第七学区
木山「ふー、ようやく出所か」
木山「やはりシャバの空気は美味しいものだな」スーハー
木山「しかしこれからどうしたらいいのか…。研究所を追い出されてしまった」
木山「ま、あれだけのことをすれば当然か…フフ」
木山「こんな私でもまだ雇ってくれる研究施設があればいいのだが……」スタスタ
木山「ふー…、それにしても暑いな」
木山「少し歩いたせいか…よいしょ」ヌギッ
「ちょっと待ちないアンタああああああーーーっ!!」バッ
木山「?」
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木山「なんだ君か。そうやって掴まれるとシャツが脱げないのだが……」
美琴「それをさせないって言ってんのよ!! 周り見なさいよちょっとは!!」
ザワザワ……ガヤガヤ……
木山「……ふむ」
木山「それもそうだな」
木山「いや、すまないね。また警備員に連行されてしまうところだったよ」
美琴「気をつけてくださいよ、ったく」
美琴「あれ、もう出られたんですか?」
木山「ああ。我ながら服役態度はよかったからね。存外はやく表に出られたよ」
美琴「そうですか…」
木山「ははは。相変わらずだな君は」
美琴「へ?」
木山「心配しなくても、私はもう悪どい研究に手を伸ばしたりはしないさ」
木山「教え子たちはもう目を覚ましたんだ」
木山「今度は彼らの先生として、彼らに恥ずかしくない行いをしなくちゃならいからね」
美琴「そ、そうですか」
木山「まさか、本当に疑っていたのか…?クスクス ちっとも変わらないな、君は」
美琴「あ、あははは…」
美琴「それで、木山先生はこれからどうするつもりなんですか?」
美琴「また元の研究所に?」
木山「それは無理だ。例の件の責任を取らなきゃならないからね。あっけなく追放されたよ」
木山「……うん」
木山「でも君に会って、やはりこれでよかったと思えた」
美琴「そんな」
木山「いいんだ。いいきっかけになった」
木山「そうだな、私はもう白衣は脱ぐことにしよう。結局、学園都市に対して抱いた不安感は消えなかった訳だしね」
木山「何の役にも立たない研究者としての人生はここでおしまいにするよ」
美琴「え?だったらこれから、」
木山「ああ。まだなにも決めていないが、幸いお金だけはある」
木山「私はこれから新しい道を模索するよ。落ち着いたらまた会おう。お茶でもごちそうする」
美琴「はい、楽しみにしてますね」
木山「さて。ブタ箱のメシにはうんざりしていたところだし、さっそくシャバのご飯でも食べに行くとするか」
木山「思い返してみれば、こうやって食事のためだけに足を動かすのはいつ以来だろう……」
木山「研究職についてからは、効率重視のサプリメントばかりだった気がする」
木山「それでもこうして健康体で生きていられるところがこの街のスゴイところだけどね…ハハハ」
木山「食事、か……」
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そして一月が経過し……、ここは第七学区の大通りから少しだけ外れた小道。
ビル群のそばにある、背の低い建物の集まる庶民的な通り。
木山「やはりここは立地が最高だな…。この物件を借りられてよかった」
仲介人「ええ。実はここ、先生の他にも希望しているお客様が7組ほどいらっしゃったんですよ」
木山「そんなにか…?するとどうしても私が選ばれたことに疑問を感じてしまうな」
仲介人「ははは。私はこういう商売ですからあまり詳しいことも知りませんし、足を運んだこともないんですがね、」
仲介人「まあ強いて言うなら、熱意に負けたってところですかね」
仲介人「私達からすればお金さえ払ってくれるならどこのどなたにでも物件の紹介はさせてもらうんですが」
仲介人「お客様を選ばせてもらえる権利を与えられると、どうしても気に入った方にお譲りしたくなるものなんですよ」ホホホ
木山「そう言っていただけると嬉しいな」
木山「ぜひオープンしたら一度立ち寄って欲しい。サービスさせてもらう」
仲介人「はい、楽しみにしておきます」
なにこの俺得喫茶
あれだろ、店内の温度が少しでも上がると脱いでくれるサービスがあるんだろう!?
乙、
ニート喫茶か痴女喫茶か
木山先生好きの俺歓喜
店主自らが脱ぐストリップバーか
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黄泉川ン家
黄泉川「桔梗ーっ、桔梗どこじゃーん?」
打ち止め「あーっ、お帰りヨミカワ!ってミサカはミサカは飛びついてみたりー」ガバッ
黄泉川「おっ、いい子にしてたかー打ち止め?」ヨシヨシ
打ち止め「もちろんなのだー。そうだ、ヨシカワなら多分部屋にいるよ」
黄泉川「さんきゅー。あと今日の晩御飯は今日は炊飯器おでんじゃん♪」
打ち止め「(´Д`|||) ドヨーン 」
:
:
黄泉川「………」ジー
一方通行「……なンだよ」
黄泉川「おかえり、は?」
一方通行「あァ?」
黄泉川「………」ジー
一方通行「チッ……おかえりィ」
黄泉川「やればできるっじゃんっ♪」ワシャワシャ
一方通行「触ンじゃねェっ!!」
黄泉川「照れんな照れんな。じゃ、私は桔梗の部屋に」スタスタ
一方通行「芳川はまだ寝てンじゃねェのか?」
黄泉川「えっ? もう17時じゃん?」
番外個体「んー、ヨシカワは最近昼間寝てるからねー」
黄泉川「番外個体ただいまじゃん。そうなのか、桔梗の奴……」
一方通行「芳川がニートなのはいつもの事だろ。なンかあったのか?」
黄泉川「いやぁ、さすがにこれ以上外に出ないと身体に悪いと思ってさぁ。せめてお前みたいに散歩をしてくれると安心なんだけど」
番外個体「そういえばミサカもゲコ太先生によく言われるんだよね。芳川くんはちゃんと元気にしてるのかい?って」
黄泉川「やっぱこのままはよくないじゃんねー」
黄泉川「よし、ちょっと話してみるじゃん。打ち止めの事頼んだよー。あと今日の晩御飯は炊飯器おでんじゃんっ♪」
一方通行「((;゚Д゚)」
番外個体「(゚д゚lll)」
:
:
黄泉川「桔梗ーっ、いるじゃん?」コンコン
>あら愛穂? お帰りなさい。もうご飯できたの?
黄泉川「まだじゃん。それでも炊飯器ならなんとかしてくれる」
>相変わらず炊飯器に対しての信頼がハンパじゃないわね……
黄泉川「とりあえず入るじゃんよー」ガチャ
黄泉川「桔梗……。なにやってるじゃんよ………」
芳川「なにって、布団から出ずにプレイステーションで遊んでるだけだけど」
黄泉川「布団はすぐ畳むもんじゃんよ。ていうかいつまで寝っ転がってる気じゃん!」
芳川「んもう、いいところだったのに」ヨイショヨイショ
黄泉川(やっぱさすがにこのままにしておくわけにもいかないじゃん……完全に引きこもる前に何としても)
ピンポーーン
黄泉川「あ、忘れてた! 今日は月詠センセが遊びに来るんだった!」
芳川「えっ? 来客なの? はやく着替えよう」
黄泉川(よしっ、まだ桔梗は大事な部分が死んでないじゃん)グッ
:
:
マンション前
小萌「ここに来るのは結構久しぶりなのですよー」
結標「そうね。でもわざわざご飯食べるために? 今日も私が御飯作ってあげたのに」
小萌「せ、先生にもたまには人間の食事をさせて欲しいのです……」
結標「??」
>よォ三下ァ!! ガチャ
一方通行「………」
一方通行「なンだオマエらかよ……」
結標「あなたそれ、本当に来客を迎え入れる態度なの……?」
小萌「あははは……」
一方さん、上条さんが来ると思って張り切ってたのか・・・
木山先生と芳川だと・・・!
期待してます
まだか
このSSまとめへのコメント
ほのぼのっぽいけど期待してもいいのかな?
失踪したりしないよね?