサ
盗賊「それは言わないで!」バッバッサ
旅芸「はははははは」バッサバッサ
盗賊「はははははは」バッサバサバサ
バト「怖すぎる!おぃ早く降ろしてくれ!」
レン「ところで何処行きます?」
魔法「賢者ちゃんの故郷…賢者の里へ」
勇者「そうだな…」
賢者の里
ぴーろーりー、ぴろりーりり、りりりーりー♪
勇者「ついたぜ」
旅芸「俺にも経験がある…戦死した仲間の家族に報告するのは辛い…」
旅芸「俺が行くか?」
勇者「いや俺がやる!」
チリンチリン♪
賢者母「はーい」
勇者「こんにちは、本日はお話がありまして…」
賢母「はい?」
勇者「魔王討伐軍に参加された賢者様は…勇敢に戦われ…皆の為に犠牲に…」
賢母「お待ちになって」
勇者「はい…」
トントン、トコトコ
賢者「勇者様!お会い出来ました!」
勇者「け、賢者!お、お、お、!い、生き返ったのか!」
賢者「えぇまぁ何と言いますか…その」
勇者「よかった!」ガッシリ
賢者「お会い出来て嬉しいです」ガッチリ
賢者「(あーこれはもうダメだわ、夜寝られないわ)」ホールド
旅芸「どうして生き返る事が…」
パラ「そうですよ!あの時僕と旅芸人さんと生き返らせようとしたんですが」
旅芸「そうだ、君は砂の様に解けて風に乗って飛ばされていった…」
魔法「生きてたのね!賢者ちゃん!」
賢者「(うお!あっあんたも生きてたん?)」
賢者「私達一族は特殊な能力の一つに帰巣魔法があります」
バト「帰れるのか?」
賢者「はい、なので私が死ぬわけには行かなかったのは私が死ぬことで
私がパーティーから抜けてしまう事を恐れたのです」
パラ「すごいね!」
盗賊「知らなかった…(エロパンティと関係あるのかな?)」
旅芸「まだ若いのに、そんな魔法まで習得させるとは…この里とは…」
賢者「えーっと、大変言い難い事ですが…」
旅芸「すまん、馬鹿にするつもりは微塵もない」
賢者「えー、何と言いますか…チビの胸ペッタンコな私ですが、若くは無いです」
盗賊「そうなんですか!」
賢者「(こいつ食いつきすぎ!)」
賢者「一族は昔から身長はこれ以上伸びませんし、歳をとってもあまり老けません」
盗賊「え?え?え?」
賢者「(さんざん尻撫でまわしといてなんだよそれ!)」
賢者「なので…下手をすれば皆様より年上かと…」
勇者「うっそ!うっそ!え?」
賢者「(勇者様との歳の差婚!キタコレ!)」
勇者「(まて…ちょっとまて!あの夜…あぁ…あぁ…あぁぁぁぁ!)」
旅芸「どうした勇者?ガックリ肩を落として大丈夫か?」
勇者「いえ、なんでもないです。旅の疲れが」
賢者「なので、死んだんですが、また舞い戻れるという…」
賢者「ところで皆さん、これからどちらに?」
旅芸「これから、前線基地に向かう…」
パラ「僕が送った魔法郵便で、ハッサンが正しいか王が正しいかを確かめに!」
賢者「そうですか、私も回復したのでご同行致してよろしいですか?」
旅芸「あぁ、君が居てくれた方が心強い」
賢者「では」ヨッコイショ
勇者「じゃいくよ!賢者!捕まって!」バッサバッサ
賢者「言われなくても!」ガッチリ
勇者「うぐっ、強過ぎ!強過ぎ!」
賢者「大丈夫です!」ギッチリ
勇者「(変な子…)」
勇者「じゃ飛ぶよ!」バッサバッサ
賢者「はい!」ホールド
勇者「ぐふぅ」
魔法「なによ!イチャイチャしちゃって!」
パラ「妬いてるんですか?」ケタケタ
魔法「はぁ?メラ!」ボワン
パラ「あちっ!!仲間に攻撃呪文はダメでしょ!あっつ!」
バト「また俺はぶらさがるのかよ!」
旅芸「仕方ないだろ、図体でかいんだから」
バト「早く行け!」
前線基地
パラ「変わりないですね?」
旅芸「あぁ、まだ魔法郵便の内容がまだ効力を発揮してないみたいだな」
パラ「僕はちょっと用事が…」
旅芸「あぁ、野暮な事は言わないよ」
パラ「ありがとうございます」
テクテク。トコトコ。
パラ「ここだ!」
パラ「こんにちは!
ガラガラ。
ロクサーヌ「帰ったの?帰ったのね!」
パラ「うん!」
ロク「強くなって帰ったのね!」
パラ「それは判らないけど…魔王は倒してきた」
ロク「ステキ!ステキ過ぎる!」
ルイーダ「安くしとくよ!行きな!」
パラ「ありがとう!」
ロク「さぁ!こっちよ!」
ガガガガ。
パラ「ロクサーヌ!会いたかった…」
ロク「私もよ!」
パラ「どりゃぁぁぁ!」
ロク「いきなり!そんな!あっ!ダメ!シャワーを…あっあん」
…
ロク「強くなったのね、あっちもこっちも」
パラ「そんな事は無いよ強くしてくれたのはロクサーヌ、君だよ」
ロク「うれしいわ!」
パラ「じゃ、もう一回!」
ロク「た、立てないわ…」
…
ロク「こんなの…凄すぎ!誰に教わったの?」
パラ「盗賊さんだよ」
ロク「(ちっ!あのやろう!)」
ロク「凄いわ、私の弱い所全部知ってる…」
パラ「(それは盗賊さんから図解入りで教えてもらったしねウフフ)」
パラ「また来てもいいかい?」
ロク「私も会いに行くわ…好きよ」
ガガガガ。
ルイーダ「おつかれ~」
パラ「どうも」
ルイ「延長含めて…え~っと5500Gね」
パラ「(高すぎ!)」
パラ「あっ、はい」
ルイ「嘘だよ!50Gでいいよ!」
パラ「ふぅ~びっくりした」
ルイ「旅芸人に後で顔出せって言っといてね!」
パラ「はい!さよならー」
勇者「ちょっと俺も幽霊のおっさんに会いにいってくる」
コンコン。
レオコーン「だれじゃ」
勇者「俺だよ!おっさん!幽霊のおっさん!」
レオ「おぉ!生きておったか!」
勇者「魔王を倒せたよ!」
レオ「そうか!よし!よかった!」
レオ「お前にその剣を授けた事、間違いじゃなかったわい」
勇者「ありがとう!この剣のお蔭で…助かったんだ」
レオ「そうか…これでワシも成仏できるの」
勇者「成仏?」
レオ「その剣にはワシの想いが込められておる」
勇者「想い…」
レオ「それをお前に託した…」
レオ「そしてそれが成就されたのじゃ」
勇者「想いってなんだよおっさん!」
レオ「ワシは本当は死んだ身じゃ、幽霊じゃ」
勇者「知ってる…」
レオ「その剣はワシが生前に作った物…そしてそれは魔王を斬る為に作った…
じゃが…剣が完成した頃にはもうワシは歳を取りすぎてた」
勇者「あぁ」
レオ「無念じゃった、ワシはこの地で魔王に敵う者を待ち続けた…」
レオ「何人も居たが、幽霊のワシを相手にするものなどおらんかった」
勇者「でも俺にはおっさんが見えた!」
レオ「そうじゃ、その時決めたんじゃ…」
レオ「よかった、剣の持ち主がお前でよかった」
勇者「ありがとう!」
レオ「いろいろあったじゃろう、でもその剣はいつもお前のそばに居たはずじゃ」
レオ「長話をし過ぎたかのぉ」
勇者「おっさん!大丈夫か!」
レオ「死ぬんじゃない…これでワシは成仏できるんじゃ」
レオ「さらばだ勇者殿!!その心忘れるでない」
勇者「でも俺…勇者じゃないんだ、勇者一族の人間じゃないんだよ!」
レオ「何を言っておる!立派な勇者じゃ!」
レオ「またお前の代から勇者が続くんじゃ!しっかりせい!」
勇者「おっさん!消えないでくれ!もっと剣を教えてくれ!」
レオ「お前ならもう大丈夫じゃ…」ホワワワワワン
勇者「…あっ!おっさん!(白い塊が天に…)」
勇者「ありがとう、レオコーン師匠!」
酒場
ワイワイ。ガヤガヤ。
師団長「皆の者!よく聞け!」
師団「王国より報告があった、以下の事をするようにとの事だ」
師団「1!王国軍は魔王軍との戦いを休戦状態とする!」
師団「2!魔物とは交戦を許可しない!」
師団「3!王が体調を崩された為、パラディン大臣が代行し王国を運営する!」
師団「4!使者を出し、目標の地点にて魔王軍幹部との会合をする事!」
師団「5!その使命は魔王討伐軍に一任する事!」
師団「以上だ!さぁ兵士諸君!休戦だ!飲み明かせ!」
兵士「わー!やったー!ひゅー!」
兵士「飲むぞぉぉぉぉ!」
兵士「ひーはー!うおぉぉぉ!」
兵士「帰れる、やっと帰れる…」
ヒソヒソ
パラ「魔法郵便!届いたみたいですね!」
旅芸「あぁ、御父上がまともでよかった」
バト「王はやはりハッサンの言うとおりだったか…」
勇者「俺…おっさんの弟を…」
バト「言うな、仕方がない事だ、それにハッサンも判っていたんだ」
勇者「でも…」
バト「気にするな、俺はお前を恨んでなんかいないぞ」
勇者「おっさん!」ウエウエ
バト「泣く馬鹿がどこに居る!今日は祝杯だぞ!」
バト「ありがとな、勇者…」
旅芸「でも俺達が行くのか?」
バト「そうみたい…だな」
レン「交渉官はパラディン君だね、大臣代理だ」
パラ「そ!そんな!」
魔法「大臣代理すごーい!」
賢者「すばらしいです!」
盗賊「誰が来るんでしょうね?向こうは…」
勇者「ハッサンじゃないよな…」
盗賊「生きてたら…また戦いが始まりますね」
勇者「そうだな…」
旅芸「じゃぁ明日は早いし寝るか…」
バト「俺は飲む!」
ガチャ。
勇者「ふぅ~これからどうなるんだろうな…」
勇者「俺…もう勇者一族じゃないしな…」
コンコン。
勇者「おっ」
魔法「ごめん…こんな夜遅く、眠れなくて」
勇者「あぁ俺もだよ」
魔法「すわって…いい?」
勇者「あっあぁ…(ち、近いな…)」
魔法「今日までありがとう」ムニュ
勇者「(当たってる!おっぱい当たってるって!)」モッコリ
勇者「なぁ、これからどうするんだ?また村に戻るのか?」
魔法「うん、みんな待ってるし…」
魔法「勇者も来る?」
勇者「あぁそうだな…俺勇者じゃないもんな」
魔法「そう言う事…もう言わない約束して…」チュ
勇者「(あったかい)」モッコリ
勇者「いいのか?俺で…」
魔法「あなたがいい…」
コソコソ
盗賊「おっ!ついに!勇者殿と魔法殿が!」ウシシシ
旅芸「押すなw押すなって」
レン「見えないでしょう僕が!」
魔法「はっ恥ずかしい…」
勇者「綺麗だよ」
コソコソ
盗賊「やっぱり魔法殿は胸大きいな」
旅芸「小娘にしちゃーよく育った方だ」
レン「ちょっとまって!僕今、妹の見てるんだよね…」
旅芸「趣味の悪いやつだ」
レン「冷めたなーすっごい冷めた」
魔法「あっ…」
勇者「うくっ」
コソコソ
盗賊「勇者殿は早そうですね」
旅芸「まぁまだ若造だしな」
レン「(見ないぞ!僕は見ないぞ!)」
魔法「だ、だめぇ!」ピクピク
勇者「うあぁ」ドクドク
コソコソ
盗賊「いきなり中…ですか!流石勇者殿!」
旅芸「え?え?盗賊も魔物相手にしてなかった?」
盗賊「何故それをご存じで?」
旅芸「なんでもない…」
レン「あぁ!妹が大人になっていく!」
魔法「愛してる…」
勇者「俺も愛してる…」
コソコソ
盗賊「なんか、やっと結ばれたって感じで安心しました」
旅芸「勇者やるな!」
レン「勇者が義理の弟になるのか…複雑だな」
チュンチュン♪
賢者「ん?」
魔法「なに?」
賢者「くんくん」
魔法「な、なによ」
賢者「魔法さん、昨日勇者殿と結ばれましたね!」
魔法「な!なによいきなり!」
賢者「エッチな魔法使い…」
魔法「ちょ!やめてよそう言うの!」
賢者「これからは勇者様の彼女な訳ですから下着もオシャレな物をと…これをどうぞ」
ガサガサ、ゴソゴソ
魔法「え?」
賢者「新品です!」
魔法「こ…こんなの履けない///」
賢者「(かまととぶってんじゃねーよビッチが!)」
賢者「では失礼します」
魔法「あ、ありがと…でもこれ…穴空いてるけどスースーしそうだな」
レン「この辺りじゃないか?」
旅芸「武器を降ろすな!」
勇者「こんな森の奥で停戦協議?」
バト「待ち伏せしてくれって言ってる様なもんだろ!」
パラ「誰か来ました!」
盗賊「偵察隊か?」
勇者「いや違う!あいつは…あっ!あいつだ!」
パラ「誰だろう?ん?あぁ!」
イエローサタン「どもどもー皆さんどもー!」
ヴァルハラー「ちーっす!おはちーっす!」
勇者「い、生きてたのか!!!」
イエ「はい、なんとか」
勇者「また会えたな…」
イエ「あれから崩れゆく魔王城でバーバラさんに回復魔法叩き込まれまして…」
バト「バーバラは?ハッサンはどうした!」
イエ「残念ながら…」
バト「そうか…」
旅芸「で?お前が使者か?」
イエ「そうです、一応代表して来ました」
旅芸「こっちの代表はパラディンだ」
イエ「そうですか!よろしくお願いします」
カクカクシカジカ…
イエ「じゃここに判子押してっと!」
パラ「はい、じゃ僕もここにっと!」
イエ「良い交渉が出来ました」
パラ「こちらこそ」
イエ「で、なんですが…」
パラ「はい」
イエ「お互い魔法郵便で送った後ですね…これでもやろうかと」ドシン!
パラ「酒…ですね」
イエ「はい!どうですか?旅芸人殿!」
旅芸「ったくお前達は酒好きだなw」
イエ「人間には劣りますけどねw」
旅芸「いいだろう、飲み明かそう!」
ワイワイガヤガヤ
イエ「いやぁ!皆さんお強い!」
勇者「お前の部下もすげー強いじゃねーか!」
ヴァ「えへへへ、うひひひ」
盗賊「うひゃひゃひゃw」
バト「どりゃ!どうだぁ!」
魔物「すげーっす!バトさん!まじすげーっす!」
魔法「こうやって…こうすると…ほら!」ボワン!
魔物「えー!なんで?魔法すげー!!」
ワイワイガヤガヤ
イエ「良い交渉が出来ました」
勇者「そうなのか?」
イエ「今日はそろそろ帰らないといけません、暗くなりますし」
勇者「お、おぅ、またな!」
イエ「また飲みましょう勇者殿」
勇者「そうだな!」
イエ「それでは皆様、ごきげんよう」
バト「また飲もう、イエロー交渉官!」
イエ「あなたには敵いません」ハッハッハッ
旅芸「達者でな」
イエ「近いうちにまたお会いしますよ、きっと」
旅芸「そうだな、そうなるといいな」
テクテク。
前線基地入口
魔法「いや~飲んだ飲んだぁ~」
パラ「確かに…飲み過ぎましたね」
謎3「そこまでだ!」
旅芸「誰だ!」
謎3「お前達は反逆者だ!大人しく投降しろ!」
旅芸「何者!名を名乗れ!」
謎3「王より命を賜った我らは王国特殊作戦群の者だ」
旅芸「馬鹿な!ありえん!」
指揮官「お前達は反逆者だ、大人しく投降するがいい」
勇者「なにやってんだ親父?」
指揮「勇者よ!裏切ったな!」
勇者「オヤジ!何馬鹿な事言ってるんだ?」
旅芸「確かに…勇者の父上殿だな」
賢者「これはこれは…父上殿お久しぶりで御座います」
指揮「賢者か…いまいましい一族め!」
バト「で?なんのご用件で?」
指揮「しらばっくれるなバトルマスター!」
バト「え?なぜですか?交渉は全て私達に任せて頂いてるはずが」
指揮「王の命令だ!」
パラ「王とは?」
指揮「これはこれは!謀反を起こしたパラディン大臣のご子息か!」
パラ「謀反?」
指揮「王は幽閉されていたが、復帰されたのだ!」
旅芸「チッ!余計な真似を…」
指揮「これより後に続々と精鋭軍がやってくる」
旅芸「ほほぅ、ならば進むまでだ」
指揮「馬鹿な!死ぬ気か旅芸人!」
旅芸「いいや、あんたは真実を知らない」
指揮「真実は一つ!貴様らは裏切り者だ!」
勇者「オヤジ!馬鹿じゃねーのか?」
指揮「オヤジと呼ぶのはやめろ!」
勇者「はいはい、指揮官殿!」
指揮「馬鹿にしおって!ひよっこが!」
勇者「裏切り者は王だ!それ以外居ない…」
指揮「信用できぬ!」
勇者「息子の言葉でも信用できないのかオヤジ…」
指揮「うぬっ」
勇者「俺達は勇者一族ではない事は知っているだろう?」
指揮「知らぬ!」
勇者「魔王城で全部教えてくれたよ…バーバラがね」
指揮「おまえは操られておるのだ!目を覚ませ!」
勇者「覚ますのはオヤジの方だろうが!」
指揮「バーバラやハッサンが生きている訳がなかろう!幻影だ!」
勇者「あんた本当に俺のオヤジなのか?」
指揮「バーバラか」ハッハッハッ!
勇者「何がおかしい!」
指揮「一年も前に死んだ者が今生きていたというのか?」ハッハッハッ
勇者「俺と戦って死んだよ…」
指揮「ハッサンもか?あの裏切り者もか!」ハッハッハッ
勇者「裏切り者?裏切り者は後ろに居る太った塊だよ!!」
ジャリ。
王様「もうよい、指揮官よ、こやつらは捕えて磔にする」
勇者「お出ましか」
旅芸「ほぅ…戦闘地域に初めてお出ましですな王様」
王様「だまれぃ!」プヨン
旅芸「嵌めたな…王よ」
王様「かまわん!叩き切れ!」プヨン
指揮「ん?なんだ!」
王様「ん?どうした指揮官!」
旅芸「こ…この霧は…バーバラ」
バト「まさか!生きていたのか!」
指揮「王様をお守りしろ!」
王様「ひぃーやばいじゃないの!」プヨン
モワモワ。モワモワ。
旅芸「どこだ!バーバラ!」
勇者「出て来てくれ!」
バト「ハッサン!ハッサンはいるのか!」
賢者「まずいですよこの霧は!」
盗賊「何か来る…」
レン「確かに…足音が来る」
モワモワ。モワモワ。
バーバラ「王様」
ハッサン「王よ!」
王様「ひぃぃぃぃ!」プヨン
指揮「な、なにやつ!」
バー「魔王討伐完了いたしました」
ハッ「多大な犠牲がありましたが…討伐完了です」
旅芸「見えない…」
バト「声しか聞こえん!ハッサン!どこだ!」
モワモワ。モワモワ。
王様「わわわわわかった!わかった!もうよい!」プヨン
指揮「見えない!声しか聞こえないぞ!」
部下「あれは!」
部下「おぉ!」
部下「ハッサン様の剣が!」
部下「バーバラ様の赤いマント…」
モワモワ。モワモワ。
部下「ハッサン指揮官の御帰還だ!」ワー
部下「バーバラ魔法指揮官の御帰還だぞ!」ワー
指揮「静まれ!狼狽えるな!隊列を守れ!」
王様「ひぃぃぃぃ」ジャーーーーポタポタ
モワモワ。モワモワ。
旅芸「剣とマントしか見えない…」
バト「迂闊に飛び込むのは危ない」
ワー!ワー!
部隊「ハッサン!ハッサン!ハッサン!」ワーワー
部隊「バーバラ!バーバラ!バーバラ!」ワーワー
勇者「皆泣いている…」
魔法「それだけ人望があった人なのよ…」
旅芸「ぐっ…」
バト「幸せな奴だ…やつらは…道を外さなければ…」
モワモワ。モワモワ。
盗賊「やはりあなたの仕業ですねw」
賢者「バレましたかw」
盗賊「でもこれは内緒にしておきます」
賢者「ありがとうございます」
モワモワ。モワモワ。
部隊「ハッサン殿!バーバラ様!」
指揮「ええぃ!泣くな!何をしておる!戦闘態勢を取れ!」
勇者「オヤジよりもハッサンとバーバラは皆に愛されていたんだよ」
指揮「黙れ!」
勇者「王の言いなり人形のオヤジには何を言っても無駄か…」
指揮「生意気な!」
モワモワ。モワモワ。
賢者「そろそろいいでしょう…」
盗賊「ですね」
ヒュー。
バト「霧が…」
勇者「晴れた」
旅芸「誰もいない…」
パラ「旅芸人さん!あれを!」
王様「ひぃぃぃぃ」プヨン
旅芸「漏らした王か…」
王様「引け!引くのじゃ!指揮官!引けぇ!」プヨン
指揮「しかし!目の前に裏切り者が!」
王様「もうよい!もうよい!軍を引け!」プヨン
指揮「仰せのとおり!」
指揮「引けぇ!」
勇者「無理だよオヤジ」
指揮「なに?」
勇者「王の言う事を聞くものはアンタしかいない」
指揮「引け!引くんだ!」
カン、チャリン、ボテッ、ボトッ…
指揮「何をしておる!武器を持て!」
ボトッ、チェリン、カンカン…
指揮「敵前で武器を捨てるとはなんたる失態!」
古参兵「もう終わりだ…戦いはもういい」
指揮「貴様!」
古参「みんな…みんな居なくなってしまった…」
指揮「弱音を吐くな!」
古参「バーバラもハッサンもロビンも…みんな」
勇者「まだ判らないのかオヤジ!!」
指揮「なに!」
勇者「もう終わったんだよ…あんたも王も」
指揮「馬鹿な!」
勇者「裏切り者はあんたでも俺でもない…」
指揮「ぐぬぬ」
勇者「王の元へ帰ればいいだろ…俺達は裏切り者じゃない」
指揮「この件は追って処罰があろう!」
指揮「全軍撤退!!」
勇者「従う奴はもういない…」
ドドドドドド。
勇者「誰だ!森の中から何か来るぞ!」
謎4「あの時の勇者はいるか?」
指揮「なに奴!」
謎4「お前みたいな臆病者のずる賢い奴とは話したくもない」
指揮「なに!!」
謎4「勇者よ!姿を見せてくれ!」
勇者「な、なんだ?」
破壊の女神フォロボシータ「おっ!居たか!」
勇者「フォロボシータのおばちゃんか!」
フォ「おばちゃんとは失礼な!」
勇者「ごめん」
フォ「あの時はわが村を救ってもらい礼を言う」
勇者「気にするなよ、旅芸人に礼を言ってくれ」
フォ「お前達の勇敢なパーティーに礼を言う」
勇者「恥ずかしいだろ!」
商人「どもども」
勇者「おまえ!!!」
商人「ひぃぃ!殺さないで!今は真面目にやってるんです!」
勇者「ん??」
フォ「我らは婚姻した」
商人「人間で言う結婚ですね」
旅芸「えぇ…」
パラ「うぇ…」
商人「ちゃんと魔王国と王国の経済発展の為に道路作ったりしてます!」
勇者「マジかよ!」
商人「それに!お互いの貿易会社も作りました!」
勇者「やるなおまえ!」
フォ「という事だ勇者よ」
旅芸「お前が人間を愛するとはな…」
フォ「人も、魔物も変わるものだ」
旅芸「そうかもな」
フォ「と言う事で、この勇者一行に攻撃あらばこのフォロボシータがお相手する」
指揮「なにを!!!!魔物め!」
フォ「はっはっはっ!何を怖気づいている!その腰に付けた大きな剣を抜くがいい!」
指揮「ぐっ!」
フォ「抜いた瞬間、お前の首は地面を拝んでると思え、さぁどうする!」
指揮「引けぃ!全軍ひけぇい!」
王様「ひぃぃぃ!どいつもこいつも馬鹿ばかりだ!」
旅芸「やつは…終わりだ」
旅芸「ここの師団長は誰だ!」
師団長「私であります!」
旅芸「お前は…ロビンの…」
師団長「は!!ロビン殿の戦友でありました!」
旅芸「元気だったか…」
師団「は!!お会い出来て…光栄…です」
旅芸「泣くな…俺まで泣けてくる」
旅芸「師団長!指揮官と王を捕えよ!戦争拡大の因は彼らにある!」
師団「はっ!!捕えい!!」
王様「なにを!なにを勘違いしておる!やめろ!」ジタバタ
指揮「裏切る気か貴様!やめろ!」ジタバタ
旅芸「レンジャー!魔法郵便をパラディン大臣に送れ!!」
レン「了解!」
旅芸「任務完了、裏切り者は捕えたと伝えるんだ!」
勇者「オヤジ…まだ悪あがきするのか?」
指揮「なにも判ってない!お前はまだひよっこだ!」
勇者「親父!!!」
指揮「うるさい!」
勇者「なぜ…何故だ!バーバラとハッサンが生きてる事を皆に知らせなかった!!」
指揮「…」
勇者「そして何故、魔王国の密使が来た時話を聞かずに斬り捨てたんだ!!」
指揮「…」
勇者「王国の衰退に手を貸そうとしたんだ!!!それに…何故俺を殺そうとしたんだ!」
指揮「…」
勇者「答えろ親父!!」
指揮「判った…話そう」
指揮「確かに…おまえの言うように私達はもう勇者一族でない。
勇者一族はもう遥か昔に途絶えた。
おまえは知らないだろうが、魔王を倒したその圧倒的戦闘力に
当時の王は感謝し、王国民は彼等一族を尊敬した。
だが、当時の王が倒れた時、私利私欲に走り王国を私物とみなす
当時の参謀側近が居た。そいつは若き王の後継者をも謀殺し
王の血筋を絶やし、自分が王へと上り詰めた。」
王様「な!何を言うか!私こそが正当な血を受け継いだ王ぞ!!」
勇者「黙れ!」
指揮「裏切り者の王の血が続き今の王にも受け継がれている
王国の秘密を知るものは少ない。勇者一族はその事を知り抹殺された。
そして!王国民の栄光の形としてだけ後世に残された…
そして討伐軍を編成し送り出すことを繰り返すうち、私は王の陰謀に気がついた。
また再び王国を我物にしようと!才能のある若き者、賢者、博士、
力を持つ軍指揮官を次々と討伐軍に入れ送り出し殺した。
だが、こんな事を繰り返すうちに異変が起きた。
それは王国民の羨望を集める二人の若き指揮官、それに従う最精鋭の兵達
王は嫉妬したのだ…」
王様「はっはっはっ!何を戯言を!」
旅芸「醜いな、王よ」
指揮「バーバラやハッサンから討伐が終わったとの知らせに王は
狼狽えた。討伐を完了したら…国に帰ったら…王国民は彼等を
英雄として迎えるだろう。そうなると自分の今の国政では引きづり下ろされる
可能性があると考えた王はその知らせを黙殺した。」
盗賊「なんて奴だ!クズ以下だ!」
王様「王に対してなんじゃその口の効き方は!!」
盗賊「今すぐ殺してやりたい…」
指揮「魔法郵便は何通も来た、さらに密使までもが来たが王は動かなかった
この戦争状態を長引かせること、その一点に王は固執した。
私は…王に助言をした。このままでは国は疲弊するばかりだと…
だが帰ってきた答えは、息子を!お前を!討伐軍に参加させることだった!
さらに
同じく助言をしたパラディン大臣のご子息殿や
各村の秀でた若者や特技を持つもの、そして旅芸人殿が他国の
傭兵であること。そしてさらにバトルマスター殿が事情を知った際に
生きている事を恐れた王の策略だった。」
勇者「何故…なぜ黙ってたんだ!」
指揮「お前にはわかるまい、家族を…全てを人質にとられてはな…」
指揮「今回、討伐が完了したと知らせを受けた時
今回も王は黙殺しようと企んだ。だが!パラディン大臣の機転により
王はその対応策を失った。だが王の手下は大勢いる。
今度はパラディン大臣が幽閉され軍が派遣された。
帰ってきたお前達を亡き者にする為、そしてハッサンやバーバラが
生きていた証拠を消すためだ。」
勇者「そこまでして…大勢が死んだんだぞ!」
指揮「どうやら、私も麻痺していたようだ」
旅芸「俺に王を殺させろ!その後は好きにしていい」
指揮「だめだ、曲がりなりにも私は王の警護隊長だ」
旅芸「ならここで剣を抜くか警護隊長殿!」
指揮「いや、それには及ばない」
旅芸「ならどうする…」
指揮「私が処罰し、私も王と運命を共にする」
ガサガサ、ボバァハァァァ!
魔法「な!なんで!」
賢者「こんな時に!!」
魔物「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
バト「旅芸人!!またあいつだ!!」
旅芸「くそっ!イボイノス!!」
イボ「うがぁぁぁぁぁ!久しぶりだな王よ!」
旅芸「な!なに!」
賢者「最大魔法で消し去ってやる!」
バト「まて!様子が変だぞ」
王様「なななな!なんだお前!」
イボ「なんだ?忘れたのか?前も襲えと指示したのはお前だろう」
王様「知らん!知らんぞ!」
イボ「惚けるのか?それとも…」
王様「お前に襲えと指示などしとらん!」
イボ「ほぅ、これは驚いたな」
旅芸「久しぶりだな…」
イボ「あぁ、あの時以来だ…」
旅芸「お互い敵討ちか」
イボ「また大勢死ぬぞ」
旅芸「得策じゃないな、お互い」
イボ「イエローサタンから聞いた…お前達がここに居るのをな」
旅芸「全滅させる事が出来る!って思ってきたのか?」
イボ「いや、もう過去には戻りたくない」
旅芸「お前にしては遠慮がちだな」
イボ「変わらんな、旅芸人」
勇者「おぃ!イボ!」
イボ「イボとか言うな!」
勇者「さっきの襲えと指示とはなんなんだ?」
イボ「あぁ、あれはまだ俺が突撃隊に居たころだ…
この前線基地に軍勢が集まっている事を王国から聞いた。
王の署名入りでな。俺は騙されれ居ると思い辺境の地で王と密会した。
王は言ったよ俺に「ここに居る者共を殺せ」とな。
半信半疑で向かった先の前線基地で戦いは始まった。
旅芸人、バトルマスター…酷い戦いだったな」
バト「あぁ…地獄だった」
旅芸「大勢を失った、俺達もお前達もな」
イボ「俺は今にもコイツを殺したい、過去に遡ってあの時会う事を断りたい」
勇者「そうか…当時の戦いは仕組まれたいたんだな」
イボ「そう言う事だ」
勇者「仕組んだのはあの王だと言う事だ」
盗賊「忌々しいクズめ!」
王様「ひっひっひっ、いろんな馬鹿が出てくると思えば
イボイノス!余計な事を喋りおって!はなからお前等など信用しておらんわ!
もう少しで我が王国が完成したのだが、こうなれば仕方がないのぅ
もう一度魔王国を再建させて戦うとするか」
勇者「なに!」
旅芸「外道め!」
王様「そうはやるな愚民共、魔王国は私が復活させたものだぞ、そうやすやすと
滅びられても困る。また戦いを始めるがいい!」
バト「馬鹿な!奴が魔王国を作ったと言うのか!」
旅芸「ハッサンもバーバラもそれを暴いて殺された様なもんだ」
王様「では、私は帰るとするよ。馬鹿は剣しかしらないんだ、剣を振っていればいい」
勇者「まてよ!」
王様「なんじゃ?褒美が欲しいのか?」
勇者「立て!そして正々堂々と俺と戦え!」
王様「はにゃ?おまえと?煩い奴だ!おぃ指揮官!息子とは言え言葉が過ぎる、殺せ」
イボ「人間たちもこんな奴を相手にして大変だな」
旅芸「あぁ、だがこの先は無いけれどな」
イボ「ならこうしよう、俺達の戦時捕虜として捕まえる、命は保証しよう」
旅芸「今は戦時ではないぞ」
イボ「なに、お前が戦闘態勢を皆に取らせれば一時的には戦時だ」
旅芸「俺は指揮官ではない」
指揮「私がしよう。その後裁判に掛ける」
イボ「あぁ、殺しはしない。だが魔王城の最下層の寒い部屋だがな」
旅芸「あの脂肪なら問題ないだろう?」
イボ「俺でも居たくない所だぞ」
指揮官「今までの王国は偽りであった!!!皆の者!今一度剣を取れ!!
攻撃の指示あるまで一切の手出しは許さん!よいか!」
ワー!ワー!
旅芸「戦闘態勢だ!」
指揮「イボイノス殿頼んだぞ」
グイッ。
王様「な!何をする!離せ!今は停戦中じゃ離せ!」ジタバタ
イボ「何を言う周りを見て見ろ!」
王様「馬鹿な!みな剣を捨てろ!」
イボ「お前達の王を捕虜と見無し連行する!」
指揮「イボイノス殿、了解致した。くれぐれも捕虜の取り扱いにはご注意を」
イボ「了解した。お互いの発展を祈ろう」
王様「離せ!おぃ!離せと言っているだろう!」ジタバタ
イボ「丁寧に扱わなくてはな。それでは我らは軍を引く!」
ドドドドドドド。
指揮「戦闘態勢解除!剣を下ろせ!!弓を下ろせ!!」
勇者「親父、それでいいのか?」
指揮「かまわん、もう終わったのだ」
勇者「そうか…」
指揮「全軍城に戻れ!パラディン大臣の指示に従え!全軍行軍開始!」
ザッザッザッ
勇者「親父!」
指揮「うむ、後でゆっくりと話そうぞ息子よ」
旅芸「さぁ俺達も帰るぞ」
バト「その前に前線基地で飲みたい気分だ」
旅芸「そうだな」
バト「飲み明かそう…今はそれだけだ」
ルイーダの酒場
パラディン「るん♪るん♪」
ガラガラ…
パラ「こんにちは~ロクサーヌさんは?」
ルイーダ「あらパラディンちゃん、また来たの?」
パラ「明日王国城に帰るんです」
ルイ「そう!良かったわね昨日会ったじゃない?」
パラ「でロクサーヌさんに挨拶をと」
ルイ「女に挨拶するなんて悲しいだけじゃない」
パラ「でも、僕を男に…」
ルイ「判ったわ、ロクサーヌ!居るんでしょ?」
…
ルイ「あれ?ロクサーヌ?」
パラ「居ないのですか?」
ルイ「おかしいわね、さっきまで居たのに…」
パラ「会いたかった…」
ルイ「また来て、ロクサーヌには伝えとく」
パラ「…そんな…」
レオコーン道場
勇者「なむなむ」
勇者「おっちゃんありがとう。俺はそろそろ帰るよ」
ほわわわ~ん
レオ「そうか、いろいろあった様じゃな」
勇者「師匠!」
レオ「お前はもう勇者じゃ心配するな」
勇者「でも…」
レオ「案ずるな、道を進め!迷えばまたここで会おう勇者よ!」
勇者「はい!師匠!」
ほわわわ~ん
再びルイーダの酒場
ガラガラ
旅芸人「おーい、ルイーダ!」
ルイ「あら」
旅芸「久しぶりに飲まないか?」
ルイ「なにを?」
旅芸「何をって、お前はほんとに怪しいな」
ルイ「あなたの飲もうなんて言ってないじゃない」
旅芸「言ってるだろ!」
ルイ「相変わらず冗談の通じない人ね」
旅芸「それを言うなよ」
ルイ「ま、昔付き合ってたよしみで付き合ってあげるわ」
旅芸「そうこなくっちゃ!」
ルイ「私達なんで別れたのかしらね」
旅芸「なんでだろうな?」
ルイ「判らなくなっちゃったわ」
宿屋
盗賊「イシュダル!」
イシ「盗賊!」
盗賊「もう会えないかと思ってた」
イシ「私は会えると信じてたわ」
盗賊「さぁ飲もう、今夜は飲もう」
イシ「えぇ、酒もあなたのも飲むわ」
盗賊「俺の故郷で暮らさないか?」
イシ「私の店の手伝いしない?」
盗賊「ははははwいいね、それもいい」
イシ「客は魔物しかいないけどね」
盗賊「さぁこっちおいで!」
イシ「優しくしないで、乱暴に抱いて!」
隣の部屋
魔法「勇者と同じ部屋?」
勇者「うん、ここしか空いてないんだってよ」
魔法「えー」
勇者「嫌なのか?」
魔法「そう言う訳じゃ…はずかしいよ」
勇者「そうか…」
魔法「見ないでよ」
勇者「(え?なんで脱いでんの?)」
魔法「じゃ…お願い」
勇者「(え、えーーーいきなり…)」
魔法「え?手順違う?」
勇者「手順か…そんなの関係ないね」
魔法「あん…」
勇者「おふぅ」
翌朝。ちゅんちゅん。
宿屋主人「昨日はお楽しみでしたね」
盗賊「うるせーよ!」
勇者「うるせーよ!」
バト「飲み過ぎた!頭痛い!」
パラ「あーロクサーヌ…」
レン「魔法が妹か…」
盗賊「あー今日も空が紫色だ!」
賢者「う~ん、なかなかいいパンツがないわね~」
旅芸「イタタタ、腰が痛い!」
勇者「おふぅおふぅ♪」
魔法「気持ち悪い笑いしないで!」
ロクサーヌ「私もついて行っていい?」
パラディン「ロクサーヌ!!」
ロク「私はあなたが好き」
パラ「僕も君が…」
バト「熱いねぇ~若い奴らは」
賢者「(うーわー!糞ビッチと付き合うとかないわ!)」
旅芸「よしみんな!馬車に乗れ!帰るぞ!」
…約半年後…
パラディン大臣「であるからして、王は引き渡し条約により本日王国に返されますが
過去の謀反を企てた証拠により再び収監される!」
王様「ううう、これまでか…」
パラ「再び戦火が起きぬように魔王国に大使館を設ける!その大臣として
盗賊殿に職務を任命する!
加えて、王国内の魔王国大使館には魔王国イエローサタン殿が就任される
前線基地内を解放し、両国の貿易拠点とする。その任は両民族の血を受け継ぐ賢者殿!
あなたが適任だと判断した。
そして勇者殿!これからも王国を守る守護神とし王国守備軍の編成しその指揮官とする!
バトルマスター殿は王国内の剣術指南所の師範とする!
魔法殿も同様、魔法研究所の所長とする!
最後に愚息パラディンを王国内政大臣とする!以上!!」
盗賊「俺が大使館員?そんな馬鹿な」
賢者「私なんてお金儲けの才はないですよ」
勇者「軍なんて率いたくないよ!」
バト「俺なんて座ってるだけだぞきっと…」
魔法「所長!お金貰える?」
パラ「内政ってなに?」
旅芸「俺はまた流離うよ」
旅芸「みんな元気でな、もう会う事はなさそうだが…」
勇者「ありがとう、でもまた会えるような気がする…」
旅芸「勇者…強くなったな。まるで…ロビンの…」
勇者「言わないで、判ってる…いつも彼は俺の心の中に居る」
旅芸「あぁ、そうだな」
勇者「さよならだね」
旅芸「あぁ、さよならだ」
…完…
隣国王子「あの王国がついに変わったかww」
隣国参謀「そろそろ私達の出番かとw」
王子「あの大陸もそろそろ征服時期だな、新しい魔物でも飼うか?」
参謀「しかし、あまりにやりすぎると私達の事が露見して…」
王子「案ずるな、俺達が裏でなんて誰も信じてくれんさ」
参謀「では御意に」
王子「再び血が流れる時…その時は終わりだクズ共!はっはっはっ!」
おちかれ
依頼ださねーの?
いや2章がこれから始まるんだろ
ごめん、続きはまだ書いてないw
なので依頼出しといた
誰が誰だかって指摘があったので、もう少し判りやすく書いてみたいなと
最近ドラクエSSって少ないからまだ続けて書いてみたいと思います。
ありがとね
乙
擬音だけじゃ何やってるかわからないとことかあったからそこら辺も気にしてみるといいかもしれない
このSSまとめへのコメント
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